説明

リセドロネートの剤形

リセドロネート、キレート剤、及び、前記リセドロネートとキレート剤との小腸への遅延放出を実行するための手段を含む安全且つ有効な量の医薬組成物から成るリセドロネートの経口剤形は、哺乳動物被験者の小腸への前記医薬組成物の即時放出をもたらし、及び食物若しくは飲料と共に又は食物若しくは飲料なしに医薬的に有効なビスホスホネートの吸収をもたらす。本発明は、吸収のために利用可能ではないビスホスホネート活性成分をもたらす、リセドロネートと食物若しくは飲料との間の相互作用を、実質的に軽減する。従って、得られる経口剤形は、食物と共に摂取されても又は食物なしで摂取されてもよい。更に、本発明はリセドロネートとキレート剤の、小腸への送達を実行し、ビスホスホネート(bisphosponate)療法に関連する上部GI刺激を実質的に軽減する。これらの効果は、以前の複雑な治療レジメンを簡素化し、及び患者のビスホスホネート(bisphospanate)療法の順守の向上をもたらすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互対照)
本出願は、仮出願番号60/573,881(2004年5月24日)の利益を請求する米国特許出願番号11/106,816号(2005年4月15日出願)の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ビスホスホネート、リセドロネートを食物若しくは飲料と共に投与できるようにするためのキレート剤、リセドロネート及びキレート剤の小腸内への遅延放出を実行するための手段、及び1以上の製薬上許容できる賦形剤、を含む安全且つ有効な量の医薬組成物から成るリセドロネートの経口剤形に関する。本発明の経口剤形は、医薬組成物の哺乳動物被験者の小腸への送達をもたらし、食物若しくは飲料と共に又は食物若しくは飲料なしで投与される時、リセドロネートの医薬的に有効な吸収をもたらす。本発明は、更に、異常なカルシウム及びホスフェートの代謝により特徴付けられる疾患を治療又は予防する方法であって、その必要のあるヒト又は他の哺乳動物に本明細書で記載される経口剤形を投与することを含む方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ビスホスホネート類は、最初、硬水中でカルシウムを錯体化して、洗剤の性能を改善するために開発された。ビスホスホネート類は、それ以来、異常なカルシウム及びホスフェートの代謝により特徴付けられる疾患又は状態の治療及び予防に有用であることが見出されてきた。そのような状態は、大きく2つに分類され得る。
1.カルシウム及びホスフェートの異常な動員により特徴付けられ、全身的な若しくは特定の骨減少又は体液中の過剰に高いカルシウム及びホスフェートの濃度をもたらす状態。そのような状態は、本明細書において時々病理学的硬組織脱鉱質化と呼ばれる。
2.体内の異常なカルシウム及びホスフェートの沈着を引き起こすか、又はその結果もたらされる状態。これらの状態は、本明細書において時々病理学的石灰化と呼ばれる。
【0004】
第1の分類には、骨硬組織が新たな硬組織の発生に対して不均衡に失われる状態である、骨粗鬆症が挙げられる。不可欠な量の海綿骨が失われ、髄と骨の空間が大きくなり、海綿骨強度の低減をもたらす。また骨は密度が低下し、脆弱になる。骨粗鬆症は、老年性、薬剤誘発(例えば、副腎コルチコイド(adrenocorticoid)、ステロイド類の治療で起こることがある)、疾患誘発(例えば、関節炎及び腫瘍)などと下位分類できるが、発現は類似している。第1の分類の別の状態は、パジェット病(変形性骨炎)である。この疾患では、正常な骨の溶解が起こり、次に軟質で石灰化不足の組織により漫然と置き換えられるので、骨が特に脛骨及び大腿骨において体重負荷の圧力で変形する。副甲状腺機能亢進症、悪性の高カルシウム血症、及び溶骨性骨転移も、第1の分類に包含される状態である。
【0005】
異常なカルシウム及びホスフェートの沈着により発現された状態に関わる第2の分類には、進行性骨化性筋炎、汎発性石灰沈着症、及び関節炎、神経炎、滑液包炎、腱炎のような病気、並びに関わる組織がリン酸カルシウムの沈着を受けやすくなるようにする他の炎症性の状態が挙げられる。
【0006】
ビスホスホネート類は、骨組織の吸収を阻害する傾向があり、これは、過剰な骨減少に苦しむ患者に有益である。しかし、エタン−1,1−ジホスホン酸(EHDP)、プロパン−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸(APD)、及びジクロロメタンジホスホン酸(Cl2MDP)のような、初期のビスホスホネート類のうち多くのものは、高投与レベルで投与される時、骨石灰化を阻害する傾向を有する。より低投与レベルで投与できる、生物学的により強力なビスホスホネート類が存在するが(例えば、1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(リセドロネート)、アレンドロネート、イバンドロネート、及びゾレドロネート)、ビスホスホネート類の経口投与は、時々、投与のすぐ後に患者の愁訴をもたらす。これらの愁訴は、通常、胸やけ、食道の灼熱感、嚥下時の疼痛及び/又は困難、並びに/あるいは背中及び/又は胸骨中央に存在する疼痛として患者により特徴付けられる。この刺激は、上皮及び粘膜組織に付着しているビスホスホネート錠剤によってもたらされ、結果としてその局所刺激を生じるという仮説が立てられる。胃腸上部を刺激する可能性を避けるために、ビスホスホネート類を摂取している患者は、薬剤をコップ満杯の水と共に摂取し、ビスホスホネートの経口用量を摂取した後、少なくとも30分間直立したままでいることを指示される。
【0007】
ビスホスホネート類の経口投与は、胃腸(GI)管での吸収がよくないことが(経口用量の1%未満)知られている。エズラ(Ezra)ら、アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビュー(Adv. Drug Del. Rev.)42巻175〜95頁(2000年)を参照のこと。GI管全体にわたる経口ビスホスホネート類の吸収を増大させるために、幾つかの手法が提案されてきた。これらの手法には、腸粘膜の浸透性を変えること(例えば、吸収増強剤の使用によって)、又はビスホスホネート化合物それ自体の物理的若しくは化学的特性を変えること(例えば、プロドラッグ類によって)が挙げられる。
【0008】
高用量で腸の浸透性を増大させるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような吸収増強剤の使用が、経口ビスホスホネート類の吸収を増大させる方法として提案されているが、ヒトの薬物療法における剤としてのEDTAの適用性は、EDTAの粘膜構造に対する作用の見地から「不可能」であると考えられてきた。エズラ(Ezra)ら、アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビュー(Adv. Drug Del. Rev.)42巻185頁(2000年)。なお他の者は、GI管吸収の増大をもたらすには多量のEDTAが必要であるので、経口ビスホスホネート治療で使用されるための候補としてはこの剤は除外されると結論付けてきた。ヤナー(Janner)ら、国際石灰化組織(Calcif. Tissue Int.)49巻280〜83頁(1991年)を参照のこと。
【0009】
ビスホスホネート吸収の一次作用点は小腸であるが、リセドロネートのようなビスホスホネート類は、それがどこに送達されたかに関係なく小腸の全体にわたって同様に吸収される。ミッチェル(Mitchell)ら、薬学研究(Pharm Res.)第15巻第2号、228〜232頁(1998年)を参照のこと。したがってビスホスホネート単独の小腸への標的送達では、ビスホスホネートの吸収又は効力を増大させない。しかし、他の者たちは、報告された吸収部位へのキレート剤類及びビスホスホネートの微粒子の送達を介して腸粘膜の浸透性を増大させることで、ビスホスホネート類の吸収を増大させることを試みてきた(BR2001−006601)。
【0010】
リセドロネート及びアレンドロネートのようなビスホスホネート類は、種々の骨の病状の治療に有効であると、多数の規制当局によって承認されてきた。しかし、ビスホスホネート類と、食物及びミネラル類(特に、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムのようなカチオン類、及び鉄含有食品又は栄養補助食品)との間の相互作用は、吸収のために利用可能であるビスホスホネートを少なくする。例えば、ミッシェル(Mitchell)ら、英国臨床薬理学ジャーナル(Br. J. Clin. Pharmacol.)48巻536〜542頁(1999年)では、食後30分以内のリセドロネートの投与が、空腹時の投与と比較して吸収量を50%減少させたということが実証された。この食物の影響を減少させるために、経口ビスホスホネート製品のラベルは、患者に、それらの医薬品を、その日の最初の食事の少なくとも30分前に、又はイバンドロネートの場合には60分前に摂取することを指示し、及びカルシウムサプリメント類はその日の別の時間に、又は彼らがビスホスホネートの経口剤を摂取しない日に、摂取するように指示する。これらの投与指示は、患者にとって複雑で不便であると思われることがあり、患者が服薬をあまり順守しないことがある。
【0011】
患者の選択で食物若しくは飲料と共に又は食物若しくは飲料なしで摂取でき(すなわち、食物若しくは飲料摂取に関係なく医薬的に有効な吸収を有する)、且つ上部胃腸への刺激をもたらさない、ビスホスホネートの経口剤形を開発する必要が続いている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
リセドロネート、食物中のイオン類及びミネラル類に結合するのに十分な量のキレート剤、並びに小腸内でリセドロネート及びキレート剤の遅延放出を実行する手段を含む医薬組成物は、リセドロネートの小腸への即時送達をもたらすとともに、食物若しくは飲料と共に又は食物若しくは飲料なしで投与された時、リセドロネートの医薬的に有効な吸収をもたらす経口剤形を提供するのに有用であることが見出された。本発明の経口剤形は、食物若しくは飲料と共に摂取されても又は食物若しくは飲料なしで摂取されてもよく、従ってビスホスホネート治療療法を簡素化し、患者の服薬順守及び利便性の増大をもたらす。更に、本発明の経口剤形は、小腸におけるリセドロネート及びキレート剤の遅延放出をもたらし、これは、他の経口ビスホスホネート剤形で経験する上部胃腸の刺激及び用量投与後30分間直立したままでいる必要性を軽減する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、
(a)約1mg〜約250mgのリセドロネート、
(b)約10mg〜約970mgのキレート剤、及び
(c)前記リセドロネート及びキレート剤を小腸内に即時放出するための遅延放出機構、
を含む、安全且つ有効な量の医薬組成物を含むリセドロネート活性成分の経口剤形であって、このような組成物が1グラム以下の錠剤サイズである経口剤形に関する。
【0014】
本発明の剤形は、リセドロネート及びキレート剤の、哺乳動物被験者の小腸への即時放出をもたらし、食物若しくは飲料と共に又は食物若しくは飲料なしで投与された時、リセドロネート活性成分の医薬的に有効な吸収をもたらす。
【0015】
本発明は、リセドロネートの吸収の低下をもたらすリセドロネートと食物との間の相互作用を実質的に軽減する。従って、得られる新規経口剤形は、食物若しくは飲料と共に摂取されても又は食物若しくは飲料なしで摂取されてもよく、これは、以前の複雑な治療レジメンを簡素化し、ビスホスホネート療法への服薬順守の向上を可能にし、患者が協力的である場合は、患者の疾患をより良好に治療できる。本発明は更に、ビスホスホネート及びキレート剤が小腸に達するまでビスホスホネート活性成分の放出を遅延することにより、ビスホスホネート類の非遅延、即時放出経口剤形に関連する上部胃腸刺激の可能性を軽減する。
【0016】
本発明は、更に、異常なカルシウム及びホスフェートの代謝により特徴付けられる疾患を治療又は予防する方法であって、その必要のあるヒト又は他の哺乳動物に本明細書で記載される経口剤形を投与することを含む方法に関する。
【0017】
本発明は更に、本発明の1以上の経口剤形及び本発明の方法による服薬順守を促進する手段を含むキットに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
用語の定義及び用法
用語「即時放出」とは、本明細書で使用するとき、標準USP定義によって測定された場合、60分未満で核錠が溶解することを意味する。例えば、UPSは、すべての錠剤及びカプセルは、コア内容物の75%以上が、米国薬局方の溶解の章(the United States Pharmacopeia chapter, Dissolution)、959頁にある装置、手順、及び解釈を用いて、900mLの水中で45分以内に溶解するという一般的な溶解基準に従うことを規定している。この目的のためには、75%がQであり(75% is Q)、及び10.5rad/s(100rpm)の装置1又は5.2rad/s(50rpm)の装置2のいずれか一方で適合が実証される。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「継続的な」又は「継続的に」は、定期的な特定の間隔を意味する。例えば、週1回の投与レジメンに従った継続的なスケジュールは、活性物質が、週に1回不特定の期間、又は治療が必要な限り与えられることを意味する。
【0020】
用語「遅延放出又は遅延送達」とは、本明細書で使用するとき、リセドロネート及びキレート剤を含む医薬組成物が、小腸内のある一般的に予測できる位置で放出されるように処方することをいう。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「栄養素」とは、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、ハーブ類もしくは他の植物類、又は濃縮物類、代謝産物類、成分類、抽出物類、あるいはこれらの組み合わせを包含するが、これらに限定されない、あらゆる栄養素又は栄養補助食品を意味する。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「医薬組成物」は、安全且つ有効な量のリセドロネートと、少なくとも1つのキレート剤を含む1以上の製薬上許容できる賦形剤類とから成る経口剤形を意味する。本明細書に記載される医薬組成物は、0.5%〜75%、好ましくは1%〜40%のリセドロネートと、25%〜99.5%、好ましくは60%〜99%の、少なくとも1つのキレート剤を包含する製薬上許容できる賦形剤類から成る。
【0023】
本明細書で使用するとき、「安全且つ有効な量」は、健全な医学的判断の範囲内で、治療される症状及び/又は状態を著しくよい方向に変えるのに十分多いが、深刻な副作用を回避するのに(妥当な危険性/受益性比率で)十分に少ない、化合物又は組成物の量を意味する。本明細書の発明の方法で用いる活性成分の安全且つ有効な量は、治療される特定の状態、治療される患者の年齢及び身体的状態、状態の重篤度、治療の持続時間、併用療法の性質、用いられる特定の活性成分、利用される特定の製薬上許容できる賦形剤などの要因によって、主治医の知識及び専門的技術の範囲内で変わる。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「医薬的に有効な吸収」とは、キレート化合物の量が、食物中の金属イオン類及びミネラル類に有意に結合するのに十分多いが、空腹時における吸収と比較して、リセドロネートの吸収を有意に変えないだけ十分少ないことを意味する。すなわち、吸収は、食物と共にであっても、食物なしでも同様である。ビスホスホネート吸収の高い変動性を考えると、空腹時暴露の約50%以内の摂食時暴露が、医薬的に有効な吸収であると予測される。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「経口剤形」は、ヒト又は他の哺乳動物の口を介して小腸へ送達又は放出されることが意図されるあらゆる医薬組成物を意味する。本発明の目的のためには、送達形態は、リセドロネート及びキレート剤の顆粒又は粒子を含有する圧縮錠の形態とすることができる。
【0026】
用語「単位用量」又は「単位投与量」は、健全な医療行為に従った、単回用量での投与に好適な医薬活性物質又は栄養素の量を含有する剤形を意味する。本発明は、錠剤及びカプセルの形態の単位用量の投与において特に有用である。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「胃腸管」又は「GI管」は、消化管に関し、すなわち、口から肛門まで伸びている、長さ約30フィートの筋結織膜管に関する。本明細書で使用するとき、用語「上部胃腸管」は、口腔、咽頭、食道、及び胃を意味する。本明細書で使用するとき、用語「下部胃腸管」は、小腸及び大腸を意味する。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「小腸」は、十二指腸、空腸、及び回腸を包含する、胃のすぐ遠位から成る小腸の部分、すなわち、胃の基底部の十二指腸括約筋のすぐ遠位及び大腸の近位の腸管の一部を意味する。本明細書で使用するとき、用語「大腸」とは、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、及び直腸を包含する、下部胃腸管の一部を意味する。
【0029】
リセドロネート
本明細書で使用するとき、用語「ビスホスホネート」及び「ジホスホネート」は、その酸類、塩類、エステル類、水和物類、多形体類、半水和物類、溶媒和物類、及び誘導体類を包含する。本発明のビスホスホネート類には、米国特許第5,583,122号(ベネディクト(Benedict)ら、1996年12月10日発行)、米国特許番号6,410,520号(ケイザー(Cazer)ら、2002年6月25日発行)に記載の1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン−1,1−ビスホスホン酸(リセドロネート)の形態のものが挙げられる。
【0030】
本明細書で有用な塩類の非限定例には、アルカリ金属、アルカリ土類金属(alkaline metal)、アンモニウム、及びモノ−、ジ−、トリ−、又はテトラ−C1〜C30−アルキル−置換アンモニウムから成る群から選択されるものが挙げられる。好ましい塩類は、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩から成る群から選択されるものである。
【0031】
本発明の経口剤形に含有されるリセドロネートの量は、選択される特定のリセドロネート形態及びリセドロネートが患者に投与される継続的な投与スケジュールに依存する。1日1回、週1回、月2回、月3回、及び月1回の継続的な投与スケジュールは、本発明の経口剤形の使用に好適な投与レジメンの非限定例である。用語「月に3回(three times per month)」又は「月3回(thrice monthly)」は、経口剤形が毎月の暦の期間に3度、すなわち3回投与されることを意味する。月3回のスケジュールでは、経口剤形は、3日間連続して投与されてもよく、又は約9〜11日毎に1回投与されてもよい。用語「月に2回(twice per month)」又は「月2回(twice monthly)」は、経口剤形が毎月の暦の期間に2度、すなわち2回投与されることを意味する。月2回のレジメンでは、経口剤形は、連続した日にちで又は約14〜16日毎に1回投与されてもよい。用語「毎月(monthly)」又は「月1回(once monthly)」は、経口剤形が毎月の暦の期間に1度、すなわち1回、換言すると約28〜31日毎に投与されることを意味する。
【0032】
現在命名法が当業者によって混用されており、例えば、ビスホスホネート活性成分の特定の重量又は百分率についての指示は、リセドロネートでは無水一ナトリウム塩に基づいたものである。本発明では、語句「無水一ナトリウム塩に基づいた、約35mgのリセドロネート、製薬上許容できるこれらの塩類、及びそれらの混合物」とは、選択されたリセドロネート化合物の量が、約35mgの無水リセドロネート一ナトリウム塩を基準にして計算されていることを意味する。
【0033】
一般に、本発明の経口剤形は、リセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいた約1mg〜250mgのリセドロネートを含有する。本発明の1日1回用の経口剤形は、リセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいた、約1mg〜約10mgのリセドロネートを含有する。週1回用の経口剤形は、リセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいた、約10〜約70mgのリセドロネート、好ましくは15〜約55mgのリセドロネート、より好ましくは約35mg〜約50mgのリセドロネートを含有する。月2回用の経口剤形は、リセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいた、約20〜約120mgのリセドロネート、好ましくは約75mg〜約90mgのリセドロネートを含有する。月3回投与される経口剤形は、リセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいた、約15〜約90mgのリセドロネート、好ましくは約50mg〜約75mgのリセドロネートを含有する。月1回用の経口剤形は、リセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいた、約50〜約280mgのリセドロネート、好ましくは約100〜約250mgのリセドロネート、より好ましくは約150〜約200mgのリセドロネートを含有する。本発明の一実施形態では、剤形は、等価の非キレート剤含有、非遅延、即時放出リセドロネート錠剤の約100%のリセドロネート有効量を含有する。本発明の更に他の実施形態では、剤形は、等価の非キレート剤含有、非遅延、即時放出リセドロネート錠剤の約145%のリセドロネート有効量である。
【0034】
キレート剤
本明細書で使用するとき、「キレート剤」という用語は、単一金属イオンに配位結合を形成できる2つ以上の電子供与原子を含有する分子を意味する。用語「キレート剤」は、キレート剤のみならず、その塩も包含すると解される。例えば、用語「キレート剤」には、クエン酸並びにその塩の形態が包含される。
【0035】
最も一般的で広く使用されるキレート剤類は、酸素もしくは窒素供与原子又はこれら両方を介して金属原子と配位結合する。その他のあまり一般的ではないキレート剤は、−SH(チオール又はメルカプト)基の形態のイオウを介して配位結合する。最初の配位結合を形成した後、次の供与原子それぞれが結合して金属原子を含有する環を構成する。キレート剤は、それが金属原子と結合できる2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の供与原子を含有するか否かに応じて、二座、三座、四座などであってよい。カーク−オスマーの工業化学百科事典(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)(第4版、2001年)を参照のこと。
【0036】
均質な希釈溶液において、溶媒和金属イオン(例えば、カルシウム)及びキレート剤からの、その完全に解離した形態での錯体の形成における平衡定数は、生成定数又は安定度定数Kと呼ばれる。生成定数の実際的な意義は、金属イオンとキレート剤の当量が存在するとき、高いlogK値は、キレート化された金属イオンとキレート化されない(遊離)金属イオンの大きな比率を意味することである。ほぼ全ての金属イオンをビスホスホネートとではなくキレート剤と錯化させるために、キレート剤とビスホスホネートの錯化定数の高い比率(又はKが対数単位で表されている場合は、差異)が好ましい。例えば、等モル量のビスホスホネート及びキレート剤双方に対しては、金属イオンがキレート剤へと99%錯体化するためには、キレート剤はビスホスホネート−金属イオン錯体よりも少なくとも4単位高いlogKを有していなくてはならない。ビスホスホネート−金属イオン錯体の技術を超えた、キレート剤−金属イオン錯体を助けるために使用できる他の技術は、キレート剤−金属イオン錯体の形成を助けるために、質量作用の法則に頼る過剰モルのキレート剤を加えることである。
【0037】
pH及び溶液濃度は生成定数に影響を与えるが、一般に、キレート剤のlogKは、好ましくはビスホスホネートのlogKと少なくとも等しい。他の場合では、キレート剤のlogKは、ビスホスホネートのlogKよりも2〜5単位高い。他の場合では、キレート剤は、ビスホスホネートのものよりも過剰モル量で存在する。そのような場合、キレート剤は、キレート剤のビスホスホネートに対するモル比が少なくとも2:1で存在する。
【0038】
キレート剤及びその投与される形態は、リセドロネートの少なくとも50%の水溶性を有する。他の場合では、キレート剤及びその投与される形態は、リセドロネートと同等以上の溶解度を有してよい。
【0039】
一実施形態では、キレート剤は、EDTAナトリウム又は二ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、アジピン酸、コハク酸、リジン、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。他の実施形態では、キレート剤は、EDTAナトリウム又は二ナトリウム、クエン酸、又はヘキサメタリン酸ナトリウムである。
【0040】
本発明の経口剤形中に存在するキレート剤の量は、選択される特定のキレート剤又はキレート剤類(すなわち、キレート剤の混合物)、経口剤形中に存在するビスホスホネート活性成分の量、並びにキレート剤及び/又はビスホスホネート活性成分の送達及び放出が望まれる小腸の特定の部分に依存する。牛乳の摂取後、小腸から始まって小腸の末端部まで続く下部GI管全体にわたって、カルシウムの濃度が低下することが当該技術分野において示されている。マエ,J.(Mahe,J.)ら、ヒトにおける牛乳の摂取後の胃回腸の窒素及び電解質移動(Gastroileal nitrogen and electrolyte movements after bovine milk ingestion in humans)、米国臨床栄養ジャーナル(Am. J. Clin. Nutr.)56巻410〜16頁(1992年)。
【0041】
胃の中のカルシウム濃度は、空腸中の濃度のおよそ10倍高く、及び回腸中のおよそ40倍である。したがって、リセドロネート及びキレート剤が(食物とともに)胃の中に放出された場合、本発明のキレート剤の量は、薬剤の吸収に対するカルシウムの影響を克服するのに不十分であり得る。空腸及び回腸中のカルシウム濃度はより低く、及びカルシウム量のより少ないそれらの領域への剤形の標的放出によって、胃の中に放出された場合よりも、キレート剤はカルシウムのほとんどすべてを結合するのにより有効である。錠剤を小腸内へ標的放出させることだけでなく、コーティングが溶解したのち、核錠からのキレート剤及びリセドロネートが即時放出の様式で放出されることもまた望ましい。これは、小腸中のカルシウムの濃度に対するキレート剤の局所濃度を最大にする。小腸内へのキレート剤のゆっくりとした、又は長期にわたる送達は、キレート剤の所望の局所濃度を達成せず、この種の送達では食物の影響は克服されない。
【0042】
一般に、本発明の経口剤形は、所望のキレート化効果、すなわち、送達の部位で食物から胃腸管の中に現れる残留金属イオンの、まるで食物が存在しないように、ビスホスホネートの吸収に有意な影響を与えないキレート化、を達成するのに好適な、安全且つ有効な量のキレート剤を含有する。一実施形態では、経口剤形は、単位用量当たり約10mg〜約1000mgのキレート剤を含有する。別の実施形態では、経口剤形は、単位用量当たり約10mg〜約500mgのキレート剤を含有する。キレート剤がEDTA二ナトリウムのとき、好ましい範囲は、単位用量当たり約55mg〜約500mg、好ましくは約75mg〜約250mgである。キレート剤がクエン酸であるとき、好ましい範囲は、単位用量当たり約100mg〜約970mg、好ましくは約250mg〜約500mgである。
【0043】
小腸への遅延送達
小腸中の送達の最終部位及び/又は速度は、以下のいずれかの1つ以上を操作することにより、当業者によって十分に制御できる。
(a)活性成分の適切さ
(b)崩壊剤の種類及び濃度
(c)コーティングの種類、コーティングに添加される賦形剤類の種類及び濃度、それに伴うコーティングの所望の厚さ及び浸透性(膨張性)
(d)コーティングそれ自体及び/又はコーティングされた錠剤、粒子、ビーズ、又は顆粒中の時間依存性の状態
(e)造粒活性成分の粒径
(f)コーティングそれ自体及び/又はコーティングされた錠剤、粒子、ビーズ、又は顆粒内のpH依存性の状態
(g)キレート剤の粒径又は溶解度
(h)コーティングの溶解速度
(j)錠剤の大きさ又は形状
さらに、多数回の投与後の錠剤の薬力学的影響は、比較の即時放出錠剤の少なくとも75%以内であるべきである。
【0044】
小腸内への遅延放出
カルシウム及びホスフェートの代謝に関わる疾患又は障害に苦しむヒト又は他の哺乳動物は、リセドロネートの、前記ヒト又は他の哺乳動物の小腸への送達によって、成功裡に治療できる。本明細書で記載されている新規剤形は、小腸への即時放出を実行し、並びに、口、咽頭、食道、及び/又は胃でのリセドロネートの望ましくない放出を抑制し、これによって、これらの組織の上皮又は粘膜層のびらん、潰瘍形成、又は他の同様の刺激を抑制する。
【0045】
キレート剤及びリセドロネートは急速に且つ可能な限りほとんど同時に放出される。これは、食物中の金属イオンと比べてキレート剤の局所濃度を高くする。活性物質が放出される環境におけるキレート剤の高い局所濃度は、食物中の金属をより有効に錯化し、ビスホスホネートの吸収を促進する場合がある。このことは単一の錠剤から都合よく達成できる。
【0046】
小腸におけるリセドロネート及びキレート剤の標的放出のための種々の手段が、本発明での使用に適している。小腸への送達のための手段の非限定例としては、pH誘発性デリバリーシステム及び時間依存性デリバリーシステムが挙げられる。
【0047】
pH誘発性デリバリーシステム
本発明の一実施形態は、腸管の特定の所望の地点に到達するまでは、胃腸液で分解されてリセドロネート及びキレート剤を放出することのない物質により、リセドロネート及びキレート剤(類)をコーティング(又はそうでなければ封入)することを含む。一実施形態では、医薬組成物の遅延放出は、リセドロネート及びキレート剤の錠剤、カプセル剤、粒子、又は顆粒を、pH依存性である物質、すなわち一般に小腸では存在するが、上部GI管(すなわち、口、口腔、咽頭、食道、又は胃)又は下部GI管では存在しないpHで分解又は溶解される物質によりコーティングすることによって達成される。
【0048】
一部の場合では、リセドロネート及びキレート剤は、小腸の特定の位置で放出されることが望ましい場合がある。別の場合では、リセドロネート及びキレート剤を小腸内の異なる位置で独立に放出することが望ましい場合がある。例えば、キレート剤を空腸内に、及びリセドロネートを回腸内に放出することが好ましい場合がある。リセドロネート及びキレート剤を共に又は別個に、小腸内の特定の位置に標的放出することが望ましい場合、コーティング物質の選択、及び/又は、リセドロネート及びキレート剤をその選択されたコーティング物質若しくは他の製薬上許容できる賦形剤類でコーティングする又は別の態様で組み合わせる方法は、本明細書に記載されるように、又は当業者に既知のいずれかの方法で、変更され若しくは修正されてよい。
【0049】
酸付加塩類、ホスホン酸基で形成される塩類(例えば、アルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類など)、及びエステル類(例えば、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル)のような、異なるリセドロネート活性成分の溶解度、酸性度、及び加水分解への感受性を、コーティングの適切な選択にとっての指針として使用してもよい。加えて、好適な緩衝剤を所望の放出パターンに従って活性成分に添加することにより、コーティングされた錠剤、粒子、又は顆粒内に、好適なpH状態が確立されることもある。
【0050】
本発明の一実施形態は、部分的にメチルでエステル化されたメタクリル酸ポリマーから作製されるpH依存性の腸溶性コーティング物質を利用して、小腸に送達される。経口剤形は、活性成分の顆粒又は粒子で作製された、腸溶性コーティングされた圧縮錠の形態とすることができる。
【0051】
5.5未満のpH(すなわち、一般に、口、咽頭、食道、及び胃で見られるpH)で不溶性であるが、pH約5.5〜pH約6.5(すなわち、小腸に存在するpH)で可溶性であるあらゆる腸溶性コーティングが、本発明の実施で使用できる。それ故に、ビスホスホネート及びキレート剤の、小腸への送達を実行することが望ましいとき、5.5未満のpHで完全に又は部分的に不溶性であり、pH約5.5〜pH約6.5で可溶性である、あらゆる腸溶性コーティングが適している。
【0052】
腸溶性コーティングは、pH5.5未満では胃腸液にコーティングの全体は溶解しないが、約5.5を超え約6.5未満のpHでは溶解するのに十分な厚さで、圧縮錠又はカプセル(例えばゼラチン、デンプン、若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)に適用されなければならない。賦形剤コーティングの溶解又は分解は一般に、コーティングされた剤形が小腸内に入るまで起こらない。
【0053】
必須のpH依存性溶解度特性を示すあらゆるアニオン性ポリマーが、ビスホスホネート及びキレート剤の小腸への送達を達成するため、本発明の実施において腸溶性コーティングとして使用できることが予想される。選択されるコーティングは、選択される特定のリセドロネート活性成分と適合性がなければならない。本発明での使用に好ましいポリマー類は、アニオン性カルボン酸ポリマー類である。ポリマー類は、アクリルポリマー類、より好ましくは部分的にメチルでエステル化されているメタクリル酸ポリマー類であり、遊離アニオン性カルボキシル基とエステル基の比率は約1:1であることが、特に好ましい。
【0054】
特に好適なメタクリル酸コポリマーは、ローム・ファーマ社(Rohm Pharma GmbH and Co. KG)、ドイツ、ダルムシュタット(Darmstadt)により製造されているオイドラギット(Eudragit)L(登録商標)、特にオイドラギットL30 D−55(登録商標)及びオイドラギットL100−5(登録商標)である。オイドラギット(Eudragit)L30 D−55(登録商標)では、遊離カルボキシル基とエステル基の比率はおよそ1:1である。さらに、前記コポリマーは、5.5未満、一般には1.5〜5.5のpH、即ち、一般的に上部GI管液において存在するpHを有するGI液に不溶であるが、5.5よりも高いpH、即ち、一般的に小腸液において存在するpHでは容易に可溶であることが既知である。
【0055】
コーティングは、可塑剤、並びに可能であれば、着色剤、界面活性剤、タルク、及び/又はステアリン酸マグネシウムのような、これらのうちの多くのものがコーティング技術分野で周知である、他のコーティング賦形剤類を含有することが可能であり、また通常は含有する。特に、アニオン性カルボン酸アクリルポリマー類は、通常10〜25重量%の可塑剤を含有し、特にクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル(acteyltriethyl citrate)、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、ポリエチレングリコール、アセチル化モノグリセリド類、プロピレングリコール、及びトリアセチンを含有する。流動床又はパンコーティングのような従来のコーティング技術が、コーティングを適用するために使用される。経口剤形が、小腸の所望の送達部位に到達するまで実質的にそのままの形を保つことを確実にするため、コーティング厚は十分でなければならない。
【0056】
固形経口剤形は、ビスホスホネート活性成分及びキレート剤の粒子又は顆粒を含有するコーティングされた圧縮錠の形態、あるいはそれら自体が腸溶的にコーティングされているビスホスホネート活性成分及びキレート剤のビーズ若しくは粒子を含有する、コーティングされた又はコーティングされていない軟質又は硬質カプセル剤(例えば、ゼラチン、デンプン、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)の形態であってもよい。本発明の一実施形態では、錠剤は圧縮され及び腸溶性コーティングされる。
【0057】
好適な腸溶性コーティング物質には、オイドラギット(Eudragit)L−100(登録商標)、オイドラギットL30 D−55(登録商標)、セルロースアセテートフタレート、セラック、又はpH約5.5〜約6.5で溶解するあらゆる腸溶性コーティング物質が挙げられる。腸溶性コーティングは、当業者に既知の種々の噴霧技術を用いて適用される。腸溶性コーティングは、タルク、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、ツイーン(Tween)80(登録商標)(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical CO.)、ミズーリ州セントルイス(St. Louis)から入手可能)、ヒマシ油が挙げられるが、これらに限定されない、1以上の製薬上許容できる賦形剤類を更に含んでもよい。腸溶性コーティングは、核錠に適用されて、2.5%〜40%の増量をもたらす。
【0058】
核錠は、ビスホスホネート活性成分、キレート剤を含み、1以上の製薬上許容できる賦形剤類を含んでもよい。好適な賦形剤類には、結晶性セルロース、ラクトース、リン酸水素カルシウム、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸マグネシウム、スクロース、デンプン、酸化マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
時間依存性デリバリーシステム
本発明の別の実施形態において、リセドロネート及びキレート剤の小腸への送達は、時間依存性デリバリーシステムの使用によって達成される。確立された胃内容物排出後の通過時間を考えると、薬剤及び/又はキレート剤の放出は、小腸の種々の区域を標的にすることができる。本発明での使用に好適な時間依存性デリバリーシステムの手法には、パルスインキャップ(Pulsincap)(登録商標)(シェーラー(Scherer)DDS、英国ストラスクライド州(Strathclyde))、タイム・クロック(Time Clock)(登録商標)(ザンボン・グループ(Zambon Group)、イタリア、ミラノ(Milan))、及びシンクロドース(SyncroDose)(登録商標)(ペンウエスト(Penwest)、ニューヨーク州パターソン(Patterson))のようなデバイス、並びにヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はあらゆる好適なヒドロゲルのような、錠剤の内容物を放出するために時間をかけて分解する種々のコーティングが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
本発明の一実施形態では、時間依存性デバイスであるパルスインキャップ(Pulsincap)(登録商標)は、活性成分及びキレート剤の小腸への標的送達に使用される。活性成分、及びキレート剤を包含する他の賦形剤類が、水溶性キャップで覆われているヒドロゲルプラグを用いて、パルスインキャップ(Pulsincap)(登録商標)非水溶性カプセルの内部に含有される。上部GI管を通って移動している間に剤形を分解から保護するため、所望により剤形全体が腸溶性コーティング物質でコーティングされる。患者がパルスインキャップ(Pulsincap)(登録商標)剤形を飲み込むと、水溶性キャップが溶解し、ヒドロゲルプラグを胃及び/又は腸液に曝す。次にヒドロゲルキャップが膨張し、最終的にカプセル体から飛び出して、カプセルの内容物を放出する。カプセル内容物の放出は、ヒドロゲルプラグの性質を変更することにより、小腸の特定の領域を標的にすることができる。ワッツ(Watts)、ピーター(Peter)J.及びイルム(Illum)、リスベス(Lisbeth)、薬剤開発及び製薬工業(Drug Dev. and Indus. Pharm.)、23(9):893〜917(1997年)。
【0061】
本発明の一実施形態では、時間依存性コーティングが圧縮錠全体に適用され、次に腸溶性コーティングが時間依存性コーティングの上を覆って適用される。これは、活性成分及びキレート剤の小腸への標的送達に使用される。活性成分、及びキレート剤を包含する他の賦形剤類は、核錠の内部に含有される。投与形態全体が、時間依存性コーティング、次に腸溶性コーティングでコーティングされる。腸溶性コーティング物質は、上部GI管を通って移動する間の分解から投与形態を保護するためにある。患者が剤形を飲み込むと、腸溶性コーティングは、剤形が胃を離れた後で溶解し、次に核錠が膨張し始める。最終的に、小腸液中で予め定められた時間において、時間依存性コーティングは、破裂して、核錠の内容物を小腸の中に放出する。核錠内容物の放出は、核錠、時間依存性コーティング及び/又は腸溶性コーティングを変更することにより、小腸の特定の領域を標的にすることができる。
【0062】
製薬上許容できる賦形剤類
製薬上許容できる賦形剤類には、ポリマー類、樹脂類、可塑剤、充填剤、潤滑剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、溶媒類、共溶媒類、界面活性剤、緩衝剤システム類、防腐剤、甘味剤、着香料、医薬品等級染料又は顔料、キレート剤、粘度作用剤(viscosity agents)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。製薬上許容できる賦形剤は、経口剤形を作製するあらゆる構成成分、すなわち核錠又はコーティングで使用できる。
【0063】
本明細書で有用なもののうち着香料及び染料及び顔料には、医薬賦形剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)(第4版、医薬プレス(Pharmaceutical Press)2003)で記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
好適な共溶媒類としては、これらに限定されないが、エタノール、イソプロパノール及びアセトンが挙げられる。
【0065】
好適な界面活性剤には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル類、スクロースモノエステル類、シメチコンエマルション、ラウリル硫酸ナトリウム、ツイーン(Tween)80(登録商標)、並びにラノリンエステル類及びエーテル類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
好適な防腐剤類としては、フェノール、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル類、安息香酸及びその塩類、ホウ酸及びその塩類、ソルビン酸及びその塩類、クロルブタノール、ベンジルアルコール、チメロサール、酢酸フェニル水銀及び硝酸フェニル水銀、ニトロメルゾール、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、メチルパラベン、及びプロピルパラベンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
好適な充填剤類としては、これらに限定されないが、デンプン、ラクトース、スクロース、マルトデキストリン及び微結晶セルロースが挙げられる。
【0068】
好適な可塑剤類としては、これらに限定されないが、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フタル酸ジブチル、ヒマシ油、アセチル化モノグリセリド類、及びトリアセチンが挙げられる。
【0069】
好適なポリマー類としては、これらに限定されないが、エチルセルロース、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、及びオイドラギット(Eudragit)(登録商標)L30−D、オイドラギット(Eudragit)(登録商標)L100−55、(ローム・ファーマ社(Rohm Pharma GmbH and Co. KG)、ドイツ、ダルムシュタット(Darmstadt))、並びにアクリル−EZE(Acryl-EZE)(登録商標)及びシュアテリック(Sureteric)(登録商標)(カラコン社(Colorcon, Inc.)、ペンシルバニア州ウェストポイント(West Point))が挙げられる。
【0070】
好適な潤滑剤類としては、これらに限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びタルクが挙げられる。
【0071】
使用方法
本発明は、更に、異常なカルシウム及びホスフェートの代謝により特徴付けられる疾患を治療又は予防する方法であって、その必要のあるヒト又は他の哺乳動物に、本明細書で記載されている経口剤形を介して前記ヒト又は他の哺乳動物に送達される、安全且つ有効な量の医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
【0072】
異常なカルシウム及びホスフェートの代謝により特徴付けられる疾患には、骨粗鬆症、パジェット病(変形性骨炎)、副甲状腺機能亢進症、悪性高カルシウム血症、溶骨性骨転移、進行性骨化性筋炎、汎発性石灰沈着症、及び関節炎、神経炎、滑液包炎、腱炎のような病気、並びに関わる組織がリン酸カルシウムの沈着を受けやすくなるようにする他の炎症性の状態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
本発明の経口剤形は、1日1回、週1回、月3回、月2回、及び月1回の連続投与間隔に従った患者への投与に適している。
【0074】
キット
本発明は、本明細書で記載されている経口剤形を、1日1回、週1回、月3回、月2回、又は月1回の連続投与スケジュールに従って投与するのに特に有用であるキットを更に含む。そのようなキットは、リセドロネート及びキレート剤を含む1以上の経口剤形と、本発明の方法による服薬順守を促進するための手段とを含む。そのようなキットは、治療を受ける被験者が適切な経口剤形を適切な投与量で適切な方法によって摂取することを確実にするために都合がよく、且つ有効な方法を提供する。そのようなキットの服薬順守の方法には、本発明の方法に従った活性物質の投与を促進するあらゆる方法が挙げられる。このような服薬順守手段には、使用説明書、包装、及び分配手段、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。キットはまた、これらに限定されないが、当該週のその日を記載すること、番号を付けること、図表、矢印、点字、カレンダー用のシール、備忘カード、又は患者によって具体的に選択されるその他の手段を包含する、記憶を助ける手段を含むこともできる。包装及び分配手段の例は、当該技術分野において周知であって、米国特許第4,761,406号(フローラ(Flora)ら、1988年8月2日発行)及び米国特許第4,812,311号(ウチトマン(Uchtman)、1989年3月14日発行)に記載のものを包含する。
【0075】
任意に、キットは、リセドロネート及びキレート剤を含む少なくとも1つの経口剤形と、付随する栄養素の少なくとも1つの経口剤形とを含むことができる。好ましい栄養素は、カルシウム及び/又はビタミンDである。本発明で使用するのに好適なカルシウムの経口形態としては、カプセル、圧縮錠、咀しゃく錠などが挙げられる。本発明で使用するのに好適なカルシウムの典型的な塩の形態には、これらに限定されないが、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム(calcium glubionate)、カルシウムグルセプテート(calcium gluceptate)、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、及び三塩基性リン酸カルシウムが包含される。一実施形態では、本発明のキットは、400mg〜1500mgのカルシウムを含む錠剤を包含し得る。
【0076】
本明細書で使用するとき、用語「ビタミンD」は、栄養素として哺乳動物に投与され得る、あらゆる形態のビタミンDを指す。ビタミンDは、体内で代謝されて、ビタミンDの「活性」型と呼ばれることがあるものをもたらす。用語「ビタミンD」は、ビタミンDの活性型及び非活性型、並びにかかる形態の前駆体及び代謝産物を包含することができる。これらの活性型の前駆体としては、ビタミンD2(植物中で産生されるエルゴカルシフェロール)及びビタミンD3(皮膚の内部で産生され、動物性原料中に見出されて、栄養強化食品に使用されるコレカルシフェロール)が挙げられる。ビタミンD2及びD3は、ヒトにおいて同様の生物学的効率を有する。ビタミンD2及びD3の非活性な代謝産物としては、ビタミンD2及びD3のヒドロキシル化型が挙げられる。活性型ビタミンD類似体は、哺乳動物におけるその毒性のために、断続的なスケジュールで大量に投与することができない。しかしながら、非活性型ビタミンD2、ビタミンD3、及びそれらの代謝産物は、毒性を有さず、間欠投与において、ビタミンDの「活性」型よりも大量に投与することができる。一実施形態では、本発明のキットは、100IU〜10,000IUのビタミンDを含む錠剤を包含してもよい。
【0077】
別の実施形態において、本発明のキットは、カルシウムとビタミンDの両方を含む1以上の栄養素錠剤を包含してもよい。更なる実施形態において、栄養素の単位用量は、約600mgのカルシウム及び約400IUのビタミンDを含む。
【0078】
以下の非限定的例は、本発明の製剤、プロセス、及び使用を説明する。
【実施例】
【0079】
実施例I
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤は、コーティング組成物と、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠とを調製し、次に前記コーティング組成物を前記錠剤に適用することによって作製される。
【0080】
腸溶性コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有するラッカーの形態で調製される。
【0081】
【表1】

【0082】
腸溶性コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
ポリソルベート80、粉砕酸化第二鉄、及びタルクを、精製水のおよそ2/3に混合しながら加えることによって、顔料懸濁液を調製する。懸濁液を少なくとも2時間混合する。30%シメチコンエマルション及び残りの水を顔料懸濁液に添加し、少なくとも45分間混合する。オイドラギット(Eudragit)L30 D−55溶液とクエン酸トリエチルを組み合わせて、少なくとも45分間混合する。次に顔料懸濁液をオイドラギット(Eudragit)溶液に添加し、30〜60分間混合する。得られたコーティング懸濁液をスクリーンに通し、コーティングプロセスの間中混合する。核錠をコーティングパンに移し、時々軽く揺り動かしながら予熱する。典型的なパンコーティングプロセスを使用して、必要な量のコーティング溶液が適用されるまで、錠剤がコーティングされる。次に、錠剤を冷却し、好適な容器に収集する。
【0083】
上記の組成物を、下記のパートBで調製される、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠に噴霧することによって、コーティング重量が30%(総固形分)増量される。
【0084】
B.リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠
上記のパートAで調製された腸溶性コーティング懸濁液を、それぞれ240mgの重量の錠剤であり、それぞれ以下を含有する、リセドロネートが35mgの錠剤に噴霧する。
【0085】
【表2】

*この量はリセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいて計算される。
【0086】
上記の組成を有する錠剤は、以下のように調製される。
リセドロネートナトリウム、エデト酸二ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、及び微結晶セルロースをミルに通し、増圧器のバーを備えたブレンダーに添加する。混合物を、増圧器のバーが入の状態でおよそ10分間ブレンドする。ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウムをスクリーンに通し、ブレンダーに添加する。ブレンドを、増圧器のバーが切の状態でおよそ3分間混合する。好適な錠剤成形機を使用して、ブレンドを錠剤に圧縮する。
【0087】
実施例II
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤
リセドロネートナトリウムを含有する腸溶性コーティングされた錠剤は、実施例Iに記載された同様の方法を使用して、後述されるように調製される。
【0088】
コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有するラッカーから調製される。
【0089】
【表3】

【0090】
150mgのリセドロネート及び75mgのEDTAを含有する錠剤に、従来のパンコーティングによりコーティング重量が40%増量されて、それぞれ500mgの重量の卵型の錠剤が得られる。それぞれの錠剤の組成は以下の通りである。
【0091】
【表4】

*この量はリセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいて計算される。
【0092】
実施例III
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤は、コーティング組成物と、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠とを調製し、次に前記コーティング組成物を前記錠剤に適用することによって作製される。
【0093】
腸溶性コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有するラッカーの形態で調製される。
【0094】
【表5】

【0095】
腸溶性コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
ポリソルベート80、粉砕酸化第二鉄、及びタルクを、精製水のおよそ2/3に混合しながら加えることによって、顔料懸濁液を調製する。懸濁液を少なくとも2時間混合する。30%シメチコンエマルション及び残りの水を顔料懸濁液に添加し、少なくとも45分間混合する。オイドラギット(Eudragit)L30 D−55溶液とクエン酸トリエチルを組み合わせて、少なくとも45分間混合する。次に顔料懸濁液をオイドラギット(Eudragit)溶液に添加し、30〜60分間混合する。得られたコーティング懸濁液をスクリーンに通し、コーティングプロセスの間中混合する。核錠をコーティングパンに移し、時々軽く揺り動かしながら予熱する。典型的なパンコーティングプロセスを使用して、必要な量のコーティング溶液が適用されるまで、錠剤がコーティングされる。次に、錠剤を冷却し、好適な容器に収集する。
【0096】
上記の組成物を、下記のパートBで調製される、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠に噴霧することによって、コーティング重量がおよそ10%(総固形分)増量される。
【0097】
B.リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠
上記のパートAで調製された腸溶性コーティング懸濁液を、それぞれ290mgの重量の錠剤であり、それぞれ以下を含有する、リセドロネートが35mgの錠剤に噴霧する。
【0098】
【表6】

*この量はリセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいて計算される。
【0099】
上記の組成を有する錠剤は、以下のように調製される。
リセドロネートナトリウム、エデト酸二ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、プロソルブ(ProSolv)SMCC90の1/2、ステアリン酸の1/2、及びステアリン酸マグネシウムの1/2をミルに通し、及び増圧器のバーを備えたブレンダーに添加する。混合物を、増圧器のバーが入の状態でおよそ20分間混合し、次いで乾式造粒し(chilsonated)、粉砕する。残りのプロソルブ(ProSolv)SMCC90、及びステアリン酸を加え、更に10分間混合する。残りのステアリン酸マグネシウムをスクリーンに通し、造粒品を有するブレンダーに添加する。ブレンドを、増圧器のバーが切の状態でおよそ3分間混合する。好適な錠剤成形機を使用して、ブレンドを錠剤に圧縮する。
【0100】
実施例IV
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤は、コーティング組成物と、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠とを調製し、次に前記コーティング組成物を前記錠剤に適用することによって作製される。
【0101】
腸溶性コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有するラッカーの形態で調製される。
【0102】
【表7】

【0103】
腸溶性コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
ポリソルベート80、粉砕酸化第二鉄、ホワイトクロマトン(White Chromatone)及びタルクを、精製水のおよそ2/3に混合しながら加えることによって、顔料懸濁液を調製する。懸濁液を少なくとも2時間混合する。30%シメチコンエマルション及び残りの水を顔料懸濁液に添加し、少なくとも45分間混合する。オイドラギット(Eudragit)L30 D−55溶液とクエン酸トリエチルを組み合わせて、少なくとも45分間混合する。次に顔料懸濁液をオイドラギット(Eudragit)溶液に添加し、30〜60分間混合する。得られたコーティング懸濁液をスクリーンに通し、コーティングプロセスの間中混合する。核錠をコーティングパンに移し、時々軽く揺り動かしながら予熱する。典型的なパンコーティングプロセスを使用して、必要な量のコーティング溶液が適用されるまで、錠剤がコーティングされる。次に、錠剤を冷却し、好適な容器に収集する。
【0104】
上記の組成物を、下記のパートBで調製される、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠に噴霧することによって、コーティング重量がおよそ9%(総固形分)増量される。
【0105】
B.リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠
上記のパートAで調製された腸溶性コーティング懸濁液を、それぞれ414.3mgの重量の錠剤であり、それぞれ以下を含有する、リセドロネートが50mgの錠剤に噴霧する。
【0106】
【表8】

*この量はリセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいて計算される。
【0107】
上記の組成を有する錠剤は、以下のように調製される。
リセドロネートナトリウム、エデト酸二ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、プロソルブ(ProSolv)SMCC90の1/2、ステアリン酸の1/2、及びステアリン酸マグネシウムの1/2をミルに通し、及び増圧器のバーを備えたブレンダーに添加する。混合物を、増圧器のバーが入の状態でおよそ20分間ブレンドし、次いで乾式造粒し(chilsonated)、粉砕する。残りのプロソルブ(ProSolv)SMCC90、及びステアリン酸を加え、更に10分間混合する。残りのステアリン酸マグネシウムをスクリーンに通し、造粒品を有するブレンダーに添加する。ブレンドを、増圧器のバーが切の状態でおよそ3分間混合する。好適な錠剤成形機を使用して、ブレンドを錠剤に圧縮する。
【0108】
実施例V
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤は、コーティング組成物と、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠とを調製し、次に前記コーティング組成物を前記錠剤に適用することによって作製される。
【0109】
腸溶性コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有するラッカーの形態で調製される。
【0110】
【表9】

【0111】
腸溶性コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
タルク及び黒酸化鉄を精製水の一部に添加し、均一になるまで混合する。クエン酸トリエチルを、混合を続けながら添加する。次に、粒塊を分解するために、得られた顔料懸濁液をスクリーンに通し又は好適なミルに通す。オイドラギット(Eudragit)L30 D−55(登録商標)をスクリーンに通し、次に好適な容器に添加し、精製水の一部で希釈する。次に顔料懸濁液を、希釈されたオイドラギット(Eudragit)懸濁液に添加し、均一になるまで混合する。
【0112】
好適なコーティングパン中で、後述される、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠(10kg)を、約30〜35℃に温める。腸溶性コーティング懸濁液を毎分およそ30グラムで錠剤に噴霧する。噴霧サイクルが完了したなら、温度を低下させ、錠剤を取り出し、30〜35℃でおよそ1時間乾燥する。
【0113】
上記の組成物を、下記のパートBで調製される、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠に噴霧することによって、コーティング重量が35%(総固形分)増量される。
【0114】
B.リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠
上記のパートAで調製された腸溶性コーティング懸濁液を、それぞれ240mgの重量の錠剤であり、それぞれ以下を含有する、リセドロネートが5mgの錠剤に噴霧する。
【0115】
【表10】

*この量はリセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいて計算される。
【0116】
上記の組成を有する錠剤は、以下のように調製される。
リセドロネート活性成分及びEDTAを微結晶セルロースの1/2と共にV形ブレンダーで篩過することによって、錠剤を調製する。次にブレンドを均一になるまで混合する。次に、ステアリン酸の1/2を添加し、ブレンドを更に混合する。次にブレンドをローラー圧縮し、粉砕する。残りの微結晶セルロース及びデンプングリコール酸ナトリウムを添加し、均一になるまで混合する。次に残りのステアリン酸を添加し、適切な潤滑が達成されるまで混合する。次に錠剤を回転式錠剤成形機で圧縮する。
【0117】
実施例VI
リセドロネート及びクエン酸ナトリウムを含有する、時間依存性及び腸溶性コーティングされた錠剤
リセドロネート及びクエン酸ナトリウムを含有する時間依存性及び腸溶性コーティングされた錠剤は、二層コーティング組成物と、リセドロネート及びクエン酸ナトリウムを含有する圧縮錠とを調製し、次に前記コーティング組成物を前記錠剤に適用することによって作製される。
【0118】
第一層(時間依存性コーティング層)コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有するポリマーの形態で調製される。
【0119】
【表11】

【0120】
酸可溶性コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
エチルセルロースを、トルエン:エチルアルコール混合物のおよそ2/3に混合しながら加えることによって、溶液を調製する。溶液を少なくとも2時間混合する。セバシン酸ジブチル(dibuty sebacate)を添加し、更に2時間混合する。得られたコーティング溶液をスクリーンに通し、コーティングプロセスの間中混合する。
【0121】
【表12】

【0122】
腸溶性コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
粉砕酸化第二鉄及びタルクを、精製水のおよそ2/3に混合しながら加えることによって、顔料懸濁液を調製する。懸濁液を少なくとも2時間混合する。オイドラギット(Eudragit)L30 D−55溶液とクエン酸トリエチルを組み合わせて、少なくとも45分間混合する。次に顔料懸濁液をオイドラギット(Eudragit)溶液に添加し、30〜60分間混合する。得られたコーティング懸濁液をスクリーンに通し、コーティングプロセスの間中混合する。
【0123】
圧縮錠をコーティングパンに移し、時々軽く揺り動かしながら予熱する。典型的なパンコーティングプロセスを使用して、必要な量のコーティング溶液が適用されるまで、時間依存性コーティングにより、次に腸溶性コーティング懸濁液により、圧縮錠がコーティングされる。次に、錠剤を冷却し、好適な容器に収集する。
【0124】
上記の組成物(A及びB)を、下記のパートCで調製される、リセドロネート及びクエン酸ナトリウムを含有する圧縮錠に噴霧することによって、時間依存性コーティングでは10%、また腸溶性コーティングでは13%、コーティング重量(核錠重量と比較した総固形分)が増量される。
【0125】
C.リセドロネート及びクエン酸ナトリウムを含有する圧縮錠
上記のパートA及びBで調製された酸可溶性コーティング及び腸溶性コーティング懸濁液を、それぞれ500mgの重量の錠剤であり、それぞれ以下を含有する、リセドロネートが5mgの錠剤に噴霧する。
【0126】
【表13】

*この量はリセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいて計算される。
【0127】
上記の組成を有する錠剤は、以下のように調製される。
リセドロネートナトリウム、クエン酸ナトリウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、マンニトール及びポリビニルピロリドンをミルに通し、増圧器のバーを備えたブレンダーに添加する。混合物は、増圧器のバーが入の状態でおよそ10分間ブレンドされ、精製水で15分間造粒される。混合物をミルに通して、30℃で一晩乾燥する。ステアリン酸マグネシウムをスクリーンに通し、ブレンダーに添加する。ブレンドを、増圧器のバーが切の状態でおよそ3分間混合する。好適な錠剤成形機を使用して、ブレンドを錠剤に圧縮する。
【0128】
実施例VII
リセドロネート及びEDTAを含有する時間依存性送達錠剤
リセドロネート及びEDTAを含有する時間依存性送達錠剤は、コーティング組成物と、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠とを調製し、次に前記コーティング組成物を前記錠剤に適用することによって作製される。
【0129】
コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有することによって調製される。
【0130】
【表14】

【0131】
コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
カルナバワックス、蜜蝋、ポリオキシエチレン(polyoxyethlyene)ソルビタンモノオレエート、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを60℃の精製水に添加し、3時間混合する。得られたコーティング混合物をスクリーンに通し、コーティングプロセスの間中混合する。核錠をコーティングパンに移し、時々軽く揺り動かしながら予熱する。典型的なパンコーティングプロセスを使用して、必要な量のコーティング溶液が(60℃で)適用されるまで、錠剤がコーティングされる。次に、錠剤を冷却し、好適な容器に収集する。
【0132】
上記の組成物を、下記のパートBで調製される、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠に噴霧することによって、コーティング重量が30%(総固形分)増量される。
【0133】
B.リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠
上記のパートAで調製されたコーティング懸濁液を、それぞれ500mgの重量の錠剤であり、それぞれ以下を含有する、リセドロネートが35mgの錠剤に噴霧する。
【0134】
【表15】

*この量はリセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいて計算される。
【0135】
上記の組成を有する錠剤は、以下のように調製される。
リセドロネートナトリウム、EDTA二ナトリウム、微結晶セルロース、噴霧乾燥ラクトース及びデンプングリコール酸ナトリウムをミルに通し、増圧器のバーを備えたブレンダーに添加する。混合物を、増圧器のバーが入の状態でおよそ10分間ブレンドする。ステアリン酸マグネシウムをスクリーンに通し、ブレンダーに添加する。ブレンドを、増圧器のバーが切の状態でおよそ3分間混合する。好適な錠剤成形機を使用して、ブレンドを錠剤に圧縮する。
【0136】
実施例VIII
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされた錠剤は、コーティング組成物と、リセドロネート及びEDTAを含有する圧縮錠とを調製し、次に前記コーティング組成物を前記錠剤に適用することによって作製される。
【0137】
腸溶性コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有するラッカーの形態で調製される。
【0138】
【表16】

【0139】
腸溶性コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
ポリソルベート80、粉砕酸化第二鉄、及びタルクを、精製水のおよそ2/3に混合しながら加えることによって、顔料懸濁液を調製する。懸濁液を少なくとも2時間混合する。30%シメチコンエマルション及び残りの水を顔料懸濁液に添加し、少なくとも45分間混合する。オイドラギット(Eudragit)L30 D−55(登録商標)溶液とクエン酸トリエチルを組み合わせて、少なくとも45分間混合する。次に顔料懸濁液をオイドラギット(Eudragit)溶液に添加し、30〜60分間混合する。得られたコーティング懸濁液をスクリーンに通し、コーティングプロセスの間中混合する。核錠をコーティングパンに移し、時々軽く揺り動かしながら予熱する。典型的なパンコーティングプロセスを使用して、必要な量のコーティング溶液が適用されるまで、錠剤がコーティングされる。次に、錠剤を冷却し、好適な容器に収集する。
【0140】
上記のパートAで調製された腸溶性コーティング懸濁液を、それぞれ240mgの重量の錠剤であり、実施例IBで調製される、リセドロネートが35mgの錠剤に噴霧する。
【0141】
実施例IX
リセドロネート及びEDTA二ナトリウムを含有する腸溶性コーティングされた軟質ゼラチンカプセル剤
リセドロネート及びEDTAを含有する腸溶性コーティングされたカプセル剤は、コーティング組成物と、リセドロネート及びEDTAを含有する軟質ゼラチンカプセルとを調製し、次に前記コーティング組成物を前記軟質ゼラチンカプセルに適用することによって作製される。
【0142】
腸溶性コーティング組成物は、錠剤1つ当たり、以下の賦形剤を含有するラッカーの形態で調製される。
【0143】
【表17】

【0144】
腸溶性コーティングは、以下の方法を使用して調製される。
ポリソルベート80、粉砕酸化第二鉄、及びタルクを、精製水のおよそ2/3に混合しながら加えることによって、顔料懸濁液を調製する。懸濁液を少なくとも2時間混合する。30%シメチコンエマルション及び残りの水を顔料懸濁液に添加し、少なくとも45分間混合する。オイドラギット(Eudragit)L30 D−55溶液とフタル酸ジブチルを組み合わせて、少なくとも45分間混合する。次に顔料懸濁液をオイドラギット(Eudragit)溶液に添加し、30〜60分間混合する。得られたコーティング懸濁液をスクリーンに通し、コーティングプロセスの間中混合する。軟質ゼラチンカプセルをコーティングパンに移し、時々軽く揺り動かしながら予熱する。典型的なパンコーティングプロセスを使用して、必要な量のコーティング溶液が適用されるまで、軟質ゼラチンカプセルがコーティングされる。次にカプセルを冷却し、好適な容器に収集する。
【0145】
上記の組成物を、下記のパートBで調製される、リセドロネート及びEDTAを含有する軟質ゼラチンカプセルに噴霧することによって、コーティング重量が13%(総固形分)増量される。
【0146】
B.リセドロネート及びEDTAを含有する軟質ゼラチンカプセル
上記のパートAで調製された腸溶性コーティング懸濁液を、それぞれ764mgの重量であり、それぞれ以下を含有する、リセドロネートが50mgの軟質ゼラチンカプセルに噴霧する。
【0147】
【表18】

*この量はリセドロネート無水一ナトリウム塩に基づいて計算される。
【0148】
上記された組成を有する軟質ゼラチンカプセルは、以下のように調製される。
オレオイルマクロゴール−6グリセリドを、オーバーヘッド・ミキサーを備えた懸濁タンクに添加する。リセドロネートナトリウム、EDTA二ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素をミルに通し、オレオイルマクロゴール−6グリセリドに、混合を続けながら添加する。混合物をおよそ60分間ブレンドする。次にブレンドは脱気され、カプセルに充填する準備が整う。混合しながら、グリセリン、ソルビトール・スペシャル、及び精製水を、加熱された真空容器の中で組み合わせる。加熱は、温度が少なくとも80℃に達するまで適用され、次にゼラチンを添加し、75分間混合する。粒子の完全な溶解のために、ゲル塊を試験する。必要であれば、目視によって不溶粒子の痕跡がなくなるまで、引き続き加熱及び混合を行う。ゲル塊を脱気し、次に二酸化チタン、食品、医薬品及び化粧品用赤色40号及び食品、医薬品及び化粧品用青色1号を、混合を続けながら添加する。後続のプロセスのために、ゲル塊を加熱されたゲル保持タンク中に送り込む。次に充填物質を、軟質ゼラチンカプセル充填機で封入する。
【0149】
実施例X
閉経後骨粗鬆症と診断された65kgの女性が、35mgのリセドロネート及び100mgのEDTA二ナトリウムを含む、実施例Iの腸溶性コーティングされた経口剤形を、週1回摂取するように処方される。患者は、この経口剤形を1週間に1回、朝食と共に摂取する。吸収されるリソドロネートの量は、空腹状態で摂取される35mgの即時放出錠剤の量に等しい。
【0150】
実施例XI
前立腺癌及び高骨代謝回転と診断された70kgの男性が、35mgのリセドロネート及び150mgのクエン酸を含む、実施例Iの腸溶性コーティングされた経口剤形を、週1回摂取するように処方される。患者は、この経口剤形を1週間に1回、寝る直前に摂取する。患者は上部GI刺激又は不快感を経験しない。
【0151】
実施例XII
閉経後骨粗鬆症と診断された女性のグループが、50mgのリセドロネートを含む、実施例IVの腸溶性コーティングされた経口剤形を、週1回摂取するように処方される。患者は、この経口剤形を週1回、朝食と共に摂取する。吸収されるリソドロネートの量は、飲食前の30分に1ラベルごとに摂取される35mgの即時放出錠剤の量に等しい。
【0152】
引用した全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれ、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する従来技術であることを認めるものと解釈すべきではない。
【0153】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を行えることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1mg〜250mgのリセドロネート、
(b)10mg〜970mgのキレート剤、及び
(c)前記リセドロネート及び前記キレート剤を小腸内に即時放出するための、遅延放出機構
を含む、安全且つ有効な量の医薬組成物を含むリセドロネートの経口剤形であって、前記組成物の重量が1g以下である、経口剤形。
【請求項2】
前記キレート剤が、前記リセドロネートの少なくとも50%の水溶性を有し、且つエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、リジン、ヘキサメタリン酸ナトリウム、これらの塩類及びそれらの組み合わせから選択され、好ましくは、EDTAナトリウム又は二ナトリウム、クエン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせから選択され、より好ましくは、前記キレート剤がEDTA二ナトリウムである、請求項1に記載の経口剤形。
【請求項3】
前記ビスホスホネート及び前記キレート剤の下部胃腸管内への遅延放出のための前記手段は、pH誘発性デリバリーシステム、時間依存性デリバリーシステム、及びこれらの混合から成る群から選択される、請求項1から2のいずれか1項に記載の経口剤形。
【請求項4】
遅延放出のための前記手段はpH誘発性デリバリーシステムであり、好ましくは、前記pH誘発性デリバリーシステムはpH5.5において溶解する腸溶性コーティングを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の経口剤形。
【請求項5】
前記医薬組成物は、0.5%〜75%のリセドロネート及び25%〜99.5%の製薬上許容できる賦形剤類から構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の経口剤形。
【請求項6】
(a)10mg〜70mgのリセドロネート、
(b)25mg〜500mgのEDTA二ナトリウム、及び
(c)前記ビスホスホネート及び前記EDTAの哺乳動物の小腸内への放出をもたらす、腸溶性コーティング
を含有することを特徴とする、安全且つ有効な量の医薬組成物を含む経口剤形。
【請求項7】
異常なカルシウム及びホスフェート代謝によって特徴付けられる疾患の治療又は予防に使用するための、請求項1から6のいずれか1項に記載の経口剤形であって、好ましくは前記疾患が骨粗鬆症、パジェット病(Pagent's disease)、副甲状腺機能亢進症、悪性高カルシウム血症、及び溶骨性骨転移から選択され、より好ましくは前記疾患が骨粗鬆症である、経口剤形。
【請求項8】
前記経口剤形は、1日1回、週1回、月3回、月2回、及び月1回から成る群から選択される投与間隔を有する継続的スケジュールにしたがって投与され、好ましくは、前記経口剤形は週1回投与される、請求項1から7のいずれか1項に記載の経口剤形。
【請求項9】
前記経口剤形は、食物と共に又は食物なしで患者に投与される、請求項1から8のいずれか1項に記載の経口剤形。
【請求項10】
(a)請求項1から9のいずれか1項に記載の、1以上の経口剤形、及び
(b)服薬順守を促進するための手段
を含有することを特徴とする、キット。

【公表番号】特表2008−535912(P2008−535912A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506439(P2008−506439)
【出願日】平成17年11月23日(2005.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/042887
【国際公開番号】WO2006/112889
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】