説明

リチウム二次電池用負極材及びチタン酸リチウム化合物の製造方法

【課題】安全性に優れ、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を得ることができるリチウム二次電池用負極材及びチタン酸リチウム化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】このリチウム二次電池用負極材は、結晶化度が25〜85%のチタン酸リチウム化合物を含有する。このチタン酸リチウム化合物は、チタン化合物とリチウム化合物とを反応させ、150〜300℃の温度で熱処理してチタン酸リチウム化合物を合成する際に、得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度が所望の値になるように、TiとLiとのモル比を調整してチタン化合物とリチウム化合物を反応させて製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶化度が調整されたチタン酸リチウム化合物の製造方法及びチタン酸リチウム化合物を用いたリチウム二次電池用負極材に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池は、電解質中のリチウムイオンが電気導電を担う二次電池であって、エネルギー密度が高く、携帯電話やノートパソコン等に広く使用されている。また、ハイブリッド自動車、電気自動車、電動スクーター、電動自転車などの分野への展開も期待されている。
【0003】
リチウム二次電池の正極材には、コバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属複合酸化物が用いられている。また、負極材としては、グラファイトカーボン、ハードカーボン等の炭素系材料や、特許文献1に記載されるように、チタン酸リチウムなどのリチウムチタン複合酸化物が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−335261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
炭素系材料を負極材に用いたリチウム二次電池は、破裂や発火の恐れがあり、安全性に問題があった。これに対し、チタン酸リチウムを負極材に用いたリチウム二次電池は、安全性に優れるものの、放電容量及びサイクル特性において要求特性を両立しない問題があった。
【0006】
よって、本発明の目的は、安全性に優れ、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を得ることができるリチウム二次電池用負極材及びチタン酸リチウム化合物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、種々検討の結果、チタン化合物とリチウム化合物とを反応させ、150〜300℃の温度で熱処理してチタン酸リチウム化合物を合成する際に、TiとLiとのモル比を調整してチタン化合物とリチウム化合物を反応させることにより、得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度を調整できることを見出した。そして、結晶化度を特定の範囲に調整したチタン酸リチウムを、リチウム二次電池用負極材として用いることで、サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができること見出した。
【0008】
すなわち、本発明のリチウム二次電池用負極材は、下記方法で求められる結晶化度が25〜85%のチタン酸リチウム化合物を含有することを特徴とする。
【0009】
結晶化度の測定方法:チタニウムイソプロポキシドと、水酸化リチウムとを、モル比でTi:Li=100:872となるように水溶液中で混合し、60℃で20時間反応させて150℃で乾燥させて得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度を100%とみなし、該チタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度と、測定すべきチタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度との比から、測定すべきチタン酸リチウム化合物の結晶化度を算出する。
【0010】
本発明のリチウム二次電池用負極材によれば、結晶化度が25〜85%のチタン酸リチウム化合物を含有するので、サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる。また、結晶化度が上記範囲内であれば、充放電効率は比較的良好であるが、特に充放電電流量密度が小さい場合は、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を上記範囲内で大きくすることで、充放電効率が大きくなる傾向にある。また、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を上記範囲内で小さくすることで、放電容量が大きくなる傾向にある。このため、例えば、サイクル特性と充放電効率とを両立させたい場合は、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を上記範囲内で大きくすればよく、サイクル特性と放電容量とを両立させたい場合は、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を上記範囲内で小さくすればよい。このように、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を上記範囲内で適宜調整することで、要求特性に適したリチウム二次電池を得ることができる。
【0011】
本発明のリチウム二次電池用負極材の前記チタン酸リチウム化合物は、CuKα線によるX線回折において、回折角2θ=44.6°±0.5°及び回折角2θ=64.6°±0.5°に回折ピークを有することが好ましい。
【0012】
また、本発明のチタン酸リチウム化合物の製造方法は、チタン化合物とリチウム化合物とを反応させ、150〜300℃の温度で熱処理してチタン酸リチウム化合物を合成する際に、得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度(前記測定方法で求められる結晶化度)が所望の値になるように、TiとLiとのモル比を調整して前記チタン化合物と前記リチウム化合物を反応させることを特徴とする。
【0013】
本発明のチタン酸リチウム化合物の製造方法によれば、TiとLiとのモル比を調整してチタン化合物とリチウム化合物を反応させることにより、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を所望の範囲に調整できる。
【0014】
本発明のチタン酸リチウム化合物の製造方法は、TiとLiとのモル比を、Ti:Li=100:60〜200の範囲で選択し、上記方法で求められる結晶化度が25〜85%のチタン酸リチウム化合物を得ることが好ましい。
【0015】
本発明のチタン酸リチウム化合物の製造方法は、前記チタン化合物が、チタニウムアルコキシドであることが好ましい。また、前記リチウム化合物が、水酸化リチウムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のリチウム二次電池用負極材を用いることで、安全性に優れ、サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】製造例1〜4のチタン酸リチウム化合物のX線回折(XRD)パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のリチウム二次電池用負極材は、チタン酸リチウム化合物を含有する。
【0019】
チタン酸リチウム化合物の結晶化度は、25〜85%であることが必要である。結晶化度が上記範囲内であれば、リチウム二次電池のサイクル特性を良好にできる。結晶化度が25%未満であったり、85%を超えると、リチウム二次電池のサイクル特性が低下する。
【0020】
また、チタン酸リチウム化合物の結晶化度が、上記範囲内であれば、充放電効率は比較的良好であるが、特に充放電流量密度が小さい場合においては、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を大きくすることで、充放電効率が大きくなる傾向にある。このため、充放電流量密度が1mA/cm以上の場合において、サイクル特性と充放電効率とを両立させたい場合は、チタン酸リチウム化合物の結晶化度は、25〜85%が好ましい。また、充放電流量密度が1mA/cm未満の場合において、サイクル特性と充放電効率とを両立させたい場合は、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を40〜85%とすることが好ましく、50〜85%がより好ましい。
【0021】
また、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を上記範囲内で小さくすることで、放電容量が大きくなる傾向にある。このため、例えば、サイクル特性と放電容量とを両立させたい場合は、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を25〜70%とすることが好ましく、30〜60%がより好ましい。
【0022】
このように、本発明によれば、チタン酸リチウム化合物の結晶化度を上記範囲内で適宜調整して、リチウム二次電池用負極材として用いることで、要求特性に適したリチウム二次電池を得ることができる。
【0023】
なお、本発明では、チタニウムイソプロポキシドと、水酸化リチウムとを、モル比でTi:Li=100:872となるように水溶液中で混合し、60℃で20時間反応させて150℃で乾燥させて得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度を100%とみなし、該チタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度と、測定すべきチタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度との比から、測定すべきチタン酸リチウム化合物の結晶化度を算出した。なお、回折角2θ=44.6°は、類似のパターンを示すカードデータ(LiTiO)においての最強ピークであることから利用した。
【0024】
本発明において、チタン化合物としては、特に限定は無い。チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−n−プロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシド等のチタニウムアルコキシド、酸化チタン等を用いることができる。
【0025】
次に、本発明のチタン酸リチウム化合物の製造方法について説明する。
【0026】
本発明では、チタン化合物とリチウム化合物とを反応させ、150〜300℃の温度で熱処理してチタン酸リチウム化合物を合成する。その際、得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度が所望の値になるように、TiとLiとのモル比を調整してチタン化合物とリチウム化合物を反応させることを特徴とする。
【0027】
従来より、チタン酸リチウムの製造工程において、チタン化合物とリチウム化合物とを、目的とするチタン酸リチウムの化学量論比から外れる割合で合成しても、得られる生成物は、チタン酸リチウムと、未反応のチタン化合物又はリチウム化合物との混合物になると考えられていた。このため、原料の無駄を少なくし、目的とするチタン酸リチウムの収率を高めるため、従来は、目的とするチタン酸リチウムの化学量論比となる割合で、各原料を反応させていた。
【0028】
しかしながら、本発明者らによれば、チタン化合物とリチウム化合物との混合比を変化させて反応させることにより、結晶化度の異なるチタン酸リチウムが得られることを見出した。詳細な理由は定かではないが、チタン化合物とリチウム化合物との混合比を変えて反応させることにより、3価のTiと、4価のTiとの割合が異なったチタン酸リチウムが得られるためであると考えられる。
【0029】
本発明において、チタン化合物とリチウム化合物との反応は、水中で行うことが好ましい。水中で反応させることで容易に反応進行し、更には、製造プロセスを簡略化できる。
【0030】
チタン化合物とリチウム化合物との反応割合は、目的とするチタン酸リチウム化合物の結晶化度により異なる。TiとLiとのモル比を、Ti:Li=100:60〜200の範囲で選択することで、結晶化度が25〜85%のチタン酸リチウム化合物を得ることができる。Liのモル比が60未満であると、上記条件で反応させた場合、得られるチタン酸リチウムの結晶化度が25%未満になる傾向にある。200よりも大きいと、上記条件で反応させた場合、得られるチタン酸リチウムの結晶化度が85%よりも大きくなる傾向にある。
【0031】
本発明において、リチウム化合物としては、特に限定は無く、水酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム等を用いることができる。
【0032】
本発明において、チタン化合物とリチウム化合物との反応温度は、5〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましく、50〜70℃が特に好ましい。5℃未満であると、反応性が劣り、結晶化度が小さくなり易く、目的の結晶化度のチタン酸リチウムを得るのに時間を要する傾向にある。100℃を超えると、安全性や材料への熱履歴の観点から好ましくないことがある。
【0033】
本発明において、チタン化合物とリチウム化合物との反応時間は、3〜50時間が好ましく、5〜30時間がより好ましく、10〜25時間が特に好ましい。3時間未満であると、結晶化度が小さくなり易い。50時間を超えると、生産性に支障が生じる。また、反応が進みすぎて、結晶化度が高くなることがある。
【0034】
本発明において、チタン化合物とリチウム化合物との反応物の熱処理は、150〜300℃の温度で行う。熱処理温度は、200〜300℃が好ましく、250〜300℃がより好ましい。上記温度範囲にて熱処理を行うことで、CuKα線によるX線回折において、回折角2θ=44.6°±0.5°及び回折角2θ=64.6°±0.5°に回折ピークを有するチタン酸リチウム化合物が得られる。熱処理温度が150℃未満であると、水分除去が不十分あるいは必要以上に時間を必要とする場合がある。300℃を超えると、上記回折ピークを有するチタン酸リチウム化合物が得られない。また、熱処理時間は、3〜50時間が好ましく、10〜25時間がより好ましい。熱処理時間が3時間未満であると、水分除去が不十分であり、50時間を超えると製造コスト面で不利になる。
【0035】
以下、チタン化合物としてチタニウムイソプロポキシドを用い、リチウム化合物として水酸化リチウムを用いた場合を例に挙げて、チタン酸リチウム化合物の製造方法のより好ましい具体例を説明する。
【0036】
TiとLiとのモル比を、Ti:Li=100:60〜200の範囲で選択して、水酸化リチウムと、チタニウムイソプロポキシドとを水中で混合し、55〜65℃で、18〜22時間反応させる。
【0037】
次に、チタニウムイソプロポキシドとリチウム化合物との反応物を洗浄し、150〜300℃に加熱して熱処理することで、本発明のチタン酸リチウム化合物が得られる。
【0038】
このチタン酸リチウム化合物は、CuKα線によるX線回折において、回折角2θ=44.6°±0.5°及び回折角2θ=64.6°±0.5°に回折ピークを有しており、また、その結晶化度は、25〜85%の範囲にある。
【0039】
このようにして得られるチタン酸リチウムを必要に応じて粉砕処理し、テトラフルオロエチレン系バインダー、アセチレンブラック等のその他の助剤を混合し、所定の形状に成形して80〜150℃熱乾燥処理することで、本発明のリチウム二次電池用負極材が得られる。
【実施例】
【0040】
チタニウムイソプロポキシドと水酸化リチウム水溶液とを、TiとLiとのモル比が、表1に示す割合となるように混合し、60℃のオイルバス中で20時間撹拌した。得られた沈殿物に蒸留水を加え遠心分離機を用いて沈殿を水洗した。上澄み溶液が中性になるまでこの操作を繰り返した。洗浄した沈殿物を150℃の乾燥機で2時間乾燥(熱処理)させて、製造例1〜4のチタン酸リチウム化合物を得た。
【0041】
得られた各チタン酸リチウム化合物について、X線回折法(XRD)によりピーク強度を検出した。結果を図1に示す。また、粉末X線回折データベースのLiTiO(card16−0223)のピーク強度を併せて記す。
【0042】
図1に示されるように、製造例1〜4のチタン酸リチウム化合物は、CuKα線によるX線回折において、回折角2θ=44.6°±0.5°及び回折角2θ=64.6°±0.5°に回折ピークを有し、LiTiO(アナターゼ型)に類似した結晶構造を有するものであることが分かる。
【0043】
また、製造例4のチタン酸リチウム化合物の結晶化度を便宜上100%とみなし、製造例1〜3のチタン酸リチウム化合物の結晶化度を、製造例4のチタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度と、各チタン酸リチウム化合物のX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度との比から算出した。結果を表1に記す。
【0044】
【表1】

【0045】
次に、各チタン酸リチウム化合物を粉砕処理し、テトラフルオロエチレン系バインダー、アセチレンブラックを混合し、所定の形状にプレス成形し、120〜150℃熱乾燥処理して、実施例1〜3、比較例1の負極材を得た。
対極・参照極に金属リチウムを用い、作用極に上記で得られた各負極材を用い、電解液として1mol・dm−3 LiClO/PCを用いて評価用のリチウム二次電池を製造し、充放電試験を行い、1サイクル目の放電容量及び充放電効率と、サイクル試験後の容量保持率を評価した。なお、測定には充放電装置を使用した。作用極にリチウムイオンを電気化学的に挿入する過程を放電、リチウムイオンが作用極から脱離して金属リチウムへ析出する過程を充電と定義した。また、定電流充放電測定は、放電から開始した。
測定条件は、充放電電流密度5.0mA・cm−2又は0.5mA・cm−2、電位範囲1.0〜4.0V vs.Li/Li、測定温度は室温とした。容量は用いた電極中の活物質の重量で規格化して評価した。充放電電流密度0.5mA・cm−2の試験結果を表2に、充放電電流密度5mA・cm−2の試験結果を表3に記す。
【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
上記結果より、結晶化度が100%のチタン酸リチウム化合物を負極材として用いた、比較例1は、サイクル試験後の充放電容量保持率(%)が低く、サイクル特性が著しく劣るものであった。
【0049】
これに対し、結晶化度が25〜85%のチタン酸リチウム化合物を負極材として用いた、実施例1〜3は、サイクル試験後の充放電容量保持率(%)が高く、サイクル特性に優れるものであった。
また、充放電電流密度が低い場合は、チタン酸リチウム化合物の結晶化度が大きくなるに伴い、充放電効率が大きくなる傾向にあった。
また、放電容量については、結晶化度が25〜85%の範囲において、結晶化度が小さい製造例1,2の方が、製造例3よりも高かった。特に製造例2のチタン酸リチウム化合物(結晶化度56%)を用いた場合、充放電電流密度の高い低いによらず、放電容量が最も高い値を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記方法で求められる結晶化度が25〜85%のチタン酸リチウム化合物を含有することを特徴とするリチウム二次電池用負極材。
結晶化度の測定方法:チタニウムイソプロポキシドと、水酸化リチウムとを、モル比でTi:Li=100:872となるように水溶液中で混合し、60℃で20時間反応させて150℃で乾燥させて得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度を100%とみなし、該チタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度と、測定すべきチタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度との比から、測定すべきチタン酸リチウム化合物の結晶化度を算出する。
【請求項2】
前記チタン酸リチウム化合物は、CuKα線によるX線回折において、回折角2θ=44.6°±0.5°及び回折角2θ=64.6°±0.5°に回折ピークを有する、請求項1に記載のリチウム二次電池用負極材。
【請求項3】
チタン化合物とリチウム化合物とを反応させ、150〜300℃の温度で熱処理してチタン酸リチウム化合物を合成する際に、得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度が所望の値になるように、TiとLiとのモル比を調整して前記チタン化合物と前記リチウム化合物を反応させることを特徴とする、チタン酸リチウム化合物の製造方法。
【請求項4】
TiとLiとのモル比を、Ti:Li=100:60〜200の範囲で選択し、下記方法で求められる結晶化度が25〜85%のチタン酸リチウム化合物を得る、請求項3記載のチタン酸リチウム化合物の製造方法。
結晶化度の測定方法:チタニウムイソプロポキシドと、水酸化リチウムとを、モル比でTi:Li=100:872となるように水溶液中で混合し、60℃で20時間反応させて150℃で乾燥させて得られるチタン酸リチウム化合物の結晶化度を100%とみなし、該チタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度と、測定すべきチタン酸リチウム化合物のCuKα線によるX線回折の回折角2θ=44.6°のピーク強度との比から、測定すべきチタン酸リチウム化合物の結晶化度を算出する。
【請求項5】
前記チタン化合物が、チタニウムアルコキシドである、請求項3又は4に記載のチタン酸リチウム化合物の製造方法。
【請求項6】
前記リチウム化合物が、水酸化リチウムである、請求項3〜5のいずれか1つに記載のチタン酸リチウム化合物の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−58313(P2013−58313A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194544(P2011−194544)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【Fターム(参考)】