説明

リストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法

【課題】手首や足首などの被巻付け部に巻き付ける際の操作が確実で、適正かつ正確なリング状に巻付け形態を確保するようにしたリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を提供する。
【解決手段】従来バンド基材2の両端部の裏面と表面とを貼り合わせるのではなく最初に裏面同士を貼り合わせることに着目し、露出した粘着剤層3(第1の貼付け領域22)を有する第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを、粘着剤層3の一部(第2の貼付け領域23)を露出可能に残した状態で第1の貼合わせ位置ガイド18、19Aおよび第2の貼合わせ位置ガイド19を互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成可能とし、露出可能に一部残った粘着剤層3(第2の貼付け領域23)を有する第1の巻付け領域6を第2の巻付け領域7の表面に貼り付け可能としていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法にかかるもので、とくに医療分野や遊技場分野で患者や入場者の手首や足首などに巻き付けるようにして取り付けることにより、人物を特定することができるようにしたリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、短冊状のリストバンドとして、その帯状のバンド本体の裏面に粘着剤を塗布し、台紙を仮着しているものがある。
その使用にあたっては、台紙の一部をはがして粘着剤層を露出させ、手首などを一周するようにリング状にした上でバンド本体の両端部を貼り合わせる。すなわち、一方の端部における裏面側の粘着剤層を他方の端部における表面側に貼り付けることになる。
また、バンド本体の少なくとも一方の端部には、再使用防止用ないし不正防止用の切込み部を形成している。
【0003】
しかしながら、細長い短冊状のリストバンドを、使用者によってそれぞれ異なる大きさの手首や足首に適正な位置に、適正な大きさ(直径)でリストバンドを巻き付ける操作が面倒で、とくに一人で巻き付ける際には、適正な貼合わせ形態を確保することが困難で、その作業性が低下するという問題がある。
また、リストバンド自体が細長いために、その両端部どうしを貼り合わせるときに、この両端部が互いにずれてしまいやすいという問題がある。
【0004】
さらに、ラベル形態としたリストバンドの両端部を貼り合わせる際に、両端部を所定の長さにわたって互いに的確かつ確実に、また注意深く貼り付けないと、不正使用防止用にこの両端部に形成した切込み部がその貼合わせ部(重合わせ部)が位置せずに、その破断機能(不正使用防止機能)を十分に発揮することが困難であり、上述のように巻付け操作が面倒であると貼合わせ形態が適正ではないという自体が多く発生しやすいという問題もある。
【0005】
なお、単葉のリストバンドを複数枚連続して帯状としたリストバンド連続体においては、その最端部から単葉のリストバンドを切り離すなどして、それぞれ実際の使用に供しているが、バンド基材の裏面側に台紙を裏打ち(仮着)した構成のリストバンドにおいては、単葉のリストバンドとしたのちに粘着剤層を露出させるために台紙の一部をバンド基材の裏面側から剥離する手間が必要であり、リストバンド連続体の状態から粘着剤層を露出させて実際に環状に形成するという、単葉のリストバンドを準備するまでの手間がかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−39209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、手首や足首などの被巻付け部に巻き付ける際の操作が簡便かつ確実なリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を提供することを課題とする。
【0008】
また本発明は、適正かつ正確なリング状に巻付け形態を確保することができるようにしたリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、不正使用防止用の切込み部がその機能を確実に発揮することができるように、その両端部を正しい姿勢で貼り合わせ可能としたリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、リストバンド連続体から単葉のリストバンドを分離した状態で、バンド基材から台紙がすでに剥離された構成となり、ただちに環状に形成することができるリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち本発明は、従来のように帯状のバンド基材の両端部の裏面と表面とを貼り合わせるのではなく最初に裏面どうしを貼り合わせること、一回の貼付け操作で被巻付け部への環状の巻付け操作を完了するのではなく巻付け操作を二回に分けることに着目したもので、第一の発明は、帯状のバンド基材と、このバンド基材の裏面に形成した粘着剤層と、この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な台紙と、を有し、上記バンド基材は、特定情報を表示可能な中央領域と、この中央領域の左右端部にそれぞれ位置し、この中央領域とともに手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な第1の巻付け領域および第2の巻付け領域と、を有するリストバンドであって、上記第1の巻付け領域および上記第2の巻付け領域に、第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドをそれぞれ設けているとともに、上記第1の巻付け領域の裏面側における上記台紙をはがして上記粘着剤層を露出可能とし、この露出した上記粘着剤層(第1の貼付け領域)を有する上記第1の巻付け領域の裏面と、上記第2の巻付け領域の裏面とを、上記粘着剤層の一部(第2の貼付け領域)を露出可能に残した状態で上記第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより上記被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成可能とし、上記露出可能に一部残った上記粘着剤層(第2の貼付け領域)を有する上記第1の巻付け領域を上記第2の巻付け領域の表面に貼り付け可能としていることを特徴とするリストバンドである。
【0012】
第二の発明は、帯状のバンド基材と、このバンド基材の裏面全面に形成した粘着剤層と、この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な帯状の台紙と、を有し、手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能なリストバンドであって、上記バンド基材の一方の端部の裏面において上記台紙が剥離されて上記粘着剤層が露出可能であるとともに、上記バンド基材の他方の端部の表面において上記バンド基材が剥離されて上記台紙が露出していることを特徴とするリストバンドである。
【0013】
第三の発明は、上記第二の発明による上記リストバンドを複数枚有するもので、帯状のバンド基材と、このバンド基材の裏面全面に形成した粘着剤層と、この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な帯状の台紙と、を有し、手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能なリストバンド連続体であって、上記バンド基材には、単葉のリストバンドを形成するための所定間隔をあけた一対のバンド切離し線を形成し、上記台紙には、所定間隔をあけた一対の台紙切離し線を、上記バンド切離し線とはそれぞれ異なった部位に形成しているとともに、上記単葉のリストバンドは、上記バンド基材の一方の端部の裏面において上記台紙が剥離されて上記粘着剤層が露出可能であるとともに、上記バンド基材の他方の端部の表面において上記バンド基材が除去されて上記台紙が露出可能であることを特徴とするリストバンド連続体である。
【0014】
上記バンド切離し線は、上記単葉のリストバンドを形成可能な切離し用のカットであることができる。
【0015】
上記バンド切離し線は、上記単葉のリストバンドを形成可能な切離し用のカットであるとともに、この切離し用のカットの部分において位置検出用の間隔を形成していることができる。
【0016】
第四の発明は、上記第一の発明による上記リストバンドを複数枚有するもので、帯状のバンド基材と、このバンド基材の裏面全面に形成した粘着剤層と、この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な帯状の台紙と、を有し、上記バンド基材は、特定情報を表示可能な中央領域と、この中央領域の左右端部にそれぞれ位置し、この中央領域とともに手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な第1の巻付け領域および第2の巻付け領域と、を有するリストバンド連続体であって、上記バンド基材には、単葉のリストバンドを形成するための第1のバンド切離し線および第2のバンド切離し線を形成し、上記台紙には、単葉のリストバンドを形成するための第1の台紙切離し線および第2の台紙切離し線を、上記第1のバンド切離し線および上記第2のバンド切離し線とはそれぞれ異なった位置に形成しているとともに、上記単葉のリストバンドは、上記第1の巻付け領域の裏面において上記台紙が剥離されて上記粘着剤層が露出可能であり、上記第2の巻付け領域の表面において上記バンド基材が除去されて上記台紙が露出可能であることを特徴とするリストバンド連続体である。
【0017】
第五の発明は、帯状のバンド基材と、このバンド基材の裏面に形成した粘着剤層と、この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な台紙と、を有し、上記バンド基材は、特定情報を表示可能な中央領域と、この中央領域の左右端部にそれぞれ位置し、この中央領域とともに手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な第1の巻付け領域および第2の巻付け領域と、を有するリストバンドの巻付け方法であって、上記第1の巻付け領域および上記第2の巻付け領域に、第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドをそれぞれ設けるとともに、上記第1の巻付け領域の裏面側における上記台紙をはがして上記粘着剤層を露出する露出工程と、この露出した上記粘着剤層(第1の貼付け領域)を有する上記第1の巻付け領域の裏面と、上記第2の巻付け領域の裏面とを、上記粘着剤層の一部(第2の貼付け領域)を露出可能に残した状態で上記第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより上記被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成する第1の貼合わせ工程と、上記露出可能に一部残った上記粘着剤層(第2の貼付け領域)を有する上記第1の巻付け領域を上記第2の巻付け領域の表面に貼り付ける第2の貼合わせ工程と、を有することを特徴とするリストバンドの巻付け方法である。
【0018】
上記粘着剤層は、上記第2の巻付け領域の裏面が貼り付けられる第1の貼付け領域と、上記第2の巻付け領域の表面が貼り付けられる第2の貼付け領域と、に画成可能であることができる。
【0019】
上記第1の巻付け領域および上記第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方に、不正使用防止のための破断用切込み部を形成することができる。
【0020】
上記第1の貼合わせ位置ガイドおよび上記第2の貼合わせ位置ガイドは、上記第1の巻付け領域および上記第2の巻付け領域にあらかじめ印刷した貼合わせ位置マークであることができる。
【0021】
上記第1の貼合わせ位置ガイドあるいは上記第2の貼合わせ位置ガイドは、上記第1の巻付け領域あるいは上記第2の巻付け領域に所定形状にあらかじめ形成した貼合わせ位置ガイド片であることができる。
【0022】
上記台紙が、上記被巻付け部に直接接触可能であることができる。
【0023】
上記バンド基材が、上記被巻付け部に直接接触可能であることができる。
【0024】
上記台紙は、これを透明材料から構成するとともに、上記台紙の裏面に上記第1の貼合わせ位置ガイドおよび上記第2の貼合わせ位置ガイドを設けていることができる。
【0025】
上記台紙は、これを透明材料から構成するとともに、上記粘着剤層に上記第1の貼合わせ位置ガイドあるいは上記第2の貼合わせ位置ガイドの少なくともいずれか一方を設けていることができる。
【0026】
上記第2の巻付け領域の上記台紙は、上記バンド基材からずれて上記第2の巻付け領域の端部側において、上記第1の巻付け領域とは反対側に、はみ出していることができる。
【0027】
上記粘着剤層および上記台紙は、上記第1の巻付け領域の裏面のみにこれを設けていることができる。
【0028】
上記第2の巻付け領域における上記バンド基材には、その幅方向に互いに平行な複数本のミシン目を形成していることができる。
【0029】
上記第1の巻付け領域の表面あるいは裏面の少なくともいずれか一方に、当該リストバンドに関する広告情報をあらかじめ印刷可能とする広告情報印刷欄を設けていることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明(第一の発明、第四の発明、第五の発明)によるリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法においては、第1の巻付け領域および第2の巻付け領域に、第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドをそれぞれ設けて、帯状のバンド基材の両端部の裏面どうしを貼り合わせるようにしたので、リストバンドの使用者が一人でも手首などに巻き付ける操作を簡単かつ確実に行うことができる。
また、最初は第1の巻付け領域および第2の巻付け領域のそれぞれの裏面どうしを貼り合わせ、ついで第1の巻付け領域の裏面を第2の巻付け領域の表面に貼り合わせることができるようにしたので、使用者の手首や足首の大きさに合わせてちょうどよい大きさのリング状に巻き付けることができる。
【0031】
とくに第一の発明のリストバンドによれば、第1の巻付け領域および第2の巻付け領域に、第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドをそれぞれ設けているとともに、露出した粘着剤層を有する第1の巻付け領域の裏面と、第2の巻付け領域の裏面とを、粘着剤層の一部を露出可能に残した状態で第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成可能とし、露出可能に一部残った粘着剤層を有する第1の巻付け領域を第2の巻付け領域の表面に貼り付け可能としたので、リストバンドにおける両端部の貼合わせ操作を簡単に行うことができ、片手での巻付け操作も容易に行うことができる。
【0032】
とくに第二の発明のリストバンドによれば、バンド基材の一方の端部の裏面において台紙が剥離されて粘着剤層が露出可能であるとともに、バンド基材の他方の端部の表面においてバンド基材が剥離されて台紙が露出しているので、台紙をはがす手順を必要とせずに、この台紙側の端部を粘着剤層側の端部に直ちに貼り合わせることにより環状に形成して手首などの被巻付け部に巻付けることができる。
【0033】
とくに第三の発明のリストバンド連続体によれば、バンド基材には、単葉のリストバンドを形成するための所定間隔をあけた一対のバンド切離し線を形成し、台紙には、所定間隔をあけた一対の台紙切離し線を、バンド切離し線とはそれぞれ異なった部位に形成しているとともに、単葉のリストバンドは、バンド基材の一方の端部の裏面において台紙が剥離されて粘着剤層が露出可能であるとともに、バンド基材の他方の端部の表面においてバンド基材が除去されて台紙が露出可能であるので、リストバンド連続体の最先端部の台紙は、先行するリストバンドの使用にともなうその取外しにより、すでに単層状態となっているので、つぎのリストバンド(上記リストバンド連続体の最先端部)は、上流側のバンド基材のみを台紙からはがせば、つぎの単葉状態のリストバンドを得ることが可能となって、作業性が良好である。
【0034】
とくに第四の発明のリストバンド連続体によれば、バンド基材に形成した第1のバンド切離し線および第2のバンド切離し線と、台紙に形成した第1の台紙切離し線および第2の台紙切離し線とをそれぞれ異なった位置に形成し、単葉のリストバンドは、第1の巻付け領域の裏面において台紙が剥離されて粘着剤層が露出可能であり、第2の巻付け領域の表面においてバンド基材が除去されて台紙が露出可能であるようにしたので、リストバンド連続体の最先端部の台紙は、先行するリストバンドの使用にともなうその取外しにより、すでに単層状態となっているので、上記第三の発明と同様に、つぎのリストバンドは、上流側のバンド基材のみを台紙からはがせばよく、作業性が良好である。
【0035】
とくに第五の発明のリストバンドの巻付け方法によれば、第1の巻付け領域の裏面側における台紙をはがして粘着剤層を露出する露出工程と、この露出した粘着剤層を有する第1の巻付け領域の裏面と第2の巻付け領域の裏面とを、粘着剤層の一部を露出可能に残した状態で第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成する第1の貼合わせ工程と、露出可能に一部残った粘着剤層を有する第1の巻付け領域を第2の巻付け領域の表面に貼り付ける第2の貼合わせ工程と、を有するようにしたので、第1の貼合わせ工程では最大直径のリングを形成し、第2の貼合わせ工程では使用者の被巻付け部に合った大きさに合わせてリング状に巻掛け操作を確実に行うことができるとともに、最大直径から最終的な固定操作も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施例によるリストバンド連続体1の説明図であって、図1(1)は、平面図、図1(2)は、裏面図、図1(3)は、断面図である。
【図2】同、第1の実施例によるリストバンド1Aの説明図であって、図2(1)は、裏面図、図2(2)は、断面図である。
【図3】同、リストバンド連続体1から分離した単葉のリストバンド1Aをリング状にして巻き付ける第一段階を示す斜視図である。
【図4】同、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを貼り合わせた第1の貼合わせ工程を示す斜視図である。
【図5】同、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の表面を貼り合わせた第2の貼合わせ工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例によるリストバンド連続体30の説明図であって、図6(1)は、平面図、図6(2)は、裏面図、図6(3)は、断面図である。
【図7】同、第2の実施例によるリストバンド30Aの説明図であって、図7(1)は、裏面図、図7(2)は、断面図である。
【図8】同、リストバンド連続体30から分離した単葉のリストバンド30Aを巻き付ける第一段階を示す斜視図である。
【図9】同、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを貼り合わせた第1の貼合わせ工程を示す斜視図である。
【図10】同、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の表面を貼り合わせた第2の貼合わせ工程を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例によるリストバンド連続体40の説明図であって、図11(1)は、平面図、図11(2)は、裏面図、図11(3)は、断面図である。
【図12】同、第3の実施例によるリストバンド40Aの説明図であって、図12(1)は、裏面図、図12(2)は、断面図である。
【図13】同、リストバンド連続体40から分離した単葉のリストバンド40Aを巻き付ける第一段階を示す斜視図である。
【図14】同、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを貼り合わせる第1の貼合わせ工程を示す斜視図である。
【図15】同、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の表面を貼り合わせた第2の貼合わせ工程を示す断面図である。
【図16】本発明の第4の実施例によるリストバンド連続体50の説明図であって、図16(1)は、平面図、図16(2)は、裏面図、図16(3)は、断面図である。
【図17】同、第4の実施例によるリストバンド50Aの説明図であって、図17(1)は、裏面図、図17(2)は、断面図である。
【図18】同、リストバンド連続体50から分離した単葉のリストバンド50Aを巻き付ける第一段階を示す斜視図である。
【図19】同、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを貼り合わせた第1の貼合わせ工程を示す斜視図である。
【図20】同、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の表面を貼り合わせた第2の貼合わせ工程を示す断面図である。
【図21】本発明の第5の実施例によるリストバンド連続体60の説明図であって、図21(1)は、平面図、図21(2)は、裏面図、図21(3)は、断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、帯状のバンド基材の両端部の裏面どうしを貼り合わせ、巻付け操作を二回に分けられるようにしたので、異なる大きさの被巻付け部にも簡単かつ確実にリング状に巻き付けることができるようにしたリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を実現した。
【実施例】
【0038】
つぎに本発明の第1の実施例によるリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を図1ないし図5にもとづき説明する。
図1は、リストバンド連続体1の説明図であって、図1(1)は、平面図、図1(2)は、裏面図、図1(3)は、断面図、図2は、同、第1の実施例によるリストバンド1Aの説明図であって、図2(1)は、裏面図、図2(2)は、断面図である。
リストバンド連続体1は、単葉のリストバンド1Aの複数枚を連続して設けているもので、リストバンド連続体1(リストバンド1A)は、とくに図1(3)に示すように、帯状のバンド基材2と、このバンド基材2の裏面の全面に形成した粘着剤層3と、この粘着剤層3に仮着してこれを被覆可能な帯状の台紙4と、を有する。
【0039】
バンド基材2は、たとえばポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)などをベースとした合成紙であって、白色顔料を混入したり、その裏面に塗布したりして、不透明性、印字適性および平滑性などを加味したもので、耐候性、耐水性および印字性に優れている。
このバンド基材2は、とくに図1(1)に示すように、リストバンド1Aの長さ方向ほぼ中央部に位置する中央領域5と、中央領域5の左右端部にそれぞれ位置し、中央領域5とともに手首や足首などの被巻付け部W(図4、図5)に巻き付け可能な第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7と、を有する。
中央領域5は、患者や入場者を特定するための特定情報をバーコードその他任意の文字や記号などにより印字可能であるとともに、必要ならば、より多くの情報を保持可能なICチップ(図示せず)などを組み込み可能である。
【0040】
ただし、中央領域5、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7には、たとえば、その中央領域5に上記「特定情報」を印字可能としているとともに、第1の巻付け領域6には「広告情報」をあらかじめ印刷可能とする広告情報印刷欄8を設け、第2の巻付け領域7にはこのリストバンド1Aの「使用方法(手首等への巻付け方法)」をあらかじめ印刷可能とする使用方法印刷欄9を設けておくこともできる。
なお、リストバンド1Aの使用形態によっては、中央領域5、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7への上記各情報の印字位置ないしはあらかじめの印刷位置などについて任意にこれを設計可能であり、たとえば、中央部に広告情報印刷欄8を設け、第1の巻付け領域6に特定情報を印字することもできるし、第2の巻付け領域7に広告情報印刷欄8を設けることができる。
とくに、第1の巻付け領域6の表面あるいは裏面の少なくともいずれか一方に、当該リストバンド1Aないしはその提供者に関する広告情報をあらかじめ印刷可能とする広告情報印刷欄8を設けておけば、広告効果をより確実かつ効率的に得ることができる。たとえば、第1の巻付け領域6の表面に広告情報印刷欄8を設けた場合には、図4および図5において後述するように、第2の貼付け工程において、使用者(巻付け作業者)は第1の巻付け領域6の表面を必ず見ることになるので、広告情報を必ず見ることとなる。あるいは、第1の巻付け領域6の裏面(粘着剤層3の裏面あるいは台紙4の裏面)に広告情報印刷欄8を設けた場合には、図3および図4において後述するように、第1の貼付け工程において、使用者(巻付け作業者)は第1の巻付け領域6の裏面を必ず見ることになるので、広告情報を必ず見ることとなる。なお、第1の巻付け領域6の裏面に広告情報印刷欄8をあらかじめ設ける際には、この広告情報印刷欄8の広告情報を第1の貼合わせ位置マーク18や点線状の第2の貼合わせ位置マーク19A(第1の貼合わせ位置ガイド)および第2の貼合わせ位置マーク19(第2の貼合わせ位置ガイド)(図1(2)および図2(1)で後述)と組み合わせたデザインとすることもできる。
また、第2の巻付け領域7の使用方法印刷欄9の図1中右側(リストバンド連続体1の移送方向R(図1(1))の上流側)には、「貼付け範囲」(図4、図5で後述)などをあらかじめ印刷可能な貼付け範囲印刷欄10を設けて、第2の貼付け領域23(図4で後述)の望ましい最終貼付け範囲を示しておくこともできる。
【0041】
バンド基材2においては、第1の巻付け領域6に破断用切込み部11を形成している。破断用切込み部11は、その切込み尖端部がリストバンド連続体1(リストバンド1A)の上流側および下流側に向かう任意の形状のカットであって、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7の貼合わせ状態からいずれかの方向に不正にはがそうとしたときに、第1の巻付け領域6あるいは第2の巻付け領域7の少なくとも一方が破断して原状への復帰が困難であるようにする。
もちろん、最終的には互いに貼り合わせることになる第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7の少なくともいずれか一方に破断用切込み部11を形成しておくことができる。
【0042】
なお、バンド基材2には、単葉のリストバンド1Aを形成するための第1のバンド切離し線12および第2のバンド切離し線13を形成してある。
図示の例では、第1のバンド切離し線12および第2のバンド切離し線13として、それぞれのリストバンド1Aの間にカス取り部を設けて、単葉のリストバンド1Aに分離可能としてあるが、それぞれのリストバンド1Aの間にミシン目ないしは切離し用のカット(ともに図示せず)を形成して、単葉のリストバンド1Aに分離する構成とすることもできる。
【0043】
粘着剤層3は、必要な強度の粘着度ないし接着度を有する任意のタイプのものであって、一般糊あるいは強粘着糊などが好ましい。
なお、第1の巻付け領域6において第1のバンド切離し線12に接している粘着剤層3の幅方向縁部3A(上流側の縁部、図1(3))を、非粘着性のインキなどを塗布することで不活性化することにより、この幅方向縁部からのバンド基材2および台紙4のはがし操作を容易にすることができる。
【0044】
台紙4は、フィルム系の比較的薄い透明材料などからこれを構成し、必要な強度を有するとともに、その裏面側にエンボス加工面14を形成して、人肌などに直接接触しても人肌との間に通気性を確保し、装着時の違和感がないようにしている。
この台紙4の裏面には、位置検出用マーク15(図1(2))をあらかじめ印刷してあって、複数枚のリストバンド1Aを連接した状態のリストバンド連続体1を所定のプリンター(図示せず)に装填して矢印のような移送方向R(図1(1))に移送して任意のセンサー(図示せず)によりこの位置検出用マーク15を検出して、中央領域5における所定部位に上記特定情報などを印字可能としている。
【0045】
台紙4は、バンド基材2における第1のバンド切離し線12および第2のバンド切離し線13とは異なる位置に形成した切離し用のカットなどによる第1の台紙切離し線16および第2の台紙切離し線17により、それぞれのリストバンド1Aに分離可能としてある。
すなわち、とくに図2(2)に示すように、リストバンド連続体1から単葉のリストバンド1Aを切り離した状態では、第2の巻付け領域7の台紙4は、バンド基材2からずれて第2の巻付け領域7の端部側において第1の巻付け領域6とは反対側に、単層の状態で移送方向Rの下流側に、はみ出している。
換言すれば、バンド基材2には、単葉のリストバンド1Aを形成するための第1のバンド切離し線12および第2のバンド切離し線13を形成し、台紙4には、単葉のリストバンド1Aを形成するための第1の台紙切離し線16および第2の台紙切離し線17を、第1のバンド切離し線12および第2のバンド切離し線13とはそれぞれ異なった位置に形成している。
さらに、単葉のリストバンド1Aは、第1の巻付け領域6の裏面において台紙4が剥離されて粘着剤層3が露出可能であり、この露出された粘着剤層3を有するバンド基材2は、単層のバンド基材2Aとなっている。
また、第2の巻付け領域7の表面においてバンド基材2が除去されて台紙4が露出可能であり、この露出された台紙4は、単層の台紙4Aとなっている。
【0046】
台紙4は、上述のようにこれを透明材料から構成するとともに、とくに図1(2)および図2(1)に示すように、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7において、台紙4の裏面には、それぞれ第1の貼合わせ位置マーク18(第1の貼合わせ位置ガイド)および第2の貼合わせ位置マーク19(第2の貼合わせ位置ガイド)を設けている。
図示の例では、四つ葉のクローバーをデザインし、第1の貼合わせ位置マーク18として、四つ葉としては不完全な状態の三枚の葉および茎を描き、第2の貼合わせ位置マーク19として残る一枚の葉を描いてあり、とくに第1の貼合わせ位置マーク18において第2の貼合わせ位置マーク19が貼り合わされる部位に点線状の第2の貼合わせ位置マーク19Aを描いてある。
台紙4が透明であるので、第1の貼合わせ位置マーク18および第2の貼合わせ位置マーク19さらに点線状の第2の貼合わせ位置マーク19Aはともに、表裏いずれの面からもこれを透視することができる。
【0047】
なお本発明において、第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドは、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7にあらかじめ印刷した貼合わせ位置マークであることができ、たとえば、「○×あるいは△」のような単純なものから、ふたつ合わせて意味があるような割り符のようなもの、あるいは同じ形状でも濃度を変えて対としたもの、さらには広告表示を行うデザインなど、任意のデザインを採用可能である。
【0048】
なおバンド基材2および台紙4には、ハーフカットあるいはミシン目などのバンド取外し用切込み部20および台紙取外し用切込み部21を形成しておくことにより、正規の使用後の破断取外しを容易にすることもできる。ただし、バンド基材2および台紙4でハーフカットあるいはミシン目の形成位置をずらしておくことが望ましい。
【0049】
こうした構成のリストバンド連続体1(リストバンド1A)を被巻付け部Wに巻き付ける操作について、図3ないし図5にもとづき説明する。
図3は、リストバンド連続体1から分離した単葉のリストバンド1Aをリング状にして巻き付ける第一段階を示す斜視図であって、第1の巻付け領域6の裏面側における台紙4をはがして粘着剤層3を露出している(露出工程)。
台紙4をはがすにあたって、リストバンド連続体1の先端部(最下流側の前端部)における台紙4すなわち単層の台紙4Aは、それ以前のリストバンド1Aの切離しによりすでにその上層側のバンド基材2(単層のバンド基材2A)がなく、すなわち、下流側におけるバンド基材2と台紙4とをはがす必要がなく、上流側におけるバンド基材2の第1のバンド切離し線12の部分においてバンド基材2と台紙4とを剥離すれば、図2および図3に示す状態のリストバンド1Aを簡単に得ることができる。
図3に示す状態では、第2の巻付け領域7における第2の貼合わせ位置マーク19を第1の巻付け領域6における第1の貼合わせ位置マーク18の方向(図中矢印)に向かって貼り合わせる。
【0050】
すなわち図4は、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを貼り合わせた第1の貼合わせ工程を示す斜視図であって、第2の巻付け領域7(単層の台紙4A)における第2の貼合わせ位置マーク19を第1の巻付け領域6における第1の貼合わせ位置マーク18(より具体的には点線状の第2の貼合わせ位置マーク19A)に合わせるように、つまり、四つ葉のクローバーのデザインを完成するように貼り合わせるとともに、単層のバンド基材2Aの粘着剤層3に単層の台紙4Aの先端側を貼り合わせる。
ただし、この第1の貼合わせ工程において、単層の台紙4A(台紙4)は透明であるので、その裏面側の第2の貼合わせ位置マーク19を透かして見ることができる。
なお、第1の貼合わせ位置マーク18(第1の貼合わせ位置ガイド)あるいは第2の貼合わせ位置マーク19(第2の貼合わせ位置ガイド)の少なくともいずれか一方を粘着剤層3に設けることができる。
たとえば、第1の巻付け領域6における第1の貼合わせ位置マーク18および点線状の第2の貼合わせ位置マーク19Aについては、これを台紙4の裏面ではなく粘着剤層3に直接印刷しておくことができ、この印刷部分における下層側の台紙4が透明であることから、この印刷部分における下層側の台紙4および単層の台紙4Aを通して、第1の貼合わせ位置マーク18および点線状の第2の貼合わせ位置マーク19Aを透かして見るように構成することもできる。
【0051】
この第1の貼合わせ工程において、とくに図2(2)および図4(さらには図5)に示すように、粘着剤層3は、第2の巻付け領域7の裏面が貼り付けられる第1の貼付け領域22と、第2の巻付け領域7の表面が貼り付けられる第2の貼付け領域23と、に画成可能である。
要するに、第1の巻付け領域6の裏面側における台紙4(上流側における、つぎのリストバンド1Aの使用時に単層となる予定の台紙4A)をはがして粘着剤層3を露出可能とし、この露出した粘着剤層3を有する第1の巻付け領域6の裏面と、第2の巻付け領域7の裏面とを、粘着剤層3の一部(第2の貼付け領域23)を露出可能に残した状態で第1の貼合わせ位置マークおよび第2の貼合わせ位置マーク19、19Aを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより被巻付け部Wに巻き掛けるように環状に形成可能としている。
【0052】
さらにこの第1の貼合わせ工程では、被巻付け部Wとは離れた場所で被巻付け部Wとは関係なくリストバンド1Aを環状に形成することができるもので、一人でリストバンド1Aを巻付ける際にも両手で上述の作業を行うことが可能であって、従来のように一方の手首にリストバンド1Aを巻き掛けた状態で、他方の手で第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7を貼り合わせるという面倒かつ不正確な作業を行うことはない。
また、図4に示すように第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7を貼り合わせた状態では、環状のリストバンド1Aは、設計したほぼ最大径ないし最大の大きさとなっており、使用者によって大きさが異なる手首や足首などの被巻付け部Wを容易に通すことができる。
【0053】
図5は、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の表面を貼り合わせた第2の貼合わせ工程を示す断面図であって、第1の貼合わせ工程により環状に形成したリストバンド1A(図4)に被巻付け部Wを通した状態で、第1の巻付け領域6の裏面において露出可能に一部残った粘着剤層3(第2の貼付け領域23)有する第1の巻付け領域6をを第2の巻付け領域7の表面に貼り付けて、被巻付け部Wへの巻付け作業を完了する。
とくに、図5においてそれぞれの矢印に示すように、第2の巻付け領域7における単層の台紙4Aの第2の貼合わせ位置マーク19が第1の巻付け領域6における第1の貼合わせ位置マーク18および点線状の第2の貼合わせ位置マーク19Aに合わされているとともに、単層の台紙4Aが第1の巻付け領域6(粘着剤層3)における第1の貼付け領域22に貼り合わされており、さらに、第1の巻付け領域6における単層のバンド基材2Aが第2の貼付け領域23により第2の巻付け領域7の貼付け範囲印刷欄10に貼り合わされている。
なお、単層のバンド基材2Aを貼付け範囲印刷欄10に貼り合わせる作業は、使用者自身がこれを片手で行うことになるが、所定の剛性を有するリストバンド1A自体がすでに両端部を適正かつ正確に貼り合わされてリング状になっており、容易かつ正確に行うことができる。
【0054】
したがって、図4に示した第1の貼合わせ工程において、リストバンド1Aは被巻付け部Wに対してほぼ一定の最大直径を得るようにこれを環状に貼り合わせることができ、すなわち、リストバンド1Aによるリングのサイズを一定に保持することができ、図5に示したつぎの第2の貼合わせ工程において、任意の大きさの被巻付け部Wに対して適度な直径を得るように調整しながらこれを環状に貼り合わせ固定して、巻付け作業を完了することができる。
【0055】
なお、第2の巻付け領域7におけるバンド基材2には、その幅方向に互いに平行な複数本のミシン目24(図2(2)、図4の仮想線)を形成することにより、バンド基材2の剛性を低下させ、すなわちバンド基材2に柔軟性を付与して、第2の貼合わせ工程により形成されるリストバンド1Aの内層側においてバンド基材2が二重になるリング状態を被巻付け部Wになじませることができる。
【0056】
かくして、エンボス加工14を施した台紙4が、使用時に被巻付け部Wに直接接触可能であって、台紙4を捨てることなくそのまま使用することができる。さらに、被巻付け部Wの大きさに合った大きさのリストバンド1Aを巻き付けることができ、その巻付け操作も、たとえば使用者自身が一人で行うときに、第1の貼合わせ工程を両手で行うことができ、適正な貼合わせ位置ないし範囲を確保し、適正位置から大きくずれた不正確な位置への貼付け状態ないし貼付け姿勢を回避することができる。
【0057】
つぎに本発明の第2の実施例によるリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を図6ないし図10にもとづき説明する。
図6は、リストバンド連続体30の説明図であって、図6(1)は、平面図、図6(2)は、裏面図、図6(3)は、断面図、図7は、同、第2の実施例によるリストバンド30Aの説明図であって、図7(1)は、裏面図、図7(2)は、断面図である。なお、以下の説明では、第1の実施例とは異なる部分のみを説明し、同様の部分には同一符号を付してその詳述はこれを省略する。
リストバンド連続体30およびリストバンド30Aは、リストバンド連続体1およびリストバンド1A(図1ないし図5)とは、台紙4の両端部構造すなわち、第1の貼合わせ位置ガイド(山形状の屈曲線マーク33)および第2の貼合わせ位置ガイド(先端部が三角形状ないし山形状の単層の台紙4B)が異なる。
すなわち、バンド基材2については、リストバンド連続体1およびリストバンド1Aと同様に、第1のバンド切離し線12および第2のバンド切離し線13によりリストバンド30Aを単葉形態としている一方、リストバンド連続体1における第1の台紙切離し線16に相当する山形状の第1の台紙切離し線31と、第2の台紙切離し線17に相当する山形状の第2の台紙切離し線32とにより、単葉形態のリストバンド30Aを得ている。
【0058】
したがって、単層のバンド基材2Aの反対側(下流側)に位置する台紙4は単層の台紙4Bとなり、その先端部が三角形状をなしている。
この単層の台紙4Bに対応させるための第1の貼合わせ位置ガイドは、リストバンド1Aにおける第1の貼合わせ位置マーク18に代わって山形状の屈曲線マーク33を単層のバンド基材2Aの粘着剤層3にあらかじめ印刷してある。
逆に言えば、第1の巻付け領域6における第1の貼合わせ位置ガイド(山形状の屈曲線マーク33)に対応する第2の貼合わせ位置ガイドは、第2の巻付け領域7に所定形状(図示の例では、たとえば先端部を山形状)にあらかじめ形成した貼合わせ位置ガイド片としての先端部が山形状の単層の台紙4Bである。
もちろん、第1の巻付け領域6の部分に山形状の屈曲線マーク33を形成せず、単層のバンド基材2Aを単層の台紙4Bと同様の先端部三角形状に形成し、第1の貼合わせ位置ガイド片とすることもできる。
なお、第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドを、たとえば先端部三角形状の単層の台紙4Bのような貼合わせ位置ガイド片として構成することにより、前述した第1の実施例(図1(2))における台紙4の裏面にあらかじめ印刷してある第1の貼合わせ位置マーク18、あるいは第2の貼合わせ位置マーク19や点線状の第2の貼合わせ位置マーク19Aなどのように万が一の場合に摩耗で擦り消えてしまうおそれはない。
【0059】
こうした構成のリストバンド連続体30から分離した単葉のリストバンド30Aを被巻付け部Wに巻き付ける操作について、図8ないし図10にもとづき説明する。
図8は、リストバンド連続体30から分離した単葉のリストバンド30Aを巻き付ける第一段階を示す斜視図であって、リストバンド連続体1およびリストバンド1Aと同様に、第1の巻付け領域6の裏面側における台紙4をはがして粘着剤層3を露出している(露出工程)。
図8に示す状態では、第2の巻付け領域7における単層の台紙4Bを第1の巻付け領域6における山形状の屈曲線マーク33の方向(図中矢印)に向かって貼り合わせる。
【0060】
すなわち図9は、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを貼り合わせた第1の貼合わせ工程を示す斜視図であって、第2の巻付け領域7における単層の台紙4Bの先端部の三角形状を第1の巻付け領域6における山形状の屈曲線マーク33に合わせるように貼り合わせ、単層のバンド基材2Aの粘着剤層3に単層の台紙4Bの先端側を貼り合わせる。
ただし、この第1の貼合わせ工程において、単層の台紙4B(台紙4)は透明であるので、単層の台紙4Bの先端部がバンド基材2Aの裏面における屈曲線マーク33にわずかに重なってもこれを透かして見ることができる。
【0061】
要するに、第1の巻付け領域6の裏面側における台紙4(上流側における、つぎのリストバンド1Aの使用時に単層となる予定の台紙4B)をはがして粘着剤層3を露出可能とし、露出した粘着剤層3を有する第1の巻付け領域6の裏面と、第2の巻付け領域7の裏面とを、粘着剤層3の一部(第2の貼付け領域23)を露出可能に残した状態で屈曲線マーク33(第1の貼合わせ位置ガイド)および単層の台紙4B(第2の貼合わせ位置ガイド)の先端部およびを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより被巻付け部Wに巻き掛けるように環状に形成可能としている。
この第1の貼合わせ工程において、単層の台紙4Bは単なる所定形状の端縁部を有するので、これを山形状の屈曲線マーク33に合わせることは容易である。
【0062】
さらに、この第1の貼合わせ工程では、第1の実施例によるリストバンド1Aと同様に、被巻付け部Wとは離れた場所で被巻付け部Wとは関係なくリストバンド30Aを環状に形成することができるもので、一人でリストバンド1Aを巻付ける際の面倒さがないとともに、設計したほぼ最大径ないし最大の大きさにリストバンド30Aを環状とすることができる。
【0063】
図10は、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の表面を貼り合わせた第2の貼合わせ工程を示す断面図であって、第1の貼合わせ工程により環状に形成したリストバンド30A(図9)に被巻付け部Wを通した状態で、第1の巻付け領域6の裏面において露出可能に一部残った粘着剤層3(第2の貼付け領域23)を有する第1の巻付け領域6を第2の巻付け領域7の表面に貼り付けて、被巻付け部Wへの巻付け作業を完了する。
とくに図10においてそれぞれの矢印に示すように、第2の巻付け領域7における単層の台紙4Bの先端部が第1の巻付け領域6における山形状の屈曲線マーク33に合わされているとともに、単層の台紙4Bが第1の巻付け領域6(粘着剤層3)における第1の貼付け領域22に貼り合わされており、さらに、第1の巻付け領域6における単層のバンド基材2Aが第2の貼付け領域23により第2の巻付け領域7の貼付け範囲印刷欄10に貼り合わされている。
【0064】
したがって、図9に示した第1の貼合わせ工程において、リストバンド30Aは被巻付け部Wに対して最大の直径を得るようにこれを環状に貼り合わせることができ、図10に示したつぎの第2の貼合わせ工程において、任意の大きさの被巻付け部Wに対して適度な直径を得るように調整しながらこれを環状に貼り合わせ固定して、巻付け作業を完了することができる。
【0065】
かくして、エンボス加工14を施した台紙4が、被巻付け部Wに直接接触可能であって、被巻付け部Wの大きさに合った大きさのリストバンド30Aを巻き付けることができ、その巻付け操作も、たとえば使用者自身が一人で行うときに、第1の貼合わせ工程を両手で行うことができ、適正な貼合わせ位置ないし範囲を確保し、適正位置から大きくずれた不正確な位置への貼付け状態ないし貼付け姿勢を回避することができる。
【0066】
つぎに本発明の第3の実施例によるリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を図11ないし図15にもとづき説明する。
図11は、リストバンド連続体40の説明図であって、図11(1)は、平面図、図11(2)は、裏面図、図11(3)は、断面図、図12は、同、第3の実施例によるリストバンド40Aの説明図であって、図12(1)は、裏面図、図12(2)は、断面図である。
リストバンド連続体40およびリストバンド40Aが、リストバンド連続体1およびリストバンド1A(第1の実施例、図1ないし図5)、ならびにリストバンド連続体30およびリストバンド30A(第2の実施例、図6ないし図10)と異なる構成は、帯状の台紙4を持たない点(より正確には台紙4が設けられているのは、後述のように第1の巻付け領域6の裏面側のごく一部である点)、したがって、バンド基材2が、被巻付け部Wに直接接触可能である点、ならびにバンド基材2がミシン目などの第1のバンド切離し線41および第2のバンド切離し線42により分離可能となっている点、さらにこれらにともなう構造などである。
【0067】
まず、リストバンド連続体40(リストバンド40A)においては、バンド基材2は、その中央領域5の上流側に位置する第1の巻付け領域6における上流側バンド基材2Bと、下流側に位置する第2の巻付け領域7における下流側バンド基材2Cと、を有しており、粘着剤層3および台紙4は、ともに矩形状であって、第1の巻付け領域6の上流側端部における上流側バンド基材2Bの裏面のみにこれを設けている。
すなわち、上流側バンド基材2Bの裏面における粘着剤層3は、第1の巻付け領域6の一部分のみにこれを形成しており、とくに図12(1)に示すように、第1の巻付け領域6における前記第1の貼合わせ位置マーク18および点線状の第2の貼合わせ位置マーク19A(図2(1))に相当する領域として第1の貼付け領域43(第1の貼合わせ位置ガイド、図12(1)では「X枠」と表示してある)を設けるとともに、第1の貼付け領域43に隣接して第2の貼付け領域44(図12(1)では「Y枠」と表示してある)を設けている。
一方、第2の巻付け領域7における下流側バンド基材2Cの裏面には、前記第2の貼合わせ位置マーク19に相当する領域として貼合わせ位置マーク45(第2の貼合わせ位置ガイド)をあらかじめ印刷してある(図12(1)では「X枠へ」と表示してある)。
【0068】
こうした構成のリストバンド連続体40から分離した単葉のリストバンド40Aを被巻付け部Wに巻き付ける操作について、図13ないし図15にもとづき説明する。
図13は、リストバンド連続体40から分離した単葉のリストバンド40Aを巻き付ける第一段階を示す斜視図であって、第1の巻付け領域6の裏面側における第1の貼付け領域43および第2の貼付け領域44に仮着されている台紙4をはがして粘着剤層3を露出している(露出工程)。
図13に示す状態では、第2の巻付け領域7における貼合わせ位置マーク45(「X枠へ」の表示部分)を第1の巻付け領域6における第1の貼付け領域43(「X枠」の表示部分)の方向(図中矢印)に向かって貼り合わせる。
【0069】
すなわち、図14は、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを貼り合わせる第1の貼合わせ工程を示す斜視図であって、第2の巻付け領域7(下流側バンド基材2C)における貼合わせ位置マーク45を第1の巻付け領域6(上流側バンド基材2B)における第1の貼付け領域43に合わせるように貼り合わせる。
【0070】
要するに、露出した粘着剤層3を有する第1の巻付け領域6の裏面と、第2の巻付け領域7の裏面とを、粘着剤層3の一部(「Y枠」と表示してある第2の貼付け領域44)を露出可能に残した状態で第1の貼付け領域43および貼合わせ位置マーク45を互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより被巻付け部Wに巻き掛けるように環状に形成可能としている。
この第1の貼合わせ工程において、貼合わせ位置マーク45は単に「X枠へ」との表示だけであるので、これを第1の貼付け領域43に合わせることは容易である。
【0071】
さらにこの第1の貼合わせ工程では、被巻付け部Wとは離れた場所で被巻付け部Wとは関係なくリストバンド40Aを環状に形成することができるもので、一人でリストバンド1Aを巻付ける際の面倒さがないとともに、設計したほぼ最大径ないし最大の大きさにリストバンド30Aを環状とすることができる。
【0072】
図15は、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の表面を貼り合わせた第2の貼合わせ工程を示す断面図であって、第1の貼合わせ工程により環状に形成したリストバンド40A(図12)に被巻付け部Wを通した状態で、第1の巻付け領域6の裏面において露出可能に一部残った粘着剤層3(第2の貼付け領域44)を有する第1の巻付け領域6(上流側バンド基材2B)を第2の巻付け領域7(下流側バンド基材2C)の表面に貼り付けて、被巻付け部Wへの巻付け作業を完了する。
とくに図15においてそれぞれの矢印に示すように、第2の巻付け領域7における貼合わせ位置マーク45が第1の巻付け領域6における第1の貼付け領域43に合わされているとともに、上流側バンド基材2Bが第2の貼付け領域44により第2の巻付け領域7の貼付け範囲印刷欄10に貼り合わされる。
【0073】
したがって図14に示した第1の貼合わせ工程において、リストバンド40Aは被巻付け部Wに対して最大の直径を得るようにこれを環状に貼り合わせることができ、図15に示したつぎの第2の貼合わせ工程において、任意の大きさの被巻付け部Wに対して適度な直径を得るように調整しながらこれを環状に貼り合わせ固定して、巻付け作業を完了することができる。
【0074】
かくして、バンド基材2が、被巻付け部Wに直接接触可能であって、リストバンド連続体40としては台紙4の使用量がわずかであるため安価に製造可能である。さらに、被巻付け部Wの大きさに合った大きさのリストバンド40Aを巻き付けることができ、その巻付け操作も、たとえば使用者自身が一人で行うときに、第1の貼合わせ工程を両手で行うことができ、適正な貼合わせ位置ないし範囲を確保し、適正位置から大きくずれた不正確な位置への貼付け状態ないし貼付け姿勢を回避することができる。
【0075】
つぎに本発明の第4の実施例によるリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を図16ないし図20にもとづき説明する。
図16は、リストバンド連続体50の説明図であって、図16(1)は、平面図、図16(2)は、裏面図、図16(3)は、断面図、図17は、同、第4の実施例によるリストバンド50Aの説明図であって、図17(1)は、裏面図、図17(2)は、断面図である。
リストバンド連続体50およびリストバンド50Aは、リストバンド連続体30およびリストバンド30A(第2の実施例、図6、図7)と同様に、リストバンド連続体1およびリストバンド1A(図1ないし図5)とは、台紙4の両端部構造すなわち、第1の貼合わせ位置ガイド(細山形状の屈曲線マーク51)および第2の貼合わせ位置ガイド(先端部が細山形状の単層の台紙4C)が異なる。
すなわち、バンド基材2については、リストバンド連続体50の移送方向Rに凸の円弧状を呈した上流側の第1のバンド切離し線52(第1のバンド切離し用のカット)および同じく円弧状を呈した下流側の第2のバンド切離し線53(第2のバンド切離し用のカット)によってリストバンド50Aを単葉形態としているとともに、リストバンド連続体30における第1の台紙切離し線31に相当する細山形状の第1の台紙切離し線54と、第2の台紙切離し線32に相当する細山形状の第2の台紙切離し線55とにより、単葉形態のリストバンド50Aを得ている。
【0076】
したがって、単層のバンド基材2Dの反対側(下流側)に位置する台紙4は単層の台紙4Cとなり、その先端部が細山形状をなしている。
この単層の台紙4Cに対応させるための第1の貼合わせ位置ガイドは、細山形状の屈曲線マーク51を単層のバンド基材2Dの粘着剤層3にあらかじめ印刷してこれを形成している。
逆に言えば、第1の巻付け領域6における第1の貼合わせ位置ガイド(細山形状の屈曲線マーク51)に対応する第2の貼合わせ位置ガイドは、第2の巻付け領域7に所定形状(図示の例では、たとえば先端部を細山形状)にあらかじめ形成した貼合わせ位置ガイド片としての先端部が細山形状の単層の台紙4Cである。
【0077】
こうした構成のリストバンド連続体50から分離した単葉のリストバンド50Aを被巻付け部Wに巻き付ける操作について、図18ないし図20にもとづき説明する。
リストバンド連続体50および単葉のリストバンド50Aは、既述のリストバンド連続体1および単葉のリストバンド1A(第1の実施例、図1、図2)、さらには、リストバンド連続体30および単葉のリストバンド30A(第2の実施例、図6、図7)と同様に、バンド基材2の一方の端部(単層のバンド基材2D)の裏面において台紙4が剥離されて粘着剤層3が露出可能であるとともに、バンド基材2の他方の端部の表面においてバンド基材2が剥離されて台紙4(単層の台紙4C)が露出しているので、リストバンド連続体50の最先端部から単葉のリストバンド50Aを剥ぎ取れば、この単葉のリストバンド50Aを直ちにリング状に形成することができる。
すなわち図18は、リストバンド連続体50から分離した単葉のリストバンド50Aを巻き付ける第一段階を示す斜視図であって、リストバンド連続体30およびリストバンド30Aなどと同様に、第1の巻付け領域6の裏面側における台紙4をはがして粘着剤層3を露出している(露出工程)。なお、リストバンド連続体50の最先端部から単葉のリストバンド50Aを剥ぎ取る際に、上流側の第1のバンド切離し線52が円弧状を呈しているため、その剥ぎ取り位置を見いだしやすく、作業性を向上することができる。
図18に示す状態では、第2の巻付け領域7における単層の台紙4Cを第1の巻付け領域6における細山形状の屈曲線マーク51の方向(図中矢印)に向かって貼り合わせる。
【0078】
すなわち図19は、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の裏面とを貼り合わせた第1の貼合わせ工程を示す斜視図であって、第2の巻付け領域7における単層の台紙4Cの先端部の細山形状を第1の巻付け領域6における細山形状の屈曲線マーク51に合わせるように貼り合わせ、単層のバンド基材2Dの粘着剤層3に単層の台紙4Cの先端側を貼り合わせる。
ただし、この第1の貼合わせ工程において、単層の台紙4C(台紙4)は透明であるので、単層の台紙4Cの先端部がバンド基材2Dの裏面における屈曲線マーク51にわずかに重なってもこれを透かして見ることができる。
【0079】
要するに、第1の巻付け領域6の裏面側における台紙4(上流側における、つぎのリストバンド50Aの使用時に単層となる予定の台紙4C)をはがして粘着剤層3を露出可能とし、露出した粘着剤層3を有する第1の巻付け領域6の裏面と、第2の巻付け領域7の裏面とを、粘着剤層3の一部(第2の貼付け領域23)を露出可能に残した状態で屈曲線マーク51(第1の貼合わせ位置ガイド)および単層の台紙4C(第2の貼合わせ位置ガイド)の先端部およびを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより被巻付け部Wに巻き掛けるように環状に形成可能としている。
この第1の貼合わせ工程において、単層の台紙4Cは単なる所定形状の端縁部を有するので、これを細山形状の屈曲線マーク51に合わせることは容易である。
【0080】
さらに、この第1の貼合わせ工程では、第1の実施例によるリストバンド1Aなどと同様に、被巻付け部Wとは離れた場所で被巻付け部Wとは関係なくリストバンド50Aを環状に形成することができるもので、一人でリストバンド1Aを巻付ける際の面倒さがないとともに、設計したほぼ最大径ないし最大の大きさにリストバンド50Aを環状とすることができる。
【0081】
図20は、第1の巻付け領域6の裏面と第2の巻付け領域7の表面を貼り合わせた第2の貼合わせ工程を示す断面図であって、第1の貼合わせ工程により環状に形成したリストバンド50A(図19)に被巻付け部Wを通した状態で、第1の巻付け領域6の裏面において露出可能に一部残った粘着剤層3(第2の貼付け領域23)を有する第1の巻付け領域6を第2の巻付け領域7の表面に貼り付けて、被巻付け部Wへの巻付け作業を完了する。
とくに図20においてそれぞれの矢印に示すように、第2の巻付け領域7における単層の台紙4Cの先端部が第1の巻付け領域6における細山形状の屈曲線マーク51に合わされているとともに、単層の台紙4Cが第1の巻付け領域6(粘着剤層3)における第1の貼付け領域22に貼り合わされており、さらに、第1の巻付け領域6における単層のバンド基材2Dが第2の貼付け領域23により第2の巻付け領域7の貼付け範囲印刷欄10に貼り合わされている。
【0082】
したがって、図19に示した第1の貼合わせ工程においてリストバンド50Aは被巻付け部Wに対して最大の直径を得るようにこれを環状に貼り合わせることができ、図20に示したつぎの第2の貼合わせ工程において、任意の大きさの被巻付け部Wに対して適度な直径を得るように調整しながらこれを環状に貼り合わせ固定して、巻付け作業を完了することができる。
【0083】
かくして、エンボス加工14を施した台紙4が、被巻付け部Wに直接接触可能であって、被巻付け部Wの大きさに合った大きさのリストバンド50Aを巻き付けることができ、その巻付け操作も、たとえば使用者自身が一人で行うときに、第1の貼合わせ工程を両手で行うことができ、適正な貼合わせ位置ないし範囲を確保し、適正位置から大きくずれた不正確な位置への貼付け状態ないし貼付け姿勢を回避することができる。
【0084】
つぎに本発明の第5の実施例によるリストバンド、リストバンド連続体およびリストバンドの巻付け方法を図21にもとづき説明する。
図21は、リストバンド連続体60の説明図であって、図21(1)は、平面図、図21(2)は、裏面図、図21(3)は、断面図である。
リストバンド連続体60およびリストバンド60Aは、リストバンド連続体50およびリストバンド50A(第4の実施例、図16、図17)と同様に、台紙4に細山形状の第1の台紙切離し線54および細山形状の第2の台紙切離し線55を形成しているが、バンド基材2については、上流側の第1のバンド切離し線61(第1のバンド切離し用のカット)および下流側の第2のバンド切離し線62(第2のバンド切離し用のカット)により単葉形態のリストバンド60Aを得ている。
【0085】
それぞれの第1のバンド切離し線61および第2のバンド切離し線62には、同じ形状の単葉のリストバンド60Aを形成可能な切離し用のカットであるとともに、この切離し用のカットの部分において位置検出用の間隔63を形成している。
なお、台紙4の裏面に位置検出用マーク15(たとえば図1参照)をあらかじめ印刷することなく、位置検出用の間隔63における上流側あるいは下流側のいずれか一方のバンド基材2の端面部63Aを位置検出用センサー(図示せず)により検出可能としている。したがって、台紙4の裏面に形成する位置検出用マーク15が摩耗などにより万が一剥げ落ちてしまって位置検出が困難になることを回避可能である。
【0086】
こうした構成のリストバンド連続体60から分離した単葉のリストバンド60Aを被巻付け部Wに巻き付ける操作については、第4の実施例によるリストバンド連続体50およびリストバンド50Aにおける図18ないし図20に示した工程と同様であるので、その詳述はこれを省略する。
【符号の説明】
【0087】
1 リストバンド連続体(第1の実施例、図1〜図5)
1A リストバンド(第1の実施例、図2)
2 帯状のバンド基材
2A 単層のバンド基材(図2、図7)
2B 上流側バンド基材(図11〜図15)
2C 下流側バンド基材(図11〜図15)
2D 単層のバンド基材(図17)
3 粘着剤層
3A 粘着剤層3の幅方向縁部(上流側の縁部、図1(3))
4 台紙
4A 単層の台紙(図2)
4B 単層の台紙(第2の貼合わせ位置ガイド、貼合わせ位置ガイド片、図7)
4C 単層の台紙(第2の貼合わせ位置ガイド、貼合わせ位置ガイド片、図17)
5 中央領域
6 第1の巻付け領域
7 第2の巻付け領域
8 広告情報印刷欄
9 使用方法印刷欄
10 貼付け範囲印刷欄
11 破断用切込み部
12 第1のバンド切離し線
13 第2のバンド切離し線
14 エンボス加工面
15 位置検出用マーク
16 第1の台紙切離し線
17 第2の台紙切離し線
18 第1の貼合わせ位置マーク(第1の貼合わせ位置ガイド)
19 第2の貼合わせ位置マーク(第2の貼合わせ位置ガイド)
19A 点線状の第2の貼合わせ位置マーク(第1の貼合わせ位置ガイド)
20 バンド取外し用切込み部
21 台紙取外し用切込み部
22 粘着剤層3における第1の貼付け領域
23 粘着剤層3における第2の貼付け領域
24 ミシン目
30 リストバンド連続体(第2の実施例、図6〜図10)
30A リストバンド(第2の実施例、図7)
31 山形状の第1の台紙切離し線
32 山形状の第2の台紙切離し線
33 山形状の屈曲線マーク(第1の貼合わせ位置ガイド)
40 リストバンド連続体(第3の実施例、図11〜図15)
40A リストバンド(第3の実施例、図12)
41 第1のバンド切離し線
42 第2のバンド切離し線
43 第1の貼付け領域(第1の貼合わせ位置ガイド、図12(1))
44 第2の貼付け領域
45 貼合わせ位置マーク(第2の貼合わせ位置ガイド)
50 リストバンド連続体(第4の実施例、図16〜図20)
50A リストバンド50A(第4の実施例、図17)
51 細山形状の屈曲線マーク(第1の貼合わせ位置ガイド)
52 第1のバンド切離し線(第1のバンド切離し用のカット)
53 第2のバンド切離し線(第2のバンド切離し用のカット)
54 細山形状の第1の台紙切離し線
55 細山形状の第2の台紙切離し線
60 リストバンド連続体(第5の実施例、図21)
60A リストバンド(第5の実施例、図21)
61 第1のバンド切離し線(第1のバンド切離し用のカット)
62 第2のバンド切離し線(第2のバンド切離し用のカット)
63 位置検出用の間隔
63A 位置検出用の間隔63におけるバンド基材2の端面部
W 被巻付け部(手首や足首など)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のバンド基材と、
このバンド基材の裏面に形成した粘着剤層と、
この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な台紙と、を有し、
前記バンド基材は、
特定情報を表示可能な中央領域と、
この中央領域の左右端部にそれぞれ位置し、この中央領域とともに手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な第1の巻付け領域および第2の巻付け領域と、を有するリストバンドであって、
前記第1の巻付け領域および前記第2の巻付け領域に、第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドをそれぞれ設けているとともに、
前記第1の巻付け領域の裏面側における前記台紙をはがして前記粘着剤層を露出可能とし、
この露出した前記粘着剤層を有する前記第1の巻付け領域の裏面と、前記第2の巻付け領域の裏面とを、前記粘着剤層の一部を露出可能に残した状態で前記第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより前記被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成可能とし、
前記露出可能に一部残った前記粘着剤層を有する前記第1の巻付け領域を前記第2の巻付け領域の表面に貼り付け可能としていることを特徴とするリストバンド。
【請求項2】
前記粘着剤層は、
前記第2の巻付け領域の裏面が貼り付けられる第1の貼付け領域と、
前記第2の巻付け領域の表面が貼り付けられる第2の貼付け領域と、に画成可能であることを特徴とする請求項1記載のリストバンド。
【請求項3】
前記第1の巻付け領域および前記第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方に破断用切込み部を形成したことを特徴とする請求項1または2記載のリストバンド。
【請求項4】
前記第1の貼合わせ位置ガイドおよび前記第2の貼合わせ位置ガイドは、前記第1の巻付け領域および前記第2の巻付け領域にあらかじめ印刷した貼合わせ位置マークであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項5】
前記第1の貼合わせ位置ガイドあるいは前記第2の貼合わせ位置ガイドは、前記第1の巻付け領域あるいは前記第2の巻付け領域に所定形状にあらかじめ形成した貼合わせ位置ガイド片であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項6】
前記台紙が、前記被巻付け部に直接接触可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項7】
前記バンド基材が、前記被巻付け部に直接接触可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項8】
前記台紙は、これを透明材料から構成するとともに、
前記台紙の裏面に前記第1の貼合わせ位置ガイドおよび前記第2の貼合わせ位置ガイドを設けていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項9】
前記台紙は、これを透明材料から構成するとともに、
前記粘着剤層に前記第1の貼合わせ位置ガイドあるいは前記第2の貼合わせ位置ガイドの少なくともいずれか一方を設けていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項10】
前記第2の巻付け領域の前記台紙は、前記バンド基材からずれて前記第2の巻付け領域の端部側において、前記第1の巻付け領域とは反対側に、はみ出していることを特徴とする請求項1ないし6、8または9のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項11】
前記粘着剤層および前記台紙は、前記第1の巻付け領域の裏面のみにこれを設けていることを特徴とする請求項1ないし4、7のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項12】
前記第2の巻付け領域における前記バンド基材には、その幅方向に互いに平行な複数本のミシン目を形成していることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項13】
前記第1の巻付け領域の表面あるいは裏面の少なくともいずれか一方に、当該リストバンドに関する広告情報をあらかじめ印刷可能とする広告情報印刷欄を設けていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項14】
帯状のバンド基材と、
このバンド基材の裏面全面に形成した粘着剤層と、
この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な帯状の台紙と、を有し、手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能なリストバンドであって、
前記バンド基材の一方の端部の裏面において前記台紙が剥離されて前記粘着剤層が露出可能であるとともに、
前記バンド基材の他方の端部の表面において前記バンド基材が剥離されて前記台紙が露出していることを特徴とするリストバンド。
【請求項15】
帯状のバンド基材と、
このバンド基材の裏面全面に形成した粘着剤層と、
この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な帯状の台紙と、を有し、手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能なリストバンド連続体であって、
前記バンド基材には、単葉のリストバンドを形成するための所定間隔をあけた一対のバンド切離し線を形成し、
前記台紙には、所定間隔をあけた一対の台紙切離し線を、前記バンド切離し線とはそれぞれ異なった部位に形成しているとともに、
前記単葉のリストバンドは、
前記バンド基材の一方の端部の裏面において前記台紙が剥離されて前記粘着剤層が露出可能であるとともに、
前記バンド基材の他方の端部の表面において前記バンド基材が除去されて前記台紙が露出可能であることを特徴とするリストバンド連続体。
【請求項16】
前記バンド切離し線は、前記単葉のリストバンドを形成可能な切離し用のカットであることを特徴とする請求項15記載のリストバンド連続体。
【請求項17】
前記バンド切離し線は、前記単葉のリストバンドを形成可能な切離し用のカットであるとともに、この切離し用のカットの部分において位置検出用の間隔を形成していることを特徴とする請求項15記載のリストバンド連続体。
【請求項18】
帯状のバンド基材と、
このバンド基材の裏面全面に形成した粘着剤層と、
この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な帯状の台紙と、を有し、
前記バンド基材は、
特定情報を表示可能な中央領域と、
この中央領域の左右端部にそれぞれ位置し、この中央領域とともに手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な第1の巻付け領域および第2の巻付け領域と、を有するリストバンド連続体であって、
前記バンド基材には、単葉のリストバンドを形成するための第1のバンド切離し線および第2のバンド切離し線を形成し、
前記台紙には、単葉のリストバンドを形成するための第1の台紙切離し線および第2の台紙切離し線を、前記第1のバンド切離し線および前記第2のバンド切離し線とはそれぞれ異なった位置に形成しているとともに、
前記単葉のリストバンドは、
前記第1の巻付け領域の裏面において前記台紙が剥離されて前記粘着剤層が露出可能であり、
前記第2の巻付け領域の表面において前記バンド基材が除去されて前記台紙が露出可能であることを特徴とするリストバンド連続体。
【請求項19】
帯状のバンド基材と、
このバンド基材の裏面に形成した粘着剤層と、
この粘着剤層に仮着してこれを被覆可能な台紙と、を有し、
前記バンド基材は、
特定情報を表示可能な中央領域と、
この中央領域の左右端部にそれぞれ位置し、この中央領域とともに手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な第1の巻付け領域および第2の巻付け領域と、を有するリストバンドの巻付け方法であって、
前記第1の巻付け領域および前記第2の巻付け領域に、第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドをそれぞれ設けるとともに、
前記第1の巻付け領域の裏面側における前記台紙をはがして前記粘着剤層を露出する露出工程と、
この露出した前記粘着剤層を有する前記第1の巻付け領域の裏面と、前記第2の巻付け領域の裏面とを、前記粘着剤層の一部を露出可能に残した状態で前記第1の貼合わせ位置ガイドおよび第2の貼合わせ位置ガイドを互いに合わせるように重ね合わせて貼り付けることにより前記被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成する第1の貼合わせ工程と、
前記露出可能に一部残った前記粘着剤層を有する前記第1の巻付け領域を前記第2の巻付け領域の表面に貼り付ける第2の貼合わせ工程と、
を有することを特徴とするリストバンドの巻付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−108444(P2012−108444A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286377(P2010−286377)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】