説明

ランプ装置

【課題】 最冷点温度を簡単な構造で直線形・丸形の蛍光ランプに近づけることができるランプ装置を提供する。
【解決手段】 ランプ装置1は、最冷点部20を有する細管部4を備えた放電発光管8と、放電発光管8を保持するインナーケース(放電発光管保持手段)6と、一端側でインナーケース6を支持し、他端側で電源に接続される口金2と連結され、放電発光管8を点灯するための点灯回路(図示せず)を収納する点灯回路収納カバー3とを具備し、細管部4における最冷点部20を点灯回路収納カバー3の外部に露出させたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプ装置に係り、特に口金、放電発光管及びそれを点灯するための点灯回路を備えたランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー等を目的として、インバータ式点灯回路を内蔵した電球形やコンパクト形の蛍光ランプ等のランプ装置が多く使用されるようになってきた。一般的に、この種の電球形蛍光ランプの点灯時における放電発光管の輻射熱は、直線形・丸形の蛍光ランプの輻射熱よりも高い。そのため、蛍光ランプの発光に不可欠な水銀の供給形態を両ランプで変えているのが現状である。すなわち、低輻射熱の直線形・丸形の蛍光ランプの場合は、純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入しているため、低温で放電発光管内の水銀蒸気圧が最適になり、始動時から安定点灯時まで一定の十分な光出力が得られる。これに対し、高輻射熱の電球形蛍光ランプの場合は、純水銀よりも高温で放電発光管内の水銀蒸気圧が最適になる水銀アマルガムを封入しているため、安定点灯時には十分な光出力が得られるが、始動時の低温時には十分な光出力が得られない。
【0003】
高輻射熱である電球形蛍光ランプにおいても始動時から十分な光出力を得るためには、直線形・丸形の蛍光ランプと同様に純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入するうえ、放電発光管の輻射熱を外部に放出して、放電発光管内の水銀が集まる最冷点温度を直線形・丸形の蛍光ランプに近づける必要がある。
【0004】
この種のランプ装置は、例えば特許文献1に記載されている。この技術は、点灯中のランプ装置の放電発光管より輻射される熱気をランプ装置の外部に強制的に排出することにより、最冷点温度を下げて始動時と安定点灯時に十分に光出力が得ようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−087867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
放電発光管内の水銀が集まる最冷点温度を直線形・丸形の蛍光ランプに近づけるために外部から強制的に排熱させると、その構造が複雑であるため、簡単な構造で最冷点温度を下げる必要がある。
【0007】
従って本発明の目的は、最冷点温度を簡単な構造で直線形・丸形の蛍光ランプに近づけることができるランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下のランプ装置を提供する。
(1)最冷点部を有する細管部を備えた放電発光管と、前記放電発光管を保持する放電発光管保持手段と、一端側で前記放電発光管保持手段を支持し、他端側で電源に接続される口金と連結され、前記放電発光管を点灯するための点灯回路を収納する点灯回路収納カバーとを具備するランプ装置であって、前記細管部における最冷点部を前記点灯回路収納カバーの外部に露出させたことを特徴とするランプ装置。
(2)前記細管部における最冷点部が、前記点灯回路収納カバーの外側に形成された凹部に収容されることを特徴とする上記(1)記載のランプ装置。
(3)前記細管部における最冷点部に連結される放熱材を備えたことを特徴とする上記(1)または(2)記載のランプ装置。
(4)前記細管部における最冷点部を前記口金に連結する伝熱材を備えたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のランプ装置。
(5)前記口金側の伝熱材が、前記点灯回路収納カバーと前記口金との間に挟まれていることを特徴とする上記(4)記載のランプ装置。
(6)前記細管部と前記点灯回路との間に輻射熱の影響を軽減するための介在物を備えたことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のランプ装置。
(7)前記点灯回路収納カバーが前記細管部における最冷点部を外部に露出させるための開口部を有し、前記開口部における前記細管部の周囲に、前記点灯回路収納カバー内部への異物混入を防止するための介在物を備えたことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のランプ装置。
(8)前記点灯回路収納カバーの外部に露出する細管部を通気状態で覆う保護カバーを備えたことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のランプ装置。
(9)前記保護カバーが、前記外部に露出する細管部を包むように形成された前記点灯回路収納カバーの外表面の一部であることを特徴とする上記(8)記載のランプ装置。
(10)前記保護カバーが、前記外部に露出する細管部を覆うメッシュカバーであることを特徴とする上記(8)記載のランプ装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、最冷点温度を簡単な構造で直線形・丸形の蛍光ランプに近づけることができ、始動時から安定点灯時まで十分な光出力を得られるランプ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るランプ装置の実施例1を示す図で、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A‘断面図である。
【図2】本発明に係るランプ装置の実施例2を示す図1のA−A‘対応断面図である。
【図3】本発明に係るランプ装置の実施例3を示す図1のA−A‘対応断面図である。
【図4】本発明に係るランプ装置の実施例4を示す図1のA−A‘対応断面図である。
【図5】本発明に係るランプ装置の実施例5を示す図1のA−A‘対応断面図である。
【図6】本発明に係るランプ装置の実施例6を示す図1のA−A‘対応断面図である。
【図7】本発明に係るランプ装置の実施例7を示す図1のA−A‘対応断面図である。
【図8】本発明に係るランプ装置の実施例8を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るランプ装置の実施例9を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るランプ装置の実施例を蛍光ランプの場合を例にとって図面にしたがって説明する。図中に記載する参照符号は以下に説明する各実施例において全て共通符号とする。各図において、参照符号1はランプ装置、2はE26口金、3は点灯回路収納カバー、4は放電発光管の最冷点部を有する細管部、5は細管部の貫通孔(点灯回路収納カバーの開口部)、6はインナーケース(放電発光管保持手段)、7はグローブ、8は放電発光管、9は銅製金具(放熱材)、10は樹脂製伝熱材、11は点灯回路収納カバー内部のリブ、12はシリコーン材(断熱材)、13はメッシュカバー、20は放電発光管の最冷点部、21は点灯回路収納カバーの外側に形成された凹部である。
【0012】
(実施例1)
図1は、本発明に係るランプ装置の実施例1を示す図で、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA−A‘断面図である。本ランプ装置は、図示のように、E26口金2と、樹脂製の点灯回路収納カバー3と、例えば1つまたは複数のU字状屈曲形バルブからなる放電発光管8と、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4と、放電発光管8を点灯させる回路(図示せず)と、放電発光管8と点灯回路(図示せず)を保持する樹脂製のインナーケース6と、放電発光管8を覆うガラスグローブ等のグローブ7とを備えて構成される。放電発光管8は、両端に電極を備え、内部には水銀および希ガスを含む放電媒体が封入されており、また、内面には蛍光体が塗布されている。放電発光管8はグローブ7で覆われている。
【0013】
これらの構成要素のうち、樹脂製の点灯回路収納カバー3には、図1に示すように、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4を点灯回路収納カバー3内部から外部に貫通するための貫通孔5が形成され、細管部4が点灯回路収納カバー3の外部に露出している。
【0014】
すなわち、本実施例は、最冷点部20を有する細管部4を備えた放電発光管8と、放電発光管8を保持するインナーケース(放電発光管保持手段)6と、一端側でインナーケース6を支持し、他端側で電源に接続される口金2と連結され、放電発光管8を点灯するための点灯回路(図示せず)を収納する点灯回路収納カバー3とを具備し、細管部4における最冷点部20を点灯回路収納カバー3の外部に露出させている。細管部4における最冷点部20は、例えば点灯回路収納カバーの外側に形成された凹部21に収容されるが、これに限定されない。
【0015】
本実施例における、細管部4が点灯回路収納カバー3の外部に露出していることによる効果は次のとおりである。すなわち、点灯中に放電発光管8や点灯回路(図示せず)から輻射される熱気が留まるグローブ7と点灯回路収納カバー3に囲まれた空間の外部に、最冷点とを有する細管部4を配置することで細管部4が熱気の影響を受け難くなり、さらに細管部4が外気に触れることにより、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4の温度が低下する。点灯回路収納カバー3内空間に最冷点部を有する細管部が配置されていた従来のランプ装置における放電発光管の最冷点温度は115℃であった。本発明における放電発光管の最冷点温度は70℃であるため、従来のランプ装置の最冷点温度より約50℃の低減効果を得られ、直線形・丸形の蛍光ランプにおける発光管の最冷点温度である40℃に近づけることができた。これにより、本ランプ装置では、放電発光管8に低輻射熱の直線形・丸形の蛍光ランプの場合と同様な純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入することができ、点灯安定時及び始動時を含む点灯直後に十分な光出力を得ることができる。本実施例では、純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入した。
【0016】
(実施例2)
図2は、本発明に係るランプ装置の実施例2を示す図1のA−A‘対応断面図である。本ランプ装置は、図示のように、実施例1の構成に加えて、細管部4における最冷点部20に銅製金具(放熱材)9を連結させた構成である。すなわち、本実施例は、細管部における最冷点部に連結される放熱材を備えるものである。
【0017】
本実施例における、細管部4が点灯回路収納カバー3の外部に露出し、細管部4における最冷点部20に銅製金具(放熱材)9を連結させることによる効果は次のとおりである。すなわち、点灯中に放電発光管8や点灯回路(図示せず)から輻射される熱気が留まるグローブ7と点灯回路収納カバー3に囲まれた空間の外部に最冷点部を有する細管部4を配置することで、細管部4が熱気の影響を受け難くなり、さらに細管部4に銅製金具9を放熱材として連結させ外気に放熱させることにより、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4の温度が低下するため、純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入することができ、点灯安定時及び始動時を含む点灯直後に十分な光出力を得ることができる。
【0018】
放熱材は銅製金具9に限定されるものではなく、例えば放熱性に優れたアルミなど銅製以外の金属材やシリコーン材や樹脂でも構わない。
【0019】
(実施例3)
図3は、本発明に係るランプ装置の実施例3を示す図1のA−A‘対応断面図である。本ランプ装置は、図示のように、実施例1の構成に加えて、細管部4における最冷点部に樹脂製伝熱材10の一端が連結され、他端がE26口金2に連結させた構成である。ここで、口金側の伝熱材10は、点灯回路収納カバー3と口金2との間に挟まれている。
【0020】
本実施例における、細管部4が点灯回路収納カバー3外部に露出し、細管部4樹脂製伝熱材10の一端が直接連結され、他端がE26口金2に直接連結させることによる効果は次のとおりである。すなわち、点灯中に放電発光管8や点灯回路(図示せず)から輻射される熱気が留まるグローブ7と点灯回路収納カバー3に囲まれた空間の外部に最冷点部を有する細管部4を配置することで、細管部4が熱気の影響を受け難くなり、さらに細管部4に樹脂製伝熱材10として連結させ、E26口金2を介して電源口金ソケットに放熱させることと、外気に放熱させることにより、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4の温度が低下するため、純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入することができ、点灯安定時及び始動時を含む点灯直後に十分な光出力を得ることができる。
【0021】
樹脂製伝熱材10は点灯回路収納カバー3とE26口金2との間に挟まれることで、樹脂製伝熱材10とE26口金2は熱的に接続され、かつ簡単に固定できる。
【0022】
伝熱材は樹脂製に限定されるものではなく、例えば放熱性に優れた金属材や、シリコーン材でも構わない。但し、伝熱材が導電性である場合は、口金との電気的接続による感電防止が施されていることが好ましく、口金と導電性伝熱材との間には絶縁材を介することで間接的に熱的に接続するか、導電性伝熱材の外表面を絶縁物で覆うことが必要である。また、口金はE26に限定されるものではなく、例えばE17口金でも構わない。
【0023】
(実施例4)
図4は、本発明に係るランプ装置の実施例4を示す図1のA−A‘対応断面図である。本ランプ装置は、図示のように、実施例1の構成に加えて、点灯回路収納カバー3内部の細管部4の周辺に放電発光管8や点灯回路(図示せず)の輻射熱を軽減するための介在物としてリブ11を備えた構成である。すなわち、本実施例では、細管部と点灯回路との間に輻射熱の影響を軽減するための介在物としてリブを備える。
【0024】
本実施例における、細管部4が点灯回路収納カバー3外部に露出し、細管部4の周辺にリブを備えたことによる効果は次のとおりである。すなわち、点灯中に放電発光管8や点灯回路(図示せず)から輻射される熱気が留まるグローブ7と点灯回路収納カバー3に囲まれた空間内において、点灯回路(図示せず)と細管部4との間にリブ11を設け、点灯回路(図示せず)の輻射熱を直接細管部4が受けなくなり、グローブ7と点灯回路収納カバー3に囲まれた空間の外部に最冷点となる細管部4を配置することで、細管部4が熱気の影響を受け難くなり、さらに細管部4が外気に触れることにより、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4の温度が低下するため、純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入することができ、点灯安定時及び始動時を含む点灯直後に十分な光出力を得ることができる。
【0025】
(実施例5〜7)
図5は、本発明に係るランプ装置の実施例5を示す図1のA−A‘対応断面図、図6は、本発明に係るランプ装置の実施例6を示す図1のA−A‘対応断面図、図7は、本発明に係るランプ装置の実施例7を示す図1のA−A‘対応断面図である。本ランプ装置は、図示のように、実施例1の構成に加えて、細管部4周辺部に放電発光管8や点灯回路(図示せず)の輻射熱を軽減し、点灯回路収納カバー3内部への異物混入を防止し、細管部4への外圧破損を軽減するための介在物としてシリコーン材12を充填させた構成である。すなわち、点灯回路収納カバーは細管部における最冷点部を外部に露出させるための開口部(細管部の貫通孔)を有しており、本実施例では、この開口部(貫通孔5)における細管部の周囲に、例えば点灯回路収納カバー内部への異物混入を防止するための介在物を備える。この介在物は、輻射熱を軽減する機能、または細管部への外圧破損を軽減する機能、またはその両方の機能をもつように構成することもできる。
【0026】
本実施例における、細管部4が点灯回路収納カバー2外部に露出し、細管部4にシリコーン材12を充填させることによる効果は次のとおりである。すなわち、点灯中に放電発光管8や点灯回路(図示せず)から輻射される熱気が留まるグローブ7と点灯回路収納カバー3に囲まれた空間の外部に最冷点を有する細管部4を配置することに加え、細管部4周辺部へ充填されたシリコーン材がグローブ7と点灯回路収納カバー3に囲まれた空間と外部を遮断することにより、細管部4が熱気の影響を受け難くなり、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4の温度が低下するため、純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入することができ、点灯安定時及び始動時を含む点灯直後に十分な光出力を得ることができる。
【0027】
また、細管部4を点灯回路収納カバー3内部から貫通孔5を通して外部に露出させていることにより、貫通孔5と細管4に隙間が生じてしまう。しかしこの隙間は、塵や埃や水分や虫などの異物をランプ装置の外部から内部への進入を許し、ランプ装置の故障や不具合の原因になる恐れがある。シリコーン材12をこの隙間を埋めるように充填することにより、ランプ装置内への異物の進入を防止することができる。
【0028】
さらに、細管部4はガラス材で構成されているため、細管部4への外圧や振動により破損しやすい。シリコーン材12を細管部4と点灯回路収納カバー3の間に充填させることにより、緩衝効果が得られ、細管部4の外圧や振動による破損を軽減することができる。
【0029】
シリコーン材12は、細管部4全体を包み覆うように充填しても構わないし(図5)、細管部4の一部に充填しても構わない(図6)。また、細管部4へのシリコーン材12充填箇所は、点灯回路収納カバー3の外部(図5、図6)でも構わないし内部(図7)でも構わない。
【0030】
介在物はシリコーン材に限定するものではなく、例えばグラスウールなどの断熱材やセメントでも構わない。
【0031】
(実施例8)
図8は、本発明に係るランプ装置の実施例8を示す斜視図である。本ランプ装置は、図示のように、実施例1の構成に加えて、細管部4の外圧破損軽減のために放電発光管8の最冷点部を有する細管部4を外部に露出させている点灯回路収納カバー3の外表面の一部が、細管部4を包むように覆う構成である。すなわち、本実施例では、点灯回路収納カバーの外部に露出する細管部を通気状態で覆う保護カバーを、細管部を包むように形成された点灯回路収納カバーの外表面の一部14で構成したものであるが、これに限定されず、例えば後述のように点灯回路収納カバーとは別のメッシュカバー等を用いることができる。
【0032】
本実施例における、細管部4が点灯回路収納カバー3外部に露出し、点灯回路収納カバー3の外表面の一部が細管部4を包むように覆うことによる効果は次のとおりである。すなわち、細管部4はガラス材で構成されているため、細管部4は外圧を受けることにより破損しやすい。そのため、口金電源ソケットから本ランプ装置を着脱する際には、細管部4に指が触れ指圧により細管部4が破損する恐れがある。また、指以外の物体接触による破損も考えられる。
【0033】
このような細管部4の破損を軽減するために、細管4を外部に露出させている点灯回路収納カバー3の外表面の一部が、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4を包むように覆う構成にすることで、指が細管部4に直接触れることができない。また、指以外の物体も細管部4に接触する頻度が軽減される。
【0034】
但し、最冷点部を有する細管部4は外気に触れることで温度を低下させる必要があるので、細管部4への外気の対流による温度低下効果が保たれた点灯回路収納カバー3構成である。
【0035】
(実施例9)
図9は、本発明に係るランプ装置の実施例9を示す斜視図である。本ランプ装置は、図示のように、実施例1の構成に加えて、細管部4の外圧破損軽減のために点灯回路収納カバー3に保護カバーとしてメッシュカバー13を備えた構成である。
【0036】
本実施例における、細管部4が点灯回路収納カバー3の外部に露出し、点灯回路収納カバー3にメッシュカバー13を備えたことによる効果は次のとおりである。すなわち、細管部4はガラス材で構成されているため、細管部4は外圧を受けることにより破損しやすい。そのため、口金電源ソケットから本ランプ装置を着脱する際には、ランプ細管部4に指が触れ指圧により細管部4が破損する恐れがある。また、指以外の物体接触による破損も考えられる。
【0037】
このような細管部4の破損を軽減するために、細管4を外部に露出させている点灯回路収納カバー3にメッシュカバー13を備え、放電発光管8の最冷点部を有する細管部4をメッシュカバー13で覆う構成にすることで、指が細管部4に直接触れることができない。また、指以外の物体も細管部4に接触する頻度が軽減される。
【0038】
但し、最冷点を有する細管部4は外気に触れることで温度を低下させる必要があるので、細管部4への外気の対流による温度低下効果を有した点灯回路収納カバー3の構成である。
【0039】
本発明のランプ装置の放電発光管8はU字状屈曲形バルブに限定するものではなく、例えばスパイラル形状でも構わない。
【0040】
本発明のランプ装置はグローブ7を備えるものに限定するものではなく、例えばグローブレスタイプでも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明はランプ装置に係り、点灯安定時及び始動時を含む点灯直後に十分な光出力を得ることができるランプ装置に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0042】
1 ランプ装置
2 E26口金
3 点灯回路収納カバー
4 最冷点となる細管
5 最冷点となる細管の貫通孔
6 インナーケース(放電発光管保持手段)
7 グローブ
8 放電発光管
9 銅製金具(伝熱材)
10 樹脂製伝熱材
11 点灯回路収納カバー内部のリブ
12 シリコーン材
13 メッシュカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最冷点部を有する細管部を備えた放電発光管と、前記放電発光管を保持する放電発光管保持手段と、一端側で前記放電発光管保持手段を支持し、他端側で電源に接続される口金と連結され、前記放電発光管を点灯するための点灯回路を収納する点灯回路収納カバーとを具備するランプ装置であって、前記細管部における最冷点部を前記点灯回路収納カバーの外部に露出させたことを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
前記細管部における最冷点部が、前記点灯回路収納カバーの外側に形成された凹部に収容されることを特徴とする請求項1記載のランプ装置。
【請求項3】
前記細管部における最冷点部に連結される放熱材を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のランプ装置。
【請求項4】
前記細管部における最冷点部を前記口金に連結する伝熱材を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のランプ装置。
【請求項5】
前記口金側の伝熱材が、前記点灯回路収納カバーと前記口金との間に挟まれていることを特徴とする請求項4記載のランプ装置。
【請求項6】
前記細管部と前記点灯回路との間に輻射熱の影響を軽減するための介在物を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のランプ装置。
【請求項7】
前記点灯回路収納カバーが前記細管部における最冷点部を外部に露出させるための開口部を有し、前記開口部における前記細管部の周囲に、前記点灯回路収納カバー内部への異物混入を防止するための介在物を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のランプ装置。
【請求項8】
前記点灯回路収納カバーの外部に露出する細管部を通気状態で覆う保護カバーを備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のランプ装置。
【請求項9】
前記保護カバーが、前記外部に露出する細管部を包むように形成された前記点灯回路収納カバーの外表面の一部であることを特徴とする請求項8記載のランプ装置。
【請求項10】
前記保護カバーが、前記外部に露出する細管部を覆うメッシュカバーであることを特徴とする請求項8記載のランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−244915(P2010−244915A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93604(P2009−93604)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】