説明

リッド開閉機構

【課題】リッド部材の両開き構造の簡素化および軽量化を図り、リッド部材の円滑な開閉操作を実現させる。
【解決手段】上部開口部12の後側に位置する第1取付板部17に対し、第1リッド支持部材60が第1ヒンジ部55により回転可能に支持される。上部開口部12の前側に位置する第2取付板部18に対し、第2リッド支持部材80が第2ヒンジ部56により回転可能に支持される。リッド部材L内に配設された移動部材100は、第1ヒンジ部55側の第1連結位置と第2ヒンジ部56側の第2連結位置との間で往復移動する。第1連結位置に移動した移動部材100は第1リッド支持部材60に連結され、リッド部材Lは第1リッド支持部材60に支持されながら開閉する。第2連結位置に移動した移動部材100は第2リッド支持部材80に連結され、リッド部材Lは第2リッド支持部材80に支持されながら開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッド開閉機構に関し、更に詳細には、本体部材に画成した物品収納部の開口部を閉成するリッド部材を、本体部材における前記開口部の一側部を支点として開閉すると共に、本体部材における前記開口部を挟んで前記一側部と対向する他側部を支点として開閉するリッド開閉機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セダンタイプやステーションワゴンタイプ等の自動車では、車内における前部座席間(運転席と助手席との間)のフロアに、フロアコンソールを設置した車種が多い。このフロアコンソールは、上方へ開口する物品収納部が設けられた本体部材と、この本体部材の上部に開閉可能に配設されて物品収納部を閉成するリッド部材とを有している。
【0003】
そして近年では、フロアコンソールのリッド部材を車体の左右両方向に開閉させ得る左右両開き式や、フロアコンソールのリッド部材を車体の前後両方向に開閉させ得る前後両開き式のフロアコンソールも提案されている。例えば特許文献1には、左右両開き式のフロアコンソールが開示されている。特許文献1に開示されたコンソールボックスは、蓋体(以降「リッド部材」という)の左端縁にスライド可能に配設されてボックス本体(以降「本体部材」という)の軸穴に突入係止されるヒンジピンからなる左ヒンジ部と、リッド部材の右端縁にスライド可能に配設されて本体部材の軸穴に突入係止されるヒンジピンからなる右ヒンジ部と、両端に左右の操作ボタンが配設されて両ヒンジ部のヒンジピンに夫々連結される移動体等から構成されるリッド開閉機構を備えている。そして、左側の操作ボタンを押すと、左ヒンジ部のヒンジピンと本体部材の軸穴との係止が解除され、該リッド部材が右ヒンジ部を支点として右方向へ開放することが許容され、右側の操作ボタンを押すと、右ヒンジ部のヒンジピンと本体部材の軸穴との係止が解除され、該リッド部材が左ヒンジ部を支点として左方向へ開放することが許容されるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3292038号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述したリッド開閉機構では、左ヒンジ部および右ヒンジ部が、ヒンジピンがスライド移動する所謂「かんぬき構造」となっている。このため、リッド部材とヒンジピンとの間や該ヒンジピンと軸穴との間には、ヒンジピンのスライド移動が円滑になされるよう適度のクリアランスが設けられているので、開閉操作時にリッド部材のがたつきが発生し易い欠点を内在している。また、左右の操作ボタンの操作方向と、左ヒンジ部および右ヒンジ部のヒンジピンと本体部材の軸穴との係止方向とが直交しているため、リッド部材の開閉操作に係る操作性が悪い課題もある。更に、リッド開閉機構を構成する部品点数が多くなっているので、組立工数が増えて製造コストが嵩むばかりか、該リッド部材の重量化を招来すると共に、構造が複雑になって動作不良が起こり易い。すなわち、前述したリッド開閉機構は、リッド部材のがたつきや重量化等により、該リッド部材の円滑な開閉操作を行ない難い問題があった。
【0006】
また、リッド部材の両開きを実現可能とするリッド開閉機構では、リッド部材に連結されて該リッド部材の過開放を規制するロックアーム(「チェックアーム」とも云う)を設けることが困難となっている。すなわちロックアームは、リッド部材に連結された状態で本体部材に係止されるようになっているので、リッド部材の開放を許容するためには、ロックアームと本体部材とを離脱させなければならないが、これらロックアームと本体部材とを離脱させる構成は簡単に実現し得るものではない。従って、特許文献1に開示されたリッド開閉機構は、ロックアームを備えていないのでリッド部材の過開きに伴う「過開き剛性」が低く、左右の開放位置に臨んでいる該リッド部材が更に開放方向へ押された場合は、その荷重がヒンジ部のヒンジピンに集中的に加わるようになり、該ヒンジ部の破損を招来するおそれがある。更にまた、左ヒンジ部および右ヒンジ部のヒンジピンが、リッド部材の底面より該リッド部材の内側に位置しているため、該ヒンジピンに対応する軸穴を設けた本体部材の上端部が、該本体部材の上方へ突出している。このため、上端部に手が接触して物品収納部への物品の出し入れに支障を来たし、かつ衣服の袖部分が上端部に引っ掛かる等の不都合もあった。
【0007】
そこで本発明では、リッド部材の両開き構造の簡素化および軽量化を図り、リッド部材の円滑な開閉操作を実現させたリッド開閉機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、本体部材に画成した物品収納部の開口部を閉成するリッド部材を、本体部材における前記開口部の一側部を支点として開閉すると共に、本体部材における前記開口部を挟んで前記一側部と対向する他側部を支点として開閉するリッド開閉機構において、
前記開口部の一側部に設けた第1ヒンジ部により、前記本体部材に回転可能に支持された第1リッド支持部材と、
前記開口部の他側部に設けた第2ヒンジ部により、前記本体部材に回転可能に支持された第2リッド支持部材と、
前記リッド部材にスライド可能に設けられ、該リッド部材が前記物品収納部を閉成した閉成姿勢において、前記第1ヒンジ部側の第1連結位置と前記第2ヒンジ部側の第2連結位置との間で往復移動可能な移動部材と、
前記第1リッド支持部材に、前記第1ヒンジ部による該第1リッド支持部材の回転支点から半径方向外側へ延出するよう設けられた第1ロックアーム部と、
前記本体部材において前記第1リッド支持部材の回転に伴う前記第1ロックアーム部の回転軌跡上に設けられ、第1ロックアーム部が当接した際に第1リッド支持部材のリッド開放方向への回転を規制する第1回転規制部と、
前記第2リッド支持部材に、前記第2ヒンジ部による該第2リッド支持部材の回転支点から半径方向外側へ延出するよう設けられた第2ロックアーム部と、
前記本体部材において前記第2リッド支持部材の回転に伴う前記第2ロックアーム部の回転軌跡上に設けられ、第2ロックアーム部が当接した際に第2リッド支持部材のリッド開放方向への回転を規制する第2回転規制部とを備え、
前記移動部材の前記第1連結位置において、移動部材と第1リッド支持部材とを連結すると共に移動部材と第2リッド支持部材とを分離可能とし、前記移動部材の前記第2連結位置において、移動部材と第2リッド支持部材とを連結すると共に移動部材と第1リッド支持部材とを分離可能とするよう構成したことを要旨とする。
【0009】
従って、請求項1に係る発明によれば、移動部材を第1連結位置へ移動させるとリッド部材が第1リッド支持部材に連結支持されるので、該リッド部材を第1ヒンジ部を支点として開閉させ得る。また、移動部材を第2連結位置へ移動させるとリッド部材が第2リッド支持部材に連結支持されるので、該リッド部材を第2ヒンジ部を支点として開閉させ得る。そして、第1ヒンジ部が第1リッド支持部材と本体部材とを分離させる構造ではないので、第1リッド支持部材はがたつきなく本体部材に回転可能に支持されると共に、第2ヒンジ部も第2リッド支持部材と本体部材とを分離させる構造ではないので、第2リッド支持部材はがたつきなく本体部材に回転可能に支持される。従って、第1リッド支持部材に連結支持されたリッド部材の開閉操作時および第2リッド支持部材に連結支持されたリッド部材の開閉操作時にリッド部材のがたつきが発生し難く、開閉操作を行ない易い。更に、移動部材の移動方向およびその操作方向と、該移動部材と各リッド支持部材との連結方向が、何れも同じ方向となっているので、リッド部材と第1リッド支持部材との連結・分離またはリッド部材と第2リッド支持部材との連結・分離が確実に行なわれ、リッド部材の開閉操作に係る操作性の向上が期待できる。更にまた、リッド開閉機構の構成部品点数および組立工数を夫々少なくし得るので、製造コストの低減およびリッド部材の軽量化等を図り得る。
更に、第1リッド支持部材に連結支持されて第1ヒンジ部を支点として開放したリッド部材は、該第1リッド支持部材のロックアーム部が第1回転規制部に当接することで、第1ヒンジ部を支点として開放させた際の過開きが防止される。また、第2リッド支持部材に連結支持されて第2ヒンジ部を支点として開放したリッド部材は、該第2リッド支持部材のロックアーム部が第2回転規制部に当接することで、第2ヒンジ部を支点として開放させた際の過開きが防止される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記第1リッド支持部材に設けた第1連結部と、
前記第2リッド支持部材に設けた第2連結部と、
前記移動部材に前記第1連結部と対応して設けられ、移動部材の前記第1連結位置において第1連結部に連結すると共に、移動部材の前記第2連結位置において第1連結部と分離する第1係合部と、
前記移動部材に前記第2連結部と対応して設けられ、移動部材の前記第2連結位置において第2連結部に連結すると共に、移動部材の前記第1連結位置において第2連結部と分離する第2係合部とを備えたことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、移動部材を第1連結位置へ移動させると、第1連結部と第1係合部とが連結されると共に第2連結部と第2係合部とが分離するので、リッド部材を、第1リッド支持部材に連結支持させたもとで第1ヒンジ部を支点として開閉させ得る。また、移動部材を第2連結位置へ移動させると、第2連結部と第2係合部とが連結されると共に第1連結部と第1係合部とが分離するので、リッド部材を、第2リッド支持部材に連結支持させたもとで第2ヒンジ部を支点として開閉させ得る。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記第1リッド支持部材は、前記第1ヒンジ部から前記第2ヒンジ部に向けて前記開口部に沿って延在するよう形成されて、該第1リッド支持部材の延在方向に離間する複数の前記第1連結部を備え、
前記第2リッド支持部材は、前記第2ヒンジ部から前記第1ヒンジ部に向けて前記開口部に沿って延在するよう形成されて、該第2リッド支持部材の延在方向に離間する複数の前記第2連結部を備えたことを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、第1ヒンジ部から第2ヒンジ部に向けて延在する第1リッド支持部材の延在方向に離間した複数の第1連結部と第1係合部とが夫々連結されるので、第1リッド支持部材に対してリッド部材を安定的に連結支持させ得る。また、第2ヒンジ部から第1ヒンジ部に向けて延在する第2リッド支持部材の延在方向に離間した複数の第2連結部と第2係合部とが夫々連結されるので、第2リッド支持部材に対してリッド部材を安定的に連結支持させ得る。更に、開閉するリッド部材を、第1リッド支持部材または第2リッド支持部材に対して複数の位置で支持させるので、リッド部材自体の剛性向上も図られる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記第1連結位置と前記第2連結位置との間の前記移動部材の中立位置において、前記第1連結部は前記第1係合部に連結すると共に、前記第2連結部は前記第2係合部に連結することを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、移動部材の中立位置において、第1連結部と第1係合部とが連結すると共に第2連結部と第2係合部とが連結しているので、リッド部材を閉成姿勢に保持させ得る。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記第1連結部は、前記第1リッド支持部材に前記第1ヒンジ部と反対側へ開口するよう設けた凹状部であり、前記第1係合部は、前記移動部材に前記第1ヒンジ部側へ突出するよう設けた凸状部であり、前記移動部材の前記第1連結位置において相互連結した第1連結部と第1係合部とは、第1リッド支持部材の回転方向での係合が維持されると共に移動部材のスライド方向での移動が許容され、
前記第2連結部は、前記第2リッド支持部材に前記第2ヒンジ部と反対側へ開口するよう設けた凹状部であり、前記第2係合部は、前記移動部材に前記第2ヒンジ部側へ突出するよう設けた凸状部であり、前記移動部材の前記第2連結位置において相互連結した第2連結部と第2係合部とは、第2リッド支持部材の回転方向での係合が維持されると共に移動部材のスライド方向での移動が許容されることを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、移動部材を第1連結位置に移動させてリッド部材を第1ヒンジ部を支点として開閉させる際には、第1連結部と第1係合部とが第1リッド支持部材の回転方向での係合が維持されるので、リッド部材が第1リッド支持部材から離間することがない。そして、本体部材に支持されている第2リッド支持部材には、リッド部材との連結に供される第2連結部が突出していないので、物品収納部に対する物品の出し入れを行ない易いと共に、該第2リッド支持部材に袖部分が引っ掛かることもない。一方、移動部材を第2連結位置に移動させてリッド部材を第2ヒンジ部を支点として開閉させる際には、第2連結部と第2係合部とが第2リッド支持部材の回転方向での係合が維持されるので、リッド部材が第2リッド支持部材から離間することがない。そして、本体部材に支持されている第1リッド支持部材には、リッド部材との連結に供される第1連結部が突出していないので、物品収納部に対する物品の出し入れを行ない易いと共に、該第2リッド支持部材に袖部分が引っ掛かることもない。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るリッド開閉機構によれば、リッド部材の両開き構造の簡素化および軽量化が図られ、リッド部材の円滑な開閉操作が実現されると共に、製造コストの低減等も図り得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例のリッド開閉機構を設けたフロアコンソールを、リッド部材が物品収納部を閉成した閉成姿勢となっている状態で示した一部破断側面図である。
【図2】フロアコンソールを構成する本体部材のアウター部材とインナー部材、そしてリッド部材を分解して示した斜視図である。
【図3】リッド部材を分解した状態で示した斜視図である。
【図4】リッド部材のロア部材および移動部材を示した斜視図である。
【図5】リッド開閉機構を構成する第1リッド支持部材および第2リッド支持部材を示した斜視図である。
【図6】インナー部材に設けた第1取付部および第2取付部に、第1リッド支持部材および第2リッド支持部材を取付ける状態を示した斜視図である。
【図7】(a)は、移動部材の中立位置において、第1係合凸部と第1係合口部および第2係合凸部と第2係合口部との係合状態を示した説明断面図であり、(b)は、移動部材が第1連結位置に移動して、第1係合凸部と第1係合口部との係合状態が維持されると共に、第2係合凸部と第2係合口部との係合状態が解除された状態を示した説明断面図であり、(c)は、リッド部材を第1開放姿勢に向けて開放開始した際に、ロック部材が第1係止棒部に係止した状態を示した説明断面図である。
【図8】(a)は、移動部材の中立位置において、第1係合凸部と第1係合口部および第2係合凸部と第2係合口部との係合状態を示した説明断面図であり、(b)は、移動部材が第2連結位置に移動して、第2係合凸部と第2係合口部との係合状態が維持されると共に、第1係合凸部と第1係合口部との係合状態が解除された状態を示した説明断面図であり、(c)は、リッド部材を第2開放姿勢に向けて開放開始した際に、ロック部材が第2係止棒部に係止した状態を示した説明断面図である。
【図9】(a)は、移動部材の中立位置における状態を示した概略図であり、(b)は、第1開放操作部を押して移動部材を第1連結位置にスライド移動させた状態を示した概略図であり、(c)は、第1リッド支持部材および該第1リッド支持部材に連結したリッド部材を、第1ヒンジ部を支点として後方へ回転させている状態を示した概略図である。
【図10】第1リッド支持部材および該第1リッド支持部材に連結したリッド部材を、第1開放姿勢に向けて開放させた状態を示した概略図である。
【図11】(a)は、移動部材の中立位置における状態を示した概略図であり、(b)は、第2開放操作部を押して移動部材を第2連結位置にスライド移動させた状態を示した概略図であり、(c)は、第2リッド支持部材および該第2リッド支持部材に連結したリッド部材を、第2ヒンジ部を支点として前方へ回転させている状態を示した概略図である。
【図12】第2リッド支持部材および該第2リッド支持部材に連結したリッド部材を、第2開放姿勢に向けて開放させた状態を示した概略図である。
【図13】本願のリッド開閉機構を、リッド部材を左右両方向へ開放する左右両開きタイプのフロアコンソールに実施し得ることを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係るリッド開閉機構につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、自動車の乗員室内のフロアに設置するフロアコンソールに、リッド開閉機構を実施した場合について説明する。なお実施例では、乗員室にフロアコンソールを設置した状態において、自動車の車体前後方向をフロアコンソールの前後方向、自動車の車体左右方向をフロアコンソールの左右方向、車体上下方向をフロアコンソールの上下方向として説明する。また、リッド部材が閉成位置に臨んでいる状態において、フロアコンソールの前後方向をリッド部材の前後方向、フロアコンソールの左右方向をリッド部材の左右方向として説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、実施例のリッド開閉機構Uを備えたフロアコンソールFCを、リッド部材Lが物品収納部11の上部開口部(開口部)12を閉成した閉成姿勢となっている状態で示した一部破断側面図である。実施例のフロアコンソールFCは、上方に開口する物品収納部11を内部に画成した本体部材Mと、該本体部材Mの上部に配設されて物品収納部11の上部開口部12を開閉するリッド部材Lとを備えている。実施例のフロアコンソールFCのリッド部材Lは、本体部材Mにおける上部開口部12後縁に隣接する一側部を支点として該本体部材Mの後方向へ開閉すると共に、本体部材Mにおける上部開口部12前縁に隣接する他側部を支点として該本体部材Mの前方向へ開放し、前後両方向へ開閉可能な前後両開きタイプとして構成されている。すなわちリッド部材Lは、閉成姿勢からフロアコンソールFCの後方向へ回転して前側が上方へ移動した略垂直状態の第1開放姿勢(図10)と、閉成姿勢からフロアコンソールFCの前方向へ回転して後側が上方へ移動した略垂直状態の第2開放姿勢(図12)との両開放姿勢に向けて開放し得るよう構成されている。
【0018】
本体部材Mは、図2に示すように、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂素材からインジェクション成形された合成樹脂製の成形部材であって、外部意匠面を形成するアウター部材13と、このアウター部材13の内側に収容されて前述した物品収納部11を画成するインナー部材14とを有する。アウター部材13は、フロアコンソールFCが設置される車種毎に個別の意匠が施され、図示省略した前側部分には、チェンジレバーやドリンクホルダ等が配設されるタイプもある。なお、インナー部材14に設けた係止爪部15を、アウター部材13に形成した係止孔部16に係止させたり(図2参照)、図示省略した締結ネジ等を利用することで、アウター部材13とインナー部材14とが相互に組付けられる。
【0019】
インナー部材14は、図2および図6に示すように、上方に開口して前後対称形状に形成された有底角筒体に構成されている。そして、インナー部材14の上部開口部12を囲繞する上端部分に、リッド開閉機構Uを構成する第1リッド支持部材60および第2リッド支持部材80が配設されるようになっている。具体的に、インナー部材14における後壁部14Aの上端縁には、後壁部14Aから後外方へ延出すると共に該後壁部14Aの左右全長に亘って延在する庇状の第1取付板部17が形成され、この第1取付板部17には第1リッド支持部材60が回転可能に取付けられる。第1取付板部17の後端部には、後壁部14Aの全幅の1/2程度の長さで第1ヒンジ部55を構成する第1軸支部55Aが、該第1取付板部17の左右中央において左右方向へ延在形成され、第1ヒンジ部55を構成する第1ヒンジシャフト55Cが該第1軸支部55Aに挿通支持されるよう構成されている。また、インナー部材14における後壁部14Aと対向する前壁部14Bの上端縁には、前壁部14Bから前外方へ延出すると共に該前壁部14Bの左右全長に亘って延在する庇状の第2取付板部18が形成され、この第2取付板部18には第2リッド支持部材80が回転可能に取付けられる。第2取付板部18の前端部には、前壁部14Bの全幅の1/2程度の長さで第2ヒンジ部56を構成する第2軸支部56Aが、該第2取付板部18の左右中央において左右方向へ延在形成され、第2ヒンジ部56を構成する第2ヒンジシャフト56Cが該第2軸支部56Aに挿通支持されるよう構成されている。
【0020】
更に、インナー部材14における左側壁部14Cの上端縁には、第1リッド支持部材60における一方の第1支持アーム部62および第2リッド支持部材80における一方の第2支持アーム部82を支持する第1支持板部19が、左側壁部14Cから左外方へ延出すると共に該左側壁部14Cに沿って前後方向に延在する庇状に形成されている。また、インナー部材14における右側壁部14Dの上端縁には、第1リッド支持部材60における他方の第1支持アーム部62および第2リッド支持部材80における他方の第2支持アーム部82を支持する第2支持板部20が、右側壁部14Dから左外方へ延出すると共に該右側壁部14Dに沿って前後方向に延在する庇状に形成されている。第1支持板部19および第2支持板部20における前後方向の中間部には、該支持板部19,20の上面から上方へ突出した当接凸部(係止解除部)21,21が突設されている。これら当接凸部21,21は、後述するように、リッド部材Lが閉成姿勢に臨んだ際に、該リッド部材Lに配設されたロック部材120,120が上方から当接するよう構成されている(図1,図7)。また、第1支持板部19および第2支持板部20における当接凸部21の後側には第1係止陥凹部(第1支持部)22,22が凹設され、第1リッド支持部材60の第1支持アーム部62,62に配設された後述の第1ロックレバー(第1連結支持部)67,67が係脱可能に係止するよう構成されている(図8(b))。更に、第1支持板部19および第2支持板部20における当接凸部21の前側には第2係止陥凹部(第2支持部)23,23が陥設され、第2リッド支持部材80の第2支持アーム部82,82に配設された後述の第2ロックレバー(第2連結支持部)87,87が係脱可能に係止するよう構成されている(図7(b))。
【0021】
また、第1取付板部17の左右両端、すなわち第1支持板部19および第2支持板部20の後端には、第1リッド支持部材60の後述する第1ロックアーム部63,63に整合する第1扇形状部24,24が形成されている。そして、第1支持板部19の後端部および第2支持板部20の後端部は、各第1扇形状部24,24の円弧壁部24Aから後方へ突出し、リッド部材Lが第1開放位置まで開放した際に第1リッド支持部材60のリッド開放方向への回転規制を図る第1回転規制部25,25となっている。一方、第2取付板部18の左右両端、すなわち第1支持板部19および第2支持板部20の前端には、第2リッド支持部材80の後述する第2ロックアーム部83,83に整合する第2扇形状部26,26が形成されている。そして、第1支持板部19の前端部および第2支持板部20の前端部は、各第2扇形状部26,26の円弧壁部26Aから前方へ突出し、リッド部材Lが第2開放位置まで開放した際に第2リッド支持部材80のリッド開放方向への回転規制を図る第2回転規制部27,27となっている。なお、図6における符号28は、第1リッド支持部材60の第1支持アーム部62および第2リッド支持部材80の第2支持アーム部82に弾力的に当接するクッションゴムである。
【0022】
リッド部材Lは、図1および図3に示すように、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂素材からインジェクション成形され、中央部分に膨出部32を設けた矩形ハット形状のロア部材30と、同じくポリプロピレン(PP)等の合成樹脂素材からインジェクション成形されて、ロア部材30に対して上方から組付けられる逆バケット形状のアッパー部材31とを有する。これらロア部材30とアッパー部材31は、図1および図3に示すように、ロア部材30の膨出部32上面に設けた複数個(実施例では8個)の第1係止部33と、アッパー部材31の裏側に設けられて各第1係止部33に対応する第2係止部34とを係止させることで、相互に分離不能に組付けられる。そして、ロア部材30とアッパー部材31とを組付けて構成されたリッド部材Lは、膨出部32の周囲に内部空間35が画成されている。この内部空間35には、図1および図3に示すように、リッド開閉機構Uを構成する後述の移動部材100が、リッド部材Lの前後方向へ移動可能に収容されるようになっている。
【0023】
アッパー部材31の前側傾斜部分に形成された凹部には、略矩形枠体状の第1ベゼル36が取付けられ、移動部材100の前部前側に設けた第1開放操作部101が、第1ベゼル36内に移動可能に収容されている。また、アッパー部材31の後側傾斜部分に形成された凹部には、略矩形枠体状の第2ベゼル37が取付けられ、移動部材100の後部後側に設けた第2開放操作部105が、第2ベゼル37内に移動可能に収容されている。第1ベゼル36および第2ベゼル37は同一形状に形成され、両ベゼル36,37の取付板部38には、図3に示すように、左右方向へ所要間隔をおいて2個の挿通口39,39が形成されている。第1ベゼル36の挿通口39,39には、図1に示すように、第1開放操作部101と移動部材100とを連結する連結片102,102の上縁に突設した突片103,103が、対応的に整合して上外方へ突出するようになっている。第2ベゼル37の挿通口39,39には、第2開放操作部105と移動部材100とを連結する連結片106,106の上縁に突設した突片107,107が、対応的に整合して上外方へ突出するようになっている。また、第1ベゼル36および第2ベゼル37の取付板部38には、両挿通口39,39の間に、スプリングシャフト41を挿通支持する支持片40,40が突設されている。すなわち、後述するように、両挿通口39,39から突出した両突片103,103/107,107および両支持片40,40にスプリングシャフト41を挿通させることで、移動部材100を中立位置に保持するようになっている。なお、実施例のリッド部材Lは、アッパー部材31の外面に合成樹脂やファブリック等を材質とする表皮材43が被着されて構成されているが、該表皮材43は省略される場合もある。
【0024】
ロア部材30における膨出部32の後側部分には、図3および図4に示すように、該ロア部材30の左右方向へ延在する第1開口部45が形成され、膨出部32の前側部分には、該ロア部材30の左右方向へ延在する第2開口部46が形成されている。第1開口部45には、図4に示すように、移動部材100の後部底面に形成された後述の第1係合片部(第1係合部)110が整合するようになっており、この第1係合片部110は、第1開口部45を介してリッド部材Lの底部外方へ延出するよう構成されている(図1)。また第2開口部46には、図4に示すように、移動部材100の前部底面に形成された後述の第2係合片部(第2係合部)111が整合するようになっており、この第2係合片部111は、第2開口部46を介してリッド部材Lの底部外方へ延出するよう構成されている(図1)。なお、第1開口部45および第2開口部46の開口縁には、第1係合片部110および第2係合片部111を被覆する庇状のカバー部47が形成されている(図1)。
【0025】
更に、ロア部材30における膨出部32の左側部分および右側部分の前後中間部分には、図3および図4に示すように、第3開口部48および第4開口部49が夫々形成されている。第3開口部48には、図4に示すように、移動部材100の左側部分に形成された後述の左側支持体112が整合し、該左側支持体112は、第3開口部48を介してリッド部材Lの底部外方へ延出するよう構成されている(図1)。第4開口部49には、図4に示すように、移動部材100の右側部分に形成された後述の右側支持体113が整合し、該右側支持体113は、第4開口部49を介してリッド部材Lの底部外方へ延出するよう構成されている。
【0026】
第3開口部48および第4開口部49の左右端縁部には、図4に示すように、略矩形板状の縦壁部50,50が、ロア部材30の外方へ平行に対向した状態に立設されている。両縦壁部50,50の先端縁間には、ロア部材30の左右方向へ延在する第1係止棒部(第1ロック部)51および第2係止棒部(第2ロック部)52が、ロア部材30の前後方向に所要の間隔をおいて架設されている。これら第1係止棒部51および第2係止棒部52には、後述するように、左側支持体112および右側支持体113に夫々配設されたロック部材120,120が、係脱可能に係止されるようになっている。第1係止棒部51および第2係止棒部52の前後方向への配設間隔は、前述した当接凸部21の挿通が許容される寸法に設定されている。なお、ロア部材30の下面における四隅部分には、図3に示すように、截頭円錐形状に形成された位置決めゴム53が、倒立した姿勢で取着固定される。
【0027】
次に、本体部材Mに取付けたリッド部材Lを、フロアコンソールFCの後方向および前方向の両方向へ開放させるリッド開閉機構Uについて説明する。実施例のリッド開閉機構Uは、図1〜図6に示すと共に前述したように、本体部材Mのインナー部材14に回転可能に支持された第1リッド支持部材60および第2リッド支持部材80を備えている。そして、実施例のリッド開閉機構Uは、リッド部材Lの前側傾斜部分に臨む第1開放操作部101を操作して、移動部材100を後述する第1連結位置に移動させると、第2リッド支持部材80とリッド部材Lとを分離可能として、第1リッド支持部材60に連結されたリッド部材Lを、フロアコンソールFCの後方向へ回転させて第1開放姿勢に向けて開放させ得る。また、実施例のリッド開閉機構Uは、リッド部材Lの後側傾斜部分に臨む第2開放操作部105を操作して、移動部材100を後述する第2連結位置に移動させると、第1リッド支持部材60とリッド部材Lとを分離可能として、第2リッド支持部材80に連結されたリッド部材Lを、フロアコンソールFCの前方向へ回転させて第2開放姿勢に向けて開放させ得るよう構成されている。
【0028】
第1リッド支持部材60は、図5および図6に示すように、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂素材からインジェクション成形された成形部材であり、リブや壁部等を適宜位置に設けたことで、容易に変形しないように剛性の向上が図られている。具体的に第1リッド支持部材60は、第1ヒンジ部55に沿ってインナー部材14の左右方向へ延在して該第1ヒンジ部55に接続される第1ヒンジ端部61と、この第1ヒンジ端部61の左右両端に連設されて第1ヒンジ部55から第2ヒンジ部56に向けて物品収納部11の開口部に沿って延在する第1支持アーム部62,62とを備えている。また第1リッド支持部材60は、第1ヒンジ端部61の左右両端に、第1ヒンジ部55による該第1リッド支持部材60の回転支点から半径方向外側へ延出する第1ロックアーム部63,63を備えている。これら第1支持アーム部62と第1ロックアーム部63とは、図1に示すように、第1リッド支持部材60の回転方向において約90度の角度差をもって形成されている。
【0029】
第1ヒンジ端部61には、図5および図6に示すように、第1ヒンジ部55を構成して前述した第1ヒンジシャフト55Cが挿通する第1軸挿通部55B,55Bが、該第1ヒンジ端部61の左端部および右端部から所要長に亘って同一軸線上に形成されている。各第1軸挿通部55B,55Bは、インナー部材14の第1取付板部17に設けた前述の第1軸支部55Aに整合し、これら第1軸挿通部55B,55Bおよび第1軸支部55Aに亘って第1ヒンジシャフト55Cを順次挿通させることで、第1リッド支持部材60の後端縁が第1取付板部17の後端縁に枢支される。また、第1ヒンジ端部61の物品収納部11側に臨む前端側には、図1、図5および図6に示すように、左右方向へ延在する第1係合凹部(第1連結部)64が形成されている。この第1係合凹部64は、図1および図9(b)に示すように、第1ヒンジ部55と反対側を指向して移動部材100のスライド方向に沿って延在し、第1ヒンジ部55と反対側に開口するように設けた凹状部であり、後述するように、移動部材100の後端部に形成した第1係合片部110が、該移動部材100のスライド移動に伴って前後方向において係脱可能に係合されるようになっている。更に、第1ヒンジ端部61の上面における左右両端近傍には円形状の陥凹部65,65が形成されており、リッド部材Lのロア部材30に設けた前述の位置決めゴム53が、該陥凹部65に対して上方から係脱するよう構成されている。
【0030】
左右の第1支持アーム部62,62は、対応する第1支持板部19および第2支持板部20の上面に倒伏した状態において、該第1支持板部19および第2支持板部20に設けた当接凸部21に臨む位置まで延在する長さの角棒状に形成されている。また、両第1支持アーム部62,62の先端部には、図1および図5に示すように、先端に開口した第1係合口部(第1連結部)66,66が夫々形成されている。これら第1係合口部66,66は、図1および図9(b)に示すように、第1ヒンジ部55と反対側を指向して移動部材100のスライド方向に沿って延在し、第1ヒンジ部55と反対側に開口するように設けた凹状部であり、後述するように、移動部材100に設けた左側支持体112および右側支持体113に後方へ延出するよう形成された第1係合凸部(第1係合部)114,114が、該移動部材100のスライド移動に伴って前後方向において係脱可能に係合されるようになっている(図7)。
【0031】
また、左右の第1支持アーム部62,62に設けた各第1係合口部66には、該第1支持アーム部62,62を第1支持板部19および第2支持板部20に係止保持させる第1ロックレバー67,67が揺動可能に配設されている。各第1ロックレバー67は、L型に形成されており、第1支持アーム部62に設けた支持孔68に挿通支持される支持軸67Cが形成された揺動部67Aと、該揺動部67Aの端部から直角に延出して前述した第1係止陥凹部22に係脱可能に係止される係止部67Bとから構成されている。また支持軸67Cには第1捻りバネ69が配設され、第1ロックレバー67は、揺動部67Aが第1係合口部66の開口部に臨む起立姿勢となるように弾力付勢されている。従って第1ロックレバー67は、第1リッド支持部材60の第1支持アーム部62が第1支持板部19および第2支持板部20に倒伏した状態において第1係合口部66の開口部に起立すると、第1係止陥凹部22に対して係止部67Bが前方側から係止されるようになっている。また、揺動部67Aに対して第1係合凸部114が当接した際には、該揺動部67Aは第1係合口部66の奥側へ倒伏するように揺動して、該第1係合凸部114が第1係合口部66内へ突入して係合されることを許容すると共に、第1係止陥凹部22に対する係止部67Bの係止が解除されるよう構成されている。すなわち、第1リッド支持部材60に備えた各第1ロックレバー67は、第1係合口部66と第1係合凸部114との連結が解除された際にインナー部材14に設けた第1係止陥凹部22と係止し、第1リッド支持部材60を倒伏した状態で本体部材Mに保持させる部材である。
【0032】
第1リッド支持部材60の回転支点から半径方向外側へ延出した左右の第1ロックアーム部63,63は、その先端が前述した第1扇形状部24の円弧壁部24Aに近接する長さに設定されている。そして、第1ロックアーム部63,63の先端部分は、本体部材Mのインナー部材14において第1リッド支持部材60の回転に伴う第1ロックアーム部63,63の回転軌跡上に設けた前述の第1回転規制部25,25に当接する当接部70,70となっている。これら第1回転規制部25,25は、第1リッド支持部材60が第1ヒンジ部55を支点としてリッド開放方向へ回転し、第1ロックアーム部63,63が当接した際に、第1リッド支持部材60のリッド開放方向への回転を規制するよう機能する。また、各第1ロックアーム部63と各第1支持アーム部62とで挟まれた部分には、第1扇形状部24より一回り小さい扇板状部71,71が一体的に形成されている。従って第1リッド支持部材60は、第1ロックアーム部63および第1支持アーム部62の撓曲的な変形が規制されると共に、第1ロックアーム部63と第1支持アーム部62との間の角度が変化することも規制された構造を呈している。
【0033】
従って第1リッド支持部材60は、図1および図9(a)に示した第1姿勢および図10に示した第2姿勢との間を、第1ヒンジ部55の第1ヒンジシャフト55Cを支点として回転する。第1リッド支持部材60の第1姿勢は、両第1支持アーム部62,62が第1支持板部19および第2支持板部20の上面に対して前方へ延出するよう倒伏すると共に、両第1ロックアーム部63,63が略垂直下方を指向した状態である。また、第1リッド支持部材60の第2姿勢は、両第1ロックアーム部63,63が略水平前方を指向して第1回転規制部25,25に当接部70,70が夫々当接すると共に、両第1支持アーム部62,62がインナー部材14から垂直近くまで起立した状態である。すなわち第1リッド支持部材60は、第1姿勢から後方側へ回転することで第2姿勢に姿勢変位し、この第2姿勢がリッド部材Lを第1開放姿勢に保持させる状態である。また第1リッド支持部材60は、第1姿勢において、リッド部材Lが載置される上面が平坦状を呈しており、本体部材Mの上部から突出することなく物品収納部11を囲繞するようになる。
【0034】
第2リッド支持部材80は、図5および図6に示すように、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂素材からインジェクション成形された成形部材であり、基本的には第1リッド支持部材60と同一形状に形成され、リブや壁部等を適宜位置に設けたことで、容易に変形しないように剛性の向上が図られている。具体的に第2リッド支持部材80は、第2ヒンジ部56に沿ってインナー部材14の左右方向へ延在して該第2ヒンジ部56に接続される第2ヒンジ端部81と、この第2ヒンジ端部81の左右両端に連設されて第2ヒンジ部56から第1ヒンジ部55に向けて物品収納部11の開口部に沿って延在する第2支持アーム部82,82とを備えている。また第2リッド支持部材80は、第2ヒンジ端部81の左右両端に、第2ヒンジ部56による該第2リッド支持部材80の回転支点から半径方向外側へ延出する第2ロックアーム部83,83を備えている。これら第2支持アーム部82と第2ロックアーム部83とは、図1に示すように、第2リッド支持部材80の回転方向において約90度の角度差をもって形成されている。
【0035】
第2ヒンジ端部81には、図5および図6に示すように、第2ヒンジ部56を構成して前述した第2ヒンジシャフト56Cが挿通する第2軸挿通部56B,56Bが、該第2ヒンジ端部81の左端部および右端部から所要長に亘って同一軸線上に形成されている(図5では、一方の軸支部56Bは見えない)。各第1軸挿通部56B,56Bは、インナー部材14の第2取付板部18に設けた前述の第2軸支部56Aに整合し、これら第2軸挿通部56B,56Bおよび第2軸支部56Aに第2ヒンジシャフト56Cを順次挿通させることで、第2リッド支持部材80の前端縁が第2取付板部18の前端縁に枢支される。また、第2ヒンジ端部81の物品収納部11側に臨む後端側には、図1、図5および図6に示すように、左右方向へ延在する第2係合凹部(第2連結部)84が形成されている。この第2係合凹部84は、図1および図11(b)に示すように、第2ヒンジ部56と反対側を指向して移動部材100のスライド方向に沿って延在し、第2ヒンジ部56と反対側に開口するように設けた凹状部であり、後述するように、移動部材100の前端部に形成した第2係合片部111が、該移動部材100のスライド移動に伴って前後方向において係脱可能に係合されるようになっている。更に、第1ヒンジ端部61の上面における左右両端近傍には円形状の陥凹部85,85が形成されており、リッド部材Lのロア部材30に設けた前述の位置決めゴム53が、該陥凹部85に対して上方から係脱するよう構成されている。
【0036】
左右の第2支持アーム部82,82は、対応する第1支持板部19および第2支持板部20の上面に倒伏した状態において、該第1支持板部19および第2支持板部20に設けた当接凸部21に臨む位置まで延在する長さの角棒状に形成されている。また、両第2支持アーム部82,82の先端部には、図1および図5に示すように、先端に開口した第2係合口部(第2連結部)86,86が夫々形成されている。これら第2係合口部86,86は、図1および図9(b)に示すように、第2ヒンジ部56と反対側を指向して移動部材100のスライド方向に沿って延在し、第2ヒンジ部56と反対側に開口するように設けた凹状部であり、後述するように、移動部材100に設けた左側支持体112および右側支持体113の前方に延出するよう形成された第2係合凸部(第2係合部)115,115が、該移動部材100のスライド移動に伴って前後方向において係脱可能に係合されるようになっている(図8)。
【0037】
また、左右の第2支持アーム部82,82に設けた各第2係合口部86には、該第2支持アーム部82,82を第1支持板部19および第2支持板部20に係止保持させる第2ロックレバー87,87が揺動可能に配設されている。各第2ロックレバー87は、L型に形成されており、第2支持アーム部82に設けた支持孔88に挿通支持される支持軸87Cが形成された揺動部87Aと、該揺動部87Aの端部から直角に延出して前述した第2係止陥凹部23に係脱可能に係止される係止部87Bとから構成されている。また支持軸87Cには第2捻りバネ89が配設され、第2ロックレバー87は、揺動部87Aが第2係合口部86の開口部に臨む起立姿勢となるように弾力付勢されている。従って第2ロックレバー87は、第2リッド支持部材80の第2支持アーム部82が第1支持板部19および第2支持板部20に倒伏した状態において、第2係合口部86の開口部に起立すると、第2係止陥凹部23に対して係止部87Bが後方側から係止されるようになっている。また、揺動部87Aに対して第2係合凸部115が当接した際には、該揺動部87Aは第2係合口部86の奥側へ倒伏するように揺動して、該第2係合凸部115が第2係合口部86内へ突入して係合されることを許容すると共に、第2係止陥凹部23に対する係止部87Bの係止が解除されるよう構成されている。すなわち、第2リッド支持部材80に備えた各第2ロックレバー87は、第2係合口部86と第2係合凸部115との連結が解除された際にインナー部材14に設けた第2係止陥凹部23と係止し、第2リッド支持部材80を倒伏した状態で本体部材Mに保持させる部材である。
【0038】
第2リッド支持部材80の回転支点から半径方向外側へ延出した左右の第2ロックアーム部83,83は、その先端が前述した第2扇形状部26の円弧壁部26Aに近接する長さに設定されている。そして、第2ロックアーム部83,83の先端部分は、本体部材Mのインナー部材14において該第2リッド支持部材80の回転に伴う第2ロックアーム部83,83の回転軌跡上に設けた前述の第2回転規制部27,27に当接する当接部90,90となっている。これら第2回転規制部27,27は、第2リッド支持部材80が第2ヒンジ部56を支点としてリッド開放方向へ回転し、第2ロックアーム部83,83が当接した際に、第2リッド支持部材80のリッド開放方向への回転を規制するよう機能する。また、各第2ロックアーム部83と各第2支持アーム部82とで挟まれた部分には、第2扇形状部26より一回り小さい扇板状部91,91が一体的に形成されている。従って第2リッド支持部材80は、第2ロックアーム部83および第2支持アーム部82の撓曲的な変形が規制されると共に、第2ロックアーム部83と第2支持アーム部82との間の角度が変化することも規制された構造を呈している。
【0039】
従って第2リッド支持部材80は、図1および図11(a)に示した第1姿勢および図12に示した第2姿勢との間を、第2ヒンジ部56の第2ヒンジシャフト56Cを支点として回転する。第2リッド支持部材80の第1姿勢は、両第2支持アーム部82,82が第1支持板部19および第2支持板部20の上面に対して後方へ延出するよう倒伏すると共に、両第2ロックアーム部83,83が略垂直下方を指向した状態である。また、第2リッド支持部材80の第2姿勢は、両第2ロックアーム部83,83が略水平前方を指向して第2回転規制部27,27に当接部90,90が夫々当接すると共に、両第2支持アーム部82,82がインナー部材14から垂直近くまで起立した状態である。すなわち第2リッド支持部材80は、第1姿勢から前方側へ回転することで第2姿勢に姿勢変位し、この第2姿勢がリッド部材Lを第2開放姿勢に保持させる状態である。また第2リッド支持部材80は、第1姿勢において、リッド部材Lが載置される上面が平坦状を呈しており、本体部材Mの上部から突出することなく物品収納部11を囲繞するようになる。
【0040】
移動部材100は、図3および図4に示すように、ロア部材30の膨出部32を囲繞する矩形枠体状に形成され、リッド部材Lの内部空間35において該リッド部材Lの前後方向へスライド可能に配設されている。そして、移動部材100の前側前面には、連結片102,102を介して第1開放操作部101が形成され、各連結片102,102の上端縁には突片103が突設されている。また、移動部材100の後側後面には、連結片106,106を介して第2開放操作部105が形成され、各連結片106,106の上端縁には突片107が突設されている。このような移動部材100は、前述すると共に図3に示すように、第1開放操作部101に外装した第1ベゼル36および第2開放操作部105に外装した第2ベゼル37をアッパー部材31の裏側に取着固定することで、該アッパー部材31に対してリッド部材Lの前後方向へのスライド移動が可能に取付けられる。
【0041】
移動部材100は、図3に示すように、第1ベゼル36の支持片40,40と突片103,103とに挿通されたスプリングシャフト41と、第2ベゼル37の支持片40,40と突片107,107とに挿通されたスプリングシャフト41とにより、リッド部材Lの前後中間位置となる中立位置に保持される(図1,図9(a),図11(a))。そして、第1開放操作部101を後方へ押した際には、移動部材100がリッド部材Lの後方側へスライド移動することに伴い、第1ベゼル36および第2ベゼル37に配設した各スプリングシャフト41が、中間部分が前方側へ湾曲した状態に弾性変形する。そして、第1開放操作部101に対する操作を解除すると、両スプリングシャフト41,41の復帰弾力により、移動部材100は元の中立位置にスライド移動して停止保持される。一方、第2開放操作部105を前方へ押した際には、移動部材100がリッド部材Lの前方側へスライド移動することに伴い、第1ベゼル36および第2ベゼル37に配設した各スプリングシャフト41が、中間部分が後方側へ湾曲した状態に弾性変形する。そして、第2開放操作部105に対する操作を解除すると、両スプリングシャフト41,41の復帰弾力により、移動部材100は元の中立位置にスライド移動して停止保持される。なお、移動部材100がリッド部材Lの後方側(第1ヒンジ部55側)へスライド移動した位置を第1連結位置とし(図9(b))、該移動部材100がリッド部材Lの前方側(第2ヒンジ部56側)へスライド移動した位置を第2連結位置とする(図11(b))。従って移動部材100は、第1ヒンジ部55側の第1連結位置と第2ヒンジ部56側の第2連結位置との間で往復移動可能であり、第1開放操作部101または第2開放操作部105に対する非操作時には、両スプリングシャフト41,41により第1連結位置と第2連結位置との中間の中立位置に停止して保持される。
【0042】
移動部材100の後部底面に形成された第1係合部としての第1係合片部110は、図1および図4に示すように、移動部材100に第1リッド支持部材60側へ突設した突片部の下端から、該移動部材100のスライド方向に沿って第1ヒンジ部55側へ突出した凸状部であり、移動部材100の左右方向へ所要長に延在している。従って、第1開放操作部101を押して移動部材100を第1連結位置の方向へスライド移動させると、第1ヒンジ部55と反対側に開口した第1リッド支持部材60の第1係合凹部64に対し、第1係合片部110が前方側から突入するよう構成されている。すなわち、第1係合凹部64と第1係合片部110とは、図9(b)に示すように、移動部材100の第1連結位置において、第1リッド支持部材60の回転方向(移動部材100のスライド方向と交差する方向)での係合が維持されると共に、該移動部材100のスライド方向での移動は許容される。また、第1係合凹部64と第1係合片部110とは、図11(b)に示すように、第2開放操作部105を押して移動部材100を第2連結位置までスライド移動させると、第1係合片部110が第1係合凹部64から抜け出るように寸法設定されている。すなわち、第1係合凹部64と第1係合片部110とは、移動部材100の第2連結位置において、第1リッド支持部材60の回転方向での係合が解除される。更に、第1係合凹部64と第1係合片部110とは、図1および図9(a)に示すように、移動部材100の中立位置において(第1開放操作部101および第2開放操作部105を操作しない場合)、該第1係合片部110の先端部分だけが第1係合凹部64に突入するように寸法設定されている。すなわち、第1係合凹部64と第1係合片部110とは、移動部材100の中立位置において、第1リッド支持部材60の回転方向での係合が維持される。
【0043】
移動部材100の前部底面に形成された第2係合部としての第2係合片部111は、図1および図4に示すように、移動部材100に第2リッド支持部材80側へ突設した突片部の下端から、該移動部材100のスライド方向に沿って第2ヒンジ部56側へ突出した凸状部であり、移動部材100の左右方向へ所要長に延在している。従って、第2開放操作部105を押して移動部材100を第2連結位置の方向へスライド移動させると、第2ヒンジ部56と反対側に開口した第2リッド支持部材80の第2係合凹部84に対し、第2係合片部111が後方側から突入するよう構成されている。すなわち、第2係合凹部84と第2係合片部111とは、図11(b)に示すように、移動部材100の第2連結位置において、第2リッド支持部材80の回転方向(移動部材100のスライド方向と交差する方向)での係合が維持されると共に、該移動部材100のスライド方向での移動は許容される。また、第2係合凹部84と第2係合片部111とは、図9(b)に示すように、第1開放操作部101を押して移動部材100を第1連結位置までスライド移動させると、第2係合片部111が第2係合凹部84から抜け出るように寸法設定されている。すなわち、第2係合凹部84と第2係合片部111とは、移動部材100の第1連結位置において、第2リッド支持部材80の回転方向での係合が解除される。更に、第2係合凹部84と第2係合片部111とは、図1および図11(a)に示すように、移動部材100の中立位置において(第1開放操作部101および第2開放操作部105を操作しない場合)、該第2係合片部111の先端部分だけが第2係止凹部84に突入するように寸法設定されている。すなわち、第2係合片部111と第2係合凹部84とは、移動部材100の中立位置において、第2リッド支持部材80の回転方向での係合が維持される。
【0044】
移動部材100の左側底面および右側底面に夫々形成された第1係合部としての第1係合凸部114,114は、図1および図4に示すと共に前述したように、移動部材100に第1リッド支持部材60側へ突設した左側支持体112および右側支持体113の下端から、移動部材100のスライド方向に沿って第1ヒンジ部55側へ突出するように設けた凸状部である。これら第1係合凸部114,114は、第1リッド支持部材60が配設された本体部材Mにリッド部材Lを上方からセットすると、該第1リッド支持部材60の各第1支持アーム部62,62の先端に設けた第1係合口部66,66に臨むようになる。従って、第1開放操作部101を押して移動部材100を第1連結位置の方向へスライド移動させると、第1ヒンジ部55と反対側に開口した第1リッド支持部材60の第1係合口部66,66に対し、第1係合凸部114,114が前方側から突入するよう構成されている(図7(b))。すなわち、第1係合口部66と第1係合凸部114とは、図9(b)に示すように、移動部材100の第1連結位置において、第1リッド支持部材60の回転方向での係合が維持されると共に、該移動部材100のスライド方向での移動は許容される。また、第1係合口部66と第1係合凸部114とは、図8(b)および図11(b)に示すように、第2開放操作部105を押して移動部材100を第2連結位置までスライド移動させると、第1係合凸部114が第1係合口部66から抜け出るように寸法設定されている。すなわち、第1係合口部66と第1係合凸部114とは、移動部材100の第2連結位置において、第1リッド支持部材60の回転方向での係合が解除される。更に、第1係合口部66と第1係合凸部114とは、図1、図7(a)および図9(a)に示すように、移動部材100の中立位置において(第1開放操作部101および第2開放操作部105を操作しない場合)、該第1係合凸部114の先端部分だけが第1係合口部66に突入するように寸法設定されている。すなわち、第1係合凸部114と第1係合口部66とは、移動部材100の中立位置において、第1リッド支持部材60の回転方向での係合が維持される。
【0045】
移動部材100の左側底面および右側底面に夫々形成された第2係合部としての第2係合凸部115,115は、図1および図4に示すと共に前述したように、移動部材100に第2リッド支持部材80側へ突設した左側支持体112および右側支持体113の下端から、移動部材100のスライド方向に沿って第2ヒンジ部56側へ突出するように設けた凸状部である。これら第2係合凸部115,115は、第2リッド支持部材80が配設された本体部材Mにリッド部材Lを上方からセットすると、該第2リッド支持部材80の各第2支持アーム部82,82の先端に設けた第2係合口部86,86に臨むようになる。従って、第2開放操作部105を押して移動部材100を第2連結位置の方向へスライド移動させると、第2ヒンジ部56と反対側に開口した第2リッド支持部材80の第2係合口部86,86に対し、第2係合凸部115,115が後方側から突入するよう構成されている(図8(b))。すなわち、第2係合口部86と第2係合凸部115とは、図11(b)に示すように、移動部材100の第2連結位置において、第2リッド支持部材80の回転方向での係合が維持されると共に、該移動部材100のスライド方向での移動は許容される。また、第2係合口部86と第2係合凸部115とは、図8(b)および図9(b)に示すように、第1開放操作部101を押して移動部材100を第1連結位置までスライド移動させると、第2係合凸部115が第2係合口部86から抜け出るように寸法設定されている。すなわち、第2係合口部86と第2係合凸部115とは、移動部材100の第1連結位置において、第2リッド支持部材80の回転方向での係合が解除される。更に、第2係合口部86と第2係合凸部115とは、図1、図8(a)および図11(a)に示すように、移動部材100の中立位置において(第1開放操作部101および第2開放操作部105を操作しない場合)、該第2係合凸部115の先端部分だけが第2係合口部86に突入するように寸法設定されている。すなわち、第2係合口部86と第2係合凸部115とは、移動部材100の中立位置において、第2リッド支持部材80の回転方向での係合が維持される。
【0046】
更に、実施例のリッド開閉機構Uは、第1連結位置(図9(b))または第2連結位置(図11(b))の夫々の位置に移動部材100を停止保持するためのロック機構を備えている。このロック機構は、リッド部材Lが閉成姿勢において、移動部材100から本体部材Mの方向に付勢された状態で該移動部材100に配設された前述のロック部材120と、リッド部材Lのロア部材30に設けた前述の第1係止棒部51および第2係止棒部52とから構成されている。なおロック機構は、図4に示すように、移動部材100の左右両側に夫々1組ずつ配設されるが、左右同一構成であるからここでは左側に配設されたロック機構についてのみ説明し、右側に配設されたロック機構については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0047】
ロック部材120は、図1および図7に示すように、矩形ブロック体状の小型部品であり、第1係止棒部51または第2係止棒部52に係止する係止凹部121が底面に形成されている。そしてロック部材120は、移動部材100の底面に挿通支持されて左側支持体112と平行の垂下状態に配設されたスライドピン122の先端に取着され、該左側支持体112に接触した状態に配設されている。従ってロック部材120は、スライドピン122が軸方向へ移動することで左側支持体112に沿って摺動し、移動部材100に対して近接・離間移動するようになっている。なおスライドピン122には、ロック部材120と移動部材100とに当接する圧縮コイルバネ123が配設されており、ロック部材120は移動部材100の底面から離間する方向に弾力付勢されている。
【0048】
そしてロック部材120は、図7(a)および図8(a)に示すように、リッド部材Lが閉成姿勢にある場合には、第1係止棒部51および第2係止棒部52の間に位置し、これら第1係止棒部51および第2係止棒部52の間に臨む当接凸部21に当接するように設定されている。従って、当接凸部21に当接したロック部材120は、圧縮コイルバネ123の付勢力に抗して移動部材100の方向へ押されて移動し、第1係止棒部51および第2係止棒部52よりも移動部材100の側に位置するようになっている。これにより、リッド部材Lが閉成姿勢にある場合に第1開放操作部101を押した際には、図7(b)に示すように、ロック部材120が当接凸部21に当接した状態で第1係止棒部51の方向へ移動し、移動部材100が第1連結位置まで移動した際には、該ロック部材120の係止凹部121と第1係止棒部51とがスライドピン122の軸方向において一致するようになっている。また、リッド部材Lが閉成姿勢にある場合に第2開放操作部105を押した際には、図8(b)に示すように、ロック部材120が当接凸部21に当接した状態で第2係止棒部52の方向へ移動し、移動部材100が第2連結位置まで移動した際には、該ロック部材120の係止凹部121と第2係止棒部52とがスライドピン122の軸方向において一致するよう構成されている。
【0049】
第1係止棒部51は、図1に示すように、移動部材100の中立位置において、ロック部材120より第1ヒンジ部55側に設けられている。そして第1係止棒部51は、前述したように、移動部材100が第1連結位置に移動した際に、移動部材100のスライド方向と直交する方向においてロック部材120の係止凹部121と直列に整合する位置に設けられている。従って、第1開放操作部101を押して移動部材100を第1連結位置に停止させた状態でリッド部材Lの前側を上方へ移動させると、図7(c)に示すように、当接凸部21が第1係止棒部51および第2係止棒部52の間から退避するため、ロック部材120に対する当接凸部21の当接が解除される。そして、ロック部材120に対する当接凸部21の当接が解除されると、ロック部材120は圧縮コイルバネ123の付勢力により移動部材100から離間する方向(第1係止棒部51の方向)へ移動し、係止凹部121が該第1係止棒部51に係止されるようになっている。これにより、ロア部材30に形成された第1係止棒部51にロック部材120が係止された状態となるので、リッド部材Lを第1ヒンジ部55を支点として開閉させる途中で第1開放操作部101に対する操作を解除しても、移動部材100は第1連結位置に保持され、第1係合凹部64と第1係合片部110との連結状態および各第1係合口部66と各第1係合凸部114との夫々の連結状態が維持されるよう構成されている。
【0050】
第2係止棒部52は、図1に示すように、移動部材100の中立位置において、ロック部材120より第2ヒンジ部56側に設けられている。そして第2係止棒部52は、前述したように、移動部材100が第2連結位置に移動した際に、移動部材100のスライド方向と直交する方向においてロック部材120の係止凹部121と直列に整合する位置に設けられている。従って、第2開放操作部105を押して移動部材100を第2連結位置に停止させた状態でリッド部材Lの後側を上方へ移動させると、図8(c)に示すように、当接凸部21が第1係止棒部51および第2係止棒部52の間から退避するため、ロック部材120に対する当接凸部21の当接が解除される。そして、ロック部材120に対する当接凸部21の当接が解除されると、ロック部材120は圧縮コイルバネ123の付勢力により移動部材100から離間する方向(第2係止棒部52の方向)へ移動し、係止凹部121が該第2係止棒部52に係止されるようになっている。これにより、ロア部材30に形成された第2係止棒部52にロック部材120が係止された状態となるので、リッド部材Lを第2ヒンジ部56を支点として開閉させる途中で第2開放操作部105に対する操作を解除しても、移動部材100は第2連結位置に保持され、第2係合凹部84と第2係合片部111との連結状態および各第2係合口部86と各第2係合凸部115との夫々の連結状態が維持されるよう構成されている。
【0051】
前述のように構成された実施例のリッド開閉機構Uを備えたフロアコンソールFCは、図9(a)および図11(a)に示すように、リッド部材Lが閉成姿勢となっていて開放操作を行なわない場合には、移動部材100が中立位置に保持される。従って、移動部材100と第1リッド支持部材60とが連結されていると共に、移動部材100と第2リッド支持部材80とが連結されている。更に、リッド部材Lのロア部材30に取着した4個の位置決めゴム53が、第1リッド支持部材60に設けた陥凹部65および第2リッド支持部材80に設けた陥凹部85に、夫々上方が突入嵌合している。従ってリッド部材Lは、第1開放姿勢および第2開放姿勢の両方向への開放が規制されていると共に、本体部材Mに対して水平方向における前後および左右への移動も規制され、該リッド部材Lは閉成姿勢に保持される。
【0052】
リッド部材Lを第1開放姿勢に向け開放させる場合には、図9(a)〜図9(c)に示すように、第1開放操作部101を指先等で後方へ押せばよい。これにより、移動部材100と第1リッド支持部材60との連結は維持される一方、移動部材100と第2リッド支持部材80との連結が解除され、移動部材100と第2リッド支持部材80とが分離可能となる。従って、リッド部材Lの前端側を上方へ引上げれば、第1リッド支持部材60が第1ヒンジ部55を支点として回転するので、該第1リッド支持部材60に連結支持されたリッド部材Lは、第1開放姿勢に向けて開放する。
【0053】
リッド部材Lを第2開放姿勢に向け開放させる場合には、図11(a)〜図11(c)に示すように、第2開放操作部105を指先等で前方へ押せばよい。これにより、移動部材100と第2リッド支持部材80との連結は維持される一方、移動部材100と第1リッド支持部材60との連結が解除され、移動部材100と第1リッド支持部材60とが分離可能となる。従って、リッド部材Lの後端側を上方へ引上げれば、第2リッド支持部材80が第2ヒンジ部56を支点として回転するので、該第2リッド支持部材80に連結支持されたリッド部材Lは、第2開放姿勢に向けて開放する。
【0054】
従って、実施例のリッド開閉機構Uを備えたフロアコンソールFCは、次のような作用効果を奏する。先ず、第1開放操作部101を操作して移動部材100を中立位置から第1連結位置へ移動させると、リッド部材Lを、第1ヒンジ部55を支点として第1開放姿勢に開閉させ得る。また、第2開放操作部105を操作して移動部材100を中立位置から第2連結位置へ移動させると、リッド部材Lを、第2ヒンジ部56を支点として第2開放姿勢に開閉させ得る。そして、第1ヒンジ部55が第1リッド支持部材60と本体部材Mとを分離させる構造ではないので、第1リッド支持部材60は、がたつきなく本体部材Mに回転可能に支持される。同様に、第2ヒンジ部56も第2リッド支持部材80と本体部材Mとを分離させる構造ではないので、第2リッド支持部材80は、がたつきなく本体部材Mに回転可能に支持される。従って、リッド部材Lの第1開放姿勢に向けた開閉操作時および第2開放姿勢に向けた開閉操作時に、リッド部材Lのがたつきが発生し難いので開閉操作を行ない易い。更に、第1開放操作部101または第2開放操作部105の操作方向および移動部材100の移動方向と、第1係合凹部64と第1係合片部110および第1係合口部66と第1係合凸部114の連結方向と、第2係合凹部84と第2係合片部111および第2係合口部86と第2係合凸部115の連結方向とが、何れも同じ方向となっているので、リッド部材Lと第1リッド支持部材60との連結・分離またはリッド部材Lと第2リッド支持部材80との連結・分離が確実に行なわれ、リッド部材Lの開閉操作に係る操作性の向上が期待できる。更にまた、リッド開閉機構Uの構成部品点数および組立工数を夫々少なくし得るので、製造コストの低減およびリッド部材Lの軽量化等を図り得る。
【0055】
また、第1リッド支持部材60とリッド部材Lとは、リッド部材Lの後端部において第1係合凹部64と第1係合片部110とが連結すると共に、リッド部材Lの前後中間部分において第1係合口部66と第1係合凸部114とが連結する。すなわちリッド部材Lは、第1ヒンジ部55から第2ヒンジ部56に向けて延在する第1支持アーム部62の延在方向に離間した複数の位置で該第1リッド支持部材60に連結されるので、第1リッド支持部材60に対してリッド部材Lを安定的に連結支持させ得る。同様に、第2リッド支持部材80とリッド部材Lとは、リッド部材Lの前端部において第2係合凹部84と第2係合片部111とが連結すると共に、リッド部材Lの前後中間部分において第2係合口部86と第2係合凸部115とが連結する。すなわちリッド部材Lは、第2ヒンジ部56から第1ヒンジ部55に向けて延在する第2支持アーム部82の延在方向に離間した複数の位置で第2リッド支持部材80に連結されるので、第2リッド支持部材80に対してリッド部材Lを安定的に連結支持させ得る。更に、開閉するリッド部材Lを、第1リッド支持部材60または第2リッド支持部材80に対して複数の位置で支持させるので、該リッド部材L自体の剛性向上も図られる。
【0056】
更に、第1リッド支持部材60に連結支持されて第1ヒンジ部55を支点として第1開放姿勢に開放したリッド部材Lは、該第1リッド支持部材60の第1ロックアーム部63が本体部材Mに設けた第1回転規制部25に当接することで、第1開放姿勢に開放させた際の過開きが防止される。また、第2リッド支持部材80に連結支持されて第2ヒンジ部56を支点として第2開放姿勢に開放したリッド部材Lは、該第2リッド支持部材80の第2ロックアーム部83が本体部材Mに設けた第2回転規制部27に当接することで、第2開放姿勢に開放させた際の過開きが防止される。一方、リッド部材Lの閉成姿勢においては、第1係合凹部64と第1係合片部110および第1係合口部66と第1係合凸部114とが夫々連結すると共に、第2係合凹部84と第2係合片部111および第2係合口部86と第2係合凸部115とが夫々連結しているので、リッド部材Lは閉成姿勢に適切に保持される。
【0057】
また、第1開放操作部101を操作して、リッド部材Lを第1ヒンジ部55を支点として開閉させる際には、第1係合凹部64と第1係合片部110および第1係合口部66と第1係合凸部114とが第1リッド支持部材60の回転方向での係合が維持されるので、リッド部材Lが第1リッド支持部材60から離間することなく連結される。しかも、ロック機構のロック部材120が第1係止棒部51に係止されて移動部材100が第1連結位置に保持されるので、開閉途中に第1開放操作部101に対する操作を解除しても、第1係合凹部64と第1係合片部110との連結および第1係合口部66と第1係合凸部114との連結が維持され、リッド部材Lが第1リッド支持部材60から外れることが好適に防止される。一方、第2開放操作部105を操作して、リッド部材Lを第2ヒンジ部56を支点として開閉させる際には、第2係合凹部84と第2係合片部111および第2係合口部86と第2係合凸部115とが第2リッド支持部材80の回転方向での係合が維持されるので、リッド部材Lが第2リッド支持部材80から離間することなく連結される。しかも、ロック機構のロック部材120が第2係止棒部52に係止されて移動部材100が第2連結位置に保持されるので、開閉途中に第2開放操作部105に対する操作を解除しても、第2係合凹部84と第2係合片部111との連結および第2係合口部86と第2係合凸部115との連結が維持されて、リッド部材Lが第2リッド支持部材80から外れることが好適に防止される。
【0058】
更に、第1リッド支持部材60に連結支持されたリッド部材Lが開放した際に、本体部材Mに支持されている第2リッド支持部材80は、該本体部材Mに倒伏した第1姿勢に保持されて回転が防止される。しかも、本体部材Mに支持されている第2リッド支持部材80の上面には、第2係合凹部84および第2係合口部86等が突出していない。従って、第2リッド支持部材80が本体部材Mから上方へ突出しないので、物品収納部11に対する物品の出し入れを行ない易いと共に、該第2リッド支持部材80に袖部分が引っ掛かることもない。また、第2リッド支持部材80に連結支持されたリッド部材Lが開放した際に、本体部材Mに支持されている第1リッド支持部材60は、該本体部材Mに倒伏した第1姿勢で保持されて回転が防止される。しかも、本体部材Mに支持されている第1リッド支持部材60の上面には、第1係合凹部64および第1係合口部66等が突出していない。従って、第1リッド支持部材60が本体部材Mから上方へ突出しないので、物品収納部11に対する物品の出し入れを行ない易いと共に、該第1リッド支持部材60に袖部分が引っ掛かることもない。更に、リッド部材Lを開放させた際に、第1リッド支持部材60または第2リッド支持部材80が本体部材Mから上方へ突出しないので、見栄えの向上も図られる。
【0059】
実施例では、リッド部材LをフロアコンソールFCの前後両方向へ開放させるようにしたリッド開閉機構Uを例示したが、本願のリッド開閉機構Uは、図13に示すように、基本的構成を同一としたもとで、リッド部材Lを左右両方向へ開放させるようにすることも可能である。すなわち、第1リッド支持部材60および第2リッド支持部材80は、インナー部材14の縦・横の各寸法に合わせて、第1ヒンジ端部61の全長を延長すると共に、各第1支持アーム部62の長さを短縮する。また、第1開放操作部101および第2開放操作部105を、移動部材100の左側部分および右側部分に設け、アッパー部材31の左側壁面および右側壁面に臨ませるようにする。このように、本願のリッド開閉機構Uは、基本的構成を同一としたもとで、前後両方向にリッド部材Lを開閉するよう構成することもでき、左右両方向にリッド部材Lを開閉するよう構成することもできる。そして、左右両方向に開放するよう構成しても、リッド開閉機構Uの基本的構成が同一であるから、前述した実施例と同様の作用効果が得られる。
【0060】
実施例では、移動部材100の中立位置において、第1リッド支持部材60に設けた第1係合凹部64および第1係合口部66に、移動部材100に設けた第1係合片部110および第1係合凸部114が夫々連結される構成を例示したが、これら第1係合凹部64および第1係合口部66と第1係合片部110および第1係合凸部114とは、移動部材100の中立位置においては連結しないようにし、該移動部材100を第1連結位置に移動させた時にだけ連結するよう構成してもよい。同様に、第2リッド支持部材80に設けた第2係合凹部84および第2係合口部86と、移動部材100に設けた第2係合片部111および第2係合凸部115とは、移動部材100の中立位置においては連結しないようにし、該移動部材100の第2連結位置において連結するよう構成してもよい。なお、移動部材100の中立位置において、該移動部材100と第1リッド支持部材60および該移動部材100と第2リッド支持部材80が夫々連結しないように構成した場合には、リッド部材Lを閉成姿勢に保持する別途の保持機構を設けるのが望ましい。
【0061】
実施例では、第1リッド支持部材60の各第1支持アーム部62および第2リッド支持部材80の各第2支持アーム部82の長さを、リッド部材Lの前後長の約1/2程度に設定して、夫々対向させるようにした形態を例示したが、これら第1支持アーム部62,82の長さはこれに限定されない。例えば、第1リッド支持部材60の第1支持アーム部62および第2リッド支持部材80の第2支持アーム部82を、本体部材Mの正面において平行に隣接配置するようにすれば、両第1支持アーム部62,82の長さをリッド部材Lの前後長に近い長さまで延長することが可能である。このように、第1支持アーム部62,82の長さを延長した場合には、リッド部材Lの前端部分および後端部分において、第1リッド支持部材60とリッド部材Lとの連結および第2リッド支持部材80と該リッド部材Lとの連結を行なうことができ、両リッド支持部材60,80によるリッド部材Lの支持強度の更なる向上が期待される。
【0062】
実施例では、前記第1開放操作部101および第2開放操作部105を、移動部材100に設けたもとでリッド部材Lに配設した指先押圧形態のものを例示したが、これら第1開放操作部101および第2開放操作部105は、この形態に限定されるものではない。例えば、移動部材100を電気モータや電磁ソレノイド等の駆動手段でリッド部材Lの前後方向にスライド移動させるよう構成して、第1開放操作部101および第2開放操作部105を、駆動手段を正逆起動させるスイッチとしてリッド部材Lに配設するようにしてもよい。また、第1開放操作部101および第2開放操作部105を前述したスイッチ形態とした場合には、これら第1開放操作部101および第2開放操作部105は、本体部材Mのアウター部材13に設けることも可能である。
【0063】
実施例では、単一の移動部材100に、第1リッド支持部材60に係合される第1係合片部110および第1係合凸部114と、第2リッド支持部材80に係合される第2係合片部111および第2係合凸部115を設けたが、第1係合片部110および第1係合凸部114を設けた移動部材と、第2リッド支持部材80に係合される第2係合片部111および第2係合凸部115を設けた移動部材を個別に設けてもよい。そして、第1係合片部110および第1係合凸部114を設けた移動部材に第2開放操作部105を設けると共に、第2係合片部111および第2係合凸部115を設けた移動部材に第1開放操作部101を設けることで、第1開放操作部101を操作することで第2リッド支持部材80とリッド部材Lとの連結を解除し、第2開放操作部105を操作することで第1リッド支持部材60とリッド部材Lとの連結を解除することが可能となる。
【0064】
本願のリッド開閉機構Uが実施可能な対象は、前述した実施例および変更例のフロアコンソールに限定されるものではなく、各種車両内装部材に設けられたリッド部材に応用可能である。更には、自動車の車両内装部材に限らず、列車、船舶、航空機等に装備された各種リッド部材や、建造物や構造物等に装備されたリッド部材に採用することも可能である。
【符号の説明】
【0065】
11 物品収納部,12 上部開口部(開口部),21 当接凸部(係止解除部)
22 第1係止陥凹部(第1支持部),23 第2係止陥凹部(第2支持部)
25 第1回転規制部,27 第2回転規制部,51 第1係止棒部(第1ロック部)
52 第2係止棒部(第2ロック部),55 第1ヒンジ部,56 第2ヒンジ部
60 第1リッド支持部材,63 第1ロックアーム部,64 第1係合凹部(第1連結部)
66 第1係合口部(第1連結部),67 第1ロックレバー(第1連結支持部)
80 第2リッド支持部材,83 第2ロックアーム部,84 第2係合凹部(第2連結部)
86 第2係合口部(第2連結部),87 第2ロックレバー(第2連結支持部)
100 移動部材,110 第1係合片部(第1係合部)
111 第2係合片部(第2係合部),114 第1係合凸部(第1係合部)
115 第2係合凸部(第2係合部),120 ロック部材,L リッド部材,M 本体部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部材に画成した物品収納部の開口部を閉成するリッド部材を、本体部材における前記開口部の一側部を支点として開閉すると共に、本体部材における前記開口部を挟んで前記一側部と対向する他側部を支点として開閉するリッド開閉機構において、
前記開口部の一側部に設けた第1ヒンジ部により、前記本体部材に回転可能に支持された第1リッド支持部材と、
前記開口部の他側部に設けた第2ヒンジ部により、前記本体部材に回転可能に支持された第2リッド支持部材と、
前記リッド部材にスライド可能に設けられ、該リッド部材が前記物品収納部を閉成した閉成姿勢において、前記第1ヒンジ部側の第1連結位置と前記第2ヒンジ部側の第2連結位置との間で往復移動可能な移動部材と、
前記第1リッド支持部材に、前記第1ヒンジ部による該第1リッド支持部材の回転支点から半径方向外側へ延出するよう設けられた第1ロックアーム部と、
前記本体部材において前記第1リッド支持部材の回転に伴う前記第1ロックアーム部の回転軌跡上に設けられ、第1ロックアーム部が当接した際に第1リッド支持部材のリッド開放方向への回転を規制する第1回転規制部と、
前記第2リッド支持部材に、前記第2ヒンジ部による該第2リッド支持部材の回転支点から半径方向外側へ延出するよう設けられた第2ロックアーム部と、
前記本体部材において前記第2リッド支持部材の回転に伴う前記第2ロックアーム部の回転軌跡上に設けられ、第2ロックアーム部が当接した際に第2リッド支持部材のリッド開放方向への回転を規制する第2回転規制部とを備え、
前記移動部材の前記第1連結位置において、移動部材と第1リッド支持部材とを連結すると共に移動部材と第2リッド支持部材とを分離可能とし、前記移動部材の前記第2連結位置において、移動部材と第2リッド支持部材とを連結すると共に移動部材と第1リッド支持部材とを分離可能とするよう構成した
ことを特徴とするリッド開閉機構。
【請求項2】
前記第1リッド支持部材に設けた第1連結部と、
前記第2リッド支持部材に設けた第2連結部と、
前記移動部材に前記第1連結部と対応して設けられ、移動部材の前記第1連結位置において第1連結部に連結すると共に、移動部材の前記第2連結位置において第1連結部と分離する第1係合部と、
前記移動部材に前記第2連結部と対応して設けられ、移動部材の前記第2連結位置において第2連結部に連結すると共に、移動部材の前記第1連結位置において第2連結部と分離する第2係合部とを備えた請求項1記載のリッド開閉機構。
【請求項3】
前記第1リッド支持部材は、前記第1ヒンジ部から前記第2ヒンジ部に向けて前記開口部に沿って延在するよう形成されて、該第1リッド支持部材の延在方向に離間する複数の前記第1連結部を備え、
前記第2リッド支持部材は、前記第2ヒンジ部から前記第1ヒンジ部に向けて前記開口部に沿って延在するよう形成されて、該第2リッド支持部材の延在方向に離間する複数の前記第2連結部を備えた請求項2記載のリッド開閉機構。
【請求項4】
前記第1連結位置と前記第2連結位置との間の前記移動部材の中立位置において、前記第1連結部は前記第1係合部に連結すると共に、前記第2連結部は前記第2係合部に連結する請求項2または3記載のリッド開閉機構。
【請求項5】
前記第1連結部は、前記第1リッド支持部材に前記第1ヒンジ部と反対側へ開口するよう設けた凹状部であり、前記第1係合部は、前記移動部材に前記第1ヒンジ部側へ突出するよう設けた凸状部であり、前記移動部材の前記第1連結位置において相互連結した第1連結部と第1係合部とは、第1リッド支持部材の回転方向での係合が維持されると共に移動部材のスライド方向での移動が許容され、
前記第2連結部は、前記第2リッド支持部材に前記第2ヒンジ部と反対側へ開口するよう設けた凹状部であり、前記第2係合部は、前記移動部材に前記第2ヒンジ部側へ突出するよう設けた凸状部であり、前記移動部材の前記第2連結位置において相互連結した第2連結部と第2係合部とは、第2リッド支持部材の回転方向での係合が維持されると共に移動部材のスライド方向での移動が許容される請求項2〜4の何れか一項に記載のリッド開閉機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−184002(P2012−184002A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−139101(P2012−139101)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【分割の表示】特願2007−262745(P2007−262745)の分割
【原出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】