ランドリモニタシステム
【課題】搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するランドリモニタシステムを提供する。
【解決手段】搬送チェーン260に取り付けられて搬送される移動フック230は、ハンガー3のアーチ部3aとの上側当接面が凸状の曲面を有するものであり、当該曲面のうちの搬送方向の曲線が、ハンガー3のアーチ部3aの下側当接面の凹状の曲線と略一致するようにした。
【解決手段】搬送チェーン260に取り付けられて搬送される移動フック230は、ハンガー3のアーチ部3aとの上側当接面が凸状の曲面を有するものであり、当該曲面のうちの搬送方向の曲線が、ハンガー3のアーチ部3aの下側当接面の凹状の曲線と略一致するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子力発電所など放射性物質取扱施設で用いられる作業服の放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無について検査するランドリモニタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ランドリモニタシステムでは、モニタリング終了後に自動的に作業服の仕分け・収納を行うことで後工程を簡略化し、利便性を高めたいという要請があった。
【0003】
このように自動的に作業服の仕分け・収納を行うランドリモニタシステムに係る従来技術としては、例えば、特許文献1(特開平10−20041号公報,発明の名称:衣類モニタ)に記載されたものが知られている。特許文献1の衣類モニタは、コンベア上を搬送されるランドリに対してモニタリングを行うランドリモニタであり、特に仕分け後に収納車に作業服が収納されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−20041号公報(段落番号[0016],[0017],図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では縦型ランドリモニタの開発が進んでいる。この縦型ランドリモニタは、ハンガーに吊るした状態の作業服を搬送部が縦型ランドリモニタ内へ投入してモニタリングするというものである。縦型ランドリモニタでは特に作業の効率化や作業員の手間の低減を図るものであり、搬送・仕分けが確実に行われるようにしたいという要請がある。
【0006】
特許文献1に記載した従来技術では作業服がコンベア上を搬送されるというものであり、縦型ランドリモニタには単純に適用できず、新たな搬送・仕分けシステムを確立する必要があった。特に搬送部はハンガーを搬送するものであり、仮にハンガーが落下すると回復作業に手間取る点で問題があり、作業員に手間が掛かるハンガーの落下を確実に防止したいという要請があった。
また、作業服の仕分け後でも、作業服を放射性物質取扱施設の所定の保管場所や更衣室へ運搬しやすくするなど、作業員の手間を低減したいという要請があった。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するランドリモニタシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明のランドリモニタシステムは、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
前記搬送部の移動フックは、ハンガーのアーチ部との上側当接面が凸状の曲面を有するものであり、当該曲面のうちの搬送方向の曲線が、ハンガーのアーチ部の下側当接面の凹状の曲線と略一致することを特徴とする。
【0009】
このランドリモニタシステムでは、吊るした状態で搬送する作業服の揺れを防止するような移動フックを採用したというものである。作業服が掛けられたハンガーは、搬送部の移動フックに吊るして搬送されるが、何ら対策を施さないと、搬送時に搬送方向に対してハンガーの首部が移動フックの上で回転して搬送方向に揺れたり、また、搬送時に正面側や背面側という前後方向に対してハンガーの首部が移動フックの上で回転してぶれてしまい、作業服が搬送方向や前後方向に揺れるため落下しやすいという問題があった。加えて作業服が前後に揺れると検出部までの距離が変化して正常な汚染測定ができないという問題があった。本発明は、移動フックとハンガーのアーチ部との両者の当接面を工夫して、ハンガーの前後方向の揺れを小さくするようにした。特に曲線の半径が異なると点接触になって回転しやすくなるが、本発明のように、搬送方向に対して垂直方向では直線状に伸びる辺を集めて形成した面であり、搬送方向での曲線の形状をアーチ部の形状と同じにして搬送方向で面接触になるように支持すると、ハンガーが前後方向に回転しようとすればアーチ部を変形させるように作用するため自らの弾性により元の搬送方向の位置へ戻ろうとして回転しにくくなり、ハンガーや作業服が前後に揺れないようになって落下しにくくなる。その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る発明のランドリモニタシステムは、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーに設けられており作業服の種類についての作業服データを登録したICタグと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す複数の押し出し部と、複数の押し出し部にそれぞれ連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を分けて収納する収納部と、ICタグから作業服データを読み出すICタグ読み出し部と、ICタグ読み出し部からの情報に基づいて押し出し部の制御を行う中央処理部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
この中央処理部は、ICタグ読み出し部から出力された作業服データに基づいて選択した押し出し部によりハンガーを押し出すように制御し、収納部に作業服の種類別に仕分けして収納させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る発明のランドリモニタシステムは、
請求項2に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記移動フックまたは前記ハンガーの搬送方向の位置を検出する押し出し検知用センサ部をさらに備えており、
前記信号処理部は、押し出し検知用センサ部からの検出信号に基づいて押し出し部を制御することを特徴とする。
【0012】
このランドリモニタシステムでは、ICタグから作業服データを読み出して、例えば作業服のサイズ別等の種類別の仕分けを自動的に行うことが可能となり、その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る発明のランドリモニタシステムは、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す押し出し部と、押し出し部に連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を収納する収納部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、この押し出し部は、
ハンガーガイド部と、このハンガーガイド部に連結されておりハンガーの首部の幅より広い幅を有するハンガー押し板と、ハンガー押し板の搬送方向下流側に設けられておりハンガーの首部を受けるストッパと、を有する押し出しヘッドと、
押し出しヘッドを押し出すエアシリンダと、
を備え、エアシリンダを駆動させてハンガー押し板がハンガーの首部を押して、または、エアシリンダを駆動させてストッパで首部を係止しつつハンガー押し板がハンガーの首部を押して、移動フックからハンガーを押し出し、このハンガーのアーチ部をハンガーガイド部が受けて収納部へ誘導することを特徴とする。
【0014】
縦型のランドリモニタシステムでは、押し出し対象の作業服が押し出し部の前を通過するときにハンガーごと押し出すというものである。しかし、タイミングに微妙なずれが生じた場合に押出し位置がずれてしまい、ハンガーキャリアにハンガーが乗り継がないおそれがある。そこでこのランドリモニタシステムでは、押し出し面を幅広にしてタイミングのずれを吸収して確実に押し出しができるようにする。さらに、ストッパによりハンガーが搬送方向へ移動しない状態とし、ハンガーが一定位置で押し出されるようにする。これにより、ハンガーが移動フックからハンガーキャリアへ安定して乗り継ぎするようにしてハンガーキャリアへの乗り継ぎ作業の効率化を図る。その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【0015】
また、本発明の請求項5に係る発明のランドリモニタシステムは、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す押し出し部と、押し出し部に連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を収納する収納部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
前記収納部はハンガーのアーチ部が掛けられるハンガーキャリアを備え、
前記押し出し部は、ハンガーキャリアの先端と連結して位置決めするハンガーキャリア受け金具を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項6に係る発明のランドリモニタシステムは、
請求項5に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記収納部は、台車部と、台車部に対して立設されるキャリア用支柱部とをさらに備える作業服収納台車であり、
前記ハンガーキャリアはキャリア用支柱部から傾斜して設けられることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項7に係る発明のランドリモニタシステムは、
請求項6に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記台車部は、前後方向へ進む固定キャスタを前側キャスタとし、また、回転可能な自在キャスタを後側キャスタとすることを特徴とする。
【0018】
このランドリモニタシステムでは、仕分けされた作業服を収納部、例えば3台の作業服収納台車のハンガーキャリアへ機械的に送り出し、汚染がないことが確認された作業服を、そのまま、管理区域の中の次工程の保管場所や更衣室へと運搬できるようにして作業服を乗せかえる時間の削減を図っている。そして、作業服収納台車の位置を定める機構を採用して搬送部の移動フックからハンガーキャリアへ確実に送られるようにしている。また、キャスタを工夫して移動時の敢えて前後方向に移動するようにして取り付け時に傾斜しないようにして、確実にハンガーキャリアへ乗り継ぎされるように配慮している。その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【0019】
また、本発明の請求項8に係る発明のランドリモニタシステムは、
請求項4〜請求項7の何れか一項に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記移動フックまたは前記ハンガーの搬送方向の位置を検出する押し出し検知用センサ部をさらに備えており、
前記信号処理部は、押し出し検知用センサ部からの検出信号に基づいて押し出し部を制御することを特徴とする。
【0020】
このランドリモニタシステムでは、特に押し出し部における押し出しタイミングを正確にするというものである。その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したような本発明によれば、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するランドリモニタシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を実施するための形態のランドリモニタシステムのシステム構成図である。
【図2】本発明を実施するための形態のランドリモニタシステムの平面図である。
【図3】ハンガーの説明図である。
【図4】作業服を掛けたハンガーの説明図である。
【図5】投入部の説明図である。
【図6】投入部の説明図であり、図6(a)は特に投入装置の傾斜角度を説明する説明図、図6(b)は揺れストッパがないときの投入部の説明図、図6(c)は揺れストッパがあるときの投入部の説明図である。
【図7】投入装置の外観を説明する説明図であり、図7(a)は側面図、図7(b)は正面図である。
【図8】投入装置の内部構造の説明図であり、図8(a)は内部正面図、図8(b)はシャッタの平面図、図8(c)はA−A矢視図である。
【図9】シャッタと押し出し部とを透明にした投入装置の内部構造の説明図である。
【図10】投入装置の内部構造の説明図であり、図10(a)はシャッタを開くときの動作説明図、図10(b)はシャッタを閉じるときの動作説明図である。
【図11】移送部を投入フック側へ移動させたときの投入装置の内部構造の説明図である。
【図12】搬送部の平面図である。
【図13】搬送部の正面図である。
【図14】搬送部の側面図であり、図14(a)は右側面図、図14(b)は左側面図である。
【図15】搬送チェーンの説明図であり、図15(a)は平面図、図15(b)は正面図、図15(c)はB−B矢視図、図15(d)はC−C矢視図である。
【図16】搬送チェーンの駆動系の説明図である。
【図17】押し出し部の平面図である。
【図18】待機時の押し出し部の斜視外観図である。
【図19】動作時の押し出し部の斜視外観図である。
【図20】ハンガーキャリアとハンガーキャリア受け金具を説明する説明図である。
【図21】縦型ランドリモニタの外観を説明する説明図であり、図21(a)は搬入口側の側面図、図21(b)は正面図である。
【図22】縦型ランドリモニタの内部を説明する説明図であり、図22(a)は搬入口側の側面図、図22(b)はD−D矢視図である。
【図23】縦型ランドリモニタのローラ部を説明する平面モデル図である。
【図24】縦型ランドリモニタのローラ部を説明する内部モデル図である。
【図25】作業収納台車の側面図である。
【図26】作業収納台車の平面図である。
【図27】作業収納台車の正面図である。
【図28】ランドリモニタシステムの回路ブロックを説明する説明図である。
【図29】ハンガーの移動を説明する説明図である。
【図30】投入部におけるハンガーの搬送部への投入を説明する説明図である。
【図31】移動フックにおけるハンガーの回転防止を説明する説明図であり、図31(a)は正面図、図31(b)は平面図である。
【図32】押し出し部によるハンガーキャリアへのハンガーの押し出しを説明する説明図である。
【図33】押し出し部の押し出しヘッドによる時間のずれの吸収を説明する説明図であり、図33(a)はハンガー押し板による吸収の説明図、図33(b)はストッパによる吸収の説明図である。
【図34】作業服収納台車による収納を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
続いて、本発明を実施するための形態について図を参照しつつ説明する。まず、ランドリモニタシステム1の全体について説明する。
ランドリモニタシステム1は、図1,図2で示すように、投入部100、搬送部200、縦型ランドリモニタ300、収納部400を備える。
【0024】
投入部100は、作業服2が掛けられたハンガー3(図4参照)をセットすると、搬送部200まで移動させて搬送部200の移動フック230へ、このハンガー3を投入する。
搬送部200は、作業服2が掛けられたハンガー3を移動フック230が搬送方向へ移動させる。
縦型ランドリモニタ300は、通過する作業服2の放射能汚染についてモニタリングを行う。
収納部400は、搬送部200を移動する作業服2を仕分けした後に収納する。例えば、作業服2を大中小の三種類に分けて収納する。また、低汚染の作業服2は再度洗濯するためのボックス(図示せず)へ落とし、高汚染の作業服2は廃棄用のボックス(図示せず)へ落とす。ランドリモニタシステム1はこのようなものである。
【0025】
続いて各部の詳細について説明する。まず、投入部100について説明する。
投入部100は、図5,図6で示すように、揺れストッパ110、イオナイザ120、投入装置130を備えている。
【0026】
揺れストッパ110は、投入装置130の下側に配置されており、投入位置130により投入された作業服2に当接して揺れを防止する。揺れストッパ110がないと、図6(b)で示すような方向で作業服2およびハンガー3は安定するが、本発明のように揺れストッパ110があると、図6(c)で示すように、作業服2およびハンガー3が安定しようする回転力が常時働きつつ作業服2が揺れストッパ110へ当接することとなり、作業服2が揺れストッパ110へ当接する状態を維持する。
【0027】
また、揺れストッパ110は、電気的に接地されているため、作業服2に帯電する静電気を除電する。静電気は検出時のノイズ成分や故障の原因となるため、予め除去することで高い検出精度を維持する。そして先に説明したように作業服2およびハンガー3が安定しようする力が働いて作業服2が揺れストッパ110に当接する状態を維持するため、接触不良等がおこらないで確実に除電される。
【0028】
イオナイザ120は、プラスイオンやマイナスイオンを発生させる。これらイオンは作業服2の静電気を中和してから揺れストッパ110を通じてグラウンドに流れるため、作業服2が確実に除電される。
【0029】
投入装置130は、図6(a)で示すように搬送装置200に対して傾斜した状態で配置されるものであり、搬送装置200に固定される。傾斜角度は搬送方向に対して60°である。先に説明したようにこの傾斜により揺れストッパ110に作業服2を確実に当接させている。この投入装置130は、図7,図8で示すように、装置本体131、カバー132、投入口133、カラー表示部134、投入フック135、誘導ロッド136、シャッタ137、付勢ばね138、リニアエアスライダ139、リニアガイド140、支持部141、従動子142、ハンガー押し出し部143、ガイド部144、摺動片145を備えている。
【0030】
装置本体131は、メカベースとして機能する。
カバー132は、装置本体131へ固定された各部を覆う。このカバー132は透明な材料により形成されており、特にリニアエアスライダ139の移動部139aとハンガー押し出し部143とからなる移送部の昇降位置を目視により判別できるようにしている。
【0031】
投入口133は、カバー132に開けられている。投入口133にハンガー3のアーチ部3a(図3参照)を入れるとアーチ部3aは誘導ロッド136上へ載せられる。
カラー表示部134は、投入口133の周囲に設けられており、投入口133の存在を作業者に注意喚起する。また、シャッタ135と色を異ならせてシャッタ135の有無を注意喚起する。
【0032】
投入フック135は、棒状の部材を折り曲げて形成しており、さらに下降部135a、上昇部135b、谷部135cを備える(図29参照)。
下降部135aは、下側へ傾斜してアーチ部3aの下降とともにハンガー3を下降させる。
上昇部135bは、上側へ上昇してアーチ部3aの上昇とともにハンガー3の移動を停止させる。
谷部135cは、下降部135aと上昇部135bとの間に形成されておりアーチ部3aの停止とともにハンガー3が停止する。投入フック135は、図6で示すように、上から見ると搬送方向に対して所定角度傾斜する。この傾斜角度は60°である。
【0033】
誘導ロッド136は、投入口133に投入されたハンガー3のアーチ部3aが係止される棒状のロッドであり、投入口133から投入フック135まで連通している。
シャッタ137は、図8(b),図8(c)に示すように板体を折り曲げて形成した部材であって矢印方向に移動可能に設けられており、投入口133の開閉を行う。
付勢ばね138は、シャッタ137を投入フック135側へ付勢する引っ張りばねであり、シャッタ137は通常は図11で示すように閉じられている。
【0034】
リニアエアスライダ139は、移動部139aが投入口側と投入フック側との間を移動するようになされている。例えば、リニアエアスライド駆動部503(図28参照)により図示しない電磁弁が開閉するようになされており、電磁弁の開閉に応じてエアがリニアエアスライダ139内へ流入して移動部139aが移動する。
【0035】
リニアガイド140は、その移動部が中間部146(図9参照)を介してシャッタ137と機械的に連結されており、シャッタ137が移送部の移送方向と平行に移動するように移動させる。
支持部141は、誘導ロッド136が所定位置にあるように機械的に支持する。
従動子142は、シャッタ137の裏側に設けられており、図8(c),図9で示すような位置にてハンガー押し出し部143と当接している。シャッタ137が投入口133側にあるときは、付勢ばね138の付勢力により従動子142とハンガー押し出し部143は当接している
【0036】
ハンガー押し出し部143は、切り欠き部143a、連結部143b(図10参照)を備え、移動部139aに連結部143bが連結されて移動部139aとともに移動する。切り欠き部143aには誘導ロッド136が挿通されており、誘導ロッド136にあるアーチ部3aを確実に押し出す。
【0037】
ガイド部144は、装置本体131の下側に設けられている立方体である。
摺動片145は、シャッタ137の下側に設けられておりガイド部144と接する。リニアガイド140で片持ち支持されているシャッタ137が移動するときにガイド部144が摺動片145をガイドしてシャッタ137が投入口133に対向する面を所定経路を通過するように位置決めする。
【0038】
続いて、投入装置130の動作について説明する。
リニアエアスライド139に流入するエアにより移動部139aは投入口133側と投入フック135側との間を移動する。移動部139aが図9で示すように投入口133側へ移動すると、図10(a)で示すように、ハンガー押し出し部143が矢印a方向へ移動する。すると従動子142が矢印b方向へ押されるため、従動子142に連結されるシャッタ137も付勢力に抗しつつ矢印c方向へ移動する。このとき、図8で示すように、シャッタ137が移動して投入口133を開く。
【0039】
また、移動部139aが図11で示すように投入フック135側へ移動すると、図10(b)で示すように、ハンガー押し出し部143が矢印d方向へ移動する。すると従動子142が矢印e方向へ従動していき、従動子142に連結されるシャッタ137も付勢力により矢印f方向へ移動する。このとき、図11で示すように、シャッタ137が投入口133を閉じる。そして所定距離ハンガー押し出し部143が矢印d方向へ移動すると、従動子142からハンガー押し出し部143が離れてシャッタ137が投入口133を閉じた状態を維持する。投入部100は、このようなものである。
【0040】
続いて搬送部200について説明する。搬送部200は、図12,図13,図14で示すように、支持柱210、搬送本体220、移動フック230、ICタグリーダアンテナ240(本発明のICタグ読み出し部の具体例)、4個のスプロケット250、搬送チェーン260、3個の押し出し部270、3個のハンガーキャリア受け金具280、経路切り替え部290を備えている。
【0041】
支持柱210は、搬送本体220を下側から支持する。
搬送本体220は、図12,図13の左右方向(搬送方向)に長尺の構造体である。
移動フック230は、搬送チェーン260とともに移動するように構成されており、移動フック230も縦型ランドリモニタ300の搬送路304(図21参照)上を移動するように構成されている。
【0042】
ICタグリーダアンテナ240は、投入部100直近の搬送方向下流に配置されており、図3で示すように、ハンガー3に取り付けられているICタグ4から作業服データを読み出す。後述するが、中央処理部500へこの作業服データが送信されて各種制御がなされる。
4個のスプロケット250は、搬送本体220内に配置されている。少なくとも1個のスプロケット250は図示しないチェーン駆動用の搬送用モータにより回転駆動されるようになされている。
【0043】
搬送チェーン260は、輪状のチェーンであり、これら4個のスプロケット250により図16で示すように掛け渡されており、回転駆動される。搬送チェーン260は、図15で示すようなガイドローラ付きチェーンであり、チェーン本体261、下側ガイドローラ262、上側ガイドローラ263を備えている。チェーン本体261は、通常のチェーンであってローラ、リンクプレートにより構成されるものであり、上側と下側にそれぞれリンクプレートが面している。下側ガイドローラ262は下側のリンクプレートのうちピンリンクプレートと一体となった支持部に取り付けられており、図15(d)で示すように下側に設けられたガイドレール221に沿って移動する。同様に上側ガイドローラ262は上側のリンクプレートのうちピンリンクプレートと一体となった支持部に取り付けられており、上側に設けられたガイドレール221に沿って移動する。
【0044】
下側ガイドローラ261や上側ガイドローラ262は特に移動フック取り付け用リンクプレート264の両側に設けられており、移動フック260が傾斜等しないように配慮している。このような搬送チェーン260では、上下のガイドレール221により搬送路が一定に維持される。また、搬送体の左右両側にスプロケット250を配置するだけであるにも拘わらず搬送チェーン260の高さも中間付近でたるみが生じることなく維持され、また、ガイドレール221により前後方向の位置決めも維持されるため、構造の簡素化とともに正確な機械的動作を実現している。このような搬送チェーン260は、少なくとも縦型ランドリモニタ300の搬送路304上に経路を採るようになされている。
【0045】
押し出し部270は、搬送方向に並べられて3個配置される。押し出し部270は、図17,図18,図19で示すように、本体ベース部271、リニアガイド272、ハンガーガイド273、ハンガー押し板274、ストッパ275、エアシリンダ276を備えている。
【0046】
本体ベース部271は、正面から視て略凹字状に構成された折り曲げ板体であり、堅牢な構造を有している。
リニアガイド272はそのレール部272aが本体ベース部271に取り付けられており、スライド部272bがレール部272aに沿ってスライドするようになされている。
【0047】
ハンガーガイド273は、リニアガイド272のスライド部272bに固定されており、押し出し方向へ移動するようになされている。
ハンガー押し板274は、このハンガーガイド273に連結されており、特にハンガー3の首部3bの幅より広い幅を有する押し出し面が形成されている。
【0048】
ストッパ275は、ハンガー押し板274の搬送方向下流側でハンガー押し板274に設けられており搬送方向へ送られるハンガー3の首部3bを受ける機能を有している。これらハンガーガイド273、ハンガー押し板274、および、ストッパ275により押し出しヘッドを形成している。
エアシリンダ276は、そのピストンロッド276aがハンガー押し板274と連結されており、ハンガーガイド273およびハンガー押し板274を押し出し方向に押し出す機能を有している。待機時では図18で示すように押し出しヘッド(ハンガーガイド273、ハンガー押し板274、および、ストッパ275)が本体ベース部271内に収納され、動作時では図19で示すように押し出しヘッドが突出する。この押し出し部を用いる押し出し動作については後述する。
【0049】
ハンガーキャリア受け金具280は、図20で示すように後述する作業服収納台車410のハンガーキャリア413を受けて位置決めを行う。このハンガーキャリア受け金具280には、ハンガーキャリア413の横方向の位置をガイドするためのキャリアガイド281が設けられている。ハンガーキャリア413の下側には位置決め用ストッパ413aが設けられており、ハンガーキャリア受け金具280の当接部で当接する。また、図12,図13で示すように、このハンガーキャリア受け金具280は3個の押し出し部の前側にそれぞれ設けられる。
【0050】
経路切り替え部290は、図12で示すように、傾斜する棒体であり、ハンガー3の首部に傾斜しつつ当接することで、押し出して行き、下側にハンガーごと作業服を落下させる。経路切り替え部290は2箇所あり、下流側の箇所は低濃度汚染品を収納するボックスへ落下させるものであり、再度洗濯を行って汚染を除去することが可能な作業服を収納する。また、上流側の箇所は高濃度汚染品を収納するボックスへ落下させるものであり、再利用不可であるとしてそのまま廃棄される。搬送部200は、このようなものである。
【0051】
続いて縦型ランドリモニタ300について説明する。
縦型ランドリモニタ300は、図21で示すように、さらに、ベース部301、前側本体302、後側本体303、搬送路304、ローラ部305、ガイド部306、操作入力部307、出力部308を備える。
【0052】
ベース部301は、床面に配置され、前側本体302、後側本体303を移動可能に支持するため堅牢な構造体として構成されている。
前側本体302は、図23で示すように、前側検出部(上流前側検出部309a、下流前側検出部309b)が配置される。
後側本体303は、図23で示すように、後側検出部(上流後側検出部309c、下流後側検出部309d)が配置される。
【0053】
前側本体302は、図示しないが前後方向へ移動するように構成されている。
同様に後前側本体303は、前後方向へ移動するように構成されている。
前側本体302や後側本体303の移動により、前側検出部から後側検出部までの間隔を調整し、種類の違う作業服(通常の薄手の作業服や、火気を遮蔽するために厚くなっている火気服)の測定を可能としている。この際、搬送路の前後方向の中心位置と作業幅が通過する位置とが常に一致するように前側本体302や後側本体303が移動する。
【0054】
搬送路304は、図21(a)で示すように、ベース部301、前側本体302および後側本体303により形成されており、側面から見るとこの搬送路304があるため略凹字状に形成されている。そして、図23で示すように、上から見ると、上側が開口する搬送路304としている。縦型ランドリモニタ300は、このように側面視略凹字状の搬送路304を採用したため、搬送部200により上側から吊されている作業服2がそのまま通過できるようになされている。
【0055】
図23で示すように、搬送路304の上流側には搬入口304aが、また、搬送路304の下流側には搬出口304bがそれぞれ設けられている。
搬入口304aは、図23に示すように、縦型ランドリモニタ300内への入口である。
搬送路304は、搬入口304aに連通する空間であり、搬送路304の前後両側では作業服2の裏側と表側とに面するように上流前側検出部309a、下流前側検出部309b、上流後側検出部309c、下流後側検出部309dが配置されている。これら検出部の周囲には鉛シールド(鉄シールドなど含む)が施されており、前側本体302や後側本体303は重量物となっている。
搬出口304bは、搬送路304に連通しており、縦型ランドリモニタ300からの出口である。
これら搬入口304a、搬送路304、搬出口304bの順に作業服2が通過するようになされている。
【0056】
ローラ部305は、図22,図23,図24で示すように、前側ローラ351と後側ローラ352とを備える。ここに前側とは図1や図21(b)でも見えるような縦型ランドリモニタ300の正面側を指す。また、後側とは縦型ランドリモニタ300の背面側を指す。前側ローラ351は、さらに上流前側ローラ351aと下流前側ローラ351bとを備える。後側ローラ352は、さらに上流後側ローラ352aと下流後側ローラ352bとを備える。ここに上流側とは搬送方向に対して上流であり、下流側とは搬送方向に対して下流である。
【0057】
これら上流前側ローラ351a、下流前側ローラ351b、上流後側ローラ352a、下流後側ローラ352bは、図24に示すように、それぞれ一本の駆動軸に対して上下方向に多数の単位ローラが取り付けられて構成される。
ここで特に前後で一対のローラ間(上流前側ローラ351aと上流後側ローラ352aとの間、また、下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bとの間)に形成される作業服の通過幅の距離が検出部側へ近づくに連れて短くなるようにしている。このため、ローラ部305では、図23に示すように、上流前側ローラ351aと上流後側ローラ352aとの半径距離は、下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bとの半径距離よりも短くなるようにして、共同外接線は検出部側へ近づくに連れて縮幅するようにしている。このように一対のローラの半径が検出部側へ近づくに連れて長くなるようにしている。
【0058】
このようなローラ部305は、搬入口301aを通過しようとする作業服2を前後から挟む。ローラ部305で挟まれた作業服2は洗濯によりできた凹凸が整形されて厚さが均一になり、検出部309における安定した搬送と測定を可能とする。
【0059】
また、図23,図24で示すように、上下方向に隣あう二個の単位ローラの間には作業服の巻き込みを防止する金具である巻き込み防止部353が設けられている。この巻き込み防止部353は上下方向に全ての単位ローラ間に配置される。図23でも明らかなように、巻き込み防止部353よりもローラ部の各ローラが搬送路側へ突出して配置される。
【0060】
仮に巻き込み防止部353がないと、ローラに接触する作業服2が、そのまま接触を続けてローラに巻き込まれるおそれがあるが、この巻き込み防止部353の存在により、仮に作業服2が巻き込まれても巻き込み防止部353に接触して所定位置以上の巻き込みを遮って作業服2が搬送路へ復帰することとなり、作業服2が前側ローラ351と前側本体302との間や、後側ローラ352と後側本体303との間に巻き込まれるのを防いでいる。
【0061】
ガイド部306は、図23で示すように、上から視て略ハ字状に形成されており、搬送方向に対して上流側が広く、また、下流側が狭く形成されている。そしてローラ部305よりも上流側に配置されている。このようなガイド部306を作業服が通過すると、作業服2を搬送部304の中央へ移送するとともに、作業服2を前後方向に薄くする。
【0062】
操作入力部307は、図21(b)で示すように縦型ランドリモニタ300の前面に設けられており、各種操作が入力される。特に作業服として通常の作業服と厚手の火気服とがあり、何れかを選択する操作を行うことができる。
出力部308は、図21(b)で示すように縦型ランドリモニタ300の前面に設けられており、各種データを表示する。
【0063】
縦型ランドリモニタ300の内部には、図22(b),図23,図24で示すように、上流前側検出部309a、下流前側検出部309b、上流後側検出部309c、下流後側検出部309dが設けられている。上流前側検出部309aおよび下流前側検出部309bにより前側検出部を構成するものであり、縦型ランドリモニタ300の前側本体302内の前側内壁面302aに形成される。そして、上流後側検出部309cおよび下流後側検出部309dにより後側検出部を構成するものであり、縦型ランドリモニタ300の後側本体303内の後側内壁面303aに形成される。
【0064】
そして、図24で示すように、上下方向には複数のセンサ部を備える。ここで図示するのは上流後側検出部309cおよび下流後側検出部309dであるが、このような配置は、上流前側検出部309aおよび下流前側検出部309bについても同数が配置される。本形態では、例示的に上流後側検出部309cの上下方向の7個のセンサ部を、また、下流後側検出部309dの上下方向の6個のセンサ部を備える。そして図示していないが、上流前側検出部309aも上下方向の7個のセンサ部を、また、下流前側検出部309bも上下方向の6個のセンサ部を備える。これら上流前側検出部309aおよび下流前側検出部309bによる前側検出部と、上流後側検出部309cおよび下流後側検出部309dによる後側検出部と、を用いて搬送路304内へ搬送された作業服2の前後面に対して放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無を検出する。
【0065】
次に収納部400について説明する。
収納部400は、搬送部200を移動する作業服2を仕分けした後に収納する。本形態では、作業服2を大中小の三種類に分けて収納する。
【0066】
収納部400は、詳しくは図1で示すような3台の作業服収納台車410を備えるものである。収納台車410は、図25,図26,図27で示すように、台車部411、キャリア用支柱部412、ハンガーキャリア413を備える。
【0067】
台車部411はさらに前側キャスタ411aおよび後側キャスタ411bを備える。前側キャスタ411aは、前後方向へのみ進む固定キャスタである。また、後側キャスタ411bは回転可能な自在キャスタである。作業服収納台車410のハンガーキャリア413をハンガーキャリア受け金具280(図20参照)と連結する際に、ハンガーキャリア413がハンガーキャリア受け金具280に対して傾斜した状態で進入すると連結時にハンガーキャリア413が折れ曲がる等の影響が懸念されるため、可能な限り傾斜しない状態で連結したいという事情があった。そこで前側キャスタ411aは前後方向にのみ進むキャスタとしたため、作業員が経路を検討しながら前側方向から直進しつつ連結する必要が生じるため、傾斜がない連結を実現する。
【0068】
キャリア用支柱部412は、台車部411の後側から立設される。
ハンガーキャリア413は、キャリア支柱部412から上方に向けて傾斜して設けられる。この傾斜によりハンガー3が自重で下降してくるため、キャリア支柱部412へ寄せられて作業服2が整然と収納されることとなる。
【0069】
また、このランドリモニタシステム1の制御回路としては、図28で示すように、操作入力部307、出力部308、上流前側検出部309a、下流前側検出部309b、上流後側検出部309c、下流後側検出部309d、前側ローラ回転用モータ駆動部501、後側ローラ回転用モータ駆動部502、リニアエアスライド駆動部503,投入検知用センサ504、押し出し検知用センサ505、搬送用モータ駆動部506、押し出し用エアシリンダ駆動部507、搬送経路切り替え部用駆動部508、ICタグリーダアンテナ240、信号処理部500にそれぞれ接続されている。ランドリモニタシステム1はこのようなものである。
【0070】
続いてランドリモニタシステム1の運用について説明する。
このようなランドリモニタシステム1は、原子力発電所等の放射性物質取扱施設内にて用いられた作業服2が放射性物質によって汚染されているか否かを検査するために用いられる。ランドリモニタシステム1を用いる作業服2の管理について概略を説明する。まず、洗濯機にて除染された作業服2はハンガー3に掛けられている状態とする。ハンガー3は、図3で示すように、アーチ部3a、首部3b、吊り下げ部3cを含み、図4で示すように吊り下げ部3cに作業服2を吊り下げるものである。この際、図3で示すようなICタグ4に作業服データを書き込むものとする。
【0071】
このICタグ4には、(1)シリアルナンバーデータ、(2)製造年月日データ、(3)服のサイズデータ、(4)在庫数データ、(5)洗濯回数データ、(6)過去の汚染回数情報データなどの作業服データを書き込むことが可能である。本形態では服のサイズデータを大、中、小に分別した作業服データとする。
【0072】
続いて、操作入力部307を通じてモニタリング開始を入力すると、信号処理部500は、搬送部200の搬送用モータ駆動部506に図示しない搬送用モータを回転駆動させるように制御する。するとスプロケット250が搬送チェーン260を回転させて移動フック230が移動する状態にする。
【0073】
続いて投入装置130を用いて搬送部200への作業服の投入を開始する。最初の投入装置130は、移送部のハンガー押し出し部143が投入フック側にあってシャッタ137が閉じているためハンガー2を投入できないようになされている。なお図7(b)では内部について図示していないが、実際のカバー132は透明であるため作業員は移送部のハンガー押し出し部143の位置が把握できており、不安なく待機することができる。
【0074】
信号処理部500がリニアエアスライド駆動部503を制御すると接続される電磁弁が開閉されてリニアエアスライドの移動部139aおよびハンガー押し出し部143が投入口133側へ下降し、シャッタ137が開く。シャッタ137が開いたため作業員はハンガー3のアーチ部3aを投入口133内へ投入する。ハンガー3のアーチ部3aが移送部のハンガー押し出し部143の前であって誘導ロッド136の上に載せられる。なお、投入口133は幅が狭くなっており、誤って2個のハンガー3を投入できないように配慮されている。
【0075】
投入検知用センサ504は、搬送部200の移動フック230の移動経路付近に設けられており、次の移動フック230が所定位置にあるか否かを検出し、移動フック230があることを検出したら信号処理部500へ検出信号を出力する。信号処理部500は、投入検知用センサ504からの信号を検出し、信号処理部500がリニアエアスライド駆動部503を制御すると接続される電磁弁が開閉されてリニアエアスライドの移動部139aおよびハンガー押し出し部143が投入フック135側へ上昇し、シャッタ137は付勢力により閉じるように移動する。これにより次の作業服が投入できないようになる。
【0076】
ハンガー3は押し出し部135に押されながら誘導ロッド136上を移動していき、ハンガー3が投入フック135側へ移送される。この際、移動部139aおよびハンガー押し出し部143が高速で移動すると投入フック135からハンガー3のアーチ部3aが外れて落下するおそれがあるため、リニアエアスライド139の移動部139aをやや低速で動作させている。このような制御はリニアエアスライド139内へのエアの流入出量を少なくすることで実現が可能である。このように移送部が投入口133側にあるときだけ、シャッタ137が開かれるため、誤投入は回避される。また、カバー132が透明であるため移送部の昇降も視認でき、やはり誤投入が防止される。
【0077】
なお、投入タイミングは、信号処理部500へ入力される投入検知用センサ504からの検出信号に応じて決定されるものとして説明したが、投入検知用センサ504がなくても搬送部の移動フック230の搬送速度と配列ピッチから割り出して決定するなどの方法も可能であり、各種制御が可能である。
【0078】
図29で示すように、ハンガー3を投入口133へ投入すると、投入フック135側へ移送される。投入フック135ではまず、(1)のように下降部135aにアーチ部があると下降を開始し、上昇部135bにより制動されつつ作業服2も揺れストッパ110に当たって揺れが防止され、最終的に谷部135cにて停止する。谷部135cは投入位置となっている。投入位置では作業服2は揺れストッパ110に当たった状態で静止している。
【0079】
この際、イオナイザ120がプラスイオンやマイナスイオンを噴射しているため、これらイオンが作業服2の静電気を中和してからグラウンドに流されることとなり、確実に除電される。このように揺れストッパ110に接した状態でアーチ部3aが谷部135cに位置するという投入位置にてハンガー3が待機している。
【0080】
続いて、搬送部200への投入について説明する。図30(a)〜(d)ではそれぞれ上側に正面から見た図と下側に平面から見た図とが併記されている。図30(a)に示すように移動フック230が搬送方向を移動し、図30(b)に示すように移動フック230が首部3bに当接する。この際、揺れストッパ110の作用により揺れが発生することはない。図30(c)に示すようにアーチ部3aが投入フック135に沿って移動していき、最終的に図30(d)に示すようにアーチ部3aが移動フック230へ落下して搬送部200への投入が完了するというものである。
【0081】
作業服2が搬送部200へ送られた後、投入装置130では、移動部139aおよびハンガー押し出し部143が投入口133側まで下降する。このとき、投入口133ではシャッタ137が開けられ、次の作業服2が投入できるようになる。投入部100では以下同様な動作を繰り返して投入が行われることとなる。
【0082】
搬送部200の移動フック230がチェーンにより移動して、ハンガー3から吊り下げられた作業服2をハンガー3ごと移動させる。この移動フック230は、図31(a)で示すように、特にハンガー3のアーチ部3aとの上側当接面が凸状の曲面を有するものであり、移動フック230の上側の曲面のうちの搬送方向の曲線が、ハンガー3のアーチ部3aの下側当接面の凹状の曲線と略一致するようにして、ハンガー3と搬送方向とが平行な位置のときに安定するようにした。
【0083】
このような構成を採用することにより、図31で示すように、搬送方向での曲線の形状を同じにして搬送方向で面接触になるように支持するとハンガーが前後方向に回転しようとすればアーチ部を変形させるように作用するため自らの弾性により元の搬送方向の位置へ戻ろうとして回転しにくくなり、回転動作が生じないようになされている。このような移動フック230では回転を抑える。また、搬送方向へ移動する作業服2には搬送方向で回転する力が加わるが側面では首部3bが接することや自重により搬送方向にも回転しにくくなっており、やはり、回転動作が生じないようになされている。このような移動フック206は安定して作業服を搬送する。
【0084】
続いて搬送部200から吊り下げられた状態の作業服2が縦型ランドリモニタ300内に搬送される。まず、図22(a),図23に示すようなガイド部306へ誘導される。この際、ガイド部306は、特に厚手の火気服のフード部分を前後方向に薄くするように機能する。ガイド部306は、搬送方向に対して上流側が広いため厚手の火気服でも確実にガイド部306内へ誘導される。そして、下流側へ行くにつれて狭く形成されているため、漸次薄くなっていく。ガイド部306は、図22(a)でも明らかなように、上側にのみ配置されているが、これは特に前後方向に厚い厚手の火気服のフード部分を予め薄くしておき、後段のローラ部で引っ掛かり等が生じにくくなるように配慮するものである。
【0085】
続いて作業服2は、ローラ部305を通過する。信号処理部500は、搬送部200の搬送速度とローラの外周面の線速度とが略一するように前側ローラ回転用モータ駆動部501および後側ローラ回転用モータ駆動部502を制御しており、図示しない前側ローラ回転用モータおよび後側ローラ回転用モータは、駆動軸を回転させている。
【0086】
ローラ部305は、検出部側へ作業服を移動させるように回転しており、作業服2の搬入口304a付近での通過を補助する。同時に、前後で対をなす上流前側ローラ351aと上流後側ローラ352aという上流側のローラにより作業服2のフード頭頂から裾までを前後両側から圧縮する。これによりガイド部での圧縮からさらに薄くなるように圧縮する。続いて下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bという下流側のローラにより作業服2のフード頭頂から裾までを前後両側からさらに薄くなるように圧縮する。
【0087】
この際、上流前側ローラ351aと上流後側ローラ352aとの外周面の線速度と、下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bとの外周面の線速度とを比較すると、半径が大きい下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bとの線速度が速くなる。従って、上流側から下流側へ僅かながら引っ張られることとなり、この点でも作業服を薄くして凹凸面の均一化に寄与する。
【0088】
これにより前後方向の厚さを均一で薄くなるようにし、作業服が検出部を通過する時に検出部の表面に擦れることなく通過する。また、作業服から検出部までは凹凸を減らした一定の距離が見込めるようになり、検出精度も上昇する。
【0089】
そして信号処理部500は、これら前側検出部(上流前側検出部309aおよび下流前側検出部309b)と、後側検出部(上流後側検出部309cおよび下流後側検出部309d)から送信された検出信号に基づいて、搬送路304内を通過する作業服2の放射線汚染の有無を検出し、放射線汚染の有無を知らせる表示コマンドを出力部308へ送信し、出力部308の表示により汚染の有無が確認される。
【0090】
汚染がない場合には信号処理部500は、三台ある収納部400へ搬送されてサイズ別に集めらて収納するように制御させる。サイズについては、例えばハンガーに取り付けられたICタグ4からの作業服データを移動フック230に対応させて登録しておき、この移動フック230に対してどの押し出し部270を用いるかを選択することで判別される。押し出し用エアシリンダ駆動部507を制御して押し出し部270のエアシリンダ276を駆動させ、押し出しヘッドを押し出す。すると、図32で示すように、ハンガーガイド273に沿ってハンガー3が押し出され、ハンガーキャリア413へ乗り継ぎ移動する。
【0091】
この際、押し出しタイミングは、図16で示すような押し出し検知用センサ505により移動フックまたはハンガーを検出してから所定時間T経過した後に押し出すようにして行われる。例えば、予め算出されている距離がSで搬送速度がVであるならば時間S/Vにより決定される。
【0092】
そしてこのように投入タイミングが制御されていても、例えばエアシリンダ内の空気圧の変動等によりタイミングがずれることもある。そこで、押し出し板274の搬送方向の幅を広げた構成を採用している。このようにすることで、図33(a)で示すように、タイミングが前後しても押し出し板274に首部3bが当接するようにして、確実に押し出すようにする。また、押し出し板274だけでは吸収できない程にタイミングが遅れた場合でも、図33(b)で示すように、首部3bの搬送方向下流側にて突出するストッパ275がハンガー3の搬送方向への移動を止めながら押し出すため、ハンガーキャリア413へハンガー3が投入される。なお、エアスライド276の移動速度をやや低速で動作させて、作業服2が高速に押し出されないようにして落下を防止している。
【0093】
そして、図34で示すように作業服収納台車410へ作業服2が収納される。例えば、図2で示したように大、中、小で仕分けされてそれぞれの作業服収納台車410へ収納される。
そして、汚染がある場合には、作業服2は搬送部200によりさらに収納部400の下流側へと搬送され、経路切り替え部290にて低汚染品・高汚染品とに分けられて図示しない収納カゴ内へ落下させて収納される。ランドリモニタシステム1はこのような動作を繰り返し行ってモニタリングを行うというものである。
【0094】
以上本発明のランドリモニタシステム1について説明した。なお、本形態では服のサイズについて仕分けするものとして説明した。しかしながら、このような仕分けは各種可能であり、例えば、使用回数順に大程度、中程度、小程度などというようにICタグに登録可能な情報に基づいて適宜仕分けすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明のランドリモニタシステムは、放射性物質取扱施設、例えば原子力発電所などに設置されるランドリモニタシステムに適用される。
【符号の説明】
【0096】
1:ランドリモニタシステム
100:投入部
110:ストッパ
120:イオナイザ
130:投入装置
131:装置本体
132:カバー
133:投入口
134:カラー表示部
135:投入フック
135a:下降部
135b:上昇部
135c:谷部
136:誘導ロッド
137:シャッタ
138:付勢ばね
139:リニアエアスライダ
139a:移動部
140:リニアガイド
141:支持部
142:従動子
143:押し出し部
143a:切り欠き部
143b:連結部
144:ガイド部
145:摺動片
146:中間部
200:搬送部
210:支持柱
220:搬送本体
221:ガイドレール
230:移動フック
240:ICタグリーダアンテナ
250:スプロケット
260:搬送チェーン
261:チェーン本体
262:下側ガイドローラ
263:上側ガイドローラ
264:移動フック取り付け用リンクプレート
270:押し出し部
271:本体ベース部
272:リニアガイド
273:ハンガーガイド
274:ハンガー押し板
275:ストッパ
276:エアシリンダ
276a:ピストンロッド
280:ハンガーキャリア受け金具
290:経路切り替え部
300:縦型ランドリモニタ
301:ベース部
302:前側本体
302a:前側内壁面
303:後側本体
303a:後側内壁面
304:搬送路
304a:搬入口
304b:搬出口
305:ローラ部
351:前側ローラ
351a:上流前側ローラ
351b:下流前側ローラ
352:後側ローラ
352a:上流後側ローラ
352b:下流後側ローラ
353:巻き込み防止部
306:ガイド部
307:操作入力部
308:出力部
309:検出部
309a:上流前側検出部
309b:下流前側検出部
309c:上流後側検出部
309d:下流後側検出部
400:収納部
410:作業服収納台車
411:台車部
411a:前側キャスタ
411b:後側キャスタ
412:キャリア用支柱部
413:ハンガーキャリア
413a:位置決め用ストッパ
500:信号処理部
501:前側ローラ移動用モータ駆動部
502:後側ローラ移動用モータ駆動部
503:リニアエアスライド駆動部
504:投入検知用センサ
505:押し出し検知用センサ
506:搬送用モータ駆動部
507:押し出し用エアシリンダ駆動部
508:搬送経路切り替え用駆動部
2:作業服
3:ハンガー
3a:アーチ部
3b:首部
3c:吊り下げ部
4:ICタグ
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子力発電所など放射性物質取扱施設で用いられる作業服の放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無について検査するランドリモニタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ランドリモニタシステムでは、モニタリング終了後に自動的に作業服の仕分け・収納を行うことで後工程を簡略化し、利便性を高めたいという要請があった。
【0003】
このように自動的に作業服の仕分け・収納を行うランドリモニタシステムに係る従来技術としては、例えば、特許文献1(特開平10−20041号公報,発明の名称:衣類モニタ)に記載されたものが知られている。特許文献1の衣類モニタは、コンベア上を搬送されるランドリに対してモニタリングを行うランドリモニタであり、特に仕分け後に収納車に作業服が収納されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−20041号公報(段落番号[0016],[0017],図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では縦型ランドリモニタの開発が進んでいる。この縦型ランドリモニタは、ハンガーに吊るした状態の作業服を搬送部が縦型ランドリモニタ内へ投入してモニタリングするというものである。縦型ランドリモニタでは特に作業の効率化や作業員の手間の低減を図るものであり、搬送・仕分けが確実に行われるようにしたいという要請がある。
【0006】
特許文献1に記載した従来技術では作業服がコンベア上を搬送されるというものであり、縦型ランドリモニタには単純に適用できず、新たな搬送・仕分けシステムを確立する必要があった。特に搬送部はハンガーを搬送するものであり、仮にハンガーが落下すると回復作業に手間取る点で問題があり、作業員に手間が掛かるハンガーの落下を確実に防止したいという要請があった。
また、作業服の仕分け後でも、作業服を放射性物質取扱施設の所定の保管場所や更衣室へ運搬しやすくするなど、作業員の手間を低減したいという要請があった。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するランドリモニタシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明のランドリモニタシステムは、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
前記搬送部の移動フックは、ハンガーのアーチ部との上側当接面が凸状の曲面を有するものであり、当該曲面のうちの搬送方向の曲線が、ハンガーのアーチ部の下側当接面の凹状の曲線と略一致することを特徴とする。
【0009】
このランドリモニタシステムでは、吊るした状態で搬送する作業服の揺れを防止するような移動フックを採用したというものである。作業服が掛けられたハンガーは、搬送部の移動フックに吊るして搬送されるが、何ら対策を施さないと、搬送時に搬送方向に対してハンガーの首部が移動フックの上で回転して搬送方向に揺れたり、また、搬送時に正面側や背面側という前後方向に対してハンガーの首部が移動フックの上で回転してぶれてしまい、作業服が搬送方向や前後方向に揺れるため落下しやすいという問題があった。加えて作業服が前後に揺れると検出部までの距離が変化して正常な汚染測定ができないという問題があった。本発明は、移動フックとハンガーのアーチ部との両者の当接面を工夫して、ハンガーの前後方向の揺れを小さくするようにした。特に曲線の半径が異なると点接触になって回転しやすくなるが、本発明のように、搬送方向に対して垂直方向では直線状に伸びる辺を集めて形成した面であり、搬送方向での曲線の形状をアーチ部の形状と同じにして搬送方向で面接触になるように支持すると、ハンガーが前後方向に回転しようとすればアーチ部を変形させるように作用するため自らの弾性により元の搬送方向の位置へ戻ろうとして回転しにくくなり、ハンガーや作業服が前後に揺れないようになって落下しにくくなる。その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る発明のランドリモニタシステムは、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーに設けられており作業服の種類についての作業服データを登録したICタグと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す複数の押し出し部と、複数の押し出し部にそれぞれ連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を分けて収納する収納部と、ICタグから作業服データを読み出すICタグ読み出し部と、ICタグ読み出し部からの情報に基づいて押し出し部の制御を行う中央処理部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
この中央処理部は、ICタグ読み出し部から出力された作業服データに基づいて選択した押し出し部によりハンガーを押し出すように制御し、収納部に作業服の種類別に仕分けして収納させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る発明のランドリモニタシステムは、
請求項2に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記移動フックまたは前記ハンガーの搬送方向の位置を検出する押し出し検知用センサ部をさらに備えており、
前記信号処理部は、押し出し検知用センサ部からの検出信号に基づいて押し出し部を制御することを特徴とする。
【0012】
このランドリモニタシステムでは、ICタグから作業服データを読み出して、例えば作業服のサイズ別等の種類別の仕分けを自動的に行うことが可能となり、その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る発明のランドリモニタシステムは、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す押し出し部と、押し出し部に連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を収納する収納部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、この押し出し部は、
ハンガーガイド部と、このハンガーガイド部に連結されておりハンガーの首部の幅より広い幅を有するハンガー押し板と、ハンガー押し板の搬送方向下流側に設けられておりハンガーの首部を受けるストッパと、を有する押し出しヘッドと、
押し出しヘッドを押し出すエアシリンダと、
を備え、エアシリンダを駆動させてハンガー押し板がハンガーの首部を押して、または、エアシリンダを駆動させてストッパで首部を係止しつつハンガー押し板がハンガーの首部を押して、移動フックからハンガーを押し出し、このハンガーのアーチ部をハンガーガイド部が受けて収納部へ誘導することを特徴とする。
【0014】
縦型のランドリモニタシステムでは、押し出し対象の作業服が押し出し部の前を通過するときにハンガーごと押し出すというものである。しかし、タイミングに微妙なずれが生じた場合に押出し位置がずれてしまい、ハンガーキャリアにハンガーが乗り継がないおそれがある。そこでこのランドリモニタシステムでは、押し出し面を幅広にしてタイミングのずれを吸収して確実に押し出しができるようにする。さらに、ストッパによりハンガーが搬送方向へ移動しない状態とし、ハンガーが一定位置で押し出されるようにする。これにより、ハンガーが移動フックからハンガーキャリアへ安定して乗り継ぎするようにしてハンガーキャリアへの乗り継ぎ作業の効率化を図る。その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【0015】
また、本発明の請求項5に係る発明のランドリモニタシステムは、
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す押し出し部と、押し出し部に連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を収納する収納部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
前記収納部はハンガーのアーチ部が掛けられるハンガーキャリアを備え、
前記押し出し部は、ハンガーキャリアの先端と連結して位置決めするハンガーキャリア受け金具を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項6に係る発明のランドリモニタシステムは、
請求項5に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記収納部は、台車部と、台車部に対して立設されるキャリア用支柱部とをさらに備える作業服収納台車であり、
前記ハンガーキャリアはキャリア用支柱部から傾斜して設けられることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項7に係る発明のランドリモニタシステムは、
請求項6に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記台車部は、前後方向へ進む固定キャスタを前側キャスタとし、また、回転可能な自在キャスタを後側キャスタとすることを特徴とする。
【0018】
このランドリモニタシステムでは、仕分けされた作業服を収納部、例えば3台の作業服収納台車のハンガーキャリアへ機械的に送り出し、汚染がないことが確認された作業服を、そのまま、管理区域の中の次工程の保管場所や更衣室へと運搬できるようにして作業服を乗せかえる時間の削減を図っている。そして、作業服収納台車の位置を定める機構を採用して搬送部の移動フックからハンガーキャリアへ確実に送られるようにしている。また、キャスタを工夫して移動時の敢えて前後方向に移動するようにして取り付け時に傾斜しないようにして、確実にハンガーキャリアへ乗り継ぎされるように配慮している。その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【0019】
また、本発明の請求項8に係る発明のランドリモニタシステムは、
請求項4〜請求項7の何れか一項に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記移動フックまたは前記ハンガーの搬送方向の位置を検出する押し出し検知用センサ部をさらに備えており、
前記信号処理部は、押し出し検知用センサ部からの検出信号に基づいて押し出し部を制御することを特徴とする。
【0020】
このランドリモニタシステムでは、特に押し出し部における押し出しタイミングを正確にするというものである。その結果、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するという本願発明の課題の解決に寄与する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したような本発明によれば、搬送・検出・仕分け・収納・運搬という一連の動作が途切れなく確実に行なわれるようにして、作業員の手間を低減するランドリモニタシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を実施するための形態のランドリモニタシステムのシステム構成図である。
【図2】本発明を実施するための形態のランドリモニタシステムの平面図である。
【図3】ハンガーの説明図である。
【図4】作業服を掛けたハンガーの説明図である。
【図5】投入部の説明図である。
【図6】投入部の説明図であり、図6(a)は特に投入装置の傾斜角度を説明する説明図、図6(b)は揺れストッパがないときの投入部の説明図、図6(c)は揺れストッパがあるときの投入部の説明図である。
【図7】投入装置の外観を説明する説明図であり、図7(a)は側面図、図7(b)は正面図である。
【図8】投入装置の内部構造の説明図であり、図8(a)は内部正面図、図8(b)はシャッタの平面図、図8(c)はA−A矢視図である。
【図9】シャッタと押し出し部とを透明にした投入装置の内部構造の説明図である。
【図10】投入装置の内部構造の説明図であり、図10(a)はシャッタを開くときの動作説明図、図10(b)はシャッタを閉じるときの動作説明図である。
【図11】移送部を投入フック側へ移動させたときの投入装置の内部構造の説明図である。
【図12】搬送部の平面図である。
【図13】搬送部の正面図である。
【図14】搬送部の側面図であり、図14(a)は右側面図、図14(b)は左側面図である。
【図15】搬送チェーンの説明図であり、図15(a)は平面図、図15(b)は正面図、図15(c)はB−B矢視図、図15(d)はC−C矢視図である。
【図16】搬送チェーンの駆動系の説明図である。
【図17】押し出し部の平面図である。
【図18】待機時の押し出し部の斜視外観図である。
【図19】動作時の押し出し部の斜視外観図である。
【図20】ハンガーキャリアとハンガーキャリア受け金具を説明する説明図である。
【図21】縦型ランドリモニタの外観を説明する説明図であり、図21(a)は搬入口側の側面図、図21(b)は正面図である。
【図22】縦型ランドリモニタの内部を説明する説明図であり、図22(a)は搬入口側の側面図、図22(b)はD−D矢視図である。
【図23】縦型ランドリモニタのローラ部を説明する平面モデル図である。
【図24】縦型ランドリモニタのローラ部を説明する内部モデル図である。
【図25】作業収納台車の側面図である。
【図26】作業収納台車の平面図である。
【図27】作業収納台車の正面図である。
【図28】ランドリモニタシステムの回路ブロックを説明する説明図である。
【図29】ハンガーの移動を説明する説明図である。
【図30】投入部におけるハンガーの搬送部への投入を説明する説明図である。
【図31】移動フックにおけるハンガーの回転防止を説明する説明図であり、図31(a)は正面図、図31(b)は平面図である。
【図32】押し出し部によるハンガーキャリアへのハンガーの押し出しを説明する説明図である。
【図33】押し出し部の押し出しヘッドによる時間のずれの吸収を説明する説明図であり、図33(a)はハンガー押し板による吸収の説明図、図33(b)はストッパによる吸収の説明図である。
【図34】作業服収納台車による収納を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
続いて、本発明を実施するための形態について図を参照しつつ説明する。まず、ランドリモニタシステム1の全体について説明する。
ランドリモニタシステム1は、図1,図2で示すように、投入部100、搬送部200、縦型ランドリモニタ300、収納部400を備える。
【0024】
投入部100は、作業服2が掛けられたハンガー3(図4参照)をセットすると、搬送部200まで移動させて搬送部200の移動フック230へ、このハンガー3を投入する。
搬送部200は、作業服2が掛けられたハンガー3を移動フック230が搬送方向へ移動させる。
縦型ランドリモニタ300は、通過する作業服2の放射能汚染についてモニタリングを行う。
収納部400は、搬送部200を移動する作業服2を仕分けした後に収納する。例えば、作業服2を大中小の三種類に分けて収納する。また、低汚染の作業服2は再度洗濯するためのボックス(図示せず)へ落とし、高汚染の作業服2は廃棄用のボックス(図示せず)へ落とす。ランドリモニタシステム1はこのようなものである。
【0025】
続いて各部の詳細について説明する。まず、投入部100について説明する。
投入部100は、図5,図6で示すように、揺れストッパ110、イオナイザ120、投入装置130を備えている。
【0026】
揺れストッパ110は、投入装置130の下側に配置されており、投入位置130により投入された作業服2に当接して揺れを防止する。揺れストッパ110がないと、図6(b)で示すような方向で作業服2およびハンガー3は安定するが、本発明のように揺れストッパ110があると、図6(c)で示すように、作業服2およびハンガー3が安定しようする回転力が常時働きつつ作業服2が揺れストッパ110へ当接することとなり、作業服2が揺れストッパ110へ当接する状態を維持する。
【0027】
また、揺れストッパ110は、電気的に接地されているため、作業服2に帯電する静電気を除電する。静電気は検出時のノイズ成分や故障の原因となるため、予め除去することで高い検出精度を維持する。そして先に説明したように作業服2およびハンガー3が安定しようする力が働いて作業服2が揺れストッパ110に当接する状態を維持するため、接触不良等がおこらないで確実に除電される。
【0028】
イオナイザ120は、プラスイオンやマイナスイオンを発生させる。これらイオンは作業服2の静電気を中和してから揺れストッパ110を通じてグラウンドに流れるため、作業服2が確実に除電される。
【0029】
投入装置130は、図6(a)で示すように搬送装置200に対して傾斜した状態で配置されるものであり、搬送装置200に固定される。傾斜角度は搬送方向に対して60°である。先に説明したようにこの傾斜により揺れストッパ110に作業服2を確実に当接させている。この投入装置130は、図7,図8で示すように、装置本体131、カバー132、投入口133、カラー表示部134、投入フック135、誘導ロッド136、シャッタ137、付勢ばね138、リニアエアスライダ139、リニアガイド140、支持部141、従動子142、ハンガー押し出し部143、ガイド部144、摺動片145を備えている。
【0030】
装置本体131は、メカベースとして機能する。
カバー132は、装置本体131へ固定された各部を覆う。このカバー132は透明な材料により形成されており、特にリニアエアスライダ139の移動部139aとハンガー押し出し部143とからなる移送部の昇降位置を目視により判別できるようにしている。
【0031】
投入口133は、カバー132に開けられている。投入口133にハンガー3のアーチ部3a(図3参照)を入れるとアーチ部3aは誘導ロッド136上へ載せられる。
カラー表示部134は、投入口133の周囲に設けられており、投入口133の存在を作業者に注意喚起する。また、シャッタ135と色を異ならせてシャッタ135の有無を注意喚起する。
【0032】
投入フック135は、棒状の部材を折り曲げて形成しており、さらに下降部135a、上昇部135b、谷部135cを備える(図29参照)。
下降部135aは、下側へ傾斜してアーチ部3aの下降とともにハンガー3を下降させる。
上昇部135bは、上側へ上昇してアーチ部3aの上昇とともにハンガー3の移動を停止させる。
谷部135cは、下降部135aと上昇部135bとの間に形成されておりアーチ部3aの停止とともにハンガー3が停止する。投入フック135は、図6で示すように、上から見ると搬送方向に対して所定角度傾斜する。この傾斜角度は60°である。
【0033】
誘導ロッド136は、投入口133に投入されたハンガー3のアーチ部3aが係止される棒状のロッドであり、投入口133から投入フック135まで連通している。
シャッタ137は、図8(b),図8(c)に示すように板体を折り曲げて形成した部材であって矢印方向に移動可能に設けられており、投入口133の開閉を行う。
付勢ばね138は、シャッタ137を投入フック135側へ付勢する引っ張りばねであり、シャッタ137は通常は図11で示すように閉じられている。
【0034】
リニアエアスライダ139は、移動部139aが投入口側と投入フック側との間を移動するようになされている。例えば、リニアエアスライド駆動部503(図28参照)により図示しない電磁弁が開閉するようになされており、電磁弁の開閉に応じてエアがリニアエアスライダ139内へ流入して移動部139aが移動する。
【0035】
リニアガイド140は、その移動部が中間部146(図9参照)を介してシャッタ137と機械的に連結されており、シャッタ137が移送部の移送方向と平行に移動するように移動させる。
支持部141は、誘導ロッド136が所定位置にあるように機械的に支持する。
従動子142は、シャッタ137の裏側に設けられており、図8(c),図9で示すような位置にてハンガー押し出し部143と当接している。シャッタ137が投入口133側にあるときは、付勢ばね138の付勢力により従動子142とハンガー押し出し部143は当接している
【0036】
ハンガー押し出し部143は、切り欠き部143a、連結部143b(図10参照)を備え、移動部139aに連結部143bが連結されて移動部139aとともに移動する。切り欠き部143aには誘導ロッド136が挿通されており、誘導ロッド136にあるアーチ部3aを確実に押し出す。
【0037】
ガイド部144は、装置本体131の下側に設けられている立方体である。
摺動片145は、シャッタ137の下側に設けられておりガイド部144と接する。リニアガイド140で片持ち支持されているシャッタ137が移動するときにガイド部144が摺動片145をガイドしてシャッタ137が投入口133に対向する面を所定経路を通過するように位置決めする。
【0038】
続いて、投入装置130の動作について説明する。
リニアエアスライド139に流入するエアにより移動部139aは投入口133側と投入フック135側との間を移動する。移動部139aが図9で示すように投入口133側へ移動すると、図10(a)で示すように、ハンガー押し出し部143が矢印a方向へ移動する。すると従動子142が矢印b方向へ押されるため、従動子142に連結されるシャッタ137も付勢力に抗しつつ矢印c方向へ移動する。このとき、図8で示すように、シャッタ137が移動して投入口133を開く。
【0039】
また、移動部139aが図11で示すように投入フック135側へ移動すると、図10(b)で示すように、ハンガー押し出し部143が矢印d方向へ移動する。すると従動子142が矢印e方向へ従動していき、従動子142に連結されるシャッタ137も付勢力により矢印f方向へ移動する。このとき、図11で示すように、シャッタ137が投入口133を閉じる。そして所定距離ハンガー押し出し部143が矢印d方向へ移動すると、従動子142からハンガー押し出し部143が離れてシャッタ137が投入口133を閉じた状態を維持する。投入部100は、このようなものである。
【0040】
続いて搬送部200について説明する。搬送部200は、図12,図13,図14で示すように、支持柱210、搬送本体220、移動フック230、ICタグリーダアンテナ240(本発明のICタグ読み出し部の具体例)、4個のスプロケット250、搬送チェーン260、3個の押し出し部270、3個のハンガーキャリア受け金具280、経路切り替え部290を備えている。
【0041】
支持柱210は、搬送本体220を下側から支持する。
搬送本体220は、図12,図13の左右方向(搬送方向)に長尺の構造体である。
移動フック230は、搬送チェーン260とともに移動するように構成されており、移動フック230も縦型ランドリモニタ300の搬送路304(図21参照)上を移動するように構成されている。
【0042】
ICタグリーダアンテナ240は、投入部100直近の搬送方向下流に配置されており、図3で示すように、ハンガー3に取り付けられているICタグ4から作業服データを読み出す。後述するが、中央処理部500へこの作業服データが送信されて各種制御がなされる。
4個のスプロケット250は、搬送本体220内に配置されている。少なくとも1個のスプロケット250は図示しないチェーン駆動用の搬送用モータにより回転駆動されるようになされている。
【0043】
搬送チェーン260は、輪状のチェーンであり、これら4個のスプロケット250により図16で示すように掛け渡されており、回転駆動される。搬送チェーン260は、図15で示すようなガイドローラ付きチェーンであり、チェーン本体261、下側ガイドローラ262、上側ガイドローラ263を備えている。チェーン本体261は、通常のチェーンであってローラ、リンクプレートにより構成されるものであり、上側と下側にそれぞれリンクプレートが面している。下側ガイドローラ262は下側のリンクプレートのうちピンリンクプレートと一体となった支持部に取り付けられており、図15(d)で示すように下側に設けられたガイドレール221に沿って移動する。同様に上側ガイドローラ262は上側のリンクプレートのうちピンリンクプレートと一体となった支持部に取り付けられており、上側に設けられたガイドレール221に沿って移動する。
【0044】
下側ガイドローラ261や上側ガイドローラ262は特に移動フック取り付け用リンクプレート264の両側に設けられており、移動フック260が傾斜等しないように配慮している。このような搬送チェーン260では、上下のガイドレール221により搬送路が一定に維持される。また、搬送体の左右両側にスプロケット250を配置するだけであるにも拘わらず搬送チェーン260の高さも中間付近でたるみが生じることなく維持され、また、ガイドレール221により前後方向の位置決めも維持されるため、構造の簡素化とともに正確な機械的動作を実現している。このような搬送チェーン260は、少なくとも縦型ランドリモニタ300の搬送路304上に経路を採るようになされている。
【0045】
押し出し部270は、搬送方向に並べられて3個配置される。押し出し部270は、図17,図18,図19で示すように、本体ベース部271、リニアガイド272、ハンガーガイド273、ハンガー押し板274、ストッパ275、エアシリンダ276を備えている。
【0046】
本体ベース部271は、正面から視て略凹字状に構成された折り曲げ板体であり、堅牢な構造を有している。
リニアガイド272はそのレール部272aが本体ベース部271に取り付けられており、スライド部272bがレール部272aに沿ってスライドするようになされている。
【0047】
ハンガーガイド273は、リニアガイド272のスライド部272bに固定されており、押し出し方向へ移動するようになされている。
ハンガー押し板274は、このハンガーガイド273に連結されており、特にハンガー3の首部3bの幅より広い幅を有する押し出し面が形成されている。
【0048】
ストッパ275は、ハンガー押し板274の搬送方向下流側でハンガー押し板274に設けられており搬送方向へ送られるハンガー3の首部3bを受ける機能を有している。これらハンガーガイド273、ハンガー押し板274、および、ストッパ275により押し出しヘッドを形成している。
エアシリンダ276は、そのピストンロッド276aがハンガー押し板274と連結されており、ハンガーガイド273およびハンガー押し板274を押し出し方向に押し出す機能を有している。待機時では図18で示すように押し出しヘッド(ハンガーガイド273、ハンガー押し板274、および、ストッパ275)が本体ベース部271内に収納され、動作時では図19で示すように押し出しヘッドが突出する。この押し出し部を用いる押し出し動作については後述する。
【0049】
ハンガーキャリア受け金具280は、図20で示すように後述する作業服収納台車410のハンガーキャリア413を受けて位置決めを行う。このハンガーキャリア受け金具280には、ハンガーキャリア413の横方向の位置をガイドするためのキャリアガイド281が設けられている。ハンガーキャリア413の下側には位置決め用ストッパ413aが設けられており、ハンガーキャリア受け金具280の当接部で当接する。また、図12,図13で示すように、このハンガーキャリア受け金具280は3個の押し出し部の前側にそれぞれ設けられる。
【0050】
経路切り替え部290は、図12で示すように、傾斜する棒体であり、ハンガー3の首部に傾斜しつつ当接することで、押し出して行き、下側にハンガーごと作業服を落下させる。経路切り替え部290は2箇所あり、下流側の箇所は低濃度汚染品を収納するボックスへ落下させるものであり、再度洗濯を行って汚染を除去することが可能な作業服を収納する。また、上流側の箇所は高濃度汚染品を収納するボックスへ落下させるものであり、再利用不可であるとしてそのまま廃棄される。搬送部200は、このようなものである。
【0051】
続いて縦型ランドリモニタ300について説明する。
縦型ランドリモニタ300は、図21で示すように、さらに、ベース部301、前側本体302、後側本体303、搬送路304、ローラ部305、ガイド部306、操作入力部307、出力部308を備える。
【0052】
ベース部301は、床面に配置され、前側本体302、後側本体303を移動可能に支持するため堅牢な構造体として構成されている。
前側本体302は、図23で示すように、前側検出部(上流前側検出部309a、下流前側検出部309b)が配置される。
後側本体303は、図23で示すように、後側検出部(上流後側検出部309c、下流後側検出部309d)が配置される。
【0053】
前側本体302は、図示しないが前後方向へ移動するように構成されている。
同様に後前側本体303は、前後方向へ移動するように構成されている。
前側本体302や後側本体303の移動により、前側検出部から後側検出部までの間隔を調整し、種類の違う作業服(通常の薄手の作業服や、火気を遮蔽するために厚くなっている火気服)の測定を可能としている。この際、搬送路の前後方向の中心位置と作業幅が通過する位置とが常に一致するように前側本体302や後側本体303が移動する。
【0054】
搬送路304は、図21(a)で示すように、ベース部301、前側本体302および後側本体303により形成されており、側面から見るとこの搬送路304があるため略凹字状に形成されている。そして、図23で示すように、上から見ると、上側が開口する搬送路304としている。縦型ランドリモニタ300は、このように側面視略凹字状の搬送路304を採用したため、搬送部200により上側から吊されている作業服2がそのまま通過できるようになされている。
【0055】
図23で示すように、搬送路304の上流側には搬入口304aが、また、搬送路304の下流側には搬出口304bがそれぞれ設けられている。
搬入口304aは、図23に示すように、縦型ランドリモニタ300内への入口である。
搬送路304は、搬入口304aに連通する空間であり、搬送路304の前後両側では作業服2の裏側と表側とに面するように上流前側検出部309a、下流前側検出部309b、上流後側検出部309c、下流後側検出部309dが配置されている。これら検出部の周囲には鉛シールド(鉄シールドなど含む)が施されており、前側本体302や後側本体303は重量物となっている。
搬出口304bは、搬送路304に連通しており、縦型ランドリモニタ300からの出口である。
これら搬入口304a、搬送路304、搬出口304bの順に作業服2が通過するようになされている。
【0056】
ローラ部305は、図22,図23,図24で示すように、前側ローラ351と後側ローラ352とを備える。ここに前側とは図1や図21(b)でも見えるような縦型ランドリモニタ300の正面側を指す。また、後側とは縦型ランドリモニタ300の背面側を指す。前側ローラ351は、さらに上流前側ローラ351aと下流前側ローラ351bとを備える。後側ローラ352は、さらに上流後側ローラ352aと下流後側ローラ352bとを備える。ここに上流側とは搬送方向に対して上流であり、下流側とは搬送方向に対して下流である。
【0057】
これら上流前側ローラ351a、下流前側ローラ351b、上流後側ローラ352a、下流後側ローラ352bは、図24に示すように、それぞれ一本の駆動軸に対して上下方向に多数の単位ローラが取り付けられて構成される。
ここで特に前後で一対のローラ間(上流前側ローラ351aと上流後側ローラ352aとの間、また、下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bとの間)に形成される作業服の通過幅の距離が検出部側へ近づくに連れて短くなるようにしている。このため、ローラ部305では、図23に示すように、上流前側ローラ351aと上流後側ローラ352aとの半径距離は、下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bとの半径距離よりも短くなるようにして、共同外接線は検出部側へ近づくに連れて縮幅するようにしている。このように一対のローラの半径が検出部側へ近づくに連れて長くなるようにしている。
【0058】
このようなローラ部305は、搬入口301aを通過しようとする作業服2を前後から挟む。ローラ部305で挟まれた作業服2は洗濯によりできた凹凸が整形されて厚さが均一になり、検出部309における安定した搬送と測定を可能とする。
【0059】
また、図23,図24で示すように、上下方向に隣あう二個の単位ローラの間には作業服の巻き込みを防止する金具である巻き込み防止部353が設けられている。この巻き込み防止部353は上下方向に全ての単位ローラ間に配置される。図23でも明らかなように、巻き込み防止部353よりもローラ部の各ローラが搬送路側へ突出して配置される。
【0060】
仮に巻き込み防止部353がないと、ローラに接触する作業服2が、そのまま接触を続けてローラに巻き込まれるおそれがあるが、この巻き込み防止部353の存在により、仮に作業服2が巻き込まれても巻き込み防止部353に接触して所定位置以上の巻き込みを遮って作業服2が搬送路へ復帰することとなり、作業服2が前側ローラ351と前側本体302との間や、後側ローラ352と後側本体303との間に巻き込まれるのを防いでいる。
【0061】
ガイド部306は、図23で示すように、上から視て略ハ字状に形成されており、搬送方向に対して上流側が広く、また、下流側が狭く形成されている。そしてローラ部305よりも上流側に配置されている。このようなガイド部306を作業服が通過すると、作業服2を搬送部304の中央へ移送するとともに、作業服2を前後方向に薄くする。
【0062】
操作入力部307は、図21(b)で示すように縦型ランドリモニタ300の前面に設けられており、各種操作が入力される。特に作業服として通常の作業服と厚手の火気服とがあり、何れかを選択する操作を行うことができる。
出力部308は、図21(b)で示すように縦型ランドリモニタ300の前面に設けられており、各種データを表示する。
【0063】
縦型ランドリモニタ300の内部には、図22(b),図23,図24で示すように、上流前側検出部309a、下流前側検出部309b、上流後側検出部309c、下流後側検出部309dが設けられている。上流前側検出部309aおよび下流前側検出部309bにより前側検出部を構成するものであり、縦型ランドリモニタ300の前側本体302内の前側内壁面302aに形成される。そして、上流後側検出部309cおよび下流後側検出部309dにより後側検出部を構成するものであり、縦型ランドリモニタ300の後側本体303内の後側内壁面303aに形成される。
【0064】
そして、図24で示すように、上下方向には複数のセンサ部を備える。ここで図示するのは上流後側検出部309cおよび下流後側検出部309dであるが、このような配置は、上流前側検出部309aおよび下流前側検出部309bについても同数が配置される。本形態では、例示的に上流後側検出部309cの上下方向の7個のセンサ部を、また、下流後側検出部309dの上下方向の6個のセンサ部を備える。そして図示していないが、上流前側検出部309aも上下方向の7個のセンサ部を、また、下流前側検出部309bも上下方向の6個のセンサ部を備える。これら上流前側検出部309aおよび下流前側検出部309bによる前側検出部と、上流後側検出部309cおよび下流後側検出部309dによる後側検出部と、を用いて搬送路304内へ搬送された作業服2の前後面に対して放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無を検出する。
【0065】
次に収納部400について説明する。
収納部400は、搬送部200を移動する作業服2を仕分けした後に収納する。本形態では、作業服2を大中小の三種類に分けて収納する。
【0066】
収納部400は、詳しくは図1で示すような3台の作業服収納台車410を備えるものである。収納台車410は、図25,図26,図27で示すように、台車部411、キャリア用支柱部412、ハンガーキャリア413を備える。
【0067】
台車部411はさらに前側キャスタ411aおよび後側キャスタ411bを備える。前側キャスタ411aは、前後方向へのみ進む固定キャスタである。また、後側キャスタ411bは回転可能な自在キャスタである。作業服収納台車410のハンガーキャリア413をハンガーキャリア受け金具280(図20参照)と連結する際に、ハンガーキャリア413がハンガーキャリア受け金具280に対して傾斜した状態で進入すると連結時にハンガーキャリア413が折れ曲がる等の影響が懸念されるため、可能な限り傾斜しない状態で連結したいという事情があった。そこで前側キャスタ411aは前後方向にのみ進むキャスタとしたため、作業員が経路を検討しながら前側方向から直進しつつ連結する必要が生じるため、傾斜がない連結を実現する。
【0068】
キャリア用支柱部412は、台車部411の後側から立設される。
ハンガーキャリア413は、キャリア支柱部412から上方に向けて傾斜して設けられる。この傾斜によりハンガー3が自重で下降してくるため、キャリア支柱部412へ寄せられて作業服2が整然と収納されることとなる。
【0069】
また、このランドリモニタシステム1の制御回路としては、図28で示すように、操作入力部307、出力部308、上流前側検出部309a、下流前側検出部309b、上流後側検出部309c、下流後側検出部309d、前側ローラ回転用モータ駆動部501、後側ローラ回転用モータ駆動部502、リニアエアスライド駆動部503,投入検知用センサ504、押し出し検知用センサ505、搬送用モータ駆動部506、押し出し用エアシリンダ駆動部507、搬送経路切り替え部用駆動部508、ICタグリーダアンテナ240、信号処理部500にそれぞれ接続されている。ランドリモニタシステム1はこのようなものである。
【0070】
続いてランドリモニタシステム1の運用について説明する。
このようなランドリモニタシステム1は、原子力発電所等の放射性物質取扱施設内にて用いられた作業服2が放射性物質によって汚染されているか否かを検査するために用いられる。ランドリモニタシステム1を用いる作業服2の管理について概略を説明する。まず、洗濯機にて除染された作業服2はハンガー3に掛けられている状態とする。ハンガー3は、図3で示すように、アーチ部3a、首部3b、吊り下げ部3cを含み、図4で示すように吊り下げ部3cに作業服2を吊り下げるものである。この際、図3で示すようなICタグ4に作業服データを書き込むものとする。
【0071】
このICタグ4には、(1)シリアルナンバーデータ、(2)製造年月日データ、(3)服のサイズデータ、(4)在庫数データ、(5)洗濯回数データ、(6)過去の汚染回数情報データなどの作業服データを書き込むことが可能である。本形態では服のサイズデータを大、中、小に分別した作業服データとする。
【0072】
続いて、操作入力部307を通じてモニタリング開始を入力すると、信号処理部500は、搬送部200の搬送用モータ駆動部506に図示しない搬送用モータを回転駆動させるように制御する。するとスプロケット250が搬送チェーン260を回転させて移動フック230が移動する状態にする。
【0073】
続いて投入装置130を用いて搬送部200への作業服の投入を開始する。最初の投入装置130は、移送部のハンガー押し出し部143が投入フック側にあってシャッタ137が閉じているためハンガー2を投入できないようになされている。なお図7(b)では内部について図示していないが、実際のカバー132は透明であるため作業員は移送部のハンガー押し出し部143の位置が把握できており、不安なく待機することができる。
【0074】
信号処理部500がリニアエアスライド駆動部503を制御すると接続される電磁弁が開閉されてリニアエアスライドの移動部139aおよびハンガー押し出し部143が投入口133側へ下降し、シャッタ137が開く。シャッタ137が開いたため作業員はハンガー3のアーチ部3aを投入口133内へ投入する。ハンガー3のアーチ部3aが移送部のハンガー押し出し部143の前であって誘導ロッド136の上に載せられる。なお、投入口133は幅が狭くなっており、誤って2個のハンガー3を投入できないように配慮されている。
【0075】
投入検知用センサ504は、搬送部200の移動フック230の移動経路付近に設けられており、次の移動フック230が所定位置にあるか否かを検出し、移動フック230があることを検出したら信号処理部500へ検出信号を出力する。信号処理部500は、投入検知用センサ504からの信号を検出し、信号処理部500がリニアエアスライド駆動部503を制御すると接続される電磁弁が開閉されてリニアエアスライドの移動部139aおよびハンガー押し出し部143が投入フック135側へ上昇し、シャッタ137は付勢力により閉じるように移動する。これにより次の作業服が投入できないようになる。
【0076】
ハンガー3は押し出し部135に押されながら誘導ロッド136上を移動していき、ハンガー3が投入フック135側へ移送される。この際、移動部139aおよびハンガー押し出し部143が高速で移動すると投入フック135からハンガー3のアーチ部3aが外れて落下するおそれがあるため、リニアエアスライド139の移動部139aをやや低速で動作させている。このような制御はリニアエアスライド139内へのエアの流入出量を少なくすることで実現が可能である。このように移送部が投入口133側にあるときだけ、シャッタ137が開かれるため、誤投入は回避される。また、カバー132が透明であるため移送部の昇降も視認でき、やはり誤投入が防止される。
【0077】
なお、投入タイミングは、信号処理部500へ入力される投入検知用センサ504からの検出信号に応じて決定されるものとして説明したが、投入検知用センサ504がなくても搬送部の移動フック230の搬送速度と配列ピッチから割り出して決定するなどの方法も可能であり、各種制御が可能である。
【0078】
図29で示すように、ハンガー3を投入口133へ投入すると、投入フック135側へ移送される。投入フック135ではまず、(1)のように下降部135aにアーチ部があると下降を開始し、上昇部135bにより制動されつつ作業服2も揺れストッパ110に当たって揺れが防止され、最終的に谷部135cにて停止する。谷部135cは投入位置となっている。投入位置では作業服2は揺れストッパ110に当たった状態で静止している。
【0079】
この際、イオナイザ120がプラスイオンやマイナスイオンを噴射しているため、これらイオンが作業服2の静電気を中和してからグラウンドに流されることとなり、確実に除電される。このように揺れストッパ110に接した状態でアーチ部3aが谷部135cに位置するという投入位置にてハンガー3が待機している。
【0080】
続いて、搬送部200への投入について説明する。図30(a)〜(d)ではそれぞれ上側に正面から見た図と下側に平面から見た図とが併記されている。図30(a)に示すように移動フック230が搬送方向を移動し、図30(b)に示すように移動フック230が首部3bに当接する。この際、揺れストッパ110の作用により揺れが発生することはない。図30(c)に示すようにアーチ部3aが投入フック135に沿って移動していき、最終的に図30(d)に示すようにアーチ部3aが移動フック230へ落下して搬送部200への投入が完了するというものである。
【0081】
作業服2が搬送部200へ送られた後、投入装置130では、移動部139aおよびハンガー押し出し部143が投入口133側まで下降する。このとき、投入口133ではシャッタ137が開けられ、次の作業服2が投入できるようになる。投入部100では以下同様な動作を繰り返して投入が行われることとなる。
【0082】
搬送部200の移動フック230がチェーンにより移動して、ハンガー3から吊り下げられた作業服2をハンガー3ごと移動させる。この移動フック230は、図31(a)で示すように、特にハンガー3のアーチ部3aとの上側当接面が凸状の曲面を有するものであり、移動フック230の上側の曲面のうちの搬送方向の曲線が、ハンガー3のアーチ部3aの下側当接面の凹状の曲線と略一致するようにして、ハンガー3と搬送方向とが平行な位置のときに安定するようにした。
【0083】
このような構成を採用することにより、図31で示すように、搬送方向での曲線の形状を同じにして搬送方向で面接触になるように支持するとハンガーが前後方向に回転しようとすればアーチ部を変形させるように作用するため自らの弾性により元の搬送方向の位置へ戻ろうとして回転しにくくなり、回転動作が生じないようになされている。このような移動フック230では回転を抑える。また、搬送方向へ移動する作業服2には搬送方向で回転する力が加わるが側面では首部3bが接することや自重により搬送方向にも回転しにくくなっており、やはり、回転動作が生じないようになされている。このような移動フック206は安定して作業服を搬送する。
【0084】
続いて搬送部200から吊り下げられた状態の作業服2が縦型ランドリモニタ300内に搬送される。まず、図22(a),図23に示すようなガイド部306へ誘導される。この際、ガイド部306は、特に厚手の火気服のフード部分を前後方向に薄くするように機能する。ガイド部306は、搬送方向に対して上流側が広いため厚手の火気服でも確実にガイド部306内へ誘導される。そして、下流側へ行くにつれて狭く形成されているため、漸次薄くなっていく。ガイド部306は、図22(a)でも明らかなように、上側にのみ配置されているが、これは特に前後方向に厚い厚手の火気服のフード部分を予め薄くしておき、後段のローラ部で引っ掛かり等が生じにくくなるように配慮するものである。
【0085】
続いて作業服2は、ローラ部305を通過する。信号処理部500は、搬送部200の搬送速度とローラの外周面の線速度とが略一するように前側ローラ回転用モータ駆動部501および後側ローラ回転用モータ駆動部502を制御しており、図示しない前側ローラ回転用モータおよび後側ローラ回転用モータは、駆動軸を回転させている。
【0086】
ローラ部305は、検出部側へ作業服を移動させるように回転しており、作業服2の搬入口304a付近での通過を補助する。同時に、前後で対をなす上流前側ローラ351aと上流後側ローラ352aという上流側のローラにより作業服2のフード頭頂から裾までを前後両側から圧縮する。これによりガイド部での圧縮からさらに薄くなるように圧縮する。続いて下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bという下流側のローラにより作業服2のフード頭頂から裾までを前後両側からさらに薄くなるように圧縮する。
【0087】
この際、上流前側ローラ351aと上流後側ローラ352aとの外周面の線速度と、下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bとの外周面の線速度とを比較すると、半径が大きい下流前側ローラ351bと下流後側ローラ352bとの線速度が速くなる。従って、上流側から下流側へ僅かながら引っ張られることとなり、この点でも作業服を薄くして凹凸面の均一化に寄与する。
【0088】
これにより前後方向の厚さを均一で薄くなるようにし、作業服が検出部を通過する時に検出部の表面に擦れることなく通過する。また、作業服から検出部までは凹凸を減らした一定の距離が見込めるようになり、検出精度も上昇する。
【0089】
そして信号処理部500は、これら前側検出部(上流前側検出部309aおよび下流前側検出部309b)と、後側検出部(上流後側検出部309cおよび下流後側検出部309d)から送信された検出信号に基づいて、搬送路304内を通過する作業服2の放射線汚染の有無を検出し、放射線汚染の有無を知らせる表示コマンドを出力部308へ送信し、出力部308の表示により汚染の有無が確認される。
【0090】
汚染がない場合には信号処理部500は、三台ある収納部400へ搬送されてサイズ別に集めらて収納するように制御させる。サイズについては、例えばハンガーに取り付けられたICタグ4からの作業服データを移動フック230に対応させて登録しておき、この移動フック230に対してどの押し出し部270を用いるかを選択することで判別される。押し出し用エアシリンダ駆動部507を制御して押し出し部270のエアシリンダ276を駆動させ、押し出しヘッドを押し出す。すると、図32で示すように、ハンガーガイド273に沿ってハンガー3が押し出され、ハンガーキャリア413へ乗り継ぎ移動する。
【0091】
この際、押し出しタイミングは、図16で示すような押し出し検知用センサ505により移動フックまたはハンガーを検出してから所定時間T経過した後に押し出すようにして行われる。例えば、予め算出されている距離がSで搬送速度がVであるならば時間S/Vにより決定される。
【0092】
そしてこのように投入タイミングが制御されていても、例えばエアシリンダ内の空気圧の変動等によりタイミングがずれることもある。そこで、押し出し板274の搬送方向の幅を広げた構成を採用している。このようにすることで、図33(a)で示すように、タイミングが前後しても押し出し板274に首部3bが当接するようにして、確実に押し出すようにする。また、押し出し板274だけでは吸収できない程にタイミングが遅れた場合でも、図33(b)で示すように、首部3bの搬送方向下流側にて突出するストッパ275がハンガー3の搬送方向への移動を止めながら押し出すため、ハンガーキャリア413へハンガー3が投入される。なお、エアスライド276の移動速度をやや低速で動作させて、作業服2が高速に押し出されないようにして落下を防止している。
【0093】
そして、図34で示すように作業服収納台車410へ作業服2が収納される。例えば、図2で示したように大、中、小で仕分けされてそれぞれの作業服収納台車410へ収納される。
そして、汚染がある場合には、作業服2は搬送部200によりさらに収納部400の下流側へと搬送され、経路切り替え部290にて低汚染品・高汚染品とに分けられて図示しない収納カゴ内へ落下させて収納される。ランドリモニタシステム1はこのような動作を繰り返し行ってモニタリングを行うというものである。
【0094】
以上本発明のランドリモニタシステム1について説明した。なお、本形態では服のサイズについて仕分けするものとして説明した。しかしながら、このような仕分けは各種可能であり、例えば、使用回数順に大程度、中程度、小程度などというようにICタグに登録可能な情報に基づいて適宜仕分けすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明のランドリモニタシステムは、放射性物質取扱施設、例えば原子力発電所などに設置されるランドリモニタシステムに適用される。
【符号の説明】
【0096】
1:ランドリモニタシステム
100:投入部
110:ストッパ
120:イオナイザ
130:投入装置
131:装置本体
132:カバー
133:投入口
134:カラー表示部
135:投入フック
135a:下降部
135b:上昇部
135c:谷部
136:誘導ロッド
137:シャッタ
138:付勢ばね
139:リニアエアスライダ
139a:移動部
140:リニアガイド
141:支持部
142:従動子
143:押し出し部
143a:切り欠き部
143b:連結部
144:ガイド部
145:摺動片
146:中間部
200:搬送部
210:支持柱
220:搬送本体
221:ガイドレール
230:移動フック
240:ICタグリーダアンテナ
250:スプロケット
260:搬送チェーン
261:チェーン本体
262:下側ガイドローラ
263:上側ガイドローラ
264:移動フック取り付け用リンクプレート
270:押し出し部
271:本体ベース部
272:リニアガイド
273:ハンガーガイド
274:ハンガー押し板
275:ストッパ
276:エアシリンダ
276a:ピストンロッド
280:ハンガーキャリア受け金具
290:経路切り替え部
300:縦型ランドリモニタ
301:ベース部
302:前側本体
302a:前側内壁面
303:後側本体
303a:後側内壁面
304:搬送路
304a:搬入口
304b:搬出口
305:ローラ部
351:前側ローラ
351a:上流前側ローラ
351b:下流前側ローラ
352:後側ローラ
352a:上流後側ローラ
352b:下流後側ローラ
353:巻き込み防止部
306:ガイド部
307:操作入力部
308:出力部
309:検出部
309a:上流前側検出部
309b:下流前側検出部
309c:上流後側検出部
309d:下流後側検出部
400:収納部
410:作業服収納台車
411:台車部
411a:前側キャスタ
411b:後側キャスタ
412:キャリア用支柱部
413:ハンガーキャリア
413a:位置決め用ストッパ
500:信号処理部
501:前側ローラ移動用モータ駆動部
502:後側ローラ移動用モータ駆動部
503:リニアエアスライド駆動部
504:投入検知用センサ
505:押し出し検知用センサ
506:搬送用モータ駆動部
507:押し出し用エアシリンダ駆動部
508:搬送経路切り替え用駆動部
2:作業服
3:ハンガー
3a:アーチ部
3b:首部
3c:吊り下げ部
4:ICタグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
前記搬送部の移動フックは、ハンガーのアーチ部との上側当接面が凸状の曲面を有するものであり、当該曲面のうちの搬送方向の曲線が、ハンガーのアーチ部の下側当接面の凹状の曲線と略一致することを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項2】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーに設けられており作業服の種類についての作業服データを登録したICタグと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す複数の押し出し部と、複数の押し出し部にそれぞれ連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を分けて収納する収納部と、ICタグから作業服データを読み出すICタグ読み出し部と、ICタグ読み出し部からの情報に基づいて押し出し部の制御を行う中央処理部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
この中央処理部は、ICタグ読み出し部から出力された作業服データに基づいて選択した押し出し部によりハンガーを押し出すように制御し、収納部に作業服の種類別に仕分けして収容させることを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記移動フックまたは前記ハンガーの搬送方向の位置を検出する押し出し検知用センサ部をさらに備えており、
前記信号処理部は、押し出し検知用センサ部からの検出信号に基づいて押し出し部を制御することを特徴とするランダムモニタシステム。
【請求項4】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す押し出し部と、押し出し部に連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を収納する収納部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、この押し出し部は、
ハンガーガイド部と、このハンガーガイド部に連結されておりハンガーの首部の幅より広い幅を有するハンガー押し板と、ハンガー押し板の搬送方向下流側に設けられておりハンガーの首部を受けるストッパと、を有する押し出しヘッドと、
押し出しヘッドを押し出すエアシリンダと、
を備え、エアシリンダを駆動させてハンガー押し板がハンガーの首部を押して、または、エアシリンダを駆動させてストッパで首部を係止しつつハンガー押し板がハンガーの首部を押して、移動フックからハンガーを押し出し、このハンガーのアーチ部をハンガーガイド部が受けて収納部へ誘導することを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項5】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す押し出し部と、押し出し部に連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を収容する収納部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
前記収納部はハンガーのアーチ部が掛けられるハンガーキャリアを備え、
前記押し出し部は、ハンガーキャリアの先端と連結して位置決めするハンガーキャリア受け金具を備えることを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記収納部は、台車部と、台車部に対して立設されるキャリア用支柱部とをさらに備える作業服収納台車であり、
前記ハンガーキャリアはキャリア用支柱部から傾斜して設けられることを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記台車部は、前後方向へ進む固定キャスタを前側キャスタとし、また、回転可能な自在キャスタを後側キャスタとすることを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項8】
請求項4〜請求項7の何れか一項に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記移動フックまたは前記ハンガーの搬送方向の位置を検出する押し出し検知用センサ部をさらに備えており、
前記信号処理部は、押し出し検知用センサ部からの検出信号に基づいて押し出し部を制御することを特徴とするランダムモニタシステム。
【請求項1】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
前記搬送部の移動フックは、ハンガーのアーチ部との上側当接面が凸状の曲面を有するものであり、当該曲面のうちの搬送方向の曲線が、ハンガーのアーチ部の下側当接面の凹状の曲線と略一致することを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項2】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーに設けられており作業服の種類についての作業服データを登録したICタグと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す複数の押し出し部と、複数の押し出し部にそれぞれ連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を分けて収納する収納部と、ICタグから作業服データを読み出すICタグ読み出し部と、ICタグ読み出し部からの情報に基づいて押し出し部の制御を行う中央処理部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
この中央処理部は、ICタグ読み出し部から出力された作業服データに基づいて選択した押し出し部によりハンガーを押し出すように制御し、収納部に作業服の種類別に仕分けして収容させることを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記移動フックまたは前記ハンガーの搬送方向の位置を検出する押し出し検知用センサ部をさらに備えており、
前記信号処理部は、押し出し検知用センサ部からの検出信号に基づいて押し出し部を制御することを特徴とするランダムモニタシステム。
【請求項4】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す押し出し部と、押し出し部に連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を収納する収納部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、この押し出し部は、
ハンガーガイド部と、このハンガーガイド部に連結されておりハンガーの首部の幅より広い幅を有するハンガー押し板と、ハンガー押し板の搬送方向下流側に設けられておりハンガーの首部を受けるストッパと、を有する押し出しヘッドと、
押し出しヘッドを押し出すエアシリンダと、
を備え、エアシリンダを駆動させてハンガー押し板がハンガーの首部を押して、または、エアシリンダを駆動させてストッパで首部を係止しつつハンガー押し板がハンガーの首部を押して、移動フックからハンガーを押し出し、このハンガーのアーチ部をハンガーガイド部が受けて収納部へ誘導することを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項5】
作業服が掛けられたハンガーを吊す移動フックを移動させてハンガーとともに作業服を搬送する搬送部と、側面視凹字状に形成された側面の搬入口を通じて搬入された作業服に対して前側検出部および後側検出部からなる検出部により作業服の表裏のモニタリングを行って汚染の有無を検出する縦型ランドリモニタと、ハンガーとともに搬送された作業服を選択して搬送部から押し出す押し出し部と、押し出し部に連結されており、押し出されたハンガーを誘導してハンガーに掛けられた作業服を収容する収納部と、を有し、作業服について放射性物質による汚染の有無を検査するランドリモニタシステムであって、
前記収納部はハンガーのアーチ部が掛けられるハンガーキャリアを備え、
前記押し出し部は、ハンガーキャリアの先端と連結して位置決めするハンガーキャリア受け金具を備えることを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記収納部は、台車部と、台車部に対して立設されるキャリア用支柱部とをさらに備える作業服収納台車であり、
前記ハンガーキャリアはキャリア用支柱部から傾斜して設けられることを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記台車部は、前後方向へ進む固定キャスタを前側キャスタとし、また、回転可能な自在キャスタを後側キャスタとすることを特徴とするランドリモニタシステム。
【請求項8】
請求項4〜請求項7の何れか一項に記載のランドリモニタシステムにおいて、
前記移動フックまたは前記ハンガーの搬送方向の位置を検出する押し出し検知用センサ部をさらに備えており、
前記信号処理部は、押し出し検知用センサ部からの検出信号に基づいて押し出し部を制御することを特徴とするランダムモニタシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−232154(P2011−232154A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102133(P2010−102133)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]