説明

リチウム電池

【課題】充放電を繰り返しても負極層が固体電解質層から剥離し難いリチウム電池を提供する。
【解決手段】正極層13と、負極層14と、これら両層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する固体電解質層(SE層15)とを備え、さらに、負極層14とSE層15との間に界面層16を備える。このリチウム電池1における負極層14は、少なくともLiを含有し、界面層16は、少なくとも周期律表第14族元素を含有する。そして、負極層の厚さをTn、界面層の厚さをTbとした場合、0.005<Tb/Tn<0.5を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質層を有しながら、充放電を繰り返しても固体電解質層から負極層が剥離し難いリチウム電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム電池は、負極集電体上に形成される負極層と、正極層と、両電極層の間に介在される電解質層とを有する。このようなリチウム電池のうち、携帯通信端末や携帯電子機器の主電源として、繰り返し充放電を行なうことができるリチウム二次電池(以下、単にリチウム電池という)が注目されている。
【0003】
近年、このリチウム電池として、正・負極間のリチウムの伝導に有機電解液を用いない全固体型電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。全固体型電池は、電解質として固体電解質(SE)を使用しており、有機電解液を用いることに伴う問題、例えば、電解液の漏れによる安全性の問題、高温時に有機電解液がその沸点を超えて揮発することによる耐熱性の問題、低温時に有機電解液のイオン伝導度が大きく低下して電池反応が低下したり、電解液が凍結する問題、などを解消することができる。
【0004】
ここで、特許文献1では、負極層(第1電極)として、Liと合金を形成する炭素材料やSi、Si酸化物を使用することが開示されている。また、同文献では、負極層として、Li金属自身やLi合金を使用することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−335455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示されるようなリチウム電池では、電池の充放電に伴い負極層と固体電解質層との接合が不十分になって、容量が低下するという問題があった。
【0007】
例えば、Liと合金を形成するSiなどの元素で負極層を形成する場合、電池の充放電に伴う負極層の体積変化が大きいため、負極層が固体電解質層から剥離し易い。
【0008】
一方、Li自身やLi合金で負極層を形成する場合、負極層と固体電解質層との界面で、電池の充電時にはLiの析出が生じ、放電時にはLiが溶解することを繰り返すため、負極層と固体電解質層との接合を保持することが困難になる。このように負極層と固体電解質層との接合が途切れてしまうと、電池の実効面積が減少して、電池の容量が低下することになる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、電池の充放電を繰り返しても、負極層と固体電解質層との接合を維持することができ、放電容量の低下し難いリチウム電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、負極層と固体電解質層との間に、両者を密着させる界面層を形成すると共に、この界面層と負極層との厚さの比を規定することで上記の目的を達成する。
【0011】
本発明は、正極層と、負極層と、これら両層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する固体電解質層とを有するリチウム電池に係る。本発明のリチウム電池は、負極層と固体電解質層との間に界面層を備え、前記負極層は、少なくともLiを含有し、前記界面層は、少なくとも周期律表第14族元素を含有する。そして、本発明のリチウム電池は、負極層の厚さをTn、界面層の厚さをTbとした場合、0.005<Tb/Tn<0.5を満たすことを特徴とする。
【0012】
界面層を有する本発明のリチウム電池では、界面層が、充電時に正極層から負極層に移動するLiの負極層内部への拡散を促す。特に、周期律表第14族元素を含む界面層は、リチウム電池の充電時に正極層から固体電解質層を経て移動してきたLiを吸蔵して、負極層内部に拡散させる能力(拡散能)が高い。従って、本発明の構成によれば、充電時に負極層/固体電解質層界面にLiが析出し難く、両層の界面が押し広げられることがない。その結果、充放電を繰り返しても負極層と固体電解質層との接合が良好に維持され、放電容量が低下し難いリチウム電池とすることができる。
【0013】
また、負極層の厚みに対する界面層の厚みの比率(Tb/Tn)を適切な範囲にすることも、負極層と固体電解質層との接合を維持することに重要な役割を果たす。具体的には、Tb/Tnを大きくし過ぎると、界面層の負極層へのLi拡散能よりも界面層自身のLi吸蔵性が勝り、界面層の体積変化が大きくなって負極層/固体電解質層界面の接合が破壊される。Tb/Tnを小さくし過ぎると、界面層を設ける効果が低く、やはり負極層/固体電解質層界面の接合が破壊される。より好ましいTb/Tnの範囲は、0.01〜0.4である。
【0014】
以下、本発明の好ましい態様について説明する。
【0015】
本発明リチウム電池の一形態として、界面層に含有される周期律表第14族元素はSiであることが好ましい。
【0016】
界面層をSiで構成することで、より一層、サイクル特性に優れたリチウム電池とすることができる。
【0017】
本発明リチウム電池の一形態として、負極層は気相法により形成されていることが好ましい。
【0018】
負極層を気相法により形成することで、リチウム電池の薄型化を図ることができる。
【0019】
本発明リチウム電池の一形態として、固体電解質層は、少なくともLiSとPを含有することが好ましい。
【0020】
上記のような硫化物であれば、高いリチウムイオン伝導度を有する固体電解質層とすることができる。その結果、リチウム電池の内部抵抗を低減することができる。
【0021】
ところで、硫化物で固体電解質層を形成する場合、この固体電解質層と正極層との間でリチウムイオンの偏りが生じ、電池の内部抵抗が高くなる傾向にある。そこで、本発明リチウム電池の一形態として、正極層と固体電解質層との間に、これら両層の界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層を備えることが好ましい。緩衝層の材料としては、リチウム伝導性の酸化物、例えば、LiLa(2−X)/3TiO(X=0.1〜0.5)、LiTi12、Li3.6Si0.60.4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO)、Li1.8Cr0.8Ti1.2(PO)、Li1.4In0.4Ti1.6(PO)、LiTaOおよび、LiNbOの少なくとも一種以上を挙げることができる。
【0022】
本発明リチウム電池の一形態として、正極層は、Mn,Fe,Co,Niから選択される少なくとも一種以上の元素とリチウムとの酸化物とすることが好ましい。
【0023】
正極層として、上記元素を含有する酸化物を使用することで、放電容量の大きなリチウム電池とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明リチウム電池によれば、電池の充放電に伴う、固体電解質層からの負極層の剥離を防止することができる。その結果、繰り返して使用しても容量の低下し難いリチウム電池とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0026】
≪全体構成≫
図1は、本実施の形態におけるリチウム電池の縦断面図である。このリチウム電池1は、正極集電体層11の上に、正極層13、固体電解質層(SE層)15、界面層16、負極層14、負極集電体層12の順に積層された積層構造を有している。本発明リチウム電池1は、負極層14の厚さをTn、界面層16の厚さをTbとしたときに、Tb/Tnの範囲が規定されている。以下、各構成を詳細に説明すると共に、Tn,TbおよびTb/Tnについても述べる。
【0027】
≪各構成部材≫
(正極集電体層)
図1に示す正極集電体層11は、所定の厚さを有する金属製の薄板であり、後述する各層を支持する基板の役割を兼ねている。正極集電体層11としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、これらの合金、ステンレスから選択される1種が好適に利用できる。その他、絶縁性の基板の上に金属膜を形成して正極集電体層としても良い。金属膜からなる集電体層11は、PVD法(物理的気相蒸着法)やCVD法(化学的気相蒸着法)により形成することができる。PVD法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法が、CVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。
【0028】
(正極層)
正極層13は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う活物質を含む層である。正極活物質としては、Mn,Fe,Co,Niから選択される少なくとも一種以上の元素とリチウムとの酸化物が好適に利用可能である。例えば、LiCoOやLiNiO、LiMnO、LiNi0.5Mn0.5、LiCo0.5Fe0.5などを挙げることができる。
【0029】
正極層13は、さらに導電助剤を含んでいても良い。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラックといったカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウムやニッケルなどの金属繊維からなるものが利用できる。特に、カーボンブラックは、少量で高い導電性を確保できて好ましい。
【0030】
上述した正極層13の形成方法としては、PVD法やCVD法などの乾式法あるいは塗布法やスクリーン印刷法などの湿式法を使用できる。湿式法を利用するのであれば、正極層に結着剤を含有させて、活物質同士、あるいは、活物質と活物質以外の物質(電解質粒子や導電助剤)などを結着するようにしても良い。このような結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを使用することができる。
【0031】
(固体電解質層)
固体電解質層(SE層)15は、リチウムイオン伝導度(20℃)が10-5S/cm以上あり、かつリチウムイオン輸率が0.999以上であることが好ましい。特に、リチウムイオン伝導度が10-4S/cm以上あり、かつリチウムイオン輸率が0.9999以上であれば良い。また、SE層15は、電子伝導率が10-8S/cm以下であることが好ましい。SE層15の材質としては、酸化物(例えば、Li−P−O−N)や、硫化物(例えば、Li−P−S−OやLi−P−S)のアモルファス膜あるいは多結晶膜などで構成することが好ましい。特に、LiSとPとからなるLi−P−Sは、優れたリチウムイオン伝導度を有するので、SE層に採用した場合、電池の性能を向上させることができる。
【0032】
SE層15の形成方法としては、固相法や気相蒸着法を使用することができる。固相法としては、例えば、メカニカルミリング法を使用して原料粉末を作製し、この原料粉末を焼結して形成することが挙げられる。一方、気相蒸着法としては、例えば、PVD法、CVD法が挙げられる。気相蒸着法によりSE層15を形成した場合、固相法によりSE層を形成した場合よりも、SE層15の厚さを薄くすることができる。
【0033】
(界面層)
界面層16は、SE層15と後述する負極層14との接合を確保する役割を果たす層である。界面層16の材料としては、周期律表第14族元素(特に、Si)を利用することができる。界面層における周期律表第14族元素の含有量は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上である。特に、界面層16を実質的にSiで構成すると、放電特性に優れたリチウム電池とすることができる。
【0034】
界面層16の厚さTbは、0.01μm〜0.4μmの範囲とすることが好ましい。このようなTbを有することにより、負極層と固体電解質層との接合を保持するという界面層の機能を十分に発揮させることができる。このTbのより好ましい範囲は、0.02μm〜0.2μmである。
【0035】
(負極層)
負極層14は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う活物質を含む層で構成する。具体的には、負極層14として、Li金属、あるいはLi合金(例えば、Li−Al、Li−Mn−Alなど)を使用する。このような負極層14は、負極層14自体に集電体としての機能を持たせることができるので、後述する負極集電体12を省略することもできる。
【0036】
この負極層14の厚さTnは、0.1μm〜10μmの範囲とすることが好ましい。このような負極層厚さTnを有することにより、種々の用途に使用可能な放電容量を備えるリチウム電池とすることができる。負極層14の厚さTnのより好ましい範囲は、0.5μm〜2μmである。
【0037】
また、負極層14の形成方法は、PVD法やCVD法などの気相蒸着法を利用する。気相蒸着法を利用することで、金属箔で負極層14を形成するよりも、負極層14の厚さを薄くできるし、SE層15に対する接触を十分に確保することができる。
【0038】
(負極集電体層)
負極集電体層12は、負極層14に給電するための金属膜である。負極集電体層12としては、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、及びこれらの合金から選択される1種が好適に利用できる。この負極集電体層12も、正極集電体層11の場合と同様に、PVD法やCVD法で形成することができる。なお、既に述べたように、負極集電体層12は省略することができる。
【0039】
(Tb/Tnの規定)
本発明リチウム電池1では、負極層14の厚さTnと、界面層16の厚さTbとの比であるTb/Tnを以下のように規定する。
0.005<Tb/Tn<0.5
【0040】
界面層16と負極層14の厚さの比であるTb/Tnを0.005〜0.5とすることにより、SE層15と負極層14との接合を十分に確保することができる。特に、Tb/Tnは、0.01〜0.4であることが好ましい。上記Tb/Tnが0.005以下であると、相対的に界面層厚さTbが薄いことになるので、負極層と固体電解質層との接合を保持することが困難になる。一方、Tb/Tnが0.5以上であると、相対的に負極層厚さTbが厚いことになるので、電池の充放電に伴う界面層の体積変化が大きく、負極層と固体電解質層との接合を保持することが困難になる。
【0041】
(その他)
図1には示していないが、正極層13とSE層15との間に、これら両層の界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層を設けてもかまわない。リチウムイオンの偏在が生じると、その位置での電気抵抗が増加し、リチウム電池の放電容量が低下する。緩衝層としては、例えば、リチウムイオン伝導性酸化物、具体的には、LiLa(2−x)/3TiO(x=0.1〜0.5)、LiTi12、Li3.6Si0.60.4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、Li1.8Cr0.8Ti1.2(PO、LiNbO、LiTaO、Li1.4In0.4Ti1.6(POなどを挙げることができる。
【実施例】
【0042】
以下、実施形態において説明した構成のコインセル型のリチウム電池(試料1〜7)を実際に作製し、充放電サイクル特性を調べた。なお、本実施例のリチウム電池は、負極集電体を省略している。
【0043】
本実施例では、界面層16の厚さを変えることで、界面層16の厚さTbと負極層14の厚さTnとの比率であるTb/Tnが異なる7つの試料を作製した。界面層16以外の構成は、全ての試料で共通である。
【0044】
<試料の作製>
正極集電体層11として、厚さ100μmのSUS316Lからなる薄板を用意した。この薄板は、電池1の各層を支持する基材の役割も兼ねる。
【0045】
電子ビーム蒸着法により、正極集電体層11の上にLiCoOからなる正極層13を形成した。正極層13の膜厚は、1μmであった。
【0046】
エキシマレーザーアブレーション法により、正極層13の上に、LiNbOを蒸着することで緩衝層を形成した。緩衝層の厚さは、0.02μm(20nm)であった。
【0047】
エキシマレーザーアブレーション法により、緩衝層の上に、Li−P−S組成のSE層15を形成した。SE層15の形成の際は、硫化リチウム(LiS)及び五硫化リン(P)を原料とし、SE層15におけるLi/Pのモル比が2.0となるように調整した。SE層15の厚さは、5μmであった。
【0048】
抵抗加熱蒸着法により、SE層15の上に、Siからなる界面層16を形成した。界面層16の形成の際、Siの蒸着量を調節することで、界面層厚さの異なる7つの試料を作製した。各試料1〜7の界面層16の厚さTbは、試料番号順に0.005μm、0.01μm、0.02μm、0.1μm、0.2μm、0.4μm、および0.5μmであった。
【0049】
抵抗加熱蒸着法により、界面層16の上にLiを蒸着することで負極層14を形成した。負極層14の厚さTnは、1μmであった。
【0050】
<内部抵抗値の測定>
上述した試料1〜7のリチウム電池を使用して、充放電サイクル試験を実施した。具体的には、充放電電流密度を0.05mA/cmとして、4.2Vまで充電した後、3.0Vまで放電する作業を1サイクルとする充放電サイクル試験を100サイクル行い、各電池の容量維持率を求めた。容量維持率は、次式により求められる。
容量維持率(%)=(各サイクル時の放電容量/最大放電容量)×100
充放電サイクル試験の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
表1の結果から明らかなように、Tb/Tnが0.005超0.5未満の試料2〜6は、100サイクル後の容量維持率が90%を超えていた。一方、Tb/Tnが0.005である試料1、および同比が0.5である試料7は、容量維持率が80%を割っていた。
【0053】
上記の結果を受けて、試料1〜7のリチウム電池を解体して調べたところ、試料2〜6の電池では、界面層の剥離が認められなかったのに対して、試料1および7の電池では、界面層の剥離が認められた。
【0054】
以上のことから、リチウム電池における負極層厚さTn、界面層厚さTbおよびこれらの比であるTb/Tnを規定することで、サイクル特性に優れるリチウム電池とすることができることが明らかになった。
【0055】
なお、本発明の実施形態は、上述したものに限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、界面層の構成元素として、Si以外の周期律表第14族元素であるC、Ge、SnおよびPbなどを利用することもできる。これら周期律表第14族元素は、電池の充電時に正極層から移動してきたLiを吸蔵し、そして負極層に拡散させることができるという共通の性質を有するので、Siでできた界面層と同様の機能を発揮することが期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のリチウム電池は、携帯機器の電源として好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施形態に示すリチウム電池の概略構成図である。
【符号の説明】
【0058】
1 リチウム電池
11 正極集電体層 12 負極集電体層 13 正極層 14 負極層
15 SE層 16 界面層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極層と、負極層と、これら両層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する固体電解質層とを有するリチウム電池であって、
負極層と固体電解質層との間に界面層を備え、
前記負極層は、少なくともLiを含有し、
前記界面層は、少なくとも周期律表第14族元素を含有し、
前記負極層の厚さをTn、前記界面層の厚さをTbとした場合、
TnとTbの比が以下の式を満たすことを特徴とするリチウム電池。
0.005<Tb/Tn<0.5
【請求項2】
前記界面層に含有される周期律表第14族元素は、Siであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池。
【請求項3】
前記負極層は、気相法により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム電池。
【請求項4】
前記固体電解質層は、少なくともLiSとPを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム電池。
【請求項5】
さらに、前記正極層と固体電解質層との間に、これら両層の界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層を備え、
前記緩衝層は、LiLa(2−X)/3TiO(X=0.1〜0.5)、LiTi12、Li3.6Si0.60.4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO)、Li1.8Cr0.8Ti1.2(PO)、Li1.4In0.4Ti1.6(PO)、LiTaOおよび、LiNbOの少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項4に記載のリチウム電池。
【請求項6】
前記正極層は、Mn,Fe,Co,Niから選択される少なくとも一種以上の元素とリチウムとの酸化物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム電池。

【図1】
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【公開番号】特開2009−277381(P2009−277381A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125075(P2008−125075)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】