説明

リチウムイオン二次電池用負極及び該リチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池

【課題】第2の層が適切な導電性を確保することにより、負極が適切な抵抗を確保して、初期の充放電効率の低下、並びに大電流入出力特性及びサイクル特性等の電池特性の低下を防止すると共に、電池の安全性を確保する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池用負極1は、負極集電体1Xと、負極集電体1Xの上に形成され、第1の負極活物質を含む第1の層1aと、第1の層1aの上に形成され、第2の負極活物質及び導電剤を含む第2の層1bとを備えている。第1の負極活物質は、炭素を含む。第2の負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属酸化物を含む。導電剤が金属酸化物の粒子の表面を被覆する被覆率は、表面積の10%以上で且つ20%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用負極及び該リチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という場合がある)は、エネルギー密度が高い電池として、盛んに研究開発が進められている。しかしながら、短絡が発生した場合、電池が過熱する虞があるため、電池の安全性を向上させることは重要である。
【0003】
電池の大電流性能を低下させることなく、内部短絡時の安全性を向上させることを目的に、例えば、特許文献1に記載の非水電解質電池が提案されている。特許文献1に記載の技術では、負極は、負極集電体と、負極集電体の上に形成された負極層とを有している。負極層は、負極集電体の表面に形成され、活物質を含む主負極層と、主負極層の表面に形成され、主負極層に含まれる活物質とは異なる活物質を含む表面層とを有している。表面層に含まれる活物質は、スピネル構造を有するリチウムチタン複合酸化物(Li4+xTi512,−1≦x≦3)である。これにより、電池の大電流性能を低下させることなく、内部短絡時の安全性を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−97720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、以下に示す問題がある。
【0006】
チタン酸リチウム(LTO:LixTiyOz)は、抵抗が高い。このため、LTOを含む表面層の抵抗が高過ぎた場合、負極全体の抵抗が高くなるため、電池に流れる電流が阻害されるので、初期の充放電効率の低下を招き、延いては、大電流入出力特性及びサイクル特性等の電池特性全体の低下を招く虞がある。
【0007】
このように、表面層は、電池の安全性を確保する為に高い抵抗を持つ必要があるものの、表面層の抵抗が高過ぎた場合、上記の通り、電池特性全体の低下を招く虞がある。このため、表面層の抵抗を、ある程度(具体的には、負極が適切な導電性を確保し得る程度)まで低くする必要がある。このように、表面層は、適切な導電性を確保する必要がある。
【0008】
前記に鑑み、本発明の目的は、負極集電体の上に形成された第1の層と、第1の層の上に形成された第2の層とを有するリチウムイオン二次電池用負極を備えたリチウムイオン二次電池において、第2の層が適切な導電性を確保することにより、負極が適切な抵抗を確保して、初期の充放電効率の低下、並びに大電流入出力特性及びサイクル特性等の電池特性の低下を防止すると共に、電池の安全性を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極は、負極集電体と、負極集電体の上に形成され、第1の負極活物質を含む第1の層と、第1の層の上に形成され、第2の負極活物質及び導電剤を含む第2の層とを備え、第1の負極活物質は、炭素を含み、第2の負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属酸化物を含み、導電剤が金属酸化物の粒子の表面を被覆する被覆率は、表面積の10%以上で且つ20%以下である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池によると、第2の層が適切な導電性を確保することができる。これにより、負極が適切な抵抗を確保して、初期の充放電効率の低下、並びに大電流入出力特性及びサイクル特性等の電池特性の低下を防止すると共に、電池の安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極の構造を示す断面図である。
【図2】図2は、アセチレンブラックの構造を示す図である。
【図3】図3は、第2の層に含まれる金属酸化物及び導電剤の構造を示す図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の単なる例示形態に過ぎず、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の変形又は変更が可能であり、該変形例及び該変更例も本発明の範囲内に含まれる。図面において、各構成要素は、図示に適した寸法比率で図示されており、図示した寸法比率は、実際の寸法比率とは異なる場合がある。
【0013】
(一実施形態)
以下に、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極について、図1、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0014】
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極1は、図1に示すように、負極集電体1Xと、負極集電体1Xの上に形成された第1の層1aと、第1の層1aの上に形成された第2の層1bとを備えている。第1の層1aは、少なくとも、第1の負極活物質を含み、この他に、導電剤及び結着剤等を含んでいてもよい。第2の層1bは、少なくとも、第2の負極活物質及び導電剤を含み、これらの他に、結着剤等を含んでいてもよい。
【0015】
第2の層1bは、第1の層1aよりも厚さが薄い。第2の層1bは、例えば3μm以上で且つ30μm以下であることが好ましい。
【0016】
第1の負極活物質は、第2の負極活物質よりも高い理論容量を有する。第2の負極活物質は、第1の負極活物質よりも高い抵抗を有する。第1の負極活物質は、炭素を含み、例えば、黒鉛である。第2の負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属酸化物を含む。金属酸化物は、例えば、チタン酸リチウム(LTO:LixTiyOz)又は酸化モリブデンである。
【0017】
第2の層に含まれる導電剤は、例えば、アセチレンブラック又はカーボンナノチューブであることが好ましい。図2は、アセチレンブラックの構造を示している。図2に示すように、アセチレンブラックは、球状の一次粒子が繋がったストラクチャーを持つ。アセチレンブラックのストラクチャー(一次粒子の繋がり)の長さは、0.4μm以上で且つ0.6μm以下であることが好ましい。同様に、カーボンナノチューブの長さは、0.4μm以上で且つ0.6μm以下であることが好ましい。アセチレンブラックの「ストラクチャーの長さ」及びカーボンナノチューブの「長さ」は、撮影された走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)の画像解析から求められる。
【0018】
図3は、第2の層に含まれる金属酸化物及び導電剤の構造を示している。図3に示すように、金属酸化物の粒子は、球状であり、導電剤の粒子は、鎖状である。隣り合う金属酸化物の粒子同士の間隙に、導電剤の粒子が入り込み、隣り合う金属酸化物の粒子同士の間を電気的に接続している。
【0019】
導電剤が金属酸化物の粒子の表面を被覆する被覆率(以下、単に「被覆率」という)は、金属酸化物の粒子の表面積の10%以上で且つ20%以下である。
【0020】
本明細書において、「導電剤が金属酸化物の粒子の表面を被覆する被覆率」とは、金属酸化物の1粒子の表面積における導電剤により被覆された割合をいう。被覆率は、導電剤の1粒子当たりの投影面積sに対し、導電剤の粒子数mを掛けた値を、金属酸化物の1粒子当たりの投影面積Sで割った値をいう。投影面積s、粒子数m及び投影面積Sは、撮影されたSEM写真の画像解析から求められる。個々の粒子は、その平均粒子径の球体として計算した。
【0021】
本願発明者らが鋭意検討を重ねた結果、被覆率が10%以上で且つ20%以下であることにより、第2の層が、適切な導電性を確保することができることが判った。
【0022】
具体的には、後述の[表1]に示すように、被覆率が10%以上で且つ20%以下である場合、負極の抵抗は電池として使用不可能な抵抗値よりも低く、内部短絡試験により短絡する電池は無く、初期の充放電効率(以下、単に「初期効率」という場合がある)は高い。初期効率が高いことから判るように、リチウム(Li)イオンの脱挿入がスムーズに行われており、サイクル特性等の良好な電池特性を期待することができる。後述の実施例及び比較例の場合、電池として使用不可能な抵抗値を、例えば、500mΩ以上とした。但し、この抵抗値は、電池設計に応じて決定されるため、500mΩとは異なる場合がある。後述の実施例及び比較例の場合、95%以上の初期効率を、高い初期効率とした。
【0023】
これに対し、被覆率が10%よりも小さい場合、短絡する電池は無いものの、負極の抵抗が使用不可能な抵抗値以上であり、初期効率が低い。一方、被覆率が20%よりも大きい場合、負極の抵抗は使用不可能な抵抗値よりも低く、初期効率は高いものの、短絡する電池が有る。
【0024】
[表1]から判るように、被覆率が10%以上で且つ20%以下であることにより、第2の層が、適切な抵抗(言い換えれば、導電性)を確保することができる。これにより、負極が適切な抵抗を確保して、初期効率の低下を防止すると共に、電池の安全性を確保することができる。さらに、初期効率の低下を防止することによって、大電流入出力特性及びサイクル特性等の電池特性の低下を防止することができる。
【0025】
被覆率が10%よりも小さい場合、第2の層の抵抗が高過ぎて、負極が適切な抵抗を確保することができず、初期効率の低下を招く。被覆率が20%よりも大きい場合、第2の層の抵抗が低過ぎて、短絡時に、第2の層により短絡電流を遮断することができず、電池の安全性を確保することができない。
【0026】
以下に、負極集電体の上に形成される層として、(1)本実施形態のように、第1の層及び第2の層の積層体を用いる場合と、(2)本実施形態とは異なり、第2の層のみの単層体を用いる場合とを比較する。
【0027】
(2)の場合、後述の[表3]に示すように、被覆率が15%及び20%の時の負極の抵抗は、使用不可能な抵抗値よりも高い。なお、被覆率が10%の時の負極の抵抗は、200000mΩよりも遙かに高過ぎて、測定不可能であった。
【0028】
これに対し、被覆率が40%の時の負極の抵抗は、使用不可能な抵抗値よりも低い。
【0029】
[表3]から判るように、(2)の場合、負極の抵抗を、使用不可能な抵抗値よりも低くするには、被覆率を40%以上にする必要がある。これに対し、(1)の場合、被覆率が20%以下であっても、負極の抵抗を、使用不可能な抵抗値よりも低くすることができる。(1)の場合の被覆率は、(2)の場合の被覆率と比べて、小さい。(1)の場合の第2の層は、主に、電池の安全性を確保する為に第1の層の上に設ける層であるから、積層体に含まれる第2の層の被覆率は、単層体の第2の層の被覆率よりも小さい。
【0030】
第2の負極活物質として、例えば、LTOを用いることにより、以下の通り、高い容量を得ると共に、高入力充電時に、負極の表面にリチウム(Li)が析出することを防止することができる。
【0031】
LTOを含む第2の層の場合、例えばLTOの代わりに酸化アルミニウムを含む第2の層の場合と比べて、高い容量を得ることができる。これは、次のような理由による。酸化アルミニウムは、Liイオンを吸蔵及び放出することができず、活物質ではない。このため、酸化アルミニウムを含む第2の層の厚さの分だけ、活物質を充填することができず、容量が低い。一方、LTOは、活物質であるため、高い容量を得ることができる。
【0032】
LTOは、炭素よりも、Liイオンを効率良く挿入及び脱離することができる。このため、炭素を含む第1の層の表面を第2の層で覆うことにより、高入力充電時に、負極の表面にLiが析出することを防止することができる。なお、第1の層の表面を第2の層で覆わない場合、高入力充電時に、第1の層の表面にLiが析出する。析出したLiが負極を突き破って、内部短絡が発生する虞がある。さらに、一旦析出したLiは、電池の充放電に寄与しないため、高い容量を得ることができない。
【0033】
第2の層の厚さは、3μm以上で且つ30μm以下であることが好ましい。
【0034】
第2の層の厚さが、3μmよりも小さい場合、第1の層の表面の一部が露出する虞がある。この場合、高入力充電時に、露出した部分にLiが析出する。さらに、短絡時に、露出した部分に短絡電流が流れ、電池の安全性を確保することができない。
【0035】
一方、第2の層の厚さが、30μmよりも大きい場合、第2の層の厚さの分だけ、第1の層の厚さが小さくなり、第1の負極活物質を充填することができない。炭素を含む黒鉛は、LTOよりも、理論容量が高い。このため、容量が低下する虞がある。第2の層は、主に、電池の安全性を確保する為に第1の層の上に設ける層であるから、第2の層の厚さを、過剰に厚くする(例えば、30μmよりも大きくする)必要は全くない。
【0036】
厚さが3μm以上で且つ30μm以下の第2の層により、第1の層の全表面を精度良く覆うには、第2の負極活物質の平均粒子径が、1μm以上で且つ2μm以下であることが好ましい。第2の負極活物質の平均粒子径を、第2の層の厚さよりも十分に小さくする(例えば、1μm以上で且つ2μm以下にする)ことにより、第1の層の表面の一部を露出させることなく、第1の層の全表面を精度良く覆うことができる。
【0037】
第2の層に含まれる導電剤として、例えば、アセチレンブラックを用いた場合、アセチレンブラックのストラクチャーの長さは、0.4μm以上で且つ0.6μm以下であることが好ましい。これは、以下のような理由によるものと推測される。
【0038】
第1に、(a)第2の層が、X重量部の金属酸化物に対し、Y重量部の第1のストラクチャーの長さを有するアセチレンブラックを含む場合と、(b)第2の層が、X重量部の金属酸化物に対し、Y重量部の第2のストラクチャーの長さを有するアセチレンブラックを含む場合とを比較する。第2のストラクチャーの長さは、第1のストラクチャーの長さよりも長い。第1のストラクチャーの長さは、0.4μm以上で且つ0.6μm以下である。第2のストラクチャーの長さは、0.6μmよりも大きい。
【0039】
(a)の場合、(b)の場合と比べて、ストラクチャーの長さが短いため、隣り合う金属酸化物の粒子同士の間隙に入り込むアセチレンブラックの粒子数は、(a)の場合、(b)の場合と比べて、多い。このため、隣り合う金属酸化物の粒子同士の間を電気的に接続する導通パスの数は、(a)の場合、(b)の場合と比べて、多い。よって、(a)の場合、(b)の場合と比べて、導電性が高い(後述の[表2]参照)。
【0040】
このように、第2の層が、同一重量部の金属酸化物に対し、同一重量部のアセチレンブラックを含む場合、ストラクチャーの長さが0.4μm以上で且つ0.6μm以下である場合、ストラクチャーの長さが0.6μmよりも大きい場合と比べて、導通パスの数が多く、第2の層の導電性が高い。
【0041】
ストラクチャーの長さが0.4μm以上で且つ0.6μm以下の場合、少量のアセチレンブラックにより、第2の層が適正な導電性を確保することができる。一方、ストラクチャーの長さが、0.6μmよりも大きい場合、第2の層が適性な導電性を確保するには、多量のアセチレンブラックが必要である。
【0042】
第2に、(a)第2の層が、X重量部の金属酸化物に対し、Y重量部の第1のストラクチャーの長さを有するアセチレンブラックを含む場合と、(c)第2の層が、X重量部の金属酸化物に対し、Y重量部の第3のストラクチャーの長さを有するアセチレンブラックを含む場合とを比較する。第3のストラクチャーの長さは、第1のストラクチャーの長さよりも短い。第1のストラクチャーの長さは、0.4μm以上で且つ0.6μm以下である。第3のストラクチャーの長さは、0.4μmよりも小さい。
【0043】
(c)の場合、(a)の場合と比べて、ストラクチャーの長さが短いため、隣り合う金属酸化物の粒子同士の間隙に入り込むアセチレンブラックの粒子数は、(c)の場合、(a)の場合と比べて、多い。しかしながら、ストラクチャーの長さが短いため、隣り合う金属酸化物の粒子同士の間を電気的に接続することが困難であり、導通パスの数は、(c)の場合、(a)の場合と比べて、少ない。よって、(c)の場合、(a)の場合と比べて、導電性が低い(後述の[表2]参照)。
【0044】
このように、第2の層が、同一重量部の金属酸化物に対し、同一重量部のアセチレンブラックを含む場合、ストラクチャーの長さが0.4μm以上で且つ0.6μm以下である場合と比べて、ストラクチャーの長さが0.4μmよりも小さい場合、導通パスの数が少なく、第2の層の導電性が低い。
【0045】
ストラクチャーの長さが、0.4μmよりも小さい場合、隣り合う金属酸化物の粒子同士の間を電気的に接続することが困難であり、第2の層が適正な導電性を確保することが困難である。
【0046】
第2の層に含まれる導電剤として、例えば、カーボンナノチューブを用いた場合、カーボンナノチューブの長さは、0.4μm以上で且つ0.6μm以下であることが好ましい。これは、上述のアセチレンブラックと同様の理由による。
【0047】
以下に、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極の形成方法について説明する。
【0048】
まず、例えば、第1の負極活物質を含む第1のスラリーを調製する。第1の負極活物質は、炭素を含み、例えば、黒鉛である。黒鉛の平均粒子径は、例えば、10μm以上で且つ30μm以下であることが好ましい。第1のスラリーは、第1の負極活物質の他に、導電剤及び結着剤等を含んでいてもよい。次に、負極集電体の上に、第1のスラリーを塗布した後、乾燥させる。
【0049】
次に、第1に例えば、後述の第2のスラリーに含まれる導電剤として、アセチレンブラックを用いる場合、アセチレンブラックのストラクチャーの長さを、0.4μm以上で且つ0.6μm以下にする。具体的には例えば、水に分散剤及びアセチレンブラックを添加し、これらをボールミル等の粉砕機を用いて混合する。これにより、アセチレンブラックを粉砕及び分散して、粉砕及び分散したアセチレンブラックのストラクチャーの長さを0.4μm以上で且つ0.6μm以下にする。
【0050】
第2に例えば、導電剤として、カーボンナノチューブを用いる場合、アセチレンブラックと同様に、カーボンナノチューブを粉砕及び分散して、その長さを0.4μm以上で且つ0.6μm以下にする。又は、各社製の種々の長さを有するカーボンナノチューブのうち、長さが0.4μm以上で且つ0.6μm以下のカーボンナノチューブを選択する。
【0051】
次に、例えば、第2の負極活物質及び前述の導電剤等を含む第2のスラリーを調製する。第2の負極活物質は、金属酸化物を含み、金属酸化物は、例えば、LTOである。LTOの平均粒子径は、例えば、1μm以上で且つ2μm以下であることが好ましい。第2のスラリーは、第2の負極活物質及び導電剤の他に、結着剤等を含んでいてもよい。次に、乾燥させた第1のスラリーの上に、第2のスラリーを塗布した後、乾燥させる。
【0052】
次に、第1のスラリー及び第2のスラリーが順次塗布して乾燥された負極集電体を圧延する。これにより、図1に示すように、負極集電体1X、負極集電体1Xの上に形成された第1の層1a、及び第1の層1aの上に形成された第2の層1bを有するリチウムイオン二次電池用負極1を形成する。第2の層1bの厚さは、例えば、3μm以上で且つ30μm以下であることが好ましい。なお、第1のスラリーを塗布して乾燥させた後で且つ第2のスラリーを塗布して乾燥させる前に、第1のスラリーが塗布して乾燥された負極集電体を圧延してもよい。
【0053】
以下に、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池について、図4を参照しながら説明する。
【0054】
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、電池ケース7と、電池ケース7内に収容された電極群4とを備えている。電池ケース7の開口上端には、ガスケット9を介して、封口体8がかしめつけられている。
【0055】
電極群4は、正極2と、負極1と、セパレータ3とを有している。正極2と負極1とがそれらの間にセパレータ3を介して捲回されることで、電極群4が構成されている。電極群4の上端には上部絶縁板10が配置され、電極群4の下端には下部絶縁板11が配置されている。
【0056】
正極リード5の一端が、正極2に取り付けられ、正極リード5の他端が、正極端子を兼ねる封口体8に接続されている。負極リード6の一端が、負極1に取り付けられ、負極リード6の他端が、負極端子を兼ねる電池ケース7に接続されている。
【0057】
詳細な図示を省略したが、正極2は、正極集電体と、正極集電体の上に形成された正極合剤層とを有している。正極合剤層は、正極活物質、導電剤及び結着剤等を含む。
【0058】
負極1は、既述の通り、負極集電体1Xと、第1の層1aと、第2の層1bとを有している。
【0059】
以下に、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
【0060】
−正極−
次のようにして、正極を形成する。まず、正極活物質、結着剤及び導電剤等を溶媒に混合して、正極合剤スラリーを調製する。次に、正極集電体の上に、正極合剤スラリーを塗布した後、乾燥させる。次に、正極合剤スラリーが塗布して乾燥された正極集電体を圧延する。
【0061】
−負極−
既述の形成方法により、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極を形成する。
【0062】
−電池ー
次のようにして、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を製造する。まず、正極集電体に正極リードを取り付ける一方、負極集電体に負極リードを取り付ける。次に、正極と負極とを、それらの間にセパレータを介して捲回し、電極群を構成する。次に、電極群の上端に上部絶縁板を配置する一方、電極群の下端に下部絶縁板を配置する。次に、負極リードを電池ケースに溶接すると共に、正極リードを封口体に溶接して、電極群を電池ケース内に収容する。次に、電池ケース内に非水電解液を注液する。次に、電池ケースの開口上端をガスケットを介して封口板にかしめる。
【0063】
本実施形態によると、被覆率を、金属酸化物の粒子の表面積の10%以上で且つ20%以下にする。これにより、第2の層が適切な導電性を確保することができる。このため、負極が適切な抵抗を確保して、初期の充放電効率の低下を防止することができる。さらに、初期の充放電効率の低下を防止することによって、大電流入出力特性及びサイクル特性等の電池特性の低下を防止することができる。さらに、短絡が発生することがあっても、第2の層により、短絡電流を遮断することができ、電池の安全性を確保することができる。
【0064】
さらに、第2の層に含まれる第2の負極活物質として、LTOを用いる。これにより、容量を高くすることができる。さらに、高入力充電時に、負極の表面にLiが析出することを防止することができる。
【0065】
以下に、実施例1〜5及び比較例1〜8について説明する。
【0066】
<実施例1>
(正極の作製)
まず、正極活物質として100重量部のニッケル酸リチウムと、導電剤として5重量部のアセチレンブラックと、結着剤として3重量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、N−メチルピロリドン(NMP)に混合し、正極合剤スラリーを得た。この正極合剤スラリーを、アルミニウムからなる正極集電体の両面に塗布した後、乾燥させた。次に、両面に正極合剤スラリーが塗布して乾燥された正極集電体を圧延した。
【0067】
(負極の作製)
まず、平均粒子径が17μmになるように、黒鉛を粉砕及び分級した。次に、負極活物質として100重量部の黒鉛と、結着剤として1重量部のスチレンブタジエンゴムとを、水に混合し、第1のスラリーを得た。この第1のスラリーを、銅からなる負極集電体の両面に塗布した後、乾燥させた。
【0068】
次に、ストラクチャーの長さが0.4μmになるように、アセチレンブラックを粉砕及び分散した。具体的には、水に分散剤及びアセチレンブラックを添加し、これらをボールミルを用いて混合する。これにより、アセチレンブラックを粉砕及び分散して、粉砕及び分散したアセチレンブラックのストラクチャーの長さを0.4μmにした。次に、負極活物質として100重量部のチタン酸リチウムと、導電剤として5重量部のアセチレンブラックと、結着剤として2重量部のスチレンブタジエンゴムとを、水に混合し、第2のスラリーを得た。この第2のスラリーを、乾燥させた第1のスラリーの上に塗布した後、乾燥させた。次に、両面に第1のスラリー及び第2のスラリーが順次塗布して乾燥された負極集電体を圧延した。第1の層の厚さは、75μmであり、第2の層の厚さは、5μmであった。
【0069】
(非水電解液の調製)
非水溶媒として体積比が2:1:7になるようにエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとを混合した混合溶媒に、濃度が1.0mol/m3になるようにLiPF6を溶解し、非水電解液を得た。
【0070】
(リチウムイオン二次電池の製造)
まず、正極集電体にアルミニウム製の正極リードを取り付ける一方、負極集電体にニッケル製の負極リードを取り付けた。次に、正極と負極とを、それらの間にポリエチレン製のセパレータを介して捲回し、電極群を構成した。次に、電極群の上端に上部絶縁板を配置する一方、電極群の下端に下部絶縁板を配置した。次に、負極リードを電池ケースに溶接すると共に、正極リードを封口体に溶接して、電極群を電池ケース内に収容した。次に、電池ケース内に非水電解液を注液した。次に、電池ケースの開口上端をガスケットを介して封口板にかしめることにより、電池を製造した。
【0071】
<実施例2>
(負極の作製)において、塗布した第1のスラリーの厚さを薄くし、塗布した第2のスラリーの厚さを厚くしたこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。第1の層の厚さは、65μmであり、第2の層の厚さは、10μmであった。
【0072】
<実施例3>
(負極の作製)において、アセチレンブラックの代わりに、長さが0.6μmの10重量部のカーボンナノチューブを用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。被覆率は、15%であった。
【0073】
<実施例4>
(負極の作製)において、ストラクチャーの長さが0.5μmの10重量部のアセチレンブラックを用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。被覆率は、17%であった。
【0074】
<実施例5>
(負極の作製)において、アセチレンブラックの代わりに、長さが0.4μmの8重量部のカーボンナノチューブを用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。被覆率は、20%であった。
【0075】
<比較例1>
(負極の作製)において、アセチレンブラックの代わりに、長さが0.6μmの5重量部のカーボンナノチューブを用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。被覆率は、5%であった。
【0076】
<比較例2>
(負極の作製)において、ストラクチャーの長さが0.4μmの20重量部のアセチレンブラックを用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。被覆率は、40%であった。
【0077】
実施例1〜5及び比較例1,2の各々の負極の抵抗を測定した。実施例1〜5及び比較例1,2の各々の電池に対し、内部短絡試験を行った。実施例1〜5及び比較例1,2の各々の電池の初期の充放電効率を測定した。これらの結果を、以下の[表1]に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
負極の抵抗を、以下のようにして測定した。
【0080】
<抵抗>
実施例1〜5及び比較例1,2の各々の負極を切り取って、例えば、20mm角の測定用負極を作製した。低抵抗測定器HIOKI-HiTESTERにより、測定用負極に所定の電流を印加して、抵抗値を読み取った。
【0081】
内部短絡試験を、以下のようにして行った。
【0082】
<内部短絡試験>
実施例1〜5及び比較例1,2の各々の電池を、複数(例えば、5つ)準備した。各電池に対し、日本工業標準調査会が定めるJIS C 8712「密閉形小形二次電池の安全性」、JIS C 8714「携帯電子機器用リチウムイオン蓄電池の単電池及び組電池の安全性試験」における強制内部短絡試験を行った。複数(例えば、5つ)の電池のうち、内部短絡試験により発火した電池の個数を調べた。
【0083】
初期の充放電効率を、以下のようにして測定した。
【0084】
<初期の充放電効率>
実施例1〜5及び比較例1,2の各々の電池を0.2Cの定電流で電圧値が4.2Vになるまで充電した時の充電容量(mAh)と、実施例1〜5及び比較例1,2の各々の電池を0.2Cの定電流で電圧値が2.5Vになるまで放電した時の放電容量(mAh)とを、下記の[数式1]に導入して、初期の充放電効率を求めた。
【0085】
初期の充放電効率(%)=(放電容量/充電容量)×100・・・[数式1]
表1に示すように、被覆率が10%以上で且つ20%以下である場合、抵抗は使用不可能な抵抗値(例えば、500mΩ)よりも低く、短絡する電池は無く、初期効率は高い(例えば、95%以上である)。これに対し、被覆率が10%よりも小さい場合、短絡する電池は無いものの、抵抗が使用不可能な抵抗値以上であり、初期効率が低い。一方、被覆率が20%よりも大きい場合、抵抗は使用不可能な抵抗値よりも低く、初期効率は高いものの、短絡する電池が有る。
【0086】
<比較例3>
(負極の作製)において、ストラクチャーの長さが0.2μmの20重量部のアセチレンブラックを用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。被覆率は、87%であった。
【0087】
<比較例4>
(負極の作製)において、アセチレンブラックの代わりに、長さが1.0μmの20重量部のカーボンナノチューブを用いたこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。被覆率は、17%であった。
【0088】
比較例3,4の各々の負極の抵抗を測定した。比較例3,4の各々の電池に対し、内部短絡試験を行った。比較例3,4の各々の電池の初期効率を測定した。これらの結果を、実施例1,3,4,5の結果と合わせて、以下の[表2]に示す。なお、[表2]において、「長さ」とは、アセチレンブラックのストラクチャーの長さ又はカーボンナノチューブの長さをいう。抵抗を測定する方法、内部短絡試験を行う方法及び初期効率を測定する方法は、既述の方法と同様である。
【0089】
【表2】

【0090】
表2に示すように、長さが0.4μm以上で且つ0.6μm以下である場合、抵抗は使用不可能な抵抗値よりも低く、短絡する電池は無く、初期効率は高い。
【0091】
長さが0.4μmよりも小さい場合(例えば、0.2μmである場合)、多量の導電剤(例えば、20重量部のアセチレンブラック)を用いたにも拘わらず、抵抗が使用不可能な抵抗値よりも高く、負極が適切な抵抗を確保することができない。これは、長さが短いため、隣り合う金属酸化物の粒子同士の間を電気的に接続することが困難であるからと推測される。
【0092】
長さが0.6μmよりも大きい場合(例えば、1.0μmである場合)、被覆率を10%以上で且つ20%以下(例えば、17%)にするには、多量の導電剤(例えば、20重量部のカーボンブラック)を必要とした。これは、長さが長いため、導通パスの数が少ないからと推測される。
【0093】
以上から判るように、長さが0.4μmよりも小さい場合(例えば、0.2μmである場合)、多量の導電剤を用いたとしても、負極が適切な抵抗を確保することができない。よって、長さは、少なくとも0.2μmよりも大きいことが好ましく、0.4μm以上であることがさらに好ましい。
【0094】
一方、長さが0.6μmよりも大きい場合(例えば、1.0μmである場合)、被覆率を10%以上で且つ20%以下にするには、多量の導電剤の使用が必要とされる。よって、長さは、少なくとも1.0μmよりも小さいことが好ましく、0.6μm以下であることがさらに好ましい。
【0095】
長さが0.4μm以上で且つ0.6μm以下である場合、多量の導電剤の使用を必要とすることなく、少量の導電剤(例えば、5若しくは10重量部のアセチレンブラック又は8若しくは10重量部のカーボンナノチューブ)を用いても、被覆率を10%以上で且つ20%以下にすることができる。
【0096】
比較例4の場合、負極の抵抗は、100mΩであり、比較的低いにも拘わらず、初期効率は、89%であり、95%よりも低い。これは、次のような理由によるものと推測される。比較例4の場合、長さが0.6μmよりも大きいため、抵抗を例えば100mΩにするには、多量(例えば20重量部)の導電剤が必要とされる。このため、導電剤の分だけ、第2の負極活物質の比率が低下するため、初期効率は、95%よりも低い。
【0097】
なお、長さが0.2μmの導電剤の例として、アセチレンブラックを用いたのは、次のような理由による。カーボンナノチューブの長さを、例えば、0.2μmにするのは、技術的に困難である。これに対し、アセチレンブラックの場合、ストラクチャーの長さを容易に0.2μmにすることができる。
【0098】
なお、長さが1.0μmの導電剤の例として、カーボンナノチューブを用いたのは、次のような理由による。アセチレンブラックのストラクチャーの長さが長い(例えば、1.0μmである)場合、分散不良を招く虞がある。これに対し、カーボンナノチューブの場合、長さを精度良く1.0μmにすることができる。
【0099】
以下に、負極集電体の上に形成される層として、(1)第1の層及び第2の層の積層体を用いた場合と、(2)第2の層のみの単層体を用いた場合との、被覆率の差異を比較する。そこで、比較例5〜8の電池(即ち、負極集電体の上に第1の層が形成されずに第2の層のみが形成された負極を備えた電池)を製造した。
【0100】
<比較例5>
(負極の作製)において、負極集電体の上に第1の層を形成せずに第2の層のみを形成したこと以外は、実施例1と同様に電池を製造した。具体的には、負極の作製方法は、以下の通りである。
【0101】
(負極の作製)
まず、ストラクチャーの長さが0.4μmになるように、アセチレンブラックを粉砕及び分散した。次に、負極活物質として100重量部のチタン酸リチウムと、導電剤として5重量部のアセチレンブラックと、結着剤として2重量部のスチレンブタジエンゴムとを、水に混合し、第2のスラリーを得た。この第2のスラリーを、負極集電体の両面に塗布した後、乾燥させた。次に、両面に第2のスラリーが塗布して乾燥された負極集電体を圧延した。第2の層の厚さは、80μmであった。
【0102】
<比較例6>
(負極の作製)において、アセチレンブラックの代わりに、長さが0.6μmの10重量部のカーボンナノチューブを用いたこと以外は、比較例5と同様に電池を製造した。被覆率は、15%であった。
【0103】
<比較例7>
(負極の作製)において、アセチレンブラックの代わりに、長さが0.4μmの8重量部のカーボンナノチューブを用いたこと以外は、比較例5と同様に電池を製造した。被覆率は、20%であった。
【0104】
<比較例8>
(負極の作製)において、ストラクチャーの長さが0.4μmの20重量部のアセチレンブラックを用いたこと以外は、比較例5と同様に電池を製造した。被覆率は、40%であった。
【0105】
比較例5〜8の各々の負極の抵抗を測定した。この結果を、以下の[表3]に示す。なお、抵抗を測定する方法は、既述の方法と同様である。
【0106】
【表3】

【0107】
表3に示すように、単層体(比較例)の場合、負極の抵抗を、使用不可能な抵抗値よりも低くするには、被覆率を40%以上にする必要がある。これに対し、表1に示すように、積層体(実施例)の場合、被覆率が20%以下であっても、負極の抵抗を、使用不可能な抵抗値よりも低くすることができる。このように、積層体の場合の被覆率は、単層体の場合の被覆率と比べて、小さい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、第2の層が適切な導電性を確保することにより、初期の充放電効率の低下、並びに大電流入出力特性及びサイクル特性等の電池特性の低下を防止すると共に、電池の安全性を確保することができ、負極集電体の上に形成された第1の層と、第1の層の上に形成された第2の層とを有するリチウムイオン二次電池用負極を備えたリチウムイオン二次電池に有用である。
【符号の説明】
【0109】
1 負極
1X 負極集電体
1a 第1の層
1b 第2の層
2 正極
3 セパレータ
4 電極群
5 正極リード
6 負極リード
7 電池ケース
8 封口体
9 ガスケット
10 正極絶縁板
11 負極絶縁板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極集電体と、
前記負極集電体の上に形成され、第1の負極活物質を含む第1の層と、
前記第1の層の上に形成され、第2の負極活物質及び導電剤を含む第2の層とを備え、
前記第1の負極活物質は、炭素を含み、
前記第2の負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属酸化物を含み、
前記導電剤が前記金属酸化物の粒子の表面を被覆する被覆率は、表面積の10%以上で且つ20%以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
【請求項2】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極において、
前記第2の層の厚さは、3μm以上で且つ30μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
【請求項3】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極において、
前記導電剤は、アセチレンブラックであり、
前記アセチレンブラックのストラクチャーの長さは、0.4μm以上で且つ0.6μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
【請求項4】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極において、
前記導電剤は、カーボンナノチューブであり、
前記カーボンナノチューブの長さは、0.4μm以上で且つ0.6μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
【請求項5】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極において、
前記金属酸化物は、チタン酸リチウム(LixTiyOz)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
【請求項6】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極において、
前記金属酸化物の平均粒子径は、1μm以上で且つ2μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
【請求項7】
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極を備えたリチウムイオン二次電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−77391(P2013−77391A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215209(P2011−215209)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】