説明

ランプバルブ接続用バスバーの固定構造

【課題】ランプバルブ接続用のバスバーをレンズ側に作業性良く簡単な構造で確実に固定する。
【解決手段】照明用のバルブ21の光を透過するレンズ9と、レンズに設けたコネクタハウジング10と、バルブの端子部21aに接触する接触ばね部4を有する一対のバスバー1,2とを備え、一対のバスバーが端子3と、端子に続く固定部6とを有し、コネクタハウジングに、端子を挿通させてコネクタ嵌合室25内に配置するスリット11と、スリットに続き、固定部を係合させる凹部12とを設けたランプバルブ接続用バスバーの固定構造を採用する。凹部12の内幅W1を固定部6の外幅W2よりも小さく設定し、固定部を凹部内に圧入した。固定部6を、端子3に直交する支持板部7と、支持板部に直交する押圧板部8とで構成した。押圧板部8を折り返して二枚重ねに構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用のバルブを接続させる一対のバスバーをレンズ側のコネクタハウジングに圧入等で組み付けるランプバルブ接続用バスバーの固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に搭載されるランプバルブ接続用バスバーの固定構造として、種々の形態のものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、図5に示す如く、自動車ドア用のカーテシランプ41として、透明樹脂製のレンズ42の内面に一体に前後各一対のターミナル固定部43と後部中央の一つのコネクタハウジング44と前側中央の係止爪45とを設け、コネクタハウジング44上に端子部46を設け、左右一対のバスバー状のターミナル47の前後各一対の脚部47aを各固定部43の開口内に嵌入して固定し、各ターミナル47の中間部の左右一対の保持部47bでバルブ(ランプバルブ)48を挟持し、保持部47bの後端側をコネクタハウジング44側の端子46に電気的に接触させ、コネクタハウジング44と端子46とで成るコネクタ内に電源側の不図示のソケットを後方から挿入してバルブ48を点灯可能とし、係止爪45を自動車ドアに係止させてランプ41を固定することが記載されている。
【0004】
なお、上記ランプ41は、カーテシランプ以外にルームランプ等にも適用可能であることが記載されている。明細書で前後左右上下の方向性は説明の便宜上のものであり、例えばランプ41の取付方向と一致するとは限らない(これは発明の実施形態においても同様である)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4129782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のランプバルブ接続用バスバーの固定構造にあっては、一対のターミナル(バスバー)47にバルブ48を挟着した状態で、ターミナル47を上方からレンズ42に組み付けて、ターミナル47の各脚部47aをレンズ42の各固定部43内に嵌入し、同時にターミナル47の保持部47bをコネクタ44の端子46に接触させるものであるために、ターミナル側の端子部としての保持部47bと、コネクタ44の端子46とをそれぞれ必要として、接続構造が複雑化・高コスト化するという懸念があった。
【0007】
また、一対のターミナル47の各一対の長い脚部47aをレンズ42の各固定部43に同時に挿入する作業が面倒で、レンズ42へのターミナル47の組付作業性が悪いという懸念があった。さらに、各一対の長い脚部47aがユーザー側からレンズ越しに見えて見栄えが低下するという懸念や、長い脚部47aによってターミナル47の材料が多く必要でコスト高になるという懸念があった。
【0008】
本発明は、上記した点に鑑み、ランプバルブ接続用のバスバーをレンズ側に作業性良くしかも確実に固定することができ、しかも、コネクタの端子とバスバーの端子とに起因する構造の複雑化を解消することができ、さらに、長い脚部に起因する見栄えの低下や材料コストの増加を防ぐことのできるランプバルブ接続用バスバーの固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るランプバルブ接続用バスバーの固定構造は、照明用のバルブの光を透過するレンズと、該レンズに設けられたコネクタハウジングと、該バルブの端子部に接触する接触ばね部を有する一対のバスバーとを備え、該一対のバスバーが端子と、該端子に続く固定部とを有し、該コネクタハウジングに、該端子を挿通させてコネクタ嵌合室内に配置するスリットと、該スリットに続き、該固定部を係合させる凹部とが設けられたことを特徴とする。
【0010】
上記構成により、バスバーの端子がコネクタハウジングのスリットを経てコネクタ嵌合室内に挿入されてコネクタハウジングと端子とでコネクタを成す。バスバーの端子がスリットに挿通されると同時に、バスバーの固定部がコネクタハウジングの凹部内に係合して固定される。端子の長手方向を前後方向とした場合、固定部の前後端が凹部の前後端に当接して、端子すなわちバスバーの前後方向の移動が阻止され、凹部によってバスバーが前後方向に位置規定される。バルブの端子部は一対のバスバーの接触ばね部に接続される。
【0011】
請求項2に係るランプバルブ接続用バスバーの固定構造は、請求項1記載のランプバルブ接続用バスバーの固定構造において、前記凹部の内幅が前記固定部の外幅よりも小さく設定され、該固定部が該凹部内に圧入されることを特徴とする。
【0012】
上記構成により、バスバーの固定部がコネクタハウジングの凹部内に圧入されることで、バスバーがコネクタハウジングに強固に固定される。
【0013】
請求項3に係るランプバルブ接続用バスバーの固定構造は、請求項1又は2記載のランプバルブ接続用バスバーの固定構造において、前記固定部が、前記端子に直交する支持板部と、該支持板部に直交する押圧板部とで構成されたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、バスバーの固定部の支持板部が凹部に続くスリットの側面に沿ってスムーズに摺接し、次いで固定部の押圧板部が凹部内に係合ないし圧入される。押圧板部は治具等で押されて凹部内に係合ないし圧入される。固定部が90°に折り曲げて構成されたことで、固定部の面積が広く設定される。
【0015】
請求項4に係るランプバルブ接続用バスバーの固定構造は、請求項3記載のランプバルブ接続用バスバーの固定構造において、前記押圧板部が折り返されて二枚重ねに構成されたことを特徴とする。
【0016】
上記構成により、バスバーの固定部の押圧板部の剛性(強度)が増し、コネクタハウジングの凹部に対する係合力や係止力ないし圧入力が高まる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、バスバーの端子をコネクタハウジングのスリットに挿通させると同時に、バスバーの固定部をコネクタハウジングの凹部に係合させて、バスバーをレンズ側に作業性良くしかも確実に固定することができる。また、バスバーの端子をコネクタの端子として流用することで、従来のコネクタの端子とバスバーの端子とに起因する構造の複雑化を解消して、接続構造を簡素化・低コスト化することができる。さらに、従来のバスバーの長い脚部に起因する見栄えの低下や材料コストの増加を防いで、レンズ越しの見栄えを向上させると共にバスバーのコストを低減させることができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、固定部を凹部に圧入して、バスバーをコネクタハウジングにしっかりと且つ作業性良く簡単に固定することができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、バスバーの固定部の面積を広く設定して、コネクタハウジングの凹部に対する押圧板部の位置決め性と係合性ないし圧入性、及び係合力ないし圧入力を高めて、コネクタハウジングに対するバスバーの固定の信頼性を高めることができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、バスバーの固定部の押圧板部の強度を高め、コネクタハウジングの凹部に対する押圧板部の係合力ないし圧入力を高めて、コネクタハウジングへのバスバーの固定の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るランプバルブ接続用バスバーの固定構造の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】同じくバスバーの固定部の変形例を示す要部斜視図である。
【図3】ランプバルブ接続用バスバーの固定構造の一実施形態を示す一部を縦断面とした正面図である。
【図4】バスバーをコネクタハウジングに組み付けた状態を示す斜視図である。
【図5】従来のランプバルブ接続用バスバーの固定構造の一形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜図4は、本発明に係るランプバルブ接続用バスバーの固定構造の一実施形態を示すものである。
【0023】
図1の如く、このランプバルブ接続用バスバーの固定構造は、左右一対の導電金属製のバスバー1,2の後端部(一端部)に各端子3、バスバー1,2の中間部に上下各一対の各接触ばね片(接触ばね部)4、バスバー1,2の前端部(他端部)に各バルブ保持板5をそれぞれ一体に設けると共に、各端子3の基部(付け根側)に上向きのL字状の固定部6を一体に設け、透光性のレンズ9の内面9aに絶縁樹脂製のコネクタハウジング10を一体に設け、コネクタハウジング10に、各バスバー1,2の端子3を上方から挿入する各スリット11と、各固定部6を圧入する各凹溝(凹部)12とを設け、各端子3を各スリット11からコネクタハウジング10内に挿入すると共に、各固定部6を各凹溝12に圧入固定させ、各バスバー1,2の前半の各接触ばね片4と各バルブ保持板5とをコネクタハウジング10の前方に位置させるものである。
【0024】
端子3は細幅に形成された雄端子であり、端子3の板厚方向を左右方向に、端子3の板幅方向を上下方向にそれぞれ位置させている。端子3の基端から前方に幅広のバスバー本体14が一体に続き、バスバー本体14は、端子3に同一面で続く短い板部15と、板部15に直交ないし交差して外向きに突出した短い板部16と、板部16に直交ないし交差して前方に続く長い板部17とで構成されている。端子3の基部側の短い板部15から上向きに固定部6が突設され、長い板部17の中間部の内側に接触ばね片4が設けられ、長い板部17の前端に直交ないし交差してバルブ保持板5が垂直に設けられている。板部15は端子3の一部と見てもよい。「交差」とは傾斜状であることを含む。
【0025】
固定部6は、短い板部15と同一面に続く垂直板部(支持板部)7と、垂直板部8の上端に直交して外向きに鍔状に突出した水平板部(押圧板部)8とで成り、垂直板部7は内向きに突出した(押し出された)三角形状のリブ18で補強されている。水平板部8は圧入部と圧入時の被押圧部として作用する。水平板部8が押されてコネクタハウジング10の凹部12内に圧入される。
【0026】
図2の如く、固定部6’の水平板部8’を上下に折り返して二重板部として剛性アップさせることも有効である。水平板部8’の左右方向の突出長さは図1の水平板部8と同様である。折り返し方向は下側である(折り返し部8a’が下に位置する)ことが折り返し端8b’の引っ掛かり防止や見栄えの上から好ましい。
【0027】
図1の如く、バスバー本体14の長い板部17の板幅方向の上下に屈曲部19を介して略横U字状の折り返し板部20が一体に連結され、折り返し板部20の上下の水平な板部(符号20で代用)から前方に湾曲状の接触ばね片4が一体に突設されている。一対の長い板部17の間に上下左右の計四つ(各一対)の接触ばね片4が配置されている。
【0028】
何れか一方のバスバー1の上下の接触ばね片4が図3のバルブ21の右側又は左側の+極の端子部21aを挟持接続し、何れか他方のバスバー2の上下の接触ばね片4が図3のバルブ21の左側又は右側の一極の端子部21aを挟持接続する。バルブ21の端子部21aが左右ではなく前後に配置されたものである場合は、例えば、一方のバスバー1に上下の接触ばね片(4)を設けて前側の−極の端子部(21a)を挟持させ、他方のバスバー2に垂直な接触板(図示せず)を設けて後側の+極の端子部(21a)に弾接させる。
【0029】
図1のバスバー1,2の左右一対の長い板部17の前端に設けられた各バルブ保持板5は、図3のバルブ21のバルブ本体(硝子球)(符号21で代用)を径方向に挟持する円弧状のバルブ保持溝5aを有している。上下の接触ばね片4がバルブ21の端子部21aを接続固定し、左右のバルブ保持板5がバルブ本体21を挟持固定する。接触ばね片4やバルブ保持板5の形状は適宜設定可能である。
【0030】
図1のレンズ9は透光性の樹脂材で略矩形状に形成され、レンズ9の内面9aの例えば前後に、車両のドアパネルの小孔や天井パネルの小孔に係合させる固定用の不図示の係止爪が突設されている。また、レンズ9の内面9aに垂直な支持壁22を介してコネクタハウジング10が一体に設けられている。コネクタハウジング10は上下左右の壁部で成る周壁23と前側の垂直な底壁(基壁)24とで構成されている。
【0031】
コネクタハウジング10の水平な上壁23aに、左右一対の平行なスリット11と、両スリット11の前端側で両スリット間の上壁23aを切欠開口して成る矩形状の開口13と、開口13の左右において(スリット11の前端部の外側において)上壁23aの上面から上壁23aの厚み方向中間部まで達する矩形状の凹溝(凹部)12とが設けられている。
【0032】
コネクタハウジング10の底壁外面24からのスリット11の長さ(スリット後端11aまでの水平距離)は端子3の長さよりも若干長く、スリット11の幅は端子3の板厚よりも若干広く設定されている。スリット11はコネクタハウジング10のコネクタ嵌合室25に連通しており、スリット11を経てコネクタ嵌合室25内に端子3が端子幅方向に挿入される。コネクタ嵌合室25に後方から不図示の雌端子を有する電源側の給電用のコネクタが挿入され、バスバー1,2の雄端子3が雌端子に挿入接続される。
【0033】
凹溝12は水平な下面(底面)12aと前後の垂直な面12b,12cと外側の垂直な面12dとで囲まれて構成され、上壁23aのスリット11間の開口13に続く内側の狭い切欠開口12eと上部の広い開口12fとを有している。凹溝12の前後方向の内幅W1はバスバー1,2の固定部6の水平板部8の前後方向の外幅W2よりも少し狭く形成され、水平板部8を凹溝12内に圧入固定するようになっている。
【0034】
図3,図4の如く、端子3がスリット11内に上方から挿入され、次いで固定部6の水平板部8が凹溝12に圧入され、水平板部8の下面8aが凹溝12の底面12aに当接してそれ以上の圧入が阻止され、その状態でコネクタハウジング10内の端子3の位置が規定され、固定部6の垂直板部7の外面7aは凹溝12の底面12aから下向きに直交する開口13の垂直な外端面13aに接し、垂直板部7に続く短い板部15の外面はコネクタハウジング10の底壁24の前面と凹溝12の前端面12bとの間の開口13の垂直な外端面13bに摺接し、短い板部15に続く外向きの突出板部16はコネクタハウジング10の底壁24の前面に摺接する。
【0035】
スリット間の開口13は垂直板部7の内面の三角状のリブ18を逃がすためのものであり、リブ18を設けない場合は、スリット11をコネクタハウジング10の底壁24の前面まで延長させる。あるいは、リブ18に対応する部分にのみ幅広のスリット(図示せず)をスリット11から前方に延長形成して、開口13を排除する。
【0036】
図3の如く、コネクタハウジング10の水平な上壁23aにスリット11が設けられ、スリット11に続いて上壁23aから垂直な底壁24の高さ方向中間部まで開口13が切欠形成されている。前述の如く開口13に代えてスリット幅広部を形成することも可能である。開口13に続いて上壁23aに凹溝12が形成されている。コネクタ嵌合室25はこれらスリット11や開口13に連通している。
【0037】
左右一対のバスバー1,2の間に前端の左右一対のバルブ保持板5のバルブ保持溝5aから矢印Aの如くバルブ21が挿入(装着)される。バルブ21の装着はバスバー1,2をコネクタハウジング10に組み付ける前でも後でもどちらでも行うことができる。
【0038】
バスバー1,2をコネクタハウジング10に組み付ける前においては、バスバー1,2間に挿入されたバルブ21の後半の端子部21aが一対のバスバー1,2の上下の接触ばね片4で挟持固定され、バルブ21が挟持固定されることで、一対の分離されたバスバー1,2がバルブ21の端子部21aを介して相互に連結される。その状態でバルブ21付きのバスバー1,2を矢印Bの如く上方からコネクタハウジング10に同時に組み付ける。
【0039】
図3,図4の如く、一対のバスバー1,2の各端子3がスリット11を上から下に通過してコネクタ嵌合室25内に進入し、端子3から上向きに突出したL字状の固定部6の水平板部8が例えば矩形ピン状の押圧治具(図示せず)で上から下向きに押されて凹溝12内に圧入固定される。これにより、各バスバー1,2がコネクタハウジング10に簡単且つ確実に固定される。端子3に続く板部17が底壁24の開口13から前方に突出してレンズ9の上方でレンズ9に沿って水平に位置する。
【0040】
バスバー1,2をコネクタハウジング10に組み付けた後でバルブ21をバスバー1,2に装着する場合は、バスバー1,2の端子3を例えば一本ずつスリット11に沿って上から下向きに挿入し、固定部6の水平板部8を押圧治具で押して凹溝12内に圧入して固定する。端子3に続く板部17や接触ばね片4やバルブ保持板5はコネクタハウジング10の前方に突出してレンズ9の上方に位置するので、バルブ21の端子部21aを左右一対のバルブ保持板5の略円形に対向したバルブ保持溝5aから上下の接触ばね片4の間に挿入接続し、それと同時にバルブ本体21をバルブ保持溝5で挟持固定させる。
【0041】
何れの場合においても、各バスバー1,2の端子3をスリット11に挿通し、各バスバー1,2の固定部6を押圧治具でコネクタハウジング10の凹溝12に圧入固定させることで、各バスバー1,2を簡単且つ確実にコネクタハウジング10に装着することができる。
【0042】
バスバー1,2の固定部6の水平板部8の前端8bがコネクタハウジング10の凹溝12の前端12bに当接することで、バスバー1,2の前方(図1の矢印C方向)への移動、すなわちバスバー1,2からのバルブ21の離脱方向や、端子3とコネクタハウジング10とで成るコネクタへの相手コネクタの嵌合方向への移動、すなわちバスバー1,2の抜け出しが阻止される。
【0043】
また、水平板部8の後端8cが凹部12の後端12cに当接することで、バスバー1,2の後方への移動すなわちバスバー1,2へのバルブ21の挿入方向及びバスバー1,2の端子3から相手コネクタを離脱させる方向への移動が阻止される。この作用は、バスバー1,2の端子3から外向き水平に直交した短い板部16がコネクタハウジング10の底壁24の外面に当接することによっても促進される。
【0044】
上記実施形態によれば、バスバー1,2の固定部6でレンズ9と一体のコネクタハウジング10へのバスバー1,2の圧入作業が容易化されると共に、圧入のための押圧治具の設計が容易になる。また、バスバー1,2の固定部6が図1の矢印Cの端子抜け方向とバスバー抜け方向に対して凹溝12内に係止されるので、従来例(図5)のバスバー(ターミナル)の脚部が不要となって、レンズ越しの見栄えが向上すると共に、バルブの照射光の遮り(照度低下)が抑止され、さらにバスバーの材料が削減され、バスバーが軽量化、低コスト化される。また、バスバー1,2の端子3がコネクタ(符号10で代用)の端子3を兼ねるので、従来例(図5)のバスバー(ターミナル)の端子とコネクタの端子とを設ける構造すなわちコネクタの端子が不要となって、接続構造が簡素化、低コスト化される。
【0045】
レンズ9とコネクタハウジング10と一対のバスバー1,2とバルブ21とで成るランプ26を例えば自動車の車室灯として天井パネルに組み付ける場合は、図3,図4の如くレンズ9が下側でバスバー1,2とバルブ21が上側に位置する。また、このランプ26をドアのカーテシランプとして使用する場合は、レンズ9の左右(幅)方向が上下方向となり、左右一対のバスバー1,2が上下一対のバスバー1,2となる。
【0046】
なお、上記実施形態においては、固定部6の水平板部(押圧板部)8を矩形状に形成したが、矩形状に代えて台形状や円形状等に形成することも可能である。この場合、凹部12の形状も水平板部8と同様な形状に形成される。また、水平板部8を凹部12に圧入したが、圧入係合ではなく隙間なく係合させることも可能である。また、例えば補強用のリブ18をスリット11の延長部内に圧入してバスバー1,2の固定力を増すことも可能である。この場合、水平板部8と凹部12とは隙間係合であってもよい。また、コネクタハウジング10の底壁24にバスバー1,2の板部15を圧入させるスリット(図示せず)を設けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るランプバルブ接続用バスバーの固定構造は、例えば自動車のドア用カーテシランプや車室灯等として、レンズと一体のコネクタハウジングに端子付きのバスバーを作業性良く簡単に組み付けるために利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1,2 バスバー
3 端子
4 接触ばね部
6 固定部
7 垂直板部(支持板部)
8 水平板部(押圧板部)
9 レンズ
10 コネクタハウジング
11 スリット
12 凹溝(凹部)
21 バルブ
21a 端子部
25 コネクタ嵌合室
W1 内幅
W2 外幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明用のバルブの光を透過するレンズと、該レンズに設けられたコネクタハウジングと、該バルブの端子部に接触する接触ばね部を有する一対のバスバーとを備え、該一対のバスバーが端子と、該端子に続く固定部とを有し、該コネクタハウジングに、該端子を挿通させてコネクタ嵌合室内に配置するスリットと、該スリットに続き、該固定部を係合させる凹部とが設けられたことを特徴とするランプバルブ接続用バスバーの固定構造。
【請求項2】
前記凹部の内幅が前記固定部の外幅よりも小さく設定され、該固定部が該凹部内に圧入されることを特徴とする請求項1記載のランプバルブ接続用バスバーの固定構造。
【請求項3】
前記固定部が、前記端子に直交する支持板部と、該支持板部に直交する押圧板部とで構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載のランプバルブ接続用バスバーの固定構造。
【請求項4】
前記押圧板部が折り返されて二枚重ねに構成されたことを特徴とする請求項3記載のランプバルブ接続用バスバーの固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−138198(P2012−138198A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288338(P2010−288338)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】