ラミネート装置
【課題】複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工する場合の不良品の発生を防止し生産効率を向上したラミネート装置を提供する。
【解決手段】複数枚の被加工物10を同時にラミネート加工するラミネート装置100において、上チャンバ113のダイヤフラム112下方やヒータ板122上に接触防止部材150を設け、ラミネート加工中の真空引きに際してダイヤフラム112と被加工物10との接触を防止して不良品の発生を防止できるようにした。
【解決手段】複数枚の被加工物10を同時にラミネート加工するラミネート装置100において、上チャンバ113のダイヤフラム112下方やヒータ板122上に接触防止部材150を設け、ラミネート加工中の真空引きに際してダイヤフラム112と被加工物10との接触を防止して不良品の発生を防止できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール等の被ラミネート体を製造するためのラミネート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の温室効果ガス等の問題から、環境を汚さない太陽電池が注目されている。太陽電池は、カバーガラス、充填材、太陽電池セル、裏面材等の複数の部材が重なり合って構成されている。この種の太陽電池モジュールを製造する際には、ラミネート装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。ラミネート装置は、太陽電池モジュールの構成部材が重ね合わされた被加工物を真空状態で加熱しながら、ラミネートする。その結果、被加工物は各構成部材が重ね合わされた状態で接着される。このラミネート装置は、下方向に向けて膨張自在なダイヤフラムを有する上ケースと、ヒータ板を有する下ケースと、を有している。太陽電池モジュールをラミネートする際、まず、使用者は、ヒータ板上に、太陽電池モジュールの構成部材を重ね合わせて配置する。次に、ラミネート装置は、上ケースと下ケースとで形成される空間を真空状態にする。さらに、ラミネート装置は、ヒータ板によって被加工物である太陽電池モジュールの構成部材を加熱した状態で、上ケースの内部に大気圧を導入する。このようにすることで、ラミネート装置は、ダイヤフラムとヒータ板とで太陽電池モジュールの構成部材を挟圧してラミネートする。
【0003】
【特許文献1】特開2004−238196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたラミネート装置により太陽電池モジュールをラミネート加工する場合、そのラミネート加工時間は他の工程よりも長い。したがってその生産効率を向上させることが課題となっている。このような事情からラミネート加工の生産効率を上げるために、複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工する方法が検討されている。
【0005】
図7は、複数枚の太陽電池モジュールをラミネート加工する例で、下ケース内のヒータ板122上に9枚の被加工物10を配置した例を示す図である。
【0006】
図8は、図7に示す9枚の被加工物10をラミネート加工するラミネート装置100を示す断面図である。上ケース110の内部を密閉するようにダイヤフラム112が装着されており、このダイヤフラム112と上ケース110の内壁面で囲まれた空間が上チャンバ113となっている。
【0007】
しかしながら、上記の複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工するラミネート装置は、次のような問題がある。複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工するラミネート装置は、大型化する。したがってそのような装置に使用するダイヤフラム112は、当然に非常に大きな面積を有しており、上チャンバ113内が大気圧になっていると、図8に示すように、大きく下方に垂れ下がる。また、上チャンバと下チャンバを減圧する過程(以後真空引きと称することもある)で、上下チャンバの真空度が近づくとダイヤフラムが垂れ下がる。その結果、特にラミネート装置の中央部分に配置された被加工物(図7の斜線部の被加工物)は、ダイヤフラム112と接触した状態となる。さらに図7における中央部の斜線部の被加工物以外でも、その端部がダイヤフラムと接触した状態になる。
【0008】
一度ラミネート加工が終了すると、ダイヤフラム112は、前回のラミネート加工時に受けたヒータ板122の熱によって高温になっており、充填材13、14が溶融する温度に達している。そのためダイヤフラムの垂れ下がりにより被加工物と接触した部分は、その部分の充填材13、14が溶融し始めてしまう。
【0009】
このようにラミネート加工の真空引きの際に加熱された状態のダイヤフラムが被加工物と接触すると充填材であるEVAが加熱され一部溶融状態となる。この結果被加工物である太陽電池モジュール内の空気が抜けにくくなり、内部に空気が残ることになる。このような状態で、上チャンバに大気を導入し、ダイヤフラムが下方に膨らみ、剥離シート140を介して被加工物10をヒータ122に強く押しつけラミネート加工された太陽電池モジュール内には気泡が残存することになる。このような太陽電池モジュール内に気泡が残存するものは不良品と判断される。
【0010】
図8の構成のラミネート装置により9枚の太陽電池モジュールを同時に加工しても、生産されたものには不良品が含まれる。したがって図8の構成の装置では生産効率の向上を実現することができない。
【0011】
本発明は、この問題の解決を図ったもので、複数枚の被加工物を同時にラミネート加工し、不良品の発生を防止し生産効率を向上したラミネート装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明のラミネート装置は、被加工物をヒータ板上に載置し、上方にあるダイヤフラムを降下して下方にある前記ヒータとの間で前記被加工物内部の充填材を溶融させながら被加工物を挟圧してラミネート加工を行うラミネート装置であって、ラミネート加工中に上チャンバおよび下チャンバを減圧する過程でのダイヤフラムと被加工物との接触防止部材を備えたことを特徴としている。
【0013】
前記接触防止部材として上方にあるダイヤフラムの垂れ下がりを防止する垂下防止部材をダイヤフラムの昇降と連動して昇降可能に設けた構成とすることもできるし、前記接触防止部材として、前記ヒータ板上に被加工物の搬入方向と平行に1本以上のレール状部材を設けた構成とすることもできる。
【0014】
前記被加工物が複数個載置され、前記垂下防止部材が、前記ヒータ板上に載置された被加工物と被加工物との間に入るように配置された構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のラミネート装置は、ラミネート加工中の上チャンバと下チャンバを真空引きす際に、ダイヤフラムが被加工物に接触しないように接触防止部材(垂下防止部材)を設けている。したがって加熱されたダイヤフラムがラミネート加工中の真空引きに際して被加工物と接触して充填材が溶融することを防止し、気泡は被加工物の内部に残存することを防止することができる。これにより複数枚の太陽電池モジュールをラミネート加工する際の不良品の発生を防止することができ歩留まりを向上させ生産効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面を参照して本実施形態に係るラミネート装置について説明する。
【0017】
<1>被加工物(太陽電池モジュール)の説明
図6は、本発明のラミネート装置の被加工物10となる太陽電池モジュールの構造を示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図である。被加工物10は、図示のように、下側に配置された透明なカバーガラス11と上側に配置された裏面材12の間に、充填材13、14を介して太陽電池パネル20をサンドイッチした構成を有する。太陽電池パネル20は、電極16、17の間にストリング15を複数列平行に配置しリード線で接続した構成である。さらにストリング15は、複数の太陽電池セル18を、リード線19を介して直列に接続した構成である。裏面材12は例えばポリエチレン樹脂などの透明な材料が使用される。充填材13、14には例えばEVA(エチレンビニルアセテート)樹脂などが使用される。
【0018】
<2>ラミネート装置の説明
図1は、上記の構成の太陽電池モジュールを複数枚製造するためのラミネート装置である。本ラミネート装置は、上下にチャンバを備えたものが使用されている。上チャンバ113は、下方に向けて膨張自在なダイヤフラムを有し、下チャンバ121は、内部にヒータ板122を有し、上下のチャンバはヒンジ結合などにより関連付けされ、上チャンバが下チャンバの蓋のようになって開閉する。以下詳細に説明する。
【0019】
上ケース110は、下ケース120にヒンジまたは昇降装置を介して結合され、上ケース110が下ケース120の蓋のようになっている。蓋を閉じることで、上ケース110は下ケース120に密着し、蓋を開くことで離反して開放される。
【0020】
ダイヤフラム112は、フッ素系のゴムなどの耐熱性のあるゴムなどを使用している。また、上ケース110の上面には上チャンバ113に連通する吸排気口114が設けられており、この吸排気口114を図示しない真空ポンプに接続して上チャンバ113内を真空引きしたり、外気と接続して上チャンバ113内に大気圧を導入したりできるようになっている。
【0021】
下ケース120の内部空間としての下チャンバ121内には板状のヒータ板122が配置されている。ヒータ板122は、下チャンバ121の底部からサポート体などで支持されている。
【0022】
下ケース120の下面には下チャンバ121に連通するようにして吸排気口123が設けられている。下チャンバ121は、上方を上ケース110により封止され、吸排気口123から下チャンバ121内を真空引きしたり、この吸排気口123から下チャンバ121内に大気圧を導入したりできるように構成されている。
【0023】
このような構成のラミネート装置のヒータ板122上に複数の太陽電池モジュールを図3にように配置してラミネート加工が行なわれる。
【0024】
<3>ラミネート装置の使用方法の説明
このラミネート装置の使用方法は、以下の通りである。まず、上ケース110を開いた状態で、搬送ベルト130上に9枚の被加工物10を載せて搬入し、前記下ケース120に設けられたヒータ板122上に、図3に示すように被加工物を載置する。被加工物10の上側は、剥離シート140で覆われる。被加工物としての太陽電池モジュールは、最下層がガラス板で、その上にシート状の充填材、太陽電池セル(太陽電池パネル)、シート状の充填材と順次積層し、最上層にシート状の裏面材を配した構成である。上ケース110を下ケース120に重ねて吸排気口114、123を真空ポンプにつなぎ上下のチャンバ内部を減圧する。またヒータ板122により搬送ベルト130を通して被加工物を加熱する。その後、上チャンバと下チャンバが所定の真空度に達し、ヒータ板122が所定の温度に達したら、上チャンバのみに大気を導入することにより、ダイヤフラムを膨張させ、剥離シート140を介して被加工物としての太陽電池モジュールをヒータ板の上面とダイヤフラムとの間で挟圧する。ヒータ板の熱により充填材が溶融し、架橋反応を起こして透明化してラミネート加工がされる。
【0025】
ラミネート加工が完了したら、下チャンバ121内に大気を導入し、大気圧に戻して上ケース110を開く。搬送ベルト130は被加工物10を搬出位置に移動して図示しない搬出コンベアに渡し、被加工物10は外部に搬出される。次に、搬送ベルト130に次の被加工物10を送り込み、上記を繰り返す。
【0026】
本図では、ラミネート装置100は紙面と垂直な方向に被加工物10が搬送される。紙面に垂直な方向の一方側に図示しない搬入コンベアがあり、他方側には、同じく図示しない搬出コンベアがある。搬入コンベアは、これからラミネート加工をする被加工物10としての太陽電池モジュールをラミネート装置100に搬入するものであり、搬出コンベアは、ラミネート加工がされた被加工物10を搬出するものである。
【0027】
そして、これら搬入コンベア、ラミネート装置100及び搬出コンベアの順に受け渡しながら、被加工物10をラミネート加工する。ラミネート装置100には、被加工物10を搬入コンベアから受け取り、搬出コンベアに渡すための搬送ベルト130が設けられている。
【0028】
上記工程において、上チャンバと下チャンバを重ねて内部を減圧するのは、太陽電池内に気泡を残存させないことを目的としたものである。太陽電池モジュール内に気泡が残されたままの状態だと、太陽光にさらされたとき、温度が上昇し、気泡が膨張して劣化が早まるなどの問題があるからである。
【0029】
また、太陽電池モジュールはヒータ板により加熱されるが、ヒータ板の温度は設定温度に制御されているので、所定の時間が経過すると、被加工物はヒータ板の温度とほぼ同一となる。そこで、ヒータ板の設定温度を充填材の融点より高く設定しておくことにより、充填材を溶融できることになる。また、上チャンバのダイヤフラムにのみ大気を導入することにより、ダイヤフラムを膨張させ、被加工物をヒータ板に押し付けて一体に接合(ラミネート加工)することができる。接合(ラミネート加工)後、下チャンバを大気圧に戻すことで、蓋を開くことができ、被加工物を取り出せるようになっている。
【0030】
一方、充填材としては、通常、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂などが使用されている。EVA樹脂は60〜100℃程度で溶融する。ラミネート装置においては、前記60〜100℃以上の温度でEVA樹脂を溶融させて、太陽電池モジュールの他の構成部材とともに挟圧してラミネート加工される。
【0031】
<4>接触防止部材の実施形態1の説明
また図1により、本発明のラミネート装置におけるダイヤフラムと被加工物との接触防止部材の実施形態1の構成を説明する。
【0032】
ラミネート装置100の上ケース110には、その下端に4本の棒状の接触防止部材(垂下防止部材)150が被加工物10の搬送方向に沿って設けられている。図8で説明したように、ダイヤフラム112は大きいので、上チャンバ内が大気圧になっている場合、中央が垂れ下がる。そこで、本発明では、この接触防止部材150を設けることによって、その垂れ下がりを少なくすることができる。これによりラミネート加工の真空引きの際にヒータ板122上に載置された被加工物10にダイヤフラム112が接触することを防止することができる。
【0033】
図2は、図1のラミネート装置においてラミネート加工中の状態を示す断面図である。上ケース110が降下して下ケース120と密着している。このとき、4本の接触防止部材150は、搬送ベルト130を介してヒータ板上に載置される。図3の仮想線に示すように、3列に並んだ被加工物10の列の間に内側の2本が、3列の両外側に外側の2本が納まり、被加工物10と干渉しないようになっている。
【0034】
以上の実施例では、接触防止部材150を被加工物10の搬送方向と平行な方向に配置したが、これに限定されるものではない。搬送方向と直交する方向でもよく、搬送方向に対して平行するものと直交するものの双方を格子状に配置してもよい。
【0035】
また本実施形態では、接触防止部材150を上ケース110に取り付けているが、上ケース110の昇降に連動して昇降する構成であれば、この構成に限定されない。
【0036】
図5により本実施形態の接触防止部材150がどのように作用するかを説明する。本図で(a)はラミネート加工の際に真空引きの際の状態を示す図、(b)はダイヤフラムにて被加工物を挟圧している状態を示す図である。
【0037】
まず上ケース110が開いた状態で、搬送ベルト130で9枚の被加工物10を送り込み、ヒータ板122の上に被加工物を図3に示すように配置する。上ケース110を閉じて下ケース120上に重ね、吸排気口114、123を真空ポンプにつなぎ、上チャンバ113と下チャンバ121内の空間を減圧する。この時に上チャンバと下チャンバの真空度が近くなるとダイヤフラムは、大きく垂れる。ラミネート加工前の状態を示す図ではあるが図8のようにダイヤフラムは大きく垂れることになる。
【0038】
このような状態となるとダイヤフラムが被加工物に接触しそこから被加工物に熱が伝わり充填材であるEVAが溶融しはじめる。特に被加工物の端部にて接触していると被加工物の端部のEVAが溶融し、真空引きの際に被加工物内の空気が抜けにくくなり、空気が残ることになる。このままラミネート加工すれば太陽電池モジュール内部に気泡が残ることになる。
【0039】
しかしならが本発明のラミネート装置のように接触防止部材150が設けられていると、ヒータ板上のある搬送ベルトの上に接触防止部材が載置されることになる。この接触防止部材150により、(a)図にようにラミネート加工の真空引きの際に上チャンバと下チャンバの真空度が近くなりダイヤフラムが大きく垂れるような状態になっても、接触防止部材150に支持されてダイヤフラムが被加工物に接触することを防止することができる。
【0040】
また被加工物のサイズやラミネート装置の構成によっては、接触防止部材の高さ寸法Hによりダイヤフラムが被加工物の中央部に接触するような形態としてもよい。被加工物の端部にダイヤフラムが接触しないようになっていればよい。
【0041】
上チャンバ113と下チャンバ121内の真空引きが完了し、上チャンバ113内に大気圧が導入されると、ダイヤフラム112は、(b)図のように被加工物10や接触防止部材150に沿って密着し、被加工物10を挟圧することになる。この状態でヒータ板122からの熱が加わり、充填材が溶融し、透明化しラミネート加工される。
【0042】
ラミネート加工が完了すると、下チャンバ121内が大気圧にされ、上ケース110が上昇し、ラミネートされた被加工物10は、搬送ベルト130により搬出される。
【0043】
<5>接触防止手段の実施形態2の説明
図4は、本発明のラミネート装置におけるダイヤフラムと被加工物との接触防止部材の実施形態2の構成を示す図である。
【0044】
本実施形態では、図4に示すようにダイヤフラムと被加工物と接触防止部材は、ヒータ板122上にレール状の接触防止部材160を被加工物の搬送方向に沿って4本設けられている。本実施形態では、ヒータ板122上に接触防止部材160を設けているので搬送ベルト130は、本図の2点鎖線のように各接触防止部材の間に3列分割して設けている。各列の搬送ベルトにより、各3枚ずつの被加工物が搬入される。
【0045】
接触防止部材160の高さ寸法は、被加工物のサイズやラミネート装置の構成などにより適宜決定すればよい。本実施形態の接触防止部材160は、図5で説明した実施形態1と同様の機能を有する。
【0046】
本発明のラミネート装置における接触防止手段の実施形態1および2においては、被加工物は、ラミネート装置のヒータ板上に9枚配置することで説明した。しかしヒータ板上に配置する被加工物の数量は、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のラミネート装置のダイヤフラムの接触防止部材の実施形態1の構成を示す図である。
【図2】図1のラミネート装置においてラミネート加工中の状態を示す断面図である。
【図3】図1のラミネート装置においてヒータ上に9枚の被加工物を配置したときの被加工物と接触防止部材の位置関係を示す図である。
【図4】本発明のラミネート装置のダイヤフラムの接触防止部材の実施形態2の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は側面図である。
【図5】本発明のラミネート装置のダイヤフラムの接触防止部材の機能を説明する図であり、(a)はラミネート加工の際に真空引の状態を示す図、(b)はダイヤフラムにて被加工物を挟圧している状態を示す図である。
【図6】被加工物としての太陽電池モジュールの構造を示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図7】複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工する例で、下チャンバ内のヒータ上に9枚の被加工物を配置した例を示す図である。
【図8】9枚の被加工物を同時にラミネート加工するラミネート装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
10 被加工物
13、14 充填材
100 ラミネート装置
110 上ケース
112 ダイヤフラム
113 上チャンバ
120 下ケース
121 下チャンバ
122 ヒータ板
130 搬送ベルト
140 剥離シート
150 接触防止部材(垂下防止部材)
160 接触防止部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール等の被ラミネート体を製造するためのラミネート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の温室効果ガス等の問題から、環境を汚さない太陽電池が注目されている。太陽電池は、カバーガラス、充填材、太陽電池セル、裏面材等の複数の部材が重なり合って構成されている。この種の太陽電池モジュールを製造する際には、ラミネート装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。ラミネート装置は、太陽電池モジュールの構成部材が重ね合わされた被加工物を真空状態で加熱しながら、ラミネートする。その結果、被加工物は各構成部材が重ね合わされた状態で接着される。このラミネート装置は、下方向に向けて膨張自在なダイヤフラムを有する上ケースと、ヒータ板を有する下ケースと、を有している。太陽電池モジュールをラミネートする際、まず、使用者は、ヒータ板上に、太陽電池モジュールの構成部材を重ね合わせて配置する。次に、ラミネート装置は、上ケースと下ケースとで形成される空間を真空状態にする。さらに、ラミネート装置は、ヒータ板によって被加工物である太陽電池モジュールの構成部材を加熱した状態で、上ケースの内部に大気圧を導入する。このようにすることで、ラミネート装置は、ダイヤフラムとヒータ板とで太陽電池モジュールの構成部材を挟圧してラミネートする。
【0003】
【特許文献1】特開2004−238196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたラミネート装置により太陽電池モジュールをラミネート加工する場合、そのラミネート加工時間は他の工程よりも長い。したがってその生産効率を向上させることが課題となっている。このような事情からラミネート加工の生産効率を上げるために、複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工する方法が検討されている。
【0005】
図7は、複数枚の太陽電池モジュールをラミネート加工する例で、下ケース内のヒータ板122上に9枚の被加工物10を配置した例を示す図である。
【0006】
図8は、図7に示す9枚の被加工物10をラミネート加工するラミネート装置100を示す断面図である。上ケース110の内部を密閉するようにダイヤフラム112が装着されており、このダイヤフラム112と上ケース110の内壁面で囲まれた空間が上チャンバ113となっている。
【0007】
しかしながら、上記の複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工するラミネート装置は、次のような問題がある。複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工するラミネート装置は、大型化する。したがってそのような装置に使用するダイヤフラム112は、当然に非常に大きな面積を有しており、上チャンバ113内が大気圧になっていると、図8に示すように、大きく下方に垂れ下がる。また、上チャンバと下チャンバを減圧する過程(以後真空引きと称することもある)で、上下チャンバの真空度が近づくとダイヤフラムが垂れ下がる。その結果、特にラミネート装置の中央部分に配置された被加工物(図7の斜線部の被加工物)は、ダイヤフラム112と接触した状態となる。さらに図7における中央部の斜線部の被加工物以外でも、その端部がダイヤフラムと接触した状態になる。
【0008】
一度ラミネート加工が終了すると、ダイヤフラム112は、前回のラミネート加工時に受けたヒータ板122の熱によって高温になっており、充填材13、14が溶融する温度に達している。そのためダイヤフラムの垂れ下がりにより被加工物と接触した部分は、その部分の充填材13、14が溶融し始めてしまう。
【0009】
このようにラミネート加工の真空引きの際に加熱された状態のダイヤフラムが被加工物と接触すると充填材であるEVAが加熱され一部溶融状態となる。この結果被加工物である太陽電池モジュール内の空気が抜けにくくなり、内部に空気が残ることになる。このような状態で、上チャンバに大気を導入し、ダイヤフラムが下方に膨らみ、剥離シート140を介して被加工物10をヒータ122に強く押しつけラミネート加工された太陽電池モジュール内には気泡が残存することになる。このような太陽電池モジュール内に気泡が残存するものは不良品と判断される。
【0010】
図8の構成のラミネート装置により9枚の太陽電池モジュールを同時に加工しても、生産されたものには不良品が含まれる。したがって図8の構成の装置では生産効率の向上を実現することができない。
【0011】
本発明は、この問題の解決を図ったもので、複数枚の被加工物を同時にラミネート加工し、不良品の発生を防止し生産効率を向上したラミネート装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明のラミネート装置は、被加工物をヒータ板上に載置し、上方にあるダイヤフラムを降下して下方にある前記ヒータとの間で前記被加工物内部の充填材を溶融させながら被加工物を挟圧してラミネート加工を行うラミネート装置であって、ラミネート加工中に上チャンバおよび下チャンバを減圧する過程でのダイヤフラムと被加工物との接触防止部材を備えたことを特徴としている。
【0013】
前記接触防止部材として上方にあるダイヤフラムの垂れ下がりを防止する垂下防止部材をダイヤフラムの昇降と連動して昇降可能に設けた構成とすることもできるし、前記接触防止部材として、前記ヒータ板上に被加工物の搬入方向と平行に1本以上のレール状部材を設けた構成とすることもできる。
【0014】
前記被加工物が複数個載置され、前記垂下防止部材が、前記ヒータ板上に載置された被加工物と被加工物との間に入るように配置された構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のラミネート装置は、ラミネート加工中の上チャンバと下チャンバを真空引きす際に、ダイヤフラムが被加工物に接触しないように接触防止部材(垂下防止部材)を設けている。したがって加熱されたダイヤフラムがラミネート加工中の真空引きに際して被加工物と接触して充填材が溶融することを防止し、気泡は被加工物の内部に残存することを防止することができる。これにより複数枚の太陽電池モジュールをラミネート加工する際の不良品の発生を防止することができ歩留まりを向上させ生産効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面を参照して本実施形態に係るラミネート装置について説明する。
【0017】
<1>被加工物(太陽電池モジュール)の説明
図6は、本発明のラミネート装置の被加工物10となる太陽電池モジュールの構造を示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図である。被加工物10は、図示のように、下側に配置された透明なカバーガラス11と上側に配置された裏面材12の間に、充填材13、14を介して太陽電池パネル20をサンドイッチした構成を有する。太陽電池パネル20は、電極16、17の間にストリング15を複数列平行に配置しリード線で接続した構成である。さらにストリング15は、複数の太陽電池セル18を、リード線19を介して直列に接続した構成である。裏面材12は例えばポリエチレン樹脂などの透明な材料が使用される。充填材13、14には例えばEVA(エチレンビニルアセテート)樹脂などが使用される。
【0018】
<2>ラミネート装置の説明
図1は、上記の構成の太陽電池モジュールを複数枚製造するためのラミネート装置である。本ラミネート装置は、上下にチャンバを備えたものが使用されている。上チャンバ113は、下方に向けて膨張自在なダイヤフラムを有し、下チャンバ121は、内部にヒータ板122を有し、上下のチャンバはヒンジ結合などにより関連付けされ、上チャンバが下チャンバの蓋のようになって開閉する。以下詳細に説明する。
【0019】
上ケース110は、下ケース120にヒンジまたは昇降装置を介して結合され、上ケース110が下ケース120の蓋のようになっている。蓋を閉じることで、上ケース110は下ケース120に密着し、蓋を開くことで離反して開放される。
【0020】
ダイヤフラム112は、フッ素系のゴムなどの耐熱性のあるゴムなどを使用している。また、上ケース110の上面には上チャンバ113に連通する吸排気口114が設けられており、この吸排気口114を図示しない真空ポンプに接続して上チャンバ113内を真空引きしたり、外気と接続して上チャンバ113内に大気圧を導入したりできるようになっている。
【0021】
下ケース120の内部空間としての下チャンバ121内には板状のヒータ板122が配置されている。ヒータ板122は、下チャンバ121の底部からサポート体などで支持されている。
【0022】
下ケース120の下面には下チャンバ121に連通するようにして吸排気口123が設けられている。下チャンバ121は、上方を上ケース110により封止され、吸排気口123から下チャンバ121内を真空引きしたり、この吸排気口123から下チャンバ121内に大気圧を導入したりできるように構成されている。
【0023】
このような構成のラミネート装置のヒータ板122上に複数の太陽電池モジュールを図3にように配置してラミネート加工が行なわれる。
【0024】
<3>ラミネート装置の使用方法の説明
このラミネート装置の使用方法は、以下の通りである。まず、上ケース110を開いた状態で、搬送ベルト130上に9枚の被加工物10を載せて搬入し、前記下ケース120に設けられたヒータ板122上に、図3に示すように被加工物を載置する。被加工物10の上側は、剥離シート140で覆われる。被加工物としての太陽電池モジュールは、最下層がガラス板で、その上にシート状の充填材、太陽電池セル(太陽電池パネル)、シート状の充填材と順次積層し、最上層にシート状の裏面材を配した構成である。上ケース110を下ケース120に重ねて吸排気口114、123を真空ポンプにつなぎ上下のチャンバ内部を減圧する。またヒータ板122により搬送ベルト130を通して被加工物を加熱する。その後、上チャンバと下チャンバが所定の真空度に達し、ヒータ板122が所定の温度に達したら、上チャンバのみに大気を導入することにより、ダイヤフラムを膨張させ、剥離シート140を介して被加工物としての太陽電池モジュールをヒータ板の上面とダイヤフラムとの間で挟圧する。ヒータ板の熱により充填材が溶融し、架橋反応を起こして透明化してラミネート加工がされる。
【0025】
ラミネート加工が完了したら、下チャンバ121内に大気を導入し、大気圧に戻して上ケース110を開く。搬送ベルト130は被加工物10を搬出位置に移動して図示しない搬出コンベアに渡し、被加工物10は外部に搬出される。次に、搬送ベルト130に次の被加工物10を送り込み、上記を繰り返す。
【0026】
本図では、ラミネート装置100は紙面と垂直な方向に被加工物10が搬送される。紙面に垂直な方向の一方側に図示しない搬入コンベアがあり、他方側には、同じく図示しない搬出コンベアがある。搬入コンベアは、これからラミネート加工をする被加工物10としての太陽電池モジュールをラミネート装置100に搬入するものであり、搬出コンベアは、ラミネート加工がされた被加工物10を搬出するものである。
【0027】
そして、これら搬入コンベア、ラミネート装置100及び搬出コンベアの順に受け渡しながら、被加工物10をラミネート加工する。ラミネート装置100には、被加工物10を搬入コンベアから受け取り、搬出コンベアに渡すための搬送ベルト130が設けられている。
【0028】
上記工程において、上チャンバと下チャンバを重ねて内部を減圧するのは、太陽電池内に気泡を残存させないことを目的としたものである。太陽電池モジュール内に気泡が残されたままの状態だと、太陽光にさらされたとき、温度が上昇し、気泡が膨張して劣化が早まるなどの問題があるからである。
【0029】
また、太陽電池モジュールはヒータ板により加熱されるが、ヒータ板の温度は設定温度に制御されているので、所定の時間が経過すると、被加工物はヒータ板の温度とほぼ同一となる。そこで、ヒータ板の設定温度を充填材の融点より高く設定しておくことにより、充填材を溶融できることになる。また、上チャンバのダイヤフラムにのみ大気を導入することにより、ダイヤフラムを膨張させ、被加工物をヒータ板に押し付けて一体に接合(ラミネート加工)することができる。接合(ラミネート加工)後、下チャンバを大気圧に戻すことで、蓋を開くことができ、被加工物を取り出せるようになっている。
【0030】
一方、充填材としては、通常、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂などが使用されている。EVA樹脂は60〜100℃程度で溶融する。ラミネート装置においては、前記60〜100℃以上の温度でEVA樹脂を溶融させて、太陽電池モジュールの他の構成部材とともに挟圧してラミネート加工される。
【0031】
<4>接触防止部材の実施形態1の説明
また図1により、本発明のラミネート装置におけるダイヤフラムと被加工物との接触防止部材の実施形態1の構成を説明する。
【0032】
ラミネート装置100の上ケース110には、その下端に4本の棒状の接触防止部材(垂下防止部材)150が被加工物10の搬送方向に沿って設けられている。図8で説明したように、ダイヤフラム112は大きいので、上チャンバ内が大気圧になっている場合、中央が垂れ下がる。そこで、本発明では、この接触防止部材150を設けることによって、その垂れ下がりを少なくすることができる。これによりラミネート加工の真空引きの際にヒータ板122上に載置された被加工物10にダイヤフラム112が接触することを防止することができる。
【0033】
図2は、図1のラミネート装置においてラミネート加工中の状態を示す断面図である。上ケース110が降下して下ケース120と密着している。このとき、4本の接触防止部材150は、搬送ベルト130を介してヒータ板上に載置される。図3の仮想線に示すように、3列に並んだ被加工物10の列の間に内側の2本が、3列の両外側に外側の2本が納まり、被加工物10と干渉しないようになっている。
【0034】
以上の実施例では、接触防止部材150を被加工物10の搬送方向と平行な方向に配置したが、これに限定されるものではない。搬送方向と直交する方向でもよく、搬送方向に対して平行するものと直交するものの双方を格子状に配置してもよい。
【0035】
また本実施形態では、接触防止部材150を上ケース110に取り付けているが、上ケース110の昇降に連動して昇降する構成であれば、この構成に限定されない。
【0036】
図5により本実施形態の接触防止部材150がどのように作用するかを説明する。本図で(a)はラミネート加工の際に真空引きの際の状態を示す図、(b)はダイヤフラムにて被加工物を挟圧している状態を示す図である。
【0037】
まず上ケース110が開いた状態で、搬送ベルト130で9枚の被加工物10を送り込み、ヒータ板122の上に被加工物を図3に示すように配置する。上ケース110を閉じて下ケース120上に重ね、吸排気口114、123を真空ポンプにつなぎ、上チャンバ113と下チャンバ121内の空間を減圧する。この時に上チャンバと下チャンバの真空度が近くなるとダイヤフラムは、大きく垂れる。ラミネート加工前の状態を示す図ではあるが図8のようにダイヤフラムは大きく垂れることになる。
【0038】
このような状態となるとダイヤフラムが被加工物に接触しそこから被加工物に熱が伝わり充填材であるEVAが溶融しはじめる。特に被加工物の端部にて接触していると被加工物の端部のEVAが溶融し、真空引きの際に被加工物内の空気が抜けにくくなり、空気が残ることになる。このままラミネート加工すれば太陽電池モジュール内部に気泡が残ることになる。
【0039】
しかしならが本発明のラミネート装置のように接触防止部材150が設けられていると、ヒータ板上のある搬送ベルトの上に接触防止部材が載置されることになる。この接触防止部材150により、(a)図にようにラミネート加工の真空引きの際に上チャンバと下チャンバの真空度が近くなりダイヤフラムが大きく垂れるような状態になっても、接触防止部材150に支持されてダイヤフラムが被加工物に接触することを防止することができる。
【0040】
また被加工物のサイズやラミネート装置の構成によっては、接触防止部材の高さ寸法Hによりダイヤフラムが被加工物の中央部に接触するような形態としてもよい。被加工物の端部にダイヤフラムが接触しないようになっていればよい。
【0041】
上チャンバ113と下チャンバ121内の真空引きが完了し、上チャンバ113内に大気圧が導入されると、ダイヤフラム112は、(b)図のように被加工物10や接触防止部材150に沿って密着し、被加工物10を挟圧することになる。この状態でヒータ板122からの熱が加わり、充填材が溶融し、透明化しラミネート加工される。
【0042】
ラミネート加工が完了すると、下チャンバ121内が大気圧にされ、上ケース110が上昇し、ラミネートされた被加工物10は、搬送ベルト130により搬出される。
【0043】
<5>接触防止手段の実施形態2の説明
図4は、本発明のラミネート装置におけるダイヤフラムと被加工物との接触防止部材の実施形態2の構成を示す図である。
【0044】
本実施形態では、図4に示すようにダイヤフラムと被加工物と接触防止部材は、ヒータ板122上にレール状の接触防止部材160を被加工物の搬送方向に沿って4本設けられている。本実施形態では、ヒータ板122上に接触防止部材160を設けているので搬送ベルト130は、本図の2点鎖線のように各接触防止部材の間に3列分割して設けている。各列の搬送ベルトにより、各3枚ずつの被加工物が搬入される。
【0045】
接触防止部材160の高さ寸法は、被加工物のサイズやラミネート装置の構成などにより適宜決定すればよい。本実施形態の接触防止部材160は、図5で説明した実施形態1と同様の機能を有する。
【0046】
本発明のラミネート装置における接触防止手段の実施形態1および2においては、被加工物は、ラミネート装置のヒータ板上に9枚配置することで説明した。しかしヒータ板上に配置する被加工物の数量は、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のラミネート装置のダイヤフラムの接触防止部材の実施形態1の構成を示す図である。
【図2】図1のラミネート装置においてラミネート加工中の状態を示す断面図である。
【図3】図1のラミネート装置においてヒータ上に9枚の被加工物を配置したときの被加工物と接触防止部材の位置関係を示す図である。
【図4】本発明のラミネート装置のダイヤフラムの接触防止部材の実施形態2の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は側面図である。
【図5】本発明のラミネート装置のダイヤフラムの接触防止部材の機能を説明する図であり、(a)はラミネート加工の際に真空引の状態を示す図、(b)はダイヤフラムにて被加工物を挟圧している状態を示す図である。
【図6】被加工物としての太陽電池モジュールの構造を示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図7】複数枚の太陽電池モジュールを同時にラミネート加工する例で、下チャンバ内のヒータ上に9枚の被加工物を配置した例を示す図である。
【図8】9枚の被加工物を同時にラミネート加工するラミネート装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
10 被加工物
13、14 充填材
100 ラミネート装置
110 上ケース
112 ダイヤフラム
113 上チャンバ
120 下ケース
121 下チャンバ
122 ヒータ板
130 搬送ベルト
140 剥離シート
150 接触防止部材(垂下防止部材)
160 接触防止部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物をヒータ板上に載置し、上方にあるダイヤフラムを降下して下方にある前記ヒータ板との間で前記被加工物内部の充填材を溶融させながら被加工物を挟圧してラミネート加工を行うラミネート装置であって、ラミネート加工中に上チャンバおよび下チャンバを減圧する過程でのダイヤフラムと被加工物との接触防止部材を備えたことを特徴とするラミネート装置。
【請求項2】
前記接触防止部材として、上方にあるダイヤフラムの垂れ下がりを防止する垂下防止部材をダイヤフラムの昇降と連動して昇降可能に設けたことを特徴のとする請求項1に記載ラミネート装置。
【請求項3】
前記接触防止部材として、前記ヒータ板上に被加工物の搬入方向と平行に1本以上のレール状部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
【請求項4】
前記被加工物が複数個載置され、前記接触防止部材が、前記ヒータ板上に載置された被加工物と被加工物との間に入るように配置されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のラミネート装置。
【請求項1】
被加工物をヒータ板上に載置し、上方にあるダイヤフラムを降下して下方にある前記ヒータ板との間で前記被加工物内部の充填材を溶融させながら被加工物を挟圧してラミネート加工を行うラミネート装置であって、ラミネート加工中に上チャンバおよび下チャンバを減圧する過程でのダイヤフラムと被加工物との接触防止部材を備えたことを特徴とするラミネート装置。
【請求項2】
前記接触防止部材として、上方にあるダイヤフラムの垂れ下がりを防止する垂下防止部材をダイヤフラムの昇降と連動して昇降可能に設けたことを特徴のとする請求項1に記載ラミネート装置。
【請求項3】
前記接触防止部材として、前記ヒータ板上に被加工物の搬入方向と平行に1本以上のレール状部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
【請求項4】
前記被加工物が複数個載置され、前記接触防止部材が、前記ヒータ板上に載置された被加工物と被加工物との間に入るように配置されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のラミネート装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−94889(P2010−94889A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267093(P2008−267093)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]