説明

リサイクルシステムとその方法

【課題】廃棄物から複数の種類のリサイクル品を選別しながら、それぞれの重量を測定して、リサイクル品種によって異なるリサイクルのポイント還元率(係数)を考慮しながら、リサイクルに対するポイントを付与可能なリサイクルシステムとリサイクル方法を提供する。
【解決手段】リサイクル品種とポイント係数を予め格納しておくデータベース10と、このリサイクル品種とそのリサイクル品種に付与されたポイント係数を選択するリサイクル品種制御部4と、リサイクルに供される廃棄物の重量を計測する重量計測部6と、選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量として演算する重量演算部7と、この重量演算部7で演算された前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量にポイント係数を掛けてポイントを演算するポイント演算部9を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル廃棄物の重量を計測して、商品や金券等に交換可能なポイントを付与可能なリサイクルシステムに係り、特に多種のリサイクル品種が混在する廃棄物を効率的に分別しながら、ポイントを付与可能なリサイクルシステムとその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭や職場で消費される食品や家電製品、文具、新聞等はその梱包材や包装紙も含めて廃棄物であっても資源として定期的に収集され回収されることが多くなっている。
自治体では、その後の処理のために、それらの廃棄物をその種類によって分別して廃棄するように住民に求めることが当然のようになっている。
しかしながら、その分別が新聞紙や段ボールなどの紙類、プラスチック、空き缶などの金属、ペットボトル、不燃物などの4,5種類の区分けであっても、それぞれを分けて家庭や職場でストックしておくのはその労力やスペースの観点から難しく、しかも費用を支出しなければならない場合も多く環境や資源保護の観点からであったとしても廃棄物の処理やリサイクルが遅々として進展しない原因でもあった。
一方、パソコンに代表される情報家電製品や一般の家電製品においても小型回路や小型素子を搭載することで高性能化され、その回路基板にはいわゆるレアメタルと呼ばれる希少価値の高い金属が含まれることが多く、隠れた資源となることが近年指摘されている。
このような状況下、これまでも様々な廃品回収やリサイクルシステムに関する研究や開発が活発になされており、その成果としての発明や考案が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「リサイクルシステム」という名称で、廃棄物の種類とその分量を測定可能として、その廃棄物の種類と分量に基づいて、通貨の代わりに使用して購買可能なポイントを付与するリサイクルシステムに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、測定手段として、蛍光スペクトルによって元素成分を判断して、廃棄物の種類を金属、プラスチック、ガラス、その他のうちのいずれかに特定する蛍光スペクトル分析部を備えることで、廃棄物の種類に基づいてポイントを付与するものである。
このようなリサイクルシステムによれば、蛍光スペクトルで廃棄物の種類を分析することが可能であり、自動的に廃棄物の内容をチェックしてポイントを即座に付与することが可能となる。また、このようにして廃棄物にポイントを付与することで、廃棄物回収に対するインセンティブが明確になり、効率的に廃棄物の回収と処理が可能となる。
【0004】
次に、特許文献2には、「ゴミ分別回収支援システム」という名称で、商品の購入量とリサイクル回収対象物であるゴミの回収量や回収率に応じてリサイクルポイントを付与するゴミ分別回収支援システムに関する発明が開示されている。
このようなゴミ分別回収支援システムでは、商品の購入量とリサイクル回収対象物であるゴミの回収量や回収率に応じてリサイクルポイントを付与するので、購入店舗とリサイクルを結合させる動機付けをすることが可能であり、回収店舗にリサイクルポイントに対する負担をかけず、また、店舗への安定した集客を可能として、一般消費者に対してリサイクルに対する意識を高める効果が期待できる。
【0005】
さらに、特許文献3には、「リサイクル品回収システム」という名称で、RFID(Radio Frequency-Identification:RFIDは株式会社サトーの登録商標)をリサイクルが必要な商品に貼付して、そのリサイクルが必要な商品を回収する際に、RFIDからその商品に関する価格情報とリサイクル品の分別の種類を示すリサイクル情報を読み出して、そのリサイクル品が投入された回収ボックスの分別の種類とが一致するか否かを判断し、また、価格情報に基づくポイントを算出する発明について開示されている。
このようなリサイクル品回収システムにおいては、回収ボックスに異なる分別の種類のリサイクル品が投入されることを防止することができ、リサイクル品及びRFIDの回収率を向上させることが可能である。
さらに、ポイントを付与することでリサイクル品の回収率を向上させることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−169937号公報
【特許文献2】特開2009−104491号公報
【特許文献3】特開2006−16119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明においては、蛍光スペクトルを測定してゴミの成分を金属、プラスチック、ガラス、その他のゴミに分類するとしているが、どのような蛍光スペクトルを測定するのか、どのように蛍光スペクトルが測定されるのかが不明であり、その誤差も不明であるという課題があった。また、蛍光スペクトルによって金属、プラスチック、ガラス、その他のゴミとして分類可能であったとしても、どのような金属、例えば鉄なのかアルミニウムなのかが不明であり、金属の中でも価値の異なる分類をおこなうことができず、不便であるという課題もあった。さらに、蛍光スペクトルを測定する装置を設ける必要があり、ゴミの分類をおこなうことにコストが大きくかかってしまうという課題があった。
【0008】
特許文献2に開示された発明では、ゴミを回収する際に用いられるゴミ回収端末が、ゴミから回収物情報を認識できるような識別情報を予め商品に付しておく必要があるという課題があった。また、発明の目的を考慮すれば、商品を購入した店舗でゴミを回収するシステムに都合がよいようになっており、これは消費者からすれば購入した店舗を記憶しておき、そこへゴミを持ち込んで回収してもらう必要があり、回収先を不特定の店舗とすることに不都合が生じるという課題があった。
【0009】
特許文献3に開示された発明では、リサイクル品にも高価なRFIDを取り付けておく必要があり、リサイクルシステムにコストがかかり過ぎるという課題があった。特に、RFID自身を資源と考えると、回収率が低下すれば資源の散逸にもなり、リサイクルシステム自体の成立性が危ぶまれるという課題もあった。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、簡単な構成によって廃棄物から複数の種類のリサイクル品を選別しながら、それぞれの重量を測定して、リサイクル品種によって異なるリサイクルのポイント還元率(係数)を考慮しながら、リサイクルに対するポイントを付与可能なリサイクルシステムとリサイクル方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明であるリサイクルシステムは、リサイクル品種とこのリサイクル品種毎に付与されるポイント係数を予め格納しておくデータベースと、このデータベースに格納されたリサイクル品種の中から1のリサイクル品種とそのリサイクル品種に付与されたポイント係数を選択するリサイクル品種制御部と、リサイクルに供される廃棄物の重量を計測する重量計測部と、前記リサイクル品種制御部で1のリサイクル品種が選択された後,他のリサイクル品種が選択されるまでの前記重量計測部で計測される重量の変化を前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量として演算する重量演算部と、この重量演算部で演算された前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量に前記選択リサイクル品種に付与されるポイント係数を掛けてポイントを演算するポイント演算部と、を有することを特徴とするものである。
このような構造のリサイクルシステムにおいては、重量計測部において計測される廃棄物の重量変化が、リサイクル品種制御部において選択されたリサイクル品種に係る廃棄物の想定重量として、ポイント演算部では、これに選択リサイクル品種に係るポイント係数をかけてポイントを演算するという作用を有する。
また、リサイクル品種制御部で選択されるリサイクル品種を順次変更しながら、廃棄物からそのリサイクル品種を抜き取ることで、重量演算部とポイント演算部は、複数のリサイクル品種に係る廃棄物の重量とポイントをそれぞれ演算する作用を有する。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のリサイクルシステムにおいて、前記ポイント係数は、0又は負値を含むことを特徴とするものである。
このような構造のリサイクルシステムにおいては、ポイント演算部はポイント係数が0の場合には、ポイントを0として、また、ポイント係数が負値の場合にはポイントをマイナスとして演算するという作用を有する。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のリサイクルシステムにおいて、前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量と前記選択リサイクル品種に付与されるポイント係数を掛けて演算されたポイントを記憶する記憶部を有し、前記ポイント演算部は、前記選択リサイクル品種毎に演算されたポイントを合算したリサイクル品種別合計ポイント及びこのリサイクル品種別合計ポイントを合算した総合計ポイントを演算し、前記記憶部に格納することを特徴とするものである。
このような構造のリサイクルシステムにおいては、記憶部は選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量と選択リサイクル品種に付与されるポイント係数を掛けて演算されたポイントを記憶する作用を有し、ポイント演算部はリサイクル品種別合計ポイント及びそれを合算した総合計ポイントを演算するという作用を有する。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のリサイクルシステムにおいて、前記重量演算部で演算された想定重量と、前記ポイント演算部で演算された前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量と前記ポイント係数を掛けて演算されたポイントと、前記リサイクル品種別合計ポイント又は前記総合計ポイントを表示する表示部を備えることを特徴とするものである。
このようなリサイクルシステムにおいては、表示部を備えて、この表示部が重量演算部で演算された想定重量、ポイント演算部で演算されたリサイクル品種別合計ポイント又は前記総合計ポイントを表示するという作用を有する。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載のリサイクルシステムにおいて、前記総合計ポイントを前記リサイクルに供する廃棄物の提供者が所有する記録メディアに記録する出力部を有するものである。
このようなリサイクルシステムによれば、出力部が総合計ポイントを記録メディアに対して記録する作用を有する。
【0016】
請求項6記載の発明であるリサイクル方法は、リサイクル品種とこのリサイクル品種毎に付与されるポイント係数を予めデータベースに格納しておき、このデータベースに格納されたリサイクル品種の中から1のリサイクル品種とそのリサイクル品種に付与されたポイント係数を選択するリサイクル品種選択工程と、リサイクルに供される廃棄物の重量を計測する重量計測工程と、前記リサイクル品種制御工程で1のリサイクル品種が選択された後,他のリサイクル品種が選択されるまでの前記重量計測工程で計測される重量の変化を前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量として演算する重量演算工程と、この重量演算工程で演算された前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量に前記選択リサイクル品種に付与されるポイント係数を掛けてポイントを演算するポイント演算工程と、前記ポイントを前記廃棄物の提供者が所有する記録メディアに記録する記録工程とを有するものである。
このようなリサイクル方法は、請求項1に記載されたリサイクルシステムを方法として捉えた発明であり、重量計測工程において計測される廃棄物の重量変化が、リサイクル品種制御工程において選択されたリサイクル品種に係る廃棄物の想定重量として、ポイント演算工程では、選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量にポイント係数をかけてポイントを演算するという作用を有する。
また、リサイクル品種制御工程で選択されるリサイクル品種を順次変更しながら、廃棄物からそのリサイクル品種を抜き取ることで、重量演算工程とポイント演算工程は、複数のリサイクル品種に係る廃棄物の重量とポイントをそれぞれ演算する作用を有する。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の請求項1記載のリサイクルシステムにおいては、リサイクル品種制御部で選択されるリサイクル品種を順次変更しながら、廃棄物からそのリサイクル品種を抜き取ることで、それぞれのリサイクル品種に係る廃棄物に関する重量及びポイントを演算可能であり、また、その過程で廃棄物を全体からそれぞれのリサイクル品種に分別することができるという効果を有する。
【0018】
本発明の請求項2記載のリサイクルシステムにおいては、ポイント演算部が演算したポイントが0の場合には、ポイント換算がないということで、そのリサイクル品種の廃棄物に金銭的な価値がない場合に、あてはめることが可能である。例えば、ガラスなどの場合、価値がないのでこれに対してポイントを付与することにリサイクル事業者などは抵抗がある。この場合にポイントを0とすることで、ガラスの重量については無視してポイントを付与しないようにすることが可能である。さらに、金銭的な価値がないばかりか、そのリサイクル品種の廃棄物を処理するコストが係る場合があり、このような場合にはポイント係数に負値を採用することでそのコストをポイントに換算して廃棄物を持ち込む者に対して要求することができる。
【0019】
本発明の請求項3記載のリサイクルシステムにおいては、記憶部が選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量と選択リサイクル品種に付与されるポイント係数を掛けて演算されたポイントを記憶することができ、ポイント演算部はリサイクル品種別の合計ポイント及びそれらを合算した総合計ポイントを演算することができる。
【0020】
本発明の請求項4記載のリサイクルシステムによれば、重量演算部で演算された想定重量、ポイント演算部で演算されたリサイクル品種別合計ポイント又は前記総合計ポイントを表示することが可能である。
【0021】
本発明の請求項5記載のリサイクルシステムによれば、総合計ポイントを記録メディアに記録することができ、この記録メディアを用いて取得したポイントの確認やそのポイントを使用することが可能である。
【0022】
本発明の請求項6記載のリサイクル方法によれば、請求項1に記載の発明と同様に、リサイクル品種制御工程で選択されるリサイクル品種を順次変更しながら、廃棄物からそのリサイクル品種を抜き取ることで、それぞれのリサイクル品種に係る廃棄物に関する重量及びポイントを演算可能であり、また、その過程で廃棄物を全体からそれぞれのリサイクル品種に分別することができるという効果を有する。総合計ポイントを記録メディアに記録することができ、この記録メディアを用いて取得したポイントの確認やそのポイントを使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るリサイクルシステムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るリサイクルシステムの概念図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るリサイクルシステムのリサイクル品種データ表の概念図である。
【図4】本実施の形態に係るリサイクルシステムの操作パネルの外形図である。
【図5】本実施の形態に係るリサイクルシステムのモード選択部の機能を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係るリサイクルシステムのモード選択部によってモード選択を行う際のディスプレイの表示を示す概念図である。
【図7】本実施の形態に係るリサイクルシステムのリサイクル品種データ確認モードのフローチャートである。
【図8】リサイクル品種データ確認モード時のディスプレイの表示を示す概念図である。
【図9】本実施の形態に係るリサイクルシステムのリサイクル品種入力モードのフローチャートである。
【図10】リサイクル品種入力モード時のディスプレイの表示を示す概念図である。
【図11】本実施の形態に係るリサイクルシステムのポイント係数修正モードのフローチャートである。
【図12】ポイント係数修正モード時のディスプレイの表示を示す概念図である。
【図13】本実施の形態に係るリサイクルシステムの重量計測モードのフローチャートである。
【図14】重量計測モード時のディスプレイの表示を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の最良の実施の形態に係るリサイクルシステム及びリサイクル方法について図1乃至図14を用いて説明する。本実施の形態に係るリサイクルシステム及びリサイクル方法の説明は、全体的にリサイクルシステムとしての構成を説明するが、そのリサイクルシステムの作動をフローチャートにして説明するため、実質的にはリサイクルシステムとリサイクル方法を同時に説明するものである。
図1は本発明の実施の形態に係るリサイクルシステムのシステム構成図であり、図2は本発明の実施の形態に係るリサイクルシステムの概念図である。図3は、本発明の実施の形態に係るリサイクルシステムのリサイクル品種データ表の概念図である。
【0025】
図1において、リサイクルシステム1は、その作動モードの選択を行うモード選択部2、記憶部10に格納されるデータやリサイクルシステム1を作動させる際に必要なデータを入力するための入力部3、廃棄物に含まれるリサイクル品種を選択したり、そのリサイクル品種に対応するポイント係数を選択するためのリサイクル品種制御部4を備えている。
また、重量計測部6、重量演算部7、仮記憶部8及びポイント演算部9からなる演算部5を備えており、モードデータ13、ビンデータ14、リサイクル品種データ15、ポイント係数データ16、ポイントデータ17及び計測重量データ18を格納する記憶部10を有しており、入力されるデータや演算部5によって演算された結果について表示を行うための表示部12、さらには、外部装置やシステム等へ入力データや出力データを伝送するための出力部11が設けられている。
【0026】
本実施の形態に係るリサイクルシステム1は、図2に示されるとおり、ローラー23を備えた台秤り形状であり、上面に廃棄物計量ラック21を載置して、この廃棄物計量ラック21の中に複数のリサイクル品種を含む廃棄物の重量を計測するための重量計測部6が設けられている。台状の本体部の内部にはリサイクル品種制御部4、演算部5のうち重量計測部6以外の重量演算部7、仮記憶部8及びポイント演算部9が設けられている。台状の本体部から垂直に延設されるのは、このリサイクルシステム1を作動させる際の操作パネル30である。この操作パネル30の部分には、モード選択部2、記憶部10が設けられており、この操作パネル30はタッチパネル方式を採用しており、入力部3や表示部12としても機能するものである。
リサイクルに供する廃棄物の提供者は、廃棄物計量ラック21の中に複数種類のリサイクル品種を混合させたまま廃棄物を投入することが可能である。その中から、リサイクル事業者はそれぞれのリサイクル品種に係る廃棄物を取り出して新聞紙・雑誌であれば廃棄物リサイクル用バケット22aへ、缶ビールの空き缶のうちアルミニウム製のものであれば廃棄物リサイクル用バケット22bへ、ペットボトルであれば廃棄物リサイクル用バケット22cへというように分別しながら投入していく。これらのリサイクル品種は一例であり、これらの他にも廃棄物リサイクル用バケットを用意しておくとよい。このようなリサイクルシステム1の使用方法については、後述する。
なお、図2に示されるリサイクルシステム1の外形及び各構成要素の配置は一例であり、必ずしもそのように外形あるいは配置される必要はなく、機能が備わっていればよい。
【0027】
図1に戻ってリサイクルシステム1の説明を行う。
入力部3は、まず、記憶部10に予め格納されるモードデータ13やビンデータ14、リサイクル品種データ15やポイント係数データ16を入力するために用いられる。
モードデータ13とは、図5及び図6を参照しながら後述するが、リサイクル品種データ確認モード、リサイクル品種入力モード、ポイント係数修正モード及び重量計測モードの4種類のモードに関するデータを意味している。これらの4種類のモードが選択されると、それぞれのモードに従った種々のデータの入力や演算が実行される。これらのモードに沿ったデータ入力及び演算の実行については、図5以降を参照しながら後で説明する。
ビンデータ14とは、例えば図3に示されるようなリサイクル品種データ表24のようなデータを意味する。具体的には、リサイクル品種列26、ポイント係数列27、計測重量列28及びポイント数列29などのデータをそれぞれ組み合わせるためのデータ構成に関するデータであり、それぞれの対応についてリサイクル品種番号列25に示されるような序数を対応させているのが特徴である。
この図3に示されるリサイクル品種データ表24の構成を示すものがビンデータ14であり、リサイクル品種列26に示されるデータがリサイクル品種データ15であり、ポイント係数列27に示されるデータがポイント係数データ16となる。また、計測重量列28やポイント数列29に示されるデータは予め格納されるデータではなく、計測重量列28では、演算部5の重量計測部6によって計測される選択リサイクル品種に係る廃棄物の重量に関する計測重量データ18が示され、ポイント数列29では、演算部5のポイント演算部9によって演算される選択リサイクル品種に係る廃棄物の重量に対応するポイントデータ17が示されることになる。
従って、ビンデータ14は、これらのデータ列に示されるデータを関連付けた状態のデータであり、例えば、リサイクル品種番号列25のNo.1というビン番号には、リサイクル品種として紙(上質紙)が対応し、そのポイント係数は20であり、そのリサイクル品種に関する廃棄物の重量計測が実行されるとその重さが計測重量列28のNo.1に入力され、それに伴ってポイントが演算されると、ポイント数列29のNo.1に入力される、リサイクル品種としての紙(上質紙)にそれぞれが対応することになるが、その組み合わせの構成をデータ化しているのがビンデータ14である。
【0028】
リサイクル品種データ15は、これまでに説明したとおり、図3のリサイクル品種データ表24のリサイクル品種列26に示される廃棄物のリサイクル品種に関係するデータであり、ビンデータ14によって、図3に示されるようなリサイクル品種列26に配列されている。リサイクル品種データ15は、予め廃棄物のリサイクル事業に際して入力されて、記憶部10に格納されるものであり、リサイクル事業を行う地域や回収場所などを考慮して入力しておくとよい。また、リサイクル事業の内容によっては、細分化を行い、プラスチックや家電製品、コンピュータの内容について詳細に分類してもよい。
ポイント係数データ16も説明したとおり、図3のリサイクル品種データ表24のポイント係数列27に示される廃棄物のリサイクル品種に関係し、その重量に対してどの程度のポイントを付与するかというポイント換算データであり、ビンデータ14によって、図3に示されるようなポイント係数列27に配列されている。ポイント係数データ16も予め入力されて記憶部10に格納されるものである。
このポイント係数データ16は、特に固定されるものではなく、リサイクル事業を行う事業者や付与されたポイントを使うことが可能な店舗などの意向、リサイクルコストやリサイクル品種毎の資源としての再利用価値等によって変動するものである。また、例えば、リサイクル品種データ表24のNo.8に示されるリサイクル品種であるガラスのポイント係数は0であるが、これはポイントが付かないことを意味しており、回収に要するコストがそのまま回収されるリサイクル品種の価値と一致してポイントを還元する価値まではないことを意味している。さらに、No.14にはリサイクル品種として陶磁器が示されているが、このポイント係数は−100である。この場合は、陶磁器を回収するコストが回収される陶磁器の価値を大幅に下回っていることを意味している。従って、利用者は陶磁器に関する廃棄物を多く出せば出すほどポイントを失うことになる。これは、陶磁器を処理するために要するリサイクルコストを事業者が負担しなければならず、その負担を廃棄物提供者に対して転嫁するためである。ポイント係数データ16は、このようにリサイクル品種毎にその回収コストと廃棄物の価値とのバランスを考慮して設定しておくことが可能である。本実施の形態に係るリサイクルシステム1では、ポイント係数データ16として0や負値を含めることで、リサイクル可能な資源に対する還元とリサイクルできないような廃棄物処理に対する負担転嫁の同時実施が可能となる点が大きな特徴である。
【0029】
次に、モード選択部2について説明するが、その前に図4を参照しながら本実施の形態に係るリサイクルシステム1の操作パネル30について説明する。図4は、本実施の形態に係るリサイクルシステム1の操作パネル30の外形図である。
図4において、操作パネル30は、タッチパネル式のディスプレイ31を備えており、ディスプレイ31に表示されるタッチボタンを手で触れることで入力が可能である。
操作パネル30の右側には、リサイクルシステム1の作動モードを選択するためのモードボタン32、ディスプレイ31に表示される選択肢を指定するための選択ボタン33、指定された選択肢を決定入力するための入力ボタン34、前動作で入力した情報を消去して次の入力をするためのクリアボタン35が設けられている。符号の36は、計測完了ランプ36であり、演算部5の重量計測部6で廃棄物の重量が計測されて数値が確定した際に点灯又は点滅するランプである。
さらに、テンキー37を備えており、ディスプレイ31に表示される入力ウインドウに数値を入力することが可能である。また、符号38は起動スイッチ38であり、符号39はカードスロット39である。このカードスロット39は、磁気カードや磁気ディスクなどの記録メディアを挿入して、リサイクルシステム1によって付与されるポイントを書き込むためのものである。
【0030】
以下、図4の他、図5及び図6を参照しながら、モード選択部2の機能について説明する。図5は本実施の形態に係るリサイクルシステムのモード選択部の機能を説明するためのフローチャートであり、図6はモード選択部によってモード選択を行う際のディスプレイの表示を示す概念図である。
リサイクルシステム1を起動させた後に、最初に作動モードを選択する必要がある。この作動モードを選択するために、図4のモードボタン32を押すと、図6に示されるような画面がディスプレイ31に表示される。作動モードは図5及び図6に示されるとおり、リサイクル品種データ確認モード40a、リサイクル品種入力モード40b、ポイント係数修正モード40c、重量計測モード40dの4種類がモード表示として表示される。
これらのモード選択の動作フローを示したのが図5である。ステップS1でモード選択を行うためのモードボタン32を押し、図6に示される画面で前述のそれぞれのモードのうち、いずれかを選択すると、ステップS2−1としてリサイクル品種データ確認モード,ステップS2−2としてリサイクル品種入力モード,ステップS2−3としてポイント係数修正モード,ステップS2−4として重量計測モードにそれぞれ進んでいく。
【0031】
図7及び図8を参照しながら、ステップS2−1として進んだ場合のリサイクル品種データ確認モードについて説明する。図7は本実施の形態に係るリサイクルシステムのリサイクル品種データ確認モードのフローチャートであり、図8はリサイクル品種データ確認モード時のディスプレイの表示を示す概念図である。
図5においてステップS2−1としてリサイクル品種データ確認モードを選択した場合には、符号Aに進み、図7に示されるようにステップS3−1として、リサイクル品種データの読み出しを行う。この動作は、図1のシステム構成図におけるモード選択部2が実行する。モード選択部2は、記憶部10に記憶されているモードデータ13、ビンデータ14、リサイクル品種データ15及びポイント係数データ16にアクセスして、モードデータ13からリサイクル品種データ確認モード表示41を抽出し、ビンデータ14、リサイクル品種データ15及びポイント係数データ16からリサイクル品種ポイント係数データ表42に示されるようなデータとして抽出し、これらをディスプレイ31に表示する(ステップS4−1)。
リサイクル事業者、すなわちリサイクルシステム1を作動している者は、この表示を見て、使用時に想定される廃棄物に含まれるそれぞれのリサイクル品種が含まれているか、また、それぞれのリサイクル品種に対するポイント係数は妥当であるかを確認することができる。
【0032】
次に、図9及び図10を参照しながら、ステップS2−2として進んだ場合のリサイクル品種入力モードについて説明する。図9は本実施の形態に係るリサイクルシステムのリサイクル品種入力モードのフローチャートであり、図10はリサイクル品種入力モード時のディスプレイの表示を示す概念図である。
図5においてステップS2−2としてリサイクル品種入力モードを選択した場合には、符号Bに進み、図9に示されるようにステップS3−2としてビンデータ14の読み出しを行う。この動作もモード選択部2が行う。モード選択部2は、記憶部10に記憶されているモードデータ13、ビンデータ14にアクセスして、モードデータ13からリサイクル品種入力モード表示43を抽出し、ビンデータ14から、リサイクル品種No.に関する表示窓44、リサイクル品種に関する表示窓45、ポイント係数に関する表示窓46、ひらがな入力キー47及び変換キー48に関するデータを抽出し、これらをディスプレイ31に表示する(ステップS4−2)。
リサイクル品種入力モードでは、デフォルトに含まれていないようなリサイクル品種を新たに追加する場合やリサイクル対象となる廃棄物が特別なものを含む場合に対応可能なように、ユーザー(リサイクル事業者)が個別に新たなリサイクル品種を入力するためのものである。
ステップS4−2では、空きリサイクル品種No.が自動的に表示窓44に表示される。そこで、その空きリサイクル品種No.に対応するように追加するリサイクル品種を表示窓45に入力する(ステップS5−2)。その入力の際には、ひらがな入力キー47を用いる。本実施の形態においてはひらがなの入力キーを用いたが、カタカナ入力やローマ字入力用の入力キーを用いてもよいことは言うまでもない。
ひらがな入力キー47を用いながら、漢字などへの変換は変換キー48を用いる。表示窓45にリサイクル品種を入力した後は、表示窓46にそのリサイクル品種に対応するポイント係数を入力する(ステップS6−2)。最終的なリサイクル品種として入力の際には入力ボタン34を押す。
このポイント係数は、廃棄物の重量1kg当たりのポイント数となるので、数字で入力する必要があるので、この場合には、テンキー37を利用する。
最終的なポイント係数として確定させる場合には、入力ボタン34を押す。
これらの操作によって新たに追加するリサイクル品種の名称とポイント係数がそれぞれ記憶部10のリサイクル品種データ15とポイント係数データ16に格納される。また、リサイクル品種No.との関係は、ビンデータ14として記憶部10に格納されることになる。
ポイント係数としてテンキー37を用いて入力するようにしたが、特にテンキー37を用いることなく、たとえばポイント係数データ16の一部として、係数候補を含めておいて、これを表示窓46に表示させて選択、確定するようにしてもよい。すなわち、負値の−100から0、さらに正値の100まで0.1刻みあるいは0.5あるいは1刻みで数値を予め設定しておき、これらの数値を表示させて、その中から選択ボタン33及び入力ボタン34を使用して選択、決定してポイント係数として適用させるようにしてもよい。
【0033】
次に、図11及び図12を参照しながら、ステップS2−3として進んだ場合のポイント係数修正モードについて説明する。図11は本実施の形態に係るリサイクルシステムのポイント係数修正モードのフローチャートであり、図12はポイント係数修正モード時のディスプレイの表示を示す概念図である。
図5においてステップS2−3としてポイント係数修正モードを選択した場合には、符号Cに進み、図11に示されるようにステップS3−3としてリサイクル品種データ15の読み出しを行う。この動作もモード選択部2が行う。モード選択部2は、記憶部10に記憶されているモードデータ13、ビンデータ14、リサイクル品種データ15及びポイント係数データ16にアクセスして、モードデータ13からポイント係数修正モード表示50を抽出し、ビンデータ14から、リサイクル品種No.に関する表示窓44、リサイクル品種に関する表示窓45及びポイント係数に関する表示窓46に関するデータを抽出し、これらをディスプレイ31に表示する。また、その際にリサイクル品種No.の表示窓44にポイント係数を修正したいと考える番号を、テンキー37を用いて入力し、入力ボタン34で確定させる。
リサイクル品種No.が確定されると、モード選択部2はリサイクル品種データ15及びポイント係数データ16から、そのリサイクル品種No.に対応する現在のリサイクル品種データ15とポイント係数データ16をそれぞれ表示窓45,46に表示する。
これらが表示された後に、ステップS4−3として、ポイント係数の修正・入力を実行する。この修正・入力は、表示窓46にテンキー37を用いてポイント係数を直接修正し、その後に入力ボタン34を用いて確定することで書き換えられる。
このポイント係数修正モードは、例えばリサイクル事業において当該リサイクル品種の価値が変動したり、あるいは当該リサイクル品種に係る廃棄物の処理コストが変動したりすることで、それまでのポイント係数を維持できなくなった場合に自由にユーザー(リサイクル事業者)が変更可能である。
【0034】
以上説明したとおり、本実施の形態に係るリサイクルシステム1の利用では、実際に廃棄物の重量を測定してポイント換算してそれを廃棄物の提供者に対して付与するまでにいくつか作動モードを備えて、設定や修正を行うことが可能であり、より柔軟なリサイクル事業を展開することが可能である。
【0035】
以上のことを踏まえて、次に、図13及び図14を参照しながら、ユーザー(リサイクル事業者)が、本リサイクルシステム1を用いて廃棄物を回収しながらリサイクル品種毎に分別可能に使用する場合について説明する。
図13は、本実施の形態に係るリサイクルシステムの重量計測モードのフローチャートであり、図14は重量計測モード時のディスプレイの表示を示す概念図である。
図5においてステップS2−4として重量計測モードを選択した場合には、符号Dに進み、図13に示されるようにステップS3−4としてリサイクル品を重量計測部6に載置する。この状態は、図2に示される廃棄物計量ラック21の中に、リサイクル品が収容されている状態である。ステップS3−4では、図14に示されるような表示がディスプレイ31になされる。これは、モード選択部2が、記憶部10に記憶されているモードデータ13、ビンデータ14、リサイクル品種データ15及びポイント係数データ16にアクセスして、モードデータ13から重量計数モード表示51及びリサイクル品種表示タッチパネル58に関するデータを抽出し、ビンデータ14、リサイクル品種データ15及びポイント係数データ16から、リサイクル品種表示窓52及びポイント係数表示窓53に関するデータとその中に示されるデータを抽出し、これらをディスプレイ31に表示する。
本実施の形態に係る重量計測は、減算式で実行されるため、重量計測前に廃棄物計量ラック21の重量を予め測定する必要がなく、この廃棄物計量ラック21は例えばリサイクル事業者ではなくリサイクル品の提供者によって準備されたラックでもよい。
【0036】
リサイクルシステム1は、次にステップS4−4としてリサイクル品種の選択を実行する。これは図14のディスプレイ31にリサイクル品種表示タッチパネル58として表示されるパネルに使用者が手で触れることで選択されるが、システム上は、図1に示されるリサイクル品種制御部4によって実行される。
リサイクル品種表示タッチパネル58とリサイクル品種制御部4を用いて入力されたリサイクル品種は、クリアボタン35が押されて次に新たなリサイクル品種の入力があるまで、固定されるものである。あるいは、クリアボタン35を備えていなくとも、他のリサイクル品種の入力があるまで固定されるようにしておいてもよい。
リサイクル品種が決定されると、リサイクルシステム1は廃棄物計量ラック21から当該選択リサイクル品種に係る廃棄物の取り出しを行う(ステップS5−4)。ユーザーは、リサイクル品種が決定された後に、そのリサイクル品種に該当する廃棄物を廃棄物計量ラック21の中から探して、それを廃棄物計量ラック21から取り出して、予め分別用に設けられた廃棄物リサイクル用バケット(図2参照)に収納していく。もちろん、当該リサイクル品種に対応した廃棄物リサイクル用バケットに収納していくのである。
【0037】
リサイクルシステム1は、廃棄物計量ラック21から取り出されるたびに、重量計測部6で計測している重量が減っていくため、その重量の差分を取ることで、その取りだされた選択リサイクル品種に係る廃棄物の重量を測定することが可能である(ステップS6−4)。詳細に説明すれば、リサイクル品種がステップS4−4で選択された時点の廃棄物を含む廃棄物計量ラック21の重量を仮記憶部8において記憶しておき、選択リサイクル品種に係る廃棄物が廃棄物計量ラック21から取り出される度に重量が減り、その度にその差分が重量であると演算されるのである。
重量の差分による重量計測は、演算部5の重量演算部7が実行する。この重量演算部7では、減算によって重量を測定するが、その際に、多少リサイクルシステム1の本体部で揺れが生じることもあり、減算によって測定された重量の振れが一定の幅内に収まると、重量演算部7は計測完了ランプ36を点灯又は点滅させる。
従って、ユーザーはその計測完了ランプ36の点灯又は点滅を待って、次の廃棄物を廃棄物計量ラック21から取り出すことができ、重量測定の精度を維持することが可能である。また、減算式であるため、少しずつでも廃棄物計量ラック21から選択リサイクル品種に係る廃棄物を取り出すことができ、便利である。
【0038】
ステップS7−4では、ポイント演算を行う。これは、演算部5のポイント演算部9が実行するが、ステップS6−4で測定された選択リサイクル品種に係る廃棄物の重量値に、その選択リサイクル品種に係るポイント係数を記憶部10から読み出して、掛け算を行ってポイントを演算するものである。
ステップS7−4のポイント演算のタイミングは、重量演算部7によって重量が演算された時点で自動的に実行されてもよいし、時間遅れがあってポイントを演算するようにしてもよい。本実施の形態においては、計測完了ランプ36が点灯又は点滅した時点で、重量演算部7は重量を演算し、それと同時にポイント演算部9でポイントを演算するようにしているが、そのようなタイミングに限定するものではない。
選択リサイクル品種に対するポイントが演算されると、その結果を重量演算部7及びポイント演算部9はそれぞれ仮記憶部8に格納する(ステップS8−4)。その際にはリサイクルシステム1に格納を促すために入力ボタン34を押す。リサイクルシステム1は入力ボタン34が押されると、その選択リサイクル品種に係る廃棄物の重量とポイントを仮記憶部8に格納する。
本実施の形態においては、選択リサイクル品種に係る廃棄物の重量を測定し、その後にポイントを演算してから仮記憶部8に仮記憶させているが、たとえば、重量演算部7が演算した重量を計測完了ランプ36の点灯又は点滅のタイミングで仮記憶部8に格納しておき、これをポイント演算部9が読み出して記憶部10から読み出したポイント係数を掛け算して当該選択リサイクル品種に係る廃棄物のポイントを演算してもよい。
【0039】
次に、ステップS9−4では廃棄物計量ラック21に含まれるリサイクル品種がまだ存在するか否かを確認するステップである。このステップS9−4はユーザーによって実行される部分であり、リサイクルシステム1には直接無関係である。
ユーザーは、廃棄物計量ラック21の中を見ながら、残っている廃棄物があるかどうかを確認し、まだある場合には、ステップS4−4に戻る。すなわち、別のリサイクル品種を選択するのである。リサイクルシステム1は、再度リサイクル品種の入力を受ける。その際には再びリサイクル品種表示タッチパネル58及びリサイクル品種制御部4を用いて入力する。また、その前に先の選択リサイクル品種に関する選択を解除する意味で、クリアボタン35を押してもよい。
これらのステップS4−4からステップS9−4を廃棄物計量ラック21の中にリサイクル品種に係る廃棄物がなくなるまで実行することになる。
従って、例えば、同じリサイクル品種に係る廃棄物を2度に亘って重量計測してもよいし、それ以上の回数に分けて計測してポイント演算してもよい。このように減算式で重量を測定してポイントを付与することで、廃棄物に含まれるリサイクル品種を取り出す際には、その順序や同じリサイクル品種を取り出す際の回数は考慮することなく、重量計測とポイント演算が可能となる。従って、廃棄物計量ラック21の中から、目についたリサイクル品種を設定しさえすれば、そのリサイクル品種を容易に廃棄物計量ラック21から取り出すことが可能であり、廃棄物計量ラック21から取り出し易いリサイクル品種から順次設定することで、効率的にリサイクルに係る廃棄物の分別が可能となるのである。
【0040】
廃棄物計量ラック21の中からリサイクル品種がなくなったと判断された場合には、ユーザーは入力ボタン34を2度押しする。これがリサイクルシステム1における重量計測モードの終了のための信号となる。この信号の入力を受けると、すべてのリサイクル品種の重量測定及びポイント演算が終了したものと判断して、重量演算部7及びポイント演算部9は、仮記憶部8に格納されたリサイクル品種毎の計測重量及びポイントを読み出して、記憶部10の計測重量データ18及びポイントデータ17として格納する(ステップS10−4、ステップS11−4)。その際には、同じリサイクル品種毎に仮記憶部8に格納された計測重量及びポイントを合計し(ステップS10−4)、さらに、ポイントについては、各リサイクル品種毎のポイントをさらに総合計して、計測重量データ18あるいはポイントデータ17として記憶部10に格納する(ステップS11−4)。
図14に示されるとおり、ディスプレイ31では、ステップS6−4の際の計測重量が計測重量表示窓54に表示される。これは、重量演算部7からこの計測重量に関するデータを表示部12に送信して表示されるものである。また、ステップS7−4の際のポイントはポイント表示窓55に表示されるが、これはポイント演算部9からポイントに関するデータが表示部12に送信されるためである。
さらに、ステップS11−4においては、ポイント演算部9で演算される同じリサイクル品種毎のポイントの合計のうち、リサイクル品種表示窓52に表示されているリサイクル品種に対応するポイントの合計が計測重量表示窓56に表示される。また、すべてのリサイクル品種に関するポイントの総合計が合計ポイント表示窓57に表示される。これらは、ポイント演算部9から演算結果が表示部12に送信されることで実行される。
なお、計測重量表示窓56にはリサイクル品種表示窓52に表示されているリサイクル品種に対応するポイントの合計が表示されるが、その表示をステップS7−4において実行することも考えられる。リサイクル品種毎のポイント合計は本実施の形態においてはステップS11−4で実行することにしているが、これをステップS7−4で実行するようにするとよい。同様にステップS10−4において実行されているリサイクル品種毎の計測重量の合計も同様である。その際には、仮記憶部8においてそれらの合計を格納するようにしてもよいし、逐次、合計値を記憶部10に格納するようにしてもよい。
【0041】
以上説明したように実行される重量計測モードが完了すると、廃棄物計量ラック21に収容されていた廃棄物のポイント換算がすべて終了しているので、記録メディア20をカードスロット39に挿入する。記録メディア読取・書込部19は、まず挿入された記録メディア20に記録されているそれまでのポイントを読み取り、その現在ポイントに対して、ポイント演算部9によって演算されたポイントの総合計を加算して記録メディア20に書き込む。その際に、記録メディア20の表面に、加算されて書き込まれたポイント及び今回新たに加算されたポイントを印字するようにしてもよい。
あるいは、記録メディア20や記録メディア読取・書込部19を用いることなく、出力部11から外部の装置に対して計測重量やポイントに関するデータを転送してもよい。たとえば、携帯電話やパーソナルコンピュータなどにデータ転送するような場合が考えられる。
記録メディアに書き込まれたポイントは、たとえばリサイクル業者が提携するスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで使用可能とすれば、それらの店舗を利用する消費者などが自宅などに保管している廃棄物を持ち寄って、廃棄物をポイントに換算するようになるため、リサイクル業者は、自ら廃棄物を回収して回る必要がなく、例えば、スーパーマーケットの駐車場の隅などで、本実施の形態に係るリサイクルシステム1を持ち込み、消費者が持参する廃棄物を分別回収すれば、効率的に資源を回収することができると同時に、消費者はポイントを集めて買い物を楽しむことが可能であり、店舗側はエコロジーに感度の高い企業という名声を得ることが可能であると同時に顧客の誘い込みなどマーケティング戦略としても活用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上説明したように、請求項1乃至請求項6に記載された発明は、リサイクル事業におけるリサイクル品種に係る廃棄物の重量計測及びその計測重量に基づくポイント付与サービスに適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…リサイクルシステム 2…モード選択部 3…入力部 4…リサイクル品種制御部 5…演算部 6…重量計測部 7…重量演算部 8…仮記憶部 9…ポイント演算部 10…記憶部 11…出力部 12…表示部 13…モードデータ 14…ビンデータ 15…リサイクル品種データ 16…ポイント係数データ 17…ポイントデータ 18…計測重量データ 19…記録メディア読取・書込部 20…記録メディア 21…廃棄物計量ラック 22a,22b,22c…廃棄物リサイクル用バケット 23…ローラー 24…リサイクル品種データ表 25…リサイクル品種番号列 26…リサイクル品種列 27…ポイント係数列 28…計測重量列 29…ポイント数列 30…操作パネル 31…ディスプレイ 32…モードボタン 33…選択ボタン 34…入力ボタン 35…クリアボタン 36…計測完了ランプ 37…テンキー 38…起動スイッチ 39…カードスロット 40a〜40d…モード表示 41…リサイクル品種データ確認モード表示 42…リサイクル品種ポイント係数データ表 43…リサイクル品種入力モード表示 44…表示窓 45…表示窓 46…表示窓 47…ひらがな入力キー 48…変換キー 50…ポイント係数修正モード表示 51…重量計数モード表示 52…リサイクル品種表示窓 53…ポイント係数表示窓 54…計測重量表示窓 55…ポイント表示窓 56…計測重量表示窓 57…合計ポイント表示窓 58…リサイクル品種表示タッチパネル



【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル品種とこのリサイクル品種毎に付与されるポイント係数を予め格納しておくデータベースと、このデータベースに格納されたリサイクル品種の中から1のリサイクル品種とそのリサイクル品種に付与されたポイント係数を選択するリサイクル品種制御部と、リサイクルに供される廃棄物の重量を計測する重量計測部と、前記リサイクル品種制御部で1のリサイクル品種が選択された後,他のリサイクル品種が選択されるまでの前記重量計測部で計測される重量の変化を前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量として演算する重量演算部と、この重量演算部で演算された前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量に前記選択リサイクル品種に付与されるポイント係数を掛けてポイントを演算するポイント演算部と、を有することを特徴とするリサイクルシステム。
【請求項2】
前記ポイント係数は、0又は負値を含むことを特徴とする請求項1記載のリサイクルシステム。
【請求項3】
前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量と前記選択リサイクル品種に付与されるポイント係数を掛けて演算されたポイントを記憶する記憶部を有し、前記ポイント演算部は、前記選択リサイクル品種毎に演算されたポイントを合算したリサイクル品種別合計ポイント及びこのリサイクル品種別合計ポイントを合算した総合計ポイントを演算し、前記記憶部に格納することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリサイクルシステム。
【請求項4】
前記重量演算部で演算された想定重量と、前記ポイント演算部で演算された前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量と前記ポイント係数を掛けて演算されたポイントと、前記リサイクル品種別合計ポイント又は前記総合計ポイントを表示する表示部を備えることを特徴とする請求項3に記載のリサイクルシステム。
【請求項5】
前記総合計ポイントを前記リサイクルに供する廃棄物の提供者が所有する記録メディアに記録する出力部を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のリサイクルシステム。
【請求項6】
リサイクル品種とこのリサイクル品種毎に付与されるポイント係数を予めデータベースに格納しておき、このデータベースに格納されたリサイクル品種の中から1のリサイクル品種とそのリサイクル品種に付与されたポイント係数を選択するリサイクル品種選択工程と、リサイクルに供される廃棄物の重量を計測する重量計測工程と、前記リサイクル品種制御工程で1のリサイクル品種が選択された後,他のリサイクル品種が選択されるまでの前記重量計測工程で計測される重量の変化を前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量として演算する重量演算工程と、この重量演算工程で演算された前記選択リサイクル品種に係る廃棄物の想定重量に前記選択リサイクル品種に付与されるポイント係数を掛けてポイントを演算するポイント演算工程と、前記ポイントを前記廃棄物の提供者が所有する記録メディアに記録する記録工程と、を有することを特徴とするリサイクル方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−95907(P2011−95907A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247801(P2009−247801)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000154772)株式会社宝計機製作所 (10)