説明

リニアラックを使用する自動化化学的又は生物学的分析装置のためのカルーセルシステム

自動化化学的又は生物学的試料分析装置は、一つ以上のカルーセルを用いた分析を実施するための処理ステーションに移動させる複数の試料移送リニアラックを含む。コンピュータ制御の下、カルーセルの回転動、移送の線形移動又は往復機構、そして、ピペットステーションの動作は、試料のランダムな順序を処理するように最適化されると同時に、膨大な試料の処理を取り扱うように調整して実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、自動化化学的分析装置、たとえば自動化イムノアッセイ分析装置に関し、特に、それぞれが複数の試料又は対照を保持する複数のリニアラックを取り扱うカルーセルシステムに関する。したがって、本発明は、カルーセルシステムの試料への速やかなアクセスの利点と、リニアラックベースのシステムによって提供される順次提示による高められた自動化の利点とを組み合わせる。
【0002】
背景技術
化学的分析を自動化することは多くの状況で望ましい目的である。たとえば、臨床又は病院の状況では、数多くの患者血液又は尿の試料を多様な抗原又は分析対象物に関して毎日のように分析しなければならない。このようなタイプの試料を分析し、種々の試料に対して種々の試験を実施することを可能にし、たとえば患者の評価及びケアにおける後の使用に備えて試験結果を記録するために高度に先進的なシステムが開発されている。例示的なシステムが、いずれも引用例として本明細書に取り込む米国特許第6,027,691号、米国特許第5,902,548号、米国特許第5,885,530号、米国特許第5,885,529号、米国特許第5,807,523号、米国特許第5,723,092号、米国特許第5,721,141号、米国特許第5,632,399号、米国特許第5,620,898号、米国特許第5,318,748号、米国特許第5,316,726号、米国特許第5,258,309号、米国特許第5,098,845号、米国特許第5,084,240号、米国特許第5,008,082号及び米国特許第4,639,242号に記載されている。もう一つの例として、自動化システムは、水源、食品などにおける汚染物質を検出するために使用することもできる。
【0003】
自動化化学的分析のための先進システムがあるにもかかわらず、自動化のレベル、試料へのランダムなアクセス及び試料の試験を可能にする機構ならびに多量の試料を処理する速度(すなわちスループット)を改善する必要性が残る。現在の自動化技術は、多数の試料又は薬剤を存在させ、容易にアクセス可能にするカルーセルを含むか、リニアラック及びラックに貯蔵された材料が処理のために連続的なやり方で容易に提示されるコンベヤを含むかのいずれかである。カルーセルシステムは、多数の試料にアクセスしやすい利点を有するが、従来技術のシステムは、新たな試料を取り扱うためにはカルーセルをバッチ処理的に空にしなければならない欠点を抱えている。逆に、リニアラックベースのシステムは、容易な自動化を可能にするが、一般に、様々な試験を実施するための様々なタイミングで試料を回収することがより困難である。
【0004】
発明の概要
したがって、本発明の目的は、カルーセルシステム及びリニアラックシステムの欠点を回避ながらも、カルーセルシステムの利点とリニアラックシステムの利点とを組み合わせることである。
【0005】
本発明の、自動化化学的又は生物学的(たとえばイムノアッセイ)分析装置に組み込むことができる改良された試料取り扱いシステムは、半径方向に分布したスロットを有する一つ以上のカルーセルを含み、各スロットが、リニアラックの長手に沿って分布した複数の試料又は対照を収容するリニアラックを収容することができる。リニアラックは、好ましくは、試料又は対照で満たされた容器(たとえば試験管)を保持するための受け器を含み、より好ましくは、容器は、サイズが異なることができる。好ましくは、試験管は、試験管の内容物を識別するバーコード又はRFIDタグで標識されており、リニアラックもまた、バーコード又はRFIDタグで標識されている。バーコードを使用する好ましい態様では、試験管及びリニアラック上のバーコードは、同じバーコードリーダを使用して同時に読み取ることができる。稼働中、コンピュータ制御装置が、リニアラック及び試験管の位置に関連する情報を追跡し、また、ラックのバーコード又はRFID識別情報と、試験管のバーコード又はRFID識別情報とを対応させることにより、制御装置は、多数の異なるタイミングでアクセスされなければならない(たとえば、同じ試料に対して異なる試験を実施するため)試料の回収、移送及びピペット操作を容易に管理することができる。バーコードラベルは、リニアラックに永久的に刷り込まれてもよいし、ラベルが、リニアラック及び試験管にプリントされ、被着されてもよい。同様に、RFIDタグは、リニアラック及び試験管に固着され、剥離可能であってもよい。
【0006】
コンピュータ制御の下で作動する機械的移送装置がリニアラックと係合し、リニアラックを、たとえばラックローダからカルーセルまで、二つの隣接するカルーセルの間で、また、カルーセルと別個の制御貯蔵コンパートメントとの間で移送する。これは、好ましくは、移送スライドをそれに取り付けられた移送ピンとともに動かすベルト又はチェーンドライブを使用して達成することができる。移送ピンは、たとえばリニアラックの底部に位置するスロットと係合する。コンピュータ制御の下で作動するモータが、移送ピンをリニアラック中のスロットと係合させ、リニアラックを、たとえばカルーセル中のスロットの中に動かす。カルーセルに入ると、リニアラックは、たとえば、板ばね及びリニアラックの底部にある凹みに嵌入するボタン接続によって保持(retain)される。カルーセルをわずかに前進させることにより、移送ピンを、カルーセルの底部に形成された通路を介してリニアラックの外に出し、カルーセルの円周の外側の位置まで動かすことができる。好ましくは、リニアラックをカルーセル中のスロットの側壁に対して所定位置にしっかり保持するために、ばね又は他の弾性装置が使用される。
【0007】
カルーセルは、すべての試料へのランダムなアクセス及び任意の試料への速やかなアクセスの融通性を提供する。ひとたびカルーセルに入ると、リニアラック上の試料を処理することができ、たとえば、ピペット操作場所又は希釈場所への移動、第二又は第三のカルーセルへの移動などが可能である。理想的には、カルーセルへのリニアラックの装填と、さらなる処理との間の時間の長さは、自動化化学的又は生物学的分析装置の一つ以上のカルーセル上の他の試料、各試料に対して実施される試験及び他の要因、たとえば優先的に実施される緊急又は「STAT」試験を考慮するコンピュータ制御の下で取り扱われる。
【0008】
一つ以上のカルーセル、機械的移送装置、ピペットならびに化学的及び生物学的分析装置中の他の部品の移動は、好ましくは、技術者の関与を最小限化又は排除するよう、コンピュータ制御の下で達成される。これは、バーコード、RFIDタグ又は他の装置で標識されたリニアラックを追跡し、カルーセル中のリニアラックの位置及びリニアラック中の試料に対して実施される試験を追跡し、移送装置の動きとピペット装置の動きとを協調させることによって達成される。
【0009】
自動化化学的又は生物学的分析装置の容量は、多数のカルーセルを、リニアラックをカルーセル間で動かすために配置された移送装置と直列にして使用することにより、また、より多数の試料を収容することができるリニアラックを使用することにより、非常に大きくすることができる。好ましい実施態様では、リニアラックは5本の試験管を保持することができ、カルーセルは20個のスロットを有することができる。したがって、好ましい実施態様において構成された二つのカルーセルを備えた自動化化学的又は生物学的分析装置は、一度に200個までの試料を処理することができる。試料の試験ののち、機械的移送装置を使用してリニアラックをカルーセルから選択的に取り外し、ラックローダ又は適当な貯蔵区域に保管することもできる。
【0010】
本発明の一つの実施態様では、対照が、試験される試料と同じようにリニアラック上のカルーセルシステムに装填される。このような対照は、カルーセル上のスロット中に選択的に貯蔵することができ、より好ましくは、カルーセルとは離れた貯蔵区域に貯蔵することができる。カルーセルから貯蔵区域への移送は、上記と同様にコンピュータ制御の下で作動する機械的移送装置を用いて達成される。対照は、自動化化学的又は生物学的分析装置の定期的較正又は試験のために選択的に回収(たとえば、カルーセルに戻したのち、カルーセルをピペット操作位置まで回転させる)したのち、貯蔵コンパートメントに再装填することができる。この実施態様では、ユーザは、別個の操作によって対照を装填することを求められず(すなわち、対照は、試料のリニアラックを輸送するために使用されるラックローダから自動的に機械に装填されることができる)、対照は、化学的又は生物学的分析装置の稼働を中断することなく定期的に何回も使用することができる。
【0011】
前記及び他の目的、局面及び利点は、図面を参照する本発明の好ましい実施態様の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
【0012】
発明の好ましい実施態様の詳細な説明
例示のためのみ、図1は、自動化イムノアッセイ分析装置における処理を実施するためのサブシステムを示す。しかし、本発明は、化学的分析装置とで実施することもでき、自動化イムノアッセイ分析装置における使用に限定されないということが理解されよう。自動化イムノアッセイ分析装置は、診療所又は病院で得られる多数の患者試料を最小限の技術者関与で処理するように設計された複雑なシステムである。本発明は、高度に自動化された融通の利くやり方での試料取り扱いを提供し、多様な既存の自動化化学的又は生物学的分析装置における使用に適用可能であり、将来、より新規な自動化化学的又はイムノアッセイ分析装置に組み込むこともできるということが理解されよう。
【0013】
制御システム101は、その中核として、制御バス102を介してコマンドを送信し、サブシステムから信号を受信することにより、すべてのサブシステムの動作を管理し、協調させる。自動化イムノアッセイ分析装置の稼働において、生物学的材料(たとえば血液、尿、血漿など)の試料が試料サブシステム104に配置される。これは、手作業によって達成することもできるし、たとえば病院又は診療所から得られた試料を装填されているラックローダから試料(本発明の好ましい実施態様においてもっとも好ましくは、試料を収容するリニアラック)を回収することによって達成することもできる。試料サブシステム104内の試料は、制御サブシステム101からの指示に依存して、計測を実施する前に希釈することもできるし、非希釈状態で試験することもできる。好ましくは、ビードサブシステム105が、結合した「分析対象物結合性化合物」を有する適切な基質を、たとえば、試料中の対象の抗体又は抗原の量の試験のために、抗体−抗原結合反応が実施される試験容器に加える。試験容器に添加されるビード又は他の基質を使用して、多数の異なる分析対象物を試験することができる。加えて、結合した分析対象物を有する適切なビードをいくつかの試験容器それぞれに加えたのち、リニアラック上の試験管からの試料を各試験容器に加えることにより、同じ試料中の異なる分析対象物に関する多数の試験を実施することもできる(すなわち、ビードサブシステム105を含むイムノアッセイ又は化学的分析装置は、試験に備えて試料を処理する際に有意な融通性を提供する)。試薬サブシステム103は、制御サブシステム101の制御の下で試薬を試験容器に加えるために使用される。同様に、インキュベータサブシステム106が、試験前の所定の期間、試験容器を好ましくは撹拌しながらインキュベートし、ルミノメータサブシステム107が、試薬及びビードと合わされ、インキュベートされ、洗浄された試料に対して計測を実施する(一部の分析装置は、化学発光(本発明のイムノアッセイ実施態様における好ましい指標)の代わりにリン光、蛍光又は比色変化を使用することもできることが理解されよう)。
【0014】
場所間の移動は、移送サブシステム108を使用して達成される。制御サブシステム101が、サブシステム102、103、104、105、106及び107内で実施される処理を協調させ、移送は移送サブシステム108によって実施され、好ましくは、装填された試料のすべてに対して実施される試験を考慮し、それにより、特定の試験が実施される順序を最適化する。加えて、制御サブシステム101は、好ましくは、特定の試料に対する特定の試験を自動化化学的又は生物学的分析装置中に存在する他の試料に対する他の試験よりも優先的に実施することができるような緊急又は「STAT」試験を許容する。
【0015】
好ましくは、サブシステム103、104、105、106及び107は、たとえばバーコード及びRFIDのような識別技術を利用する。すなわち、特定の試薬の位置が制御サブシステム101によって知られ、管理されるよう、試薬サブシステム103に装填された試薬が制御サブシステム101のために識別される。同様に、ビードサブシステム105を使用して試験容器に加えられるビードは、制御サブシステム101が小出しされるビードの位置を感知するよう、バーコード又はRFIDタグ付きビードディスペンサ(図示せず)を使用して加えられるであろう。試薬又はビードの補給の通知は、制御バス102を介して制御サブシステム101に情報を送る、試薬サブシステム103及びビードサブシステム105におけるセンサを使用して達成することができる。以下さらに詳細に説明するように、試料サブシステム104は、バーコードもしくはRFIDタグ又は他の識別方式を使用して、制御サブシステム101に対し、自動化化学的又は生物学的分析装置内の試料の位置を通知する。リニアラックの位置を追跡し、特定のリニアラックに対応する試験管の識別情報を有することにより、制御装置は、いかなるカルーセル中のいかなるラック中のいかなる試料に対してもランダムかつ速やかなアクセスを許容することができる。
【0016】
本発明は試料サブシステム104に関する。試料サブシステム104は、多様な自動化イムノアッセイ分析装置で使用することができ、診断目的で多数の試料に対するアクセスを要するいかなる分析装置にも適用可能であるべきである。
【0017】
図2は、試料サブシステム104で使用される本発明のカルーセルシステムの好ましい実施態様のより詳細な図を示す。図2は、二つのカルーセル2及び3、対照貯蔵要素4、ピペット場所5(好ましくは、二つのピペットを使用して二つの異なる試験管から同時に試料を移すことができるよう、類似したピペット場所がプラットフォームの端部でカルーセル3及び希釈場所6に隣接して配置されている)、希釈場所6、複数の移送機構7(ローダとカルーセルとの間の移送機構が示され、類似した移送機構がカルーセル2とカルーセル3との間及びカルーセル3と対照貯蔵要素4との間に存在する)及び試料識別システム8が上に配置されているプラットフォーム1を示す。カルーセルの数は本発明の実施の範囲内で異なることができ、本発明の実施は、一つのカルーセル、二つのカルーセル又は三つ以上のカルーセルへの適用をも考慮していることが理解されよう。いくつかのカルーセルを有する利点は、いかなるときでも多数の試料を取り扱うことができることである。さらに、いくつかの小さめのカルーセルを使用する場合、一つの大きめのカルーセルを使用する場合よりも、機械設計及び稼働において融通が利く。対照貯蔵要素4、ピペット場所5及び希釈場所6の位置は、試料サブシステム104で使用されるカルーセルの数に依存して異なるであろう。
【0018】
図2は、ラックローダ(図示せず)からリニアラックを得る一つの移送機構7を示すが、リニアラックをカルーセル2とカルーセル3との間及びカルーセル3と対照貯蔵要素4との間で動かすために同一又は類似した移送機構が配置されるということが理解されよう。したがって、カルーセル2のスロットに装填されるリニアラック中の試料は、リニアラック中で実施される試験、カルーセル2及び3に装填された他のリニアラックすべてで実施される試験ならびに一部の試験を他の試験よりも速やかに実施するために技術者によって設定された何らかの優先順位にしたがって決定される期間、カルーセル2中にとどまることができる。稼働中、カルーセル2及び3は、好ましくは、コンピュータ制御の下、右回り及び左回り両方向に回転可能である。試料がピペット5によって回収される前に、カルーセル2及び3上のリニアラックは、カルーセルの全360°回転の周囲を何度でも移動することができる。
【0019】
図2に示す実施態様では、リニアラックは、ラック装填の部位から一方のカルーセル2から他方のカルーセル3への移送の部位まで、カルーセルの半回転だけ回転する(カルーセル2及び3中の二つの整合したスロットが互いにもっとも近い位置にあるときわかりやすい)。そして、カルーセル3中、リニアラックは、試料を得て、その試料を試験容器に移すために一つ以上のピペット5によってアクセス可能である一つ以上の位置に回転する。必要ならば、場所6で希釈を実施することができる。図2に示すピペット場所5にさらなるピペットシステムを追加し、試料サブシステムと組み合わせて使用することができ、また、たとえばイムノアッセイ分析装置で使用される試験容器(図示せず)に試料を移すためにピペットを使用してリニアラックから試料を回収することができることが理解されよう。図2の実施態様の動作において、試料は、カルーセル3上にとどまることもできるし、カルーセル2に戻され、そのラック中の試料に対するすべての試験が完了するまでカルーセル2上にとどまることもできる。ピペットシステム5及び希釈場所6の構造に依存して、カルーセルシステムは、カルーセル又は一つのカルーセル上の二つ以上の位置からの試料の回収を可能にするかもしれない。ひとたびリニアラック上の試料すべてに対してすべての試験が開始されると、リニアラックを射出させて貯蔵のためにラックローダに戻すことができる。
【0020】
対照貯蔵要素4は、好ましくは、特定の試験の実施の前及び/又は分析装置の稼働中に定期的に分析装置を較正するために使用することができる対照試料のための貯蔵空間を自動化化学的又は生物学的試料分析装置上に提供する。対照貯蔵要素4は、好ましくは、安定性を保証する好ましい貯蔵環境で対照試料を収容する。たとえば、大部分の用途では、環境は、対照にとって低い蒸発率を保証するように設計される(たとえば低い(たとえば冷蔵庫)温度及びおそらくは高めの湿度)。さらには、対照貯蔵要素4は、好ましくは、分析装置の長期稼働中に粉塵又は他の汚染物質及び損傷性放射エネルギー(たとえば光又はUV光)への暴露から対照試料を保護するハウジングを有する。
【0021】
好ましくは、対照試料は、試験される試料と同じやり方で分析装置に加えられる。すなわち、リニアラックに装填されたのち、そのリニアラックが移送機構7によってラックローダから第一のカルーセル2の中に自動的に移送されるか、第一のカルーセルへの挿入のために移送機構7に手動式に配置される。その後、コンピュータ制御の下、対照試料を収容するリニアラックは、第二のカルーセル3に通されたのち、対照貯蔵要素4に通される。好ましくは、対照貯蔵要素4は、対照試料で満たされた少なくとも二つの線形貯蔵ラックを収容する。必要な場合、移送機構がリニアラックを対照試料とともに第二のカルーセル3に戻すと、この第二のカルーセルがそのリニアラックをピペット場所5に移送する。そして、対照試料は、希釈場所6で希釈することもできるし、試験容器(図示せず)にピペットで移すこともでき、この試験容器は、好ましくは、コンピュータ制御の下、プラットフォーム1の外に通過する。そして、対照試料は、カルーセル3及びカルーセル3と対照貯蔵要素4との間に位置する移送機構の動きを使用して対照貯蔵要素4の中に戻される。したがって、この構造は、オペレータが定期的に対照試料を装填することを求められないという利点を有し(対照試料は盤上に貯蔵されている)、また、オペレータが対照を装填するのに特殊な機構を必要としない(すなわち、対照は、試験される試料と同じやり方で装填される)という簡素さを有する。しかし、用途によっては、対照試料を盤上に有することは望ましくないかもしれず、そのような用途では、対照貯蔵要素4は単に除かれるかもしれない(その場合、対照試料を有するリニアラックが単に一つのカルーセル中のスロットを占有するだけであろう)ことが理解されよう。
【0022】
図2はまた、移送機構7に隣接して位置する識別場所8を示す。図2に示す構造では、識別は、リニアラック及び試験管が移送機構7によってラックローダからカルーセル2に装填されたとき、リニアラック及び試験管上のバーコード、RFIDタグ又は他の識別マーキングを読むことができる。リニアラック及び試験管上の識別情報は識別場所8から対照システム101に中継され、また、識別場所8で識別された特定のものが装填されているカルーセル2中のスロットならびにカルーセル2及び3(二つ以上のカルーセルが使用されている場合)の動きを追跡することにより、制御システム101は、たとえば試料を試験容器に移してイムノアッセイを実施するために特定の試料を上に有するものをピペット場所5に提示する方法及びタイミングをより良く制御することができる。したがって、識別場所8で決定された識別情報を使用して、本発明システムのカルーセル中のスロット中のラックに貯蔵された試料へのランダムかつ速やかなアクセスを可能にすることができる。先に記したように、制御装置は、好ましくは、試験にとって最適な順序及び実施される緊急試験の優先順位を決定するためにカルーセル上のすべての試料を考慮する。
【0023】
図3は、カルーセル2が、くさび領域12によって分けられた多数のスロット11を有する状態を示す。くさび領域12の形状のせいで、スロット11は線形であり、カルーセルの半径に沿って延びている。各スロット11の中心部はガイドスロット29を有し、この中を、以下さらに詳細に説明する移送機構の部品がリニアラックをスロット11の中に運ぶとき自由に動くことができる。さらには、ガイドスロット29は、隣接するくさび領域12の中に延び、くさび領域12は、リニアラックが設置されたのち、移送機構の部品をカルーセル2から抜き取ることを可能にするために、溝28をそのベースに有する。これらの溝28及びガイドスロット29は、移送機構がカルーセル2のスロット11からリニアラックを回収するときにも使用される。
【0024】
リニアラックをしっかりと所定位置に保持することを支援するため、各スロットは、好ましくは、リニアラックをスロット11の側壁の一つに押し当てる弾性ばね部材13を含む。リニアラックをスロットの側壁に押し当てることは、ピペット場所5のピペットをより容易に整合させることができる点で特定の利点を提供することができる。したがって、一部の用途では、弾性ばね部材13をカルーセル2中の各スロットの同じ側に位置させることが好ましいかもしれない。さらに、試験試料又は対照試料を運ぶリニアラックの移送を伴う一部の用途では、隣接するカルーセルのばね部材をスロット11の反対側壁に位置させることが有利であるかもしれない。図4a及び4bに関して以下さらに詳細に説明するように、片側に開口を有し、閉鎖された背面部材を有するリニアラックを使用する場合、一方のカルーセル上のばね13をスロット11の一方の側壁に有し、他方のカルーセル上のばね13をスロット11の反対側壁に有して、各カルーセル中のばね13がリニアラックの閉鎖された背面部材と常に接触するようにすることが有利であろう。
【0025】
図3は、カルーセル2中に20個のスロットを示すが、スロットの数は、分析装置の設計及び必要性に依存して異なることができることが理解されよう。さらには、図2は、同じ数のスロット11を有する同じサイズの二つのカルーセル2及び3を示すが、カルーセルのサイズ及びスロット11の数は互いに異なることができることが明らかであろう。しかし、二つの隣接するカルーセル2及び3の間の移送を要するシステムでは、分析装置は、好ましくは、一方のカルーセルから他方のカルーセルへの簡単な線形の移送を起こさせるために隣接するカルーセルのスロットどうしが整合するように構築されるであろう。
【0026】
上記のように、カルーセル2及び3は、好ましくは、右回り又は左回りのいずれかの方向に360°回転可能であり、動きは、スロット中のリニアラックの装填又は回収を可能にするための移送機構との整合、ピペット場所のピペットによってアクセス可能な位置におけるリニアラック中の試料の整合、対照試料を収容するリニアラックの対照貯蔵要素4への移送などを可能にするために、コンピュータによって協調的に制御される。カルーセル2及び3は、コンピュータ制御の下、選択した任意の量だけ前進させることができ、好ましくは、単純な漸進装置ではない。さらに、上述したように、カルーセル2及び3は、好ましくは、線形移送機構の部品がカルーセルから出ることを許す又は部品をカルーセルに挿入して(くさび領域12の溝付き下面28を介して)リニアラックをそこから回収することを可能にするために、半増分づつ前進可能である。具体的には、図3を参照して、一つのカルーセルからラックを回収し、そのラックを別のカルーセル、対照貯蔵コンパートメント又はラックローダに移すために(ラックを射出する場合)、移送機構の上向き突出部が溝28を介してカルーセルの中に移動し、次いで、半増分で、突出部がリニアラックの下の係合位置に動き、最後に、トラック29沿いの線形移動により、リニアラックがカルーセルから取り出される。
【0027】
図4a及び4bは、本発明の実施で使用される好ましいリニアラック10の等角側面図及び側断面図を示す。好ましい実施態様では、リニアラック10は、複数の試験管14を保持し、5個の試験管14が図示されているが、その数は本発明の実施の範囲内で異なることができる。試験管14は、サイズを異ならせることができ、本発明によって考慮される自動化イムノアッセイ分析装置の実施態様では、試験管は、直径が11mm〜16mmの範囲であり、高さが66mm〜100mmの範囲であることができる。異なるサイズの試験管14を受け入れ、リニアラック中の場所への容易な挿入を可能にするため、リニアラック10は、ラックの各場所の後壁にバイアスばねを有することができ、各場所の前部が開口していることができる。しかし、試験管14を受け入れるための場所は完全に閉じていることができ、バイアスばね機構を要しないかもしれないことが理解されよう。
【0028】
図4a及び4bはまた、稼働及び使用中にラック10が完全に装填される必要がないことを明らかにする。すなわち、一部の場所が空であってもよい。
【0029】
図4aでラック10の端部に示すバーコードがリニアラック10を識別する。図4aに見てとれるように、好ましくは、リニアラックは、閉じた背面及び開口した前面を有する。これは、試験管14に貼付されたバーコードを、ラック10のバーコードラベルを読む同じバーコードリーダによって同時に読むことを可能にする。バーコードは、コンピュータによって自動的にプリントされるラベルであってもよいし、試験管14がリニアラック10に装填されるとき技術者によって作成されるものであってもよく、ラベルは、ラック10及び試験管14から着脱可能である。しかし、一部の用途では、リニアラック10は、永久的にマーキングされてもよい(たとえば、対照試料のためのラックなど)。上記のように、バーコードラベルの代わりにRFIDタグがリニアラック10及び試験管14に使用されるかもしれない。
【0030】
図4a及び4bはまた、リニアラック10が好ましくは移送ピンスロット15をそのベースに含むことを示す。以下さらに詳細に説明するように、この移送ピンスロット15は、自動化化学的又は生物学的分析装置内の一つ以上の移送機構によって、リニアラック10を場所間(たとえばカルーセル間、ラックローダとカルーセルとの間、カルーセルと対照貯蔵部品との間)で動かすために使用される。リニアラック10の移動は、たとえば、上に突出する要素がピンスロット15と係合させ、次いでラック10を所与の方向にスライドさせ、次いで突出する要素をリニアラックから係合解除する(たとえばカルーセルを回転させ、突出する要素をカルーセルのくさび領域12の溝付き領域28に通して引き抜きによって)ことによって達成することができる。移送動作を支援するために他のタイプの形体がリニアラック10に組み込まれるかもしれないこと、また、好ましい実施態様におけるように移送ピンスロット15が使用されるならば、リニアラック10上の移送ピンスロット15の位置が本発明の範囲内で異なることができることが理解されよう。さらに、リニアラック10は、自動化化学的及び生物学的分析装置中の場所間の移動を支援するための二つ以上の形体(たとえば二つ以上の移送ピンスロット15など)を含むかもしれない。
【0031】
図4a及び4bはまた、リニアラック10が、カルーセル2又は3へのリニアラック10の装填を支援するための戻り止め16(以下さらに詳細に説明する)及び技術者がリニアラック10をラックローダに誤った向きに挿入しないようにラックの前端及び後部の識別を支援することができる凹み領域18を形成されていてもよいことを示す。リニアラックの構造は本発明の実施の範囲内でかなり異なることができることが理解されよう。線形構造は、リニアラック10の長手沿いの様々な空間に位置する複数の試料の容易な識別、技術者によるラックへの試料の容易な装填及び自動化ラックローダによるラック10の容易な取り扱いを可能にする。さらには、ラック10の線形構造は、本発明のカルーセル2又は3とともに、移送装置の簡単な直線運動によってリニアラック10を自動化化学的又は生物学的分析装置内の複数の場所に移送することを可能にする(リニアラック10のチューニングは不要である)。
【0032】
図5は、複数の試験管14で満たされたリニアラック10をカルーセル2(又は3)のスロット11中に保持するのに好ましい機構を強調する。具体的には、好ましい実施態様で、戻り止め16をリニアラック10の底部に係合させるために、コネクタ21によってカルーセル2に固着された板ばね20上に配置されたボタン19を上に偏らせている。リニアラック10が移送機構によってカルーセルのスロット11中に動くと、リニアラックは、戻り止め16と係合するボタン19によってカルーセル中に固着される。そして、先に説明したように、上に突出する部材が横にスライドして移送ピンスロット15との係合を逸するようなカルーセル2の回転動により、移送機構の上に突出する部材をカルーセルから出すことを可能にする。その後、上に突出する部材を隣接するくさび部12の底部の溝28に通してスライドさせてカルーセル2(又は3)から外に出すことを可能にする。同様に、リニアラック10をカルーセルから抜き取るときには、上に突出する部材を移送ピンスロット15と係合させ、それを使用してリニアラック10をカルーセル2(又は3)中のスロット11から引き出す。取り出し中、リニアラック10のベースによってボタン19が下に押され、それにより、リニアラック10をその行き先に移すことができる。
【0033】
図5において、リニアラック10の底部が好ましくはそのベースで両端に戻り止め16を有することが見てとれる。これらの戻り止め16は、たとえば、リニアラック10を一つのカルーセルから別のカルーセルに移すときに使用されるであろう(たとえば、第一のカルーセルは、一端と係合するためのボタン部材を有し、第二のカルーセルは、リニアラック10の他端と係合するためのボタン部材を有するであろう)。リニアラック10をカルーセル内又は別の場所(たとえば対照貯蔵要素4)に一次的に固定するために他の構造を使用することもでき、また、用途によっては、固定形体、たとえばボタン19/戻り止め16の組み合わせが不要であるかもしれないことが理解されよう。
【0034】
図6は、たとえばリニアラック10を自動化ラックローダからカルーセルに移送し、カルーセル間の移送を実施し、対照貯蔵コンパートメントへの移送を実施するために使用される好ましい移送機構を示す。好ましくは、スピンドル22上に配置された駆動ベルト23又はチェーンを使用して、上に突出する移送ピン24を有する移送スライド25を前後に動かす。移動は、モータ27のコンピュータ制御の下で達成される。上述したように、ひとたび移送ピン24がリニアラック10の下面の移送スロット15に配置されると、移送スライド25及びピン24を使用して、リニアラック10をたとえばカルーセル2又は3に入れたりカルーセルから出したりする。好ましい実施態様では、動作の簡単さのために、移送機構は直線に沿って前進又は後退方向だけに動くことが好ましい。したがって、ラックをカルーセル中に設置し、その後、カルーセルの底の溝を介して移送ピン24を動かしてカルーセルの外に出すこと、またその逆を可能にするためには、移送機構の動きとカルーセルの動きとがコンピュータ制御の下で協調されなければならない。本発明の実施の範囲内で他の移送機構が使用されるかもしれないこと、また、場所の間、たとえばラックローダとカルーセルとの間、カルーセルとカルーセルとの間及びカルーセルと対照場所との間で概ねリニアラック10の移動を起こさせるためには、コンピュータ制御の下で他の可動部品と協調的に作動させることができる機構が必要であるということが理解されよう。
【0035】
図7は、本出願の図1及び2に示す試験機器(たとえば、自動化化学的又は生物学的分析装置)の好ましい実施態様においてリニアラック10を動かす一連の動作を示す簡単な流れ図を示す。適時、試料及び対照ラックを手作業でラックローダに装填することができる(ステップ70)。制御サブシステム101からの開始コマンドを受けると、試料ラックがラックローダに通される(ステップ71)。そして、ステップ72で、ラックは、移送装置7によって「反射的」カルーセル2に移される。ステップ73で、センサ8がラック及び試験管から識別データ(たとえばラック及び試験管上のバーコード又はRFIDタグ)を読み取り、そのデータを制御サブシステム101とで交換する。ステップ74で、装填されたラックが試料ラックであるのか対照ラックであるのかの決定が下される。ラックが対照ラックであるならば、ステップ77で、そのラックは対照貯蔵場所4に移される。これは、一つ以上のカルーセル間の移動及び最終的には対照貯蔵要素4への配置によって達成される。ラックが試料ラックであるならば、ステップ75で、その試料ラックが反射的カルーセル2を介して試料カルーセル3に移される。移送が実施されるタイミングはサブシステム101によって制御され、また、ラックをカルーセルの間で前後に動かして、試料を処理する際に異なる順序を許容することができることが理解されよう。ひとたび試料ラックが試料カルーセルに移されると、ステップ76で、指定された試験プロセスを実行することができる。本発明の好ましい実施態様では、ステップ71における処理のために緊急又は「STAT」試験を簡単かつ速やかに分析装置に加えることができるよう、コンピュータ制御装置は、一つのカルーセルの中のスロット(好ましくは反射的カルーセル2中のスロット)を空に維持するようにプログラムされる。カルーセル及び移送装置の動きならびにピペット場所5の動作のすべては、好ましくは、分析装置に装填されている実施される試験及び緊急又は「STAT」結果の優先順位を考慮する、協調されたコンピュータ制御の下で操作される。
【0036】
好ましい実施態様に関して本発明を説明したが、当業者は、本発明を、請求の範囲の本質及び範囲内で変更を加えて実施することができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の好ましい実施態様の自動化イムノアッセイ分析装置の概要図である。
【図2】カルーセルシステムの主要要素の図である。
【図3】試料カルーセルの図である。
【図4a】試料ラックの左側面図である。
【図4b】試料ラックの断面図である。
【図5】ラック取り付け機構の図である。
【図6】移送機構の図である。
【図7】本発明のラック及びカルーセルを使用する試料容器の試験を開始するための簡単なフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学的又は生物学的材料分析装置のための試料取り扱いシステムであって、
円周から内側に延びる半径方向に分布した複数のスロットを有する少なくとも第一のカルーセルと、
それぞれが、直線軸に沿って離間した一つ以上の位置で一つ以上の試料又は対照を保持する複数のリニアラックと、
前記リニアラックを前記少なくとも第一のカルーセルのスロットの中及び外に選択的に動かすための少なくとも第一の移送装置と
を含む試料取り扱いシステム。
【請求項2】
前記少なくとも第一のカルーセルのスロットの側壁に配置された、リニアラックを前記スロットの反対側壁に対して偏らせるためのばねをさらに含む、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項4】
前記少なくとも第一の移送装置が直線的に動く、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項5】
前記一つ以上の位置が少なくとも五つの位置を含む、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項6】
前記リニアラックそれぞれがベースに形成された一つ以上の戻り止めを有し、ボタン部材が前記少なくとも第一のカルーセルの各スロットのベースに配置されて前記一つ以上の戻り止めの少なくとも一つと選択的に係合する、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項7】
ボタン部材がばねで偏らせられている、請求項6記載の試料取り扱いシステム。
【請求項8】
各リニアラックに対応するラベルと、前記ラベルを読み取り、前記ラベルから情報を制御装置に伝送するために配置されたラベルリーダとをさらに含む、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項9】
前記ラベルリーダが前記少なくとも第一の移送装置に隣接して配置されている、請求項8記載の試料取り扱いシステム。
【請求項10】
前記ラベルがバーコードであり、前記ラベルリーダがバーコードリーダである、請求項8記載の試料取り扱いシステム。
【請求項11】
前記ラベルがRFIDタグである、請求項8記載の試料取り扱いシステム。
【請求項12】
前記少なくとも第一の移送装置が、前記リニアラックのベースに形成された移送スロット中に突出するピンを含む、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項13】
前記少なくとも第一の移送装置が、前記ピンを直線的に前後に動かすためにモータによって駆動されるベルトを含む、請求項12記載の試料取り扱いシステム。
【請求項14】
前記少なくとも第一の移送装置が、前記リニアラックを前記少なくとも第一のカルーセルと自動化ラックローダとの間で動かすように構成されている、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項15】
円周から内側に延びる半径方向に分布した複数のスロットを有する少なくとも第二のカルーセルをさらに含み、
前記少なくとも第一の移送装置又は少なくとも第二の移送装置が前記リニアラックを前記少なくとも第二のカルーセルの中及び外に動かす、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項16】
前記少なくとも第二のカルーセルが前記少なくとも第一のカルーセルと同じサイズである、請求項15記載の試料取り扱いシステム。
【請求項17】
前記少なくとも第二のカルーセルと前記少なくとも第一のカルーセルとが異なるサイズである、請求項15記載の試料取り扱いシステム。
【請求項18】
前記少なくとも第二のカルーセルに隣接して配置された対照貯蔵部品と、
前記リニアラックを前記対照貯蔵部品の中及び外又は前記少なくとも第二のカルーセルに動かすための少なくとも第三の移送装置と
をさらに含む、請求項15記載の試料取り扱いシステム。
【請求項19】
前記少なくとも第一のカルーセルに隣接して配置された対照貯蔵部品と、
前記リニアラックを前記対照貯蔵部品の中及び外又は前記少なくとも第一のカルーセルに動かすための少なくとも第二の移送装置と
をさらに含む、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項20】
前記少なくとも第一のカルーセルが右回り又は左回りのいずれかの方向に360°回転可能である、請求項1記載の試料取り扱いシステム。
【請求項21】
前記少なくとも第一のカルーセル及び前記少なくとも第二のカルーセルが右回り又は左回りのいずれかの方向に360°回転可能である、請求項15記載の試料取り扱いシステム。
【請求項22】
化学的又は生物学的材料分析装置のための試料取り扱いシステムであって、
それぞれが複数の試料又は対照を保持する複数のラックと、
それぞれが複数の半径方向に分布したスロットを含む少なくとも二つのカルーセルと、
前記複数のラックの個々のラックを前記少なくとも二つのカルーセルの半径方向に分布したスロットの間で動かすためのシャトル機構と、
前記少なくとも二つのカルーセル及び前記シャトル機構の動きを制御するための制御装置と
を含む試料取り扱いシステム。
【請求項23】
前記複数のラックの各ラックに配置された識別子をさらに含み、前記識別子が前記ラックの内容物を識別する、請求項22記載の試料取り扱いシステム。
【請求項24】
前記ラックそれぞれが線形であり、その長手に沿って分布した異なる位置に試料又は対照を含む、請求項22記載の試料取り扱いシステム。
【請求項25】
前記制御装置が、試料ラックの優先的装填を許すために前記少なくとも二つのカルーセルの一つの少なくとも一つのスロットを空に維持するように前記複数のラック上の試料を処理する、請求項22記載の試料取り扱いシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−534924(P2008−534924A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502997(P2008−502997)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/006714
【国際公開番号】WO2006/104616
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507269175)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC.
【Fターム(参考)】