説明

リパーゼ阻害作用を有する組成物及びそれを有効成分とする脂肪吸収抑制剤

【課題】 本発明は、生体内でリパーゼを効率的に阻害することにより、脂肪吸収を効果的に抑制し、肥満や高脂血症の予防及び改善に有効な組成物及びそれを有効成分とする脂肪吸収抑制剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 一般式(1)で示される化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とするリパーゼ阻害作用を有する組成物は、脂肪吸収を効果的に抑制し、肥満や高脂血症の予防及び改善に有効である。
【化1】


(式中、XはCOOH、CHO、またはCOOR1であり、R1がアルキル残基であり、Yは水素原子またはOR2で、R2が水素原子または糖残基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼ阻害作用を有する組成物及びそれを有効成分とするリパーゼ阻害剤に関し、より詳細には、一般式(1)で示される化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とする、リパーゼ阻害作用を有する組成物及びそれを有効成分とする脂肪吸収抑制剤に関する。
【化2】


(式中、XはCOOH、CHO、またはCOOR1であり、R1がアルキル残基であり、Yは水素原子またはOR2で、R2が水素原子または糖残基である。)
【背景技術】
【0002】
戦後の食糧不足の時代を経て、高度成長期に入ると、我々の食生活は経済的成長とともに豊かになり、栄養面においても満足できる食品がいつでも得られるようになった。そして栄養状態の向上や医療技術の発展により、日本人の平均寿命も世界一となった。しかし近年では、食生活の欧米化、あるいは栄養バランスの偏りや運動不足などによった、生活習慣が大きく影響する生活習慣病が増加し、現代では大きな社会問題となってきている。これらの生活習慣病と食生活には密接な関連性があり、食生活を改善することにより、生活習慣病の予防につながると期待できる。
【0003】
栄養素の摂取量において戦後まもない1950年と2000年を比較してみると、摂取エネルギーは低下しているものの、脂質の摂取量では2倍も増加している(非特許文献1)。現在望ましいとされる脂質所要量は、脂質エネルギー比率20〜25%とされているが、実際の日本人の脂質摂取量は26%を超えるようになっており、脂肪の摂取量及び質が問題となっている(非特許文献2)。肥満は糖尿病などの生活習慣病を引き起こす因子ともなっており、肥満を予防する多機能物質は、健康の維持・増強、糖尿病や高脂血症、高血圧、脂肪肝、動脈硬化などの生活習慣病の予防、医療費の減少等の社会的ニーズに大きく貢献するものと考えられる。
【0004】
肥満とは、脂肪組織の脂肪細胞に異常に脂肪が蓄積した病態である。この脂肪は脂肪細胞内で合成され、その材料となるのは血中のグルコースとカイロミクロン、VLDLである。よって、肥満を助長するのは食事中の糖質と脂質であると考えられる。食事中の糖質は唾液と膵臓のα−アミラーゼによって消化され、さらに小腸細胞のマルターゼとイソマルターゼによって分解され、グルコースになり吸収される。血中のグルコースはインスリンの助けで脂肪細胞に取り込まれ、脂肪に転換する。一方、食事由来の脂質は胆汁酸により乳化され、膵リパーゼにより小腸で脂肪酸と2−モノアシルグリセロールに消化される。消化物は小腸上皮細胞でトリアシルグリセロールに再合成され、リンパ系を経てカイロミクロンとして血中に分泌される。血中のカイロミクロンは血管内皮細胞膜のヘパラン硫酸に結合したリポ蛋白質リパーゼによって分解され、グリセロールと脂肪酸を生じる。グ
リセロールは主に肝臓で代謝されるが、脂肪酸は脂肪細胞に取り込まれ、アシルCoAを経て脂肪になる。ここで重要なのは、脂肪酸の脂肪細胞への取り込みは血糖のようにホルモンのコントロールを受けないことである。グルコースに比べ、ホルモンによる制御の少ないカイロミクロン由来の脂肪酸が脂肪細胞での脂肪合成の材料としてより重要な意味を持っていると考えられる。したがって、食事を通じてコントロールできるのはカイロミクロンであり、脂肪食による脂肪細胞へのトリグリセライド蓄積を抑制するためには食事中の脂肪吸収過程のどこかを抑えればいいと考えられる(非特許文献3)。
【0005】
ヒトにおいてリパーゼ(膵リパーゼ)は脂肪の消化吸収に最も重要な酵素として働いており、膵リパーゼの働きを抑えて肥満を予防する素材の開発が既に試みられている(特許文献1〜6、非特許文献4〜8)。
【0006】
その中で、比較的に低分子の成分として、フェノール性化合物に膵リパーゼを阻害するものが多数見出されており、カフェ酸、没食子酸、ロズマリン酸などに強い阻害作用が確認されている(特許文献7)。しかし、これらの成分は収斂作用が強くたんぱく質に容易に吸着するため、消化管で脂質や膵リパーゼとの接触できる濃度が低下し、試験管内で示すようなリパーゼ阻害が十分に発揮できているとは言い難く、たんぱく質への吸着が副作用の原因になる可能性も否定できない。
【0007】
【特許文献1】特開昭55-98114号公報
【特許文献2】特開昭61-152663号公報
【特許文献3】特開昭64-34264号公報
【特許文献4】特開昭64-90131号公報
【特許文献5】特開平1-102022号公報
【特許文献6】特開平3-228664号公報
【特許文献7】特開2005-53891号公報
【非特許文献1】食生活情報サービスセンター編集、食生活データブック2002、農林統計協会、2002年9月、p.36
【非特許文献2】岡崎 光子編集、栄養指導論(改訂第3版)、南江堂、2000年4月、5〜17
【非特許文献3】健康・栄養情報研究会、日本人の栄養所要量−食事摂取基準(第6次改定)、第一出版、1999年9月、p.54
【非特許文献4】Lairon, D., Borel, P., Termtne, E., Gratarolt, R., Chabert, C.,Hauton J.C., Evidence for a proteinic inhibitor of pancreatic lipase in cereals, wheat bran and wheat germ、1985年、第32巻、5号、p.1107−1113
【非特許文献5】Lairon, D., Lafont, H., Vigne J. L., Nalbone, G., Leonardi, J., Christian Hauton, J., Effects of dietary fibers and cholestyramine on the activity of pancreatic lipase in vitro. Am.J. Clin. Nutr., 1985年、第42巻、p.629
【非特許文献6】Horigome, T., Kumar R., Okamoto, K., Effects of condensed tannins prepared from leaves of fodder plants on digestive enzymes in vitro and in the intestine of rats. British J. Nutrition、1988年、第60巻、p.275〜285
【非特許文献7】Ishii, C., Endo, Y., Kimoto, H., Taniguchi, K., Inhibition of lipase by proteins and their inhibitory mechanism, Nippon Shouhin Kogyo Gakkaishi, 1988年、第35巻、6号、p. 430−439
【非特許文献8】Knuckles, B. E., Effect of phytate and other myo-inositol phosphate esters on lipase activity. J. Food Sci.、1988年、第53巻、p.250〜252
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、生体内でリパーゼを効率的に阻害することにより、脂肪吸収を効果的に抑制し、肥満や高脂血症の予防及び改善に有効な組成物及びそれを有効成分とする脂肪吸収抑制剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らの研究によれば、一般式(1)で示される化合物の1種または2種以上を含有する組成物が、生体内でリパーゼを効率的に阻害することにより、脂肪吸収を効果的に抑制することを見出し、本発明を完成させた。
【化3】

(式中、XはCOOH、CHO、またはCOOR1であり、R1がアルキル残基であり、Yは水素原子またはOR2で、R2が水素原子または糖残基である。)
【0010】
すなわち本発明は、前記式(1)で示される化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とする、リパーゼ阻害作用を有する組成物を有効成分とする脂肪吸収抑制剤で、脂肪吸収を効果的に抑制し、肥満や高脂血症の予防及び改善に有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の前記式(1)で示される化合物は、強いリパーゼ阻害作用を有しており、経口摂取においても脂肪吸収を顕著に抑制し、肥満や高脂血症の予防及び改善効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に用いる前記式(1)の化合物の具体例を以下に列挙する。前記式(1)で表される化合物において、式中XがCOOHで示される具体例はプロトカテキュ酸、XがCHOで示される具体例はプロトカテキュアルデヒド、XがCOORでRがアルキル残基で示される具体例はプロトカテキュ酸エチル 等が挙げられる。
【0013】
前記式(1)で表される化合物において、式中Yが水素原子で示される具体例はパラヒ
ドロキシ安息香酸、YがOR2でR2が糖残基で示される具体例はプロトカテキュ酸−3−グルコシド等が挙げられ、その他の糖残基の糖としてはグルコース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、キシロース、リボース、アラビノース、グルコサミン、ガラクトサミン等の単糖類、ムラクト−ス、マルト−ス、シュークロース、セロビオース、イソマルトース、エピラクト−ス等の二糖類を挙げることができる。
【0014】
本発明に用いられる前記式(1)で表される化合物において、式中XがCOOHであり、YがOR2でR2が水素原子であるプロトカテキュ酸は、合成品が入手可能であるが、植物材料やその抽出物から用いることもできる。具体的には、タマネギ、タマネギ外皮、栗鬼皮、栗渋皮、ブドウ、干しブドウ、ブドウ果皮、カカオポット外皮、コーヒー、ソバ殻、黒米、黒豆、五味子、カシス、ブルーベリー、イチョウ葉、ギムネマシルベスタ、山椒の葉、柑橘類の果皮、水接骨丹、タラノキ、タチアオイ、蜂斗采、満山紅、大葉金花草、冬青葉、野梨枝葉、レイジ草、茴香茎葉、迎山紅、白花映山紅等を用いることができる。
【0015】
植物材料の場合、植物体の各部位[全草、地上部、花、果実、花皮、葉、枝、幹、茎、樹皮、根茎、根皮、塊茎、根、種子、菌核、子実体、菌糸体、めかぶ(胞子葉又は成実葉)等]をそのまま用いることができる。またこれらの部位をそのまま、或は生薬の刻みや粉末を、抽出溶媒で抽出した植物抽出液の状態で用いることもできる。抽出溶媒としては、水、エタノール等のアルコール類、アセトン、エチルエーテル、酢酸エチルエステル、ヘキサン等の有機溶媒の1種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
【0016】
植物抽出液の状態は特に限定されるものではなく、濃縮液、粉末、ペースト状、ゲル状などに加工しても良い。例えば、植物抽出液を濃縮すれば濃縮液が得られる。さらに、通常の乾燥方法、例えばスプレードライ、減圧濃縮乾燥、凍結乾燥等により乾燥して粉末、ペースト状、ゲル状にすることができる。また必要に応じて、抽出液をろ過、イオン交換樹脂処理、活性炭処理など、一般的に適用される手段を任意に選択して、吸着・脱色・脱臭などの処理を加えて精製しても良い。
【0017】
本発明の組成物は、そのままの形で使用することもできるが、通常、食品及び/又は医薬品に使用される通常の賦形剤(例えば、結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、白糖等)を加え、例えば乾式造粒法或は湿式造粒法により造粒して、この造粒物をそのまま使用したり、それらをさらに打錠機を用いて圧縮成形物として使用することもできる。また成分の安定性の点や簡単に摂取できる形態として、粉砕したものをそのまま、或いは前記造粒物をハードカプセルやソフトカプセルに充填し摂取してもよい。また、通常、液状の食品などに使用される甘味料、酸味料、乳化剤、フレーバー、分散助剤などの賦形剤を加えて溶解し、液体の形状として製造することもできる。
【0018】
以上のような、内服固形の顆粒、錠剤、散剤、液剤の形態だけではなく、半固形状の形態のもの及び、水や湯などに溶解し液状にして用いることができる粉末状の形態にあるもの、それ以外にも明らかに食品形状のお粥、ジュース、ゼリー、ふりかけや菓子類などに加工することもできる。
【0019】
本発明の組成物は、そのまま又は前述のような加工品の形態で用いるに際して、肥満や高脂血症の予防及び改善効果を発現するような用量で用いられる。すなわち、前記式(1)で表される化合物の配合量は、1日あたりの総量で1mg〜2g、好ましくは10〜500mgが適当である。
【0020】
一方植物材料を用いる場合には、前記式(1)で示された化合物の含有量により異なるが、含有率1%の植物材料の配合量は、植物そのままの場合、1日あたりの総量で0.1
〜200g、好ましくは1〜50gが適当である。1日あたりの総量が1g以下では脂肪吸収の阻害作用が期待できず、50g以上では前記式(1)の化合物の溶出量に大差がなくなる。また、前記式(1)で表される化合物の固形分中の含有率が5〜10%の植物抽出物の場合、固形物として10〜40000mg、消化管内での溶出性と効果を考慮すると、好ましくは100〜10000mg、さらに好ましくは30〜3000mgが適当である。従って1回の摂取量は、服用の形状と摂取量、摂取回数などを考慮して適宜決定すればよい。
【0021】
また、本発明の組成物は、必須成分である前記式(1)で表される化合物の他に通常の飲食品組成物において使用されるビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC等のビタミン類、ポリデキストロース、アルギン酸ナトリウム、ペクチン等の水溶性食物繊維、セルロース、リグニン、ヘミセルロース等の不溶性食物繊維等の配合成分や、さらに、カフェイン等のキサンチン誘導体、緑茶エキス、サリシン、西洋ヤナギエキス、シネフリン等のサーモアミン類、カプサイシン、シトラスエキス、アスピリン、エフェドリン等の脂肪分解促進剤、L−カルニチンのようなミトコンドリアへの脂肪取りこみ促進剤,ビワ葉エキス末、荷葉エキス末、クワ葉エキス、バナバエキス等の血糖上昇抑制剤、セキレンカエキス、カゼインドデカペプチドのようなACE阻害ペプチド等の耐糖能改善成分等を配合することができる。
【0022】
本発明の組成物は、肥満や高脂血症の予防及び改善効果の目的のリパーゼ阻害剤として、通常成人1日当たり1〜3回に分けて経口投与又は非経口投与する。
【0023】
以下に試験例を挙げて本発明を詳細に説明する。プロトカテキュ酸は、和光純薬工業社の市販試薬を用いた。
【0024】
[試験例1]
(膵リパーゼ活性の測定)
膵リパーゼ活性はトリオレインからのオレイン酸遊離量を測定することによって算出した。トリオレイン(SIGMA Chemical Co.(米国製))80mg、レシチン 10mg(和光純薬工業株式会社製)、胆汁酸(SIGMA Chemical Co.(米国製))5mgを9mlの0.1M TES緩衝液(pH 7.0)中で10分間超音波処理を行うことで均一な懸濁液とし、これを基質液として用いた。基質液0.1mlに豚由来の膵リパーゼ液(SIGMA Chemical Co.(米国製))0.05ml(最終濃度1μg/ml)及び被検物質0.1mlを加え、37℃、30分間反応させ、遊離した脂肪酸を銅試薬法で定量した。活性値は検体無添加の値を100%として各検体の活性値を算出した。結果を表1に示す。
【0025】
(試験結果)
表1に示すように、プロトカテキュ酸、p−ヒドロキシ安息香酸及び没食子酸は最終濃度4mg/mlで強く膵リパーゼ活性を阻害した。阻害率はそれぞれ96%、93.8%及び97.3%であった。タマネギエキスは5mg/mlで(プロトカテキュ酸として0.25mg/mL)で膵リパーゼ活性を約62.6%阻害した。この結果から、プロトカテキュ酸、p−ヒドロキシ安息香酸及びプロトカテキュ酸を含むタマネギ外皮エキスが、膵リパーゼ活性を阻害することから、脂肪の蓄積を抑制して各種疾患の予防、改善、治療の効果が期待される。
【0026】
【表1】

【0027】
[試験例2]
(脂質負荷後ラット血中脂質の変動の測定)
a.大豆オイルのエマルジョンの調製
大豆オイル(純正化学株式会社製)3mlをコール酸(SIGMA Chemical
Co.(米国製))40mg、コレステロールオリエート(東京化成工業株式会社製
)1g及び純水3mlと共に10分間超音波処理し、この超音波処理した溶液を大豆オ
イルのエマルジョンとした。
【0028】
b.プロトカテキュ酸投与の試験方法
ラットを1群4匹としてコントロール群とプロトカテキュ酸130mg/kg体重の投
与群の2群に分け、一晩絶食し脂質エマルジョン負荷試験を行った。コントロール群で
は大豆オイルのエマルジョンのみを非麻酔下でラットに経口投与した。プロトカテキュ
酸130mg/kg体重の投与群ではプロトカテキュ酸を含有する大豆オイルのエマル
ジョンを投与した。大豆オイルのエマルジョン投与前、投与後60、120、180、
270分まで非麻酔下でラットの尾静脈より採血した。血清中の中性脂肪含量の測定は
和光純薬工業株式会社製のトリグリセライド-E-テストキットを用いて測定した。結 果は図1に示した。
【0029】
c.タマネギ外皮エキス投与の試験方法
ラットを1群4匹としてコントロール群とタマネギ外皮エキス500mg/kg体重の
投与群の2群に分け、一晩絶食し脂質エマルジョン負荷試験を行った。コントロール群
では大豆オイルのエマルジョンのみを非麻酔下でラットに経口投与した。タマネギ外皮
エキス500mg/kg体重の投与群ではタマネギ外皮エキスを含有する大豆オイルの
エマルジョンを投与した。大豆オイルのエマルジョン投与前、投与後60、120、1
80、240分まで非麻酔下でラットの尾静脈より採血した。血清中の中性脂肪含量の
測定は和光純薬工業株式会社製のトリグリセライド-E-テストキットを用いて測定し た。結果は図2に示した。
【0030】
(試験結果)
これらの結果から、プロトカテキュ酸及びタマネギ外皮エキスは優れた膵リパーゼ阻害効果を有し、血中脂質を低減させることができることが明らかになった。これによってプロトカテキュ酸/タマネギ外皮エキス及びプロトカテキュ酸/タマネギ外皮エキスを含有する組成物が、脂肪の蓄積を抑制し、各種疾患の予防、改善、治療効果を有するものであることが明らかになった。
【実施例】
【0031】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1(錠剤)
(処方)
プロトカテキュ酸 100質量部
コエンザイムQ10 30質量部
乳糖 810質量部
合成ケイ酸アルミニウム 50質量部
ステアリン酸マグネシウム 10質量部
(操作)
上記の各成分を混合し、その混合物を打錠機で1錠300mgに打錠して1錠中にプロトカテキュ酸30mgを含む錠剤を得た。
【0032】
実施例2(錠剤)
プロトカテキュ酸をパラヒドロキシ安息香酸に代えた以外は実施例1と同様にして調製し、実施例2の錠剤を得る。
【0033】
実施例3(液剤)
(処方)
タマネギ外皮エキス 50g
エリスリトール 200g
スクラロース 2g
クエン酸 28g
リンゴ酸 20g
安息香酸ナトリウム 4g
パラオキシ安息香酸ブチル 0.3g
パラオキシ安息香酸エチル 0.7g
ピーチフレーバー 10mL
精製水 適量
(製法)
上記のタマネギ外皮エキスからパラオキシ安息香酸エチルまでの各成分を精製水約6Lに加熱溶解し、精製水で10L付近まで加え、冷却し、50℃付近でピーチフレーバーを加え、更に精製水を加えて10Lとする。この液を100mLずつ容器に分注し、実施例3の液剤を得る。
【0034】
実施例4(カプセル剤)
(成分)
ブドウ果皮エキス 50mg
ブルーベリーエキス 50mg
イチョウ葉エキス末 30mg
タマネギ外皮エキス末 30mg
ビタミンE 25mg
パントテン酸カルシウム 7mg
β−カロテン 7mg
ニコチン酸アミド 5mg
L−リジン塩酸塩 5mg
L−アルギニン 5mg
L−ヒスチジン 5mg
ステアリン酸カルシウム 4mg
ビタミンB1 2mg
ビタミンB6 2mg
ビタミンB2 2mg
葉酸 0.2mg
ビタミンD3 1mg
ビタミンB12 0.5mg
デキストリン 100mg
結晶セルロース 49.3mg
(合 計 380mg)
(製造法)
上記のブドウ果皮エキスから結晶セルロースまでの各成分を10000倍量を秤量・混合し、プルランカプセル1号に380mgずつ充填し、実施例4のカプセル剤を得る。
【0035】
実施例5(ジュース)
水800mlに対し、ブドウ濃縮果汁600g、栗皮抽出物2g、カシスエキス500mg、ミカン果皮エキス500mg、タラノキエキス100mg、タチアオイエキス200mgを加え、ホモゲナイザーに通し、混合液を均質化する。その後、総重量が3kgになるように水を加える。
次に、上記混合液を90℃まで加熱した後、缶に190gずつ充填。定法に従いレトルト殺菌を施し、ジュースを得る。
【0036】
実施例6(ゼリー)
まず、エリスリトール117g、ポリデキストロース24g、カラギーナンを含む増粘多糖類製剤11g、及びクエン酸三ナトリウム3.6gを粉体混合した後、水600gに溶解させる。更にスクラロース340mg、クエン酸3.6g、ビタミンミックス2.6g、イチョウ葉エキス150mg、干しブドウエキス280mg、山椒エキス10mg、ザクロ濃縮果汁30g、香料5.6gを混合・溶解し、最後に総重量が1.5kgになるよう水を加える。
次に上記混合液を95℃まで加熱した後、容器(スパウトパウチ)に180gずつ充填し、ドリンクタイプのゼリーを得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】プロトカテキュ酸投与による血中脂質の変動結果
【図2】タマネギ外皮エキス投与による血中脂質の変動結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で示される化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とするリパーゼ阻害作用を有する組成物。
【化1】

(式中、XはCOOH、CHO、またはCOOR1であり、R1がアルキル残基であり、Yは水素原子またはOR2で、R2が水素原子または糖残基である。)
【請求項2】
請求項1記載の式(1)の化合物が、プロトカテキュ酸、プロトカテキュ酸エチル、プロトカテキュ酸−3−グルコシド、プロトカテキュアルデヒド、パラヒドロキシ安息香酸、及びこれら成分の誘導体から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
請求項1及び2に記載の化合物が植物材料及び/または植物材料由来の抽出物の形態で提供されることを特徴とするリパーゼ阻害作用を有する組成物。
【請求項4】
植物材料がタマネギ、タマネギ外皮、栗鬼皮、栗渋皮、ブドウ、干しブドウ、ブドウ果皮、カカオポット外皮、コーヒー、ソバ殻、黒米、黒豆、五味子、カシス、ブルーベリー、イチョウ葉、ギムネマシルベスタ、山椒の葉、柑橘類の果皮、水接骨丹、タラノキ、タチアオイ、蜂斗采、満山紅、大葉金花草、冬青葉、野梨枝葉、レイシ草、茴香茎葉、迎山紅、白花映山紅である請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1及び4に記載の組成物を有効成分とする脂肪吸収抑制剤。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−74735(P2008−74735A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253882(P2006−253882)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【出願人】(306018343)クラシエ製薬株式会社 (32)
【出願人】(393029974)クラシエフーズ株式会社 (64)
【Fターム(参考)】