説明

リチウム2次電池用負極活物質組成物、これを利用して製造されるリチウム2次電池用負極及びリチウム2次電池

【課題】極板収縮現象を防止して容量及びサイクル寿命が向上したリチウム2次電池用負極活物質組成物を提供する。
前記リチウム2次電池用負極活物質組成物を利用して製造されるリチウム2次電池用負極を提供する。
前記リチウム2次電池用負極を含むリチウム2次電池を提供する。
【解決手段】本発明はリチウム2次電池用負極活物質組成物、これを利用して製造されるリチウム2次電池用負極及びリチウム2次電池に関するもので、前記リチウム2次電池用負極活物質組成物は、負極活物質、ポリイミド前駆体化合物及び高柔軟性高分子を含む。
本発明のリチウム2次電池用負極活物質組成物は、極板を製造する時、極板の屈曲現象を予防して容量特性及び寿命特性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム2次電池用負極活物質組成物、これを利用して製造されるリチウム2次電池用負極及びリチウム2次電池に関し、より詳しくはリチウム2次電池の高容量化実現及びサイクル寿命改善のためのリチウム2次電池用負極活物質組成物、これを利用して、製造されるリチウム2次電池用負極及びリチウム2次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム2次電池は可逆的にリチウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を正極と負極に使用し、前記正極と負極の間には有機電解液またはポリマー電解液を充填して製造する。
【0003】
このようなリチウム2次電池は、リチウムイオンが正極と負極で挿入/脱離される時の酸化還元反応によって電気エネルギーを生成するが、リチウムイオンの場合、電気化学的標準電位が高いために高い電池電圧及び大きなエネルギー密度を出すことができる。
【0004】
前記リチウム2次電池の正極活物質としてはリチウム−遷移金属酸化物が使用され、負極活物質としては炭素(結晶質または非晶質)、炭素複合体、リチウム金属またはリチウム合金などが使用されている。
【0005】
前記負極及び正極活物質は適当な厚さと長さで集電体に塗布されたり、或いは活物質自体をフィルム形状に製造して正極及び負極を製造した後、これを絶縁体であるセパレータと共に巻いたり積層して電極群を作った後、カンまたはこれと類似の容器に入れて電解液を注入し、角形のリチウム2次電池を製造する。
【0006】
一般に、リチウム2次電池の負極は負極活物質、バインダー及び選択的に導電剤を共に混合し、この混合物を電流集電体上に塗布して負極活物質層を形成して製造する。
【0007】
ポリイミドは高温における接着特性及び形態安定性に優れて高温安定性を要するリチウム2次電池の負極用バインダーとして用いることができる。
【0008】
このようなポリイミドは負極を製造する時に使用される負極活物質組成物にポリイミド自体で使用されず、その前駆体を使用する。このポリイミド前駆体として主にポリアミック酸が使用され、負極製造工程における乾燥工程でポリアミック酸がポリイミドに転換する。この転換反応が脱水反応であることによって、ポロイミドが収縮しながら、負極板が屈曲する問題が生じ、また、ポリイミド自体が固い物性を有するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述した問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、極板収縮現象を防止して容量及びサイクル寿命が向上したリチウム2次電池用負極活物質組成物を提供することにある。
【0010】
本発明はまた、前記リチウム2次電池用負極活物質組成物を利用して製造されたリチウム2次電池用負極を提供することにある。
【0011】
本発明はまた、前記リチウム2次電池用負極を含むリチウム2次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために本発明のリチウム2次電池用負極活物質組成物は、負極活物質、ポリイミド前駆体化合物及び高柔軟性高分子を含む。
【0013】
前記ポリイミド前駆体化合物としては下記化学式1乃至4からなる群より選択されるモノマーと、下記化学式5乃至9からなる群より選択されるモノマーの縮合反応で生成される化合物を使用するのが好ましい。
【0014】
【化1】

【0015】
【化2】

【0016】
【化3】

【0017】
【化4】

【0018】
【化5】

【0019】
【化6】

【0020】
【化7】

【0021】
【化8】

【0022】
【化9】

(前記化学式1乃至9で、前記X及びXは同一であるか互いに独立的にO、CO、SOまたはSであり、前記R及びRは同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、前記R及びRは同一であるか互いに独立的にハロゲン、ハロアルキル、アルキル及びHからなる群より選択される。)
【0023】
前記高柔軟性高分子はガラス転移温度が50℃以下であるのが好ましい。
【0024】
前記高柔軟性高分子はガラス転移温度が−60℃乃至50℃であるのが好ましい。
【0025】
前記高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至1,000,000であるのが好ましい。
【0026】
前記高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至500,000であるのが好ましい。
【0027】
前記高柔軟性高分子は下記化学式10乃至14からなる群より選択される化合物及び,これらの組み合わせであるのが好ましい。
【0028】
【化10】

(前記化学式10で、
はアルキレンであり、nは120乃至1,000である。)
【0029】
【化11】

(前記化学式11で、
はアルキレンであり、nは250乃至25,000である。)
【0030】
【化12】

(前記化学式12で、
乃至R10は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、nは120乃至12,000である。)
【0031】
【化13】

(前記化学式13で、
11及びR12は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、X及びXは同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、nは150乃至10,000である。)
【0032】
【化14】

(前記化学式14で、
13及びR14は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、X乃至X10は同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、aは120乃至900であり、bは5100乃至5880である。)
【0033】
本発明はまた、電流集電体及び前記電流集電体に形成され、負極活物質、ポリイミドバインダー及び高柔軟性高分子を含む負極活物質層が形成されるリチウム2次電池用負極を提供する。前記ポリイミドは前記化学式1乃至4からなる群より選択されるモノマーと、前記化学式5乃至9からなる群より選択されるモノマーの縮合反応で生成されるポリイミド前駆体化合物の脱水反応で形成される化合物である。
【0034】
本発明はまた、前記負極、リチウムイオン可逆的に挿入及び脱離できる正極活物質を含む正極及び電解液を含むリチウム2次電池を提供する。
【発明の効果】
【0035】
本発明のリチウム2次電池用負極活物質組成物は、極板の屈曲現象を防止し、極板に柔軟性を付与してリチウム2次電池の容量及び寿命特性を向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0037】
リチウム合金系電池で負極バインダーとして主に利用されているポリイミドは硬い性質があり、このようなポリイミドは負極を製造する時に使用される負極活物質組成物にポリイミド自体で使用されず、その前駆体化を使用する。このポリイミド前駆体としてポリアミック酸が使用され、負極製造工程における乾燥工程でポリアミック酸がポリイミドに転換する。この転換反応が脱水反応であることによって、ポリイミドが収縮しながら、負極板が屈曲する問題が生じ、また、ポリイミド自体が固い物性を有するという問題があった。
【0038】
この負極屈曲現象についてより詳細に説明する。
【0039】
一般に、負極はポリイミドの前駆体化合物、負極活物質及び選択的に導電剤を有機溶媒に分散させて製造した負極活物質組成物を電流集電体に塗布して負極活物質層を形成し、これを乾燥させて製造する。
【0040】
この時、前記乾燥過程中、ポリイミドの前駆体化合物は下記反応式1のように水分子が離脱する脱水反応が起こりながら、ポリイミドに変換する。
【0041】
【化15】

【0042】
前記脱水反応による水分子の離脱で空間が発生し、この空間だけポリイミドが収縮する。このようなポリイミドの収縮現象によって負極活物質層にも収縮現象が現れるが、この時、図1Aに示すように、負極活物質層1と電流集電体3が接する面(III)と負極活物質層の表面(II)は体積が収縮する程度が互いに相異する。
【0043】
つまり、負極活物質層と電流集電体が接する面(III)は負極活物質層の表面(II)より体積収縮がさらに小さい。このような現象は電流集電体と接する面(III)の場合には表面張力の大きい電流集電体によって形態変形が少ないためである。
【0044】
このように体積収縮程度の差で図1Bに示すように負極が曲がる屈曲現象が現れる。
【0045】
しかし、このように負極が曲がると負極後面にはコーティング工程を行うことができないため両面コーティングが不可能になるので、結果的に負極活物質の使用量が相対的に減少して電池の高容量化実現が不可能となる。
【0046】
また、両面コーティングのために負極の屈曲した部分を強制に広げると、負極表面に深刻な亀裂(Crack)を招いて電極の電気化学的特性を阻害することがある。
【0047】
また、負極の屈曲現象を減らすために電流集電体一面に負極活物質組成物を少量だけ塗布すると、電池の容量が大きく減少する。
【0048】
本発明はこのような問題を解決するために、バインダーとしてポリイミドと混合される高柔軟性高分子を混合して使用した。
【0049】
本発明のリチウム2次電池用負極活物質組成物は、ポリイミド前駆体化合物の脱水反応の時、水の離脱によって縮小する体積を高柔軟性高分子が物理的に満たすために負極板が屈曲する現象を抑制することができる。
【0050】
本発明のリチウム2次電池用負極活物質組成物は、負極活物質、ポリイミド前駆体化合物及び高柔軟性高分子を含む。
【0051】
前記負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、リチウムと反応して可逆的にリチウム含有化合物を形成することができる物質及び、可逆的にリチウムの挿入及び脱離が可能な物質からなる群より選択されるものを使用することができる。前記リチウム合金としてはリチウムとNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Al、Sn及び、これらの組み合わせからなる群より選択される金属の合金を使用することができる。
【0052】
前記リチウムと反応して可逆的にリチウム含有化合物を形成することができる物質の代表的な例としては、酸化スズ(SnO、SnO)、硝酸チタニウム、シリコン酸化物(SiO、SiOx、0<x<2)、シリコン及び、これらの組み合わせなどがあるが、これに限定されることではない。
【0053】
前記リチウムと可逆的に挿入及び脱離が可能な物質の代表的な例としては炭素系物質がある。
【0054】
前記炭素系物質としては非晶質炭素または結晶質炭素を用いることができ、前記非晶質炭素の例としては、ソフトカーボン(低温焼成炭素)、ハードカーボン、メゾフェースピッチ炭化物、焼成されたコークスなどがあり、前記結晶質炭素の例としては、無定形、板状、鱗片状、球状または繊維状の天然黒鉛及び人造黒鉛などがある。
【0055】
前記ポリイミド前駆体化合物の代表的な例としては下記化学式1乃至4からなる群より選択されるモノマーと、下記化学式5乃至9からなる群より選択されるモノマーの縮合反応で生成される化合物がある。
【0056】
【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【0057】
前記化学式1乃至9で、前記X及びXは同一であるか互いに独立的にO、CO、SOまたはSであり、前記R及びRは同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、最も好ましくはHであり、前記R及びRは同一であるか互いに独立的にハロゲン、ハロアルキル、アルキル及びHからなる群より選択されるものであり、さらに好ましくはハロアルキルであり、最も好ましくはフルオロアルキルである。
【0058】
また、前記高柔軟性高分子は常温近く或いは常温以下のガラス転移温度(Tg)を持つ物質が適する。より具体的に、前記高柔軟性高分子はガラス転移温度が50℃以下であるのが好ましく、−60℃乃至50℃であるのがさらに好ましく、−60℃乃至−30℃であるのが最も好ましい。
【0059】
前記高柔軟性高分子のガラス転移温度が50℃よりさらに高いと、極板柔軟性を阻害する問題が発生することがある。一方、高柔軟性高分子のガラス転移温度が最下−60℃の場合には極板柔軟性がさらに向上し、さらに、集電体に対する結着力が向上する長所があるので好ましい。
【0060】
このような高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至1,000,000であるのが好ましく、10,000乃至500,000であるのがさらに好ましい。
【0061】
前記高柔軟性高分子の重量平均分子量が10,000より小さいと電池の充放電の時のバインダーが電解液によって膨張(swelling)したり溶解する問題が発生し、1,000,000より大きいと溶媒に対する高柔軟性高分子の溶解性が低下する問題が発生する。
【0062】
前記高柔軟性高分子の代表的な例としては下記化学式10乃至14からなる群より選択される1種以上のものがある。ここで、化学式10の高分子の一例としてはポリプロピレンカーボネートがあり、化学式11の高分子の例としてはポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドがある。また、化学式12の例としてはポリビニルアセテートがあり、化学式13の高分子の例としてはフッ化ポリビニリデンがあり、化学式14の高分子の例としてはフッ化ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体がある。しかし、前記高柔軟性高分子は必ずこれに限定されることではなく、低いガラス転移温度を持つ高分子として前記条件を満足させるものはいずれも用いることができる。
【0063】
【化25】

(前記化学式10で、
はアルキレンであり、nは120乃至1,000である。)
【0064】
【化26】

(前記化学式11で、
はアルキレンであり、nは250乃至25,000である。)
【0065】
【化27】

(前記化学式12で、
乃至R10は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、最も好ましくはHまたはCHであり、nは120乃至12,000である。)
【0066】
【化28】

(前記化学式13で、
11及びR12は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、最も好ましくはHであり、X及びXは同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、最も好ましくはフルオロであり、nは150乃至10,000である。)
【0067】
【化29】

(前記化学式14で、
13及びR14は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、最も好ましくはHであり、X乃至X10は同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、最も好ましくはフルオロであり、aは120乃至900であり、bは5100乃至5880である。)
【0068】
また、本発明の化学式で、前記アルキルはC乃至Cのアルキルが好ましく、C乃至Cのアルキルがさらに好ましく、前記ハロアルキルはC乃至Cのハロアルキルが好ましく、C乃至Cのハロアルキルがさらに好ましく、前記アルキレンはC乃至Cのアルキレンが好ましく、C乃至Cのアルキレンがさらに好ましく、C乃至Cのアルキレンがさらに好ましく、C乃至Cのアルキレンが最も好ましい。
【0069】
前記負極活物質組成物は負極活物質を80乃至95重量%含むのが好ましく、90乃至95重量%含むのがさらに好ましい。負極活物質の含量が80重量%未満であると、高容量の負極板が製造できない問題があるため好ましくなく、95重量%以上であると、極板内バインダー含量が不足して極板が形成されない問題があるため好ましくない。
【0070】
また、前記負極活物質組成物はポリイミド前駆体化合物を4.95乃至15重量%含むのが好ましく、5乃至7重量%含むのがさらに好ましい。前記ポリイミド前駆体化合物の含量が4.95重量%未満であると、極板内バインダーの含量不足によって極板が形成されない問題があるため好ましくなく、15重量%以上であると、極板内負極活物質の含量が減少して負極を高容量化することができない問題があるため好ましくない。
【0071】
また、前記負極活物質組成物は高柔軟性高分子を0.05乃至10重量%含むのが好ましく、0.1乃至5重量%含むのがさらに好ましく、0.5乃至3重量%含むのが最も好ましい。
【0072】
前記高柔軟性高分子の含量が0.05重量%未満であると、高合材密度の負極板を製造する時に極板が曲がる問題を防止することが難しく、10重量%以上であると、極板内ポリイミドの含量が減少して反復的な充放電による負極活物質の激しい体積変化が制御できない問題が発生して好ましくない。
【0073】
前記導電剤は構成される電池において化学変化を招かなく、電子伝導性材料であればいずれも使用することができ、その例としては天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末、或いは金属繊維などがあり、さらに、ポリフェニレン誘導体などの導電性材料を混合して使用することもできる。
【0074】
上述した構成を有するリチウム2次電池の負極活物質組成物を電流集電体に塗布して乾燥し、電流集電体及び前記電流集電体に形成される負極活物質層を含む負極を製造する。この時、乾燥過程でポリイミドの前駆体化合物であるポリアミック酸はポリイミドに転換されて本発明の負極活物質層にはポリイミドとして存在する。つまり、本発明の負極活物質層は負極活物質、ポリイミドバインダー及び高柔軟性高分子を含む。
【0075】
前記ポリイミドは前記化学式1乃至4からなる群より選択されるモノマーと、前記化学式5乃至9からなる群より選択されるモノマーの縮合反応で生成されるポリイミド前駆体化合物の脱水反応で形成される化合物である。
【0076】
この時、前記電流集電体としては銅箔、ニッケル箔、ステレンス鋼箔、チタニウム箔、ニッケル発泡体、銅発泡体、伝導性金属がコーティングされたポリマー基材及び、これらの組み合わせからなる群より選択されるものを使用することができる。
【0077】
また、本発明の負極活物質から製造された負極を含むリチウム2次電池は正極及び非水系電解質を含む。
【0078】
前記正極は正極活物質を含み、前記正極活物質としてはリチウムの可逆的な挿入及び脱離が可能な化合物(リチエイテッド挿入化合物)を使用することができる。
【0079】
具体的にはコバルト、マンガン、ニッケル、鉄、リン及びこれらの組み合わせから選択される金属とリチウムとの複合酸化物のうちの1種以上のものを用いることができ、さらに好ましくは下記化学式15乃至38のうちのいずれかで表現される化合物を使用することができる:
【0080】
[化15]
Li1−b
(上記の式で、0.95≦a≦1.1及び0≦b≦0.5である)
【0081】
[化16]
Li1−b2−c
(上記の式で、0.95≦a≦1.1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である)
【0082】
[化17]
LiE2−b4−c
(上記の式で、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である)
【0083】
[化18]
LiNi1−b−cCoBcDα
(上記の式で、0.95≦a≦1.1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2である)
【0084】
[化19]
LiNi1−b−cCo2−αα
(上記の式で、0.95≦a≦1.1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である)
【0085】
[化20]
LiNi1−b−cCo2−α
(上記の式で、0.95≦a≦1.1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である)
【0086】
[化21]
LiNi1−b−cMnα
(上記の式で、0.95≦a≦1.1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2である)
【0087】
[化22]
LiNi1−b−cMn2−αα
(上記の式で、0.95≦a≦1.1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である)
【0088】
[化23]
LiNi1−b−cMn2−α
(上記の式で、0.95≦a≦1.1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である)
【0089】
[化24]
LiNi
(上記の式で、0.90≦a≦1.1、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0.001≦d≦0.1である。)
【0090】
[化25]
LiNiCoMnGeO
(上記の式で、0.90≦a≦1.1、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0.001≦e≦0.1である。)
【0091】
[化26]
LiNiG
(上記の式で、0.90≦a≦1.1、0.001≦b≦0.1である。)
【0092】
[化27]
LiCoG
(上記の式で、0.90≦a≦1.1、0.001≦b≦0.1である。)
【0093】
[化28]
LiMnG
(上記の式で、0.90≦a≦1.1、0.001≦b≦0.1である。)
【0094】
[化29]
LiMn
(上記の式で、0.90≦a≦1.1、0.001≦b≦0.1である。)
【0095】
[化30]
QO
【0096】
[化31]
QS
【0097】
[化32]
LiQS
【0098】
[化33]

【0099】
[化34]
LiV
【0100】
[化35]
LiIO
【0101】
[化36]
LiNiVO
【0102】
[化37]
Li(3−f)(PO(0≦f≦3)
【0103】
[化38]
Li(3−f)Fe(PO(0≦f≦2)
【0104】
前記化学式15乃至38において、AはNi、Co、Mn及びこれらの組み合わせからなる群より選択され;BはAl、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素及びこれらの組み合わせからなる群より選択され;DはO、F、S、P及びこれらの組み合わせからなる群より選択され;EはCo、Mn及びこれらの組み合わせからなる群より選択され;FはF、S、P及びこれらの組み合わせからなる群より選択され;GはAl、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V及びこれらの組み合わせからなる群より選択される遷移金属またはランタン族元素であり;QはTi、Mo、Mn及びこれらの組み合わせからなる群より選択されて;
IはCr、V、Fe、Sc、Y及びこれらの組み合わせからなる群より選択されながら;
JはV、Cr、Mn、Co、Ni、Cu及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0105】
また、上述したものの他に無機硫黄(S、elemental sulfur)及び硫黄系統化合物を使用することもでき、前記硫黄系統化合物としてはLi(n≧1)、カソード液(catholyte)に溶解されたLi(n≧1)、有機硫黄化合物または炭素−硫黄ポリマー((C:f=2.5乃至50、n≧2)などを使用することができる。
【0106】
前記正極も負極と同様に、前記正極活物質、バインダー及び導電剤を混合して正極活物質組成物を製造した後、前記正極活物質組成物をアルミニウムなどの正極電流集電体に塗布して製造することができる。
【0107】
前記導電剤は構成される電池において化学変化を招かなく、電子伝導性材料であればいずれも使用することができ、その例としては天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末、金属繊維などがあり、また、ポリフェニレン誘導体などの導電性材料を1種または1種以上を混合して使用することもできる。
【0108】
前記バインダーとしてはポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピレンセルロース、ジアセチレンセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどを使用することができるが、これに限定されることではない。
【0109】
前記溶媒としてはN−メチルピロリドンなどを使用することができるが、これに限定されることではない。
【0110】
本発明の非水系電解質2次電池において、電解質は非水性有機溶媒とリチウム塩を含む。
【0111】
前記非水性有機溶媒は電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動できる媒質の役割を果たす。前記非水性有機溶媒としてはカーボネート系、エステル系、エーテル系、ケトン系、アルコール系または非陽子性溶媒を使用することができる。前記カーボネート系溶媒としてはジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等を用いることができ、前記エステル系溶媒としてはn−メチルアセテート、n−エチルアセテート、n−プロピルアセテート、ジメチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、γ−ブチロラクトン、デカノライド、バレロラクトン、メバルロノラクトン(mevalonolactone)、カプロラクトン(caprolactone)などを用いることができる。前記エーテルとしてはジブチルエーテル、テトラグライム、ジグライム、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランなどを用いることができ、前記ケトン系溶媒としてはシクロヘキサノンなどを用いることができる。また前記アルコール系溶媒としてはエチルアルコール、イソプロピルアルコールなどを用いることができ、前記非陽子性溶媒としてはX−CN(Rは炭素数2乃至20の直鎖状、分枝状または環状構造の炭化水素基であり、二重結合芳香環またはエーテル結合を含むことができる)などのニトリル流ジメチルホルムアミドなどのアミド流、1,3−ジオキソランなどのジオキソラン流スルホラン流などを用いることができる。
【0112】
前記非水性有機溶媒は単独で或いは1つ以上混合して使用することができ、1つ以上混合して使用する場合の混合比率は目的とする電池性能に応じて適切に調節することができ、これは当該分野における者であれば容易に分かる。
【0113】
また、前記カーボネート系溶媒の場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートを混合して使用するのが好ましい。この場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートは1:1乃至1:9の体積比で混合して使用することが電解液の性能が優れて好ましい。
【0114】
本発明の非水性有機溶媒は前記カーボネート系溶媒に芳香族炭化水素系有機溶媒をさらに含むこともできる。この場合、前記カーボネート系溶媒と芳香族炭化水素系有機溶媒は1:1乃至30:1の体積比で混合することができる。
【0115】
前記芳香族炭化水素系有機溶媒としては下記化学式39の芳香族炭化水素系化合物を使用することができる。
【化30】

(前記化学式39で、R乃至Rはそれぞれ独立的に水素、ハロゲン、炭素数1乃至10のアルキル基、ハロアルキル基及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるものである。)
【0116】
好ましくは、前記芳香族炭化水素系有機溶媒はベンゼン、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2、3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ヨードベンゼン、1,2−ジヨードベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1,2,3−トリヨードベンゼン、1,2,4−トリヨードベンゼン、トルエン、フルオロトルエン、1,2−ジフルオロトルエン、1,3−ジフルオロトルエン、1,4−ジフルオロトルエン、1,2,3−トリフルオロトルエン、1,2,4−トリフルオロトルエン、クロロトルエン、1,2−ジクロロトルエン、1,3−ジクロロトルエン、1,4−ジクロロトルエン、1,2,3−トリクロロトルエン、1,2,4−トリクロロトルエン、ヨードトルエン、1,2−ジヨードトルエン、1,3−ジヨードトルエン、1,4−ジヨードトルエン、1,2,3−トリヨードトルエン、1,2,4−トリヨードトルエン、キシレン及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるものである。
【0117】
前記非水性電解質は電池寿命を向上させるためにビニレンカーボネートまたはフルオロエチレンカーボネートなどの寿命向上添加剤をさらに含むこともできる。このように寿命向上添加剤をさらに使用する場合、その使用量は適切に調節することができる。
【0118】
前記リチウム塩は前記有機溶媒に溶解されて電池内でリチウムイオンの供給源として作用して基本的なリチウム2次電池の作動を可能にし、正極と負極の間のリチウムイオンの移動を促進する役割を果たす物質である。このようなリチウム塩の代表的な例としてはLiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiCFSO、LiN(SO,LiN(CFSO,LiCSO、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ここで、x及びyは自然数である)、LiCl、LiI、リチウムビスオキサレートボレート及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを支持電解塩として含む。リチウム塩の濃度は0.1乃至2.0M範囲内で使用するのが好ましい。リチウム塩の濃度が0.1M未満であると電解質の電導度が低下して電解質性能が低下し、2.0M以上であると電解質の粘度が増加してリチウムイオンの移動性が減少する問題がある。
【0119】
また、電解質として固体電解質を使用する場合、この固体電解質としてはポリエチレン酸化物重合体電解質または1つ以上のポリオルガノシロキサン側鎖またはポリオキシアルキレン側鎖を含有する重合体電解質、LiS−SiS、LiS−GeS、LiS−PまたはLiS−B等のような硫化物電解質、LiS−SiS−LiPO、またはLiS−SiS−LiSO等のような無機電解質などを好ましく使用することができる。
【0120】
リチウム2次電池の種類によって正極と負極の間にセパレータが存在し得る。このようなセパレータとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンまたはこれらの2層以上の多層膜を使用することができ、ポリエチレン/ポリプロピレン2層セパレータ、ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン3層セパレータ、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層セパレータなどのような混合多層膜を使用することができるのは当然である。
【0121】
上述した構成を有する本発明のリチウム2次電池の一例を図2に示す。図2は負極102、正極103、この負極102及び正極103の間に配置されるセパレータ104、前記負極102、前記正極103及び前記セパレータ104に含浸される電解液と、電池容器105と、電気容器105を封入する封入部材106を主な部分として構成されている円筒形リチウムイオン電池100を示す。もちろん、本発明のリチウム2次電池がこの形状に限定されることではなく、本発明の負極活物質を含み、電池として作動できる角形、パウチなどのいかなる形状も可能である。
【0122】
以下、本発明の実施例及び比較例を記載する。しかし、下記の実施例は本発明の好ましい一実施例に過ぎず、本発明が下記の実施例に限定されることではない。
【0123】
(実施例1)
ポリアミック酸9.5重量%、シリコン負極活物質85重量%、フッ化ポリビニリデン高柔軟性高分子0.5重量%及びカーボンブラック導電剤5重量%をN−メチルピロリドン溶媒中に混合して負極スラリーを製造した。この負極スラリーを銅集電体に塗布した後、120℃で乾燥して負極を製造した。この時、負極のローディング量は2.7mg/cmにした。このように製造された負極は平らな銅集電体にポリイミドバインダーを含む負極活物質層が水平に形成される構造であった。
【0124】
(実施例2)
負極のローディング量を3.9mg/cmに変更したことを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
【0125】
(実施例3)
負極のローディング量を4.2mg/cmに変更したことを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
【0126】
(実施例4)
フッ化ポリビニリデンをポリビニルアセテートに変更したことを除いては、前記実施例2と同一に行った。
【0127】
(実施例5)
フッ化ポリビニリデンをフッ化ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体に変更したことを除いては、実施例3と同様に実施した。
【0128】
(実施例6)
フッ化ポリビニリデンをポリエチレンオキシドに変更したことを除いては、実施例2と同様に実施した。
【0129】
(実施例7)
フッ化ポリビニリデンの添加量を0.1重量%に変更したことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0130】
(実施例8)
フッ化ポリビニリデンの添加量を0.3重量%に変更したことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0131】
(実施例9)
フッ化ポリビニリデンの添加量を3重量%に変更したことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0132】
(実施例10)
フッ化ポリビニリデンの添加量を7重量%に変更したことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0133】
(実施例11)
フッ化ポリビニリデンの添加量を10重量%に変更したことを除いては、実施例1と同様に実施した。
【0134】
(比較例1)
ポリアミック酸10重量%、シリコン負極活物質85重量%及びカーボンブラック導電剤5重量%をN−メチルピロリドン溶媒中に混合して負極スラリーを製造した。この負極スラリーを銅集電体に塗布した後、120℃で乾燥して負極を製造した。この時、負極のローディング量は2.7mg/cmにした。
【0135】
(比較例2)
負極のローディング量を3.9mg/cmに変更したことを除いては、前記比較例1と同様に実施した。
【0136】
(比較例3)
負極のローディング量を4.2mg/cmに変更したことを除いては、前記比較例1と同様に実施した。
【0137】
負極のローディング量による負極屈曲写真
前記実施例1乃至12によって製造された負極の中で、実施例1乃至3の写真を図3、図4及び図5にそれぞれ示し、前記比較例1乃至3によって製造された負極の写真を図6、図7及び図8にそれぞれ示す。
【0138】
図3乃至5に示すように、高柔軟性高分子を含む負極活物質層が形成された負極の場合、銅集電体にローディングされる負極スラリー量と関係なく負極の屈曲現象が現れなかった。
【0139】
これに反し、図6乃至8に示すように高柔軟性高分子を含まない負極活物質で製造された負極の場合、銅集電体にローディングされる負極スラリーの量が増加するほど負極の屈曲現象がさらに激しく現れた。
【0140】
容量及び寿命特性結果
前記実施例1乃至3及び比較例1乃至3によって製造された負極と、リチウムコバルトオキシド正極活物質を含む正極及びエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを3:7の体積比で混合した有機溶媒にLiPFを1M溶解した電解質を使用して直径18mm、高さ65mmの18650規格の円筒形電池を製造した。製造された円筒形電池を利用して0.5Cで充放電を100サイクルまで実施して10サイクル、50サイクル及び100サイクルの時の放電容量維持率を下記表1に示した。
【0141】
【表1】

【0142】
前記表1に示したように、実施例3の負極活物質組成物を銅集電体に4.2mg/cmでローディングさせて製造した負極を有する18650円筒形電池は、高柔軟性バインダーを使用しなかった比較例1の負極活物質組成物を2.7mg/cmでローディングさせて製造した負極を有する18650円筒形電池と100サイクルの時にも容量維持率が類似していた。結果的に、実施例3の負極活物質組成物を利用して製造された負極を含む電池は負極のローディング量を増加させても容量維持率が維持されることから、本発明によれば高容量電池が製造できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1A】リチウム2次電池における電極の屈曲現象を示す図面である。
【図1B】リチウム2次電池における電極の屈曲現象を示す図面である。
【図2】本発明のリチウム2次電池の構造を概略的に示す図面である。
【図3】本発明の実施例1によって製造された負極板の写真である。
【図4】本発明の実施例2によって製造された負極板の写真である。
【図5】本発明の実施例3によって製造された負極板の写真である。
【図6】比較例1によって製造された負極板の写真である。
【図7】比較例2によって製造された負極板の写真である。
【図8】比較例3によって製造された負極板の写真である。
【符号の説明】
【0144】
1 負極活物質層
3 電流集電体
100 円筒形リチウムイオン電池
102 負極
103 正極
104 セパレータ
105 電気容器
106 封入部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極活物質;
ポリイミド前駆体化合物;
高柔軟性高分子を含むことを特徴とするリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項2】
前記負極活物質は、リチウム金属、リチウム合金、リチウムと反応してリチウム含有化合物を形成することができる物質及び、可逆的にリチウムの挿入及び脱離が可能な物質からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項3】
前記リチウム合金はリチウムとNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Al、Sn及び、これらの組み合わせからなる群より選択される金属の合金であることを特徴とする、請求項2に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項4】
前記リチウムと反応して可逆的にリチウム含有化合物を形成することができる物質は、酸化スズ(SnO、SnO)、硝酸チタニウム、シリコン酸化物(SiO、SiOx0<x<2)、シリコン及び、これらの組み合わせからなる群より選択されるものであることを特徴とする、請求項2に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項5】
前記リチウムと可逆的に挿入及び脱離できる物質は炭素系物質であることを特徴とする、請求項2に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項6】
前記ポリイミド前駆体化合物は下記化学式1乃至4からなる群より選択されるモノマーと、下記化学式5乃至9からなる群より選択されるモノマーの縮合反応で生成される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

(前記化学式1乃至9で、前記X及びXは同一であるか互いに独立的にO、CO、SOまたはSであり、
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にハロゲン、ハロアルキル、アルキル及び、これらの組み合わせからなる群より選択される。)
【請求項7】
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にハロアルキルであることを特徴とする、請求項6に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項8】
前記高柔軟性高分子はガラス転移温度が50℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項9】
前記高柔軟性高分子はガラス転移温度が−60℃乃至50℃であることを特徴とする、請求項8に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項10】
前記高柔軟性高分子はガラス転移温度が−60℃乃至−30℃であることを特徴とする、請求項9に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項11】
前記高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至1,000,000であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項12】
前記高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至500,000であることを特徴とする、請求項11に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項13】
前記高柔軟性高分子は下記化学式10乃至14からなる群より選択される化合物及び、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【化10】

(前記化学式10で、
はアルキレンであり、nは120乃至1,000である。)
【化11】

(前記化学式11で、
はアルキレンであり、nは250乃至25,000である。)
【化12】

(前記化学式12で、
乃至R10はHまたはアルキルであり、nは120乃至12,000である。)
【化13】

(前記化学式13で、
11及びR12は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、X及びXは同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、nは150乃至10,000である。)
【化14】

(前記化学式14で、
13及びR14は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、X乃至X10は同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、aは120乃至900であり、bは5100乃至5880である。)
【請求項14】
前記高柔軟性高分子はポリプロピレンカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルアセテート、フッ化ポリビニリデン、フッ化ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及び、これらの組み合わせから選択されるものであることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項15】
前記負極活物質組成物は、前記高柔軟性高分子を0.05乃至10重量%含むことを特徴とする、請求項1に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項16】
前記負極活物質組成物は、前記高柔軟性高分子を0.1乃至5重量%含むことを特徴とする、請求項15に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項17】
前記負極活物質組成物は、前記高柔軟性高分子を0.5乃至3重量%含むことを特徴とする、請求項16に記載のリチウム2次電池用負極活物質組成物。
【請求項18】
電流集電体;
前記電流集電体に形成され、負極活物質、ポリイミドバインダー及び高柔軟性高分子を含む負極活物質層を含むことを特徴とするリチウム2次電池用負極。
【請求項19】
前記負極活物質は、リチウム金属、リチウム合金、リチウムと反応してリチウム含有化合物を形成することができる物質及び可逆的にリチウムの挿入及び脱離が可能な物質からなる群より選択されるものであることを特徴とする、請求項18に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項20】
前記リチウム合金はリチウムとNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Al、Sn及び、これらの組み合わせからなる群より選択される金属の合金であることを特徴とする、請求項19に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項21】
前記リチウムと反応して可逆的にリチウム含有化合物を形成することができる物質は、酸化スズ(SnO、SnO)、硝酸チタニウム、シリコン酸化物(SiO、SiOx、0<x<2)、シリコン及び、これらの組み合わせからなる群より選択されるものであることを特徴とする、請求項19に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項22】
前記リチウムと可逆的に挿入及び脱離できる物質は炭素系物質であることを特徴とする、請求項19に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項23】
前記ポリイミドは下記化学式1乃至4からなる群より選択されるモノマーと、下記化学式5乃至9からなる群より選択されるモノマーの縮合反応で生成されるポリイミド前駆体化合物の脱水反応で形成される化合物であることを特徴とする、請求項18に記載のリチウム2次電池用負極。
【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

(前記化学式1乃至9で、前記X及びXは同一であるか互いに独立的にO、CO、SOまたはSであり、
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にハロゲン、ハロアルキル、アルキル及び、これらの組み合わせからなる群より選択される。)
【請求項24】
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にハロアルキルであることを特徴とする、請求項23に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項25】
前記高柔軟性高分子は50℃以下のガラス転移温度を有するものであることを特徴とする、請求項18に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項26】
前記高柔軟性高分子は−60℃乃至50℃のガラス転移温度を有するものであることを特徴とする、請求項25に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項27】
前記高柔軟性高分子は−60℃乃至−30℃のガラス転移温度を有するものであることを特徴とする、請求項26に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項28】
前記高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至1,000,000であることを特徴とする、請求項18に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項29】
前記高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至500,000であることを特徴とする、請求項28に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項30】
前記高柔軟性高分子は下記化学式10乃至14からなる群より選択される化合物及び、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項18に記載のリチウム2次電池用負極。
【化24】

(前記化学式10で、
はアルキレンであり、nは120乃至1,000である。)
【化25】

(前記化学式11で、
はアルキレンであり、nは250乃至25,000である。)
【化26】

(前記化学式12で、
乃至R10はHまたはアルキルであり、nは120乃至12,000である。)
【化27】

(前記化学式13で、
11及びR12は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、X及びXは同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、nは150乃至10,000である。)
【化28】

(前記化学式14で、
13及びR14は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、X乃至X10は同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、aは120乃至900であり、bは5100乃至5880である。)
【請求項31】
前記高柔軟性高分子はポリプロピレンカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルアセテート、フッ化ポリビニリデン、フッ化ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及び、これらの組み合わせで選択されるものであることを特徴とする、請求項18に記載のリチウム2次電池用負極。
【請求項32】
電流集電体;前記電流集電体に形成され、負極活物質、ポリイミドバインダー及び高柔軟性高分子を含む負極活物質層を含む負極;
リチウムイオンを可逆的に挿入及び脱離できる正極活物質を含む正極;
電解液を含むことを特徴とするリチウム2次電池。
【請求項33】
前記負極活物質は、リチウム金属、リチウム合金、リチウムと反応してリチウム含有化合物を形成することができる物質及び、可逆的にリチウムの挿入及び脱離が可能な物質からなる群より選択されるものであることを特徴とする、請求項32に記載のリチウム2次電池。
【請求項34】
前記リチウム合金はリチウムとNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Al、Sn及び、これらの組み合わせからなる群より選択される金属の合金であることを特徴とする、請求項33に記載のリチウム2次電池。
【請求項35】
前記リチウムと反応して可逆的にリチウム含有化合物を形成することができる物質は、酸化スズ(SnO、SnO)、硝酸チタニウム、シリコン酸化物(SiO、SiOx、0<x<2)、シリコン及び、これらの組み合わせからなる群より選択されるものであることを特徴とする、請求項33に記載のリチウム2次電池。
【請求項36】
前記リチウムと可逆的に挿入及び脱離できる物質は炭素系物質であることを特徴とする、請求項33に記載のリチウム2次電池。
【請求項37】
前記ポリイミドは下記化学式1乃至4からなる群より選択されるモノマーと、下記化学式5乃至9からなる群より選択されるモノマーの縮合反応で生成されるポリイミド前駆体化合物の脱水反応で形成される化合物であることを特徴とする、請求項32に記載のリチウム2次電池。
【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

(前記化学式1乃至9で、前記X及びXは同一であるか互いに独立的にO、CO、SOまたはSであり、
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にハロゲン、ハロアルキル、アルキル及び、これらの組み合わせからなる群より選択される。)
【請求項38】
前記R及びRは同一であるか互いに独立的にハロアルキルであることを特徴とする、請求項37に記載のリチウム2次電池。
【請求項39】
前記高柔軟性高分子は50℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする、請求項32に記載のリチウム2次電池。
【請求項40】
前記高柔軟性高分子は−60℃乃至50℃のガラス転移温度を有するものであることを特徴とする、請求項39に記載のリチウム2次電池。
【請求項41】
前記高柔軟性高分子は−60℃乃至−30℃のガラス転移温度を有するものであることを特徴とする、請求項40に記載のリチウム2次電池。
【請求項42】
前記高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至1,000,000であることを特徴とする、請求項32に記載のリチウム2次電池。
【請求項43】
前記高柔軟性高分子は重量平均分子量が10,000乃至500,000であることを特徴とする請求項42に記載のリチウム2次電池。
【請求項44】
前記高柔軟性高分子は下記化学式10乃至14からなる群より選択される化合物及び、これらの組み合わせであることを特徴とする、請求項32に記載のリチウム2次電池。
【化38】

(前記化学式10で、
はアルキレンであり、nは120乃至1,000である。)
【化39】

(前記化学式11で、
はアルキレンであり、nは250乃至25,000である。)
【化40】

(前記化学式12で、
乃至R10はHまたはアルキルであり、nは120乃至12,000である。)
【化41】

(前記化学式13で、
11及びR12は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、X及びXは同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、nは150乃至10,000である。)
【化42】

(前記化学式14で、
13及びR14は同一であるか互いに独立的にHまたはアルキルであり、X乃至X10は同一であるか互いに独立的にハロゲンであり、aは120乃至900であり、bは5100乃至5880である。)
【請求項45】
前記高柔軟性高分子はポリプロピレンカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルアセテート、フッ化ポリビニリデン、フッ化ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体及び、これらの組み合わせで選択されるものであることを特徴とする、請求項32に記載のリチウム2次電池。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−135384(P2008−135384A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280854(P2007−280854)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】