説明

ランプ保持装置

【課題】 外周に絶縁シートが巻き付けられている外面電極蛍光ランプの端部の挿入作業がしやすく、また確実にランプ端の保持をすることができるランプ保持装置を提供する。
【解決手段】 ランプ端1Aを受け部材12のランプ端挿入孔12Aに挿入する際に外面電極蛍光ランプ1の最外周に巻き付けられている絶縁シート5の巻き終り部分5Aの凹凸をその逃げ部14で逃がすようにし、ランプ端挿入孔の径をランプ径とほぼ同等の大きさにしながらもランプ端の挿入作業をしやすくし、また確実にランプ端の保持をすることができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機やスキャナー等のOA機器の文書読取り光源、液晶ディスプレイのバックライト光源に使用する外面電極蛍光ランプを保持するランプ保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図3、図4に示すような外面電極蛍光ランプ1が知られている。この外面電極蛍光ランプ1は、ガラスランプ管2の外壁の相反する2カ所に外面電極3,4を貼り付け、それらの外周に絶縁シート5を巻き付け、また外面電極3,4の一端にリード端子6,7を接続した構成である。
【0003】
このような外面電極蛍光ランプを照明装置に取り付けるために、照明装置には図5に示すようなランプ保持装置10が装備されている。このランプ保持装置10は、蛍光ランプ1のリード端子6,7の側を保持し、電源にリード端子6,7を接続するランプホルダー11と、蛍光ランプ1の他端を保持する受け部材12から構成されている。そして蛍光ランプ1のランプ保持装置への装着に当たっては、受け部材12に対して蛍光ランプ1の一端を深く挿入し、その後にその蛍光ランプ1を逆方向に滑らさせてリード端子6,7のある側をランプホルダー11に対して挿入し、電気的接続と共に機械的な保持を行う。
【0004】
この従来のランプ保持装置10では、図6に示すように受け部材12に蛍光ランプ1の絶縁シート5の外周径よりやや大きめのランプ端挿入孔12Aが形成してあり、このランプ端挿入孔12Aに蛍光ランプ1のランプ端1Aを挿入することになる。
【0005】
ここで蛍光ランプ1の照明装置への装着に際しては光学設計上誤差が少ない取付が必要であり、また振動で動くことがあってはならない。このため、従来のランプ保持装置では、受け部材12のランプ端挿入孔12Aの径を絶縁シート5の外周径とほぼ同等の大きさの真円の孔としているため、図7に示すようにランプ端1Aを挿入する時に絶縁シート5の巻き終り端が孔の縁に引っかかってめくれてシートめくれ8が発生し、このシートめくれ8が発生するとその外径が大きくなり、受け部材12のランプ端挿入孔12Aにランプ端1Aを挿入できなくなる不具合が発生することがある問題点があった。
【0006】
図8に示す構造の分割体12−1,12−2で構成される逃げ部材12についても、両者間にランプ端挿入孔13を形成するようにしているが、上記と同様にランプ端1Aを挿入する時に同様に絶縁シート5の巻き終り部がランプ端挿入孔13に引っかかり、シートめくれが発生することがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、受け部材のランプ端挿入孔内に逃げ部を形成することによって、ランプ端を受け部材のランプ端挿入孔に挿入する際に外面電極蛍光ランプの最外周に巻き付けられている絶縁シートの巻き終り部分の凹凸をその逃げ部で逃がすようにし、ランプ端挿入孔の径をランプ径とほぼ同等の大きさにしながらもランプ端の挿入作業をしやすくし、また確実にランプ端の保持をすることができるランプ保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、ガラスランプ管の外壁に一対の外面電極を設け、前記外面電極に絶縁シートが巻き付けられた構造の外面電極蛍光ランプを保持するランプ保持装置であって、前記ガラスランプ管の一端部に前記外面電極を支持するホルダーを設置し、前記ガラスランプ管の他端部にランプ受け部材を設置し、前記受け部材には、前記外面電極蛍光ランプのランプ端を挿入するランプ端挿入孔を形成すると共に、当該ランプ端挿入孔の縁に前記絶縁シートの巻き終り部分を逃がすための逃げ部を形成したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1のランプ保持装置において、前記逃げ部は、受け部材に設けた逃げ溝であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1のランプ保持装置において、前記逃げ部は、前記受け部材に設けた逃げ窓であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、受け部材にランプ端挿入孔と共に、外面電極蛍光ランプの最外周に位置する絶縁シートの巻き終り部分を逃がすための逃げ溝或いは逃げ窓のような逃げ部を形成したことによって、ランプ端挿入孔の径を蛍光ランプの外径とほぼ同等にしても絶縁シートの巻き終り部を逃げ部によって逃がし、絶縁シートの巻き終り部にめくれを発生させることなくランプ端挿入孔に蛍光ランプのランプ端を挿入することができ、ランプ挿入のしやすさとランプ端の確実な保持とが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態のランプ保持装置における受け部材12に対する外部電極型蛍光ランプ1の端部の挿入状態を示している。本実施の形態のランプ保持装置の構成は図5に示したものと同様である。そして、受け部材12については図1に示した構成である。すなわち、受け部材12のランプ端を挿入する部分に、ランプ端1Aの外径とほぼ同等の内径のランプ端挿入孔12Aを形成し、さらにそのランプ端挿入孔12Aの縁の一部に逃げ溝14を形成している。
【0013】
このようなランプ保持装置10に装着する外面電極蛍光ランプ1は図3に示した従来と同様のものである。
【0014】
そして従来同様の図3に示した構成の外面電極蛍光ランプ1を本実施の形態のランプ保持装置10に装着する場合、まず蛍光ランプ1のランプ端1Aを受け部材12のランプ端挿入孔12Aに差し込む。この際、図1に示したような蛍光ランプ1の最外周の絶縁シート5の巻き終り部5Aの凹凸部分を逃げ溝14の位置に合わせて挿入する。
【0015】
これにより、絶縁シート5の巻き終り部5Aがランプ端挿入孔12Aの縁に引っかかることがなく、スムーズにしかもほぼ隙間なくランプ端挿入孔12A内に密着するようにして挿入でき、がたつきなくランプ端1Aの保持が可能となる。
【0016】
なお、ランプ保持装置10の受け部材12は図2に示した構成にすることもできる。図2に示した第2の実施の形態における受け部材12では、ランプ端挿入孔12Aの一部を外側まで切り込み、逃げ窓15を形成したことを特徴としている。このような逃げ窓15を受け部材12のランプ端挿入孔12Aの一部に形成することによっても第1の実施の形態と同様に、絶縁シート5の巻き終り部5Aがランプ端挿入孔12Aの縁に引っかかることがなく、スムーズにしかもほぼ隙間なくランプ端挿入孔12A内に密着するようにして挿入でき、がたつきなくランプ端1Aの保持が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態における受け部材に対するランプ端挿入状態での断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態における受け部材に対するランプ端挿入状態での断面図。
【図3】上記実施の形態、従来例で使用する外面電極蛍光ランプの斜視図。
【図4】図3におけるA−A′線の断面図。
【図5】従来例のランプ保持装置の斜視図。
【図6】従来例における受け部材に対するランプ端挿入状態での断面図。
【図7】従来例における受け部材に対してランプ端を挿入した時に発生する絶縁シートめくれを示す説明図。
【図8】他の従来例における受け部材に対するランプ端挿入状態での断面図。
【符号の説明】
【0018】
1 蛍光ランプ
2 ガラスランプ管
3 外面電極
4 外面電極
5 絶縁シート
5A 巻き終り部
10 ランプ保持装置
11 ランプホルダー
12 受け部材
12A ランプ端挿入孔
14 逃げ溝
15 逃げ窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスランプ管の外壁に一対の外面電極を設け、前記外面電極に絶縁シートが巻き付けられた構造の外面電極蛍光ランプを保持するランプ保持装置であって、
前記ガラスランプ管の一端部に前記外面電極を支持するホルダーを設置し、
前記ガラスランプ管の他端部にランプ受け部材を設置し、
前記受け部材には、前記外面電極蛍光ランプのランプ端を挿入するランプ端挿入孔を形成すると共に、当該ランプ端挿入孔の縁に前記絶縁シートの巻き終り部分を逃がすための逃げ部を形成したことを特徴とするランプ保持装置。
【請求項2】
前記逃げ部は、受け部材に設けた逃げ溝であることを特徴とする請求項1に記載のランプ保持装置。
【請求項3】
前記逃げ部は、前記受け部材に設けた逃げ窓であることを特徴とする請求項1に記載のランプ保持装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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