説明

リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池

【課題】オリビン型鉄リン酸リチウム粒子を活物質として利用した正極を用いたリチウム二次電池が過放電の領域(2〜0.5V)になった場合、速やかに電圧を降下せしめるリチウムイオン二次電池正極を提供する。
【解決手段】正極活物質がオリビン型リン酸鉄リチウムからなるリチウム二次電池用正極であって、下記条件で測定した放電電位降下平均速度が0.3V/Hr以上であることを特徴とするリチウム二次電池用正極。
放電電位降下平均速度の測定条件:二極式ポーチセル、対極は金属リチウム、電解液として1M LiPF in EC+EMC+DMC=1:1:1(vol.%)を用い、温度30℃、放電範囲2V〜0.5V(対Li/Li+)、放電電流20mA/g−正極の条件で測定。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム二次電池の改良、特に安全性の向上したリチウム二次電池用及びその正極に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池は、高容量、高起電力、高エネルギー密度であり、小型・薄型化に適した電池であるが、安全面においては、化学的活性の高いリチウム、あるいは可燃性の高い電解液を電池材料として用いるので、異常が発生した際でも、充分な安全性を確保する必要がある。特に、電池の過放電が発生した時は、通常負極の集電体として使用しされている銅の溶解や電解液の還元分解が起こり、それにより破裂や発火が起こる恐れがあるため、この過放電に対し充分な対策を行う必要がある。この対策として、電池パック内にセルの電圧変化を監視するための保護回路が設けられている。これにより、異常な過放電が発生し電圧が低下すると、電池回路を遮断することが出来る。
【0003】
一方、上記リチウム二次電池の正極活物質として、様々な無機化合物が実用化されているなかで、オリビン型構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO)及びこの類縁化合物を正極活物質として使用する正極材料が開発されている。(下記先行技術文献)
【0004】
上記オリビン型リン酸鉄リチウム化合物は、リチウム塩、鉄塩、及びリン酸化合物等からなる混合物を加熱するという所謂固相合成法によって容易に得ることができる。このオリビン型鉄リン酸リチウムは鉄を主成分とするため材料コスト及び資源面からも優位性があるため、次世代の正極活物質として注目を集めている。
【0005】
このリン酸鉄リチウム化合物は正極活物質として動作する電位(対Li/Li+)が2〜3.5V程度であり、正極活物質として実用化されているコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、スピネル型マンガン酸リチウム等と比較して低いものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5910382号
【特許文献2】特開平9−134724号公報
【特許文献3】特開平9−171827号公報
【特許文献4】特開2001−110414号公報
【特許文献5】特開2003−323892号公報
【特許文献6】特開2004−514639号公報
【特許文献7】特開2007−35358号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサイエティー、144巻、1188頁、1997年(J.Electrochem.Soc.,144,1188,1997)
【非特許文献2】ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサイエティー、144巻、1609頁、1997年(J.Electrochem.Soc.,144,1609,1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記オリビン型リン酸鉄リチウム化合物は電位(対Li/Li+)が2V以下になると結晶相の変化が生じる為に、電位(対Li/Li+)が2V以下での電圧降下速度が極めて緩慢で、前記保護回路による電圧降下の検出が容易ではなかった。あるいは何らかの理由によって電池内の電流分布が不均一になって生じる局部的過放電に対して有効な対処法がなかった。
また、過放電域とみなされる電圧まで低下した後、再充電を行うことが困難であった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、オリビン型鉄リン酸リチウム粒子を活物質として利用した正極を用いたリチウム二次電池が過放電の領域(2〜0.5V)になった場合、速やかに電圧を降下せしめるリチウムイオン二次電池正極およびこの正極からなるリチウム二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、活物質として化学組成がLiFePOで示されるオリビン型リン酸鉄リチウムを用いたリチウム二次電池の正極において、下記の条件で測定した放電電位降下平均速度を特定の速度以上とした正極により、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
<放電電位降下平均速度の測定条件>
セルの構成
・二極式ポーチセル
・対極:金属リチウム
・電解液:1M LiPF in EC+EMC+DMC=1:1:1(vol.%)
測定条件
・測定温度:30℃
・放電範囲:2V〜0.5V(対Li/Li+
・放電電流:20mA/g−正極
【0011】
すなわち本発明は、正極活物質がオリビン型リン酸鉄リチウムからなるリチウム二次電池用正極であって、上記条件で測定した放電電位降下平均速度が0.3V/Hr以上であることを特徴とするリチウム二次電池用正極に関するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電極によればオリビン型リン酸鉄リチウム粒子を活物質として利用するリチウムイオン二次電池に対し、過放電が発生しつつあるときに、充分な電圧降下速度を得ることができるので、保護回路による電圧降下の検出が迅速に出来るようになり、過放電に対する安全性を確保することができる。また、電圧測定では検出することが困難な局部的過放電も防止できるとともに、通常過放電域とみなされる電圧まで低下した後の再充電が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の正極は、上記オリビン型リン酸鉄リチウムを活物質として用いた正極であって、下記の方法で測定した放電電位降下平均速度が0.3V/Hr以上であることを特徴とするものである。
【0014】
<放電電位降下平均速度の測定条件>
[セルの構成]
・二極式ポーチセル
・対極:金属リチウム
・電解液:1M LiPF in EC+EMC+DMC=1:1:1(vol.%)
ここで、ECはエチレンカーボネート、EMCはエチルメチルカーボネート、DMCはジメチルカーボネートのそれぞれ略語である。
【0015】
[測定条件]
・測定温度:30℃
・放電範囲:2V〜0.5V(対Li/Li+
・放電電流:20mA/g−正極
【0016】
上記測定法で測定された、放電電位降下平均速度は0.4V/Hr以上がより好ましく、0.5V/Hr以上がさらに好ましい。この放電電位降下平均速度が0.3V/Hr未満では、保護回路による電圧降下の検出が遅くなり、過放電に対する安全性を確保することが難しく、さらには過放電後の再充電が困難となる。
【0017】
本発明の正極は例えば正極の構成を正極活物質層と2V以下の電位(対Li/Li+)で電気抵抗が急増する導電性高分子層が積層されたものにすることにより得ることが出来る。
【0018】
即ち、アルミニウム箔等の金属箔からなる正極集電体の表面上に導電性高分子層、正極活物質であるオリビン型リン酸鉄リチウムにバインダ及び導電材が配合された正極活物質層を順次積層することにより得ることが出来る。
【0019】
上記オリビン型リン酸鉄リチウムは、一般式Li1−xFe1−yPO(但し、−0.2≦x≦0.2、0≦y≦0.5、MはLi、Ni、Co、Mn、Mg、Al、Ti、Ga、Cu、V、Nb、Zr、Ce、In、Zn、及びYから選ばれる1種以上の元素)で表される。上記一般式においてyの値はy=0とすることができる。この場合には、上記一般式はLi1−xFePOで表される。
【0020】
上記オリビン型リン酸鉄リチウムの粒子を製造する方法としては、例えば、リン酸リチウム化合物と、リン酸鉄(II)化合物と、必要に応じて添加される金属元素Mを含有する化合物とを水、アルコールなどの極性溶媒に分散させてスラリーを作製し、このスラリーを閉容器中、不活性ガス雰囲気下、温度120〜280℃で加熱処理することにより得られる。このオリビン型リン酸鉄リチウムの平均粒径は10μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。
【0021】
また、上記オリビン型リン酸鉄リチウム表面の少なくとも一部を、必要に応じ、炭素、貴金属などの導電性物質によってコートすることができる。これにより、上記オリビン型リン酸鉄リチウムの電子伝導性をより向上させることができる。上記導電性物質は、炭素であることが好ましい。この場合、上記正極活物質の製造コスト及び重量を大幅に増大させることなく、上記正極活物質の導電性を向上させることができる。上記オリビン型リン酸鉄リチウムの粒子は市販品も利用することが出来る。
【0022】
上記導電材としては、例えばカーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類等の炭素物質粉末状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができ、天然黒鉛粉末または人造黒鉛粉とカーボンブラックとの混合物が好ましい。導電材の配合量としては、オリビン型リン酸鉄リチウムに対し5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
【0023】
また、上記バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン/ポリメタクリレート共重合体等を用いることが出来る。バインダの配合量としては、オリビン型リン酸鉄リチウムに対し1〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
【0024】
本発明の正極活物質層は、上記オリビン型構造を有するリン酸鉄リチウム粒子に上記バインダ、上記導電材および溶剤を配合してペースト状とし、これをアルミニウム箔等の集電体に塗布、乾燥することにより得ることができる。
【0025】
正極活物質層の厚みとしては、通常、300μm以下であり、好ましくは、20〜200μmの範囲であるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
上記正極活物質層表面に導電性高分子層を設けた積層体とすることにより本発明の正極を得ることが出来る。
【0027】
上記導電性高分子としては、2V以下の電位(対Li/Li+)で電気抵抗が急増するものであれば、任意のものを用いることができる。そのような導電性高分子の具体例として、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレンや、これらの誘導体等を挙げることができるが、本発明においてはポリアニリンが好ましく用いられる。ポリアニリンについては、以下の特性を有するポリアニリンが特に好ましく用いられる。
【0028】
1)脱ドープ状態において、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)に3〜20質量%溶解して溶液を形成することができるNMP可溶性ポリアニリンである。
2)脱ドープ状態において、硫酸中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.4〜1.5dl/gである高重合度ポリアニリンである。
【0029】
上記高重合度ポリアニリンは、アニリン又はアニリン誘導体から酸化重合法により製造できる。ポリアニリンはその酸化の状態によってロイコエメラルジン(leucoemeraldine)、エメラルジン(emeraldine)及びパーニグルアニリン(pernigraniline)の構造をとることが知られている。この中でも、エメラルジン構造を持つポリアニリンがドーピングされた時に時に最も高い電子伝導性を有するので有用である。一方、ロイコエメラルジン構造を有するポリアニリンはドーピングしても高い電子伝導性は得られないが、溶解性に優れるという利点を有する。そこで、本発明では、エメラルジン型の高分子量ポリアニリンをフェニルヒドラジン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化金属化合物等の化合物を用いて還元処理して、パーニグルアニリン構造を減少せしめることにより、溶媒への溶解度を高めたうえ、必要に応じドーピング処理を行い、溶媒中にポリアニリンが3〜20質量%溶解したポリアニリン溶液とする。この際の溶媒としてはNMP(N−メチル−2−ピロリドン)が好ましい。
【0030】
上記高重合度ポリアニリンは〔η〕が0.4〜1.5dl/gの範囲であることが好ましい。〔η〕が0.4dl/g未満ではポリアニリンの塗膜としての強度が不足し好ましくない。また、1.5dl/gを超えるとポリアニリンとしてのNMPに対する溶解性が低下し好ましくない。
【0031】
本発明で用いられるエメラルジン型高重合度ポリアニリンの重合は、プロトン酸の存在下に溶媒中にて5℃以下、好ましくは0℃以下の温度を保持しつつ、アニリンに酸化剤を作用させて酸化重合を行い、ドープされたポリアニリンを生成させ、次いで、このドープされたポリアニリンを塩基性物質によって脱ドープすることによって行う。これにより、硫酸中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.4〜1.5dl/gである本発明の正極に用いることができる高重合度ポリアニリンが得られる。
【0032】
上記プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸、リンフッ化水素酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルカンスルホン酸、ピクリン酸等のフェノール類、m−ニトロ安息香酸等の芳香族カルボン酸、ジクロロ酢酸、マロン酸等の脂肪族カルボン酸等が好ましく用いられる。また、上記酸化剤としては、二酸化マンガン、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、第二鉄塩、ヨウ素酸塩等が好ましく用いられる。これら酸化剤は通常、アニリン1モルに対して0.5〜1.5モルの範囲の量が用いられる。また、上記溶媒としては水が好ましく用いられる。
【0033】
本発明において、ポリアニリンをドーピングして導電性を高めるために、上記ポリアニリンのNMP溶液に、プロトン酸などの酸性化合物をドーパントとして配合して用いることができる。このようなプロトン酸としては、酸解離定数pKaが3以下のプロトン酸が好ましく、例えば、スルホン酸化合物を用いることができる。
【0034】
スルホン酸化合物としては、具体的には、フェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アミノナフトールスルホン酸、メタニル酸、スルファニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、ヘプチルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン酸、ウンデシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ペンタデシルナフタレンスルホン酸、オクタデシルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジヘキシルナフタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリメチルナフタレンスルホン酸、トリエチルナフタレンスルホン酸、トリプロピルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、カンフアースルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、等を挙げることができる。これらのドーパントの内、特に、フェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸が好ましい。
【0035】
これらのドーパントは、ポリアニリンの構成単位ユニットに対して、0.05〜0.6当量、より好ましくは、0.1〜0.3当量の範囲で添加される。
【0036】
上記ポリアニリン等の導電性高分子溶液を前述した正極活物質層表面に塗布、乾燥することにより、2V以下の電位(対Li/Li+)で電気抵抗が急増するポリアニリン等の導電性高分子層が正極活物質層に積層された本発明のリチウムイオン二次電池正極を得ることが出来る。
【0037】
導電性高分子層の厚さは、通常、0.01〜10μmの範囲であり、好ましくは、0.1〜2μmの範囲である。導電性高分子の層の厚さが0.01μmよりも薄いときは、導電性高分子の抵抗が急増した場合でも、正極層と集電体との間の絶縁が十分でなく、他方、10μmよりも厚いときは、通常の充放電において、導電性高分子の抵抗が内部抵抗の増加の原因になり得る。
【0038】
以上、詳述したように、本発明によれば、オリビン型鉄リン酸リチウム粒子を活物質として利用した正極を用いたリチウム二次電池が過放電の領域(2〜0.5V)になった場合、速やかに電圧を降下せしめるリチウムイオン二次電池正極およびこの正極からなるリチウム二次電池を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極活物質がオリビン型リン酸鉄リチウムからなるリチウム二次電池用正極であって、下記の条件で測定した放電電位降下平均速度が0.3V/Hr以上であることを特徴とするリチウム二次電池用正極。
<放電電位降下平均速度の測定条件>
セルの構成
・二極式ポーチセル
・対極:金属リチウム
・電解液:1M LiPF in EC+EMC+DMC=1:1:1(vol.%)
測定条件
・測定温度:30℃
・放電範囲:2V〜0.5V(対Li/Li+
・放電電流:20mA/g−正極
【請求項2】
正極活物質層と2V以下の電位(対Li/Li+)で電気抵抗が急増する導電性高分子層が積層形成されている請求項1記載のリチウム二次電池用正極。
【請求項3】
導電性高分子層がポリアニリンからなることを特徴とする請求項2記載のリチウム二次電池用正極。
【請求項4】
ポリアニリンが以下の特性を有することを特徴とする請求項3記載のリチウム二次電池用正極。
1)脱ドープ状態において、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)に3〜20質量%溶解して溶液を形成することができるNMP可溶性ポリアニリンである。
2)脱ドープ状態において、硫酸中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.4〜1.5dl/gである高重合度ポリアニリンである。
【請求項5】
請求項1記載の正極からなるリチウム二次電池。


【公開番号】特開2012−226904(P2012−226904A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92100(P2011−92100)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(504165591)国立大学法人岩手大学 (222)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】