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リグナン類含有微粒子及び組成物
説明

リグナン類含有微粒子及び組成物

【課題】本発明の課題は、飲食品等に添加した場合に分散安定性、食感や風味等が優れたリグナン類化合物含有組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は上記課題の解決手段として、リグナン類化合物が、動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20〜1,000nmである固体状の微粒子の形態である、リグナン類化合物含有組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20〜1,000nmであるリグナン類化合物の固体状の微粒子及びその製造方法に関する。
本発明はまた前記リグナン類微粒子を含有する組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リグナン類化合物には、セサミン、セサモリン、エピセサミン、セサミノール、セサモリノール、ピノレシノール、シンプレオキシドアグリコン等があるが、主要なものはセサミン(C2018、分子量354、融点122.5〜124℃)、セサモリン(C2018、分子量370、融点93.8℃)である。リグナン類化合物については、種々の生体内作用が報告されている。例えば、セサミンがアルコール中毒やアルコールや喫煙の禁断症状の緩和に有効であること(USP4427694)、また、セサミノールやエピセサミノールが気管支喘息等のアレルギー症の治療・予防に有効であること(特開平2−138120号公報)が報告されている。さらにリグナン類化合物については種々の用途が開発されており、現在までに血中コレステロール低下(特許3001589号)、Δ5−不飽和化酵素阻害(特許3070611号)、肝機能改善(特許3075358号)、コレステロール降下(特許3075360号)、悪酔防止(特許3124062号)、コレステロール及び胆汁酸の代謝阻害、コレステロール低下(特許3283274号)、発癌抑制(特願平2−281839号)、乳癌抑制(特願平3−200757号)や、過酸化脂質生成抑制(特願平3−212295号)、活性酸素除去(特願平5−14884号)の効果が確認されている。
【0003】
しかし、主要なリグナン類化合物であるセサミンは、通常の食事からは極少量摂取されるに過ぎず、十分な上記作用を期待することは困難であり、通常、これを錠剤又はカプセル剤等で摂取する。
【0004】
そこでセサミンを効率的に摂取する方法として、セサミンを添加した飲料や各種食品が提案されている。日常的に摂取される飲食品にセサミンを添加することは、その作用向上の期待を高めるとともに、セサミンの継続的摂取を容易とするので有意義である。
【0005】
しかしながら、セサミンは水や油脂に対する溶解度が極めて低いため、飲食品等への利用には大きな制約があった。例えば、セサミンを飲料に配合した場合、その難溶性の性質から、保存中に沈殿を生じる、或いはざらつき感等、不快な風味や食感を呈するといった問題があった。
【0006】
また、多くのセサミン含有組成物では、セサミンを、油脂を溶媒として溶解しているため、セサミンと同時に油脂を摂取することが不可避であるという問題があった。ゴマ油脂中のセサミン含量は0.36%という報告事例があり(非特許文献1)、すなわちゴマ油脂でセサミンを摂取しようとした場合もまた同時に脂質を摂取することが避けられなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】USP4427694
【特許文献2】特開平2−138120号公報
【特許文献3】特許3001589号
【特許文献4】特許3070611号
【特許文献5】特許3075358号
【特許文献6】特許3075360号
【特許文献7】特許3124062号
【特許文献8】特許3283274号
【特許文献9】特願平2−281839号
【特許文献10】特願平3−200757号
【特許文献11】特願平3−212295号
【特許文献12】特願平5−14884号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ゴマ その科学と機能性 並木満夫編(丸善プラネット株式会社)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、飲食品等に添加した場合に分散安定性、食感や風味等が優れたリグナン類化合物含有組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題の解決手段として以下の発明を提供する。
(1)動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20〜1,000nmであるリグナン類化合物の固体状の微粒子。
(2)リグナン類化合物、乳化剤、及び前記リグナン類化合物を分散させる連続相成分を含み、前記リグナン類化合物が、動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20〜1,000nmである固体状の微粒子の形態である、リグナン類化合物含有組成物。
(3)実質的に油脂を含まない(2)の組成物。
(4)リグナン類化合物、乳化剤、及び前記リグナン類化合物を分散させる液状の連続相成分を含む混合物を粉砕する工程を含む、(1)の微粒子又は(2)もしくは(3)の組成物の製造方法。
(5)前記液状の連続相成分が、多価アルコールと水系溶媒との混合物である、(4)の方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明により提供されるリグナン類化合物微粒子及びリグナン類化合物含有組成物は、添加された飲食品における分散安定性やざらつき感等の食感を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
I.材料
1.リグナン類化合物
本発明においてリグナン類化合物とは、セサミン、セサモリン、エピセサミン、セサミノール、エピセサミノール、セサモール等を挙げることができる。
【0013】
本発明に用いるリグナン類化合物は、その形態や製造方法等によって、何ら制限されるものではない。例えば、リグナン類化合物としてセサミンを選択した場合には、通常、ゴマ油から公知の方法(例えば、特開平4−9331号公報に記載された方法)によって抽出したセサミン(セサミン抽出物又は濃縮物という)を用いることもできる。
【0014】
2.乳化剤
本発明において使用される乳化剤としては、特に限定されるものではなく、医薬品あるいは食品として使用され、又は将来使用されるものが含まれる。
【0015】
ここで、HLBは、通常界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスで、通常用いる計算式、例えば川上式等が使用できる。川上式を次に示す。
【0016】
HLB=7+11.7log(Mw/M0)
ここで、Mwは親水基の分子量、M0は疎水基の分子量である。
【0017】
また、カタログ等に記載されているHLBの数値を使用してもよい。また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の乳化剤を得ることが出来る。
【0018】
本発明で使用することの出来る乳化剤としては、水性媒体に溶解する乳化剤であれば、特に限定は無いが、例えばHLBが10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14〜16のノニオン界面活性剤が好ましい。HLBが低すぎると、乳化力が不十分となることがある。
【0019】
本発明で使用することの出来る乳化剤は、特に制限は無いが、ノニオン性乳化剤が好ましい。ノニオン性乳化剤の例としては、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びレシチンなどが挙げられる。より好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルである。また、上記の乳化剤は蒸留などで高度に精製されたものであることは必ずしも必要ではなく、反応混合物であってもよい。
【0020】
本発明に用いられるグリセリン脂肪酸エステルとしては、脂肪酸グリセリドの好ましい例としては、モノオレイン酸モノグリセリド、モノステアリン酸モノグリセリド、モノパルミチン酸モノグリセリド、モノミリスチン酸モノグリセリド、モノラウリン酸モノグリセリド等が挙げられ、それらのなかで、モノオレイン酸モノグリセリド、モノステアリン酸モノグリセリドが、好ましい。本発明においては、これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。市販品としては、例えば、花王(株)社製の、エキセルT−95、エキセルVS−95、エキセルP−40S、エキセルO−95R、エキセル200、エキセル122V、日光ケミカルズ(株)社製の、NIKKOL MGU、NIKKOL MGM、NIKKOL MGS−AV、NIKKOL MGS−AMV、NIKKOL MGS−ASEV、NIKKOL MGS−BV、NIKKOL MGS−BMV、NIKKOL MGS−BSEV、NIKKOL MGS−BSE−C、NIKKOL MGS−C、NIKKOL MGS−DEXV、NIKKOL MGS−F20V、NIKKOL MGS−F40V、NIKKOL MGS−F50V、NIKKOL MGS−F50SEV、NIKKOL MGS−F75V、NIKKOL MGS−TGV、NIKKOL MGS−TGLV、NIKKOL MGS−150V、NIKKOL MGIS、NIKKOL MGO、NIKKOL MGOL−70、NIKKOL MGC、NIKKOL DGO−80、NIKKOL DGS−80等が挙げられる。
【0021】
本発明に用いられる、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が2以上、好ましくは6〜15、より好ましくは8〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸とのエステルである。ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL DGMS、NIKKOL DGMO−CV、NIKKOL DGMO−90V、NIKKOL DGDO、NIKKOL DGMIS、NIKKOL DGTIS、NIKKOL Tetraglyn 1−SV、NIKKOL Tetraglyn 1−O、NIKKOL Tetraglyn 3−S、NIKKOL Tetraglyn 5−S、NIKKOL Tetraglyn 5−O、NIKKOL Hexaglyn 1−L、NIKKOL Hexaglyn 1−M、NIKKOL Hexaglyn 1−SV、NIKKOL Hexaglyn 1−O、NIKKOL Hexaglyn 3−S、NIKKOL Hexaglyn 4−B、NIKKOL Hexaglyn 5−S、NIKKOL Hexaglyn 5−O、NIKKOL Hexaglyn PR−15、NIKKOL Decaglyn 1−L、NIKKOL Decaglyn 1−M、NIKKOL Decaglyn 1−SV、NIKKOL Decaglyn 1−50SV、NIKKOL Decaglyn 1−ISV、NIKKOL Decaglyn 1−O、NIKKOL Decaglyn 1−OV、NIKKOL Decaglyn 1−LN、NIKKOL Decaglyn1−PVEX、NIKKOL Decaglyn 2−SV、NIKKOL Decaglyn 2−ISV、NIKKOL Decaglyn 3−SV、NIKKOL Decaglyn 3−OV、NIKKOL Decaglyn 5−SV、NIKKOL Decaglyn 5−HS、NIKKOL Decaglyn 5−IS、NIKKOL Decaglyn 5−OV、NIKKOL Decaglyn 5−O−R、NIKKOL Decaglyn 7−S、NIKKOL Decaglyn 7−O、NIKKOL Decaglyn 10−SV、NIKKOL Decaglyn 10−IS、NIKKOL Decaglyn 10−OV、NIKKOL Decaglyn 10−MAC、NIKKOL Decaglyn PR−20、三菱化学フーズ(株)社製リョートーポリグリエステル L−10D、L−7D、M−10D、M−7D、P−8D、S−28D、S−24D、SWA−20D、SWA−15D、SWA−10D、O−50D、O−15D、B−100D、B−70D、ER−60D、太陽化学(株)社製サンソフトQ−17UL、サンソフトQ−18S、サンソフトQ−14S、サンソフトA−141C、理研ビタミン(株)社製ポエムDO−100、ポエムJ−0021などが挙げられる。
【0022】
本発明に用いられる、ショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12以上のものが好ましく、12〜20のものがより好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられる。本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。市販品としては、例えば、三菱化学フーズ(株)社製リョートーシュガーエステルS−070、S−170、S−270、S−370、S−370F、S−570、S−770、S−970、S−1170、S−1170F、S−1570、S−1670、P−070、P−170、P−1570、P−1670、M−1695、O−170、O−1570、OWA−1570、L−195、L−595、L−1695、LWA−1570、B−370、B−370F、ER−190、ER−290、POS−135、第一工業製薬(株)社製の、DKフォーマーFD、DKエステルF10、F10P、F20、F20P、F20W、F50、F50P等が挙げられる。
【0023】
3.多価アルコール
多価アルコールは、本発明において、リグナン類化合物を分散させる連続相成分の一つとして好適に用いることができる。
【0024】
本発明において、多価アルコールとは、特に限定されるものではなく、医薬品、化粧品あるいは食品で用いられ、又は将来使用される物が含まれる、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール及び糖アルコール(ソルビトール等)等が挙げられる。本発明において特に好ましい多価アルコールは、グリセリンである。
【0025】
4.水系溶媒
水系溶媒は、本発明において、リグナン類化合物を分散させる連続相成分の一つとして好適に用いることができる。
【0026】
本発明において、水系溶媒とは、水と水溶性溶媒の総称であり、具体的には、水のみからなるもの、水溶性溶媒のみからなるもの、水と水溶性溶媒を併用したものがある。また、水溶性溶媒は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。使用される水溶性溶媒としては、特に限定されるものではなく、医薬品あるいは食品として使用され、又は将来使用されるものが含まれ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びアセトン、好ましくはエタノールである。
【0027】
II.本発明の微粒子
本発明の第一の実施形態は、リグナン類化合物含有の固体状の微粒子である。該微粒子は、該微粒子を常温(25℃)の水に分散させた際の動的光散乱法により測定される平均粒子径(国際標準化機構の国際規格ISO試験法ISO13321:1996(E)に従う)が好ましくは20〜1000nm、より好ましくは100〜500nmとなる微粒子である。本発明の微粒子の平均粒子径が20〜1000nmであると、添加された飲食品中でリグナン類化合物を安定に分散させることができ、添加された飲食品のざらつき感や粒状感を改善することができる。
【0028】
本発明の微粒子は、固体状のリグナン類化合物の微粒子である。固体状の微粒子は、後述する湿式粉砕法等の方法により、リグナン類化合物の粉末を粉砕することにより製造することが可能である。本発明の微粒子は、所定の寸法を有するものである限り、複数の固体状の一次粒子が凝集した微粒子であってもよいし、固体状の一次粒子からなる微粒子であってもよいし、両者の混合物であってもよい。本発明の微粒子は、固体状であるという点で、リグナン類化合物が溶解した液状の油相が水相中に乳化分散して形成される乳化分散液中の、液状の油相からなる乳化微粒子(油滴)とは明確に区別される。
【0029】
本発明の微粒子はどのような形態で提供されてもよく、該微粒子が分離された形態であってもよいし、該微粒子と他の成分とを含む組成物の形態であってもよい。本発明の微粒子と他の成分を含む組成物の形状はどのような形状であってもよく、液状、固体状又は半固体状の形状であることができる。
【0030】
III.本発明の組成物
本発明の第二の実施形態は、リグナン類化合物、乳化剤、及び前記リグナン類化合物を分散させる連続相成分を含み、前記リグナン類化合物が、動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20〜1,000nmである固体状の微粒子の形態である、リグナン類化合物含有組成物である。リグナン類化合物の平均粒子径の定義、好適な範囲、及びそれによりもたらされる効果については、本発明の微粒子に関して上述したとおりである。
【0031】
本発明の組成物は、どのような形態であってもよく、連続相成分の形態に応じた形態を取り得る。連続相成分の形態としては、常温で液状、固体状、半固体状等の形態であることができ、本発明の組成物は常温で液状、固体状、半固体状等の形態であることができる。本発明の組成物は好ましくは、液状の連続相成分中に、乳化剤の作用によりリグナン類化合物の固体状の微粒子が分散した液状の組成物である。
【0032】
本発明の組成物における各必須成分の含有量は特に限定されない。
本発明の組成物におけるリグナン類化合物の含有量は、目的とする作用が奏される量であれば特に限定されないが、組成物の全重量に対して0.5〜20重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることがより好ましい。0.5重量%以上の場合には最終製品への組成物の添加量が少なくなり、商品設計上の価値が向上し、20重量%以下の場合には、後述する湿式粉砕法を用いて組成物を製造する場合に原料混合物の十分な微粉砕が可能となるからである。本発明の組成物はリグナン類化合物を高濃度に配合することが可能であるので、摂取又は使用されるリグナン類含有組成物の量を少なくすることができる。
【0033】
乳化剤の含有量は、組成物の全重量に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。0.1重量%以上の場合には、十分な微粉砕状態の維持が容易であり、20重量%以下の場合には風味に悪影響を及ぼさず、また粉砕物を部分的に可溶化することなく、粉砕効率を向上させるからである。
【0034】
連続相成分の含有量は、リグナン類化合物の微粒子を分散する媒体として作用することが可能な量であれば特に限定されない。連続相成分の含有量は、連続相成分が液状である場合には、組成物の全重量に対して、80〜99.4重量%であることが好ましく、90〜95重量%であることがより好ましい。連続相成分の含有量は、連続相成分が固体状である場合には、組成物の全重量に対して、10〜99.4重量%であることが好ましく、50〜95重量%であることがより好ましい。連続相成分は単一の成分からなるものであってもよいし、2種以上の成分からなるものであってもよい。連続相成分が複数の成分からなるものである場合、連続相成分の「固体状」、「液状」等の形態は、当該複数の成分が組成物中で組み合わされた状態での形態を指す。例えば、連続相成分が固体状の第一成分と、液状の第二成分とからなる場合に、両者を組み合わせて組成物を調製したときに、固体状の第一成分が液状の第二成分に溶解して液状となる場合には、連続相成分は液状であるという。
【0035】
本発明の組成物は、好ましくは、実質的に油脂を含まない。具体的には、本発明の組成物における油脂の含有量は、組成物の全重量に対して、最大でも5重量%であることが好ましく、最大でも1重量%であることがより好ましく、全く含まないことが更に好ましい。本発明中の組成物中の油脂は最大でも5重量%であることにより、従来のリグナン類化合物含有組成物と比較して摂取する油脂の量を低下させることができる。従来のリグナン類化合物含有組成物は、油溶性であるリグナン類化合物を溶解させた油脂を水相中に乳化分散させていたため、不可避的に油脂の含量が高くなるという問題があったが、本発明によればリグナン類化合物が微粒子化されて分散しているために油脂含量を低下させることが可能である。
【0036】
本発明の組成物は、他の成分を適量、例えば組成物の全重量(組成物の固形分の全重量を指す。以下同じ)に対して0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0〜2重量%含んでいてもよく、最も好ましくは他の成分を全く含まない。ここで、「0%を含む」とは含まないことを意味する。すなわち、他の成分が「0〜XX重量%」とは、他の成分が含まれないか、含まれたとしても最大XX重量%という意味である。他の成分は、飲食品、医薬品などの最終的な形態において許容される成分であれば特に限定されない。
【0037】
特に、本発明の組成物は、他の成分として食塩、糖類、pH調整剤、保存料、酸化防止剤等を含むことができる。
【0038】
連続相成分は、リグナン類化合物の微粒子を実質的に溶解せず固体状の微粒子として分散することが可能な成分であれば特に限定されない。連続相成分が液状である実施形態において、好ましくは、該成分は親水性の液状成分である。液状の連続相成分としては、水系溶媒と多価アルコールとの組み合わせが好ましい。そこで以下に、連続相成分が水系溶媒と多価アルコールとの液状の連続相成分である好適な実施形態について詳述する。
【0039】
前記好適な実施形態において水系溶媒の含有量は、組成物の全重量に対して20〜95重量%であることが好ましく、50〜95重量%であることがより好ましい。20重量%以上の場合には、液状組成物の粘度が著しく高くなることなく、粉砕が容易であり、95重量%以下の場合には、有効成分を配合できる量が減ることを防止し、商品価値を損なわないからである。水系溶媒が水と水溶性溶媒との混合物である場合には、水溶性溶媒の含有量は、水1に対して水溶性溶媒が0.001〜2であることが好ましく、0.01〜0.5であることがより好ましい。
【0040】
前記好適な実施形態において多価アルコールの含有量は組成物の全重量に対して1〜50重量%であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。多価アルコールが1重量%以上の場合には、粉砕後の凝集の発生を抑制し、溶液が沈殿し難くなり、多価アルコールが50重量%以下の場合には、粘度が高くなることがなく、粉砕効率が著しく低下することを防止するからである。多価アルコールの含有量は、水溶性溶媒の重量1に対して多価アルコールが0.1〜50であることが好ましく、0.5〜10であることがより好ましい。
【0041】
IV.本発明の微粒子及び組成物の製造方法
本発明の微粒子及び組成物は、リグナン類化合物、乳化剤、及び前記リグナン類化合物を分散させる液状の連続相成分を含む混合物を粉砕する湿式粉砕工程を含む方法により製造することができる。当該混合物に用いられる液状の連続相成分は、好ましくは、リグナン類化合物を実質的に溶解しない親水性の液状成分である。湿式粉砕により製造されたリグナン類化合物の固体状の微粒子は、食品に添加して経口摂取した場合に、ざらつき感が感じられないため好ましい。
【0042】
リグナン類化合物、乳化剤、及び液状の連続相成分を含む混合物は、これらの各成分を、好ましくは上記IIIにおいて詳述した割合で混合することにより得ることができる。各成分の混合順序は特に限定されないが、好ましい実施形態では、乳化剤、及び液状の連続相成分を混合した媒体中に、リグナン類化合物を分散させて前記混合物を得ることができる。
【0043】
本発明の微粒子は、前記混合物を、湿式粉砕により、動的光散乱法により測定される(25℃)リグナン類化合物の固体状の微粒子の平均粒子径が20〜1000nm、より好ましくは100〜500nmとなるまで粉砕することにより調製することができる。
【0044】
本発明におけるリグナン類化合物を微細化する湿式粉砕は、リグナン類化合物の固体状の微粒子の平均粒子径が上述の範囲になるものであれば特に制限はなく、例えば、従来より使用されている湿式粉砕器を使用することができる。湿式粉砕器としては、ビーズ型湿式粉砕器(OBミル、ウルトラアペックスミルなど);遊星型ボールミル;ロールミル;媒体攪拌ミルの流通管式ミル(サンドグラインダー);攪拌槽式ミル(アトライターなど);その他コロイドミルなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせるか、同じ機器で微細化処理を繰り返し行っても良い。
【0045】
湿式粉砕後の前記混合物は、それ自体が上記IIIにおいて詳述した本発明の組成物として利用することが可能である。湿式粉砕後の前記混合物から、該混合物中の水系溶媒等の揮発性成分を全部又は一部を除去した乾燥物又は濃縮物や、湿式粉砕後の前記混合物又は前記乾燥物又は濃縮物に、更なる連続相成分等の他の成分を更に加えた組成物等も、上記IIIにおいて詳述した本発明の組成物として用いることができる。例えば、湿式粉砕後の前記混合物が、水系溶媒と、糖アルコール等の多価アルコールとを液状連続相成分として含有する実施形態において、湿式粉砕後の前記混合物から乾燥等の適当な手段で水系溶媒を除去して得られる組成物は、連続相成分として多価アルコールを含有する、本発明の組成物として利用可能である。
【0046】
本発明のリグナン類化合物含有の固体状の微粒子は、上記の各種組成物の形態で提供されてもよいし、これらの組成物から、遠心分離、ろ過等の適当な固液分離手段や乾燥等の揮発性成分除去手段を用いて分離されたリグナン類化合物含有の固体状の微粒子の形態で提供されてもよい。ここで「分離されたリグナン類化合物含有の固体状の微粒子」とは必ずしもリグナン類化合物含有の固体状の微粒子のみからなるものであるとは限らず、湿式粉砕後の前記混合物に含まれる乳化剤や連続相成分の少なくとも一部を更に含むものであってよい。
【0047】
V.本発明の微粒子又は組成物の使用形態・用途
本発明の微粒子又は組成物は、飲食品組成物又は医薬品組成物、特に飲食品、医薬品(医薬部外品に分類されるものを含む。以下同じ)等である経口摂取用組成物に添加して利用することができる。本発明の微粒子又は組成物は、特に飲食品の製造における原料として有用である。本発明の微粒子又は組成物が配合された飲食品組成物又は医薬品組成物としては、具体的には、血中コレステロール低下、肝機能改善、悪酔防止用途の飲食品、医薬品等が挙げられる。
【0048】
前記飲食品の態様は限定されず、健康食品、栄養補助食品、栄養機能食品、特定保健用食品等の態様であることができる。飲食品は、例えば、飲料類、菓子類、調味料類、スープ類、加工食品、乳製品、麺類、パン及び米飯等であることができる。飲料類としては、例えば、豆乳、牛乳、乳酸菌飲料であることができる。
【0049】
前記医薬品の態様は特に限定されず、例えば、液剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、注射剤、座薬、貼付剤、軟膏、細粒剤、カプレット、散剤、トローチなどの形態、特に経口投与用の医薬品の形態が挙げられる。医薬品は、本発明の微粒子を、薬剤学的に許容される他の製剤材料、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などと適宜組み合わせて製剤化することにより製造することができる。
【実施例】
【0050】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0051】
[実施例1]
デカグリセリンモノステアリン酸エステル(商品名:サンソフトQ−18S、太陽化学社製)8gをイオン交換水140gに加え、80℃まで加熱して溶解していることを確認した後に室温まで放冷した。この溶液に、99.5%発酵エタノール(日本アルコール産業社製)10g及びグリセリン(阪本薬品工業社製)30gを加え、均一に混合したものを分散溶媒とした。500mLジルコニア製ベッセルに0.3mmジルコニアビーズ500g加え、上記分散溶媒を満たした後に、セサミン(オーカス社製)12gを加えた後に、遊星型ボールミルP−6型(フリッチュ・ジャパン社製)に設置して、200rpmの公転数で60分間粉砕処理した後に篩でビーズをろ過し、白濁した液状組成物である本発明品1を得た。本発明品1をイオン交換水で100倍に希釈し、ELS−Z (大塚電子社製)を用いて動的光散乱法で測定したリグナン類化合物含有微粒子の平均粒子径は約300nmであった。
【0052】
[実施例2]
デカグリセリンモノパルミチン酸エステル(商品名:Decaglyn1−PVEX,日光ケミカルズ社製)40g及びデカグリセリンモノステアレート(商品名:リョートーシュガーエステルS−10D、三菱化学フーズ社製)40gをイオン交換水1,320gに加え、80℃まで加熱して溶解していることを確認した後に室温まで放冷した。この溶液に、99.5%発酵エタノール200g及びグリセリン200gを加え、均一に混合したものを分散溶媒とした。次にOBミル(フロイントターボ社製)に0.3mmジルコニアビーズを封入してベッセル充填率80%とし、分散溶媒をポンプで循環しながら、セサミン200gを加えた。ベッセル回転数を2000rpmに設定し、溶液を別容器に回収し、再度循環させるプロセスを3回行うことで、液状組成物である本発明品2を得た。本発明品2を実施例1と同様に、動的光散乱法で測定したリグナン類化合物含有微粒子の平均粒子径は約500nmであった。
【0053】
[比較例1]
デカグリセリンモノステアリン酸エステル(商品名:サンソフトQ−18S、太陽化学社製)8gをイオン交換水170gに加え、80℃まで加熱して溶解していることを確認した後に室温まで放冷し分散溶媒とした。500mLジルコニア製ベッセルに0.3mmジルコニアビーズ500g加え、上記分散溶媒を満たした後に、セサミン(オーカス社製)12gを加えた後に、遊星型ボールミルP−6型に設置して、200rpmの公転数で60分間粉砕処理した後に篩でろ過し、白濁した液状組成物である比較品1を得た。比較品1を実施例1と同様に、動的光散乱法で測定したリグナン類化合物含有微粒子の平均粒子径は約2,000nmであった。
【0054】
[比較例2]
デカグリセリンモノステアリン酸エステル(商品名:サンソフトQ−18S、太陽化学社製)8gをイオン交換水70gに加え、80℃まで加熱して溶解していることを確認した後に室温まで放冷した。この溶液に、99.5%発酵エタノール(日本アルコール産業社製)10g及びグリセリン(阪本薬品工業社製)100gを加え、均一に混合したものを分散溶媒とした。500mLジルコニア製ベッセルに0.3mmジルコニアビーズ500g加え、上記分散溶媒を満たした後に、セサミン(オーカス社製)12gを加えた後に、遊星型ボールミルP−6型に設置して、200rpmの公転数で60分間粉砕処理することで、白濁した液状組成物である比較品2を得た。比較品2はペースト状であり、ビーズと溶液を分離することが困難であった。また、イオン交換水で100倍に希釈してろ過した分散液中のリグナン類化合物含有微粒子の平均粒子径は約3,000nmであった。
【0055】
[比較例3]
デカグリセリンモノパルミチン酸エステル(商品名:Decaglyn1−PVEX,日光ケミカルズ社製)40g及びデカグリセリンモノステアレート(商品名:リョートーシュガーエステルS−10D、三菱化学フーズ社製)40g及びをイオン交換水1,520gに加え、80℃まで加熱して溶解していることを確認した後に室温まで放冷した後に、99.5%発酵エタノール200gを加えたものを分散溶媒とした。次にOBミル(フロイントターボ社製)に0.3mmジルコニアビーズを封入してベッセル充填率80%とし、分散溶媒をポンプで循環しながら、セサミン200gを加えた。ベッセル回転数を2000rpmに設定し、溶液を別容器に回収し、再度循環させるプロセスを3回行うことで、液状組成物である比較品3を得た。比較品3を実施例1と同様に、動的光散乱法で測定したリグナン類化合物含有微粒子の平均粒子径は約2,000nmであり、配管中に多量の沈殿物が確認されたおり、分散液の固形分が低下していることを示唆した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20〜1,000nmであるリグナン類化合物の固体状の微粒子。
【請求項2】
リグナン類化合物、乳化剤、及び前記リグナン類化合物を分散させる連続相成分を含み、前記リグナン類化合物が、動的光散乱法で測定したときの平均粒子径が20〜1,000nmである固体状の微粒子の形態である、リグナン類化合物含有組成物。
【請求項3】
実質的に油脂を含まない請求項2の組成物。
【請求項4】
リグナン類化合物、乳化剤、及び前記リグナン類化合物を分散させる液状の連続相成分を含む混合物を粉砕する工程を含む、請求項1の微粒子又は請求項2もしくは3の組成物の製造方法。
【請求項5】
前記液状の連続相成分が、多価アルコールと水系溶媒との混合物である、請求項4の方法。

【公開番号】特開2013−79214(P2013−79214A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220107(P2011−220107)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(592007612)横浜油脂工業株式会社 (29)
【Fターム(参考)】