説明

ランドマーク強化型道案内

位置に基づいたサービスを提供するためのシステム及び技術。一般的に、1つの実現例においては、本技術は初期位置から最終位置への道案内に対する要求を受取り、初期位置から最終位置への経路を決定し、その経路に基づいて1つ又はそれ以上のランドマークを決定し、且つ初期位置から最終位置への経路を通行するための道案内であって該1つ又はそれ以上のランドマークへの参照を包含する道案内を供給することを包含している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、位置に基づいたサービス用のシステム及び方法を記載する。
【背景技術】
【0002】
ランドマークを使用して道案内を与えるシステム及び方法が記載される。典型的なナビゲーションシステムは街路名によって経路を通行するための道案内を提供する。例えば、MapQuest.comは、与えられた初期位置から与えられた最終位置へトラベル即ち通行するためのステップバイステップのディレクション即ち道案内を発生する。街路名は時折見つけることが困難な場合があり、特にユーザが自動車で通行している場合にはそうである。更に、ユーザがステップバイステップの街路名道案内に従って集中している場合には、ユーザが途中でランドマークを見つけることが困難な場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この開示は、概略的に、ランドマークを使用して道案内を供給するためのシステム及び方法について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの側面においては、初期位置から最終位置への道案内に対する要求が受取られる。該初期位置から該最終位置へのルート即ち経路が決定される。該経路に基づいて1つ又はそれ以上のランドマークが決定され、且つ該初期位置から該最終位置へ該経路を通行するための道案内が供給され、該道案内は該1つ又はそれ以上のランドマークへの参照を包含している。
【0005】
別の側面においては、初期位置及び最終位置が受取られる。該初期位置と該最終位置との間の複数個の経路が決定される。該複数個の経路の各々に対して、該経路内に含まれる1つ又はそれ以上の道案内点における1つ又はそれ以上のランドマークが決定される。該複数の経路から1つの経路が選択され、その選択は、該複数の経路の各々に対する該決定された1つ又はそれ以上のランドマークに基づいて行われる。
【0006】
実現化は以下の特徴のうちの1つ又はそれ以上を包含することが可能である。情報をサーバーへ供給することが可能であり、且つ1つ又はそれ以上のランドマークを該サーバーから検索することが可能である。ランドマークはブランド付き参照点とすることが可能である。ブランド付き参照点は、事業所、商業的標識、又は広告のうちの1つ又はそれ以上を包含することが可能である。ユーザから要求を受取ることが可能であり、且つ該初期位置は該ユーザの現在の位置とすることが可能である。位置認識装置から要求を受取ることが可能であり、且つ該初期位置は該位置認識装置の現在の位置とすることが可能である。
【0007】
クエリーを受取ることが可能であり、且つ該クエリーに基づいてサーチを実施することが可能であり、その場合にサーチ結果は該最終位置を包含することが可能である。最終位置は、場所、地形的区域、イベント、又は史跡のうちの1つを参照する物理的位置の名称とすることが可能である。道案内は、該初期位置から該最終位置への経路を通行するためのステップバイステップの命令、又は該初期位置から該最終位置への該経路を識別するマップ即ち地図のグラフィック表示のうちの1つ又はそれ以上を包含することが可能である。道案内は、音声プロンプト又はアニメーションマップとして供給することが可能である。該1つ又はそれ以上のランドマークと関連する販売促進情報を獲得し且つ供給することが可能である。該販売促進資料と関連するウエブページを提示することが可能である。販売促進資料は転送させることが可能である。該販売促進資料に基づく消費者取引を開始させることが可能である。
【0008】
ランドマークは、少なくとも、部分的に、ユーザプロファイルに基づいて決定することが可能である。1つ又はそれ以上のランドマークを、ランドマークのランク即ち格付け、該ランドマークと関連する販売促進のランク、日時、日付、該ランドマークの関連性、又は該ランドマークと関連する販売促進の関連性のうちの1つ又はそれ以上に基づいて決定することが可能である。最終位置に対応する地形的位置を決定することが可能である。該経路を包含するマップ及び該マップ上に識別した該1つ又はそれ以上のランドマークのグラフィック表示、又は該初期位置から該最終位置への該経路を通行するためのステップバイステップ道案内であって該1つ又はそれ以上のランドマークへの参照を包含しているステップバイステップ道案内を供給することが可能である。複数の経路の中で最大数のランドマークを有している経路を選択することが可能である。特定したタイプのランドマークの最大数を有する経路を選択することが可能である。
【0009】
本発明の実現化は、以下の利点のうちの1つ又はそれ以上を実現することが可能である。ユーザは、読んだり及び/又は見つけたりすることが時々困難な場合がある街路名のみに依存する代わりに、見つけることが容易なランドマークの助けを得て最終位置へナビゲート即ち航行することが可能である。ユーザは、又、ユーザの最終位置近くの又は途中の与えられたランドマークに関連する販売促進を容易に学習することが可能である。ランドマークは、又、そのランドマークの特性、プロファイル、特徴等を記述するマルチメディアコンポーネントと関連付けることが可能である。
【0010】
これらの一般的及び特定的な側面は、システム、方法、コンピュータプログラム、又はシステムと、方法と、コンピュータプログラムとの任意の結合を使用して実現することが可能である。本発明の1つ又はそれ以上の実現例の詳細については添付の図面に記載されており且つ以下に説明する。本発明のその他の特徴、側面及び利点はこの説明及び図面から、及び特許請求の範囲から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
初期位置から最終位置へ通行するための道案内であって、ランドマークへの明示的な参照、及び、オプションとして、該ランドマークと関連する販売促進を包含している道案内をユーザに供給するシステム及び方法について説明する。
【0012】
図1は初期位置116から最終位置128へ通行するための道案内を供給するアプリケーションに対するグラフィカルユーザインターフェースを示したスクリーンショット100である。グラフィカルユーザインターフェースが例示されているが、道案内を供給するシステム及び方法において、音、音声、ジェスチャ、目の動き及び/又は遠隔制御装置の使用によるユーザのインタラクション即ち相互作用を可能とさせるユーザインターフェースを含むその他のユーザインターフェースを使用することが可能である。該ユーザインターフェースは、これらに制限されるものではないが、携帯電話、パーソナルデータアシスタント、ナビゲーションシステムに基づいたハンドヘルド全地球測位システム(GPS)、自動車ナビゲーションシステム、パソコン、それらの組み合わせ、及びその他の適宜のナビゲーションシステムを含む多数の装置上において設けることが可能である。
【0013】
1つの実現例においては、該ユーザインターフェースは情報の1つ又はそれ以上のビューを提示することが可能である。例示として示すと、マップビュー102は初期位置116及び最終位置128を示す経路の街路マップ、及びその経路に沿ってのランドマーク(118,120,122,124)を提示する。道案内ビュー104は初期位置116から最終位置128へ到達するためにユーザが追従することが可能なステップバイステップの道案内を提示する。1つの実現例においては、外側に位置しているランドマーク130は直接的にその経路上に存在しているものではない。例えば、このような外側に位置しているランドマークは該経路上の1つの点を取囲む一般的な区域内、又は該経路に対して予め定義した近接度内にあるものとすることが可能である。この場合には、該外側に位置しているランドマーク130はその経路に沿ってユーザを道案内するために必要なものではないが、それにも拘わらずいずれかのビューにおいてユーザに対して注目させることが可能である。
【0014】
ランドマークは、道案内によって指示された経路を通行する場合にユーザが遭遇する物理的存在物(例えば、建物、標識、彫刻、視覚、接触、又は音を介して知覚可能な実体)を有する実体である。1つの実現例においては、ランドマークは、事業所、又は少なくとも1つの事業の場所、商業的看板、又は広告を示すブランド付き参照点である。1つの実現例においては、ランドマークを表わす記号又はマーク(例えば、商標)をマップビュー102及び/又は道案内ビュー104内に包含させることが可能である。この実現例の1つの側面においては、道案内ビュー104内のランドマーク記号(118,120,122,124)はマップビュー102内の同様の記号に対応している。
【0015】
1つの実現例においては、初期位置116はストリートアドレス即ち所在地住所として特定される。別の実現例においては、初期位置116は位置認識装置(例えば、携帯電話)により決定されるようなユーザの現在位置である。更に別の実現例においては、初期位置116は事業、場所、イベント(例えば、ジャイアンツ野球試合)の名称、又はユーザが将来どこの点から通行する場所として特定することが可能である。同様に、該最終位置は住所、事業又は場所の名前、地形的区域、イベント、及びランドマークとして特定することが可能である。
【0016】
該初期位置及び/又は該最終位置は、又、近接度クエリーとして特定することも可能である。近接度クエリーはある場所を取囲む区域のサーチ、且つ、オプションとして、与えられたタイプのランドマークに対するサーチによってある場所を特定する。例えば、ユーザは初期位置から最も近いイタリアンレストランへの道案内を要求する場合がある。レンストランを包含する興味の点のデータベース204(図2参照)のサーチは、そのクエリーに基づいて実施することが可能であり、且つそのサーチ結果は該最終位置として使用することが可能である。
【0017】
1つの実現例においては、近接度クエリーは、場所、ランドマークのタイプ、及び限定詞に基づくものとすることが可能である。ランドマークのタイプは、その場所を取囲む領域内の可能なランドマークの結果組を形成するために使用される。非制限的例示例として、ランドマークのタイプは、料理のタイプ(即ち、現在の例においては、イタリア料理)、事業のタイプ(即ち、現在の例においては、レストラン)、及びその他の適宜のランドマークタイプとすることが可能である。該限定詞は、該結果組におけるどのランドマークが結果として選択されるべきであるかを特定するために使用される。限定詞は、これらに制限されるものではないが、最も近い(現在の例におけるように)、最も遠い、最も低く格付けされている、最も高く格付けされている、最も安い、及び最も高い等を包含することが可能である。
【0018】
1つを超える初期及び/又は最終位置を特定するために非制限型近接度クエリーを使用することも可能である。非制限型近接度クエリーはランドマークのタイプ及び/又は限定詞を省略する。例えば、限定詞がそのクエリーから省略される場合には、最も近いイタリア料理の場所を見つける代わりに、与えられた位置を取囲む領域内におけるこのような場所の全てを見つけ出す。更なる例示として、ユーザはカリフォルニア州サンフランシスコの初期位置、及びニューヨーク州ニューヨークの最終位置を要求する場合がある。この場合には、ユーザはサンフランシスコとニューヨークとの間の可能な全ての経路から追従すべき経路を選択するオプションを提示させることが可能である。更に別の例示においては、ユーザは特定の初期位置を特定するが最終位置を一般的として残す(即ち、最終位置を非制限型近接度クエリーとして特定する)場合がある。
【0019】
再度図1を参照すると、道案内ビュー104内の第一の例示的な道案内(1)は、ユーザに「オーク通りを西側へ」と指示する。次の道案内(2)は「エスプレッソハウス」ランドマークにおいて右側へ曲ることをユーザに指示する。注意すべきことであるが、道案内(2)におけるコーヒーカップの記号118はマップビュー102における同一の記号を参照している。道案内に従って経路上を通行しているユーザは、「エスプレッソハウス」建物に遭遇し、従って、その点において右側へ曲ることを知っている。このタイプのナビゲーションはユーザにとって一層効率的である場合があり、特に、乗物を運転しているユーザの場合には読むことが困難な道路標識に依存するよりも一層効率的な場合がある。
【0020】
1つの実現例において、販売促進又はその他の情報をランドマークと関連付け且つ種々の手段によってユーザの注意を促すことが可能である。例示として、「販売促進」はランドマークと関連する情報とすることが可能であり、又はそのランドマークを尋ねることをユーザに誘引させ又はそのランドマークにおいて又はそのランドマークと関連する実体と商行為を行わせるためにユーザを誘引するための特別の申し出とすることが可能である。情報はランドマークの特性、プロフィル、特徴等を記述するマルチメディアコンポーネントを包含することが可能である。マップビュー102及び道案内ビュー104は販売促進を提示することが可能である。1つの実現例においては、ランドマーク118及び124等の販売促進を申し出ているランドマークを表わすマップビュー102ランドマーク記号はそれらの様相を変化させることにより、及び/又はランドマーク記号に近接するか又はその他の場所の関連する販売促進を提示することにより視覚的に際だったものとさせることが可能である。例えば、「モッカマッドネス」がランドマーク118に近接して表示されおり、且つ「ドーナツ付き12オンスのコーヒーが無料」がランドマーク142に近接して表示されている。
【0021】
道案内ビュー104において、プロモーション(promotion)即ち販売促進を道案内自身の中に組込むことが可能である。例えば、道案内(2)は販売促進112を包含している。この例においては、プロモーション112はユーザが選択することが可能な(例えば、ハイライトさせ且つマウスでクリックすることにより)リンクである「本日のスペシャル」というフレーズとして表示されている。プロモーション112又は関連するランドマーク記号、即ちエスプレッソハウス118がユーザにより選択されると、そのプロモーションに関する更なる情報をユーザに供給することが可能である。1つの実現例においては、ユーザはプロモーション112に関する情報を包含するウエブページへ指示される場合がある。別の実現例においては、ユーザはプロモーション112の用語の下でのインターネット購入を行う等消費者取引に入ることが可能である。更に別の実現例においては、ユーザはプロモーション112をEメールアドレス、インスタントメッセンジャーバディ(instant messenger buddy)、ショートメッセージサービス又はその他の適宜のサービスを介しての携帯電話へ転送させることが可能である。
【0022】
再度道案内ビュー104を参照すると、道案内(3)及び(5)はランドマークへの参照を包含するものではない。然しながら、道案内(4)及び(6)の各々は関連するプロモーション無しでのランドマークへの参照を包含している(即ち、「ピッツァフォーレス(Pizza for Less)」及び「ポールのスーパーマーケット」)への参照を包含している。道案内(7)は「ドーナツパレス」ランドマーク124及び関連するプロモーション114に対する参照を包含している。この場合には、該プロモーションは時間的制約があり、次の30分に対してのみ有効である。1つの実現例においては、時間制限的プロモーションは、アニメーションカウントダウンタイマーを包含することが可能である。例えば、プロモーション124における「30分」のテキストは時間が経過するに従いカウントダウンすることが可能である(例えば、「29分」、「28分」、...「残り1分」)。
【0023】
別の実現例においては、ランドマークへのユーザの近接度に基づいてマップビュー102/又は道案内ビュー104内においてプロモーションを表示することが可能である。例えば、ユーザインターフェースが可動の位置認識装置上で提供されている場合には、ユーザがランドマークに近付くに従いそのユーザへプロモーションを提示することが可能である。別の側面においては、ランドマーク及び/又はマップビュー102又は道案内ビュー104内のプロモーションは、ユーザの現在の位置がそのランドマークに近付くに従い視覚的に強調させることが可能である(例えば、ハイライトさせ、アニメーションさせ、拡大させる)。
【0024】
図2を参照すると、ランドマークを使用して経路マップ及び/又は道案内を供給するシステム200の1つの実現例が例示されている。この実現例においては、本システムはクライエント214、サーバー212、サーバー212によってアクセス可能なデータベースを包含している。システム200のその他の形態も可能であり、且つ図示した形態は単に1例である。
【0025】
クライエント214はユーザとインターフェースするためのユーザインターフェース228、ユーザインターフェース228へ経路マップ及び/又は道案内を供給するための道案内プロバイダーコンポーネント230、サーバー212と通信することにより、経路、道案内、関連するランドマーク及び関連するプロモーションを決定するサーバーインターフェース232を包含している。1つの実現例においては、クライエント214は、又、クライエント214の現在の位置を決定することが可能なロケーションファインダーコンポーネント234を包含しており、その現在の位置はサーバー212に対して為された道案内要求における初期位置として役立つことが可能である。
【0026】
サーバー212はクライエント214からの要求に応答するサービスコンポーネント222を包含している。1つの実現例においては、クライエント214はサービス222へアクセスすることが許可される前に、サーバー212において包含されている承認コンポーネント218によってクライエント214が承認される。例えば、関連するユーザのサービスプラン又はプロフィルに基づいて何人かのクライエントはロケーションサービスへアクセスすることが承認されない場合がある。1つの実現例においては、クライエント214は特定した初期位置と最終位置との間の道案内に対する要求をサーバー212へ供給する。別の実現例においては、最終位置は近接度サーチとして特定され且つ最終位置へのクエリーを解決するために近接度サーチコンポーネント216が使用される。経路決定コンポーネント220は初期位置と最終位置との間の経路を決定する。経路決定コンポーネント220は制限無しで以下のストラテジー、即ち通行距離の最小化、通行時間の最小化、途中で包含されるべきランドマークの最大化、高いレイティング即ち格付けを有するランドマークの最大化、プロモーションを有するランドマークの最大化、特定の特性を具備する経路の最大化(例えば、経路がフェリー、ブリッジ、又はその他の特性を包含しているか否か)のうちの1つ又はそれ以上を使用することが可能である。
【0027】
経路決定コンポーネント220は初期位置と最終位置、例えば図1に示した初期位置116と最終位置128との間の経路を決定し、且つその経路を通行する場合にユーザを案内するための1組の道案内を発生する。1つの実現例においては、経路決定コンポーネント220がデジタルマップデータ、興味のある点及びその他のランドマークを包含する経路及びランドマークデータベース204(又は1つを超えるこのようなデータベース)へアクセスすることにより経路を決定する。イリノイ州シカゴのナブティク(Navtiq)及びニューハンプシャー州レバノンのテレアトラス(Tele Atlas)は、経路情報を供給するデジタルマップデータベース、及びガソリンスタンド、ホテル、お店及び病院等の興味のある点の場所を包含する興味のある点のデータベースのプロバイダーの例である。経路及びランドマークデータベース204は、上述したナブティク及びテレアトラスにより提供されるもののような1つ又はそれ以上のデジタルマップデータベースから採取されたデジタルマップデータから構築することが可能である。付加的に、データベース204は典型的な市販されているデジタルマップデータベース内に包含されていない補充的なランドマーク情報を包含することが可能である。例えば、データベース204は特定の会社の小売店の場所で補充することが可能である。
【0028】
経路決定コンポーネント220は経路及びランドマークデータベース204をクエリーして初期位置116と最終位置128との間の1つ又はそれ以上の経路を決定し且つ途中に包含される及び「道案内点」における1つ又はそれ以上のランドマークを決定することが可能である。道案内点はユーザが方向変換について注意される経路に沿っての1つの点である。例えば、エスプレッソハウス118の地理的な位置は道案内点であり、というのはユーザは最終位置128へ選択された経路を通行するためにこの点において右へ曲らねばならないからである。経路決定コンポーネント220は経路及びランドマークデータベース204内に包含されているランドマークを使用して道案内点において位置されている1つ又はそれ以上のランドマークを決定する。経路決定コンポーネント220は、この例においてはエスプレッソハウス118である方向案内内に包含させるために決定されたランドマークのうちの少なくとも1つを選択する。
【0029】
与えられた交差点において、複数のランドマークが存在している場合があり、例えば、異なるビジネス又はその他のランドマークがその交差点の4つの角部の各々に位置されている場合がある。経路決定コンポーネント220は、これに制限されるものではないが、例えばランドマークのランク即ち格付け、プロモーションのランク、現在の日時、日付、及び/又はランドマーク/プロモーションの関連性等の複数の要因に基づいて与えられた経路に対するランドマークを選択することが可能である。1つの実現例においては、ランドマーク/プロモーションのランクは、そのランドマーク/プロモーションがその経路を通行するための道案内内に包含させるためにサーバー212に対してランドマークの所有者が喜んで提供する補償額に基づいている。例えば、ランドマークの所有者が喜んでより多くの補償額を払う場合には、そのランドマーク/プロモーションのランクはより高くなる。別の実現例においては、そのランクはその道案内を要求するユーザを包含するクラスについてのランドマーク/プロモーションの人気に基づくものとすることが可能である。そのユーザのクラスは人口統計的情報、ユーザプロフィル、挙動を研究する目的のためにユーザを分類するために使用されるその他の情報に基づいて決定することが可能である。人気はこのクラスにおけるユーザがどれ程頻繁にそのランドマークを訪問するか又はランドマークと関連するプロモーションを選択するかに関連付けることが可能である。
【0030】
1つの実現例においては、ランドマーク/プロモーションの関連性は、道案内を要求するユーザに対するユーザプロフィル情報に基づいて決定することが可能である。経路決定コンポーネント220は経路を決定する場合にユーザプロフィルデータベース202からユーザの好みを獲得し且つ使用することが可能である。与えられたユーザに対して、ユーザプロフィルデータベース202は、制限無しで、ユーザの年齢、体重、身長、性別、住所、職業、食習慣、食制限、年収、配偶者の有無、ユーザが運転する車両のタイプ、ユーザが頻繁に訪れる店等を包含することが可能である。例えば、ユーザが菜食主義者であることが知られている場合には、菜食主義者に適合するレストランランドマークのみを経路内に包含させる。又は、その経路が早朝に通行される場合には、ディナーのプロモーションを提供するランドマークを選択することは意味がないことである。1つの実現例においては、ユーザはランドマークを格付けすることが可能であり且つこの情報はユーザのプロフィル内に包含させることが可能である。この情報の1つの側面においては、より高いレイティングを有するランドマークがより低いレイティングを有するランドマークよりも経路を通行するための道案内内に包含される蓋然性はより高い。別の実現例においては、ユーザは与えられたランドマークを保存することが可能であり、従ってそのランドマークは将来最終位置として迅速に選択することが可能である。保存されたランドマークは、又、ユーザプロフィルデータベース内に格納することが可能である。1つの実現例においては、ユーザのプロフィル情報はサーバー212に対してなされた要求の一部として供給することが可能であり、その場合には、ユーザプロフィルデータベース202を取除くことが可能である。
【0031】
図3を参照すると、1つの実現例において、経路決定コンポーネント220は経路及びランドマークデータベース204によって供給された情報から初期位置116と最終位置128との間の2つ又はそれ以上の経路を決定することが可能である(ステップ302)。次いで、経路決定コンポーネント220はどの経路がユーザに対して提示するかを決定することが可能である。この決定は多数の要因に基づくものとすることが可能である。1つの実現例においては、ユーザは該要因に影響を与えることが可能である(例えば、ユーザプロフィルに基づいて)。1つの実現例においては、経路決定コンポーネント220は、各経路に沿って、且つ、オプションとして、該ルートに対する予め定めた近接度及び/又は初期位置及び最終位置116,128と共に道案内点におけるランドマークを決定する(ステップ304)。経路決定コンポーネント220は決定されたランドマークに基づいてユーザに対して提示する経路を選択する(ステップ306)。例えば、経路決定コンポーネント220はその経路に沿ってのランドマークの数を最大化するために経路を選択することが可能である。代替的に、経路決定コンポーネント220はその経路に沿ってあるタイプの(例えば、レストランタイプ、又は歴史的タイプ)のランドマークの数を最大化させるために経路を選択することが可能である。決定したランドマークに基づいて経路決定コンポーネント220が選択を行う任意の数の可能な態様が存在しており、且つ説明したものは単に例示的なものである。
【0032】
再度図2を参照すると、説明した操作は、より多くの数の又はより少ない数のサーバー212及び/又はクライエント214、及び完全にサーバー212によって、又は完全にクライエント214によって、外部データベースへのアクセス及びアクセス無しで、を包含するより多くの又はより少ない数のコンポーネントにより実現することが可能である。別の実現例においては、サーバー212及び/又はクライエント214コンポーネントはネットワーク、共有メモリ又はその他の適宜の情報共有手段によって接続されている2つ又はそれ以上のコンピューティング装置にわたって分散させることが可能である。
【0033】
図4を参照すると、ユーザに対してランドマーク向上型道案内を供給するためのプロセス400を例示したフローチャートが示されている。本システムは初期位置から最終位置への道案内に対する要求を(例えば、ユーザのユーザインターフェース228を介して)受取る(ステップ402)。例えば、初期位置は図2に示した初期位置116とすることが可能であり、且つ最終位置は最終位置128とすることが可能である。1つの実現例においては、該初期位置はユーザの現在位置であり、それはユーザにより特定するか又は装置又はプロセスにより決定することが可能である。別の位置において、該初期位置はユーザにより特定され且つユーザの現在の位置とは無関係である。本システムは道案内を供給するプロセスに対して初期位置116及び最終位置128を供給する。それに応答して、該プロセスは初期位置116と最終位置128との間の経路を移動するための道案内を供給し(ステップ404)、その経路に沿ってのランドマーク、及び、オプションとして、そのランドマークに関連するプロモーション資料を供給する(ステップ406)。道案内はユーザへ供給され(例えば、ユーザインターフェースコンポーネント228を使用して)、それは、これに制限されるものではないが、道案内ビュー104及び/又はマップビュー102を包含することが可能である(ステップ408)。
【0034】
図5を参照すると、ユーザに対してプロモーションを供給するためのプロセス500を例示したフローチャートが示されている。ユーザインターフェース228が図1を参照して説明したようなプロモーションが使用可能である表示を与える(ステップ502)。ユーザはユーザインターフェース228を介して、プロモーションに関する更なる情報を望むことを表示する(ステップ504)。ステップ504はオプションであり、というのはユーザインターフェース228は自動的にそのプロモーションを表示することが可能だからである。そのプロモーションはユーザインターフェース228を介してユーザへ提示される(ステップ506)。次いで、ユーザは多数の態様でそのプロモーションと相互作用することが可能である(ステップ508,510,512,514,516)。ユーザはそのプロモーションをEメール、インスタントメッセンジャー、及び/又は任意のその他の適宜の通信媒体へ転送することが可能である(ステップ508)。ユーザは、又、そのプロモーションと関連するウエブサイトへアクセスすることが可能である(ステップ510)。ユーザは消費者取引を開始し(ステップ512)、将来の参照のためにそのランドマークを保存し(ステップ514)、及び/又はそのランドマークを格付け(ステップ516)することが可能である。
【0035】
本発明及び本明細書において記載した機能的動作の全てはデジタル電子回路、又はコンピュータハードウエア、ファームウエア、ソフトウエア又はそれらの組合わせで実現することが可能である。本発明装置は、プログラム可能なプロセッサによって実行するために機械読取可能な格納装置内に明示的に実施化したコンピュータプログラムプロダクトで実現することが可能であり、且つ本発明の方法ステップは入力データに関して動作し且つ出力を発生することにより本発明の機能を実施するために命令からなるプログラムを実行するプログラム可能なプロセッサによって実施することが可能である。
【0036】
本発明はデータ格納システムからデータ及び命令を受取り且つそれに対してデータ及び命令を送信すべく結合されている少なくとも1個のプログラム可能なプロセッサ、少なくとも1個の入力装置、及び少なくとも1個の出力装置を包含するプログラム可能なシステム上で実行することが可能な1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムで有益的に実現することが可能である。各コンピュータプログラムはハイレベル手順又はオブジェクト指向型プログラミング言語で、又は所望によりアッセンブリ又はマシン言語で実現することが可能であり、且ついずれの場合においても、該言語はコンパイル型又はインタプリタ型言語とすることが可能である。
【0037】
適宜のプロセッサは、例示として、汎用及び特別目的マイクロプロセッサの両方を包含している。一般的には、プロセッサはリードオンリメモリ及び/又はランダムアクセスメモリから命令及びデータを受取る。一般的には、コンピュータはデータファイルを格納するための1つ又はそれ以上の大量格納装置を包含しており、このような装置は内部ハードディスク及び着脱自在なディスク等の磁気ディスク、磁気光学ディスク、及び光学的ディスクを包含している。コンピュータプログラム命令及びデータを明示的に実施するのに適した格納装置は、例示として、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ装置等の半導体メモリ装置、内部ハードディスク及び着脱自在なディスク等の磁気ディスク、磁気光学ディスク、CD−ROMディスク等の全ての形態の非揮発性メモリを包含している。前述したもののいずれもASIC(応用特定集積回路)により補充されるか又はその中に組込むことが可能である。
【0038】
ユーザとの相互作用を提供するために、本発明はユーザに対して情報を表示するためのモニタ又はLCDスクリーン等の表示装置及びキーボード及びそれによりユーザがコンピュータシステムへ入力を供給することが可能なマウス又はトラックボール等のポインティング装置を具備するコンピュータシステム上で実現することが可能である。該コンピュータシステムは、それを介してコンピュータプログラムがユーザと相互作用を行うグラフィカルユーザインターフェースを提供すべくプログラムすることが可能である。
【0039】
明確性のために、この明細書においては別の実施例の文脈において説明されているある特徴は単一の実施例において結合した状態で提供することも可能である。その逆に、簡単化のために単一の実施例の文脈において説明している種々の特徴は、又、別々の複数の実施例において又は任意の適宜の副結合の形態で与えることが可能である。更に、複数の特徴がある組合わせで動作するものとして上に説明しており且つ当初はそのように特許請求の範囲内においても記載しているが、特許請求の範囲に記載されている組合わせからの1つ又はそれ以上の特徴を、ある場合においては、そのような組合わせから切り離すことが可能であり、且つ特許請求の範囲に記載されている結合は1つの副結合又は副結合の変形例に指向させることが可能である。
【0040】
本発明の多数の実現例について説明した。そうであるが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに種々の修正を行うことが可能であることが理解される。例えば、本発明のステップは異なる順番で実施することが可能であり尚且つ所望の結果を達成することが可能である。従って、その他の実現例は特許請求の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ランドマークを使用した道案内を示した例示的なグラフィカルユーザインターフェースの概略図。
【図2】ランドマークを包含する道案内を発生するシステムの概略図。
【図3】経路を決定するためのプロセスを例示したフローチャート。
【図4】ランドマークを包含する道案内を供給するプロセスを例示したフローチャート。
【図5】ランドマークを使用する道案内内に包含されるランドマークに関連する情報を供給するプロセスを例示したフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実現される方法において、
初期位置から最終位置への道案内に対する要求を受取り、
該初期位置から該最終位置への経路を決定し、
該経路に基づいて1つ又はそれ以上のランドマークを決定し、
該初期位置から該最終位置への該ルートを通行するための道案内であって該1つ又はそれ以上のランドマークに対する参照を包含している道案内を提供する、
ことを包含している方法。
【請求項2】
請求項1において、該1つ又はそれ以上のランドマークを決定する場合に、
サーバーへ情報を供給し且つ該サーバーから1つ又はそれ以上のランドマークを受取る、
ことを包含している方法。
【請求項3】
請求項1において、該1つ又はそれ以上のランドマークがブランド付き参照点である方法。
【請求項4】
請求項3において、該ブランド付き参照点が、事業所、商業的標識、又は広告のうちの1つ又はそれ以上を包含している方法。
【請求項5】
請求項1において、該要求がユーザから受取られ且つ該初期位置が該ユーザの現在の位置である方法。
【請求項6】
請求項1において、該要求が位置認識装置から受取られ且つ該初期位置が該位置認識装置の現在の位置である方法。
【請求項7】
請求項1において、更に、
クエリーを受取り、
該クエリーに基づいてサーチを実施し、サーチ結果が該最終位置を包含している、
ことを包含している方法。
【請求項8】
請求項1において、該最終位置が場所、地形的区域、イベント、又は史跡のうちの1つを参照する物理的位置の名称である方法。
【請求項9】
請求項1において、該道案内が、該初期位置から該最終位置への該経路を通行するためのステップバイステップ命令、又は該初期位置から該最終位置への該経路を識別するマップのグラフィック表示のうちの1つ又はそれ以上を包含している方法。
【請求項10】
請求項1において、道案内を供給する場合に、音声プロンプト道案内又はアニメーションマップのうちの1つ又はそれ以上を供給することを包含している方法。
【請求項11】
請求項1において、更に、
該1つ又はそれ以上のランドマークと関連する販売促進情報を提供する、
ことを包含している方法。
【請求項12】
請求項11において、更に、該販売促進資料と関連するウエブページを提示すること、該販売促進資料を転送すること、又は該販売促進資料に基づいて消費者取引を開始すること、のうちの1つ又はそれ以上を包含している方法。
【請求項13】
請求項1において、該1つ又はそれ以上のランドマークを決定することが、少なくとも部分的にユーザプロファイルに基づくランドマークを決定することを包含している方法。
【請求項14】
請求項1において、該1つ又はそれ以上のランドマークを決定することが、該ランドマークのランク、該ランドマークと関連する販売促進のランク、日時、日付、該ランドマークの関連性、又は該ランドマークと関連する販売促進の関連性のうちの1つ又はそれ以上に基づいて複数個のランドマークから1つのランドマークを選択することを包含している方法。
【請求項15】
システムにおいて、
インターフェースコンポーネントであって、
初期位置から最終位置への道案内に対する要求を受取り、且つ
該初期位置から該最終位置への経路を通行する道案内を供給する、
形態とされているインターフェースコンポーネント、
経路決定コンポーネントであって、
該初期位置と該最終位置との間の経路であって1つ又はそれ以上の道案内点を包含している経路を決定し、
該1つ又はそれ以上の道案内点のうちの第一道案内点近くに位置しているランドマークを決定し、
該初期位置から該最終位置への該経路を通行する道案内であって該ランドマークへの参照を包含している道案内を発生する、
形態とされている経路決定コンポーネント、
を有しているシステム。
【請求項16】
請求項15において、該ランドマークが、事業所、商業的標識、又は広告のうちの1つ又はそれ以上を包含しており、且つ該経路決定コンポーネントが、更に、
該最終位置に対応する地理的位置を決定する、
べく形態とされているシステム。
【請求項17】
請求項15において、道案内を供給する形態とされている該インターフェースコンポーネントが、該経路を包含するマップ及び該マップ上で識別される該1つ又はそれ以上のランドマークのグラフィック表示、又は該1つ又はそれ以上のランドマークへの参照を含め該初期位置から該最終位置への該経路を通行するためのステップバイステップ道案内のうちの1つ又はそれ以上を提供する形態とされているシステム。
【請求項18】
請求項15において、該インターフェースコンポーネントは、更に、
該1つ又はそれ以上のランドマークと関連している販売促進情報を供給する、
形態とされており、且つ
該経路決定コンポーネントは、更に、
該1つ又はそれ以上のランドマークと関連している販売促進情報を得る、
形態とされているシステム。
【請求項19】
請求項18において、販売促進情報を供給する形態とされている該インターフェースコンポーネントは、更に、該販売促進資料と関連するウエブページへのリンクを包含する形態とされているシステム。
【請求項20】
コンピュータにより実現される方法において、
初期位置及び最終位置を受取り、
該初期位置と該最終位置との間の複数個の経路を決定し、
該複数個の経路の各々に対して、該経路内に含まれる1つ又はそれ以上の道案内点における1つ又はそれ以上のランドマークを決定し、
該複数個の経路の各々に対して決定された1つ又はそれ以上のランドマークに基づいて該複数個の経路から1つの経路を選択する、
ことを包含している方法。
【請求項21】
請求項20において、該選択する場合に、
該複数個の経路のうちで最大数のランドマークを有している1つの経路を該複数個の経路から選択する、
ことを包含している方法。
【請求項22】
請求項20において、更に、
特定したタイプのランドマークを受取る、
ことを包含しており、尚該選択する場合に、該特定したタイプの最大数のランドマークを有している経路を該複数個の経路から選択することを包含している方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−510455(P2009−510455A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533769(P2008−533769)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/038554
【国際公開番号】WO2007/041547
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(500280087)オートデスク,インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】