説明

リソバクチン誘導体の製造法

分子内環化による、下記式(I)
【化1】


を有する環状デプシペプチドの製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記式(I)
【化1】

[式中、
は、HまたはCHであり、
は、水素、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルケニル、C−C−シクロアルキルメチル、5−から7−員ヘテロシクリルメチル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−メチルプロプ−1−イル、2−メチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルプロプ−1−イル、1,1−ジメチルプロプ−1−イル、1−エチルプロプ−1−イル、1−エチル−1−メチルプロプ−1−イル、n−ブチル、2−メチルブト−1−イル、3−メチルブト−1−イル、1−エチルブト−1−イル、tert−ブチル、4−メチルペント−1−イル、n−ヘキシル、アルケニルまたはアリールであり、
{ここで、Rは、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリメチルシリル、アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、アリール、5−から10−員ヘテロアリール、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい
(ここで、アリールおよびヘテロアリールは、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシおよびフェニルから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい)}、
は水素またはC−C−アルキルであるか、
または、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となってC−C−シクロアルキル環または5−から7−員ヘテロシクリル環を形成し、ここで、シクロアルキル環およびヘテロシクリル環は0、1、2または3個のトリフルオロメチル、アルキル、アルコキシおよびアルキルカルボニルから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよく、
は、アルキル、C−C−シクロアルキル、5−から7−員ヘテロシクリル、アリール、5−もしくは6−員ヘテロアリール、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、5−から7−員ヘテロシクリルカルボニル、アリールカルボニル、5−もしくは6−員ヘテロアリールカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
{ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノおよびフェニルから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよく、
そして、
ここで、アルキルカルボニルは、アミノまたはアルキルアミノ置換基で置換されており、
そして、
ここで、アルキルカルボニルは、さらに0、1または2個のハロゲン、ヒドロキシ、トリメチルシリル、アルコキシ、アルキルチオ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、5−から10−員ヘテロアリール、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい、
(ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル、アルコキシおよびフェニルから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい)、
または、アルキルカルボニルにおける同じ炭素原子上の2個の置換基は、それらが結合している炭素原子と一体となってC−C−シクロアルキル環または5−から7−員ヘテロシクリル環を形成する
(ここで、シクロアルキル環およびヘテロシクリル環は、0、1、2または3個のトリフルオロメチル、アルキルおよびアルコキシから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよいか、
または、
ここで、シクロアルキル環は、ベンゾ−縮合されていてよい)}、
は、水素、C−C−アルキル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルであるか、
または、
およびRはそれらが結合している窒素原子と一体となって、5−から7−員ヘテロシクリル環を形成し、ここで、ヘテロシクリル環は、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキル、アルコキシおよびアルキルアミノから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい]
で示される環状デプシペプチドの製造法、
ならびに、この方法における有用な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
上記環状デプシペプチドは、とりわけ、リソバクチン(lysobactin)およびカタノシンAとして称される2種の天然物を含む。これらの物質は、細胞壁生合成の阻害剤であり、したがって抗菌活性を有する。
【化2】

【0003】
細菌の細胞壁は、数々の酵素により合成され(細胞壁生合成)、微生物の生存および生殖に必須である。この巨大分子の構造ならびにその合成に関与するタンパク質および生合成中間体(“前駆体”)は、細菌類内で高度に保存されている。その本質的な性質および均一性のために、細胞壁生合成は新規抗生物質の理想的な攻撃点である。
【0004】
バンコマイシンおよびペニシリン類は、細菌の細胞壁生合成の阻害剤であり、この作用原理による抗菌力の成功例である。それらは、とりわけグラム陽性病原体による細菌感染の処置のために、数十年間臨床的に用いられてきた。例えばメチシリン耐性ブドウ球菌、ペニシリン耐性肺炎球菌およびバンコマイシン耐性腸球菌、並びに、最近初めてのバンコマイシン耐性ブドウ球菌の耐性微生物の発生が増えているために、これらの物質はそれらの治療効力を次第に失いつつある。
【0005】
リソバクチンは、今まで、例えばリソバクター属sp. SC 14067を使用する発酵により得てきた。さらに、WO 2004/099239 A1から、直線セグメントを形成する2個のロイシン単位を除去し、それらを他の基で置換することが知られている。直線セグメントに変異を有するリソバクチン、カタノシンAまたはそれらの誘導体の完全合成による製造法は、今まで知られていない。
【発明の開示】
【0006】
したがって、本発明の1つの目的は、上記式(I)の環状デプシペプチドの製造法を提供することである。
【0007】
この目的は、式(I)の環状デプシペプチドの製造法であって、下記式(II)
【化3】

[式中、
からRは、上記定義のとおりであり、
Xは、OH、活性エステル、擬ハロゲン(例えばアジド)またはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物を分子内環化し、
そして、次に環状中間体を脱保護することにより、式(I)の環状デプシペプチドを形成する方法によって達成される。
【0008】
この方法は、Oでエステル化したβ−ヒドロキシα−アミノ酸(ここでは、β−フェニルセリン=β−ヒドロキシフェニルアラニン)を環化工程で化学的に活性化し、次にそれがアシルドナーとして働くことを特徴とする。環化は、エステル化反応(ラクトン形成)ではなくアミド結合(ラクタム形成)で実施する。
【0009】
該方法は、さらにデプシペプチド投げ縄(lasso)構造の環状セグメントを橋頭アミノ酸(ここでは、β−ヒドロキシフェニルアラニン)で環化することにより製造することを特徴とする。
【0010】
本発明の目的上、置換基は、特に記載のない限り、下記の意味を有する:
アルキル自体ならびにアルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニルおよびアルキルカルボニルアミノの“アルコ(alk)”および“アルキル”は、一般に1から6個、好ましくは1から4個、特に好ましくは1から3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、例えば、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを表す。
【0011】
アルコキシは、例えば、好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシを表す。
【0012】
アルケニルは、2から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニルを表す。好ましくは2から4個、特に好ましくは2から3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニルである。挙げられる好ましい例は:ビニル、アリル、n−プロプ−1−エン−1−イル、n−ブト−2−エン−1−イル、2−メチルプロプ−1−エン−1−イルおよび2−メチルプロプ−2−エン−1−イルである。
【0013】
アルキルアミノは、1個または2個のアルキル置換基(互いに独立して選択される)を有するアルキルアミノ基、例えば、好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノを表す。
【0014】
アリールアミノは、1個のアリール置換基、所望によりさらなる置換基、例えば、アリールまたはアルキルを有するアリールアミノ基、例えば、好ましくは、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、フェニルメチルアミノまたはジフェニルアミノを表す。
【0015】
アルキルカルボニルは、1個のアルキル置換基を有するアルキルカルボニル基、例えば、好ましくは、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニルおよびn−ヘキシルカルボニルを表す。
【0016】
アルコキシカルボニルは、1個のアルコキシ置換基を有するアルコキシカルボニル基、例えば、好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルおよびn−ヘキソキシカルボニルを表す。
【0017】
シクロアルキルカルボニルは、1個のシクロアルキル置換基を有するシクロアルキルカルボニル基、例えば、好ましくは、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニルおよびシクロヘキシルカルボニルを表す。
【0018】
ヘテロシクリルカルボニルは、1個のヘテロシクリル置換基を有するヘテロシクリルカルボニル基、例えば、好ましくは、テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル、ピロリジン−2−イルカルボニル、ピロリジン−3−イルカルボニル、ピロリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、モルホリニルカルボニルおよびペルヒドロアゼピニルカルボニルを表す。
【0019】
アリールカルボニルは、1個のアリール置換基を有するアリールカルボニル基、例えば、好ましくは、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニルおよびフェナントレニルカルボニルを表す。
【0020】
ヘテロアリールカルボニルは、1個のヘテロアリール置換基を有するヘテロアリールカルボニル基、例えば、好ましくは、チエニルカルボニル、フリルカルボニル、ピロリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、オキサゾリルカルボニル、イミダゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、ピリミジルカルボニル、ピリダジニルカルボニル、インドリルカルボニル、インダゾリルカルボニル、ベンゾフラニルカルボニル、ベンゾチオフェニルカルボニル、キノリニルカルボニルおよびイソキノリニルカルボニルを表す。
【0021】
アルキルカルボニルアミノは、1個のアルキル置換基を有するアルキルカルボニルアミノ基、例えば、好ましくは、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、n−ペンチルカルボニルアミノおよびn−ヘキシルカルボニルアミノを表す。
【0022】
アリールカルボニルアミノは、1個のアリール置換基を有するアリールカルボニルアミノ基、例えば、好ましくは、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノおよびフェナントレニルカルボニルアミノを表す。
【0023】
アルキルアミノカルボニルは、1または2個のアルキル置換基(互いに独立して選択される)を有するアルキルアミノカルボニル基、例えば、好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、tert−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘキシルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニルを表す。
【0024】
シクロアルキルは、一般に3から6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えば、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを表す。
【0025】
シクロアルケニルは、一般に5から6個の炭素原子および1または2個の二重結合を有するシクロアルケニル基、例えば、好ましくは、シクロペンタ−1−エン−1−イル、シクロペンタ−2−エン−1−イル、シクロペンタ−3−エン−1−イル、シクロヘキサ−1−エン−1−イル、シクロヘキサ−2−エン−1−イルおよびシクロヘキサ−3−エン−1−イルを表す。
【0026】
アリールは、一般に6から14個の炭素原子を有する単環式から三環式の芳香族性の炭素環式基;例えば、好ましくは、フェニル、ナフチルおよびフェナントレニルを表す。
【0027】
ヘテロシクリルは、一般に5から7個の環原子および3個まで、好ましくは2個までのN、O、S、SO、SOの一群からのヘテロ原子および/またはヘテロ基を有する単環式または多環式、好ましくは単環式または二環式のヘテロ環式基を表す。ヘテロシクリル基は、飽和または部分的に不飽和であり得る。好ましくは、2個までのO、NおよびSの一群からのヘテロ原子を有する5から7員単環式飽和ヘテロシクリル基、例えば、好ましくは、テトラヒドロフラン−2−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリニル、ピペリジニル、モルホリニルおよびペルヒドロアゼピニルを表す。
【0028】
ヘテロアリールは、一般に5から10個、好ましくは5から6個の環原子および5個までの、好ましくは4個までの、S、OおよびNの一群からのヘテロ原子を有する芳香族性単環式もしくは二環式基、例えば、好ましくは、好ましくはチエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニルおよびイソキノリニルを表す。
【0029】
カルボニル−結合アミノ酸は、アミノ酸官能基のカルボニル基を介して結合しているアミノ酸を表す。これに関して、好ましくは、L−またはD−配置のα−アミノ酸、特に天然α−アミノ酸、例えば、グリシン、L−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−プロリン、L−フェニルアラニン、L−トリプトファン、または、非天然D−配置の天然α−アミノ酸、例えば、D−アラニン、D−バリン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−プロリン、D−フェニルアラニン、D−トリプトファン、または、アミノ酸のα−炭素原子に結合した側基、例えば、C−C−シクロアルキルメチル、C−C−シクロアルキル、エチル、n−プロピル、2,2−ジメチルプロピル、tert−ブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシルまたはアリルを有するか、または、側鎖がアミノ酸のα−炭素原子と共に、環、例えば、シクロプロピル(アミノ酸:1−アミノ−1−シクロプロパンカルボン酸)、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを形成している非天然のアミノ酸、またはβ−アミノ酸(名称に関して:D. Seebach, M. Overhand, F. N. M. Kuhnle, B. Martinoni, L. Oberer, U. Hommel, H. Widmer, Helv. Chim. Acta 1996, 79, 913-941参照)、例えば、β−アラニン、β−フェニルアラニン、β−Aib(α−メチルアラニン)または2,3−ジアミノプロピオン酸の誘導体(例えば2,3−ジアミノ−3−フェニルプロピオン酸)である。
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくはフッ素および塩素を表す。
【0030】
活性エステルなる用語は、当業者に既知のすべての活性エステルを含む。本発明において好ましい活性エステルの例は、シアノメチルエステル、p−ニトロフェニルエステル、o−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、2,4,5−トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル(Pfp)、N−ヒドロキシフタルイミドエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(O−Su)、1−ヒドロキシピペリジンエステル、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンエステルを含む。
【0031】
分子内環化は、原則として当業者に既知のすべての工程により達成できるアミド結合の形成を含む。
したがって、環化は下記求核攻撃により実施する。
【化4】

【0032】
Xが活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンを示すとき、反応は、一般的に、不活性溶媒中、脱水剤の存在下、必要に応じて塩基の存在下、好ましくは−30℃ないし50℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0033】
不活性溶媒の例は、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ピリジン、ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチルまたはジメチルホルムアミドであり、塩化メチレンまたはジメチルホルムアミドがより好ましい。
【0034】
塩基の例は、トリエチルアミン、トリイソプロピルエチルアミンまたはN−メチルモルホリンであり、トリイソプロピルエチルアミンがより好ましい。
【0035】
XがOHを示すとき、反応は、一般的に、不活性溶媒中、脱水剤の存在下、必要に応じて塩基の存在下、好ましくは−30℃ないし50℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0036】
不活性溶媒の例は、ジクロロメタンもしくはトリクロロメタンなどのハロ炭化水素類、ベンゼンなどの炭化水素、ニトロメタン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルである。溶媒の混合物を用いることも同様に可能である。ジクロロメタンおよびジメチルホルムアミドが特に好ましい。
【0037】
適する脱水剤の例は、カルボジイミド類、例えば、N,N’−ジエチル−、N,N−ジプロピル−、N,N−ジイソプロピル−、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(PS−カルボジイミド)、またはカルボニル化合物、例えばカルボニルジイミダゾール、または、1,2−オキサゾリウム化合物、例えば2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−サルフェート、または2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウムパークロレート、または、アシルアミノ化合物、例えば2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、またはプロパンホスホン酸無水物、または、イソブチルクロロホルメート、または、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスホリルクロリド、または、ベンゾトリアジルオキシトリ(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、または、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、または、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、または、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、N−ヒドロキシスクシンイミド、またはこれらの塩基との混合物である。
【0038】
塩基の例は、アルカリ金属炭素塩、例えば、炭酸ナトリウムまたはカリウム、または、重炭素塩、有機塩基、例えばトリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、4−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンもしくはジイソプロピルエチルアミンである。
【0039】
反応は、好ましくは、4−メチルモルホリンの存在下、HATUを用いて実施する。
式(II)の化合物は、これらの場合において、式(II)の化合物の分子内環化に続き、当業者に既知の方法による保護基の除去ができるように、必要に応じて保護基を有する。
【0040】
本明細書で使用される“適当な保護基”なる用語は、当業者に既知であり、特定の官能基を覆うために使用でき、その後、脱保護される分子においてさらなる変化を起こすことなく再び除去できる、すべての保護基を含む。
【0041】
例えば、一級または二級ヒドロキシ基は、開裂可能なエーテル、特にメトキシメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジルオキシメチル、ベンジル、tert−ブチル、テトラヒドロピラニル、アリル、p−クロロフェニル、p−ニトロフェニルまたはトリフェニルメチルエーテルとして保護され得る。シリルエーテルは、ヒドロキシ基、例えばトリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)またはトリフェニルシリルエーテルを保護するためのさらなる可能性を表す。ヒドロキシ基は、さらにまた、エステル基、例えばアセチル、ベンゾイル、プロピオニル、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルまたはクロチルエステルにより保護され得る。その上、これらの炭酸塩、例えば、炭酸メチル、炭酸アリル、炭酸ベンジルは、また、アルコールを保護するために適当である。さらにアルコールに対する保護基として硫酸またはスルホン酸のエステル、例えば、硫酸エステル、硫酸アリル、p−トルエンスルホネート(トシレート)または硫酸メチルを使用することが可能である。
【0042】
ヒドロキシ基に対する好ましい保護基は、tert−ブチルエーテルまたはシリルエーテル、とりわけtert−ブチルジメチルシリルエーテルである。
グアニジノ基に対する適当な保護基は、原則としてヒドロキシ基に対するものと同じであり、この場合好ましくは(2,2,5,7,8−ペンタメチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−6−イル)スルホニル基(PMC基)である。
【0043】
カルボキシ基は、これらのアルキル、シリル、アリールアルキルまたはアリールエステル、例えばメチル、エチル、tert−ブチル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、ベンジル、ピコリル、トリクロロエチルまたはトリメチルシリルエステルの形態で保護され得る。カルボキシ基は、また、様々なアミド、アニリドまたはヒドラジド、例えばN,N−ジメチルアミド、ピロリジニルアミド、ピペリジニルアミド、o−ニトロアニリド、N−7−ニトロインドリルアミドまたはN−フェニルヒドラジドの形態で保護され得る。その上、これらは、また、オルトエステル、例えばトリメチルオルトエステルとして保護され得る。カルボン酸は、好ましくはこれらのエステル、とりわけメチルまたはトリメチルシリルエチルエステルの形態で保護され得る。
【0044】
アミノ基を保護するために特に適当な基は、開裂可能なカルバメート、例えばメトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBzまたはZ)、アリルオキシカルボニル(alloc)、9−フルオロエニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−トリメチルシリルエチルカルボニル、1−アダマンチルカルボニル、m−ニトロフェニル基を有するものである。アミノ基は、さらにまた、簡単に開裂可能なアミドまたはイミド、例えばホルムアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、ベンゾイルアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、フタリミド、テトラクロロフタリミドまたはニトロフタリミドの形態で保護され得る。特定のアルキル基、例えば、tert−ブチル基、メチル基、トリフェニルメチル基、フェロセンメチル基またはアリル基、または、アリール基、例えば、2,4−ジニトロフェニル基を有する開裂可能なアミンの形成が、アミノ基を保護するためのさらなる可能性である。
【0045】
カルバメートは、中でも、特にtert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBzまたはZ)または9−フルオロエニルメトキシカルボニル基(Fmoc)は、アミノ基を保護するために好ましく使用する。
【0046】
ここに挙げられた保護基は単に例を提供するものであり、可能性のあるすべてを網羅していない。この範囲のさらなる広範な処理は、とりわけT. W. Greene, P. G. M. Wuts Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, John Wiley & Sons Inc. 1999で見られる。
【0047】
本明細書で使用されるPGにより示される基は、1個の分子において、同じまたは異なる適当な保護基、または同じまたは異なる保護基とHの組合せ、または独占的にHであり得る。
【0048】
式(II)の化合物は、好ましくは下記式(IIa)
【化5】

[式中、
XおよびRは、上記定義のとおりであり、
は、イソプロピルメチル、tert−ブチルメチル、2,2−ジメチルブト−1−イル、2−エチル−2−メチルブト−1−イル、2,2−ジエチルブト−1−イル、2,2−ジメチルペント−1−イル、3−ピリジルメチル、4−トリフルオロメチル−3−ピリジルメチル、ベンジルまたはトリメチルシリルメチルであり、
は、イソプロピルメチル、tert−ブチルメチル、2,2−ジメチルブト−1−イル、2−エチル−2−メチルブト−1−イル、2,2−ジエチルブト−1−イル、2,2−ジメチルペント−1−イル、トリメチルシリルメチルまたはベンジルであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物である。
【0049】
は、好ましくはイソプロピルメチル、tert−ブチルメチルまたは3−ピリジルメチルであり、特にRはイソプロピルメチルである。
は、好ましくはイソプロピルメチル、tert−ブチルメチルまたはトリメチルシリルメチルであり、特にRはイソプロピルメチルである。
Xは好ましくはOHである。
は好ましくはCHである。
【0050】
本発明のさらなる態様において、化合物(II)は、下記式(III)で示される化合物と下記式(IV)で示される化合物
【化6】

【化7】

[式中、
からRは、上記定義のとおりであり、
Yは、OH、活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
をカップリングし、そして、必要に応じて、中間体を部分的または完全に脱保護し、かつ、必要に応じて3−ヒドロキシフェニルアラニンのカルボキシ基を式−C(=O)X(ここで、Xは上記定義のとおりである)の基に変換することにより製造する。
【0051】
式(III)で示される化合物は、特に下記式(IIIa)
【化8】

[式中、
およびRは、上記定義のとおりであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物である。
【0052】
カップリングは、分子内環化ついて上記したものと同じかまたは異なる条件下で実施できる。したがって、カップリングは下記求核攻撃により実施する。
【0053】
3−ヒドロキシフェニルアラニンのカルボキシ基の式−C(=O)Xの基への変換は当業者に既知の方法により実施できる。
【化9】

【0054】
中間体において存在する保護基は、所望の生成物のものに、完全または部分的に対応してもよく、または全く対応しなくてもよい。これらは、必要に応じて当業者に既知の方法により除去、置換または結合させ得る。
【0055】
本発明のさらなる態様において、式(III)で示される化合物は、下記式(V)で示される化合物と下記式(VI)で示される化合物
【化10】

【化11】

[式中、
からRは、上記定義のとおりであり、
Zは、OH、活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
をカップリングし、そして、必要に応じて、中間体を部分的または完全に脱保護することにより製造する。
【0056】
式(V)で示される化合物は、したがって特に下記式(Va)
【化12】

[式中、
およびRは、上記定義のとおりであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物である。
【0057】
カップリングは、上記カップリングまたは分子内環化について上記したものと同じかまたは異なる条件下で実施できる。したがって、カップリングは下記求核攻撃により実施する。
【化13】

【0058】
中間体において存在する保護基は、所望の生成物のものに、完全または部分的に対応してもよく、または全く対応しなくてもよい。これらは、必要に応じて当業者に既知の方法により除去、置換または結合させ得る。
【0059】
本発明は、さらに下記式(III)
【化14】

[式中、
からRは、上記定義のとおりであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物、
特に、下記式(IIIa)
【化15】

[式中、
およびRは、上記定義のとおりであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物、
とりわけ下記式(IIIb)
【化16】

で示される化合物に関する。
【0060】
本発明はさらに式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物をカップリングし、そして、必要に応じて、中間体を部分的または完全に脱保護することを含む、式(III)で示される化合物の製造法に関する。
【0061】
本発明はさらに下記式(VI)
【化17】

[式中、
Zは、OH、活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物、
特に、下記式(VIa)
【化18】

で示される化合物
ならびに式(VI)で示される化合物の製造法であって、下記式(VII)で示される化合物と下記式(VIII)で示される化合物
【化19】

【化20】

[式中、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
をカップリングし、そして、必要に応じて、中間体を部分的または完全に脱保護することを含む方法に関する。
【0062】
したがって、式(VII)および(VIII)の化合物は、特に、各々下記式(VIIa)および(VIIIa)の化合物である。
【化21】

【化22】

【0063】
本発明の製造法および本発明の化合物の製造法を、リソバクチンの合成に関する下記合成スキームにより、より詳細に説明する。
【0064】
この方法は、様々なフラグメントのモジュール構築を基礎とし、次にこれを組合せ、式(II)の化合物を得る。式(II)の化合物を、次に分子内環化に付し、そして、必要に応じて、所望の生成物を得るために脱保護する。
【0065】
驚くべきことに、本発明において、構成要素の選択および結合させる順序により影響されて、それらの鎖中にエステル結合をすでに有する式(II)の開鎖分子を製造できることが明らかになった。さらに、これらの開鎖化合物はエステル結合の存在下で環化でき、所望の環状デプシペプチドを得ることができることを見いだした。
【0066】
合成スキーム1にしたがって、フラグメント1は、(2S,3S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−オキソ酪酸およびBoc−グリシンN−ヒドロキシスクシンイミドエステルから出発して合成する。
【化23】

【0067】
フラグメント2は、合成スキーム2にしたがって、3−ヒドロキシフェニルアラニンから出発して合成する。
【化24】

【0068】
フラグメント3は、合成スキーム3にしたがって、N−(ベンジルオキシカルボニル)−D−ロイシンおよびメチルL−ロイシナートから出発して合成する。任意のRからR基を有する式(I)の化合物は、この工程で2個のロイシン誘導体を置換することにより製造できる。
【0069】
次にフラグメント2および3を、次に合成スキーム4にしたがってカップリングし、部分的に脱保護し、得られた中間体をN−(tert−ブトキシカルボニル)−O−tert−ブチル−L−セリンと反応させ、さらなる脱保護後、部分的に脱保護されたフラグメント4を得る。
【化25】

【化26】

【0070】
この方法で得られたフラグメント4を、合成スキーム5にしたがってフラグメント1とカップリングし、部分的脱保護後、フラグメント5を得る。
【化27】

【0071】
次に、フラグメント5を、合成スキーム6にしたがって、フラグメント6とカップリングする。このフラグメント6は、既知の方法により製造できるペンタペプチドである。リソバクチンの代わりに、フラグメント6の2位のロイシンをバリンで置換することによりカタノシンAを製造することが可能である。得られた中間体を脱保護し、式(II)の化合物を表すフラグメント7を得る。合成スキーム7にしたがって、分子内環化し、次に脱保護し、所望の環状デプシペプチド、この場合はリソバクチン、を得る。
【化28】

【化29】

【実施例】
【0072】
リソバクチンのデノボ合成
略号
【表1】

【0073】
物質および方法
分析法−HPLC/UV
方法1
HPLC装置タイプ:HP 1100 シリーズ;UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2 μ ヒドロ−RP Mercury 20mm×4mm;溶離剤A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸、溶離剤B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分.2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0074】
方法2
装置:HP 1100 DAD検出;カラム:Kromasil 100 RP−18、60mm×2.1mm、3.5μm;溶離剤:A=5mlのHClO(70%)/lのHO、B=ACN;勾配:0分 2%B、0.5分 2%B、4.5分 90%B、9分 90%B、9.2分.2%B、10分 2%B;流速:0.75ml/分;カラム 温度:30℃;検出:UV210nm。
【0075】
方法3
装置:Agilent 1100 DAD(G1315B)、バイナリポンプ(G1312A)、オートサンプラー(G1313A)、溶媒ガス除去装置(G1379A)およびカラムサーモスタット(G1316A);カラム:Agilent Zorbax Eclipse XDB−C8 4.6×150×5mm;カラム温度:30℃;溶離剤A:0.05%の水中で70%の過塩素酸;溶離剤B:アセトニトリル;流速:2.00ml/分;勾配:0−1分 10%B、ramp、4−5分 90%B、ramp、5.5分 10%B。
【0076】
方法4
HPLC装置タイプ:HP 1050 シリーズ;UV DAD;カラム:Zorbax 300 mSB−C18 3.5μ、4.6mm×150mm;溶離剤A:1lの水+0.1%のTFA、溶離剤B:0.1%のTFAを有する水中で60%のアセトニトリル;勾配:0.0分 10%B、ramp、18.0分 80%B、20.0分 100%B、25.0分 100%B.流速:1ml/分;オーブン:40℃;UV検出:210nm。
【0077】
方法5
HPLC装置タイプ:HP 1050 シリーズ;UV DAD;カラム:Zorbax 300 mSB−C18 3.5μ、4.6mm×150mm;溶離剤A:1lの水+0.1%のTFA、溶離剤B:0.1%のTFAを有する水中で60%のアセトニトリル;勾配:0.0分 10%B、2.00分 10%B、ramp、50.0分 80%B、52.0分 100%B、55分 100%B.流速:0.7ml/分;オーブン:40℃;UV検出:210nm。
【0078】
方法6
Agilent 1100 DAD(G1315B)、バイナリポンプ(G1312A)、オートサンプラー(G1313A)、ガス除去装置(G1379A)およびカラムサーモスタット(G1316A);カラム:Phenomenex Gemini 5m C 18、50×2mm;オーブン温度:40℃;溶離剤A:水+0.1%のギ酸;溶離剤B:アセトニトリル;流速:2.00ml/分;勾配:0−1分 0%B、ramp、0 5分 100%B、5.50分 100%B。
【0079】
方法7
Daicel Chiralpak AD−H 5mm 250mm×2.0mm、n−ヘプタン/エタノール 95+5、流速:0.2ml/分、UV検出 220nm。
【0080】
分析法−HPLC/MS、MALDI、HR−MS
方法8
MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795/HP 1100;カラム:Phenomenex Synergi 2μ ヒドロ−RP Mercury 20mm×4mm;溶離剤A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸、溶離剤B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0081】
方法9
MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795/HP 1100;カラム:Phenomenex Gemini 3μ C−18 100Å、30mm×3mm;溶離剤A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸、溶離剤B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0082】
方法10
UV検出:210nm.MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ ヒドロ−RP Mercury 20mm×4mm;溶離剤A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸、溶離剤B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0083】
方法11
装置:HPLC Agilent シリーズ 1100を備えたMicromass Platform LCZ ;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;溶離剤A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸、溶離剤B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分 100%A→0.2分 100%A→2.9分 30%A→3.1分 10%A→5.5分 10%A;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
【0084】
方法12
装置:HPLC Agilent シリーズ 1100を備えたMicromass Platform LCZカラム:Thermo HyPURITY Aquastar 3μ 50mm×2.1mm;溶離剤A:1lの水+0.5mlの50%のギ酸、溶離剤B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%のギ酸;勾配:0.0分 100%A→0.2分 100%A→2.9分 30%A→3.1分 10%A→5.5分 10%A;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
【0085】
方法13
装置:DADおよびオートサンプラーを備えたMicromass LCT;イオン化:ESI positive/negative;HP1100;オーブン 40℃;カラム:Waters Symmetry C−18、50×2.1mm、3.5μm;溶離剤A:0.1%のギ酸/アセトニトリル、溶離剤B:0.1%のギ酸/水;流速:0.5ml/分;勾配:0−1分 0%A、1−6分 90%A、6−8分 100%A、8−10分 100%A、10−15 0% A。
【0086】
方法14
TOF−HR−MS−ESI+スペクトルをMicromass LCT 装置(キャピラリー電圧:3.2KV、コーン電圧:42V、ソース温度:120℃、脱溶媒和温度:280℃)で記録する。シリンジポンプ(Harvard Apparatus)は、この方法で、サンプルを供給するために使用される。ロイシン−エンケファリン(Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu)を標準として使用する。
【0087】
分取的分離法−HPLC、ゲルクロマトグラフィー
方法15
装置:Gilson Abimed HPLC;バイナリポンプシステム;カラム:Nucleodur C18 Gravity、Macherey−Nagel、5μm;250×21mm;溶離剤A:水/0.05%−0.1%のTFA、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0−8分 5%B、8−40分 5−60%B、40−60分 60%B、60−75分 60−100%B、75−80分 100%B、そして次にクロマトグラフィーカラムの再生;流速:7−15ml/分;UV検出210nm。
【0088】
方法16
装置:Gilson Abimed HPLC;バイナリポンプシステム;カラム:Kromasil−100A C18、5μm;250×30mm;溶離剤A:水/0.05−0.5%のTFA、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0−5分 5%B、5.01−10分 10%B、10.01−20分 40%B、20.01−27分 50%B、27.01−40分 60%B、40.01−45分 90%B、45.01−60分 100%B;流速:15−60ml/分;UV検出210nm。
【0089】
方法17
Gilson Abimed HPLC;UV検出210nm;カラム:Kromasil RP−18 5μm、100Å、250×20mm;溶離剤A:水+0.05%のTFA、溶離剤B:アセトニトリル+0.05%のTFA:流速:10ml/分;0−3分 5%B、ramp、35分 90%B。
【0090】
方法18
Gilson Abimed HPLC;UV検出210nm;カラム:Gromsil ODS−4HE 10μm、250×40mm;溶離剤A:水+0.05%のTFA、溶離剤B:アセトニトリル+0.05%のTFA:流速:20ml/分;0−3分 10%B、ramp、30−35分 90%B、35−40分 90%B。
【0091】
方法19
Gilson Abimed HPLC;UV検出210nm;カラム:Waters Symmetry−PrepTM C−18、7μm、300×19mm;溶離剤A:水+0.05%のTFA、溶離剤B:アセトニトリル+0.05%のTFA:流速:10ml/分;0−3分 10%B、ramp、30−38分 90%B、38−45分 10%B。
【0092】
方法20
ゲルクロマトグラフィーは、圧力なしでSephadex LH−20(Pharmacia)で実施する。画分をUV活性(UV検出器 254nm、Knauer)にしたがって(ISCO Foxy 200 fraction collector)で取る。カラム寸法:32×7cm(1000−100μmolスケール);30×4cm(100−10μmolスケール);25×2cm(10−1μmolスケール)。メタノールを溶離剤として使用する。
【0093】
方法21
Gilson Abimed HPLC;UV検出 210nm;カラム:Biotage Flash40 RP−18または互換モジュール Varian Metaflash C18 40M、35μm、150×40mm;溶離剤A:水+0.05%のTFA、溶離剤B:アセトニトリル+0.05%のTFA:流速:40ml/分;0−3分 10%B、ramp、30−38分 90%B、38−45分 10%B。
【0094】
一般的実施方法
製造法1
出発物質を30%のTFA(ジクロロメタン中の溶液)に取り、室温で30分撹拌する。次に溶媒を浴温度が30℃を超えないようにしながら真空蒸留する。次に生成物をオイルポンプ真空下で一定重量に乾燥する。
【0095】
A.化合物の製造
実施例化合物1A:N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アロスレオニン
【化30】

L−アロ−スレオニン(3.15g、26.44mmol)を水−ジオキサン(1+2、75ml)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(6.35g、29.09mmol、1.1当量)およびトリエチルアミン(4.79ml、34.38mmol、1.3当量)を加え、混合物を室温で一晩撹拌する。溶媒を次に真空除去する。残渣を酢酸エチルに取り、1Mのクエン酸で抽出する。水性相を生成物がもはや(HPLC、方法3)で観察できなるまで酢酸エチルで抽出する。合わせた有機抽出物を次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、オイルポンプ真空下で一定重量に乾燥する。生成物をさらに精製することなく反応させる。収量:6.5gの粗生成物。
HPLC(方法3):R=3.23分。LC−MS(方法11):R=2.51分、MS(ESIneg):m/z(%)=217.8(100)[M−H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ (ppm) = 1.08 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 1.38 (s, 9H), 3.72-3.84 (m, 2H), 6.77 (d, J = 7.4 Hz, 1H)。
【0096】
実施例化合物2A:ベンジルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アロトレオニネート
【化31】

方法は下記文献と同様に実施した:S. B. Cohen, R. Halcomb, J. Am. Chem. Soc 2004, 124, 2534-2543. W. Jiang, J. Wanner, R. J. Lee, P.-Y. Bounaud, D. L. Boger, J. Am. Chem. Soc 2003, 125, 1877-1887。
実施例化合物1A(6.8gの粗生成物、26.44mmol)をメタノール(177ml)に取り、炭酸セシウム(5.56g、17.06mmol、0.63当量)を加え、混合物を溶解が完了するまで撹拌する。溶媒を次に蒸留により除去し、DMF(42ml)、次に臭化ベンジル(4.06ml、34.12mmol、1.26当量)を加える。混合物を16時間撹拌し、次に大部分のDMFを真空除去する。残渣を水に取り、3部のジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。粗生成物をBiotage RP18−Flash(水−アセトニトリル勾配:0−5分 10%のACN、3−30分 10−90%のACN、30−35分 90%のACN;流速:20ml/分)で精製する。生成物含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:5.00g(16.16mmol、理論値の52%)の表題化合物。
HPLC(方法3):R=4.36分。
LC−MS(方法8):R=2.39分、MS(ESIpos):m/z(%)=332.6(25)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 1.09 (d, J = 6.4, 3H), 1.37 (s, 9H), 3.82 (m, 1H), 3.95 (dd, J = 6.4, J = 8.1 Hz), 4.98 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 5.09 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.31-7.37 (m, 5H)。
【0097】
実施例化合物3A:ベンジルL−アロトレオニネートトリフルオロアセテート
【化32】

530mgの実施例化合物2Aを、製造法1にしたがって、8.0mlのTFA溶液と反応させる。粗生成物(589mg、定量)をさらに精製することなくさらに反応させる。
HPLC(方法3):R=3.18分。
LC−MS(方法11):R=2.24分、MS(ESIpos):m/z(%)=210.0(100)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 1.15 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 4.09-4.10 (m, 2H), 5.26 (s, 2H), 7.36-7.44 (m, 5H), 8.34 (br. S, 2H)。
【0098】
実施例化合物4A:ベンジル[N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−イソロイシル]−L−アロトレオニネート
【化33】

実施例化合物3A(2.30g、7.12mmol)およびN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−イソロイシン(2.14g、9.25mmol、1.3当量)をDMF(21.0ml)に溶解する。4−メチルモルホリン(1.3ml、12.02mmol、1.7当量)およびHATU(3.52g、9.25mmol、1.3当量)を加え、混合物を室温で16時間撹拌する。完全な混合物を次に、最初に方法20にしたがって、次に方法21にしたがって、クロマトグラフィーにより精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。薄いベージュ色不定形固体として収量:1.75g(4.14mmol、理論値の58%)。
HPLC(方法3):R=4.59分。
LC−MS(方法8):R=2.56分、MS(ESIpos):m/z(%)=423.8(70)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.74-0.78 (m, 6H), 1.01-1.07 (m, 2H), 1.10 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.37 (s, 9H), 1.64-1.66 (m, 1H), 3.86-3.94 (m, 1H), 4.28 (dd, J = 7.3, J = 7.3 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 5.6 Hz), 5.09 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.31-7.36 (m, 5H), 8.11 (d, J = 8.1 Hz)。
HR−TOF−MS(方法14):C2235計算値423.2490、実測値423.2489[M+H]
【0099】
実施例化合物5A:ベンジルL−イソロイシル−L−アロトレオニネートトリフルオロアセテート
【化34】

実施例化合物4A(224mg、0.53mmol)を製造法1にしたがって、8.0mlのTFA溶液で処理する。253mgの実施例5Aの粗生成物(約91%純粋、0.53mmol、定量)を得、さらに精製することなく反応させる。
HPLC(方法3):R=3.51分。
LC−MS(方法8):R=1.58分、MS(ESIpos):m/z(%)=323.6(100)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.77-0.86 (m, 6H), 1.02 (m, 1H), 1.15 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.45 (m, 1H), 1.77 (m, 1H), 3.97 (m, 1H), 4.34 (m, 1H), 5.11 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 7.37-7.39 (m, 5H), 7.47 (m, 1H), 8.07-8.08 (m, 3H), 8.69 (d, J = 7.3 Hz, 1H)。
【0100】
実施例化合物6A:ベンジル[N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アルギニル]−L−イソロイシル−L−アロトレオニネート
【化35】

実施例化合物5A(253mg、91%純粋、0.53mmol)およびN−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アルギニン(145mg、0.53mmol、1当量)をDMF(3.0ml)に溶解する。4−メチルモルホリン(76μl、0.70mmol、1.3当量)およびHATU(221mg、0.58mmol、1.1当量)を加え、混合物を室温で16時間撹拌する。完全な混合物を次にHPLCカラムに置き、クロマトグラフィー(方法18)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:364mg(0.53mmol、理論値の99%)の表題化合物。
HPLC(方法3):R=3.91分。
LC−MS(方法8):R=2.04分、MS(ESIpos):m/z(%)=579.9(100)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.72-1.16 (m, 8H), 1.37 (s, 9H), 1.46 (m, 2H), 1.60 (m, 1H), 1.69 (m, 1H), 3.06 (m, 2H), 3.93-4.01 (m, 2H), 4.25 (m, 1H), 4.33 (m, 1H), 5.07-5.14 (m, 2H), 6.96 (d, J = 7.8, 1H), 7.35 (m, 5H), 7.45 (m, 1H), 7.66 (d, J = 8.8), 8.33 (m, 1H)。
【0101】
実施例化合物7A:ベンジルD−アルギニル−L−イソロイシル−L−アロトレオニネートビストリフルオロアセテート
【化36】

実施例化合物6A(237mg、0.34mmol)を、製造法1にしたがって、2.0mlのTFA溶液で処理する。255mgの実施例化合物7Aの粗生成物(94%純粋、0.34mmol、定量)を得、さらに精製することなく反応させる。
HPLC(方法3):R=3.42分。
LC−MS(方法11):R=2.42分、MS(ESIpos):m/z(%)=479.3(50)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.73-0.81 (m, 5H), 1.11-1.19 (m, 5H), 1.33-1.49 (m, 3H), 1.74 (m, 3H), 3.10 (m, 2H), 3.88-3.95 (m, 2H), 4.25 (dd, J = 6.8, J = 7.1 Hz, 1H), 4.46 (dd, J = 7.3, J = 8.8 Hz, 1H), 5.09 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 5.15 (dd, J = 12.5 Hz), 7.36 (m, 5H), 7.61 (m, 1H), 8.10 (m, 2H), 8.51 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.57 (d, J = 9.0 Hz, 1H)。
【0102】
実施例化合物8A:ベンジル[N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ロイシル]−D−アルギニル−L−イソロイシル−L−アロトレオニネートトリフルオロアセテート
【化37】

実施例化合物7A(240mg、0.34mmol)およびN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ロイシン(79mg、0.34mmol、1当量)をジクロロメタン−DMF(5+1、6ml)に溶解する。ジイソプロピルエチルアミン(296μl、1.70mmol、5当量)およびHATU(194mg、0.51mmol、1.5当量)を加え、混合物を室温で24時間撹拌する。完全な混合物を次にゲルクロマトグラフィーカラムに置き、クロマトグラフィー(方法20、溶離剤はメタノールである)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、濃縮する。収量:146mg(0.18mmol、理論値の53%)の表題化合物。
HPLC(方法3):R=4.15分。
LC−MS(方法8):R=1.92分、MS(ESIpos):m/z(%)=692.8(100)、[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.72-1.23 (m, 22H), 1.37 (s, 9H), 1.38-1.71 (m, 3H), 3.08 (m, 2H), 3.91-4.00 (m, 2H), 4.26 (m, 1H), 4.33-4.42 (m, 2H), 5.07-5.15 (m, 2H), 6.92 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.35 (m, 5H), 7.47 (m, 1H), 7.88 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 7.3 Hz, 1H)。
【0103】
実施例化合物9A:ベンジルL−ロイシル−D−アルギニル−L−イソロイシル−L−アロトレオニネートビストリフルオロアセテート
【化38】

実施例化合物8A(220mg、0.27mmol)を、製造法1にしたがって、2.0mlのTFA溶液で処理する。223mgの実施例9Aの粗生成物(0.27mmol、定量)を得、さらに精製することなく反応させる。
HPLC(方法2):R=3.80。
LC−MS(方法11):R=2.54分、MS(ESIpos):m/z(%)=592.4(2)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.73-1.11 (m, 13H), 1.22-1.74 (m, 12H), 3.11 (m, 4H), 3.60 (m, 2H), 3.87 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 4.25 (m, 1H), 4.38 (dd, J = 7.8, J = 8.6 Hz, 1H), 4.64 (dd, J = 7.8, J = 13.7 Hz, 1H), 5.09 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 7.35 (m, 5H), 7.58 (m, 1H), 8.07 (m, 2H), 8.25 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.39 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.77 (d, J = 8.3 Hz, 1H)。
【0104】
実施例化合物10A:ベンジル[(3R)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ヒドロキシ−L−ロイシル]−L−ロイシル−D−アルギニル−L−イソロイシル−L−アロトレオニネートトリフルオロアセテート
【化39】

実施例化合物9A(223mg、0.27mmol)およびN−(tert−ブトキシカルボニル)−(3R)−3−ヒドロキシ−L−ロイシン(89mg、0.33mmol、1.22当量)をDMF(6ml)に溶解し、溶液を−20℃に冷却する。4−メチルモルホリン(150μl、1.36mmol、5当量)およびHATU(165mg、0.44mmol、1.6当量)を加え、混合物を室温で16時間撹拌する。完全な混合物を次にゲルクロマトグラフィーカラムに置き、クロマトグラフィー(方法20、溶離剤はメタノールである)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、濃縮する。収量:188mg(0.20mmol、理論値の74%)の表題化合物。
HPLC(方法3):R=4.24分。
LC−MS(方法9):R=1.99分、MS(ESIpos):m/z(%)=821.9(100)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.71-0.90 (m, 15H), 1.00 (m, 1H), 1.10 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.24-1.26 (m, 3H), 1.38 (s, 9H), 1.42-1.71 (m, 6H), 3.06-3.17 (m, 3H), 3.45 (m, 1H), 3.61 (m, 1H), 3.93 (m, 1H),
4.05 (m, 1H), 4.26 (m, 1H), 4.35 (m, 2H), 4.54 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.07-5.15 (m, 2H), 5.45 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.35 (m, 5H), 7.46 (m, 1H), 7.85 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 7.6 Hz, 1H)。
【0105】
実施例化合物11A:[(3R)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ヒドロキシ−L−ロイシル]−L−ロイシル−D−アルギニル−L−イソロイシル−L−アロスレオニントリフルオロアセテート
【化40】

実施例化合物10A(100mg、0.11mmol)を氷酢酸(4.3ml)に溶解し、10%のパラジウム活性炭素(22mg)を加え、混合物を大気圧下で室温で2時間水素化する。触媒を濾去し、濾液を凍結乾燥する。粗生成物をクロマトグラフィー(方法17)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。58mg(60μmol、理論値の55%)の表題化合物を得る。
HPLC(方法3):R=3.75分。
LC−MS(方法9):R=1.80分、MS(ESIpos):m/z(%)=731.8(100)[M+H]
【0106】
実施例化合物12A:[N−(tert−ブトキシカルボニル)−グリシル]−(3S)−3−ヒドロキシ−O−メチル−L−アスパラギン酸
【化41】

(3S)−3−ヒドロキシアスパラギン酸をG. Cardillo, L. Gentilucci, A. Tolomelli, C. Tomasini, Synlett 1999, 1727-1730の方法にしたがって製造し、P. G. Mattingly, M. J. Miller, J. Org. Chem. 1983, 48, 3556-3559に類似して密閉反応器中でマイクロウェーブを使用して、(2S,3S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−オキソ酪酸ヒドロクロライドに変換する。
(2S,3S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−オキソ酪酸ヒドロクロライド(447mg、2.24mmol)をDMF(9ml)に溶解する。溶液を0℃に冷却し、Boc−グリシンN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(763mg、2.91mmol、1.3当量)、DMAP(14mg、0.11mmol、0.05当量)および最後にDIEA(1170μl、6.72mmol、3当量)を加える。混合物をゆっくり室温に温め、次にさらに2時間撹拌する。混合物を氷酢酸で酸性化し、アセトニトリルと混合し、Sephadex LH20(方法20)のクロマトグラフィーに付す。生成物−含有画分を合わせ、濃縮し、再びクロマトグラフィー(方法21)に付す。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。得られた生成物(761mg、定量)をさらに精製することなくさらに反応させる。分析目的のため、純粋なサンプルをHPLC(方法19)により得る。
HPLC(方法3):R=3.15分。
LC−MS(方法8):R=1.17分、MS(ESIpoS)=321.2[M+H]
[α]20Na=+39°(c=0.55、MeOH)。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 1.40 (s, 9H), 3.49-3.60 (m, 2H), 3.61 (s, 3H), 4.29 (m, 1H), 4.73 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.01 (m, 1H), 7.49 (d, J = 6.99 Hz, 1H)。
13C-NMR (d6-アセトン, 126 MHz, DEPT) δ(ppm) = 28.5 (CH3), 42.2 (CH2), 51.8 (CH3), 53.7 (CH), 56.0 (CH), 79.2 (quat), 169.6 (quat), 169.7 (quat), 172.8 (quat), 173.8 (quat)。
HR−TOF−MS(方法14):C1222[M+H]計算値:321.1298、実測値:321.1299。
【0107】
実施例化合物13A:[N−(tert−ブトキシカルボニル)−グリシル]−(3S)−3−ヒドロキシ−L−アスパラギン
【化42】

実施例化合物12A(353mg、1.10mmol)を25%の水性アンモニア(1.70ml)に溶解し、混合物をRTで約2時間撹拌する。反応が完了したらすぐに(HPLCにより検出、方法3)、混合物をオイルポンプ真空下で乾燥濃縮し、残渣をHPLC(方法17)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:無色固体として172mg(理論値の51%)の表題化合物。
HPLC(方法3):R=2.70分。
LC−MS(方法11):R=2.21分、MS(ESIpos):m/z(%)=306(70)[M+H]
【0108】
実施例化合物14A:(3R)−3−ヒドロキシフェニルアラニン
【化43】

この実施例化合物をBelokon (Y. N. Belokon, K. A. Kochetkov, N. S. Ikonnikov, T. V. Strelkova, S. R. Harutyunyan, A. S. Saghiyan, Tetrahedron: Asymmetry 2001, 12, 481-485)の方法にしたがって合成する。
LC−MS(方法12):R=0.41分、MS(ESIpos):m/z(%)=182.1(100)[M+H]
[α]20Na=−21°(c=0.1、MeOH)。Lit (D. Alker, G. Hamblett, L. M. Harwood, S. M. Robertson, D. J. Watkin, C. E. Williams, Tetrahedron 1998, 54, 6089-6098):[α]22Na=−20°(c=0.8、MeOH)。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ(ppm) = 3.84 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 7.30-7.36 (m, 5H)。
【0109】
実施例化合物15A:N−ブトキシカルボニル−(3R)−3−ヒドロキシフェニルアラニン
【化44】

実施例化合物14A(0.5g、2.76mmol)を1,4−ジオキサン−水(2+1、9ml)に取り、トリエチルアミン(500μl、3.59mmol、1.3当量)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(660mg、3.04mmol、1.3当量)を加える。混合物を室温で16時間撹拌し、次に1Mのクエン酸を使用して停止する。混合物を、生成物がもはや水性相でHPLC(方法3)により検出できなくなるまで、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。759mg(2.70mmol、理論値の98%)の表題化合物を残渣中で無色油状物として得る。
HPLC(方法3):R=3.89分。
LC−MS(方法8):R=1.87分、MS(ESIpos):m/z(%)=282.3(40)[M+H]
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ (ppm) = 1.27 (s, 9H, COC(CH3)3), 4.21 (m, 1H), 5.09 (s, 1H), 6.30 (d, J = 9.8 Hz), 7.22-7.34 (m, 5H)。
キラルHPLC(方法7):e.e.94.1%。
【0110】
実施例化合物16A:メチルN−ブトキシカルボニル−(3R)−3−ヒドロキシフェニルアラニネート
【化45】

実施例化合物16A(331mg、1.11mmol)をジクロロメタン−メタノール(5+1、12ml)に溶解し、0℃に冷却し、トリメチルシリルジアゾメタン(THF中で2M、1.66ml、3.32mmol、3当量)を滴下する。混合物を0℃でさらに30分撹拌し、次に数滴のTFAを脱色が起こるまで加える。溶媒を留去し、残渣として表題化合物(345mg、HPLCにしたがって95%純粋)を定量的収量で黄色がかった油状物として残る。
HPLC(方法3):R=4.26分。
LC−MS(方法8):R=2.11分、MS(ESIpos):m/z(%)=296.3(50)[M+H]
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 1.27 (s, 9H, COC(CH3)3), 3.60 (s, 3H, OCH3), 4.31 (dd, J = 3.8, J = 9.3 Hz, 1H), 5.03 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 5.68 (br s, 1H), 6.62 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.23-7.34 (m, 5H)。
【0111】
実施例化合物17A:メチル(3R)−3−ヒドロキシ−フェニルアラニネートトリフルオロアセテート
【化46】

実施例化合物16A(345mg、1.17mmol)をジクロロメタン(10ml)中の30%のTFAに溶解し、RTで15分撹拌する。溶媒を次に留去する。残渣を一定重量にオイルポンプ真空下で乾燥させる。黄色油状物として収量:401mg(定量)、これをさらに精製することなく次の工程で使用する。
HPLC(方法3):R=2.51分。
LC−MS(方法8):R=0.30分、MS(ESIpos):m/z(%)=196.1(20)[M+H]
【0112】
実施例化合物18A:メチル[N−(ベンジルオキシカルボニル)−D−ロイシル]−L−ロイシナート
【化47】

−(ベンジルオキシカルボニル)−D−ロイシン(BACHEM Cat No zl3351.)(6.37g、24mmol)およびメチルL−ロイシナート(3.49g、24mmol、1当量)を0℃でDMF(75ml)に溶解し、次にNMM(5.28ml、48mmol、2当量)およびHATU(13.69g、36mmol、1.5当量)を加える。混合物を室温で3時間撹拌する。MTBEおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液を加え、抽出を行う。水性相を再び2部のMTBEで抽出し、合わせた有機相を次に1Mのクエン酸および再び飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。残渣を2部のクロマトグラフィー(Biotage 40M、シクロヘキサン/酢酸エチル3+1)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:7.85g(理論値の80%)の表題化合物。
HPLC(方法3):R=4.82分。
LCMS(方法8):R=2.65分;MS(ESIpos.):m/z(%)=393(100)[M+H]
[α]20Na=−5.2°(c=0.52、MeOH)。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.77-0.92 (m, 12H), 1.31-1.66 (m, 6H), 3.60 (s, 3H), 4.10 (m, 1H), 4.28 (m, 1H), 5.02 (s, 2H), 7.25-7.38 (m, 6H), 8.23 (d, 1H)。
13C-NMR (126 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 21.1 (CH3), 21.5 (CH3), 22.8 (CH3), 22.9 (CH3), 24.2 (CH), 41.0 (CH2), 50.0 (CH), 51.8 (CH3, OCH3), 52.9 (CH), 65.3 (CH2, OCH2Ph), 127.6 (CH, ar-C), 127.7 (CH, ar-C), 128.3 (CH, ar-C), 137.1 (C quat, ar-C), 155.8 (C quat, NCOC(CH3)3), 172.4 (C quat, C=O), 172.9 (C quat, C=O)。
【0113】
実施例化合物19A:[N−(ベンジルオキシカルボニル)−D−ロイシル]−L−ロイシン
【化48】

実施例化合物18A(7.70g、19.62mmol)を200mlのTHF/水(3+1)に取り、0℃に冷却し、水酸化リチウム一水和物(1.65g、39.24mmol、2eq.)を加える。混合物を、HPLCモニタリング(方法3)にしたがって反応が完全に進行するまで(約45分)、0℃で撹拌する。大部分のTHFを真空留去し、混合物をクエン酸を加えることにより約pH4に調整し、混合物を2部の酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。生成物を、無色不定形物質として、収量6.87g(理論値の89%)で得る。
HPLC(方法3):R=4.45分。
LC−MS(方法8):R=2.39分、MS(ESIpos)m/z(%)=379(100)[M+H]、757(40)[2M+H]
[α]20Na=+4.7°(c=0.50、MeOH)。
1H NMR (300 MHz,d6-DMSO) δ(ppm) = 0.77-0.92 (m, 12H), 1.34-1.68 (m, 6H), 4.04-4.26 (m, 2H), 5.02 (s, 2H), 7.25-7.38 (m, 6H), 8.12 (d, 1H), 12.50 (br. s, 1H)。
HR−TOF−MS(方法14):C2031[M+H]計算値379.2228、実測値379.2216。
【0114】
実施例化合物20A:メチル[N−(ベンジルオキシカルボニル)−D−ロイシル]−L−ロイシル−(3R)−3−ヒドロキシフェニルアラニネート
【化49】

実施例化合物19A(550mg、1.45mmol)および実施例化合物17A(449mg、1.45mmol、1当量)を0℃でDMF(12ml)に溶解する。4−メチルモルホリン(320μl、2.9mmol、2当量)およびHATU(663mg、1.74mmol、1.2当量)を次に加え、混合物を0℃で15分撹拌する。次にさらに4−メチルモルホリン(160μl、1.45mmol、1当量)を加え、混合物をRTで16時間撹拌する。混合物を次に酢酸エチルと濃重炭酸ナトリウムで抽出し、有機相を0.5Mのクエン酸および再び濃重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(方法17)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:626mg(1.13mmol、理論値の78%)の表題化合物。
HPLC(方法3):R=4.69分。
LC−MS(方法8):R=2.58分、MS(ESIpos):m/z(%)=556.5(100)[M+H]
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO) δ(ppm) = 0.76-0.88 (m, 12H), 1.23-1.60 (m, 6H), 3.54 (s, 3H, OCH3), 4.06-4.11 (m, 1H), 4.43 (dd, J = 8.3, J = 14.9 Hz, 1H), 4.52 (dd, J = 4.1, J = 7.7 Hz, 1H), 5.02-5.06 (m, 3H), 5.87 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 7.20-7.40 (m, 11H), 8.01 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 8.5 Hz, 1H)。
【0115】
実施例化合物21A:[N−(ベンジルオキシ)カルボニル−D−ロイシル]−L−ロイシル−(3R)−3−ヒドロキシフェニルアラニン
【化50】

実施例化合物20A(650mg、1.17mmol)をアルゴン下でTHF−水(2+1、30ml)に溶解する。0℃で、水酸化リチウム水溶液(57mg、2.40mmol、8.65mlの水中で4当量)を滴下する。45分後(HPLC、方法1)、反応が完全に進行した。氷酢酸を加え、混合物を濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィー(方法16)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:618mg(理論値の98%)の表題化合物。
HPLC(方法1):R=2.44分。
LC−MS(方法13)R=6.04;MS(ESIpos)m/z(%)=542.5(100)[M+H]、183.8(80)[2M+H];MS(ESIneg)m/z(%)=540.4(40)[M−H];1081.70(100)[2M−H]
【0116】
実施例化合物22A:2−(トリメチルシリル)エチル−N−[ベンジルオキシカルボニル−D−ロイシル]−L−ロイシル−(3R)−3−ヒドロキシ−L−フェニルアラニネート
【化51】

実施例化合物21A(150mg、277μmol)および2−(トリメチルシリル)エタノール(790μl、5.54mmol、20当量)および約4Åモレキュラー・シーブを乾燥ジクロロメタン(3.0ml)に溶解し、−30℃で約1時間撹拌する。DCC(114mg、553mol、2当量)およびDMAP(34mg、277μmol、1当量)を次に加え、混合物を一晩撹拌し、この間にゆっくり室温にする。混合物を次に真空濃縮し、クロマトグラフィー(方法16)に付す。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:108mg(理論値の60%)の表題化合物。
HPLC(方法1):R=3.14分。
LC−MS(方法10):R=2.97分、MS(ESIpos):m/z(%)=642.3(100)[M+H]
【0117】
実施例化合物23A:2−(トリメチルシリル)エチルN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−ロイシル−L−ロイシル−(3R)−3−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−O−(tert−ブチル)−L−セリル]オキシ}−L−フェニルアラニネート
【化52】

実施例化合物22A(104mg、162μmol)およびN−(tert−ブトキシカルボニル)−O−tert−ブチル−L−セリン(47mg、178μmol、1.1当量)を乾燥ジクロロメタン(2.0ml)に溶解し、約4Åのモレキュラー・シーブを加える。DCC(70mg、340mol、2.1当量)およびDMAP(23mg、194μmol、1.2当量)を次に加え、混合物を一晩撹拌し、この間にゆっくり室温にする。混合物を次に真空濃縮し、クロマトグラフィー(方法16)に付す。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:120mg(理論値の84%)の表題化合物。
HPLC(方法1):R=3.49分。
LC−MS(方法10):R=3.38分、MS(ESIpos):m/z(%)=885.6(100)[M+H]
HR−TOF−MS(方法14):C467311Si計算値885.5040、実測値885.5031[M+H]
【0118】
実施例化合物24A:2−(トリメチルシリル)エチルN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−ロイシル−L−ロイシル−(3R)−3−{[O−(tert−ブチル)−L−セリル]オキシ}−L−フェニルアラニネートトリフルオロアセテート
【化53】

実施例化合物23A(117mg、132μmol)をジクロロメタン(3ml)に溶解する。ジクロロメタン(20ml)中の15%のTFAを加え、10分後、混合物を乾燥濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(方法16)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:100mg(理論値の83%)。
HPLC(方法1):R=2.40分。
LC−MS(方法10):R=2.28分、MS(ESIpos):m/z(%)=785.4(100)[M+H]
【0119】
実施例化合物25A:2−(トリメチルシリル)エチルN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−ロイシル−L−ロイシル−(3R)−3−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシル−(3S)−3−ヒドロキシ−L−アスパラギニル−O−(tert−ブチル)セリル]オキシ}−L−フェニルアラニネート
【化54】

実施例化合物24A(96mg、107μmol)および実施例化合物13A(33mg、107μmol、1当量)をDMF(2.0ml)に溶解し、−30℃に冷却する。HATU(122mg、320μmol、3当量)および4−メチルモルホリン(86mg、854μmol、8当量)を加え、混合物を次にゆっくり約4℃に温め、この温度で12時間放置する。粗反応溶液をクロマトグラフィー(方法15)に付し、生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:92mg(理論値の89%)の表題化合物。
HPLC(方法1):R=3.22分。
LC−MS(方法9):R=3.21分、MS(ESIpos):m/z(%)=1072.6(100)[M+H];MS(ESIneg):m/z(%)=1070.5(100)[M−H]
HR−TOF−MS(方法14):C528215Si計算値1072.5633、実測値1072.5667[M+H]
【0120】
実施例化合物26A:2−(トリメチルシリル)エチルN[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−ロイシル−L−ロイシル−(3R)−3−{[グリシル−(3S)−3−ヒドロキシ−L−アスパラギニル−O−(tert−ブチル)セリル]オキシ}−L−フェニルアラニネートトリフルオロアセテート
【化55】

実施例化合物25A(90mg、84μmol)をジクロロメタン(3.0ml)に溶解する。ジクロロメタン(20ml)中の15%のTFAを加え、10分後、混合物を乾燥濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(方法16)により精製する。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:73mg(理論値の80%)の表題化合物。
HPLC(方法1):R=2.65分。
LC−MS(方法10):R=2.13分、MS(ESIpos):m/z(%)=972.6(100)[M+H];MS(ESIneg):m/z(%)=970.7(100)[M−H]
HR−TOF−MS(方法14):C477413Si計算値972.5109、実測値972.5103[M+H]
【0121】
実施例化合物27A:2−(トリメチルシリル)エチルN−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−ロイシル−L−ロイシル−(3R)−3−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−(3R)−3−ヒドロキシ−L−ロイシル−L−ロイシル−D−アルギニル−L−イソロイシル−L−アロトレオニル−グリシル−(3S)−3−ヒドロキシ−L−アスパラギニル−O−(tert−ブチル)セリル]オキシ}−L−フェニルアラニネートトリフルオロアセテート
【化56】

実施例化合物26A(10.0mg、9.2μmol)および実施例化合物11A(8.2mg、107μmol、1当量)をDMF(0.5ml)に溶解し、−30℃に冷却する。HATU(10.5mg、27.6μmol、3当量)および4−メチルモルホリン(7.5mg、74μmol、8当量)を加え、混合物を次にゆっくり約4℃に温め、この温度で12時間放置する。粗反応溶液をクロマトグラフィー(方法15)に付し、生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:10.7mg(理論値の65%)の表題化合物。
HPLC(方法1):R=2.99分。
LC−MS(方法9):R=2.40分、MS(ESIpos):m/z(%)=1685.8(50)[M+H];MS(ESIneg):m/z(%)=1683.8(50)[M−H]、1728.8(100)[M+HCOOH]
HR−TOF−MS(方法14):C801341522Si計算値1684.9592、実測値1684.9573[M+H]
【0122】
実施例化合物28A:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−ロイシル−L−ロイシル−(3R)−3−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−(3R)−3−ヒドロキシ−L−ロイシル−L−ロイシル−D−アルギニル−L−イソロイシル−L−アロトレオニル−グリシル−(3S)−3−ヒドロキシ−L−アスパラギニル−O−(tert−ブチル)セリル]オキシ}−L−フェニルアラニントリフルオロアセテート
【化57】

方法A:
実施例化合物27A(10mg、5.6μmol)を無水THF(0.5ml)に溶解する。TBAF(17.4mg、67μmol、12当量)を加え、混合物をRTで1時間撹拌する。HPLC分析(方法1)にしたがって、反応が完了したら、反応を氷酢酸(6μl)で止め、混合物を濃縮し、クロマトグラフィー(方法15)に付す。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:2.5mg(約69%純粋、理論値の18%)の表題化合物。
方法B:
化合物27A(25mg、13.9μmol)を無水THF(2.5ml)に溶解する。硫酸ナトリウム(無水、200mg、1.4mmol)を加え、懸濁液を30分撹拌する。TBAF溶液(THF中で1Mの無水物、84μl、6当量)を加え、混合物をRTで45分撹拌する。HPLC分析(方法1)にしたがって、反応の完了とする。反応を氷酢酸(16μl)で止め、混合物を濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(方法15)に付す。収量:21mg(>95%純粋、理論値の89%)の表題化合物。
HPLC(方法6):R=2.99分。
LC−MS(方法9):R=2.34分、MS(ESIpos):m/z(%)=1585.6(20)[M+H];MS(ESIneg):m/z(%)=1583.4(100)[M−H]
HR−TOF−MS(方法14):C751211523計算値1584.8884、実測値1584.8843[M+H]
【0123】
実施例化合物29A:N−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−D−ロイシル−L−ロイシル−(3R)−3−{[(3R)−3−ヒドロキシ−L−ロイシル−L−ロイシル−D−アルギニル−L−イソロイシル−L−アロトレオニル−グリシル−(3S)−3−ヒドロキシ−L−アスパラギニル−セリル]オキシ}−L−フェニルアラニンビストリフルオロアセテート
【化58】

実施例化合物28A(2.5mg、1.5μmol)とトリイソプロピルシラン(12.5μl)および水(2.8μl)を反応させ、0.5mlのTFAを加える。混合物を次に室温で1時間撹拌し、最後に溶媒を真空除去する。残渣をクロマトグラフィー(方法15)に付す。生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:2mg(理論値の82%)の表題化合物。
HPLC(方法6):R=2.00分。
LC−MS(方法9):R=1.60分、MS(ESIpos):m/z(%)=714.9(100)[M+2H]2+;MS(ESIneg)m/z(%)=1427.7(100)[M−H]
HR−TOF−MS(方法14):C661061520計算値1428.7734、実測値1428.7700[M+H]
【0124】
実施例化合物30A:N−ベンジルオキシカルボニル−リソバクチントリフルオロアセテート
【化59】

実施例化合物29A(1.0mg、1.1μmol)をDMF(0.9ml)に溶解し、−15℃に冷却する。HATU(1.2mg、3.3μmol、3当量)および4−メチルモルホリン(0.9mlのDMF中の100μlの4−メチルモルホリンの11mlの溶液、8.7μmol、8当量)を加え、混合物を次にゆっくり約4℃に温め、室温で3時間撹拌する。粗反応溶液をクロマトグラフィー(方法15)に付し、生成物−含有画分を合わせ、凍結乾燥する。収量:1.2mg(理論値の73%)の表題化合物。
HPLC(方法1):R=2.17分。
LC−MS(方法9):R=2.00分、MS(ESIpos):m/z(%)=1410.8(100)[M+H];MS(ESIneg)m/z(%)=1408.7(100)[M−H]
HR−TOF−MS(方法14):C661041519計算値1410.7628、実測値1410.7639[M+H]
【0125】
実施例化合物31A:リソバクチンビストリフルオロアセテート
【化60】

実施例化合物30A(1.0mg、0.66μmol)をジオキサン(0.5ml)に溶解し、0.75mlの0.1%のTFA水溶液およびスパチュラ先端付着量の10%のPd/Cを加え、混合物を大気圧下でRTで15分水素化する。生成物を濾過し、触媒を除去し、濃縮し、クロマトグラフィー(方法15)により精製する。収量:0.6mg(理論値の61%)の表題化合物。
HPLC(方法4):R=16.31分。合成された生成物31Aの同一性は、(WO2004/099239(A1)に記載されている方法により得られた)認証リソバクチンとの結合により確認した。
HPLC(方法5)R=38.10分。合成された生成物31Aの同一性は、(WO2004/099239(A1)に記載されている方法により得られた)認証リソバクチンとの結合により確認した。
LC−MS(方法9):R=1.40分、MS(ESIpos):m/z(%)=638.9(100)[M+2H]2+、1276.8(5)[M+H];MS(ESIneg):m/z(%)=637.0(100)[M−2H]2−、1274.7(40)[M−H]
HR−TOF−MS(方法14):C58981517計算値1276.7260、実測値1276.7264[M+H]
【0126】
B. 生理活性の評価
本発明の化合物のインビトロの効果は、以下のアッセイで示すことができる:
最低阻害濃度(MIC)の決定:
NCCLSのガイドラインに準じる液体希釈試験でMICを決定する。黄色ブドウ球菌133、エンテロコッカス・フェカリスICB27159および肺炎連鎖球菌G9aの終夜培養物を、1:2希釈系列の記載した試験物質と共にインキュベートする。MICの決定は、Isosensitest 培地 (Difco, Irvine/USA)中、1ml当たり微生物10個の細胞数で実施し、肺炎連鎖球菌は例外とし、これは10%ウシ血清を含むBHIブロス (Difco, Irvine/USA) 中、微生物10個の細胞数で試験する。培養物を37℃で18−24時間、肺炎連鎖球菌は10%COの存在下で、インキュベートする。
MICは、もはや視認できる細菌の増殖が起こらない各物質の最低濃度と定義される。MIC値は、μg/mlで報告する。
完全合成により製造されるリソバクチンと発酵によるリソバクチンで現れる生理活性に有意な差はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)
【化1】

[式中、
は、HまたはCHであり、
は、水素、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルケニル、C−C−シクロアルキルメチル、5−から7−員ヘテロシクリルメチル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1−メチルプロプ−1−イル、2−メチルプロプ−1−イル、2,2−ジメチルプロプ−1−イル、1,1−ジメチルプロプ−1−イル、1−エチルプロプ−1−イル、1−エチル−1−メチルプロプ−1−イル、n−ブチル、2−メチルブト−1−イル、3−メチルブト−1−イル、1−エチルブト−1−イル、tert−ブチル、4−メチルペント−1−イル、n−ヘキシル、アルケニルまたはアリールであり
{ここで、Rは、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、トリメチルシリル、アルキル、アルコキシ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、アリール、5−から10−員ヘテロアリール、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい
(ここで、アリールおよびヘテロアリールは、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシおよびフェニルから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい)}、
は水素またはC−C−アルキルであるか、
または、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となってC−C−シクロアルキル環または5−から7−員ヘテロシクリル環を形成し、ここで、シクロアルキル環およびヘテロシクリル環は0、1、2または3個のトリフルオロメチル、アルキル、アルコキシおよびアルキルカルボニルから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよく、
は、アルキル、C−C−シクロアルキル、5−から7−員ヘテロシクリル、アリール、5−もしくは6−員ヘテロアリール、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、C−C−シクロアルキルカルボニル、5−から7−員ヘテロシクリルカルボニル、アリールカルボニル、5−もしくは6−員ヘテロアリールカルボニルまたはアルキルアミノカルボニルであり、
{ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニルおよびアルキルアミノカルボニルは、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノおよびフェニルから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよく、
そして、
ここで、アルキルカルボニルは、アミノまたはアルキルアミノ置換基で置換されており、
そして、
ここで、アルキルカルボニルは、さらに0、1または2個のハロゲン、ヒドロキシ、トリメチルシリル、アルコキシ、アルキルチオ、ベンジルオキシ、C−C−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、5−から10−員ヘテロアリール、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、ベンジルオキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルアミノから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい
(ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル、アルコキシおよびフェニルから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい)、
または、アルキルカルボニルにおける同じ炭素原子上の2個の置換基は、それらが結合している炭素原子と一体となってC−C−シクロアルキル環または5−から7−員ヘテロシクリル環を形成する
(ここで、シクロアルキル環およびヘテロシクリル環は、0、1、2または3個のトリフルオロメチル、アルキルおよびアルコキシから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよいか、
または、
ここで、シクロアルキル環は、ベンゾ−縮合されていてよい)}、
は、水素、C−C−アルキル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルであるか、
または、
およびRはそれらが結合している窒素原子と一体となって、5−から7−員ヘテロシクリル環を形成し、ここで、ヘテロシクリル環は、0、1、2または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキル、アルコキシおよびアルキルアミノから成る群から互いに独立して選択される置換基で置換されていてもよい]
で示される環状デプシペプチドの製造法であって、
下記式(II)
【化2】

[式中、
からRは、上記定義のとおりであり、
Xは、OH、活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物を分子内環化し、
そして、次に環状中間体を脱保護することにより、式(I)の環状デプシペプチドを形成する方法。
【請求項2】
式(II)の化合物が下記式(IIa)
【化3】

[式中、
XおよびRは、請求項1に定義のとおりであり、
は、イソプロピルメチル、tert−ブチルメチル、2,2−ジメチルブト−1−イル、2−エチル−2−メチルブト−1−イル、2,2−ジエチルブト−1−イル、2,2−ジメチルペント−1−イル、3−ピリジルメチル、4−トリフルオロメチル−3−ピリジルメチル、ベンジルまたはトリメチルシリルメチルであり、
は、イソプロピルメチル、tert−ブチルメチル、2,2−ジメチルブト−1−イル、2−エチル−2−メチルブト−1−イル、2,2−ジエチルブト−1−イル、2,2−ジメチルペント−1−イル、トリメチルシリルメチルまたはベンジルであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
がイソプロピルメチル、tert−ブチルメチルまたは3−ピリジルメチルであり、そして、
がイソプロピルメチル、tert−ブチルメチルまたはトリメチルシリルメチルであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
=Rがイソプロピルメチルであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
XがOHであることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
がCHであることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
式(II)で示される化合物の製造法であって、下記式(III)で示される化合物と下記式(IV)で示される化合物
【化4】

【化5】

[式中、
からRは、請求項1に定義のとおりであり、
Yは、OH、活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
をカップリングし、そして、必要に応じて、中間体を部分的または完全に脱保護し、かつ、必要に応じて、3−ヒドロキシフェニルアラニンのカルボキシ基を式−C(=O)X(ここで、Xは請求項1に定義のとおりである)の基に変換することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
式(III)で示される化合物が下記式(IIIa)
【化6】

[式中、
およびRは、請求項2から4に定義のとおりであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式(III)で示される化合物の製造法であって、下記式(V)で示される化合物と下記式(VI)で示される化合物
【化7】

【化8】

[式中、
からRは、請求項1に定義のとおりであり、
Zは、OH、活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
をカップリングし、そして、必要に応じて、中間体を部分的または完全に脱保護することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
式(V)で示される化合物が下記式(Va)
【化9】

[式中、
およびRは、請求項2から4に定義のとおりであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
下記式(III)
【化10】

[式中、
からRは、請求項1に定義のとおりであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物。
【請求項12】
下記式(IIIa)
【化11】

[式中、
およびRは、請求項2から4に定義のとおりであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
を有する、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
下記式(IIIb)
【化12】

を有する、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
請求項11に記載の化合物の製造法であって、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物
【化13】

【化14】

[式中、
からRは、請求項1に定義のとおりであり、
Zは、OH、活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
をカップリングし、そして、必要に応じて、中間体を部分的または完全に脱保護することを含む方法。
【請求項15】
下記式(VI)
【化15】

[式中、
Zは、OH、活性エステル、擬ハロゲンまたはハロゲンであり、そして、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
で示される化合物。
【請求項16】
下記式(VIa)
【化16】

を有する、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
請求項15に記載の化合物の製造法であって、下記式(VII)で示される化合物と下記式(VIII)で示される化合物
【化17】

【化18】

[式中、
PGは、Hまたは適当な保護基である]
をカップリングし、そして、必要に応じて、中間体を部分的または完全に脱保護することを含む方法。
【請求項18】
式(VII)で示される化合物が下記式(VIIa)
【化19】

で示される化合物であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式(VIII)で示される化合物が下記式(VIIIa)
【化20】

で示される化合物であることを特徴とする、請求項17または18に記載の方法。

【公表番号】特表2009−533372(P2009−533372A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504654(P2009−504654)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003313
【国際公開番号】WO2007/118693
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(506207901)アイキュリス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】AiCuris GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】