説明

リストモードPET撮像における領域再構成及び定量的評価

リストモードデータを再構成する方法は、第1の再構成画像32、62を生成するようにリストモードデータセット30、160の全てのリストモードデータを再構成するステップと、前記リストモードデータセットのサブセットを選択するステップと、改良された再構成画像84、86を生成するように前記リストモードデータセットの前記サブセットを再構成するステップとを有する。画像生成システムは、標準的な再構成画像32、62を生成するようにリストモードデータセットの標準的な再構成を実行する再構成モジュール24と、改良された再構成画像84、86を生成するように前記リストモードデータセットの少なくとも一部の前記標準的な再構成以外の再構成を実行する再再構成モジュール24、70、80、82、150、152、154とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の記載は、医療分野、医療撮像分野、医療診断分野、陽電子放出断層撮影(PET)撮像分野、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)分野、及び関連分野に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍診断、評価及び治療計画における陽電子放出断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)及び他の撮像モダリティの使用は、増加している。PET及びSPECTは、対象(例えば、人間又は動物の対象)に放射性医薬品を投与し、前記放射性医薬品により前記対象から発せられた放射線を検出することを伴う。前記放射性医薬品は、好ましくは、血流又は他の解剖学的関心領域に対する画像コントラストを与えるようにこれらの領域に集まるように適合されることができる。PET及びSPECTは、腫瘍代謝、成長及び壊死に関する機能的情報を提供する傾向にあるのに対し、CTは、主に構造的情報を提供するので、PET及びSPECTは、腫瘍学に対する透過型コンピュータ断層撮影(CT)に対して補完的であると認識される。
【0003】
PET及びSPECT撮像データの取得は、放射性医薬品の使用により複雑にされる。しばしば該当する政府規制により強化される対象の安全性に対する考慮は、比較的低い放射性医薬品投薬量の使用を決定づける。これは、低い放射線"計数率"及び結果的に遅いデータ取得になる。典型的なPET撮像セッションは、例えば、半時間にわたり又はより長く伸びることができる。PET撮像セッションのスケジューリング及び実行は、相当な仕事であり、通常は、適切に訓練された放射線専門家により専用の放射線撮像ファシリティにおいて実施される。前記PET撮像セッションは、撮像データ取得及び"画像再構成"として当技術分野において既知のプロセスによる前記取得された放射線"計数"から画像への変換を含む。
【0004】
再構成プロセスは、計算的に集中的(intensive)である。再構成アルゴリズム又は"エンジン"の2つの一般的なクラス、すなわち、前記取得されたPET又はSPECTデータから再構成画像を直接的に計算する非反復的"分析的"アルゴリズム、及び前記取得されたPET又はSPECTデータを近似するように再構成画像を反復的に調節する反復的アルゴリズムが、一般に使用される。分析的再構成アルゴリズムは、フィルタ逆投影法及びフーリエ再投影技術を含み、典型的には前記取得されたデータに含まれる全ての情報コンテンツを保つ数学的変換である。しかしながら、分析的方法は、全てのノイズコンテンツをも保持し、したがって分析的方法により生成された画像は、解釈するのが難しい可能性がある。フィルタリング又は平滑化は、時々、分析的画像を向上させることができる。他方で、最大尤度−期待値最大化(ML−EM)及びその変形を含む反復的アルゴリズムは、一般に、ノイズに対してよりロバストである。しかしながら、反復的再構成アルゴリズムは、特定の実際的な収束問題を持ち、所定の画像に対して、何回の反復が必要とされるかを予測するのは単純ではない。加えて、反復的再構成アルゴリズムは、前記取得されたデータに含まれる全ての情報コンテンツを保持しない。
【0005】
再構成エンジンにより採用されるアルゴリズムの選択に加えて、再構成画像は、(空間解像度又はボクセルサイズのような)再構成に使用されるパラメータ、前記再構成エンジンに入力された取得されたPET又はSPECTデータの選択のような要因により、又は当該データに加えられうる前処理により影響を受けることができる。例えば、参照によりここに全体的に組み込まれるBusche他のWO2007/100955(2007年9月7日公開)は、(例えば、鼓動する心臓のような)ローカルフィーチャの動きを補正する局所動き補正(LMC)前処理を記載している。これらの様々な要因は、画像再構成の画質及び速度の両方に影響を与えることができる。
【0006】
画像再構成プロセスの複雑さは、幅広い情報、及び所定の取得されたPET又はSPECTデータセットから達成可能である情報品質に変わる。再構成アルゴリズムの選択、再構成を受けるデータの選択、再構成パラメータの選択、LMC又は他のデータ処理等に依存して、結果として生じる画像は、ほとんど使い物にならないものから癌性腫瘍又は他の関心フィーチャの高度な証拠になるものまでのどんな範囲も取ることができる。
【0007】
不幸なことに、既存の腫瘍撮像パラダイムは、取得されたSPECT又はPETデータに含まれる情報を効果的に活用していない。医師、放射線治療専門家又は他の腫瘍専門家は、撮像ファシリティ及び撮像専門家と限定的なインタラクションを持つ。典型的な腫瘍学環境において、腫瘍専門家は、PET又はSPECT撮像セッションを予定し、一辺4mmである直方体画素を持つ標準的な"4mm3"再構成PET画像の形式のような標準化されたフォーマットの再構成PET又はSPECT画像を受け取る。腫瘍専門家は、スライスを抽出し、三次元レンダリングを策定し、又はそうでなければ前記標準的な画像又はその一部の人間観察可能表現を提示するソフトウェアを使用して(適切にプログラムされた汎用コンピュータ又は専用画像観察ワークステーションであることができる)撮像ワークステーションにおいてこの標準的な画像を見る。
【0008】
典型的な放射線治療ワークフローにおいて、例えば、腫瘍専門家は、癌性腫瘍及び近隣の放射線感受性器官のような近隣の"クリティカル構造"を描写するのにCT画像を使用する。強度変調放射線治療(IMRT)計画は、描写フィーチャに基づいて生成され、線形加速器("リニアック")又は他の放射線治療システムを使用して適用される。PET又はSPECT画像は、一般に、標準化された取り込み値(SUV)のような機能的情報を提供し、観測可能な壊死又は転移等を評価するのに補完データとして使用される。PETの機能的感度は、発生期の腫瘍又は病変に高い局所的代謝を反映する明るいスポットとして出現させることができるので、PET及びSPECTは、時々、初期の悪性腫瘍又は病変の検出、又は癌の転移の存在及びレートの検出のような検出タスクに対してCTより優れていることができる。
【0009】
全体的なPET又はSPECTデータセットから4mm3標準PET画像のような"標準的な"画像への再構成は、検出されたフィーチャの詳細な分析を要求しない検出タスクに対して効率的である。標準的な再構成を生成することは、標準化されたタスクであり、標準的な再構成パラメータを使用するので、効率的である。前記データセット全体が使用され、これは、全ての情報コンテンツが保たれ、前記標準的な再構成のパラメータが、平均で、前記再構成に対して良好なパラメータであるという再保証を与える。更に、前記標準的な再構成は、腫瘍専門家によく知られており、これは、腫瘍専門家が受け取ることを"期待"するものである。
【0010】
しかしながら、4mm3標準PET画像のような前記標準的な再構成は、SUV評価、又は高解像度分析等のようなより高度なタスクに対して理想的ではないかもしれない。LMC又は領域選択のような高度な前処理は、最初の撮像セッション中に撮像専門家に入手可能ではないかもしれない追加の情報を要求する。更に、場合により画質を向上させうる計算的に集中的な前処理又は計算的に集中的な再構成アルゴリズムは、完全なデータセットに適用するには高価すぎるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以下の記載は、上で参照された問題等を克服する新しい改良された装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの開示される態様によると、リストモードデータを再構成する方法が開示され、前記方法は、第1の再構成画像を生成するようにリストモードデータセットの全てのリストモードデータを再構成するステップと、前記リストモードデータセットのサブセットを選択するステップと、改良された再構成画像を生成するように前記リストモードデータセットの前記サブセットを再構成するステップとを有する。
【0013】
他の開示される態様によると、画像生成システムが開示され、前記システムは、標準的な再構成画像を生成するようにリストモードデータセットの標準的な再構成を実行する再構成モジュールと、改良された再構成画像を生成するように前記リストモードデータセットの少なくとも一部の前記標準的な再構成以外の再構成を実行する再再構成(re-reconstruction)モジュールとを有する。
【0014】
他の開示された態様によると、画像生成方法が開示され、前記方法は、画像データから画像を再構成するステップと、前記画像を治療計画ファシリティに転送するステップと、前記治療計画ファシリティにおいて、最初の再構成において使用されたパラメータとは異なる再再構成に対する1以上のパラメータを選択するステップと、前記再再構成に対して前記選択された1以上のパラメータを使用して前記画像データの少なくとも一部から更新された画像を再再構成するステップとを有する。
【0015】
1つの利点は、リストモード撮像データからより完全な情報を得ることを容易化することにある。
【0016】
他の利点は、リストモード撮像データに含まれる情報のより効率的な使用にある。
【0017】
他の利点は、リストモード撮像データを使用する腫瘍専門家に増大されたフレキシビリティ及び性能を提供することにある。
【0018】
更なる利点は、以下の詳細な説明を読み、理解すると当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】医療撮像ファシリティ及び腫瘍治療計画ファシリティを概略的に示し、前記撮像ファシリティと前記腫瘍治療計画ファシリティとの間のインタラクションの表示を含む。
【図2】独立したリストモード撮像データ再構成機能を含む腫瘍治療計画ファシリティを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、既存の腫瘍治療ワークフローが、定量的分析に対してPET及びSPECTの機能的感度を効率的に使用していないことが、認識される。他方で、ここで、既存の腫瘍治療ワークフローが、癌性腫瘍及び病変の検出に対して及び転移性癌の検出及び監視に対して採用されるとかなりの利点を持つことも、認識される。以下の記載は、検出に対するこれらの既存の利点を保持しながら定量的分析に対する改良された機能を提供する改良された腫瘍撮像パラダイムを開示する。
【0021】
図1を参照すると、医療撮像システムは、1以上の医療撮像機器10と、1以上の撮像ファシリティプロセッサ12と、1以上の撮像ファシリティメモリ14とを含む。1以上の撮像機器10は、PETデータを取得する陽電子放出断層撮影(PET)撮像機器、又は単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)データを取得するガンマカメラのような少なくとも1つの核医学撮像機器を含む。オプションとして、1以上の医療撮像機器10は、磁気共鳴(MR)撮像機器、又は透過型コンピュータ断層撮影(CT)撮像機器等のような他のモダリティを含む。一部の実施例において、1以上の医療撮像機器10は、2以上の撮像モダリティを提供するハイブリッド撮像装置を含む。例えば、1以上の医療撮像機器10は、オプションとして、Koninklijke Philips Electronics N.V.(アインドーフェン、オランダ)から入手可能なGeminiTM PET/CTシステムのようなハイブリッドPET/CT撮像機器、又はKoninklijke Philips Electronics N.V.(アインドーフェン、オランダ)から入手可能なBrightviewTM、PrecedenceTM、又はSKYlightTM SPECT/CTシステムのようなハイブリッドSPECT/CT撮像機器を含む。ハイブリッドPET/MRシステムのような他の市販の又は非営利のスタンドアロン及び/又はハイブリッドシステムも考えられる。1以上の医療撮像機器10は、専用撮像ファシリティ又は病院のような大きな医療エンティティのコンポーネントであることができる前記医療撮像ファシリティの単一の部屋又は2以上の部屋に収容されることができる。
【0022】
1以上の撮像ファシリティプロセッサ12は、例えば、1以上のパーソナルコンピュータ、ラップトップ若しくはノート型コンピュータであることができる1以上のコンピュータ20、及び/又はパーソナルコンピュータ、ネットブック、"ダム端末"、若しくは他のネットワーク可能ユーザインタフェース装置を介してアクセスされる1以上のインターネットベースのサーバのような1以上の遠隔デジタルプロセッサにより、適切に実施されることができる。1以上の撮像ファシリティプロセッサ12は、様々な撮像ファシリティコンポーネントを規定及び実行し、例えば、撮像データを生成するように1以上の撮像システム10を制御する1以上の取得コントローラ22を規定し、取得された撮像データの再構成を実行する1以上の再構成エンジン24を規定し、1以上のコンピュータ20のユーザインタフェース装置及びディスプレイと一緒に医療画像ビューイングステーション26を規定する。1以上の撮像ファシリティメモリ14は、1以上の磁気記憶媒体、1以上の光学記憶媒体、又は1以上の静電記憶媒体等を含むことができる。幾つかの例示的な例は、1以上のコンピュータ20のハードディスク又は他の内部記憶装置、外部ハードドライブ、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)システム、又は遠隔インターネット記憶ファシリティ等を含む。1以上の撮像ファシリティメモリ14は、病院又は前記医療撮像ファシリティを所有する又は関連する他の組織により維持されるピクチャアーカイブ及び通信システム(PACS)を含む又はアクセスすることができる。
【0023】
SPECT又はPET撮像を含む典型的なタスクにおいて、関連する取得コントローラ22は、1以上の医療撮像ファシリティメモリ14に記憶されるリストモード撮像データセット30を生成するように1以上の医療撮像機器10のSPECT又はPET撮像システムを動作する。ここで使用される用語"リストモードデータセット"及び同様の専門用語は、放射線検出事象の全ての情報を保持する核医学撮像データのセットを示す。この情報は、前記放射線検出事象が、PETの場合の511keVガンマ線のような関心粒子、又はSPECT撮像セッションに使用される放射性医薬品と一致するエネルギの粒子に対応することを決定するのに少なくとも十分なエネルギ情報と、時間情報と、(放射線検出器を識別する情報又は検出事象の空間的位置に関する情報として記憶される)位置情報とを含む。PETに対して、実質的に同時の511keVガンマ粒子検出事象の対は、前記実質的に同時の511keVガンマ粒子検出事象を接続するラインオブレスポンス(line of response)を規定する。一部の実施例において、飛行時間情報も記憶され、この場合、前記実質的に同時の511keVガンマ粒子検出事象の間の時間差が、前記ラインオブレスポンスに沿った陽電子−電子対消滅事象を更に位置特定するのに使用される。前記エネルギ、時間及び位置情報は、様々な形で記憶されることができると理解され、用語"リストモード"は、この情報を記憶する如何なるフォーマットをも含むことを意図される。一部の実施例において、前記エネルギ情報は、定量的に記憶されないが、むしろ前記エネルギ情報は、PETリストモードデータの場合に約511keVにおけるエネルギウィンドウのような適切なエネルギウィンドウ内に入る放射線検出事象のみに関連する情報を記憶することにより暗示的に記憶される。
【0024】
リストモードデータセット30は、標準的な全体積画像32、すなわち、標準的な再構成パラメータを使用して完全なリストモードデータセット30から再構成される第1の再構成画像を生成するように再構成エンジン24を使用して再構成される。例えば、PET撮像データの場合、典型的な標準は、4mm3の空間解像度で全体積画像を再構成することである。より一般的には、標準的な全体積画像32は、人間の撮像専門家が、リストモードデータセット30を識別し、場合により標準的な再構成アルゴリズムを選択することを超える手動設定なしで再構成を開始することができるように前記撮像ファシリティに対する標準である標準的な再構成パラメータを採用する。一部の実施例において、リストモードデータセット30は、人間の撮像専門家の介入なしで、自動的に標準的な全体積画像32を生成するように再構成エンジン24を使用して再構成される。前記標準的な再構成は、最大尤度−期待値最大化(ML−EM)又はその変形のような実質的に如何なる適切な反復的再構成アルゴリズムをも採用することができ、又はフィルタ逆投影アルゴリズム又はフーリエ再投影アルゴリズムのような実質的に如何なる適切な非反復的分析的再構成アルゴリズムをも採用することができる。前記標準的な再構成アルゴリズムが使用されるので、標準的な全体積画像32は、腫瘍専門家からの入力なしで生成され、これは、有利には、効率を向上させるが、特定の分析目的に対して調整又はカスタマイズされていない、又は悪性腫瘍等のような特定の撮像フィーチャを標的としていない標準的な全体積画像32を生じる。
【0025】
図1は、適切な形で前記医療撮像ファシリティに関連付けられた腫瘍治療計画ファシリティをも概略的に描いている。例えば、一部の実施例において、前記医療撮像ファシリティ及び前記腫瘍治療計画ファシリティは、病院又は他の医療システムの部門又は他の業務ユニットであるのに対し、他の実施例において、前記腫瘍治療計画ファシリティは、前記医療撮像ファシリティが前記腫瘍治療計画ファシリティに医療画像を提供するように前記医療撮像ファシリティと契約している。前記医療撮像ファシリティが前記腫瘍治療計画ファシリティの部門若しくは他のユニットである、又はその逆であるような、他の適切な関係も考えられる。加えて、前記腫瘍治療計画ファシリティは、腫瘍治療の計画及び実行の両方を行う腫瘍学的計画及び治療ファシリティであってもよい。他の例として、前記撮像ファシリティは、追加的に放射線治療を実行する放射線部門のコンポーネントであってもよい。
【0026】
実例的な腫瘍治療ファシリティは、1以上の腫瘍治療計画プロセッサ42、及び1以上の撮像ファシリティメモリ44を含む。1以上の腫瘍治療計画プロセッサ42は、例えば、1以上のパーソナルコンピュータ、ラップトップ若しくはノート型コンピュータであることができる1以上のコンピュータ45、及び/又はパーソナルコンピュータ、ネットブック、"ダム端末"又は他のネットワーク可能ユーザインタフェース装置を介してアクセスされる1以上のインターネットベースのサーバのような1以上の遠隔デジタルプロセッサにより、適切に実施されることができる。1以上の撮像ファシリティメモリ44は、1以上の磁気記憶媒体、1以上の光学記憶媒体、又は1以上の静電記憶媒体等を含むことができる。幾つかの例示的な例は、1以上のコンピュータ45のハードディスク又は他の内部記憶装置、外部ハードドライブ、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)システム、又は遠隔インターネット記憶ファシリティ等を含む。1以上の撮像ファシリティメモリ44は、病院又は前記医療撮像ファシリティを所有する又は関連する他の組織により維持されるピクチャアーカイブ及び通信システム(PACS)を含む又はアクセスすることができる。
【0027】
1以上の腫瘍治療計画プロセッサ42は、様々な腫瘍治療計画コンポーネントを規定及び実行し、例えば、1以上のコンピュータ45のユーザインタフェース装置及びディスプレイと一緒に、腫瘍専門家が標準的な全体積画像32を見て、検索することができる医療画像ビューイングステーション46を規定する。1以上の腫瘍治療計画プロセッサ42は、癌性腫瘍若しくは病変、又は近隣の放射線感受性器官等のようなフィーチャを描写するオプションのフィーチャ描写エンジン50と、活動尺度(例えば標準化された取り込み値又はSUV分析)のようなオプションの定量的診断分析器52と、オプションの強度変調放射線治療(IMRT)計画エンジン54とを更に規定する。前記フィーチャ描写エンジンは、手動で、自動的に、又は半自動的に動作することができる。例えば、手動の実施例において、腫瘍専門家は、関心フィーチャを囲む、ロープで囲う、又は他の形で手動で描写するのにビューイングステーション46のグラフィックユーザインタフェース(GUI)コンポーネントを採用する。自動的な実施例において、自動強度閾値化が、関心フィーチャを描写するようにボクセル強度に基づいて前記画像をセグメント化するのに使用されることができる。半自動的描写アプローチの一例は、領域を近似的に描写するように囲み、前記近似的な手動描写を調節する自動強度閾値化が後に続き、オプションとして他の手動調整が後に続くことを採用する。IMRT計画エンジン54は、対象に所望の積分された放射線量プロファイルを与える放射線治療セッション計画を生成するように、リーフレットコリメータ設定又はビーム強度設定等のような放射線治療システムの強度変調パラメータを最適化するのに既知の技術を使用する。IMRT計画エンジン54の出力は、1以上の腫瘍治療計画メモリ44に適切に記憶される放射線治療セッション計画56である。
【0028】
構造を描写する目的で、時々、1以上の腫瘍治療計画メモリ44に適切に記憶される対象の透過型コンピュータ断層撮影(CT)画像60を採用することが好ましい。CT画像60は、図示された撮像ファシリティの1以上の医療撮像機器10のCT撮像機器により生成されることができ、この場合、再構成されたCT画像61は、適切に、まず撮像ファシリティメモリ14に記憶され、次いで、腫瘍治療計画メモリ44に転送される。代替的には、CT画像60は、他の撮像ファシリティにより又は前記腫瘍治療計画ファシリティの所有のCT撮像機器により生成されることができる(代替例は図示されていない)。
【0029】
前記PET又はSPECT画像は、他方で、一般に、腫瘍若しくは病変検出に対して、及び/又は悪性腫瘍の機能的側面を分析するのに使用される。このために、標準的な全体積PET又はSPECT画像32は、前記撮像ファシリティから、標準的な全体積画像のコピー62が腫瘍治療計画メモリ44に適切に記憶される前記腫瘍治療計画ファシリティに(例えば、インターネットを介して、又は有線、無線若しくはハイブリッド病院デジタルネットワークを介して、又は光ディスクのような物理的に移送されるデジタルデータ記憶媒体を介して等)転送される。腫瘍専門家は、この場合、標準的な全体積画像32若しくは選択された部分(例えばスライス)又はそのレンダリングを見るのに前記腫瘍治療計画ファシリティにおける医療画像ビューイングステーション46を採用することができる。標準的な全体積画像32は、典型的には、癌性腫瘍又は病変を検出するのに適切であり、オプションとして、オプションの定量的診断分析器52を使用して定量化されることができる代謝活動の一般的なレベルの表示を提供する。しかしながら、標準的な全体積画像32を生成した画像再構成は、一般に、特定の腫瘍又は病変に対して最良の画質特性を与えるように最適化されていない。例えば、一般的な標準PET再構成は、4mm3ボクセルを採用し、この解像度は、小さな腫瘍又は病変の形状又は活動の詳細な決定に対して粗すぎるかもしれない。前記腫瘍又は病変が、肺又は他の循環的に動く器官内に位置する又は循環的に動く器官により影響を受ける(例えば、接触する又は近くであるために移動される)場所にある場合、標準的な全体積画像32内の腫瘍又は病変の表現は、前記動きによりぼやける。結果として、標準的な全体積画像32は、標準的な全体積画像32において腫瘍専門家により識別される腫瘍又は病変の理想的とは言えない表現を提供しうる。
【0030】
他方で、リストモードデータセット30の取得は、典型的には、比較的長い時間、例えば幾つかのPETスキャンに対して半時間以上、及びSPECTスキャンに対して同等の時間かかる。PET又はSPECT撮像機器の動作は、消耗品(電気、及び放射性医薬品等)に関して、及び人的時間(撮像専門家の時間及び人間の対象の場合に対象の時間)に関しても高価である。更に、前記放射性医薬品を前記対象に投与することは、腫瘍学団体により及び関連する政府規制エンティティにより安全と見なされるレベルではあるが、特定の放射線量に前記対象をさらすことになる。結果として、実施できる限りPET又はSPECT撮像セッションの回数を制限することが望ましく、識別された腫瘍又は病変に焦点を合わせるために他のPET又はSPECTデータ取得を実行することは望ましくない。
【0031】
有利には、1以上の医療撮像ファシリティメモリ14に記憶されるリストモード撮像データセット30は、元々取得された撮像データに含まれる全ての情報を保持する。結果として、新しいデータセットを取得することは不必要である。むしろ、再構成プロセスを再規定又は改良し、関心の腫瘍又は病変の改良された表現を提供する改良された再構成画像を生成するように、(i)改良された再構成パラメータ、(ii)局所動き補正(LMC)のような選択された前処理、及び(iii)リストモード撮像データセット30の選択されたサブセットの1以上を使用して"再再構成"を実行するのに十分である。
【0032】
このために、図1を参照し続けると、1以上の腫瘍治療計画プロセッサ42は、腫瘍専門家が再再構成プロセスを設定することを可能にするインタラクティブ再再構成設定エンジン70を更に規定する。腫瘍専門家は、必ずしも画像再構成を含む撮像の詳細な側面に熟練していなくてもよい。インタラクティブ再再構成設定エンジン70は、腫瘍専門家が撮像技術の低レベルの専門用語又は概念に頼ることなしに洗練又は改良された再構成に対するパラメータを指定することを可能にする。例えば、腫瘍専門家は、オプションとして、再構成に対して画像空間内の関心領域を識別するが、リストモードデータセット30のいずれのリストモードデータが空間内の前記関心領域の画像コンテンツに寄与するかを識別しようと試みない。したがって、腫瘍専門家は、一部の実施例において、フィーチャ描写エンジン50を使用して決定された関心の腫瘍又は病変の描写を単純に提供することができるか、又は再構成に対して画像空間における関心領域を規定するように、関心の腫瘍又は病変を含む長方形ボックスをグラフィックで規定することができる。一部の実施例において、腫瘍専門家は、(i)循環的に動くと信じられるフィーチャ及び(ii)前記循環的な動きに関して実質的に静止していると信じられる領域を識別するのにマウスポインタ又は他のグラフィック選択装置を使用することができ、前記循環的に動くフィーチャに対して局所動き補正(LMC)を実行することを選択することができる。腫瘍専門家は、一部の実施例において、オプションとして、画像空間解像度のような前記再再構成に対する再構成パラメータを指定することもできる。典型的には、前記標準的な再構成と比較して、より高い解像度が、前記再再構成に対して要求されるが、より低い解像度が、例えば信号材雑音比(SNR)を減少させるために要求されることもできる。更に、腫瘍専門家は、一部の実施例において、オプションとして、悪性腫瘍又は病変であると信じられる領域のSUV分析のような定量的診断分析が、前記改良された再構成画像内のフィーチャに対して実行されることを要求することができる。腫瘍専門家は、典型的には、画像再構成の熟練者であることを期待されないが、インタラクティブ再再構成設定エンジン70は、オプションとして、腫瘍専門家が、再構成アルゴリズムのタイプのような、より高度な再構成パラメータを指定する(例えば、フィルタ逆投影又は反復的ML−EM再構成から選択する)ことをも可能にする。これらのより高度な再構成パラメータは、再構成プロセスの必要な理解を持つ腫瘍専門家による使用に対する再再構成設定の高度設定として提示されることができるか、又は代替的に若しくは付加的に、より直感的に提示されることができるかのいずれかである。例えば、再構成アルゴリズムの選択は、オプションとして、"ノイズに対してよりロバスト性を持つ再構成(反復的ML−EM)"又は"情報又はノイズコンテンツの損失なし(フィルタ逆投影)"のオプションとして提示されることができる。後者の選択は、オプションとして、画像特性に対するこれらのフィルタの好ましい効果を腫瘍専門家に通知する適切な説明テキストとともに、部分体積補正又は点広がり関数(PSF)補正が適用されるべきかどうかを選択するチェックボックス又は他の選択メカニズムを含むこともできる。
【0033】
(画像空間解像度、再構成アルゴリズム選択、及びオプションのLMC又は他の前処理、部分体積若しくはPSFフィルタの選択等のような設定を含む)前記再再構成パラメータは、1以上の腫瘍治療計画ファシリティメモリ44の再再構成要求キュー72に適切に記憶され、キューに入れられた再構成要求は、インターネット、有線、無線又はハイブリッドローカルエリアネットワーク等を介して前記撮像ファシリティに転送される。
【0034】
前記撮像ファシリティにおいて、前記再再構成要求は、手動で、自動的に又は半自動的に処理される。手動アプローチにおいて、人間の撮像専門家は、前記再再構成要求を再検討し、オプションとして適切であれば(例えば、前記再再構成要求に曖昧性が存在する場合に)腫瘍専門家と相談し、前記再再構成要求によって改良された再構成画像を生成するように適切な再構成プロセスを構築する。例えば、撮像専門家は、所望の再構成アルゴリズム(例えば、フィルタ逆投影又は反復的ML−EM又は他の要求された再構成アルゴリズム)を使用し、要求された空間解像度又は他の再構成設定パラメータを採用し、前記リストモードデータの要求されたLMC前処理を実行するように撮像ファシリティプロセッサ12によりオプションとして規定されたオプションの局所動き補正(LMC)エンジン80を起動するように再構成エンジン24をプログラムすることができる。前記再再構成要求が、再再構成に対する画像空間内の関心領域の選択を含む場合、撮像専門家は、再再構成に対して前記リストモードデータセットの適切なサブセットを選択することができる。そうするために、撮像専門家は、腫瘍専門家により規定された画像空間内の関心領域で開始し、(例えば、前記再構成に対する画像空間の領域が所要の又は計算的に好適な長方形幾何形状に適合することを保証するように、又は前記再構成に対する画像空間の領域が関心の腫瘍又は他のフィーチャより大きいことを保証するように等)オプションとして再構成に対して画像空間の領域を精緻化するように長方形収容ボックスを採用する。撮像専門家は、この場合、画像空間内の前記関心領域の画像コンテンツに寄与するリストモードデータを有するリストモードデータセット30のサブセットを選択するように撮像ファシリティプロセッサ12によりオプションとして規定されるオプションの領域サブセット選択エンジン82を起動する。SPECTリストモードデータ又は非飛行時間PET撮像データに対して、この選択に対する1つのアプローチは、画像空間内の前記関心領域を通過するラインオブレスポンス(LOR)を前記サブセットに含めることであり、このようなLORは、潜在的に、画像空間内の前記関心領域の画像コンテンツに寄与する。飛行時間(TOF)PETデータに対して、前記LOFに沿った飛行時間位置特定は、更に、空間内の前記関心領域を通過し、かつ前記関心領域内の飛行時間位置特定を持つLORのみを選択することにより、前記サブセットを選択するのに使用されることができる。参照によりここに全体的に組み込まれるBusch他のWO2007/100955(2007年9月7日公開)に開示されるアプローチのような他のアプローチは、画像空間内の前記関心領域の画像コンテンツに寄与するリストモードデータを有するリストモードデータセット30のサブセットを選択するのに使用されることができる。撮像専門家は、この場合、1以上の撮像ファシリティメモリ14に記憶される改良された再構成画像84を生成するように(選択されている場合には)前処理及び再構成エンジン24を起動する。改良された再構成画像のコピー86は、前記腫瘍治療計画ファシリティに転送され、前記腫瘍治療計画ファシリティのビューイングステーション46を介する腫瘍専門家による再検討のために1以上の腫瘍治療計画メモリ44に記憶される。
【0035】
前記撮像ファシリティにおいて、前記記載された手動の再再構成アプローチの一部又は全てが、自動化されることができる。例えば、腫瘍専門家により選択される空間内の前記関心領域を含む長方形収容ボックスの選択は、容易に自動化され、オプションとして、再構成に対してリストモードデータセット30のサブセットを選択するように領域サブセット選択エンジン82の自動起動が後に続くことができ、オプションとして、適切な場合にプリプロセッサの自動起動(前記再再構成要求において要求される場合にLMCエンジン80の自動起動)が更に後に続くことができ、オプションとして、前記再再構成要求のパラメータによって前記再再構成を実行するように再構成エンジン24の自動起動が更に後に続くことができる。これらの動作の自動化は、有利には、再再構成活動のサービスに伴う人的時間の量を減少させる。
【0036】
示された実施例において、画像32、84は、前記撮像ファシリティから前記腫瘍治療計画ファシリティに電子的に(例えば、インターネット又はローカルエリアネットワークを介して)通信される。しかしながら、これらの画像が、印刷された形式で、例えば部門間郵便システムを介して又は米国郵便を介して又は翌日配達サービスを介して、前記撮像ファシリティから前記腫瘍治療計画ファシリティに転送されることも考えられる。
【0037】
図1を参照して記載された実施例において、前記再再構成プロセスは、前記撮像ファシリティにおいて手動で、自動的に又は半自動的に実行される。このアプローチは、有利には、前記再再構成を実行するのに前記撮像ファシリティの既存の画像再構成コンポーネント24、80、82を利用する。しかしながら、図1のアプローチは、キューに入れられた再再構成要求を前記撮像ファシリティに転送し、改良された再構成画像84を前記腫瘍治療計画ファシリティに戻すことを伴う。図1のアプローチは、既存の画像再構成コンポーネント24、80、82に付加的な再再構成タスクを負わせる。一部の実施例において、前記再再構成タスクの処理は、前記撮像ファシリティの低い処理負荷時間までキューに入れられる。例えば、前記再再構成タスクの処理は、オプションとして、日中にキューに入れられ、前記撮像ファシリティが使用中ではない、又は対象を撮像するより低いスループットを与える夜間に実行されることができる。完全に自動化された再再構成に対して、このようなキューは、直接的である。半自動化された又は手動の再再構成に対して、夜間に対するキュー又は他の遅延された処理は、前記再再構成要求に適切に低い実行優先度を割り当てることにより行われることができる。
【0038】
図2を参照すると、異なるアプローチにおいて、処理負荷は、前記腫瘍治療計画ファシリティにおいて再構成エンジン150と、オプションのLMCエンジン15と、オプションの領域サブセット選択エンジン154とを追加的に規定又は実施するように修正されている、修正された1以上の腫瘍治療計画プロセッサ142及び(例えば、1以上の修正されたコンピュータ145により適切に実施される)修正された1以上の腫瘍治療計画メモリ144を提供することにより前記腫瘍治療計画ファシリティに降ろされる。一部のこのような実施例において、前記撮像ファシリティにおける対応するLMCエンジン80及び/又は対応する領域サブセット選択エンジン82は、典型的には前記標準的な再構成を実行する際には使用されないので、省略される。図2に適合する実施例において、標準的な全体画像のコピー62は、前記撮像ファシリティにおいて生成されるCT画像60のように、前記撮像ファシリティから前記腫瘍治療計画ファシリティにコピーされる。加えて、しかしながら、リストモードデータセット30は、前記撮像ファシリティから前記腫瘍治療計画ファシリティに転送され、修正された1以上の腫瘍治療計画メモリ144は、リストモードデータセットのコピー160を記憶し、前記リストモードデータは、前記腫瘍治療計画ファシリティにおいて局所的に再再構成処理に対して利用可能である。代替的に、リストモードデータセット30のサブセットのみが、前記局所的な再再構成処理に対して十分なリストモードデータを提供するように前記腫瘍治療計画ファシリティに転送される。インタラクティブ再再構成設定エンジン70は、図1に関して記載されたように動作するが、図2に適合する実施例において、結果として生じる再再構成設定は、局所再構成コンポーネント150、152、154を使用して前記腫瘍治療計画ファシリティにおいて局所的に実行される。
【0039】
局所再構成コンポーネント150、152、154は、前記撮像ファシリティの対応するコンポーネント24、80、82と同等であるが、オプションとして、機能又は性能において異なる。例えば、一部の考えられる実施例において、前記撮像ファシリティの再構成エンジン24は、ML−EMのような反復的再構成アルゴリズムを採用するのに対し、前記腫瘍治療計画ファシリティの再構成エンジン150は、フィルタ逆投影のような分析的再構成を採用してもよい。代替的には、撮像ファシリティ再構成プロセッサ24は、分析的再構成アルゴリズムを採用することができるのに対し、腫瘍治療計画ファシリティ再構成プロセッサ150は、反復的再構成アルゴリズムを採用することができる。他の考えられる違いは、標準的な全体積画像32を生成するのに再構成エンジン24において従来のPET再構成を採用し、空間的関心領域の改良された画像を提供するのに再構成プロセッサ150において飛行時間位置特定を採用することである。更に、前記腫瘍治療計画ファシリティの再構成エンジン150により実行される再再構成は、典型的には、リストモードデータセット30、160のより小さなサブセットを処理するので、再構成エンジン150は、オプションとして、完全なリストモードデータセット30、160の標準的な再構成において有用に実行されない計算的に集中的な処理性能をも実施する。例えば、前記腫瘍治療計画ファシリティの再構成エンジン150は、前記撮像ファシリティの再構成プロセッサ24においてオプションとして実施されない計算的に集中的な部分体積又はPSF操作をオプションとして実施することができる。同様に、前記LMC及び領域サブセット選択は、典型的には前記再再構成において使用されるが、最初の標準的な再構成において使用されないので、関連するコンポーネント80、82は、図2と適合する実施例において前記撮像ファシリティにおいてオプションとして省略される。
【0040】
腫瘍専門家は、一般に、画像再構成プロセスにおいて熟練者ではないので、局所再構成コンポーネント150、152、154は、好ましくは、自動的に又は半自動的に再再構成を実行する。オプションとして、局所再構成コンポーネント150、152、154は、より複雑な再再構成処理を実施することを試みる場合に更なるアドバイスのために前記撮像ファシリティに連絡する命令をオプションとして用いて、より高度な情報を腫瘍専門家に与えるダイアログウィンドウを提供することができる。
【0041】
強度変調放射線治療(IMRT)計画は、ここで説明に役立つ実例として使用される。しかしながら、再再構成技術に基づく改良されたリストモードデータセット分析に対する開示された技術が、一般に、化学療法又は小線源療法等のような他のタイプの放射線治療計画に適用可能であると理解される。放射線治療以外の治療を採用する実施例において、IMRT計画エンジン54は、選択された治療モダリティを採用する腫瘍治療計画を生成する他の腫瘍治療計画モジュールにより適切に置き換えられる。更に、腫瘍治療計画における応用が、説明に役立つ実例としてここに記載されているが、改良された再構成画像を提供するのにリストモードデータの再再構成を採用する開示された技術は、より一般的には、PETスキャナ、ガンマカメラ又はSPECT機器のようなリストモードデータを生成する核医学撮像機器を採用する如何なる医療診断又は臨床的応用においても有用である。例えば、心臓撮像、特に定量的な心臓撮像において、心臓ケアセンター、心臓病部門、又は他の心臓治療計画ファシリティが、PET、SPECT又はリストモード撮像データを生成する他の撮像モダリティにより取得される画像を注文するのは通常のことである。心臓病専門家は、"標準的な"PET又はSPECT画像を再検討すると、前記標準的な再構成以外のものを使用して前記リストモードデータ又はその一部を再再構成することにより生成されることができる改良された画像を望んでもよい。例えば、心臓専門医は、局所動き補正を採用することを望んでもよく、又はレトロスペクティブ心臓ゲーティング等により選択されたリストモードデータのサブセットを再構成することを望んでもよい。開示されたアプローチは、このような心臓病応用等に対するリストモードデータの再再構成を容易化するように容易に適合されることができる。
【0042】
本発明は、好適な実施例を参照して記載されている。修正例及び変更例は、先行する詳細な説明を読み、理解すると他者が思い付きうる。本発明は、添付の請求項又はその同等物の範囲内に入る限り全てのこのような修正例及び変更例を含むと解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リストモードデータを再構成する方法において、
第1の再構成画像を生成するようにリストモードデータセットの全てのリストモードデータを再構成するステップと、
前記リストモードデータセットのサブセットを選択するステップと、
改良された再構成画像を生成するように前記リストモードデータセットの前記サブセットを再構成するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記選択するステップが、
画像空間内の関心領域を識別するステップと、
前記画像空間内の関心領域の画像コンテンツに寄与するリストモードデータを有する前記リストモードデータセットのサブセットを選択するステップと、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像空間内の関心領域を識別するステップが、
前記第1の再構成画像において描写されたフィーチャに基づいて画像空間内の関心領域を識別するステップ、
を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サブセットを再構成するステップが、
局所的な動きを補正するように前記サブセットの少なくとも一部のリストモードデータを調節するステップと、
局所動き補正を含む改良された再構成画像を生成するように前記調節されたサブセットを再構成するステップと、
を有する、請求項2ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記サブセットを再構成するステップが、
部分体積補正及びシステム点広がり関数の少なくとも一方を使用して再構成するステップ、
を有する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記リストモードデータセットが、陽電子放出断層撮影(PET)リストモードデータを有し、前記第1の再構成画像を生成するように再構成するステップが、
4mm3ボクセルを有する標準的な画像として第1の再構成画像を生成するように前記リストモードデータセットの全てのリストモードデータを再構成するステップ、
を有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の再構成画像を生成するように再構成するステップが、撮像ファシリティにおいて実行され、前記サブセットを選択するステップが、治療計画ファシリティにおいて実行される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記改良された再構成画像を生成するように再構成するステップが、前記治療計画ファシリティにおいて実行され、前記方法が、
前記撮像ファシリティから前記治療計画ファシリティに前記リストモードデータセットの少なくとも前記サブセットを転送するステップ、
を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記改良された再構成画像を生成するように再構成するステップが、前記撮像ファシリティにおいて実行され、前記方法が、
前記治療計画ファシリティにおいて前記サブセットを識別するのに十分な識別情報を生成するステップと、
前記治療計画ファシリティから前記撮像ファシリティに前記識別情報を転送するステップと、
前記識別情報に基づいて前記撮像ファシリティにおいて前記リストモードデータセットの前記サブセットを選択するステップと、
を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記識別情報が、(i)画像空間内の関心領域の識別及び(ii)画像空間内の画像解像度の識別の少なくとも一方を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記改良された再構成画像を生成するように再構成するステップが、前記第1の再構成画像を生成するように再構成するステップとは異なる少なくとも1つの再構成パラメータを使用する、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記改良された再構成画像を生成するように再構成するステップが、前記第1の再構成画像を生成するように再構成するステップより高い解像度の再構成パラメータを使用する、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の再構成画像を生成するように再構成するステップが、反復的再構成アルゴリズムを採用し、
前記改良された再構成画像を生成するように再構成するステップが、非反復的再構成アルゴリズムを採用する、
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記改良された再構成画像に対して定量的診断分析を実行するステップ、
を有する、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記定量的診断分析が、標準化された取り込み値(SUV)分析を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
標準的な再構成画像を生成するようにリストモードデータセットの標準的な再構成を実行する再構成モジュールと、
改良された再構成画像を生成するように前記リストモードデータセットの少なくとも一部の前記標準的な再構成以外の再構成を実行する再再構成モジュールと、
を有する画像生成システム。
【請求項17】
前記再構成モジュールが、少なくとも標準的な画像解像度を含む標準的な再構成パラメータのセットを採用し、
前記再再構成モジュールが、前記再再構成に使用される再構成パラメータのユーザ選択を可能にするインタラクティブ再再構成設定エンジンを含む、
請求項16に記載の画像生成システム。
【請求項18】
前記インタラクティブ再再構成設定エンジンが、画像空間内の少なくとも関心領域のユーザ選択を可能にし、前記再再構成モジュールが、
前記改良された再構成画像を生成するように再構成される前記リストモードデータセットの一部として前記画像空間内の関心領域の画像コンテンツに寄与する前記リストモードデータセットのサブセットを選択する領域サブセット選択エンジン、
を有する、請求項17に記載の画像生成システム。
【請求項19】
少なくとも医療画像ビューイングステーション及び前記再再構成モジュールの少なくとも一部を含み、治療計画を生成する治療計画モジュール、
を有する、請求項16ないし18のいずれか一項に記載の画像生成システム。
【請求項20】
前記治療計画モジュールが、
放射線治療セッション計画を生成する強度変調放射線治療計画エンジン、
を有する、請求項19に記載の画像生成システム。
【請求項21】
前記治療計画モジュールが、前記再構成モジュールの如何なる部分も含まない、請求項19ないし20のいずれか一項に記載の画像生成システム。
【請求項22】
前記治療計画モジュールが、前記再再構成モジュール全体を含み、前記再構成モジュールの如何なる部分も含まない、請求項19ないし21のいずれか一項に記載の画像生成システム。
【請求項23】
前記再構成モジュール及び前記再再構成モジュールが、共通の再構成エンジンを採用する、請求項16ないし21のいずれか一項に記載の画像生成システム。
【請求項24】
画像データから画像を再構成するステップと、
前記画像を治療計画ファシリティに転送するステップと、
前記治療計画ファシリティにおいて、最初の再構成において使用されたパラメータとは異なる再再構成に対する1以上のパラメータを選択するステップと、
前記再再構成に対する前記選択された1以上のパラメータを使用して前記画像データの少なくとも一部から更新された画像を再再構成するステップと、
を有する画像生成方法。
【請求項25】
前記再再構成するステップが、前記治療計画ファシリティにおいて実行される、請求項24に記載の画像生成方法。
【請求項26】
前記再再構成するステップが、前記治療計画ファシリティ以外のファシリティにおいて実行される、請求項24に記載の画像生成方法。
【請求項27】
前記再再構成に対する1以上のパラメータを選択するステップが、空間解像度又はボクセルサイズ、前記再再構成に対する前記画像データのサブセットの選択、及び前記再再構成の前に少なくとも一部の画像データの局所動き補正を実行する選択からなるグループから1以上のパラメータを選択するステップを含む、請求項24ないし25のいずれか一項に記載の画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−515342(P2012−515342A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545807(P2011−545807)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055948
【国際公開番号】WO2010/082101
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】