説明

ランプ装置および照明装置

【課題】基板に回路を効率的に配置できるとともに、基板面積を確保できるランプ装置を提供する。
【解決手段】ランプ装置は、口金を有する筐体、筐体内に配置される光源、および筐体内に配置され光源に電力を供給する点灯装置24を備えている。点灯装置24は、光源の光が通過する開口部47を有する環状に形成されたメイン基板45を有している。メイン基板45の周方向に沿って順にフィルタ回路部48、電力変換回路部49および制御回路部50が各領域毎に設けられている。メイン基板45の少なくともいずれか1つの領域にはメイン基板45に電気的に接続されるサブ基板46が立設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源および光源に電力供給する点灯装置を備えたランプ装置、およびこのランプ装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばGX53形の口金を用いたフラット形のランプ装置がある。このランプ装置は、口金を有する筐体内に光源およびこの光源に電力を供給する点灯装置が配置されている。
【0003】
点灯装置は、口金が入力する交流電源を整流し、整流した電源電圧を所定の出力電力に変換して光源に出力し、光源を点灯させる各種の回路を備えており、これら各種の回路を1枚の基板に設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−262781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ランプ装置内に配置される点灯装置は、筐体内の収納スペースに応じて基板の面積が限られるため、基板には各種の回路を効率的に配置することが重要となる。また、基板の面積が限られることから、より基板の面積を必要とすることになる調光などの別の機能の追加に対応するのが難しい場合がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、基板に回路を効率的に配置できるとともに、基板面積を確保できるランプ装置、およびこのランプ装置を用いた照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のランプ装置は、口金を有する筐体、筐体内に配置される光源、および筐体内に配置され光源に電力を供給する点灯装置を備えている。点灯装置は、光源の光が通過する開口部を有する環状に形成されたメイン基板を有している。メイン基板の周方向に沿って順にフィルタ回路部、電力変換回路部および制御回路部が各領域毎に設けられている。メイン基板の少なくともいずれか1つの領域にはメイン基板に電気的に接続されるサブ基板が立設されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、メイン基板の周方向に沿って順にフィルタ回路部、電力変換回路部および制御回路部を各領域毎に設け、メイン基板の少なくともいずれか1つの領域にはメイン基板に電気的に接続されるサブ基板を立設することにより、メイン基板の面積が限られていても、点灯装置の回路を効率的に配置できるとともに、基板面積を確保することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態を示すランプ装置の点灯装置の正面図である。
【図2】同上ランプ装置の点灯装置の回路図である。
【図3】同上ランプ装置および器具本体を用いた照明装置の断面図である。
【図4】同上照明装置のランプ装置と器具本体の分解状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
【0011】
図3および図4に示すように、照明装置11は、ダウンライトなどの埋込形照明器具であり、天井板12に設けられた円形の埋込孔13に埋め込まれて設置される。この照明装置11は、フラット形のランプ装置14、このランプ装置14を配置する器具本体15を備えている。なお、以下、天井板12への照明装置11の設置状態を基準として、ランプ装置14および器具本体15の上下の方向関係を言う。
【0012】
ランプ装置14は、フラット形で円筒状の筐体21を備えている。この筐体21内に光源22、反射体23および点灯装置24が収納され、筐体21の下面に透光カバー25が取り付けられている。
【0013】
筐体21は、円筒状のケース27、およびこのケース27の上面に取り付けられる円板状の口金部材28を有している。これらケース27の上部側および口金部材28によって所定の規格寸法の口金29が構成されている。
【0014】
ケース27は、絶縁性を有する合成樹脂製で、上面の端板部31、この端板部31の周辺部から下方に突出する円筒状の周面部32、および端板部31の上面から上方に突出する円筒状の筒部33を有している。ケース27の下面は開口されている。
【0015】
口金部材28は、例えばアルミダイカストなどの金属材料で円板状に形成されている。口金部材28の直径はケース27の筒部33の直径より大きく、口金部材28の周辺部がケース27の筒部33の外周面より突出されている。口金部材28の上面には熱伝導シート34が装着されている。
【0016】
ケース27の上面からは複数のランプピン39が突設されている。本実施形態では、5本のランプピン39を有し、2つの電源入力用のランプピン39、2つの調光信号入力用のランプピン39、アース接続用のランプピン39が含まれている。
【0017】
口金部材28の周辺部には、複数の誤装着防止溝40が切欠形成されているとともに、周方向に隣り合う誤装着防止溝40の間にそれぞれ位置して複数の取付キー41が突出形成されている。
【0018】
また、光源22は、口金部材28の下面に密着して取り付けられている。光源22には、例えばLED素子やEL素子などの半導体発光素子が用いられている。本実施形態では、半導体発光素子としてLED素子43(図2参照)が用いられ、基板上に複数のLED素子を実装するCOB(Chip On Board)方式が採用されている。なお、LED素子が搭載された接続端子付きのSMD(Surface Mount Device)パッケージを基板に複数個実装する方式を用いてもよい。
【0019】
また、反射体23は、例えば絶縁性を有する合成樹脂製で、下方へ向かって拡開する円筒状に形成されている。
【0020】
次に、点灯装置24は、図2に示す回路構成を備えている。
【0021】
点灯装置24は、直列に接続された複数のLED素子43を点灯させるものである。点灯装置24は、交流電源eが入力される電源入力部A、電源入力部Aに接続されたフィルタ回路B、フィルタ回路Bに接続されて交流電源eを整流する整流回路C、整流回路Cで整流された電源電圧をLED素子43を点灯させる所定の出力電力に変換する主回路としての電力変換回路D、およびこの電力変換回路Dの出力部であってLED素子43が接続される出力部Eを備えている。
【0022】
さらに、点灯装置24は、制御用の電源を供給する電源回路F、調光信号を入力する調光信号入力部G、調光信号を処理する調光制御回路としての第1の制御回路H、電力変換回路Dを制御する制御回路としての第2の制御回路I、第2の制御回路Iの動作と停止を制御する動作制御回路J、および第1の制御回路Hの制御によって第2の制御回路Iを調光動作させる調光動作回路Kを備えている。
【0023】
そして、電源入力部Aは、例えば100V〜242Vの範囲の交流電源eの入力を許容する。
【0024】
また、フィルタ回路Bは、電源入力部AにヒューズF1を介してコンデンサC1およびトランスT1が接続されている。
【0025】
また、整流回路Cは、全波整流器DB1が用いられている。全波整流器DB1の出力端には、コンデンサC10が並列に接続されている。
【0026】
また、電力変換回路Dは、降圧チョッパ回路であり、全波整流器DB1の出力端に、インダクタL1を介して、スイッチング素子としてのMOSFETである電界効果トランジスタQ1、抵抗R28、インダクタL5、および出力部EのLED素子43が接続されている。出力部Eには抵抗R22および電解コンデンサC9が並列に接続されている。
【0027】
電界効果トランジスタQ1のソースとインダクタL5との間にダイオードD6のカソードが接続され、LED素子43および電解コンデンサC9のグランド電位側にダイオードD6のアノードが接続されている。ダイオードD6は、電界効果トランジスタQ1がオフしているときにインダクタL5に蓄えられたエネルギをLED素子43および電解コンデンサC9を介して放出する作用を有する。
【0028】
また、電源回路Fは、全波整流器DB1の高電位側の出力端にインダクタL1を介してコンデンサC21が接続され、コンデンサC21のグランド電位側が第1の制御回路Hに接続されている。インダクタL1には制御部IC2の端子D1が接続され、制御部IC2の端子D2がトランスT3の一次巻線T31を介して第1の制御回路Hに接続されている。一次巻線T31の両端にダイオードD3のカソードと電解コンデンサC11の一端が接続されている。ダイオードD3のアノードと電解コンデンサC11の他端は、コンデンサC21と全波整流器DB1のグランド電位側との間に接続されている。
【0029】
制御部IC2の端子D4と端子D3との間に、コンデンサC12と電解コンデンサC13および抵抗R26の直列回路とが並列に接続されているとともに、電解コンデンサC13にダイオードD7のカソードが接続され、ダイオードD7のアノードにツェナーダイオードZD1のアノードが接続され、ツェナーダイオードZD1のカソードが電解コンデンサC11に接続されている。
【0030】
そして、制御部IC2は、例えばIPD(インテリジェント・パワー・デバイス)であり、内部にスイッチング素子を備えており、このスイッチング素子のスイッチング動作により制御部IC2に入力された電源電圧を所定の第1の制御用電源に変換し、電力変換回路Dのグランド電位と共通とする第1の制御用電源がトランスT3の一次巻線T31を通じて第1の制御回路Hに供給される。
【0031】
トランスT3の一次巻線T31に対して絶縁されるとともに磁気的に結合された二次巻線T32には、一次巻線T31に第1の制御用電源が流れることによって第2の制御用電源が誘起され、電力変換回路Dのグランド電位とは異なる任意のグランド電位を有する第2の制御用電源が動作制御回路Jを通じて第2の制御回路Iが供給される。
【0032】
また、調光信号入力部Gには、外部に設置される調光器から調光信号が入力される。
【0033】
また、第1の制御回路Hは、マイコンMを備え、電源回路Fから電力変換回路Dのグランド電位と共通の第1の制御用電源が供給されて動作する。マイコンMは、調光器からの調光信号に応じて処理するもので、動作・停止信号を動作制御回路Jに出力して第2の制御回路Iの動作および停止を制御したり、調光信号に応じた例えばPWM調光制御信号などの調光制御信号を形成するとともに調光動作回路Kに出力して第2の制御回路Iの調光動作を制御する。
【0034】
また、第2の制御回路Iは、制御部IC1を有し、この制御部IC1のVCC端子に電源回路Fから電力変換回路Dのグランド電位とは異なる任意のグランド電位を有する第2の制御用電源が動作制御回路Jを通じて供給される。GND端子は電界効果トランジスタQ1側のインダクタL5の一端に接続され、電力変換回路Dの中点電位をグランドとしている。VCC端子A1とGND端子A2との間にはコンデンサC17,C22が並列に接続されている。
【0035】
制御部IC1の端子A3は、抵抗R4,R7を介して、ダイオードD6のカソードとインダクタL5との間に接続され、電力変換回路Dの出力電流に応じた検出電圧が入力される。
【0036】
制御部IC1の端子A4は、コンデンサC19を介して電界効果トランジスタQ1のゲートに接続されている。
【0037】
制御部IC1のVCC出力端子A1とGND端子A2との間にコンデンサC20が接続され、端子A5と調光動作回路Kとの間に抵抗R2が接続され、端子A6とGND端子A2との間にコンデンサC18が接続されている。
【0038】
制御部IC1の端子A7が、抵抗R8を介して電界効果トランジスタQ1のゲートに接続されている。
【0039】
そして、制御部IC1は、内部にオペアンプを備え、オペアンプの一方の入力端子に所定の基準電圧が入力され、他方の入力端子に端子A3から電力変換回路Dの出力電流に応じた検出電圧が入力され、基準電圧と検出電圧と差に応じた電流を端子A4から出力し、端子A3に入力される検出電圧が一定になるように電界効果トランジスタQ1のオンオフをフィードバック制御する。すなわち、端子A3はオペアンプの入力端子、端子A4がオペアンプの出力端子である。
【0040】
また、動作制御回路Jでは、電源回路FのトランスT3の二次巻線T32の一端がダイオードD1、抵抗R12を介して制御部IC1のVCC出力端子A1に接続され、二次巻線T32の他端が制御部IC1のGND端子A2に接続されている。二次巻線T32の両端間にはコンデンサC14が接続されている。トランジスタQ101のエミッタ、ベース間に抵抗R102が接続されている。トランジスタQ101のベースには抵抗R103、動作制御用絶縁伝達素子としてのフォトカプラPC103のフォトトランジスタを介して制御部IC1のGND端子A2に接続されている。
【0041】
電源回路Fの第1の制御用電源を供給するトランスT3の二次巻線T32側と電力変換回路Dのグランド電位との間に、抵抗R108、フォトカプラPC103のフォトダイオード、トランジスタQ102のコレクタ、エミッタの直列回路が接続され、フォトカプラPC103のフォトダイオードが接続されている。トランジスタQ102のベースが第1の制御回路HのマイコンMから動作・停止信号を出力する端子に接続されている。
【0042】
そして、マイコンMからの動作・停止信号に応じてトランジスタQ102がオンオフするとともに、フォトカプラPC103がオンオフする。フォトカプラPC103のオフ時にはトランジスタQ102がオフして電源回路Fからの第2の制御用電源が第2の制御回路Iに供給され、フォトカプラPC103のオン時にはトランジスタQ102がオンして第2の制御回路Iへの第2の制御用電源の供給が停止される。
【0043】
また、調光動作回路Kは、調光用絶縁伝達素子としてのフォトカプラPC102を備え、このフォトカプラPC102のフォトダイオードが第1の制御回路HのマイコンMから調光信号を出力する端子と電力変換回路Dのグランド電位との間に接続されている。フォトカプラPC102のフォトダイオードと並列にコンデンサC101、抵抗R106が接続されている。
【0044】
フォトカプラPC102のフォトトランジスタのコレクタ、エミッタと並列に抵抗R6が接続され、抵抗R6の一端が抵抗R2を介して制御部IC1の端子A5に接続され、他端が第2の制御回路21の抵抗R4と抵抗R7との間に接続されている。
【0045】
そして、点灯装置24の回路動作を説明する。
【0046】
入力される交流電源eを全波整流器DB1で整流し、整流した電源電圧を電源回路Fおよび電力変換回路Dに供給する。
【0047】
電源電圧が供給された電源回路Fの制御部IC2が動作を開始すると、制御部IC2のスイッチング素子がスイッチング動作し、電力変換回路Dのグランド電位と共通とする第1の制御用電源を作り、トランスT3の一次巻線T31を通じて第1の制御回路Hに供給する。また、トランジスタT3の一次巻線T31に対して絶縁されるとともに磁気的に結合された二次巻線T32に第1の制御用電源が流れることによって第2の制御用電源が誘起し、電力変換回路Dのグランド電位とは異なる任意のグランド電位を有する第2の制御用電源を動作制御回路Jに供給する。
【0048】
第1の制御用電源が供給された第1の制御回路Hが動作を開始すると、マイコンMからの動作信号により動作制御回路JのフォトカプラPC103がオフし、動作制御回路JのトランジスタQ101がオフし、第2の制御用電源が動作制御回路Jを通じて第2の制御回路Iに供給される。
【0049】
第2の制御用電源が供給された第2の制御回路Iが動作を開始すると、制御部IC2が電力変換回路Dの電界効果トランジスタQ1をオンオフさせる。
【0050】
電界効果トランジスタQ1がオンすると、電界効果トランジスタQ1、抵抗R28およびインダクタL5を経由して電解コンデンサC9に電流が流れる。電解コンデンサC9の充電電圧がLED素子43の順方向電圧以上になると、LED素子43に電流が流れ、LED素子43が点灯する。
【0051】
電界効果トランジスタQ1がオフすると、インダクタL5に蓄えられていたエネルギが電解コンデンサC9、LED素子43、ダイオードD6の閉回路で放出される。このエネルギの放出により流れる電流によって、LED素子43が点灯する。
【0052】
こうような電界効果トランジスタQ1のオンオフにより、電界効果トランジスタQ1が高周波スイッチング動作し、LED素子43が点灯する。
【0053】
制御部IC2は、電力変換回路Dの出力電流に応じた検出電圧に基づいて、電力変換回路Dの出力電流が一定になるように、電界効果トランジスタQ1のオンオフをフィードバック制御する。
【0054】
また、調光器からの調光信号を入力した第1の制御回路HのマイコンMが調光信号に対応した調光制御信号を調光動作回路Kに出力し、この調光制御信号をフォトカプラPC102を介して第2の制御回路Iに受け渡す。第2の制御回路Iは、受け渡された調光制御信号に応じて電界効果トランジスタQ1のオンオフを制御し、LED素子43を調光する。
【0055】
また、調光制御においては、調光信号が所定の条件を超えた範囲になった場合に、電力変換回路Dを停止させる待機モードがある。この待機モードでは、マイコンMから停止信号を動作制御回路Jに出力することにより、フォトカプラPC103がオンし、動作制御回路JのトランジスタQ102がオンし、第2の制御回路Iへの第2の制御用電源の供給を停止させる。そのため、第2の制御用電源の供給が停止された電力変換回路Dが停止し、LED素子43が消灯する。
【0056】
以上のような回路構成を有する点灯装置24は、図3に示すように、筐体21内でケース27の端板部31および周面部32と反射体23と投光カバー25との間の環状の空間に配置されている。
【0057】
図1および図3に示すように、点灯装置24は、メイン基板45、およびサブ基板46を有している。メイン基板45は、中央に円形の開口部47を有する円環状に形成され、一面(第1の面)の実装面45aには主にリード線を用いたディスクリート部品が実装され、他面(第2の面)のパターン面45bには主にチップ部品が実装されている。
【0058】
メイン基板45には、周方向に沿って順に、フィルタ回路部48、電力変換回路部49および制御回路部50の領域が形成されている。フィルタ回路部48の領域には、主に、電源入力部A、フィルタ回路Bおよび整流回路Cが設けられている。電力変換回路部49の領域には、主に、電力変換回路Dおよび出力部Eが設けられている。制御回路部50の領域には、主に、電源回路F、調光信号入力部G、第2の制御回路I、動作制御回路Jおよび調光動作回路Kが設けられている。
【0059】
サブ基板46は、制御回路部50の領域に立設され、メイン基板45に電気的に接続されている。メイン基板45とサブ基板46とは、はんだや接着材等の接続手段によって実装面が互いに直交するように接続されている。なお、メイン基板45には基板差込用のコネクタを配設し、このコネクタにサブ基板46を差し込むことにより、メイン基板45に対してサブ基板46を電気的に接続するとともに機械的に保持するようにしてもよい。
【0060】
サブ基板46には、調光信号を処理する第1の制御回路Hが設けられ、メイン基板45から調光信号を入力して処理するとともに処理した信号をメイン基板45に出力する。サブ基板46は、一面(第1の面)がメイン基板45の中心側に向けられ、他面(第2の面)がメイン基板45の外径方向に向けられている。サブ基板46の一面にマイコンMなどの部品が実装されている。
【0061】
また、メイン基板45の実装面45aまたはパターン面45bのいずれか一方の面の内周側に沿って高電位パターン51が設けられ、メイン基板45の高電位パターン51が形成された面に対して反対側の面の内周側に沿ってグランド電位パターン52が設けられている。従って、高電位パターン51とグランド電位パターン52とがメイン基板45を挟み対向して設けられている。高電位パターン51は、フィルタ回路部48の全波整流器DB1の高電位側から、電力変換回路部49の電界効果トランジスタQ1、インダクタL5などに至る高電位側のパターンである。グランド電位パターン52は、主回路のグランド電位側のパターンである。
【0062】
また、点灯装置24を構成する部品のうち温度特性の影響を受けやすい部品として、例えば、電解コンデンサC9、フォトカプラPC102,PC103などがある。このような温度特性の影響を受けやすい部品は、メイン基板45の外周側に寄った位置に配置されている。
【0063】
次に、図4に示すように、器具本体は、下方へ向けて拡開開口された反射体61、この反射体61の上部に取り付けられた放熱体62、この放熱体62の下部に取り付けられたソケット63、放熱体62の上部に取付板64によって取り付けられた端子台65、および放熱体62の周囲に取り付けられた天井取付用の複数の取付ばね66などを備えている。
【0064】
反射体61の頂部には、放熱体62の下面が露出する円形の開口部68が形成されている。
【0065】
また、放熱体62は、例えばアルミダイカストなどの金属やセラミックスなどの放熱性に優れた材料によって形成されている。放熱体62は、円柱状の基部70、およびこの基部70の周囲から放射状に突出する複数の放熱フィン71を有している。基部70の下面には反射体61の開口部68を通じて露出する平面状の接触面72が形成されている。
【0066】
また、ソケット63は、絶縁性を有する合成樹脂製で円環状に形成されたソケット本体74、およびこのソケット本体74内に配置された図示しない複数の端子を備えている。
【0067】
ソケット本体74の内側には、ランプ装置14の口金部材28が挿通する円形の挿通口75が形成されている。ソケット本体74の下面には、ランプ装置14の複数のランプピン39が挿入される複数の接続孔76がソケット本体74の周方向に沿って長孔状に形成されている。各接続孔76の上側に各端子が配置されており、各接続孔76に挿入されたランプ装置14の各ランプピン39が各端子に電気的に接続される。ソケット本体74の内周面には、複数の誤装着防止キー77が突出形成されているとともに、複数の取付溝78が形成されている。ソケット63は、ソケット63にランプ装置14の口金29が装着されることで、口金部材28が熱伝導シート34を介して接触面72に押し付ける支持機構79によって、放熱体62に支持されている。
【0068】
そして、ランプ装置14を器具本体15に装着するには、口金部材28の複数の誤装着防止溝40をソケット63の複数の誤装着防止キー77に合わせてランプ装置14の口金部材28をソケット63の挿通口75に挿入する。
【0069】
そして、口金突部36の先端面38(熱伝導シート34)が放熱体62の接触面72に当接する挿入位置まで、口金突部36をソケット63の挿通口75内に挿入する。このとき、口金29から突出する各ランプピン39がソケット63の各接続孔76に挿入される。
【0070】
ランプ装置14を装着方向に所定角度回動させることにより、口金部材28の各取付キー41がソケット63の各取付溝78に引っ掛かり、ランプ装置14がソケット63に取り付けられる。このとき、各ランプピン39がソケット63の各接続孔76に差し込まれるとともに各接続孔76内を移動し、各ランプピン39が各接続孔76内に配置されている各端子に電気的に接続される。
【0071】
以上のように、ランプ装置14は、メイン基板45の周方向に沿って順にフィルタ回路部48、電力変換回路部49および制御回路部50を各領域毎に設け、メイン基板45にはメイン基板45に電気的に接続されるサブ基板46を立設しているため、メイン基板45の面積が限られていても、点灯装置24の回路を効率的に配置できるとともに、基板面積を確保することができる。
【0072】
また、サブ基板46を利用することにより、サブ基板46に調光信号を処理する第1の制御回路Hを設け、点灯装置24に調光機能を付加することができる。
【0073】
この場合、サブ基板46は、メイン基板45から調光信号を入力して処理するとともに処理した信号をメイン基板45に出力するようにしている。調光信号をランプピン39から点灯装置24に接続するのにハーネスを用いているが、このハーネスをサブ基板46に直接接続するのではなく、メイン基板45の調光信号入力部Gに接続している。これにより、組み立て時等にハーネスに力が加わったとしても、サブ基板46に直接応力が発生することがなく、サブ基板46とメイン基板45との接続状態を保護することができる。また、絶縁距離を確実にとる必要があるマイコンMなどが搭載されたサブ基板46をハーネスなどから離して絶縁距離を容易に確保することできる。すなわち、サブ基板46へ直接ハーネスを接続する場合、スペースの限られたサブ基板46上でハーネスとの絶縁距離を確保することは困難であるが、相対的にスペースを確保しやすいメイン基板45にハーネスを接続することによって、絶縁距離を確保することができる。
【0074】
また、メイン基板45の面の内周側に沿って高電位パターン51を設けることにより、高電位パターン51を最短距離で配線でき、高電位パターン51のノイズの影響や伝送ロスを少なくすることができる。
【0075】
さらに、メイン基板45の高電位パターン51が形成された面に対して反対側の面の内周側に沿ってグランド電位パターン52を設け、メイン基板45を介して高電位パターン51とグランド電位パターン52とを対向して設けることにより、高電位パターン51に発生しているノイズをグランド電位パターン52で発生しているノイズで打ち消し合わせ、ノイズを低減することができる。
【0076】
また、点灯装置24を構成する部品のうち温度特性の影響を受けやすい部品を、メイン基板45の外周側に寄った位置に配置することにより、熱を発生する光源22から離し、光源22からの熱の影響を少なくできる。これにより、温度特性の影響を受けやすい部品の動作が安定するとともに、寿命を長くできる。
【0077】
なお、メイン基板45の中央側に向けられるサブ基板46の面に、マイコンMなどとともに、温度検出素子81を設けてよい。この温度検出素子81により、例えば放熱不足などによる光源22の異常な温度上昇を検知し、第1の制御回路Hで電力変換回路Dの出力を停止したり、出力を抑制するようにすることができる。また、温度検出機能を有するマイコンMを用いる場合には、サブ基板46のマイコンMを実装する面を開口部47側、言い換えると光源22側に向けることでマイコンMによって温度検出素子81と同様の作用効果を得ることができる。
【0078】
また、サブ基板46は、制御回路部50だけでなく、フィルタ回路部48や電力変換回路部49に立設してもよい。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
11 照明装置
14 ランプ装置
15 器具本体
21 筐体
22 光源
24 点灯装置
29 口金
45 メイン基板
46 サブ基板
47 開口部
48 フィルタ回路部
49 電力変換回路部
50 制御回路部
51 高電位パターン
52 グランド電位パターン
81 温度検出素子
H 調光制御回路としての第1の制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金を有する筐体と;
筐体内に配置される光源と;
筐体内に配置され、光源の光が通過する開口部を有する環状に形成されたメイン基板を有し、メイン基板の周方向に沿って順にフィルタ回路部、電力変換回路部および制御回路部が各領域毎に設けられているともに、メイン基板の少なくともいずれか1つの領域にはメイン基板に電気的に接続されるサブ基板が立設され、光源に電力を供給する点灯装置と;
を具備していることを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
サブ基板は、制御回路部の領域に立設され、調光信号を処理する調光制御回路が設けられ、メイン基板から入力される調光信号を処理するとともに処理した信号をメイン基板に出力する
ことを特徴とする請求項1記載のランプ装置。
【請求項3】
メイン基板の一面の内周側に沿って高電位パターンが設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載のランプ装置。
【請求項4】
メイン基板の高電位パターンが形成された一面に対して反対側の他面の内周側に沿ってグランド電位パターンが設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のランプ装置。
【請求項5】
点灯装置を構成する部品のうち温度特性の影響を受けやすい部品がメイン基板の外周側に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のランプ装置。
【請求項6】
サブ基板の一面がメイン基板の中央側に向けられ、その一面に温度検出素子が設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載のランプ装置。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれか一記載のランプ装置と;
ランプ装置を配置する器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−98008(P2013−98008A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239811(P2011−239811)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】