説明

ラミネート装置、及び画像記録体の作製装置

【課題】互いに圧接するロール対を支持する支持板の変形を抑制するラミネート装置を提供すること。
【解決手段】例えば、ラミネート装置として、一対の無端ベルト31で構成されるベルトニップ方式の装置を採用すると共に、第1支持板41Aにおける第2ロール群301Bのロール(第2加熱加圧ロール34B)に圧接される第1ロール群301Aのロール(第1加熱加圧ロール34A)を支持する支持部の周囲と第2支持板41Bにおける第1ロール群301Aのロール(第1加熱加圧ロール34A)に圧接される第2ロール群301Bのロール(第2加熱加圧ロール34B)を支持する支持部の周囲とを連結し、当該支持部の周囲における第1支持板41Aと第2支持板41Bとが離間する方向の移動を規制する規制連結部材43を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネート装置、及び画像記録体の作製装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成技術の発達に伴って、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、グラビヤ印刷及びスクリーン印刷などの様々な印刷法により、同一品質の画像を、大量かつ安価に形成する手段が知られている。そして、この印刷法は、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさった画像記録体(各種カード)など、情報を納め、外部装置と接触又は非接触に交信可能な情報媒体の表面印刷にも多く用いられている。
【0003】
印刷法のうち、電子写真方式の印刷法による画像記録体(各種カード)の作製としては、既にいくつかの提案がなされている。具体的には、例えば、光透過性シートに個人識別情報を印字し、さらに、上記印字は鏡像で行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、印刷した光透過性シートをラミネートするラミネートの工程を自動化する製造装置としては、例えば、上下一対の入り口側ロールと上下一対の出口側ロールとを平行に保持し、入り口ロールと出口側のロールとの間に無端ベルトを掛け渡し、無端ベルト内部に加熱・加圧ロールと冷却ロールとを配置した方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−334265号公報
【特許文献2】2005−28865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、下記規制部材を設けない場合に比べて、互いに圧接するロール対を支持する支持板の変形を抑制するラミネート装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
第1無端ベルトと、前記第1無端ベルトの内部に配置される複数の第1ロール群と、前記第1ロール群の両端を支持する一対の第1支持板と、を有する第1無端ベルトユニットと、
前記第1無端ベルトと対向して配置される第2無端ベルトと、前記第2無端ベルトの内部に配置される複数の第2ロール群であって、その少なくとも一つのロールが前記第1ロール群のロールに対して前記第1無端ベルト及び前記第2無端ベルトを介して圧接される第2ロール群と、前記第2ロール群の両端を支持する一対の第2支持板と、を有する第2無端ベルトユニットと、
前記第1支持板における前記第2ロール群のロールに圧接される前記第1ロール群のロールを支持する支持部の周囲と前記第2支持板における前記第1ロール群のロールに圧接される前記第2ロール群のロールを支持する支持部の周囲とを連結し、当該支持部の周囲における前記第1支持板と前記第2支持板とが離間する方向の移動を規制する規制部材と、
を具備し、
前記第1無端ベルトと前記第2無端ベルトとの間に被ラミネート体を通過させることでラミネートするラミネート装置。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記規制部材が、少なくとも第1部材と前記第1部材に連結された第2部材とで構成され、
互いに圧接された前記第1ロール群のロール及び前記第2ロール群のロールに対して、当該ロール同士が離間する方向に予め定められた圧力を超えた圧力が付加されたとき、前記第1部材と前記第2部材とが離間する請求項1に記載のラミネート装置。
【0009】
請求項3に係る発明は、
コアシートと少なくとも片面に画像が形成された光透過性フィルムとを積層する積層手段と、
前記コアシートと光透過性フィルムとの積層体を加熱加圧することで、前記コアシートの表面を前記光透過性フィルムでラミネートするためのラミネート手段であって、請求項1又は2に記載のラミネート装置を有するラミネート手段と、
を具備する画像記録体の作製装置。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、上記規制部材を設けない場合を比べて、互いに圧接するロールを支持する支持板の変形が抑制される。
請求項2に係る発明によれば、上記規制部材が離間する機構を設けない場合を比べて、互いに圧接するロールの破壊が抑制される。
請求項3に係る発明によれば、上記規制部材を設けないラミネート装置を採用しない場合に比べ、コアシートと光透過性フィルムとの間における空気残りが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る画像記録体の作製装置により作製される画像記録体を示す概略断面図である。
【図2】実施形態に係る画像記録体の作製装置を示す概略構成図である。
【図3】実施形態に係るラミネート装置を示す概略側面図である。
【図4】実施形態に係るラミネート装置を示す概略平面図である。
【図5】実施形態に係る一対の加熱加圧ロールの圧接機構を説明するための概略正面図である。
【図6】実施形態に係る一対の加熱加圧ロールの圧接機構を説明するための概略側面図である。
【図7】実施形態に係る規制部材を示す概略分解斜視図である。
【図8】実施形態に係る規制部材の離間機構を説明するための模式図である。
【図9】他の実施形態に係る規制部材を示す概略分解斜視図である。
【図10】他の実施形態に係る規制部材の離間機構を説明するための模式図である。
【図11】実施形態に係る丁合い装置(丁合い受け)における積層工程を示す工程図である
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面をしつつ詳細に説明する。なお、実質的に同一の機能・作用を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
【0013】
図1は、実施形態に係る画像記録体の作製装置により作製される画像記録体を示す概略断面図である。図2は、実施形態に係る画像記録体の作製装置を示す概略構成図である。
【0014】
まず、本実施形態に係る画像記録体の作製装置により作製される画像記録体(被ラミネート体)について説明する。当該画像記録体は、例えば、プラスチックシートで構成され、図1に示すように、コアシート1と画像2、4が形成された表面フィルム3及び裏面フィルム5(共に光透過性フィルム)とが、画像2、4が形成された側の面がコアシート1と各々と対向するように重ねられ、ラミネートされてなる。なお、本実施形態では、コアシートの両面に画像が形成された光透過性フィルムをラミネートした形態を説明するが、無論、コアシートの片面に画像が形成された光透過性フィルムをラミネートした形態であってもよい。ここで、「光透過性」とは、可視光領域(400nm以上700nm以下)の光の透過率が80%以上、望ましくは90%以上であることを示している。
【0015】
そして、この画像記録体を作製する装置が、実施形態に係る画像記録体の作製装置である。
【0016】
本実施形態に係る画像記録体の作製装置は、図2に示すように、画像形成装置(画像形成手段)10と、丁合い装置20(積層手段)と、クリーニング装置50と、ラミネート装置(ラミネート手段)30と、から構成されている。
【0017】
画像形成装置10は、例えば、フィルム収納部11と、画像形成部12と、フィルム収納部11から画像形成部12へ光透過性フィルムを搬送する搬送路13と、画像形成部12から排出口14へ画像形成後の光透過性フィルムを搬送する搬送路15とから構成されている。その他の構成は省略する。
【0018】
画像形成部12は、図示しないが、例えば、潜像を形成する潜像保持体と、該潜像を少なくともトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー画像を得る現像器と、現像されたトナー画像を光透過性フィルムに転写する転写器、光透過性フィルムに転写されたトナー画像を加熱加圧して定着する定着器などを含む、公知の電子写真方式のカラー画像形成装置で構成されている。
【0019】
搬送路13、15は、例えば、駆動ロール対を含む複数のロール対やガイド(図示せず)から構成されている。搬送路15には、光透過性フィルムの搬送方向を180°反転させる反転路16が設けられている。搬送路15と反転路16との分岐部には、光透過性フィルムの案内方向を変更するカム17が設けられている。この反転路16で光透過性フィルムを往復させ、再び搬送路15に戻すと、光透過性フィルムの搬送方向が180°反転されると共に、光透過性フィルムの表裏が反転して搬送される。
【0020】
丁合い装置20は、例えば、コアシート収納部22と、丁合い受け(位置決め部)25、コアシート収納部22から丁合い受け25へコアシート1を供給する搬送路24と、画像形成装置10の排出口14から排出された光透過性フィルムを、丁合い受け25へ供給する搬送路21と、から構成されている。
【0021】
コアシート1を丁合い受け25へ供給する搬送路24の排出部と、光透過性フィルムを丁合い受け25へ供給する搬送路21の排出部は、高さ方向に並列して設けられている。
【0022】
上記搬送路21としては、例えば、板状部材と、その表面を光透過性フィルムを搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また回転する無端ベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして光透過性フィルムが画像形成装置10から排出されるタイミングで搬送ロールや搬送ベルトが回転し、光透過性フィルム丁合い受け25に搬送する。
【0023】
コアシート収納部22には、例えば、通常の給紙装置に備えられているピックアップロールや給紙ロールが備えられており、丁合い受け25がコアシート収納部22の排出口の位置に移動した直後のタイミングで給紙ロール等が回転し、丁合い受け25にコアシートを搬送する。
【0024】
丁合い受け25は、例えば、搬送路24の排出部と搬送路21の排出部からコアシート及び光透過性フィルム(表面フィルム、裏面フィルム)がそれぞれ供給される位置に設置されており、積層されたコアシート及び光透過性フィルム(表面フィルム、裏面フィルム)の端部を揃えて、位置決めする手段(図示せず)が設けられている。
【0025】
また、丁合い受け25には、コアシートを介して2つの光透過性フィルムを積層した積層体を仮止めする仮止め装置26が設けられている。この仮止め装置26は、例えば、ヒータなどにより加熱されるよう金属からなる一対の突片で構成されており、この加熱された一対の突片により積層体の端部を挟むことで、積層体の端部が熱溶着されて仮止めされる。
【0026】
なお、上記仮止め装置26は、丁合い受け25からラミネート装置への積層体の搬送路上に設けられる場合には、仮止め装置26は、仮止め時のみ丁合い受け25の端部に配置され、それ以外のときは上記搬送路から退避する機構を備える。
【0027】
積層体のクリーニング装置50は、例えば、除電装置51とクリーニングロール52とで構成されており、丁合い装置20を通過した積層体の表面のゴミ、埃等を除去した後、次工程のラミネート装置30へと積層体を搬送する。
【0028】
ラミネート装置30は、図3及び図4に示すように、積層体を加熱加圧することで、前記コアシートの表面を光透過性フィルムでラミネートするラミネート装置である。
【0029】
ラミネート装置30は、互いに対向した一対の無端ベルトから構成されるベルトニップ方式が採用され、一対の無端ベルト間でコアシートの表面を光透過性フィルムでラミネートし画像記録体が作製される構成となっている。
【0030】
具体的には、例えば、ラミネート装置30は、台40と、台40上に配される第1無端ベルトユニット30A及び第2無端ベルトユニット30Bと、で構成されている。
【0031】
第1無端ベルトユニット30Aは、第1無端ベルト31Aと、第1無端ベルト31Aの内部に配置される複数の第1ロール群301Aと、第1ロール群301Aの両端を支持する一対の第1支持板41Aと、を備えて構成されている。
そして、第1無端ベルトユニット30Aには、第1ロール群301Aとして、第1無端ベルト31Aを内周面から張力を付与しつつ支持する第1張力付与ロール32A及び第1インレットロール35Aと、第1張力付与ロール32A及び第1インレットロール35Aの間に配される第1加熱加圧ロール34A、第1冷却板39A、及び第1冷却ロール33Aと、を備えている。なお、第1加熱加圧ロール34A、第1冷却板39A、及び第1冷却ロール33Aは、積層体搬送方向にこの順に配されている。
【0032】
同様に、第2無端ベルトユニット30Bは、第2無端ベルト31Bと、第2無端ベルトの内部に配置される複数の第2ロール群301Bと、第2ロール群301Bの両端を支持する一対の第2支持板41Bと、を備えて構成されている。
そして、第2無端ベルトユニット30Bには、第2ロール群301Bとして、第2無端ベルト31Bを内周面から張力を付与しつつ支持する第2張力付与ロール32B及び第2インレットロール35Bと、第2張力付与ロール32B及び第2インレットロール35Bの間に配される第2加熱加圧ロール34B、第2冷却板39B、及び第2冷却ロール33Bと、を備えている。なお、第2加熱加圧ロール34B、第2冷却板39B、及び第2冷却ロール33Bは、積層体搬送方向にこの順に配されている。
【0033】
第1無端ベルトユニット30Aと第2無端ベルトユニット30Bとは、互いの第1無端ベルト31A及び第2無端ベルト31Bと、互いの第1ロール群301A及び第2ロール群301Bと、が対向するように配置されている。そして、第1ロール群301Aのうち第1加熱加圧ロール34Aと、第2ロール群301Bうち第2加熱加圧ロール34Bとは、第1無端ベルト31A及び第2無端ベルト31Bを介して圧接して配置されている。
なお、第1加熱加圧ロール34Aは、第2ロール群301Bのロールに圧接される第1ロール群301Aのロールの一例に相当する。また、第2加熱加圧ロール34Bは、第1ロール群301Aのロールに圧接される第2ロール群301Bのロールの一例に相当する。
【0034】
また、第1無端ベルトユニット30Aと第2無端ベルトユニット30Bとは、対向する第1支持板41Aと第2支持板41Bとを長手方向両端で、連結部材42(以下、位置決め連結部材42と称する)により連結して、位置決めされて固定がなされている。
【0035】
加えて、第1支持板41Aにおける第1加熱加圧ロール34Aを支持する支持部の周囲と、第2支持板41Bにおける第2加熱加圧ロール34Bを支持する支持部の周囲と、も連結部材43(以下、規制連結部材43と称する)により連結されている。この規制連結部材43は、各加熱加圧ロールを支持する各支持板の支持部の周囲をそれぞれ挟むように2本設けている。無論、規制連結部材43の数は、上記に限られず、1個でも3つ以上あってもよい。
なお、規制連結部材43は、当該支持部の周囲における第1支持板41Aと第2支持板41Bとが離間する方向の移動を規制する規制部材の一例である。
【0036】
第1無端ベルトユニット30Aと第2無端ベルトユニット30Bとにおいて、無端ベルと31A及び第2無端ベルト31Bを介して対向配置された第1インレットロール35Aと第2インレットロール35Bともニップせずに設置(離間して配置)されている。同様に、無端ベルと31A及び第2無端ベルト31Bを介して対向配置された第1張力付与ロール32A及び第2張力付与ロール32Bとはニップしないように設置(離間して配置)されている。これにより、連続稼動により無端ベルト31が蛇行しても稼動させながら無端ベルトを予め定められた位置に戻る。つまり、第1張力付与ロール32A及び第2張力付与ロール32Bの軸方向両端部にぞれぞれ設置した第1テンションバネ36A及び第2テンションバネ36Bのバネ力を調整して第1無端ベルト31A及び第2無端ベルト31Bの蛇行を抑制している。
【0037】
一方、第1無端ベルト31A及び第2無端ベルト31Bを介して対向配置された第1加熱加圧ロール34Aと第2加熱加圧ロール34Bとはニップを形成して配置(互いに圧接して配置)されている。第1無端ベルト31A及び第2無端ベルト31Bを介して対向配置された第1冷却板39Aと第2冷却板39B、第1冷却ロール33Aと第2冷却ロール33Bも同様に配置されている。
これらの部材の中も、コアシートと光透過性フィルムとの接着(ラミネート)させる機能を持つ第1加熱加圧ロール34Aと第2加熱加圧ロール34Bとが、最も高い圧力が付加された状態で、ニップ部を形成して配置されている。
【0038】
第1加熱加圧ロール34Aと第2加熱加圧ロール34Bとの圧接機構としては、例えば、次の機構が挙げられる。
例えば、図5及び図6に示すように、第1無端ベルトユニット30Aにおいて、第1支持板41Aに第1加熱加圧ロール34Aのシャフトの径と同径の開口41Aが設けられている。第1支持板41Aの開口41Aには、第1加熱加圧ロール34Aのシャフト両端がベアリング(不図示)を介して嵌め込まれている。これにより、第1加熱加圧ロール34Aは、第2加熱加圧ロール34Bとの対向方向(以下、ロール対向方向と称する)及びそれと交差する方向への移動が制限されて第1支持板41Aにより支持されている。
【0039】
一方、第2無端ベルトユニット30Bにおいて、第2支持板41Bには、楕円形(角丸長方形状)の開口41Bが、その長手方向をロール対向方向に沿わすように設けられている。具体的には、例えば、開口41Bは、第2加熱加圧ロール34Bのシャフトの径と同径の幅(ロール対向方向と交差(例えば直交)する方向の長さ)、及び第2加熱加圧ロール34Bのシャフトの径よりも長い長手方向長さを持ち、長手方向の対向縁がシャフトの径の曲率と同じ曲率を持つ形状としている。第2支持板41Bの当該開口41Bには、第2加熱加圧ロール34Bのシャフト両端がベアリング(不図示)を介して挿入されている。これにより、第2加熱加圧ロール34Bは、第1加熱加圧ロール34Aとの対向方向(以下、ロール対向方向と称する)へ移動できる一方で、それと交差する方向への移動が制限されて第2支持板41Bにより支持されている。
【0040】
また、第2加熱加圧ロール34Bのシャフト両端部先端は、第2支持板41Bの開口41Bに挿入された状態で軸受け板44により軸受けされている。軸受け板44の幅方向両端(ロール対向方向に対して交差方向の両端)は、第2支持板41Bに設けられた2つの案内板45によりロール対向方向に移動するように支持されている。軸受け板44は、そのロール対向方向における第1加熱加圧ロール34A側とは反対側の面にバネ部材46が配設され、バネ部材46により第1加熱加圧ロール34A側に圧力が付加される。
【0041】
バネ部材46は、その長手方向における第1加熱加圧ロール34A側とは反対側の端部に圧力調整ピン47が連結されている。圧力調整ピン47は、第2支持板41Bにおける第2加熱加圧ロール34Bの軸方向外側に突出した突出部に設けられた円形開口に嵌め込まれて配設されている。ここで、圧力調整ピン47にはねじ山が形成されている一方で、第2支持板41Bの円形開口にはタップ孔が形成されている。このため、圧力調整ピン47を回転することでバネ部材46の伸縮が調整され、その結果、第2加熱加圧ロール34Bが第1加熱加圧ロール34Aに対して目的とする圧力で圧接された状態で配設される。
なお、第1冷却ロール33A及び第2冷却ロール33Bも同様な機構により圧接力を調整して配設されている。
【0042】
このように圧接された状態において、第1加熱加圧ロール34Aを支持する第1支持板41Aの支持部周囲と、第2加熱加圧ロール34Bを支持する第2支持板41Bの支持部周囲とを連結する規制連結部材43は、例えば、図7に示すように、第1規制連結部材43Aと第1規制連結部材43Aと連結される第2規制連結部材43Bとで構成されている。
第1規制連結部材43Aにおける第2規制連結部材43Bと連結する端部(端面)には、第2規制連結部材43B側に突出した凸部43Aを有している。
一方、第2規制連結部材43Bにおける第1規制連結部材43Aと連結する端部(端面)には、内部に窪んだ凹部43Bを有している。
【0043】
第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとは、互いの凸部43Aが凹部43Bに嵌め込まれて連結されている。また、第1規制連結部材43Aの凸部43Aと第2規制連結部材43Bの連結側端部とには、凸部43Aが凹部43Bに嵌め込まれた状態で、連結方向と交差する方向に貫く貫通孔43Cが設けられ、当該貫通孔43Cに固定棒43Cが挿入されて、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとは連結されている(図8(A)参照)
【0044】
この固定棒43Cにより、第1規制連結部材43A及び第2規制連結部材43Bの連結部を固定することで、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとが離間する方向に予め定められた圧力が付加された状態では、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとは離間されない一方で(図8(A)参照)、当該離間する方向に予め定められた圧力を超えた過剰の圧力が付加されとき、固定棒43Cは破壊される。その結果、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとが離間し、第1支持板41Aと第2支持板41Bとが離間する方向の移動の規制が解除される(図8(B)参照)。
【0045】
また、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとの間には、連結が解除されたことを検知するセンサ43D(例えば導通センサや、圧電素子センサ等)を設けてもよく、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとの連結が解除されたとき、センサ43Dにより検知し、この検知信号に基づいて、当該解除が生じたことを表示装置(不図示)で表示したり、無端ベルトを回転駆動する駆動装置(不図示)を停止したりする構成としてもよい。
【0046】
なお、規制連結部材43の構成は上記形態に限られず、互いに圧接された第1加熱加圧ロール34A(第1ロール群301Aのロール)及び第2加熱加圧ロール34B(第2ロール群301Bのロール)に対して当該ロール同士が離間する方向に予め定められた圧力を超えた圧力が付加されたとき、つまり、第1支持板41Aと第2支持板41Bとが離間する方向に予め定められた圧力を超えた圧力が付加されたとき、当該第1支持板41Aと第2支持板41Bとが離間する方向への規制を解除される構成であれば特に制限はなく、規制連結部材43は、例えば、図9に示すように、第1規制連結部材43Aの凸部43Aを、第2規制連結部材43B側へ向かうに従って漸次外形が大きくなる円形状で構成させる一方、第2規制連結部材43Bの凹部43Bを、内部に向かうに従って開口径が漸次大きくなる円形状で構成させ、この形状の凸部43Aと凹部43Bを嵌め合わせて、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとは連結させる形態であってもよい。
本形態では、円形状の凸部43Aと円形状の凹部43Bとの嵌め合せにより、第1規制連結部材43A及び第2規制連結部材43Bの連結部を固定することで、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとが離間する方向に予め定められた圧力が付加された状態では、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとは離間されない一方で(図10(A)参照)、当該離間する方向に予め定められた圧力を超えた過剰の圧力が付加されとき、凹部43Bを構成する第2規制連結部材43B周囲が変形し、円形状の凸部43Aと円形状の凹部43Bとの嵌め合せが解除される。その結果、第1規制連結部材43Aと第2規制連結部材43Bとが離間し、第1支持板41Aと第2支持板41Bとが離間する方向の移動の規制が解除される(図10(B)参照)。
無論、規制連結部材43は、2つの部材から構成させる形態に限られず、一つの部材で構成させ、第1支持板41Aと第2支持板41Bとが離間する方向に予め定められた圧力を超えた圧力が付加されたとき、第1支持板41A又は第2支持板41Bとの連結部で解除される構成であってもよい。
【0047】
次に、ラミネート装置30の動作について説明する。
なお、以下、第1無端ベルトユニット30Aと第2無端ベルトユニット30Bとは対向配置され対をなしており、以下、対向配置された第1無端ベルト31A及び第2無端ベルト31Bを「一対の無端ベルト31」、対向配置された第1インレットロール35A及び第2インレットロール35Bを「一対のインレットロール35」、対向配置された第1加熱加圧ロール34A及び第2加熱加圧ロール34Bを「一対の加熱加圧ロール34」、対向配置された第1冷却板39A及び第2冷却板39Bを「一対の冷却板39」、対向配置された第1冷却ロール33A及び第2冷却ロール33Bを「一対の冷却ロール33」、対向配置された第1張力付与ロール32A及び第2張力付与ロール32Bを「一対の張力付与ロール32」と称して説明する。
【0048】
ラミネート装置30では、一対のインレットロール35の後方(積層体搬送方向下流側)に配置された一対の加熱加圧ロール34とにより一対の無端ベルト31を介して積層体は加熱加圧される。この工程を経ることによって積層体は熱融着される。ここで、一対のインレットロール35がニップされていないことにより、積層体は一対の加熱加圧ロール34によるニップ部に突入する以前に一対の無端ベルト31のニップ力と加熱加圧ロール34からの予熱により仮ラミネートされながら加熱加圧ロール34によるニップ部へと搬送される。
【0049】
加熱加圧ロール34によるニップ部は積層体の接着工程であり、このニップ部を通過した積層体は冷却板39によるニップ部へと突入する。これにより、積層体は、冷却板39によるニップ部により平面性を維持したまま冷却される。この冷却板39はアルミ等の熱伝導率を有する材料で構成させており、無端ベルト31と接触する面には擦動性を持たせるためテフロン(登録商標)テープ等が貼られている。また、一対の冷却板39は、それぞれ図示しないがバネ等の弾性部材により所望の荷重で無端ベルト31内周面に押圧され、ニップ部を形成している。
【0050】
ここで、一対の無端ベルト31から伝達してくる熱を冷却するため一対の冷却板39上に、それぞれ、当該一対の冷却板39を冷却するための空気流を発生させる第1冷却ファン37A(空気流発生手段)、第2冷却ファン37B(空気流発生手段)が設置されている。冷却ファン37は、一対の無端ベルト31のそれぞれの内部であって、加熱加圧ロール34の積層体搬送方向下流側、即ち一対の加熱加圧ロール34と一対の冷却ロール33との間に配されている。第1冷却ファン37A、第2冷却ファン37Bにより発生した空気流をそれぞれ一対の冷却板39に吹き付けることで、一対の冷却板39が冷却される。
【0051】
冷却板39を通過した積層体は一対の冷却ロール33へ突入する。一対の冷却ロール33によるニップ力は一対の冷却板39によるニップ圧力より高く設定されていると共に、一対の冷却ロール33を通過する際に積層体の温度は光透過性フィルムのガラス転移温度(Tg)以下となるように、ラミネート装置30の温度プロファイルは設計されているため、これにより、積層体は平面性を維持したまま一対の冷却ロール33によるニップ部を通過することとなる。なお、連続稼動による一対の無端ベルト31の汚れ等を除去するためクリーニング装置(図示せず)が設置されている。
【0052】
上記接着工程、冷却工程を経た積層体は、平面性を維持したままラミネートされて、排出受け61に排出され、画像記録体が得られる。ここで、画像記録体に個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、目的とするサイズの画像記録体を得る。また、例えば数枚分のカードのパターンとなっている場合は、1枚分ずつに裁断され表裏が光透過性フィルムでラミネートされたカード等となる。
【0053】
ここで、ラミネート装置30において、コアシートを介して2つの光透過性フィルムを積層した積層体を接着(ラミネート)するは、例えば、一対の加熱加圧ロール34を圧接して配置しなければならず、この圧接力(荷重)により、第1加熱加圧ロール34Aを含む第1ロール群301Aを支持する第1支持板41A、第2加熱加圧ロール34Bを含む第2ロール群301Bを支持する第2支持板41Bが変形し、一対の加熱加圧ロール34の中心間距離が離間するように変動することがある。特に、ベルト方式のラミネート装置30では、複数のロール(第1ロール群301A、第2ロール群301B)が必要であり、これらを支持する第1支持板41A及び第2支持板41Bは、長手方向に延びた形状となるため、上記変形が生じ易い。
【0054】
そこで、本実施形態に係る画像記録体の作製装置では、ラミネート装置30において、第1支持板41Aにおける第2ロール群301Bのロール(第2加熱加圧ロール34B)に圧接される第1ロール群301Aのロール(第1加熱加圧ロール34A)を支持する支持部の周囲と、第2支持板41Bにおける第1ロール群301Aのロール(第1加熱加圧ロール34A)に圧接される第2ロール群301Bのロール(第2加熱加圧ロール34B)を支持する支持部の周囲とを連結し、当該支持部の周囲における第1支持板41Aと第2支持板41Bとが離間する方向の移動を規制する規制連結部材43を設ける。
【0055】
この規制連結部材43により、第1支持板41Aと第2支持板41Bにおける互いに圧接して配置される一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)の支持部の周囲間を連結・補強することで、当該支持部周囲での第1支持板41Aと第2支持板41Bの離間が規制、つまり当該第1支持板41Aと第2支持板41Bの変形が抑制される。これにより、互いに圧接して配置される一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)間の中心軸間距離の変動が抑制される。これにより、コアシートを介して2つの光透過性フィルムを積層した積層体に対する圧力付与不足が抑制され、コアシートと光透過性フィルムとの間における空気残りが抑制される。その結果、当該空気残りに起因する画像欠陥が抑制された画像記録体が作製される。
【0056】
また、一方で、上記如く、第1支持板41Aと第2支持板41Bとが規制連結部材43により連結された状態のラミネート装置30に、2組以上の上記積層体や、規格外の厚みのものがラミネート装置30に挿入されてくると、互いに圧接して配置される一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)間においては、離間する方向に予定外の圧力(予め定められた圧力を超えた圧力)が加わることになるが、それらを支持する支持部の周囲の第1支持板41Aと第2支持板41Bとの離間が規制されるため、一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)自身に過剰の負荷が掛かり易くなり、一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)の弾性層やシャフトが破壊されてしまうことがある。一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)が破壊されてしまうと、第1支持板41Aや第2支持板41Bの変形による交換に比べて、これらロールの交換はコストが掛かることが多い。
【0057】
そこで、本実施形態に係る画像記録体の作製装置では、ラミネート装置30に配置した規制連結部材43を少なくとも第1部材(第1規制連結部材43A)と前記第1部材に連結された第2部材(第2規制連結部材43B)とで構成し、互いに圧接された一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)に対して、当該ロール同士が離間する方向に予め定められた圧力を超えた圧力が付加されたとき、第1部材と前記第2部材とが離間するように構成している。これにより、2組以上の上記積層体や、規格外の厚みのものがラミネート装置30に挿入されて、互いに圧接された一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)同士が離間する方向に予め定められた圧力を超えた圧力が付加されたとき、規制連結部材43による第1支持板41Aと第2支持板41Bとの離間する方向への規制が解除され、一対のロール(一対の加熱加圧ロール34)に掛かる負荷が緩和されることから、当該ロールの破壊が抑制される。
【0058】
なお、本実施形態に係る画像記録体の作製装置では、ラミネート装置30において、規制連結部材43により、互いに圧接配置される一対の加熱加圧ロール34を支持する第1支持板41A及び第2支持板41Bの当該支持部の周囲を連結した形態を説明したが、これに限られず、互いに圧接配置される他の一対のロール(例えば、一対の冷却ロール33)を支持する第1支持板41A及び第2支持板41Bの当該支持部の周囲を連結した形態であってもよい。
【0059】
本実施形態に係る画像記録体の作製装置では、一枚のコアシートに画像が形成された光透過性フィルムをラミネートし、必要に応じて裁断する形態を説明したが、これに限られるものではない。例えば、一つ以上の窓穴を有するコアシート保持ホルダーを利用し、目的とする大きさ(例えばカードサイズ)に作製されたコアシートを当該コアシートホルダーの窓穴に挿入して保持された状態で、当該コアシートホルダー(これに保持された状態のコアシート)と画像が形成された光透過性フィルムを積層した積層体をラミネートする形態であってもよい。以下、本形態について詳細に説明するが、これに限られるわけではない。
【0060】
この形態では、図11(A)に示すように、まず、丁合い受け25上に裏面フィルム5が供給される。次に、図11(B)に示すように、窓穴7Aにコアシート1を挿入(セット)したコアシート保持ホルダー7が、丁合い受け25へと供給され、裏面フィルム5に積層される。裏面フィルム5の画像4はコアシート保持ホルダー7の窓穴7A(コアシート1)と一致する位置となっている。次に、図11(C)に示すように、表面フィルム3が、丁合い受け25へと供給され、コアシート保持ホルダー7に積層される。このとき、表面フィルム3の画像2はコアシート保持ホルダー7の窓穴(コアシート1)と一致する位置となっている。このようにして丁合い受け25上で積層体が形成される。
【0061】
本実施形態に係る画像記録体の作製装置では、光透過性フィルムをコアシートの両面にラミネートする形態を説明したが、これに限られず、得られる画像記録体の用途に応じて、光透過性フィルムをコアシートの片面にラミネートする形態であってもよい。
【0062】
本実施形態に係る画像記録体の作製装置では、光透過性フィルムをラミネートする形態を説明したが、光透過性フィルムを例えば基材と画像保持層とで構成し、光透過性フィルムをラミネート後、基材を剥がす形態であってもよい。
【0063】
本実施形態に係る画像記録体の作製装置により得られる画像記録体(プラスチックシート)は、顔写真入りキャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明等の非接触式又は接触式個人情報画像情報入り情報媒体、さらに医療現場などで用いる本人照合用画像シートや画像表示板、表示ラベルなどに利用される。用途に応じて、コアシートには、ICチップ、アンテナ、磁気ストライプ、外部端子などが埋め込まれたり、磁気ストライプ、ホログラム等が印刷されたり、必要文字情報がエンボスされ得る。そして、光透過性フィルムには必要な画像が形成される。
【実施例】
【0064】
以下、本実施形態に係る画像記録体の作製装置の作用・効果を確認するための実施例(ラミネート装置30の作用・効果を確認するための実施例)を示す。
【0065】
(実施例A)
上記本実施形態に係る画像記録体の作製装置を準備し、これを用いて画像記録体を作製して、以下の評価を行った。
なお、コアシート、光透過性シート、画像形成装置(画像形成手段)10の構成、ラミネート条件は以下の通りである。
【0066】
−画像形成装置の構成−
画像形成装置としては富士ゼロックス製DocuColor1256GA(電子写真装置)を使用した。この画像形成装置に下記光透過性フィルムをセットした。
【0067】
−コアシート−
画像の形成に用いたコアシート(カード)としては、PETG(三菱樹脂社製、ディアフィクスWHI)製で、厚さは760μm、大きさ210mm×297mmに加工されたものを用いた。
【0068】
−光透過性フィルム−
光透過性フィルムとしては、ベース層(基体)と画像保持層とからなる2層構造のものを用いた。ベース層には、PETフィルムの片面に予め離型処理を施したA4サイズのフィルム(厚み:100μm)を用いた。
画像保持層は、ポリエステル樹脂(バイロン:三菱樹脂製)にマット剤として直径15ミクロンのアクリル樹脂を15%混合したものを用いており、PETフィルムの片面に厚さが10μmとなるように形成した。
【0069】
−ラミネート条件−
画像形成装置にてプリントされた光透過性フィルムをコアシートと丁合いした積層体を、加熱温度を125度、加熱加圧ロール間の荷重を5kN、無端ベルトの送り速度を5mm/sに設定して、ラミネートを実施した。
【0070】
(実施例B)
規制連結部材として、一部材で構成され過剰な付加が掛かっても連結が解除されない規制連結部材を適用した以外は、実施例Aと同様に評価した。
【0071】
(比較例A)
規制連結部材を設けない以外は、実施例Aと同様に評価した。
【0072】
(評価)
−画像記録体の品質−
得られた画像記録体の品質に問題があるか否かを評価した。詳細には、支持板が変形して加熱加圧ロール間の荷重(圧接力)が不足した状態になると画像記録体(コアシートと光透過性フィルムとの間)に脱気できない空気のダマが生じるので、その有無を評価した。
○:プラスチックシートの品質に問題なし
×:プラスチックシートに残留空気発生
【0073】
−画像記録体の作製装置の信頼性−
画像記録体製造装置のラミネート装置に、コアシートと光透過性フィルムとの積層体を2組重ねた状態で挿入し、ラミネート装置に異常が発生するか否かを評価した。詳細には、加熱加圧ロール間の荷重(その離間する方向に掛かる圧力)が過剰に高くなると加熱加圧ロールの表面ゴム層が破損するので、その有無を評価した。
○:加熱・加圧ロールの破損なし
×:加熱・加圧ロールの破損あり
【0074】
(評価結果)
−実施例A−
得られた画像記録体の品質に全く問題無く、高品質の画像記録体を得ることができた。また、積層体を2組重ねた場合でも加熱加圧ロールの破損は無く、信頼性の高い装置であることが確認できた。
【0075】
−実施例B−
得られた画像記録体の品質に全く問題無く、高品質の画像記録体を得ることができた。しかしながら、積層体を2組み重ねた場合には加熱加圧ロールの表面ゴム層が破損した。
【0076】
(比較例A)
得られた画像記録体に残留空気が目視できるようになり、品質としては不良品となってしまった。一方で、積層体を2組重ねた場合には加熱加圧ロールの破損は発生しなかった。
【0077】
以上の結果を表1に示す。
【0078】
【表1】

【符号の説明】
【0079】
1 コアシート、2 画像、3 表面フィルム、4 画像、5 裏面フィルム、7 コアシート保持ホルダー、7A 窓穴、10 画像形成装置、11 フィルム収納部、12 画像形成部、13 搬送路、14 排出口、15 搬送路、16 反転路、17 カム、20 丁合い装置、21 搬送路、22 コアシート収納部、24 搬送路、26 仮止め装置、30 ラミネート装置、30A 第1無端ベルトユニット、30B 第2無端ベルトユニット、31A 第1無端ベルト、31B 第2無端ベルト、32A 第1張力付与ロール、32B 第2張力付与ロール、33A 第1冷却ロール、33B 第2冷却ロール、34A 第1加熱加圧ロール、34B 第2加熱加圧ロール、35A 第1インレットロール、35B 第2インレットロール、36A 第1テンションバネ、36B 第2テンションバネ、37 第1冷却ファン、37 第2冷却ファン
39A 第1冷却板、39B 第2冷却板、40 台、41A 第1支持板、41B 第2支持板、42 位置決め連結部材、43 規制連結部材、43A 第1規制連結部材、43A 凸部、43B 第2規制連結部材、43B 凹部、43C 固定棒、43C 貫通孔、43D センサ、44 軸受け板、45 案内板、46 バネ部材、47 圧力調整ピン、50 クリーニング装置
51 除電装置、52 クリーニングロール、301A 第1ロール群、301B 第2ロール群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無端ベルトと、前記第1無端ベルトの内部に配置される複数の第1ロール群と、前記第1ロール群の両端を支持する一対の第1支持板と、を有する第1無端ベルトユニットと、
前記第1無端ベルトと対向して配置される第2無端ベルトと、前記第2無端ベルトの内部に配置される複数の第2ロール群であって、その少なくとも一つのロールが前記第1ロール群のロールに対して前記第1無端ベルト及び前記第2無端ベルトを介して圧接される第2ロール群と、前記第2ロール群の両端を支持する一対の第2支持板と、を有する第2無端ベルトユニットと、
前記第1支持板における前記第2ロール群のロールに圧接される前記第1ロール群のロールを支持する支持部の周囲と前記第2支持板における前記第1ロール群のロールに圧接される前記第2ロール群のロールを支持する支持部の周囲とを連結し、当該支持部の周囲における前記第1支持板と前記第2支持板とが離間する方向の移動を規制する規制部材と、
を具備し、
前記第1無端ベルトと前記第2無端ベルトとの間に被ラミネート体を通過させることでラミネートするラミネート装置。
【請求項2】
前記規制部材が、少なくとも第1部材と前記第1部材に連結された第2部材とで構成され、
互いに圧接された前記第1ロール群のロール及び前記第2ロール群のロールに対して、当該ロール同士が離間する方向に予め定められた圧力を超えた圧力が付加されたとき、前記第1部材と前記第2部材とが離間する請求項1に記載のラミネート装置。
【請求項3】
コアシートと少なくとも片面に画像が形成された光透過性フィルムとを積層する積層手段と、
前記コアシートと光透過性フィルムとの積層体を加熱加圧することで、前記コアシートの表面を前記光透過性フィルムでラミネートするためのラミネート手段であって、請求項1又は2に記載のラミネート装置を有するラミネート手段と、
を具備する画像記録体の作製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−67988(P2011−67988A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219444(P2009−219444)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】