説明

ランプ

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気密状に密封され且つその中には電気素子が入れられたランプ容器であって、前記の電気素子はランプ容器のシールを通って外部に出る第1の導線及び第2の導線に接続された該ランプ容器と、シールのまわりで第1の端部と固定され且つ第1の導線と接続された略々矩形の金属のスリーブと、このスリーブと第2の端部において固定された側面と第1の端面及び第2の端面をそなえた絶縁体と、この絶縁体に固定され且つスリーブの外側から第1の端面と第2の端を経て絶縁体を通って延在する接触片と、スリーブの内部突起が入る側面のみぞを有する絶縁体とを有するランプに関するものである。
【0002】このようなランプは英国特許第2093632A号より知られており、車輌用ランプとして用いられることができる。このランプは例えばH−1ランプとして構成され、ランプ容器内にスリーブの方向にハロゲン含有ガス中に配設された白熱体を有することができる。既知のランプの絶縁体は、端面の間の側面に孔を有し、この孔は、対向した側面の方に延在し、絶縁体をスリーブ内に固定するように該スリーブが内部突起と共に入る。
【0003】このような孔の形成は、絶縁体の製造に対して高くつく多重モールド(multiple mould) を必要とするので、合成樹脂でつくられた絶縁体の場合には、絶縁体の製造後にドリルにより孔を設ける方が魅力がある。けれども、合成樹脂の使用は危険を含む、すなわち、ランプが光学システム例えばリフレクタ内で使用される場合、合成樹脂よりの揮発成分が光学システムに付着して汚すことがある。この理由でセラミック絶縁体の方が選ばれる。
【0004】既知のランプのセラミック絶縁体の欠点は、絶縁体の製造に多重モールドが必要なことである。その理由は、形成されたセラミック体に後で工業的に魅力のある方法で孔を設けることができないからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造が容易な構造を有する冒頭記載の種類のランプを得ることを目的とする。更に詳しく云えば、製造が容易な絶縁体を有するこのようなランプを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は次のような特徴を有する、すなわち、絶縁体のみぞは第1の端面内に延在し、スリーブは第2の端面において絶縁体と共働する狭搾部を有し、内部突起とこの狭搾部が絶縁体をスリーブにしっかりと固定状態に保つようにしたことを特徴とする。ここで、みぞは、側面における浅いくぼみを意味する。
【0007】本発明によるランプのみぞは第1の端面を延在しているので、絶縁体は、第1の端面を形成するモールド部分がみぞも形成する簡単な2部分モールド(two −part mould) でつくることができる。けれども、第1端面への連続したみぞは、スリーズの内部突起が絶縁体に対する一方向にだけのストップを形成することを意味する。したがって、絶縁体を反対方向に阻止するために、スリーブに、第2の端面近くで絶縁体と共働する狭搾部が存する。
【0008】みぞは、第1の側面から、内部突起がスリーブの端にある距離だけ延在することができる。好ましい実施態様では、みぞは、絶縁体における開口である。この開口は、絶縁体の側面における開口である。みぞは、この場合接触片迄続く。別の実施態様では、絶縁体は、2つの対向する側面の夫々に対応したみぞを有する。この場合スリーブはこれ等の対向する側面の夫々に突出するようにつくられる。絶縁体の開口は、浅いみぞに対して次のような利点を有する。すなわち、内向きの突起をつくる工具はその動作中大きなストロークを果たすことができるので、スリーブの壁は突起の製造中に貫通され、スリーブの僅かな変形を生じ、したがって非常にしっかりした結合が得られる。内部突起の範囲内において接触片にこの突起よりも大きい、例えば絶縁体の突起よりも広い孔を与えるのが好ましい。この孔は例えば半円形とすることができる。この孔はまた前記の工具のストロークを増し、突起を有するスリーブが接触片と接触しないことを保証する。
【0009】スリーブの狭搾部は種々の方法、例えば、スリーブより内向きに切起された舌片によって実現することができる。けれども、便利なのは1つまたは幾つかのくびれである。好ましい実施例では、絶縁体は第2の端面に近い側面に第2のみぞを有し、このみぞと狭搾部が共働する。この場合接触片と狭搾部の間に十分な間隔が保証される。
【0010】絶縁体の第1の端面はスリーブの内側にあってもよいが、第2の端面がそこにあれば都合がよい。スリーブにはこの場合前以って狭搾部が設けられ、内部突起がスリーブの固定後に設けられ、絶縁体が一緒に結合されることができる。接触片は、種々の方法、例えば接触片を公知のように平らにすることによって絶縁体に固定されることができる。
【0011】
【実施例】図1において、ランプは、気密状に密封されたランプ容器を有し、このランプ容器内には、図では例えばハロゲン含有ガス中の白熱体である電気素子が入れられている。この電気素子は、ランプ容器のシール2を通って外部に出る第1及び第2の導線4,5に接続される。略々矩形の金属スリーブ10が前記のシール2のまわりで第1の端部11と固定され、第1の導線4に接続される。絶縁体20は側面21−24を有し、第1及び第2の端面25, 26は、スリーブ10の第2の端部内に固定される。絶縁体20内に固定された接続片30は、スリーブ10の外側から端面25, 26を経て絶縁体20を通って延在し、スリーブ10内部の導線5と接続される。絶縁体20は側面21にみぞ27を有し、このみぞ内に、スリーブ10の内部突起13が入る。
【0012】絶縁体20のみぞ27は、第1端面25内に延在し、スリーブ10は、第2の端面26近くで絶縁体20と共働する狭搾部この場合には内部に切起した片舌を有する。突起13と狭搾部14は絶縁体20をスリーブ10にしっかりと固定状態に保つ。図において第2の端面26はスリーブの中にあり、第1の端面25は外にある。別の実施例では、これは幾何形状的に逆とすることができる。
【0013】図2において、図1に相当するスリーブ部分は同じ符号を付してある。第1の端部はランプ容器のシールを把持するかたい弾性のある舌片15を有する。窓16内には、互に対面する舌片17が延在し、この舌片の間に第1の導線4が溶接によって固着されることができる。スリーブの狭搾部を形成する舌片14は、絶縁体20がスリーブ内を内方にずれるのを阻止するためにある。細長い凹部18が、絶縁体の横道を閉じるために該絶体の側面を押するためにある。接触片30との第2の導線5の接続は、窓16内ですることができる。
【0014】図3では、みぞ27は、セラミック絶縁体20の開口である。このみぞ27は2つの対向した側面21, 23にあり、このため図において絶縁体は側面21から側面23に連続した開口を有する。接触片30には、内部突起13の範囲において孔31があり、この孔は、突起13の範囲における前記のみぞ27よりも広い。
【0015】絶縁体20は、その第2の端面26近くに、スリーブ20の狭搾部14と共働する第2のみぞ28を有する。図1の内部突起13は丸い。けれども、図3のみぞ27は、突起13がスリーブの端にあってその結果例えば半円形であるように端面25より僅かに延在してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のランプの一実施例の側面図。
【図2】 図1の変形実施例の側面図。
【図3】 図1に示した接触片を有する絶縁体の側面図。
【符号の説明】
10 スリーブ
11 スリーブの第1の端部
12 スリーブの第2の端部
14 狭搾部
20 絶縁体
21−24 絶縁体の側面
25 絶縁体の第1の端面
26 絶縁体の第2の端面
27 みぞ
30 接触片

【特許請求の範囲】
【請求項1】 気密状に密封され且つその中には電気素子(3) が入れられたランプ容器(1) であって、前記の電気素子はランプ容器のシール(2) を通って外部に出る第1の導線(4) 及び第2の導線(5) に接続された該ランプ容器(1) と、シール(2) のまわりで第1の端部(11)と固定され且つ第1の導線(4) と接続された略々矩形の金属のスリーブ(10)と、このスリーブ(10)と第2の端部(12)において固定された側面 (21−24) と第1の端面(25)及び第2の端面(26)をそなえた絶縁体(20)と、この絶縁体(20)に固定され且つスリーブ(10)の外側から第1の端面(25)と第2の端面(26)を経て絶縁体(20)を通って延在する接触片(30)と、スリーブ(10)の内部突起(13)が入る側面(21)のみぞ(27)を有する絶縁体(20)とを有するランプにおいて、絶縁体(20)のみぞ(27)は第1の端面(25)内に延在し、スリーブ(10)は第2の端面(26)において絶縁体(20)と共働する狭搾部(14)を有し、内部突起(13)とこの狭搾部(14)が絶縁体(20)をスリーブ(10)にしっかりと固定状態に保つようにしたことを特徴とするランプ。
【請求項2】 みぞ(27)は、絶縁体(20)の2つの対向する側面(21 、23) における開口として形成されている請求項1のランプ。
【請求項3】 みぞ(27)は、2つの対向する側面 (21、23) にある請求項1または2のランプ。
【請求項4】 孔(31)が内部突起より広い範囲において接触片(30)に存する請求項2または3のランプ。
【請求項5】 絶縁体(20)は、その第2の端面(26)近くにスリーブ(10)の狭搾部(14)と共働する第2のみぞ(28)を有する請求項1のランプ。
【請求項6】 狭搾部(14)は、少なくとも1つのへこみより成る請求項1または5のランプ。
【請求項7】 細長い凹部がスリーブ(10)に存し、絶縁体(20)の側面(24)を押圧する請求項1のランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【特許番号】特許第3465913号(P3465913)
【登録日】平成15年8月29日(2003.8.29)
【発行日】平成15年11月10日(2003.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−298938
【出願日】平成4年11月9日(1992.11.9)
【公開番号】特開平6−29008
【公開日】平成6年2月4日(1994.2.4)
【審査請求日】平成11年11月8日(1999.11.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【参考文献】
【文献】特開 昭61−64062(JP,A)
【文献】実開 平4−98260(JP,U)
【文献】英国特許出願公開2093632(GB,A)