説明

リゾチーム塩酸塩の安定化方法

【課題】
リゾチーム塩酸塩が失活せずに安定である固形製剤を提供すること。
【解決手段】
リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含む成分を混合し、湿式造粒により造粒物を製造することにより、リゾチーム塩酸塩含有固形製剤の安定化が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リゾチーム塩酸塩の安定性の向上をはかった固形製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
リゾチーム塩酸塩は、卵白から抽出・精製された酵素であり、その薬理作用として喀痰喀出、膿粘液分解作用、抗炎症作用、出血抑制作用等が知られている。このことから、リゾチーム塩酸塩はかぜの諸症状(せき、たん、のどの痛み、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和を目的とした総合感冒薬の有効成分として利用されている。
【0003】
しかし、リゾチーム塩酸塩は、その安定性に問題があり、熱や圧力、pH等の影響を受けると失活してしまう性質を有する。また、総合感冒薬には、その有効性を高めるため薬理作用の異なる成分を複数混合することが一般的に行われるが、その際、リゾチーム塩酸塩と混合させる他の有効成分がリゾチーム塩酸塩の安定性に影響を与えるという問題が生じる場合がある。例えば、リゾチーム塩酸塩をグアイフェネシンと共存させることによりリゾチーム塩酸塩の安定性が低下することが知られている。このような場合は、それぞれの有効成分を別々の造粒物とし分離することにより、安定性の低下をある程度改善できるが、この方法ではグアイフェネシンの配合量に限界があり、より多量のグアイフェネシンと共存させてもリゾチーム塩酸塩の安定性が低下しない固形製剤の提供が望まれている。
【0004】
不安定な薬剤の安定性を確保するために様々な技術が開発されており、その中の1つの手段として、糖類を不安定な薬剤と共存させる技術がいくつか開示されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平6−53658
【特許文献2】特開昭62−19535
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1には、加圧成形に不安定な成分を安定化するために微粉砕したマンニトール、乳糖、蔗糖、ブドウ糖、ガラクトースおよびフルクトースを添加することが記載されている。しかし、当該文献に記載されている微粉砕した乳糖やブドウ糖を本願における固形製剤の製造において用いても、十分な安定化効果は認められなかった。また、当該文献において不安定な薬剤として用いたニコランジルの14日後の残存率は88.3%となっているが、医薬品にはさらに高い安定性が求められている。
【0007】
一方、上記特許文献2には、リゾチームシロップ剤に白糖を添加し特定のpHにすることによりリゾチームを安定化する方法が開示されている。ところが、当該文献の発明はシロップ剤に限られており、固形製剤中のリゾチーム塩酸塩を安定化させる場合に適用できるものではない。
よって本発明は、リゾチーム塩酸塩が失活せずに安定である固形製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、種々検討した結果、意外にもリゾチーム塩酸塩とトレハロース、マルトース及びマルチトール等の特定の糖類を共存させて造粒した固形製剤においてリゾチーム塩酸塩の安定化が可能となることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、
[1]リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含む成分を混合し、湿式造粒により造粒物を製造する工程を含む、リゾチーム塩酸塩含有固形製剤の安定化方法、
[2](1)リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含む成分を混合し、湿式造粒により造粒物を製造する工程、
(2)グアイフェネシンを含有する造粒物を製造する工程、及び
(3)上記(1)及び(2)の造粒物を混合する工程、を含む、
[1]記載のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤の安定化方法、
[3]湿式造粒が、撹拌造粒、練合造粒又は流動層造粒である[1]又は [2]記載のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤の安定化方法、
[4](a)リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含有する造粒物と(b)グアイフェネシンを含有する造粒物を含む、リゾチーム塩酸塩含有固形製剤、
[5]リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含有する造粒物を湿式造粒により製造することを特徴とする[4]記載のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤、及び
[6]湿式造粒が、撹拌造粒、練合造粒又は流動層造粒である[5]記載のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤、
である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、リゾチーム塩酸塩の失活を効果的に抑制した安定な固形製剤の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】リゾチーム塩酸塩及びトレハロース造粒物の造粒溶媒量とX線回折スペクトルを示す。
【図2】リゾチーム塩酸塩及びトレハロース造粒物の造粒溶媒量と結晶化度(%)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、リゾチーム塩酸塩を安定化させるために、トレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を配合することを特徴とする。これらトレハロース、マルトース、マルチトールは公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、公知の方法を用いて製造することも可能である。トレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種の好ましい配合量は、リゾチーム塩酸塩1質量部に対して3〜10質量部である。本発明で認められるリゾチーム塩酸塩の安定化は、どのような糖類でも達成できるわけではなく、同じ糖類でも、乳糖、バレイショデンプン、グルコース等をリゾチーム塩酸塩と共存させて造粒した固形製剤では、十分なリゾチーム塩酸塩の安定化が認められなかった。
【0013】
本発明のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤は、少なくともリゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種が含有されていれば良い。リゾチーム塩酸塩含有固形製剤におけるリゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種の含有量を適宜調節することにより本願発明の効果を発揮させることができる。最適な配合比は、水分量や他の添加剤の種類により変動するが、当業者の通常の最適化条件検討の範囲から見出すことが可能である。本発明における「安定化」とは、リゾチーム塩酸塩含有固形製剤を50℃、2週間保存後の前記製剤中のリゾチーム塩酸塩の残存率が、好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは97%以上であることを意味する。また発明のリゾチーム塩酸塩含有製剤の投与量は、患者の病状に応じて適宜調節が可能であるが、例えば、経口剤の場合、リゾチーム塩酸塩の1日あたりの投与量として、通常60〜90mgである。
【0014】
本発明の固形製剤は、リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を配合し、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味剤、界面活性剤、可塑剤等を混合して常法により、顆粒剤、散剤、カプセル剤、錠剤、ドライシロップ剤等の固形製剤として提供することができる。
【0015】
本発明のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤は、上記成分を混合した後、造粒等の一般的な工程を経て製造することができる。好ましい造粒の方法としては湿式造粒法を挙げることができる。湿式造粒法のうち、撹拌造粒法又は練合造粒法を使用するのがさらに好ましい。この際の造粒溶媒は水が好ましく、添加量は特に限定されないが,固形製剤全体量に対し、5〜50重量%が好ましく,30〜50重量%がさらに好ましい。最適な水分量は固形製剤の剤形(例えば、顆粒剤や錠剤など)に応じて適宜変更できる。水を溶媒として湿式造粒を行うことにより、トレハロース、マルトース又はマルチトールが部分的に溶解し、アモルファス構造を形成することがリゾチーム塩酸塩の安定化に寄与している可能性もある。このような機序を想定した場合、使用する糖類はトレハロース、マルトース又はマルチトールに限定されるわけではなく、水への溶解度が高いものであれば他の二糖類や糖アルコールを選択することが可能である。なお、添加水量が不足した場合、トレハロース、マルトース又はマルチトールによるリゾチーム塩酸塩の安定化効果が十分に得られなくなる。これは、上記糖類が十分なアモルファス構造を形成できないためかもしれない。逆に50重量%を超える場合、添加水量が過剰となり湿式造粒の実施が困難となる。得られた造粒物は、必要に応じて圧縮処理を行い、成型することができる。圧縮処理は一般的な成型機を用いて、所望の圧縮成型圧にて行うことができる。
【0016】
リゾチーム塩酸塩の安定性に影響を及ぼすような成分を、本発明の固形製剤に含有させる場合には、その製造工程において、(A)リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含有する混合物を造粒し、別に(B)リゾチーム塩酸塩の安定性に影響を及ぼす成分を含有する混合物を造粒し、続いて上記(A)及び(B)を混合することが望ましい。リゾチーム塩酸塩の安定性に影響を及ぼす成分の例として、グアイフェネシンを挙げることができる。本発明のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤にグアイフェネシンを含有させる際には、(A)リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含有する混合物、(B)グアイフェネシンを含有する混合物を、各々別に造粒し、続いて上記(A)及び(B)を混合することにより製造することが可能である。
【0017】
リゾチーム塩酸塩の安定性に影響を及ぼすものとして、熱、pH、加圧成型時の圧力などが挙げられるが、トレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含有した本発明のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤は、上記要因によるリゾチーム塩酸塩の失活をも抑制することが期待される。
【0018】
以下実施例及び試験例により、本発明をさらに具体的に説明する。
【実施例】
【0019】
(実施例1)
表1に記載されている成分(表1中の重量は1包あたりの重量)を溶媒に水を用い,乳鉢にて練合造粒後、乾燥、整粒し、A顆粒を得た。このときA顆粒の造粒時に添加する溶媒の量を対粉末22%(重量%)とした。
【0020】
【表1】

【0021】
表2に記載されている成分(表2中の重量は1包あたりの重量)を、混合、水を溶媒として,撹拌造粒機(POWREX社製バーチカルグラニュレータVG-5)を用い撹拌造粒後、乾燥、整粒し、B顆粒を得た。このときB顆粒の造粒時に添加する溶媒の量を対粉末34%(重量%)とした。
【0022】
【表2】

【0023】
上記の工程により得られたA顆粒、B顆粒を混合し、表3に示した成分を合わせて、混合し1包あたり1200mg相当のリゾチーム塩酸塩含有製剤を得た。
【0024】
【表3】

【0025】
(実施例2)
実施例1のトレハロースを同重量部のマルトースに変えた処方で、実施例1と同様にして1包あたり1200mg相当の顆粒を得た。
【0026】
(実施例3)
実施例1のトレハロースを同重量部のマルチトールに変えた処方で、実施例1と同様にして1包あたり1200mg相当の顆粒を得た。
【0027】
(比較例1)
トレハロースに変えて従来一般的に使われているバレイショデンプンを同重量部用いた処方で、実施例1と同様にして比較用の顆粒を得た。このときA顆粒の造粒時に添加する溶媒の量を対粉末33%(重量%)とした。
【0028】
(比較例2)
トレハロースに変えてグルコースを同重量部用いた処方で、実施例1と同様にして比較用の顆粒を得た。
【0029】
(比較例3)
トレハロースに変えて乳糖を同重量部用いた処方で、実施例1と同様にして比較用の顆粒を得た。
【0030】
(試験例1)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた顆粒をそれぞれ50℃で2週間保存後、リゾチーム塩酸塩の残存量を測定し、製造直後の値からの残存率(%)を算出した。
【0031】
結果を表4に示した。
【0032】
【表4】

【0033】
表4の結果より、リゾチーム塩酸塩と同一の顆粒に配合する賦形剤をバレイショデンプン、グルコース、乳糖にて比較したところ、トレハロース、マルトース又はマルチトールが、リゾチーム塩酸塩を安定化させることを見出した。
【0034】
(実施例4)
表5に記載されている成分を溶媒に水を用い,撹拌造粒機(POWREX社製バーチカルグラニュレータVG-5)を用い撹拌造粒後、乾燥、整粒し、C顆粒及びD顆粒を製造した。このときC顆粒及びD顆粒の造粒時に添加する溶媒の量をそれぞれ対粉末30%及び34%(重量%)とした。
【0035】
【表5】

【0036】
これらのC顆粒、D顆粒に下記の表6の成分を加え、混合、次いで打錠機(菊水製作所製VIRGO19)により圧縮を行い、リゾチーム塩酸塩含有錠剤を得た(350mg/1錠、直径10mm)
【0037】
【表6】

【0038】
(実施例5)
実施例4のC顆粒の造粒溶媒量を対粉末40%(重量%)とし、実施例4に記載した処方及び方法と同様に製造した。
【0039】
(実施例6)
実施例4のC顆粒の造粒溶媒量を対粉末50%(重量%)とし、実施例4に記載した処方及び方法と同様に製造した。
【0040】
(比較例3)
実施例4のC顆粒の造粒溶媒量を対粉末20%(重量%)とし、実施例4に記載した処方及び方法と同様に製造した。
【0041】
(試験例2)
実施例4〜6及び比較例3で得られた顆粒をそれぞれ50℃で2週間保存後、リゾチーム塩酸塩の残存量を測定し、製造直後の値からの残存率(%)を算出した。
【0042】
結果を表7に示した。
【0043】
【表7】

【0044】
表7の結果より、C顆粒製造時に添加する溶媒(水)の量を対粉末30〜50%(重量%)とすることにより、錠剤においてもリゾチーム塩酸塩含有錠剤の安定性が向上することを見出した。
【0045】
(実施例7)
表8に記載されている成分(表8中の重量は1包あたりの重量)を溶媒に対粉末50%量(重量%)の水を用い練合造粒機(フジ産業社製ニーダーFM-NW-5)で練合造粒後、乾燥、整粒し、E顆粒を得た。
【0046】
【表8】

【0047】
下記の表9に記載されている成分(表9中の重量は1包あたりの重量)を実施例4に記載されているD顆粒の製造方法と同様にF顆粒を製造した。
【0048】
【表9】

【0049】
上記の工程により得られたE顆粒、F顆粒を混合し、表10に示した成分(表10中の重量は1包あたりの重量)を合わせて、混合し1包あたり1200mg相当のリゾチーム塩酸塩含有製剤を得た。
【0050】
【表10】

【0051】
(実施例8)
表11(表11中の重量は1包あたりの重量)のG顆粒の成分を混合した。溶媒に対粉末30%量(重量%)の水を用い、流動層造粒機(フロイント産業社製流動層造粒コーティング装置FL−LABO)により造粒後、乾燥、整粒しG顆粒を得た。
また、表11のH顆粒の成分を混合し、溶媒に対粉末30%量(重量%)の水を用い、撹拌造粒機(POWREX社製バーチカルグラニュレータVG-5)により造粒後、乾燥、整粒し、H顆粒を得た。
このG顆粒とH顆粒を合わせて、混合し1包あたり400mg相当のリゾチーム塩酸塩含有製剤を得た。
【0052】
【表11】

【0053】
(試験例3)
実施例7及び8で得られた顆粒をそれぞれ50℃で2週間保存後、リゾチーム塩酸塩の残存量を測定し、製造直後の値からの残存率(%)を算出した。
【0054】
結果を表12に示した。
【0055】
【表12】

【0056】
(試験例4) リゾチーム塩酸塩及びトレハロース造粒物のX線回折スペクトル測定
リゾチーム塩酸塩及びトレハロースを同重量部混合し、造粒溶媒に水を用い乳鉢にて練合し、その後乾燥、粉砕したものをサンプルとした。造粒時の造粒溶媒量は粉末に対し無添加の場合(0%)、10、20、30、50、70、100%(重量%)と変化させたものをサンプルとした。X線回折装置(リガク製RINT2200UltimaIII)を用い、各サンプルをガラス製ホルダーに詰め、結晶性を確認した。結果を図1に示した(縦軸にX線の強度(cps)、横軸に2θ(°)を示した。)。
測定条件は下記に示した。
測定条件:平行ビーム法
Target:Cu, Scanning Speed:4°/min, Voltage:40kV, Current:40mA, 2θ:3〜40°
Slit DS: 1mm, SS:OPEN, RS:OPEN
【0057】
図1のX線回折スペクトルよりトレハロースの結晶化度を算出した。結晶化度の算出には粉末X線回折パターン総合解析ソフト(JADE6:リガク製)を用い、多重ピーク分離法により解析した。造粒溶媒量(%)と結晶化度(%)の関係を図2に示した。
【0058】
図1において、造粒溶媒量を増加させるにつれ、スペクトルのピークの幅がブロードになり、またピークの高さが低下することが示された。図2より、この結果は、造粒溶媒量を増加させるにつれ、造粒物中の非晶質のトレハロースの割合が増加することを意味する。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明により、固形製剤における新しいリゾチーム塩酸塩の安定化方法を提供することができ、この方法を利用してリゾチーム塩酸塩含有固形製剤を製造し、安定性の優れたリゾチーム塩酸塩含有固形製剤を提供することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含む成分を混合し、湿式造粒により造粒物を製造する工程を含む、リゾチーム塩酸塩含有固形製剤の安定化方法。
【請求項2】
(1)リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含む成分を混合し、湿式造粒により造粒物を製造する工程、
(2)グアイフェネシンを含有する造粒物を製造する工程、及び
(3)上記(1)及び(2)の造粒物を混合する工程、を含む、
請求項1記載のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤の安定化方法。
【請求項3】
湿式造粒が、撹拌造粒、練合造粒又は流動層造粒である請求項1または2記載のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤の安定化方法。
【請求項4】
(a)リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含有する造粒物と(b)グアイフェネシンを含有する造粒物を含む、リゾチーム塩酸塩含有固形製剤。
【請求項5】
リゾチーム塩酸塩、並びにトレハロース、マルトース及びマルチトールからなる群より選ばれる1〜3種を含有する造粒物を湿式造粒により製造することを特徴とする請求項4記載のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤。
【請求項6】
湿式造粒が、撹拌造粒、練合造粒又は流動層造粒である請求項5記載のリゾチーム塩酸塩含有固形製剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−189377(P2010−189377A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6464(P2010−6464)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】