リガンド
【課題】所定の結合特異性を有する二重特異性リガンドの提供。
【解決手段】本発明は、第1の結合特異性を有する第1の免疫グロブリン可変ドメイン、およびそれと相補的なまたは非相補的な、第2の結合特異性を有する免疫グロブリン可変ドメインを含んでなる二重特異性リガンドを提供する。
【解決手段】本発明は、第1の結合特異性を有する第1の免疫グロブリン可変ドメイン、およびそれと相補的なまたは非相補的な、第2の結合特異性を有する免疫グロブリン可変ドメインを含んでなる二重特異性リガンドを提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエピトープまたは抗原に対する結合特異性を有する第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン、および第2のエピトープまたは抗原に対する結合活性を有する第2の相補的免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでなる二重特異性リガンドであって、該抗原またはエピトープの一方または双方がin vivoでの該リガンドの半減期を延長させるように作用し、該第1のおよび第2のドメインが、同一の特異性を共有する互いに相補的なドメインを欠いているが、但し該二重特異性リガンドは抗HSA VHドメインおよび抗β-ガラクトシダーゼVκドメインからなるものではない、二重特異性リガンド。
【請求項2】
抗体の少なくとも1つの単一重鎖可変ドメインおよび抗体の1つの相補的単一軽鎖可変ドメインを含んでなり、それによりその2つの領域が結合して相補的VH/VL対を形成することができる、請求項1に記載の二重特異性リガンド。
【請求項3】
前記VHおよびVLが抗体scFvフラグメントによって提供される、請求項2に記載の二重特異性リガンド。
【請求項4】
前記VHおよびVLが抗体Fab領域によって提供される、請求項2に記載の二重特異性リガンド。
【請求項5】
請求項2に記載の二重特異性リガンドを含んでなる4本鎖IgG免疫グロブリンリガンド。
【請求項6】
そのIgGが2つの二重特異性リガンドを含んでなり、該二重特異性リガンドはそれらの可変ドメインが同一である、請求項5に記載の4本鎖IgG免疫グロブリンリガンド。
【請求項7】
そのIgGが2つの二重特異性リガンドを含んでなり、該二重特異性リガンドはそれらの可変ドメインが異なるものである、請求項5に記載の4本鎖IgG免疫グロブリンリガンド。
【請求項8】
第1の抗原またはエピトープに対する結合特異性を有する第1の免疫グロブリン可変ドメイン、および第2の抗原またはエピトープに対する結合特異性を有する第2の免疫グロブリン可変ドメインを含んでなるリガンドであって、該第1のおよび第2の可変ドメインのうちの一方または双方が、in vivoで該リガンドの半減期を延長させる抗原と結合し、かつ、該可変ドメインが互いに相補的ではない、リガンド。
【請求項9】
第1のおよび第2の免疫グロブリン可変ドメインが重鎖可変ドメイン(VH)である、請求項8に記載のリガンド。
【請求項10】
第1のおよび第2の免疫グロブリン可変ドメインが軽鎖可変ドメイン(VL)である、請求項8に記載のリガンド。
【請求項11】
第1のおよび第2のエピトープが独立に結合し、それにより前記二重特異性リガンドが第1のおよび第2のエピトープもしくは抗原の双方と同時に結合することができる、請求項1〜10のいずれかに記載のリガンド。
【請求項12】
前記二重特異性リガンドが、溶液中で平衡状態にある第1の形態と第2の形態を含んでなり、双方のエピトープまたは抗原がともに第1の形態とは独立に結合するが、第2の形態への結合に対しては競合する、請求項11に記載のリガンド。
【請求項13】
前記可変領域が、前記エピトープまたは抗原に対する免疫グロブリン由来のものである、請求項1〜12のいずれかに記載のリガンド。
【請求項14】
第1のおよび第2のエピトープが別々の抗原上に存在する、請求項1〜13のいずれかに記載のリガンド。
【請求項15】
第1のおよび第2のエピトープが同一の抗原上に存在する、請求項1〜11のいずれかに記載のリガンド。
【請求項16】
単一抗体ドメインのレパートリー由来の可変ドメインを含んでなる、請求項1〜15のいずれかに記載のリガンド。
【請求項17】
前記レパートリーが線状バクテリオファージの表面上に提示されており、前記単一抗体ドメインが該バクテリオファージレパートリーの抗原に対する結合によって選択されている、請求項16に記載のリガンド。
【請求項18】
少なくとも1つの可変ドメインの配列が突然変異またはDNAシャッフリングによって改変されている、請求項1〜17のいずれかに記載のリガンド。
【請求項19】
前記可変領域が非共有結合している、請求項1〜18のいずれかに記載の二重特異性リガンド。
【請求項20】
前記可変領域が共有結合している、請求項1〜18のいずれかに記載の二重特異性リガンド。
【請求項21】
前記共有結合がジスルフィド結合によって媒介されるものである、請求項20に記載の二重特異性リガンド。
【請求項22】
ヒトTNFαから、表面プラズモン共鳴で測定する場合に50 nM〜20 pMの解離定数(Kd)、5 x 10-1〜1 x 10-7 S-1のKoff速度定数で解離する、TNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項23】
dAbがVκである、請求項22に記載のTNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項24】
ヒトTNF受容体から、表面プラズモン共鳴で測定する場合に50 nM〜20 pMの解離定数(Kd)、5 x 10-1〜1 x 10-7 S-1のKoff速度定数で解離する、TNF受容体1(p55)に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項25】
単量体が、標準的な細胞アッセイでヒトTNFαまたはTNF受容体1を、500 nM〜50 pMのND50で中和する、請求項22〜24のいずれかに記載のdAb単量体リガンド。
【請求項26】
TNF受容体1(p55)に特異的なdAb単量体リガンドであって、標準的な細胞アッセイにおいて該dAbがTNF受容体1の活性に対し≦100 nMのND50にてアンタゴニスト作用をもたらし、該アッセイにおいて該dAbは≦10 μMの濃度でTNF受容体1の活性に対し≦5%のアゴニスト作用をもたらす、リガンド。
【請求項27】
表面プラズモン共鳴で測定する場合に1 nM〜500 μMの解離定数(Kd)で血清アルブミン(SA)から解離する、SAに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項28】
標準的なリガンド結合アッセイにおいて、前記単量体が、SAと1 nM〜500 μMのIC50で結合する、請求項27に記載のdAb単量体リガンド。
【請求項29】
dAbが、TAR1-5-19のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項30】
dAbが、TAR1-5のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項31】
dAbが、TAR1-27のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項32】
dAbが、TAR2-10のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNF受容体1に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項33】
dAbが、TAR2-10のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも90%相同な配列を含んでなる、TNF受容体1に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項34】
dAbが、TAR2-5のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNF受容体1に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項35】
dAbが、TAR2-5のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも90%相同な配列を含んでなる、TNF受容体1に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項36】
dAbが、MSA-16のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、SAに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項37】
dAbが、MSA-26のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、SAに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項38】
TNFα、TNF受容体1、またはSAがヒト型のものである、請求項29〜37のいずれかに記載のdAb単量体。
【請求項39】
末端にシステイン残基をさらに含んでなる、dAb単量体。
【請求項40】
末端にシステイン酸基をさらに含んでなる、請求項29〜38のいずれかに記載のdAb単量体。
【請求項41】
請求項22〜40のいずれかに記載のdAb単量体を少なくとも1つ含んでなる、二重特異性リガンド。
【請求項42】
二量体である、請求項41に記載の二重特異性リガンド。
【請求項43】
二量体が、請求項22、23、および28〜30のいずれか1項に記載の抗ヒトTNFαdAb、ならびに請求項26、27、および34〜36のいずれか1項に記載の抗SA dAbを含んでなる、請求項42に記載の二重特異性リガンド。
【請求項44】
二量体が、第1のおよび第2の抗ヒトTNFαdAbを含んでなるホモ二量体またはヘテロ二量体であり、dAbの各々が請求項22、23、および28〜30のいずれか1項に記載のものである、請求項42に記載の二重特異性リガンド。
【請求項45】
三量体である、請求項41に記載の二重特異性リガンド。
【請求項46】
請求項22、23、および29〜31のいずれか1項に記載の抗ヒトTNFαdAbを3コピー含んでなるホモ三量体である、請求項45に記載の二重特異性リガンド。
【請求項47】
ユニバーサルフレームワークを含んでなる、請求項1〜46のいずれかに記載のリガンド。
【請求項48】
ユニバーサルフレームワークが、DP47、DP45、およびDP38からなる群から選択されるVHフレームワークを含んでなり、および/またはVLフレームワークがDPK9である、請求項47に記載のリガンド。
【請求項49】
共通リガンドに対する結合部位を含んでなる、請求項1〜48のいずれかに記載のリガンド。
【請求項50】
前記共通リガンド結合部位がプロテインA、プロテインL、およびプロテインGからなる群から選択される、請求項49に記載のリガンド。
【請求項51】
ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含んでなる1つ以上のフレームワーク領域を有する可変ドメインを含んでなるリガンドであるか、または、1つ以上の該フレームワーク領域のアミノ酸配列が、ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応する該フレームワーク領域のアミノ酸配列と比較して合計5個までのアミノ酸の相違を含む、請求項1〜50のいずれかに記載のリガンド。
【請求項52】
リガンドが可変ドメインを含んでなり、かつ、FW1、FW2、FW3、およびFW4のアミノ酸配列がヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一であるか、またはFW1、FW2、FW3、およびFW4のアミノ酸配列が該ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と比較して合計10個までのアミノ酸の相違を含む、請求項1〜51のいずれかに記載のリガンド。
【請求項53】
FW1、FW2、およびFW3領域を含んでなる抗体可変ドメインを含んでなり、該FW1、FW2、およびFW3のアミノ酸配列がヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一である、請求項51または52に記載のリガンド。
【請求項54】
ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントがDP47、DP45、DP48、およびDPK9からなる群から選択される、請求項51〜53のいずれかに記載のリガンド。
【請求項55】
ラクダ科の免疫グロブリン可変ドメインではないVHドメインを含んでなる、請求項1〜54のいずれかに記載のリガンド。
【請求項56】
ヒトVHドメインと比較してラクダ科の免疫グロブリン可変ドメインに特異的である1個以上のアミノ酸を含有していないVHドメインを含んでなる、請求項55に記載のリガンド。
【請求項57】
リガンドを製造する方法であって、但し該リガンドが、第1の結合特異性を有する第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン、および第2の結合特異性を有する第2の免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでなり、該結合特異性のうちの一方または双方がin vivoでの該リガンドの半減期を延長させるタンパク質に対して特異的なものであり、ここで該方法は次のステップ:
(a) 第1の可変ドメインを、第1のエピトープに対するその結合能によって選択するステップ、
(b) 第2の可変領域を、第2のエピトープに対するその結合能によって選択するステップ、
(c) それらの可変領域を組み合わせるステップ;そして
(d) 該第1のおよび第2のエピトープに対する結合能によってリガンドを選択するステップ、
を含んでなり、該可変ドメインが相補的である場合にはそのドメインのどちらもHSAに対して特異的なVHドメインではない、前記方法。
【請求項58】
第1の可変ドメインが、相補的な可変ドメインの不在下で前記第1のエピトープとの結合により選択されたものである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
第1の可変ドメインが、第3の相補的可変ドメインの存在下で前記第1のエピトープとの結合により選択されたものであり、該第3の可変ドメインが前記第2の可変ドメインとは異なるものである、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
請求項1〜56のいずれかに記載の二重特異性リガンドをコードする核酸。
【請求項61】
TNFαに対して特異的であり、TAR1-5-19の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項62】
TNFαに対して特異的であり、TAR1-5の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項63】
TNFαに対して特異的であり、TAR1-27の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項64】
TNF受容体1に対して特異的であり、TAR2-10の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項65】
TNF受容体1に対して特異的であり、TAR2-10の核酸配列またはそれと少なくとも80%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項66】
TNF受容体1に対して特異的であり、TAR2h-5の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項67】
TNF受容体1に対して特異的であり、TAR2h-5の核酸配列またはそれと少なくとも80%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項68】
SAに対して特異的であり、MSA-16の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項69】
SAに対して特異的であり、MSA-26の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項70】
請求項60〜69のいずれかに記載の核酸を含んでなるベクター。
【請求項71】
二重特異性リガンドの発現に必要な成分をさらに含んでなる、請求項70に記載のベクター。
【請求項72】
請求項71に記載のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
【請求項73】
閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを製造する方法であって、但し該リガンドは、第1のエピトープ結合特異性を有する第1の単一エピトープ結合ドメイン、および第2のエピトープ結合特異性を有する非相補的な第2のエピトープ結合ドメインを含んでなり、該第1および第2の結合特異性はエピトープ結合に対して競合することができ、それによって該閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドは双方のエピトープと同時には結合しないものであり、ここで該方法は次のステップ:
a) 第1のエピトープ結合ドメインを、第1のエピトープに対するその結合能によって選択するステップ、
b) 第2のエピトープ結合ドメインを、第2のエピトープに対するその結合能によって選択するステップ、
c) それらのエピトープ結合ドメインを、閉鎖型コンホメーションを取るように組み合わせるステップ;および
d) 閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを、該第1のエピトープおよび該第2のエピトープと結合するが該第1および第2のエピトープの双方に同時には結合しない能力によって選択するステップ、
を含んでなる、前記方法。
【請求項74】
第1のおよび第2のエピトープ結合ドメインが免疫グロブリン可変重鎖ドメイン(VH)である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記第1のおよび第2の免疫グロブリン可変ドメインが免疫グロブリン可変軽鎖ドメイン(VL)である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記免疫グロブリンドメインが前記エピトープに対する免疫グロブリン由来のものである、請求項73〜75のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
第1のおよび第2のエピトープが別々の抗原上に存在するものである、請求項73〜76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
第1のおよび第2のエピトープが同一の抗原上に存在するものである、請求項73〜76のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記可変ドメインが単一抗体ドメインのレパートリー由来のものである、請求項73〜78のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
前記レパートリーが線状バクテリオファージの表面上に提示されており、前記単一抗体ドメインがバクテリオファージレパートリーの抗原に対する結合によって選択されている、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメインの配列が突然変異またはDNAシャッフリングによって改変されている、請求項73〜80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドであって、第1のエピトープ結合特異性を有する第1のエピトープ結合ドメイン、および第2のエピトープ結合特異性を有する非相補的な第2のエピトープ結合ドメインを含んでなり、該第1と第2の結合特異性はエピトープ結合に対して競合することができ、それによって該閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドは双方のエピトープと同時には結合しないものである、リガンド。
【請求項83】
請求項73〜80のいずれかに記載の方法で得ることができる、請求項82に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項84】
抗体の2つ以上の単一重鎖可変ドメイン、または抗体の2つ以上の軽鎖可変ドメインを含んでなる、請求項82または請求項83に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項85】
VHおよびVLがペプチドリンカーによって連結されている、請求項84に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項86】
VHまたはVLが抗体のFab様領域によって提供される、請求項84に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項87】
前記可変領域が非共有結合している、請求項82〜84のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項88】
前記可変領域が共有結合している、請求項82〜84のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項89】
共有結合がジスルフィド結合によって媒介されている、請求項87に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項90】
ユニバーサルフレームワークを含んでなる、請求項82〜89のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項91】
共通リガンドに対する結合部位を含んでなる、請求項82〜90のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項92】
前記共通リガンド結合部位が、プロテインA、プロテインL、およびプロテインGからなる群から選択される、請求項91に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項93】
ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含んでなる1つ以上のフレームワーク領域を有する可変ドメインを含んでなるリガンドであるか、または、1つ以上の該フレームワーク領域のアミノ酸配列が、ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応する該フレームワーク領域のアミノ酸配列と比較して合計5個までのアミノ酸の相違を含む、請求項82〜92のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項94】
可変ドメインを含んでなる請求項93に記載の閉鎖型コンホメーションのリガンドであって、FW1、FW2、FW3、およびFW4のアミノ酸配列がヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一であるか、またはFW1、FW2、FW3、およびFW4のアミノ酸配列が該ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と比較して合計10個までのアミノ酸の相違を含む、リガンド。
【請求項95】
FW1、FW2、およびFW3領域を含んでなる抗体可変ドメインを含んでなり、該FW1、FW2、およびFW3のアミノ酸配列がヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一である、請求項93または94に記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項96】
ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントがDP47、DP45、DP48、およびDPK9からなる群から選択される、請求項92〜95のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項97】
ラクダ科の免疫グロブリン可変ドメインではないVHドメインを含んでなる、請求項92〜96のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項98】
前記VHドメインが、ヒトVHドメインと比較してラクダ科の免疫グロブリン可変ドメインに特異的である1個以上のアミノ酸を含有していないものである、請求項97に記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項99】
その特異性の1つがリガンドの半減期を延長するために有効な作用物質に対するものである、請求項82〜98のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項100】
請求項82〜99のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを含んでなるキット。
【請求項101】
請求項82〜99のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを少なくともコードする核酸。
【請求項102】
請求項101に記載の核酸を含んでなるベクター。
【請求項103】
閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドの発現に必要な成分をさらに含んでなる、請求項102に記載のベクター。
【請求項104】
請求項103に記載のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
【請求項105】
以下を含んでなる、標的分子の存在を検出する方法:
(a) 作用物質と結合させた閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを提供し、但し該リガンドは該標的分子および該作用物質に対して特異的であり、該リガンドと結合した該作用物質は、該リガンドから置換されると検出可能なシグナルを生じるものであり;
(b) 該閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを該標的分子に暴露し;そして
(c) 該作用物質が置換された結果として生じるシグナルを検出すること。
【請求項106】
作用物質が、閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドと結合しているときには不活性な酵素である、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
作用物質が酵素の基質である、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
作用物質が、前記リガンドと結合しているときには不活性であるかまたは消光されている蛍光分子、発光分子、または発色分子である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
標的分子と結合することのできる閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド、および任意にそれに適した作用物質およびバッファーを含んでなる、請求項105〜108のいずれかに記載の方法を実施するためのキット。
【請求項110】
請求項105〜108のいずれかに記載の方法を組み込んだ、均質イムノアッセイ。
【請求項111】
治療に用いるための、請求項1〜56のいずれかに記載のリガンド。
【請求項112】
請求項1〜56のいずれかに記載のリガンド、および製薬上許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項113】
次のステップを含む、キレート多量体リガンドを製造する方法:
(a) 標的上の第1のエピトープに対して特異的な単一結合ドメインをコードする核酸配列を含んでなるベクターを提供するステップ;
(b) 該標的上の第2のエピトープに対して特異的な第2の結合ドメインを含んでなるレパートリーをコードするベクターを提供するステップであって、但しそのエピトープは第1のエピトープと同一であるかまたは異なるものであり、該第2のエピトープは該第1のエピトープに隣接する、ステップ;
(c) 該第1および第2の結合ドメインを発現させるステップ;および
(d) 1つに組み合わされて標的結合二量体を生成する第1と第2の結合ドメインの組み合わせを単離するステップ。
【請求項114】
第1のおよび第2の結合ドメインがリンカーを介して共有結合している、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
第1のおよび第2の結合ドメインが非共有結合している、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
第1のおよび第2の結合ドメインが該ドメインの天然結合によって結合している、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
前記結合ドメインがVHドメインおよびVκドメインを含んでなる、請求項116に記載の方法。
【請求項1】
第1のエピトープまたは抗原に対する結合特異性を有する第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン、および第2のエピトープまたは抗原に対する結合活性を有する第2の相補的免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでなる二重特異性リガンドであって、該抗原またはエピトープの一方または双方がin vivoでの該リガンドの半減期を延長させるように作用し、該第1のおよび第2のドメインが、同一の特異性を共有する互いに相補的なドメインを欠いているが、但し該二重特異性リガンドは抗HSA VHドメインおよび抗β-ガラクトシダーゼVκドメインからなるものではない、二重特異性リガンド。
【請求項2】
抗体の少なくとも1つの単一重鎖可変ドメインおよび抗体の1つの相補的単一軽鎖可変ドメインを含んでなり、それによりその2つの領域が結合して相補的VH/VL対を形成することができる、請求項1に記載の二重特異性リガンド。
【請求項3】
前記VHおよびVLが抗体scFvフラグメントによって提供される、請求項2に記載の二重特異性リガンド。
【請求項4】
前記VHおよびVLが抗体Fab領域によって提供される、請求項2に記載の二重特異性リガンド。
【請求項5】
請求項2に記載の二重特異性リガンドを含んでなる4本鎖IgG免疫グロブリンリガンド。
【請求項6】
そのIgGが2つの二重特異性リガンドを含んでなり、該二重特異性リガンドはそれらの可変ドメインが同一である、請求項5に記載の4本鎖IgG免疫グロブリンリガンド。
【請求項7】
そのIgGが2つの二重特異性リガンドを含んでなり、該二重特異性リガンドはそれらの可変ドメインが異なるものである、請求項5に記載の4本鎖IgG免疫グロブリンリガンド。
【請求項8】
第1の抗原またはエピトープに対する結合特異性を有する第1の免疫グロブリン可変ドメイン、および第2の抗原またはエピトープに対する結合特異性を有する第2の免疫グロブリン可変ドメインを含んでなるリガンドであって、該第1のおよび第2の可変ドメインのうちの一方または双方が、in vivoで該リガンドの半減期を延長させる抗原と結合し、かつ、該可変ドメインが互いに相補的ではない、リガンド。
【請求項9】
第1のおよび第2の免疫グロブリン可変ドメインが重鎖可変ドメイン(VH)である、請求項8に記載のリガンド。
【請求項10】
第1のおよび第2の免疫グロブリン可変ドメインが軽鎖可変ドメイン(VL)である、請求項8に記載のリガンド。
【請求項11】
第1のおよび第2のエピトープが独立に結合し、それにより前記二重特異性リガンドが第1のおよび第2のエピトープもしくは抗原の双方と同時に結合することができる、請求項1〜10のいずれかに記載のリガンド。
【請求項12】
前記二重特異性リガンドが、溶液中で平衡状態にある第1の形態と第2の形態を含んでなり、双方のエピトープまたは抗原がともに第1の形態とは独立に結合するが、第2の形態への結合に対しては競合する、請求項11に記載のリガンド。
【請求項13】
前記可変領域が、前記エピトープまたは抗原に対する免疫グロブリン由来のものである、請求項1〜12のいずれかに記載のリガンド。
【請求項14】
第1のおよび第2のエピトープが別々の抗原上に存在する、請求項1〜13のいずれかに記載のリガンド。
【請求項15】
第1のおよび第2のエピトープが同一の抗原上に存在する、請求項1〜11のいずれかに記載のリガンド。
【請求項16】
単一抗体ドメインのレパートリー由来の可変ドメインを含んでなる、請求項1〜15のいずれかに記載のリガンド。
【請求項17】
前記レパートリーが線状バクテリオファージの表面上に提示されており、前記単一抗体ドメインが該バクテリオファージレパートリーの抗原に対する結合によって選択されている、請求項16に記載のリガンド。
【請求項18】
少なくとも1つの可変ドメインの配列が突然変異またはDNAシャッフリングによって改変されている、請求項1〜17のいずれかに記載のリガンド。
【請求項19】
前記可変領域が非共有結合している、請求項1〜18のいずれかに記載の二重特異性リガンド。
【請求項20】
前記可変領域が共有結合している、請求項1〜18のいずれかに記載の二重特異性リガンド。
【請求項21】
前記共有結合がジスルフィド結合によって媒介されるものである、請求項20に記載の二重特異性リガンド。
【請求項22】
ヒトTNFαから、表面プラズモン共鳴で測定する場合に50 nM〜20 pMの解離定数(Kd)、5 x 10-1〜1 x 10-7 S-1のKoff速度定数で解離する、TNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項23】
dAbがVκである、請求項22に記載のTNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項24】
ヒトTNF受容体から、表面プラズモン共鳴で測定する場合に50 nM〜20 pMの解離定数(Kd)、5 x 10-1〜1 x 10-7 S-1のKoff速度定数で解離する、TNF受容体1(p55)に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項25】
単量体が、標準的な細胞アッセイでヒトTNFαまたはTNF受容体1を、500 nM〜50 pMのND50で中和する、請求項22〜24のいずれかに記載のdAb単量体リガンド。
【請求項26】
TNF受容体1(p55)に特異的なdAb単量体リガンドであって、標準的な細胞アッセイにおいて該dAbがTNF受容体1の活性に対し≦100 nMのND50にてアンタゴニスト作用をもたらし、該アッセイにおいて該dAbは≦10 μMの濃度でTNF受容体1の活性に対し≦5%のアゴニスト作用をもたらす、リガンド。
【請求項27】
表面プラズモン共鳴で測定する場合に1 nM〜500 μMの解離定数(Kd)で血清アルブミン(SA)から解離する、SAに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項28】
標準的なリガンド結合アッセイにおいて、前記単量体が、SAと1 nM〜500 μMのIC50で結合する、請求項27に記載のdAb単量体リガンド。
【請求項29】
dAbが、TAR1-5-19のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項30】
dAbが、TAR1-5のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項31】
dAbが、TAR1-27のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNFαに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項32】
dAbが、TAR2-10のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNF受容体1に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項33】
dAbが、TAR2-10のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも90%相同な配列を含んでなる、TNF受容体1に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項34】
dAbが、TAR2-5のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、TNF受容体1に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項35】
dAbが、TAR2-5のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも90%相同な配列を含んでなる、TNF受容体1に特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項36】
dAbが、MSA-16のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、SAに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項37】
dAbが、MSA-26のアミノ酸配列、またはその配列と少なくとも80%相同な配列を含んでなる、SAに特異的なdAb単量体リガンド。
【請求項38】
TNFα、TNF受容体1、またはSAがヒト型のものである、請求項29〜37のいずれかに記載のdAb単量体。
【請求項39】
末端にシステイン残基をさらに含んでなる、dAb単量体。
【請求項40】
末端にシステイン酸基をさらに含んでなる、請求項29〜38のいずれかに記載のdAb単量体。
【請求項41】
請求項22〜40のいずれかに記載のdAb単量体を少なくとも1つ含んでなる、二重特異性リガンド。
【請求項42】
二量体である、請求項41に記載の二重特異性リガンド。
【請求項43】
二量体が、請求項22、23、および28〜30のいずれか1項に記載の抗ヒトTNFαdAb、ならびに請求項26、27、および34〜36のいずれか1項に記載の抗SA dAbを含んでなる、請求項42に記載の二重特異性リガンド。
【請求項44】
二量体が、第1のおよび第2の抗ヒトTNFαdAbを含んでなるホモ二量体またはヘテロ二量体であり、dAbの各々が請求項22、23、および28〜30のいずれか1項に記載のものである、請求項42に記載の二重特異性リガンド。
【請求項45】
三量体である、請求項41に記載の二重特異性リガンド。
【請求項46】
請求項22、23、および29〜31のいずれか1項に記載の抗ヒトTNFαdAbを3コピー含んでなるホモ三量体である、請求項45に記載の二重特異性リガンド。
【請求項47】
ユニバーサルフレームワークを含んでなる、請求項1〜46のいずれかに記載のリガンド。
【請求項48】
ユニバーサルフレームワークが、DP47、DP45、およびDP38からなる群から選択されるVHフレームワークを含んでなり、および/またはVLフレームワークがDPK9である、請求項47に記載のリガンド。
【請求項49】
共通リガンドに対する結合部位を含んでなる、請求項1〜48のいずれかに記載のリガンド。
【請求項50】
前記共通リガンド結合部位がプロテインA、プロテインL、およびプロテインGからなる群から選択される、請求項49に記載のリガンド。
【請求項51】
ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含んでなる1つ以上のフレームワーク領域を有する可変ドメインを含んでなるリガンドであるか、または、1つ以上の該フレームワーク領域のアミノ酸配列が、ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応する該フレームワーク領域のアミノ酸配列と比較して合計5個までのアミノ酸の相違を含む、請求項1〜50のいずれかに記載のリガンド。
【請求項52】
リガンドが可変ドメインを含んでなり、かつ、FW1、FW2、FW3、およびFW4のアミノ酸配列がヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一であるか、またはFW1、FW2、FW3、およびFW4のアミノ酸配列が該ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と比較して合計10個までのアミノ酸の相違を含む、請求項1〜51のいずれかに記載のリガンド。
【請求項53】
FW1、FW2、およびFW3領域を含んでなる抗体可変ドメインを含んでなり、該FW1、FW2、およびFW3のアミノ酸配列がヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一である、請求項51または52に記載のリガンド。
【請求項54】
ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントがDP47、DP45、DP48、およびDPK9からなる群から選択される、請求項51〜53のいずれかに記載のリガンド。
【請求項55】
ラクダ科の免疫グロブリン可変ドメインではないVHドメインを含んでなる、請求項1〜54のいずれかに記載のリガンド。
【請求項56】
ヒトVHドメインと比較してラクダ科の免疫グロブリン可変ドメインに特異的である1個以上のアミノ酸を含有していないVHドメインを含んでなる、請求項55に記載のリガンド。
【請求項57】
リガンドを製造する方法であって、但し該リガンドが、第1の結合特異性を有する第1の免疫グロブリン単一可変ドメイン、および第2の結合特異性を有する第2の免疫グロブリン単一可変ドメインを含んでなり、該結合特異性のうちの一方または双方がin vivoでの該リガンドの半減期を延長させるタンパク質に対して特異的なものであり、ここで該方法は次のステップ:
(a) 第1の可変ドメインを、第1のエピトープに対するその結合能によって選択するステップ、
(b) 第2の可変領域を、第2のエピトープに対するその結合能によって選択するステップ、
(c) それらの可変領域を組み合わせるステップ;そして
(d) 該第1のおよび第2のエピトープに対する結合能によってリガンドを選択するステップ、
を含んでなり、該可変ドメインが相補的である場合にはそのドメインのどちらもHSAに対して特異的なVHドメインではない、前記方法。
【請求項58】
第1の可変ドメインが、相補的な可変ドメインの不在下で前記第1のエピトープとの結合により選択されたものである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
第1の可変ドメインが、第3の相補的可変ドメインの存在下で前記第1のエピトープとの結合により選択されたものであり、該第3の可変ドメインが前記第2の可変ドメインとは異なるものである、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
請求項1〜56のいずれかに記載の二重特異性リガンドをコードする核酸。
【請求項61】
TNFαに対して特異的であり、TAR1-5-19の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項62】
TNFαに対して特異的であり、TAR1-5の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項63】
TNFαに対して特異的であり、TAR1-27の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項64】
TNF受容体1に対して特異的であり、TAR2-10の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項65】
TNF受容体1に対して特異的であり、TAR2-10の核酸配列またはそれと少なくとも80%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項66】
TNF受容体1に対して特異的であり、TAR2h-5の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項67】
TNF受容体1に対して特異的であり、TAR2h-5の核酸配列またはそれと少なくとも80%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項68】
SAに対して特異的であり、MSA-16の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項69】
SAに対して特異的であり、MSA-26の核酸配列またはそれと少なくとも70%相同な配列を含んでなる、請求項60に記載の核酸。
【請求項70】
請求項60〜69のいずれかに記載の核酸を含んでなるベクター。
【請求項71】
二重特異性リガンドの発現に必要な成分をさらに含んでなる、請求項70に記載のベクター。
【請求項72】
請求項71に記載のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
【請求項73】
閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを製造する方法であって、但し該リガンドは、第1のエピトープ結合特異性を有する第1の単一エピトープ結合ドメイン、および第2のエピトープ結合特異性を有する非相補的な第2のエピトープ結合ドメインを含んでなり、該第1および第2の結合特異性はエピトープ結合に対して競合することができ、それによって該閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドは双方のエピトープと同時には結合しないものであり、ここで該方法は次のステップ:
a) 第1のエピトープ結合ドメインを、第1のエピトープに対するその結合能によって選択するステップ、
b) 第2のエピトープ結合ドメインを、第2のエピトープに対するその結合能によって選択するステップ、
c) それらのエピトープ結合ドメインを、閉鎖型コンホメーションを取るように組み合わせるステップ;および
d) 閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを、該第1のエピトープおよび該第2のエピトープと結合するが該第1および第2のエピトープの双方に同時には結合しない能力によって選択するステップ、
を含んでなる、前記方法。
【請求項74】
第1のおよび第2のエピトープ結合ドメインが免疫グロブリン可変重鎖ドメイン(VH)である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記第1のおよび第2の免疫グロブリン可変ドメインが免疫グロブリン可変軽鎖ドメイン(VL)である、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記免疫グロブリンドメインが前記エピトープに対する免疫グロブリン由来のものである、請求項73〜75のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
第1のおよび第2のエピトープが別々の抗原上に存在するものである、請求項73〜76のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
第1のおよび第2のエピトープが同一の抗原上に存在するものである、請求項73〜76のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記可変ドメインが単一抗体ドメインのレパートリー由来のものである、請求項73〜78のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
前記レパートリーが線状バクテリオファージの表面上に提示されており、前記単一抗体ドメインがバクテリオファージレパートリーの抗原に対する結合によって選択されている、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメインの配列が突然変異またはDNAシャッフリングによって改変されている、請求項73〜80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドであって、第1のエピトープ結合特異性を有する第1のエピトープ結合ドメイン、および第2のエピトープ結合特異性を有する非相補的な第2のエピトープ結合ドメインを含んでなり、該第1と第2の結合特異性はエピトープ結合に対して競合することができ、それによって該閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドは双方のエピトープと同時には結合しないものである、リガンド。
【請求項83】
請求項73〜80のいずれかに記載の方法で得ることができる、請求項82に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項84】
抗体の2つ以上の単一重鎖可変ドメイン、または抗体の2つ以上の軽鎖可変ドメインを含んでなる、請求項82または請求項83に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項85】
VHおよびVLがペプチドリンカーによって連結されている、請求項84に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項86】
VHまたはVLが抗体のFab様領域によって提供される、請求項84に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項87】
前記可変領域が非共有結合している、請求項82〜84のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項88】
前記可変領域が共有結合している、請求項82〜84のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項89】
共有結合がジスルフィド結合によって媒介されている、請求項87に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項90】
ユニバーサルフレームワークを含んでなる、請求項82〜89のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項91】
共通リガンドに対する結合部位を含んでなる、請求項82〜90のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項92】
前記共通リガンド結合部位が、プロテインA、プロテインL、およびプロテインGからなる群から選択される、請求項91に記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項93】
ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含んでなる1つ以上のフレームワーク領域を有する可変ドメインを含んでなるリガンドであるか、または、1つ以上の該フレームワーク領域のアミノ酸配列が、ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応する該フレームワーク領域のアミノ酸配列と比較して合計5個までのアミノ酸の相違を含む、請求項82〜92のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項94】
可変ドメインを含んでなる請求項93に記載の閉鎖型コンホメーションのリガンドであって、FW1、FW2、FW3、およびFW4のアミノ酸配列がヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一であるか、またはFW1、FW2、FW3、およびFW4のアミノ酸配列が該ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と比較して合計10個までのアミノ酸の相違を含む、リガンド。
【請求項95】
FW1、FW2、およびFW3領域を含んでなる抗体可変ドメインを含んでなり、該FW1、FW2、およびFW3のアミノ酸配列がヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントによってコードされる対応するフレームワーク領域のアミノ酸配列と同一である、請求項93または94に記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項96】
ヒト生殖細胞系列抗体遺伝子セグメントがDP47、DP45、DP48、およびDPK9からなる群から選択される、請求項92〜95のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項97】
ラクダ科の免疫グロブリン可変ドメインではないVHドメインを含んでなる、請求項92〜96のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項98】
前記VHドメインが、ヒトVHドメインと比較してラクダ科の免疫グロブリン可変ドメインに特異的である1個以上のアミノ酸を含有していないものである、請求項97に記載の閉鎖型コンホメーションのリガンド。
【請求項99】
その特異性の1つがリガンドの半減期を延長するために有効な作用物質に対するものである、請求項82〜98のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド。
【請求項100】
請求項82〜99のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを含んでなるキット。
【請求項101】
請求項82〜99のいずれかに記載の閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを少なくともコードする核酸。
【請求項102】
請求項101に記載の核酸を含んでなるベクター。
【請求項103】
閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドの発現に必要な成分をさらに含んでなる、請求項102に記載のベクター。
【請求項104】
請求項103に記載のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
【請求項105】
以下を含んでなる、標的分子の存在を検出する方法:
(a) 作用物質と結合させた閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを提供し、但し該リガンドは該標的分子および該作用物質に対して特異的であり、該リガンドと結合した該作用物質は、該リガンドから置換されると検出可能なシグナルを生じるものであり;
(b) 該閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドを該標的分子に暴露し;そして
(c) 該作用物質が置換された結果として生じるシグナルを検出すること。
【請求項106】
作用物質が、閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンドと結合しているときには不活性な酵素である、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
作用物質が酵素の基質である、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
作用物質が、前記リガンドと結合しているときには不活性であるかまたは消光されている蛍光分子、発光分子、または発色分子である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
標的分子と結合することのできる閉鎖型コンホメーションの多重特異性リガンド、および任意にそれに適した作用物質およびバッファーを含んでなる、請求項105〜108のいずれかに記載の方法を実施するためのキット。
【請求項110】
請求項105〜108のいずれかに記載の方法を組み込んだ、均質イムノアッセイ。
【請求項111】
治療に用いるための、請求項1〜56のいずれかに記載のリガンド。
【請求項112】
請求項1〜56のいずれかに記載のリガンド、および製薬上許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項113】
次のステップを含む、キレート多量体リガンドを製造する方法:
(a) 標的上の第1のエピトープに対して特異的な単一結合ドメインをコードする核酸配列を含んでなるベクターを提供するステップ;
(b) 該標的上の第2のエピトープに対して特異的な第2の結合ドメインを含んでなるレパートリーをコードするベクターを提供するステップであって、但しそのエピトープは第1のエピトープと同一であるかまたは異なるものであり、該第2のエピトープは該第1のエピトープに隣接する、ステップ;
(c) 該第1および第2の結合ドメインを発現させるステップ;および
(d) 1つに組み合わされて標的結合二量体を生成する第1と第2の結合ドメインの組み合わせを単離するステップ。
【請求項114】
第1のおよび第2の結合ドメインがリンカーを介して共有結合している、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
第1のおよび第2の結合ドメインが非共有結合している、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
第1のおよび第2の結合ドメインが該ドメインの天然結合によって結合している、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
前記結合ドメインがVHドメインおよびVκドメインを含んでなる、請求項116に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17−1】
【図17−2】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17−1】
【図17−2】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−125342(P2011−125342A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5778(P2011−5778)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【分割の表示】特願2004−516979(P2004−516979)の分割
【原出願日】平成15年6月30日(2003.6.30)
【出願人】(502197046)ドマンティス リミテッド (47)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【分割の表示】特願2004−516979(P2004−516979)の分割
【原出願日】平成15年6月30日(2003.6.30)
【出願人】(502197046)ドマンティス リミテッド (47)
【Fターム(参考)】
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