説明

ランプ装置の取付構造

【課題】部品点数の削減に伴う工数及びコストの増大が防止できるランプ装置の取付構造を提供する。
【解決手段】フック23と本体20Aの一端側の外縁部211との間の隙間、ブラケット24に装着された機能部30の下面36と本体20Aの他端側の外縁部211との間の隙間によって、それぞれ、開口部R1の一端側内縁部及び他端側内縁部を挟持させることで、ランプ装置10を内装材Rに組み付けるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の室内照明灯やバニティランプ(以下、ランプ装置とよぶ)に適用するのに好適なランプ装置の取付構造に係り、特に製造コストの削減などを図ることができるランプ装置の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、一般に、逆光を避けるためにフロントガラス近傍の天井部分などにサンバイザが設置されている。また、このサンバイザには、ルームミラーとは別に小型のミラーが付設されているものも知られている。このようなミラーを付設したサンバイザでは、夜間などのように、車内が暗い場合でも使用できるようにするため、天井中央部付近のドームランプとは別に、サンバイザ設置部分の近傍などに照明灯を設けてあるものがある。
【0003】
このような照明灯としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
即ち、図9に示すように、この照明灯100は、(車両の天井部分の開口部分に取付けてある)天井トリム200の開口縁部201に取付け可能なベゼル101及びこのベゼル101に固定させたレンズ102を備える意匠部100Aと、この意匠部100Aに支持されて天井トリム200の裏面側に配置される本体部103及びこの本体部103に取付けた光源用のランプ(バルブ)104を備える機能部100Bと、を有している。
【0004】
また、意匠部100Aには、開口縁部201に係止可能なクリップ105をベゼル101に設けている。一方、機能部100Bには、本体部103を、開口縁部201から天井トリム200の裏面に沿って突出するような状態で設けている。なお、図中符号106は、電線(或はワイヤーハーネスなど)WHを固定保持する電線用のクリップを示す。
【特許文献1】特開2005−75219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような構成の照明灯100にあっては、意匠部のベゼル101とレンズ102とが別部品となっており、レンズ102をベゼル101に組み付けて一体に固定させる構造であるので、部品点数が増大し、ランプ装置自体の組立て工数が増大するとともにコストの増大ももたらしている。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を削減することにより工数及びコストの増大を回避できるようにしたランプ装置の取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るランプ装置の取付構造は、下記(1)から(3)を特徴としている。
(1) 略薄板状の本体を有し、ランプからの光を外部へ出射する窓が該本体に設けられた意匠部と、前記ランプを有し、前記意匠部に組み付け可能な機能部と、を備えるランプ装置を、内装材の略矩形状の開口部に取付けるためのランプ装置の取付構造であって、
前記意匠部は、前記本体の一端側の外縁部付近に、該意匠部に前記機能部を取り付ける際の該機能部に向かって突出するよう形成されたフックと、前記機能部を該意匠部に組みつけるために前記本体の他端側に立設されたブラケットと、を有し、
前記フックと前記本体の一端側の外縁部との間の隙間、及び前記ブラケットに装着された前記機能部の下面と前記本体の他端側の外縁部との間の隙間によって、それぞれ、前記開口部の一端側内縁部及び他端側内縁部を挟持させることで、前記ランプ装置を内装材に組み付けるように構成した、
こと。
(2) 上記(1)の構成のランプ装置の取付構造であって、
前記機能部の側面には、係合突起が形成され、
前記ブラケットには、該ブラケットに前記機能部を取り付けた際の前記係合突起に臨む箇所に、該係合突起と係合する嵌合孔が形成され、
前記機能部の前記係合突起が前記ブラケットの前記嵌合孔に係合することによって、前記意匠部に前記機能部が取り付けられること。
(3) 上記(1)の構成のランプ装置の取付構造であって、
前記機能部の側面には、係合突起が形成され、
前記ブラケットには、前記係合突起が係合する係合孔と外部との間を連通して切り欠いたガイド溝が形成され、
前記機能部の前記係合突起が前記ガイド溝によって案内され、前記ガイド溝より幅が広い前記係合孔に係合することによって、前記意匠部に前記機能部が取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ装置の取付構造。
【0008】
上記(1)の構成のランプ装置の取付構造によれば、従来のような別部品としてのベゼルとレンズとをわざわざ一体に組み付ける必要がないので、部品点数の削減に伴う工数及びコストの増大が回避できる。より詳細には、意匠部に装着後の機能部の下面と該意匠部の外縁部との間の隙間によって前記開口部の一端側内縁部を挟持させることで、ランプ装置を内装材に組み付けるために意匠部にわざわざ別の部品を使用せずに済み、さらに部品点数の削減を図ることができる。その結果、さらに部品点数の削減に伴う工数及びコストの増大が防止できる。
上記(2)の構成のランプ装置の取付構造によれば、機能部を意匠部に着脱可能とするロック手段として係合突起と嵌合孔とを用いるだけなので、簡易な構造のもので構成でき、さらに、部品点数の削減を図ることができる。
上記(3)の構成のランプ装置の取付構造によれば、係合突起と嵌合孔とガイド溝とを用いた簡易な構造のもので構成できるので、さらに、部品点数の削減を図ることができる。しかも、機能部の両側面に一対設けた係合突起を、ブラケットに設けた、前記係合突起が出入可能な係合孔へガイド溝に案内させながら係合させていくことで、係合ロック作業がスムースに行える。
【発明の効果】
【0009】
本発明のランプ装置の取付構造によれば、従来のような別部品としてのベゼルとレンズとをわざわざ一体に組み付ける必要がないので、部品点数の削減に伴う工数及びコストの増大が回避できる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施形態に係るランプ装置の取付構造を天井側の内装材R(内装部を構成する)に適用したバニティランプ10(本発明のランプ装置を構成する)を示すものである。このバニティランプ10は、概略構成として、意匠部20と、機能部30と、を備えており、詳細は後述するが、内装材Rの開口部R1の内周縁部に取付けたルーフトリムTに対して簡易な構造のもので組み付けが可能となっている。なお、ここで、図中符号WHは電線(ワイヤーハーネス)を示す。
【0012】
ルーフトリムTは、図2に示すように、天井部分の内装材Rの開口部R1の縁部に嵌合させるため、厚さ方向に2層に分岐させて溝T0を形成した外周縁部T1を有している。また、このルーフトリムTは、略矩形状を有するものであって、開口部である内縁部の両端部、即ち一端側(前側)及び他端側(後側)に、天井部分の内装材Rの奥部に向けて突出する突部T2を設けてある。
【0013】
このようにルーフトリムTを構成することで、後述する意匠部20の第1係止部23及び機能部30の第2係止部36と、意匠部20の外周縁部211との間にそれぞれ形成する隙間を利用して、ルーフトリムTの突部T2に挟持させ、バニティランプ10を組み付けることができる。また、このルーフトリムTは、少なくとも突部T2にはある程度の柔軟性や可撓性を付与して、バニティランプ10の組み付け操作を容易に行わせることが好ましい。
【0014】
意匠部20は、本体20Aが適宜の樹脂材料で略薄板矩形状に形成されており、この本体20A部分で、車両の内装部(内装材R)の開口部R1に取付けたルーフトリムT(図2参照)の開口部を塞ぐようになっている。また、この本体20Aの形状については、本実施形態の形状以外に、例えば台形、五角形など各種形状が適用可能である。
【0015】
この意匠部20は、本体20Aに、図3、4に示すように、外周縁部側に沿って低く起立(低背化)させた枠状部(従来のベゼルに相当する部分)21と、本体の中央部側に設けた透明(又は半透明)レンズを構成する出射用の窓部22と、を備えており、これらを前述した適宜の樹脂材料で一体に形成している。
【0016】
さらに、この意匠部20には、本体20Aの一端側(以下、前側)の外縁部近傍に第1係止部23を立設させているとともに、他端側(以下、後側)の外縁部寄りにブラケット24を一対立設させているが、何れも高さを抑え低背化させた形状である。
【0017】
これら第1係止部23およびブラケット24は、いずれも意匠部20の本体20Aに対して一体成形させるのが好ましい。なお、第1係止部23は、従来の形状に比べて簡易な形状を有するフック23で構成されており、意匠部20の本体に対して樹脂による一体成形が可能となっているが、第1係止部23の一体成形が困難であれば別体に形成して固着或は嵌合させるなどの方法で一体化させてもよい。一方、本実施形態のブラケット24には、リブ状の突起241、242を外面側に形成しているが、それでも第1係止部23に比べてブラケット24の形状は簡易であるので、意匠部20の本体20Aに対してブラケット24を樹脂で一体成形することが容易である。
【0018】
枠状部21を外側から囲設する外周縁部211(これを掛止部211とよぶことがある)は、バニティランプ10をルーフトリムTに対して装着させる際に、例えば装着作業を行うときに、この掛止部211に指を掛止させることで枠状部21をしっかりと把持して、バニティランプ10を確実かつ容易に装着できる。即ち、この掛止部211は、薄肉形状のもので構成しているので、指先や爪などで容易に把持できる。
【0019】
第1係止部23は、図2に示すように断面逆L字形に形成されて上部先端が意匠部20の本体20Aの前側の外縁部から突出し、ルーフトリムTの突部T2に上側から係止するようになっており、意匠部20の本体20Aの掛止部211(又は枠状部21でもよい)による下側からの係止動作と協働してルーフトリムTの突部T2及びその近傍を上下方向から挟持させる。なお、第1係止部23は、特に可撓性或は弾性を有する構造とすることは必要ないが、可撓性或は弾性を有する構造であってもよい。
【0020】
ブラケット24は、図3、4に示すように、意匠部20の本体20Aの面方向(図6中β方向で示す。)に対してこれに垂直な厚さ(同図中α方向で示す。)方向に直立した一対の壁面で構成されている。このブラケット24には、意匠部20の本体20Aの面(β)方向又は厚さ(α)方向のいずれの方向からでも押込んで嵌合させることができる、ロック手段40の一部を構成する嵌合孔42を有する。また、本実施形態のブラケット24には、リブ状の突起241、242を外面側に形成している。
【0021】
ロック手段40は、意匠部20に対して機能部30を一体に組み付けるためのものであり、機能部30の本体31の両側面に一対設けた後述する係合突起41と、意匠部20の本体20Aの後側の外縁部寄りに一対立設させたブラケット24に設けた、係合突起41が出入可能な前述の略矩形状の嵌合孔42と、を備えている。
【0022】
一方、機能部30は、この機能部30の本体31と、この本体31の前端部31A側に設けた光源であるランプL(又はバルブ)を取付けるためのソケット32(図2参照)と、本体31の両側面に設けた前述の係合突起41と、本体31の後端部側に突出させて設けた電線の固定収容部34と、天井裏側に配設させた電線WHとソケット32側の口金との電気的な接続を図る図示外の接続部35(図2参照)と、第2係止部36と、を備えている。
【0023】
ソケット32は、ランプLを装着させる、図示外の導電性金属で形成した前述の口金などを設けており、この口金が図示外の天井裏に配設された電線(ワイヤハーネスWH)の一端部と接続部35で電気的に接続され、図示外のバッテリからランプLへ給電される。なお、このソケット32側と接続させる電線WHは、バニティランプ10を天井裏側から外側に引き出して接続作業を行うときの作業性を配慮して、所定範囲でバニティランプ10と一緒に連れ回すことなどを許容するため、図示外の余長部を設けてある。
【0024】
固定収容部34は、前述の電線WHの余長を収容する断面略前U字形状の溝を有するとともに、この溝内には電線WHの余長部などを収容して固定するためにコードクリップ33を突設している。
【0025】
本実施形態の接続部35は、図2に示すように、機能部30の電線WHを挿通させている蓋352と床面との間の接続室351において、床面から垂直に立ち上がった接続用の導電性の刃353を設け、蓋352と床で挟み込むようにして、刃353で電線WHに切り込んでその電線WHとソケット32側の口金との電気的な接続を行う。なお、このような電線WHとソケット32側の口金との電気的な接続手段については、特に本実施形態のような構成に限定されるものではない。
【0026】
第2係止部36は、意匠部20に取付けた後の機能部30において、バニティランプ10を設けてある前側端部とは反対の、後側端部の下面30A(図2参照)で構成されており、バニティランプ10をルーフトリムTに組み付ける際に、機能部30の後側下面30Aを内装材R(内装部)に係止させる。特に本実施形態の第2係止部36は、意匠部20の本体20Aの掛止部211(又は枠状部21でもよい)による下側からの係止動作と協働して、ルーフトリムTの突部T2を上下方向から挟持させている。
【0027】
従って、本実施形態によれば、従来は別部品で構成されていた、意匠部20を構成するレンズ部及びベゼルに相当する部分を一体化させたもので構成しているので、部品点数の削減によるコストの削減、組み立て工数の削減は勿論のこと、部品単体化による低背化が容易かつ可能になるとともに、部品検査の簡素化が可能になる。また、本実施形態の第1係止部23は、従来のクリップに比べて形状が簡素化されたフックで構成しているので、開放形状となる分、製品の軽量化、放熱性能の向上を図ることも可能である。
【0028】
さらに、本実施形態によれば、意匠部20の第1係止部23と前側の外縁部211との間の隙間、及び意匠部20に装着後の機能部30の第2係止部36と意匠部20の後方側の外縁部211との間の隙間によって、内装部(内装材R)の開口部R1に取付けたルーフトリムTの突部T2を、それぞれ挟持させることができる。つまり、簡易な構成で、ランプ装置であるバニティランプ10を内装部(内装材R)に組み付けることができるわけである。
【0029】
次に、本実施形態に係るランプ装置であるバニティランプ10を天井部分に設けたルーフトリムTへ装着させる操作について、図2を参照しながら説明する。
【0030】
まず初めに、バニティランプ10について、意匠部20に機能部30を組み付けておく。即ち、図6(A)に示すように、意匠部20のブラケット24に設けたロック手段40の一部を構成する嵌合孔42に向けて、機能部30の本体31に設けたロック手段40の一部を構成する係合突起41を嵌入させる。これにより、同図(B)に示すように、意匠部20に機能部30をロックさせて一体化させておく。
【0031】
また、機能部30については、予め天井裏側に配線させてあった電線WHと機能部30との間の電気的な接続、つまり電線WHとランプL(又はバルブ)のソケット32との接続を、機能部30に設けた接続部35により、バニティランプ10のルーフトリムTへの組み付けに先立ち予め行っておくのが好ましい。
【0032】
このようにして、予め、電線WHとの接続が完了した機能部30を意匠部20に組み付けたバニティランプ10(図6(B)参照)を用い、天井部分に設けたルーフトリムTの開口部分の直下に配置させる。
【0033】
次に、図6に示すように、機能部30の方が天井部分に接近するような、バニティランプ10の後方を上方に向けた姿勢を保持させて、初めに後方側の機能部30がルーフトリムTの開口部をくぐり抜けるように、天井部分の奥部方向にバニティランプ10を差し入れる。
【0034】
その後、意匠部20の前方側の第1係止部23もルーフトリムTの開口部をくぐり抜けるように差し入れ、内装部(内装材R)の開口部R1の奥部まで挿入する。
【0035】
このようにして、バニティランプ10を天井裏まで挿入させたならば、次に、バニティランプ10の意匠部20の外周縁部である掛止部211の両側を手で把持し、バニティランプ10を手元側(車両の床側)に向けて引き出すようにする。これにより、図2に示すように、第1係止部23、及び第2係止部36と、バニティランプ10のそれぞれ第1係止部23及び第2係止部36近傍の掛止部211との間の隙間で、ルーフトリムTの開口部の突部T2の間を挟持させて組み付ける。
【0036】
この場合、ルーフトリムTの開口部の突部T2がある程度の柔軟性又は可撓性を有するものの場合には、突部T2を少し押し広げるようにして、バニティランプ10の掛止部211を引き出すようにすればよい。ところが、そのような構成となっていない場合には、天井部分に内装部(内装材R)を取付ける前に、事前に、内装部Rにバニティランプ10を組み付けておくようにすればよい。また、その場合には、電線WHも、機能部30と電気的に接続させておくようにしておけば、現場での作業が容易である。
【0037】
なお、ここで、組み付け状態を安定化させるために、例えばバニティランプ10の掛止部211の裏面(上面)などに両面テープを貼付させ2次的な固定処理を行っておくことで、ルーフトリムTに対する組み付け状態がより安定化し、ルーフトリムTからバニティランプ10が不用意に脱落することなども防止できる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図7及び図8を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
【0039】
図7及び図8は、本発明の第2の実施形態に係るランプ装置の取付構造を天井側の内装材R(内装部を構成する)に適用したバニティランプ50(本発明のランプ装置を構成する)を示すものである。
【0040】
このバニティランプ50が第1の実施形態のものと異なる点は、意匠部20の本体20Bでの従来のベゼルに相当する外縁部よりも、レンズ部分に対応する中央部が上方へ突出しており、外面(底面)側から見たときに窪んだ形状に形成されているが、第1の実施形態と同様、適宜の樹脂材料により外縁部と中央部とは一体成形されている。
【0041】
また、このバニティランプ50では、意匠部20に設けたブラケット25の形状と、意匠部20と機能部30とを組み付けるロック手段40の構成が異なる。
【0042】
このうち、ブラケット25については、第1の実施形態のブラケット25のようなリブ状の突起を持たない簡易な構成となっているが、下方側にベース部251を設けており、安定した姿勢を確保してある。なお、このブラケット25については、意匠部20の本体20Bと一体で樹脂成形するのが好ましいが、この一体成形が困難であれば別体で形成して本体20Bに組み付けたり固着させてもよい。
【0043】
一方、ロック手段40は、機能部の両側面に一対設けた略円形状の係合突起43及びこれに連なる方形突部44と、意匠部20に一対立設させたブラケット25に設けた、係合突起43が出入可能な略円形状の係合孔45及びこの係合孔45と外部との間を連通させる意匠部20の面方向に平行に切り欠いたガイド溝46と、を備える。なお、係合突起43および係合孔45の形状は円形に限るものではなく、矩形、多角形、楕円等の形状を適用可能であり、要は係合する形状であればよい。
【0044】
さらに、このバニティランプ50では、第1の実施形態の接続部35と異なり、接続部37を第1の実施形態の固定収容部34に対応する部分に設置けており、ここにはコードクリップ33の替わりに導電性の刃38を設けた。この刃38は、接続部37の壁面から垂直に立ち上がっており、左右の隙間に挟み込むようにして、刃38で電線WHに切り込んでその電線WHとソケット32側の口金との電気的な接続を行う。
【0045】
本実施形態によれば、第1の実施形態と異なり、図8に示すように、意匠部20の本体20B上面に沿ってβ方向にスライドさせることにより、機能部30を意匠部20にスムースに組み付けて一体に固定させることができる。なお、バニティランプ10を天井部分に設けたルーフトリムTへ装着させる組み付け作業については、第1の実施形態と同じである。
【0046】
従って、本実施形態でも、従来は別部品で構成されていた意匠部20を構成するレンズ及びベゼルに相当する部分を一体化させたもので構成しているので、部品点数の削減によるコストの削減、組み立て工数の削減は勿論のこと、部品単体化による低背化が容易かつ可能になるとともに、部品検査の簡素化が可能になる。また、製品の軽量化、放熱性能の向上を図ることも可能である。
【0047】
さらに、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、簡易な構成で、ランプ装置であるバニティランプ10を内装部(内装材R)に組み付けることができる。
【0048】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。例えば、本実施形態のバニティランプ10は、天井側に設置しているが特にこの天井に限定されるものではなく、例えば壁面または床面などに取付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る取付構造を適用させたバニティランプを示す平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】(A)および(B)はそのバニティランプの意匠部を示す構成図及び平面図である。
【図4】(A)はそのバニティランプの意匠部の側面図、(B)はその正面図である。
【図5】そのバニティランプの機能部を示す斜視図である。
【図6】(A)はそのバニティランプの意匠部に機能部を組み付ける前の状態を示す説明図、(B)はその意匠部に機能部を組み付けた後の状態を示す説明図である。
【図7】(A)は本発明の第2の実施形態に係る取付構造を適用させるバニティランプの意匠部に機能部を組み付ける前の状態を示す説明図、(B)はその意匠部に機能部を組み付けた後の状態を示す説明図である。
【図8】そのバニティランプの意匠部に機能部を組み付ける途中の状態を示す側面図、(B)はその意匠部に機能部を組み付けた後の状態を示す側面図である。
【図9】従来の取付構造に適用させる照明灯を示す構成図である。
【符号の説明】
【0050】
10 バニティランプ(ランプ装置)
20 意匠部
20A、20B (意匠部の)本体部
21 枠状部
211 掛止部(外周縁部)
22 窓部(レンズ)
23 第1係止部
24,25 ブラケット
30 機能部
30A 下面
31 本体
32 ソケット
33 コードクリップ
34 固定収容部
35,37 接続部
353,38 (導電性)刃
36 第2係止部(下面)
40 ロック手段
41、43 係合突起
42 嵌合孔
44 方形突部
45 係合孔
46 ガイド溝
R 天井側の内装材(内装部)
R1 開口部
T ルーフトリム
T0 溝
T1 外周縁部
T2 突部
WH 電線
β (意匠部の)本体部の面方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略薄板状の本体を有し、ランプからの光を外部へ出射する窓が該本体に設けられた意匠部と、前記ランプを有し、前記意匠部に組付け可能な機能部と、を備えるランプ装置を、内装材の略矩形状の開口部に取付けるためのランプ装置の取付構造であって、
前記意匠部は、前記本体の一端側の外縁部付近に、該意匠部に前記機能部を取り付ける際の該機能部に向かって突出するよう形成されたフックと、前記機能部を該意匠部に組みつけるために前記本体の他端側に立設されたブラケットと、を有し、
前記フックと前記本体の一端側の外縁部との間の隙間、及び前記ブラケットに装着された前記機能部の下面と前記本体の他端側の外縁部との間の隙間によって、それぞれ、前記開口部の一端側内縁部及び他端側内縁部を挟持させることで、前記ランプ装置を内装材に組み付けるように構成した、
ことを特徴とするランプ装置の取付構造。
【請求項2】
前記機能部の側面には、係合突起が形成され、
前記ブラケットには、該ブラケットに前記機能部を取り付けた際の前記係合突起に臨む箇所に、該係合突起と係合する嵌合孔が形成され、
前記機能部の前記係合突起が前記ブラケットの前記嵌合孔に係合することによって、前記意匠部に前記機能部が取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ装置の取付構造。
【請求項3】
前記機能部の側面には、係合突起が形成され、
前記ブラケットには、前記係合突起が係合する係合孔と外部との間を連通して切り欠いたガイド溝が形成され、
前記機能部の前記係合突起が前記ガイド溝によって案内され、前記ガイド溝より幅が広い前記係合孔に係合することによって、前記意匠部に前記機能部が取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ装置の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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