説明

リターンノズルホルダ

【課題】供給ライン及び戻りラインの両方を精度よく開閉することができるリターンノズルホルダを提供すること。
【解決手段】リターンノズル10を支持するリターンノズルホルダ4であって、燃料を供給する供給ライン20と、リターンノズル10の内部に供給された燃料の一部を返送する戻りライン30と、供給ライン20を閉鎖する第1閉鎖位置と供給ライン20を開放する第1開放位置との間で移動可能な供給側弁体50と、基端側が供給側弁体50に摺動可能に連結され、戻りライン30を閉鎖する第2閉鎖位置と戻りライン30を開放する第2開放位置との間で、供給側弁体50の移動方向に沿って移動可能な戻り側弁体60と、供給側弁体50を第1閉鎖位置側に付勢する第1付勢部材71と、戻り側弁体60を第2閉鎖位置側に付勢する第2付勢部材72と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に供給された燃料の一部を返送可能なリターンノズルを支持するリターンノズルホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に供給された燃料の一部を返送可能なリターンノズルが用いられている。リターンノズルは、リターンノズルホルダに支持される。リターンノズルホルダは、リターンノズルに燃料を供給する供給ラインの一部と、燃料の一部をリターンノズルから排出し、リターンノズルに返送する戻りラインの一部と、を備える。リターンノズルでは、戻りラインに配置した弁の開度を調整することで、戻りラインを流通する燃料の流量を調整し、これにより、リターンノズルからの燃料の噴射量を調整している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−257854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リターンノズルではない噴射ノズルでは、供給ラインにおける噴射ノズルの上流側にカットオフ弁が配置されており、このカットオフ弁を閉鎖することで、噴射ノズルへの燃料の供給を停止させる。
ところが、リターンノズルでは、供給ラインに配置されたカットオフ弁を閉じても、燃料は、戻りラインからリターンノズルに逆流してしまう。そのため、供給ライン及び戻りラインの両方を精度よく開閉できる弁構造を有するリターンノズルホルダが求められている。
【0005】
従って、本発明は、供給ライン及び戻りラインの両方を精度よく開閉できる弁構造を有するリターンノズルホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部に供給された燃料を噴射すると共に該燃料の一部を返送するリターンノズルを支持するリターンノズルホルダであって、前記リターンノズルの内部に燃料を供給する供給ラインと、前記リターンノズルの内部に供給された燃料の一部を前記リターンノズルから排出し、前記供給ラインに返送する戻りラインと、前記供給ラインを閉鎖する第1閉鎖位置と該供給ラインを開放する第1開放位置との間で移動可能な供給側弁体と、前記供給側弁体の移動方向に沿って延び、基端側が前記供給側弁体に摺動可能に連結され、前記戻りラインを閉鎖する第2閉鎖位置と該戻りラインを開放する第2開放位置との間で該供給側弁体の移動方向に沿って移動可能な戻り側弁体と、前記供給側弁体を前記第1閉鎖位置側に付勢する第1付勢部材と、前記供給側弁体と前記戻り側弁体との連結部分に配置され前記戻り側弁体を前記第2閉鎖位置側に付勢する第2付勢部材と、を備えるリターンノズルホルダに関する。
【0007】
また、前記第1付勢部材は、前記供給側弁体と前記リターンノズルとの間に配置されることが好ましい。
【0008】
また、前記供給側弁体は、柱状の本体部と、前記本体部の一端面から該本体部の軸方向に延びて形成される大径穴部と、前記大径穴部に連続して形成され該大径穴部よりも径の小さい中径穴部と、前記中径穴部に連続して形成されると共に前記本体部の他端面に開口し、該中径穴部よりも径の小さい小径穴部と、を備え、前記戻り側弁体は、前記小径穴部の径と略同径に構成され該小径穴部及び前記中径穴部に挿通される軸部と、前記軸部の一端部に設けられて前記大径穴部の径と略同径に構成され該大径穴部に配置される受圧部と、前記軸部の他端部に配置され前記戻りラインを閉鎖する戻りライン閉鎖部と、を備え、前記第2付勢部材は、前記中径穴部の内面と前記軸部の外面との間に配置されると共に、一端側が前記受圧部に接して配置され、他端側が前記中径穴部と前記小径穴部との境界に形成される段差部に接して配置されることが好ましい。
【0009】
また、前記供給側弁体における前記第1閉鎖位置と前記第1開放位置との間の移動長さL1は、前記戻り側弁体の前記供給側弁体に対する摺動長さL2よりも大きいことが好ましい。
【0010】
また、前記第1付勢部材の付勢力は、前記第2付勢部材の付勢力よりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、供給ライン及び戻りラインの両方を精度よく開閉することができる弁構造を有するリターンノズルホルダを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態のリターンノズルホルダ4を含む燃料供給装置1の概略構成図である。
【図2】リターンノズル10の拡大断面図である。
【図3】供給側弁体50及び戻り側弁体60が流路を閉鎖した状態のリターンノズルホルダ4の縦断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】供給側弁体50及び戻り側弁体60が流路を開放した状態のリターンノズルホルダ4の縦断面図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、図1に基づいて、本発明の一実施形態のリターンノズルホルダ4を含む燃料供給装置1の概略構成を説明する。
【0014】
燃料供給装置1は、図1に示すように、リターンノズル10と、供給ライン20と、戻りライン30と、リターンノズルホルダ4と、を備える。そして、図1には示していないが、リターンノズルホルダ4は、その内部に、供給側弁体50と、戻り側弁体60と、を備える(図3参照)。供給ライン20の一部及び戻りライン30の一部は、リターンノズルホルダ4の内部に設けられる。リターンノズルホルダ4を介して、リターンノズル10と供給ライン20及び戻りライン30とは連通する。
【0015】
リターンノズル10は、その内部に供給された燃料を噴射すると共に燃料の一部を返送するノズルである。リターンノズル10の詳細については、後述する。
【0016】
供給ライン20は、リターンノズル10の内部に燃料を供給する燃料供給路であり、不図示の燃料タンクからリターンノズル10に向けて燃料を送給する。供給ライン20の途中には、1個の燃料圧送用のポンプ22と、2個の流路開閉弁23,24と、が設けられる。
【0017】
ポンプ22は、供給ライン20の内部の燃料を所定の流量(定格流量)でリターンノズル10の側に圧送する。
【0018】
2個の流路開閉弁23,24は、電磁弁から構成され、供給ライン20におけるポンプ22とリターンノズルホルダ4との間に直列に配置されている。流路開閉弁23,24は、その開閉により、供給ライン20を流通するリターンノズル10への燃料の流量を制御する。
【0019】
戻りライン30は、リターンノズル10の内部に供給された燃料の一部をリターンノズル10から排出し、供給ライン20を介してリターンノズル10に返送する燃料返送路である。戻りライン30の端部は、供給ライン20におけるポンプ22の上流側に、接続部21を介して接続されている。戻りライン30の途中には、2個の流路開閉弁33,34と、1個のモータバルブ35と、が設けられる。
【0020】
2個の流路開閉弁33,34は、電磁弁から構成され、戻りライン30に直列に配置される。流路開閉弁33,34は、その開閉により、戻りライン30を流通する燃料の流量を制御する。
モータバルブ35は、その開度を電動モータにより調整して、戻りライン30を流通する燃料の流量を調整する。
【0021】
リターンノズルホルダ4は、リターンノズル10を収容して支持すると共に、供給ライン20の一部及び戻りライン30の一部を備える。供給ライン20の残りの一部及び戻りライン30の残りの一部は、リターンノズルホルダ4の外部に配置される。リターンノズルホルダ4の詳細については、後述する。
【0022】
燃料供給装置1は、供給ライン20からリターンノズルホルダ4を介してリターンノズル10へ燃料を供給する際に、戻りライン30における燃料の戻し量を制御することで、リターンノズル10からの燃料の噴射量を調整することができる。
【0023】
次に、リターンノズルホルダ4に支持されるリターンノズル10の詳細を、図2に基づいて説明する。
リターンノズル10は、供給ライン20から供給される燃料を噴射するノズルであり、図2に示すように、ノズルボディ11と、スワールチップ12と、スワールチップトップ13と、第2流路15と、を備える。
【0024】
ノズルボディ11は、リターンノズル10の外周の大部分を形成し、リターンノズルホルダ4に保持される。ノズルボディ11は、中空部11aを有する略円筒状に形成されている。このノズルボディ11の先端部11bには、中空部11aを外部に連通させる先端開口111が形成されている。また、ノズルボディ11の基端部11cには、中空部11aを外部に連通させる開口部11dが形成されている。即ち、ノズルボディ11の先端部11bに先端開口111が形成され、基端部11cに開口部11dが形成されることにより、中空部11aは、外部に開放されている。
【0025】
先端開口111は、中空部11aよりも小径に構成されている。先端開口111の外周に位置する環状部分112は、後述するスワールチップ12を突き当てる位置決め部として機能する。
【0026】
開口部11dは、ノズルボディ11の径方向に延びており、ノズルボディ11の周面の外側と中空部11aとを連通させる。開口部11dは、ノズルボディ11の周面に、周方向に等間隔で複数形成された貫通穴からなる。開口部11dは、図2に矢印F1で示すように、供給ライン20から供給される燃料がノズルボディ11の内部に流入する燃料流入口として機能する。
【0027】
ノズルボディ11は、基端部11cの内周に雌ねじ部115を備えると共に、開口部11dよりも先端側の周面に雄ねじ部116を備える。雌ねじ部115は、スワールチップトップ13の雄ねじ部135(後述)に螺合させることで、スワールチップトップ13をノズルボディ11に固定する。雄ねじ部116は、リターンノズルホルダ4のホルダ本体40(後述)に螺合させることで、ノズルボディ11をホルダ本体40に固定する。
【0028】
スワールチップ12は、ノズルボディ11の基端部11cの開口から中空部11aに挿入されて、ノズルボディ11の先端部11bの側に配置される。スワールチップ12は、ノズルボディ11の先端部11bの先端開口111を挿通する噴射径設定筒部12aと、この噴射径設定筒部12aの基端部に連なる渦流生成筒部12bと、を備えている。スワールチップ12は、噴射径設定筒部12aと渦流生成筒部12bとによって、全体的な外観が短尺の筒状となるように、形成されている。
【0029】
噴射径設定筒部12aは、燃料を噴射する流路となる内周部に、噴射される燃料流を所定の噴射径に整流するためのオリフィス121を備える。
【0030】
渦流生成筒部12bの外径は、ノズルボディ11の先端開口111よりも大きく構成されている。渦流生成筒部12bは、複数の旋回溝12dを備える。複数の旋回溝12dは、渦流生成筒部12bの外周面から中心部に向かって延びて形成され、渦流生成筒部12bの外部と内部とを連通させる。旋回溝12dは、それぞれ、噴射径設定筒部12a側とは逆側の端面から噴射径設定筒部12a側に延びて形成される切れ込みにより構成される。即ち、複数の旋回溝12dは、端面側に開放されている。
【0031】
複数の旋回溝12dは、渦流生成筒部12bの外周に到達した燃料を渦流生成筒部12bの内周面の接線方向に流入させる。そして、渦流生成筒部12bの外周側から噴射径設定筒部12aのオリフィス121に送られる燃料流は、複数の旋回溝12dによる流れ方向の規制により、渦流になる。
【0032】
渦流生成筒部12bと噴射径設定筒部12aとの間の段差122がノズルボディ11の先端部11bの環状部分112に突き当たることで、スワールチップ12は、ノズルボディ11の先端部11bに位置決めされる。
【0033】
スワールチップトップ13は、ノズルボディ11の先端部11bにスワールチップ12が配置された状態で、ノズルボディ11の基端部11cの開口から中空部11aに挿入されてスワールチップ12に当接する。そして、スワールチップトップ13は、スワールチップ12をノズルボディ11の先端側に押圧する。
このスワールチップトップ13は、筒状に形成され、先端がスワールチップ12に当接する筒状本体部13aと、この筒状本体部13aの基端部から拡径して延出した拡径延長筒部13bと、を備える。
スワールチップトップ13の筒状本体部13a及び拡径延長筒部13bには、スワールチップトップ13の基端側に開放するリターン中空部13eが形成されている。
【0034】
筒状本体部13aは、スワールチップ12の渦流生成筒部12bの後端面に面接触する平坦な円板状に形成された先端壁132を有する。そして、この先端壁132には、複数のリターン穴部133がスワールチップトップ13の軸方向に貫通して形成されている。各リターン穴部133を介して、リターン中空部13eと、渦流生成筒部12bの旋回溝12dとは連通する。
【0035】
リターン穴部133は、渦流生成筒部12bの複数の旋回溝12dと位置が整合するように、周方向に等間隔で、所定半径の円周上の複数箇所に形成されている。
【0036】
即ち、スワールチップトップ13は、スワールチップトップ13の軸方向に延びるリターン中空部13eと、スワールチップ12との当接面である先端壁132に形成されスワールチップ12の旋回溝12dとリターン中空部13eとを連通させるリターン穴部133と、を備えている。
【0037】
拡径延長筒部13bの先端側の外周面は、開口部11dよりも基端部11c寄りの位置で中空部11aの周面に面接触するシール面131となっている。このシール面131は、面接触によって中空部11aとの間を封止し、開口部11dから中空部11aに流入する燃料の流れ方向を中空部11aの先端側に規制する。
【0038】
即ち、スワールチップトップ13の筒状本体部13aの外周面と、拡径延長筒部13bの先端側のシール面131と、ノズルボディ11の内周面とは、開口部11dから中空部11aに流入した燃料をスワールチップ12の周面に流通可能な第2流路15を形成している。第2流路15は、図2に矢印F2で示すように、燃料を渦流生成筒部12bの外周に送り、旋回溝12dに流入させる。第2流路15は、燃料の流れの妨げとなる凹凸のない単純な筒状の流路構造により、燃料の偏流が無くなるように燃料の流れを整流する。
【0039】
旋回溝12dに流入した燃料は、図2に矢印F3で示したようにオリフィス121を経てスワールチップ12の先端から外部に噴射される噴射燃料と、図2に矢印F4で示すように旋回溝12dからリターン穴部133を経てリターン中空部13eに導入される戻し燃料とに分流する。リターン中空部13eに導入された燃料は、矢印F5で示すように、スワールチップトップ13の基端側の開口136から外部に排出される。
【0040】
拡径延長筒部13bは、軸方向の中間部の外周に、雄ねじ部135を有する。拡径延長筒部13bの雄ねじ部135とノズルボディ11の雌ねじ部115とを螺合させることで、スワールチップトップ13は、ノズルボディ11の基端部11cに着脱可能に接続され、位置決めされる。
【0041】
リターンノズル10においては、矢印F1で示すように、供給ライン20から供給される燃料がノズルボディ11の中空部11aに流入すると、流入した燃料は、矢印F2に示すように、中空部11a内に形成された第2流路15によりスワールチップ12の渦流生成筒部12bの外周に送られる。そして、渦流生成筒部12bの外周に到達した燃料の一部は、矢印F3で示すように、旋回溝12dからオリフィス121を経て外部に噴射される。燃料の他の一部は、矢印F4で示すように、旋回溝12dからリターン穴部133を経てリターン中空部13eに導入される。リターン中空部13eに導入された燃料は、矢印F5で示されるように、拡径延長筒部13bの基端の開口136から外部に排出され、戻りライン30(図1参照)流通する。戻りライン30を流通する燃料の流量は、前述の戻りライン30における流路開閉弁33,34やモータバルブ35の開度の調整により、調節することができる。
【0042】
次に、本実施形態のリターンノズルホルダ4について、図3〜図6を参照しながら説明する。
リターンノズルホルダ4は、ホルダ本体40を主体として構成される。ホルダ本体40は、図3に示すように、リターンノズル10のノズルボディ11が連結される先端筒部材41と、この先端筒部材41の基端(後端)に連結される中間筒部材42と、中間筒部材42の基端(後端)に連結される基端筒部材43と、を備える。
【0043】
先端筒部材41は、ノズルボディ11が螺合により着脱可能に結合される先端筒状部41aと、この先端筒状部41aから延出してノズルボディ11の基端側の外周を同心状に覆う流路形成用筒部41bと、流路形成用筒部41bの外周に形成された雄ねじ部41cと、を備える。
【0044】
先端筒状部41aは、その内周部に、ノズルボディ11の雄ねじ部116に螺合する雌ねじ部411を備える。先端筒状部41aの雌ねじ部411とノズルボディ11の雄ねじ部116とが螺合されて、リターンノズル10は先端筒部材41に固定される。
【0045】
流路形成用筒部41bは、ノズルボディ11に形成された開口部11dの周囲を同心状に囲う筒体である。流路形成用筒部41bの内周とノズルボディ11の基端部11cの外周との間の空間から、供給ライン20から供給される燃料を開口部11dに導く第1流路R1が形成される。
【0046】
中間筒部材42は、図3に示すように、その先端部の内周部に形成された第1の雌ねじ部42aと、その基端部の内周部に形成された第2の雌ねじ部42bと、ノズルボディ11から突出したスワールチップトップ13の基端側が嵌合する中間厚肉部42dと、を備える。
【0047】
第1の雌ねじ部42aは、図3に示すように、先端筒部材41の雌ねじ部411に螺合するねじ部である。第1の雌ねじ部42aと雌ねじ部411とが螺合されて、中間筒部材42の先端部は先端筒部材41の基端側に液密に結合される。
【0048】
第2の雌ねじ部42bは、図3に示すように、基端筒部材43の先端部の外周に形成された雄ねじ部431(後述)と螺合するねじ部である。基端筒部材43の雄ねじ部431と第2の雌ねじ部42bとが螺合されて、中間筒部材42の基端部は、基端筒部材43の先端部に液密に結合される。
【0049】
中間厚肉部42dは、その中心部に、戻し流路42cを備える。この戻し流路42cは、軸方向に貫通して形成され、スワールチップトップ13のリターン中空部13eと連通する。この中間厚肉部42dの周壁には、戻り用ライン接続口42fと、供給用燃料流路42gと、が形成されている。
【0050】
戻り用ライン接続口42fには、図1に示した戻りライン30が接続される。戻り用ライン接続口42fは、戻し流路42cの軸方向の中間位置に連通するように、中間厚肉部42dの周壁を半径方向に貫通して形成されている。戻り用ライン接続口42f及び戻し流路42cは、戻りライン30の一部を構成する。
【0051】
供給用燃料流路42gは、第1の雌ねじ部42a側と第2の雌ねじ部42b側とを連通させるように、軸方向に沿って中間厚肉部42dに貫通して形成されている。供給用燃料流路42gは、戻し流路42cと平行に設けられており、第1流路R1と連通する。供給用ライン接続口43a、供給用燃料流路42g及び第1流路R1は、供給ライン20の一部を構成する。
【0052】
基端筒部材43は、中間筒部材42の基端部に螺合される。基端筒部材43の基端部には、供給用ライン接続口43aが形成されている。供給用ライン接続口43aには、図1に示した供給ライン20が接続される。供給用ライン接続口43aは、軸方向に貫通して設けられており、基端筒部材43と中間筒部材42とが結合された状態において後述の供給側弁体50が第1開放位置にあるときには、供給用燃料流路42gに連通する。供給用ライン接続口43a、供給用燃料流路42g及び第1流路R1は、供給ライン20の一部を構成する。
【0053】
基端筒部材43の先端部には、供給側弁座46が固定されている。また、中間筒部材42における戻し流路42cには、戻り側弁座47が固定されている。
【0054】
また、供給側弁座46と対向する中間筒部材42の中間厚肉部42dの端面421には、図4に示すように、戻し流路42cの内径を拡径させた弁体支持室422が形成されている。弁体支持室422は、戻し流路42cと戻り用ライン接続口42fとの連通箇所よりも中間筒部材42の基端側に形成されている。弁体支持室422は、その横断面形状が円形の空間である。
【0055】
リターンノズルホルダ4の内部には、特に弁体支持室422及び戻し流路42cには、供給側弁体50と、戻り側弁体60と、第1付勢部材71と、第2付勢部材72と、が配置される。
【0056】
供給側弁体50は、軸方向(図4の矢印X1方向)に移動可能に中間厚肉部42dの弁体支持室422に配置される。弁体支持室422に配置された供給側弁体50は、図4に示したように供給側弁座46に当接して供給ライン20を閉鎖する第1閉鎖位置Pc1と、図6に示すように供給側弁座46から離間して供給ライン20を開放する第1開放位置Po1との間で移動可能である。供給側弁体50が第1閉鎖位置Pc1から第1開放位置Po1に移動したときの移動量は、図4に示す長さL1に等しい。
【0057】
供給側弁体50は、図4に示すように、柱状の本体部51と、供給側弁座46側に位置する本体部51の一端面51aに形成される大径穴部52と、大径穴部52に連続して形成される中径穴部53と、中径穴部53に連続して形成される小径穴部54と、を備える。
【0058】
本体部51の外径は、中間厚肉部42dの弁体支持室422の内径よりも僅かに小さく構成されている。本体部51は、軸方向に移動可能に弁体支持室422に配置される。本体部51の外周面には、弁体支持室422の内周面に密着するシールリング56が設けられる。シールリング56は、本体部51と弁体支持室422との間の隙間を封止する。
【0059】
大径穴部52は、本体部51の一端面51aから本体部51の軸方向(図4の矢印X1方向)に延びて形成される。中径穴部53の径は、大径穴部52の径よりも小さく構成されている。小径穴部54の径は、中径穴部53の径よりも小さく構成されている。小径穴部54は、本体部51の他端面51bに開口する。
【0060】
戻り側弁体60は、図4に示すように、本体部51の小径穴部54及び中径穴部53に挿通される軸部(弁軸部)61と、供給側弁座46側となる軸部61の一端部に設けられる受圧部62と、リターンノズル10側となる軸部61の他端部に配置される戻りライン閉鎖部(弁本体)63と、を備える。戻り側弁体60は、全体的には、供給側弁体50の移動方向(図4の矢印X1方向)に沿って延びた形状に形成されている。戻り側弁体60は、基端側(供給側弁座46側)が供給側弁体50に摺動可能に連結されると共に、先端側が戻し流路42cに配置される。
【0061】
軸部61は、本体部51の小径穴部54の径と略同径に構成されている。
【0062】
受圧部62は、本体部51の大径穴部52の径と略同径に構成され、軸方向に摺動可能に大径穴部52に配置されている。受圧部62の外周面には、大径穴部52の内周面に密着するシールリング66が設けられる。シールリング66は、受圧部62の外周と大径穴部52との間の隙間を封止する。
【0063】
受圧部62に設けられたシールリング66と、供給側弁体50に設けられたシールリング56とによって、戻し流路42cの供給側弁座46側の開口は、完全に封止された状態になる。そのため、図6に示すように、供給側弁体50及び戻り側弁体60がそれぞれの流路を開放しているときに、供給用ライン接続口43aから供給される燃料は、直接、戻し流路42cに流入しない。また、戻し流路42cを経て戻り用ライン接続口42fに流通した燃料は、供給用ライン接続口43aに流出しない。
【0064】
戻りライン閉鎖部63は、弁本体として機能し、図4に示すように、戻り側弁座47に当接することにより、戻し流路42cと戻り用ライン接続口42fとの連通を遮断し、戻りライン30を閉鎖する。
【0065】
図4に示すように、戻り側弁体60が戻り側弁座47に当接して戻りライン30を閉鎖する第2閉鎖位置Pc2にあるときにおいて、供給側弁体50の大径穴部52と中径穴部53との境界となる段差面52aと、受圧部62との間には、長さL2の隙間が確保される。この長さL2は、後述する第2付勢部材72の付勢力に抗して、戻り側弁体60が供給側弁体50に対してリターンノズル10側に摺動して移動することが可能な摺動長さである。
この摺動長さL2は、流路を閉鎖する動作時に、戻り側弁体60の軸方向の寸法誤差を許容して、戻りライン閉鎖部63が確実に戻り側弁座47に当接できるようにするもので、寸法公差よりも大きい任意値に設定することができる。
【0066】
供給側弁体50における第1閉鎖位置Pc1(図4参照)と第1開放位置Po1(図6参照)との間の移動長さL1(距離)は、供給側弁体50に対する戻り側弁体60の摺動長さL2(距離)よりも大きい。
【0067】
第1付勢部材71は、圧縮コイルばねから形成され、供給側弁体50を第1閉鎖位置Pc1の側に付勢する。第1付勢部材71は、供給側弁体50とリターンノズル10との間に配置される。より詳細には、第1付勢部材71は、図4に示すように、供給側弁体50からリターンノズル10側に離れた位置で供給側弁体50と対向するばね受け面47aと、供給側弁体50との間に配置される。ばね受け面47aは、供給側弁体50と対向する戻り側弁座47の背面に一体的に形成されている。
【0068】
第2付勢部材72は、圧縮コイルばねから形成され、供給側弁体50と戻り側弁体60との連結部分に配置され、戻り側弁体60を第2閉鎖位置Pc2側に付勢する。詳述すると、第2付勢部材72は、本体部51の中径穴部53の内面と戻り側弁体60の軸部61の外面との間に配置される。また、第2付勢部材72は、本体部51の中径穴部53と小径穴部54との境界に形成される段差部55と、戻り側弁体60の受圧部62との間に配置される。換言すると、第2付勢部材72は、一端側が受圧部62に接して配置され、他端側が段差部55に接して配置される。
【0069】
また、第1付勢部材71の付勢力は、第2付勢部材72の付勢力よりも大きく設定されている。
【0070】
次に、本実施形態のリターンノズルホルダ4における供給側弁体50及び戻り側弁体60の開閉動作と、供給側弁体50及び戻り側弁体60によって流路が開かれたときの燃料の流れについて説明する。
【0071】
供給側弁体50は、供給ライン20が燃料供給を行わない状態では、図4に示したように第1付勢部材71の付勢力によって、供給側弁体50が供給側弁座46に当接する第1閉鎖位置Pc1に維持される。また、このとき、戻り側弁体60は、第2付勢部材72の付勢力によって、戻りライン閉鎖部63が戻り側弁座47に当接する第2閉鎖位置Pc2に維持される。
【0072】
供給ライン20が所定の圧力以上で燃料供給を行う状態では、供給用ライン接続口43aから導入された燃料から供給側弁体50に作用する圧力は、第1付勢部材71の付勢力以上となる。そのため、図6に示すように、供給側弁体50は、第1開放位置Po1に移動する。また、第1開放位置Po1への供給側弁体50の移動に従動して、戻り側弁体60は第2開放位置Po2に移動する。
その結果、図6に示すように、供給用ライン接続口43a側と供給用燃料流路42gとは連通状態となると共に、戻し流路42cと戻り用ライン接続口42fとは連通状態になる。
【0073】
そのため、図5に示すように、供給ライン20から供給用ライン接続口43aに供給される燃料は、基端筒部材43から供給側弁座46の開口を経て供給用燃料流路42gへ流れ、供給用燃料流路42gからリターンノズル10の外周の第1流路R1、及びノズルボディ11の開口部11dを経て、ノズルボディ11内の第2流路15に流れ、第2流路15から矢印F3で示すようにスワールチップ12を経て、外部に噴射される。また、第2流路15からスワールチップ12に送られた燃料の一部は、矢印F4で示すように、スワールチップ12からスワールチップトップ13のリターン穴部133を経て、リターン中空部13eに導入され、リターン中空部13eから戻し流路42c、戻り側弁座47の開口、及び戻り用ライン接続口42fを経て、戻りライン30に導入される。
【0074】
図5及び図6に示したように、供給側弁体50及び戻り側弁体60のそれぞれが、流路を開放する開放位置(第1開放位置Po1、第2開放位置Po2)に位置した状態で、供給ライン20からの燃料の送給が停止された場合には、供給用ライン接続口43a側から供給側弁体50に作用する圧力は、低下する。そのため、第1付勢部材71による付勢力によって、供給側弁体50は、図4に示す第1閉鎖位置Pc1に復帰して、供給ライン20と供給用燃料流路42gとの間は遮断される。そのため、供給ライン20側に残留していた燃料がリターンノズル10の側に流れることを防止することができる。
また、供給側弁体50が第1閉鎖位置Pc1に戻る際には、供給側弁体50に連結されている戻り側弁体60は、第2閉鎖位置Pc2に戻り、これにより、戻し流路42cと戻り用ライン接続口42fとの間は遮断される。そのため、戻りライン30に残留していた燃料が戻し流路42cを介してリターンノズル10の側に流れることを防止することができる。
【0075】
即ち、本実施形態のリターンノズルホルダ4では、供給ライン20から燃料が供給されるときには、供給側弁体50及び戻り側弁体60のそれぞれの弁体は、それぞれに対応する供給ライン20及び戻りライン30を開放する。また、供給ライン20からの燃料の供給が停止されるときには、供給側弁体50及び戻り側弁体60のそれぞれの弁体は、それぞれに対応する供給ライン20及び戻りライン30を遮断する。
即ち、本実施形態のリターンノズルホルダ4では、ホルダ本体40に配置された供給側弁体50及び戻り側弁体60は、略同時に作動するカットオフ弁として機能し、そのため、供給ライン20及び戻りライン30の両方を精度よく開閉することが可能になる。
【0076】
以上説明した本実施形態のリターンノズルホルダ4によれば、以下のような効果を奏する。
【0077】
(1)リターンノズルホルダ4を、供給ライン20を閉鎖する第1閉鎖位置Pc1と供給ライン20を開放する第1開放位置Po1との間で移動可能な供給側弁体50と、戻りライン30を閉鎖する第2閉鎖位置Pc2と戻りライン30を開放する第2開放位置Po2との間で該供給側弁体50の移動方向に沿って移動可能な戻り側弁体60と、供給側弁体50を第1閉鎖位置Pc1の側に付勢する第1付勢部材71と、供給側弁体50と戻り側弁体60との連結部分に配置され戻り側弁体60を第2閉鎖位置Pc2の側に付勢する第2付勢部材72と、を含んで構成した。これにより、供給側弁体50及び戻り側弁体60を、それぞれに対応する供給ライン20及び戻りライン30に対して、略同時に開閉させられる。よって、供給ライン20及び戻りライン30の両方を精度よく開閉できる。
また、戻り側弁体60を供給側弁体50に対して摺動可能に連結すると共に、供給側弁体50と戻り側弁体60との連結部分に第2付勢部材72を配置した。これにより、供給側弁体50に対する戻り側弁体60の摺動長さL2分だけ、戻り側弁体60の軸方向の寸法誤差を許容できる。よって、流路を閉鎖する動作時に、戻り側弁体60の軸方向の寸法誤差を許容して、戻りライン閉鎖部63を確実に戻り側弁座47に当接させられるので、より確実に供給ライン20及び戻りライン30の両方を開閉できる。
【0078】
(2)リターンノズルホルダ4を、第1付勢部材71を供給側弁体50とリターンノズル10との間に配置して構成した。これにより、第1付勢部材71を、例えば、リターンノズル10と供給側弁体50との間に形成される戻し流路42cとしての空間の一部を利用して、効率よく配置できるので、第1付勢部材71を容易に配置できる。
【0079】
(3)供給側弁体50を、柱状の本体部51と、本体部51の一端面から本体部51の軸方向に延びて形成される大径穴部52と、この大径穴部52よりも径の小さい中径穴部53と、この中径穴部53よりも径の小さい小径穴部54と、を含んで構成した。また、戻り側弁体60を、小径穴部54の径と略同径に構成され小径穴部54及び中径穴部53に挿通される軸部61と、軸部61の一端部に設けられ大径穴部52に配置される受圧部62と、軸部61の他端部に配置され戻りライン30を閉鎖する戻りライン閉鎖部63と、を含んで構成した。更に、第2付勢部材72を、中径穴部53の内面と軸部61の外面との間に配置されると共に、一端側が受圧部62に接して配置され、他端側が中径穴部53と小径穴部54との境界に形成される段差部55に接して配置した。これにより、供給側弁体50と戻り側弁体60とが合体した状態で略同時に軸方向に移動する弁機構を構築でき、供給側弁体50及び戻り側弁体60を、供給ライン20及び戻りライン30の両方を精度よく開閉するカットオフ弁として機能させられる。
【0080】
(4)供給側弁体50に対する戻り側弁体60の摺動長さL2は、流路を閉鎖する動作時に、戻り側弁体60の軸方向の寸法誤差を許容して、戻りライン閉鎖部63を確実に戻り側弁座47に当接させるために設けられる。そこで、供給側弁体50における第1閉鎖位置Pc1と第1開放位置Po1との間の移動長さL1(距離)を、戻り側弁体60の供給側弁体50に対する摺動長さL2(距離)よりも大きくした。これにより、戻り側弁体60の摺動長さL2を、供給側弁体50の移動長さL1よりも小さい値に規制することで、供給側弁体50と戻り側弁体60との合体した状態での軸方向の寸法をコンパクトにまとめることができ、リターンノズルホルダ4の小型化を図ることができる。
【0081】
(5)第1付勢部材71の付勢力を、第2付勢部材72の付勢力よりも大きく構成した。これにより、供給側弁体50が第1閉鎖位置Pc1にあり、かつ、戻り側弁体60も第2閉鎖位置Pc2にある状態で、供給ライン20から燃料の供給が開始される場合に、供給用ライン接続口43aに流入する燃料の圧力で、まず戻り側弁体60が供給側弁体50に対して摺動長さL2の分だけリターンノズル10側に移動して、戻し流路42cと戻り用ライン接続口42fとを連通させる。次いで、供給側弁体50と戻り側弁体60とが一体となって、リターンノズル10側に移動して、供給側弁体50と戻り側弁体60とが、同時に第1開放位置Po1,第2開放位置Po2に到達する。よって、供給ライン20から燃料が供給されるときには、速やかに、供給側弁体50及び戻り側弁体60が移動して、流路を開放できる。
また、供給ライン20からの燃料の供給が停止される場合、供給用ライン接続口43aにおける燃料の圧力の低下によって供給側弁体50が供給側弁座46の側に戻るときには、図6に示すように受圧部62が大径穴部52の奥の段差面52aに当接し、供給側弁体50と戻り側弁体60とが一体となってそれぞれの閉鎖位置(第1閉鎖位置Pc1,第2閉鎖位置Pc2)に向かう。よって、供給ライン20からの燃料の供給が停止されるときには、速やかに、かつ、同時に、供給側弁体50及び戻り側弁体60が移動して、流路を閉鎖できる。
【符号の説明】
【0082】
1 リターンノズル装置
4 リターンノズルホルダ
10 リターンノズル
20 供給ライン
30 戻りライン
40 ホルダ本体
50 供給側弁体
51 本体部
51b 他端面
52 大径穴部
53 中径穴部
54 小径穴部
55 段差部
60 戻り側弁体
61 軸部
62 受圧部
63 戻りライン閉鎖部
71 第1付勢部材
72 第2付勢部材
L1 移動長さ
L2 摺動長さ
Pc1 第1閉鎖位置
Pc2 第2閉鎖位置
Po1 第1開放位置
Po2 第2開放位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に供給された燃料を噴射すると共に該燃料の一部を返送するリターンノズルを支持するリターンノズルホルダであって、
前記リターンノズルの内部に燃料を供給する供給ラインと、
前記リターンノズルの内部に供給された燃料の一部を前記リターンノズルから排出し、前記供給ラインに返送する戻りラインと、
前記供給ラインを閉鎖する第1閉鎖位置と該供給ラインを開放する第1開放位置との間で移動可能な供給側弁体と、
前記供給側弁体の移動方向に沿って延び、基端側が前記供給側弁体に摺動可能に連結され、前記戻りラインを閉鎖する第2閉鎖位置と該戻りラインを開放する第2開放位置との間で該供給側弁体の移動方向に沿って移動可能な戻り側弁体と、
前記供給側弁体を前記第1閉鎖位置側に付勢する第1付勢部材と、
前記供給側弁体と前記戻り側弁体との連結部分に配置され前記戻り側弁体を前記第2閉鎖位置側に付勢する第2付勢部材と、を備えるリターンノズルホルダ。
【請求項2】
前記第1付勢部材は、前記供給側弁体と前記リターンノズルとの間に配置される請求項1に記載のリターンノズルホルダ。
【請求項3】
前記供給側弁体は、
柱状の本体部と、
前記本体部の一端面から該本体部の軸方向に延びて形成される大径穴部と、
前記大径穴部に連続して形成され該大径穴部よりも径の小さい中径穴部と、
前記中径穴部に連続して形成されると共に前記本体部の他端面に開口し、該中径穴部よりも径の小さい小径穴部と、を備え、
前記戻り側弁体は、
前記小径穴部の径と略同径に構成され該小径穴部及び前記中径穴部に挿通される軸部と、
前記軸部の一端部に設けられて前記大径穴部の径と略同径に構成され該大径穴部に配置される受圧部と、
前記軸部の他端部に配置され前記戻りラインを閉鎖する戻りライン閉鎖部と、を備え、
前記第2付勢部材は、前記中径穴部の内面と前記軸部の外面との間に配置されると共に、一端側が前記受圧部に接して配置され、他端側が前記中径穴部と前記小径穴部との境界に形成される段差部に接して配置される請求項1又は2に記載のリターンノズルホルダ。
【請求項4】
前記供給側弁体における前記第1閉鎖位置と前記第1開放位置との間の移動長さL1は、前記戻り側弁体の前記供給側弁体に対する摺動長さL2よりも大きい請求項1〜3のいずれかに記載のリターンノズルホルダ。
【請求項5】
前記第1付勢部材の付勢力は、前記第2付勢部材の付勢力よりも大きい請求項1〜4のいずれかに記載のリターンノズルホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−68367(P2013−68367A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207483(P2011−207483)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】