説明

リパーゼ阻害剤及び親油性の油吸収剤を含む医薬組成物、これから製造された経口投与用製剤

【課題】リパーゼ阻害剤を服用する時に惹起される油斑(oily spotting)、油状分便/排便、脂肪/油分を含む便、ガスによる放屁のような副作用を最小化することができ、肥満、高脂血症の予防及び治療に有用なリパーゼ阻害剤の経口投与用製剤を提供すること。
【解決手段】リパーゼ阻害剤、水素化ヒマシ油、水素化植物油、ベヘン酸グリセリル及びパルミチン酸ステアリン酸グリセリルで構成された群から選ばれた一つ以上の親油性の油吸収剤及び薬剤学的に許容される添加剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼ阻害剤及び親油性の油吸収剤を含む医薬組成物、これから製造された経口投与用製剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リパーゼ阻害剤は、トリグリセリドをグリセロール及び遊離脂肪酸に分解する脂肪分解酵素であるリパーゼの作用を抑制して脂肪の体内吸収率を減少させることにより、肥満、高脂血症などの予防及び治療に用いられている。かかるリパーゼ阻害剤としては、リプスタチン(lipstatin)、オルリスタット(orlistat)、パンクリシン(panclicins)、ヘスペリジン(hesperidin)、エベラクトン(ebelactones)、エステラスチン(esterastin)及びこれらの誘導体、並びにバリラクトン(Valilactone)などが挙げられ、これらのうちテトラヒドロリプスタチン(tetrahydrolipstatin)として知られているオルリスタットは、ストレプトミセストキシトリチニ(Streptomyces toxytricini)によって排泄される天然生成物から由来する。オルリスタットは胃リパーゼ、膵リパーゼ及びカルボキシルエステルリパーゼのような多様なリパーゼに対する強力な阻害剤であって、肥満及び高脂血症の抑制または予防のための用途が米国特許第4,598,089号に開示されて、またこれはゼニカル(Xenical(登録商標))という商品名で市販されており、食事1回当り120mgの量で投与することによって食餌脂肪の吸収を約30%まで減少させる。
【0003】
しかし、リパーゼ阻害剤によって吸収されなかった脂肪は、大腸での水分吸収を防げ、固状の便から油成分が分離することになり、油斑(oily spotting)、ガスによる腹部膨満及び放屁、急な便意、脂肪/油分を含む便、排便回数の増加、便失禁などのような副作用を誘発する。これらの副作用のために患者は日常生活に支障をきたすので、結局、服用中断などに至るので(Mark Foxら, Diseases of the Colon & Rectum, 47, 2147−2156, 2004)、このような副作用を軽減させるための多くの試みが行われた。
【0004】
特に、リパーゼ阻害剤を服用している患者の糞便中に最も頻繁に観察される油斑(oily spotting)を抑制するために界面活性剤、乳化剤または分散剤を用いて大腸内で吸収されない脂肪を分散させるか、食餌繊維などの高粘性物質を用いて大腸内における水の粘性を増加させることによって乳化油の凝集・遊離(coalescence of the oil emulsion)を防止する方法、親油性化合物を用いて油を物理的に吸収する方法などが研究されている。
【0005】
例えば、国際特許公開第WO 2000/09122号では、リョート(登録商標)−シュガーエステルのような乳化剤を用いて水とオイルとを混合するか、均一に分散させた後、これを親水性のヒドロコロイド増粘剤に担持することによって乳化油の凝集・遊離現象を最小化することを開示している。しかし、乳化剤の添加は、却って、腸管上部の脂肪の吸収量自体を増加させ得、さらに前記親水性の増粘剤は遊離油の生成を防止せずにそのまま残存する傾向がある。
【0006】
また、国際特許公開第WO 2001/19340号は、オルリスタットを界面活性剤及び1種以上の分散剤で可溶化してリパーゼ阻害効果及び、遊離油の分散効果を向上させることによって油漏れ現象を減らすことができると開示している。しかし、可溶化されたオルリスタットが胃腸管を通じて血中に吸収されるという予期せぬ副作用を誘発することが明らかになった。
【0007】
一方、国際特許公開第WO 2002/98412号は、ショ糖脂肪酸エステルのような界面活性剤を用いて胃腸内でのオルリスタットの活性を増加させるとともに、遊離油を安定した乳化液に転換させることによって吸収されなかった脂肪による副作用を減少させることを開示している。しかし、このような界面活性剤の添加による安定した乳化液の形成は、また、現実的に胃腸管の内部のような環境変化が激しい条件下では期待することができない。さらに、添加された界面活性剤が、小腸ではオルリスタットの活性促進剤として、大腸では脂肪乳体乳剤として作用するように好適な製剤学的な工夫が必要である。
【0008】
さらに、国際特許公開第WO 2003/090742号は、リパーゼ阻害剤とともにこんにゃく(グルコマンナン)を用いることによって、大腸内における水分の粘性を増加させて吸収されなかった油を安定させることによって乳化油の凝集・遊離現象を防止する方法を開示している。しかし、この方法は限定された量の水分が存在する試験管内実験(in vitro)でのみ可能なものであって、実際に水分の吸収が盛んに行われる大腸での再現性はない。
【0009】
また、国際公開特許第WO 2000/09123号は、キトサンを添加して遊離脂肪を吸収させることによって油漏れを減少させることを開示している。しかし、臨床試験を行った結果、キトサンが脂肪を吸収して脂肪の吸収を抑制する効果がないことを確認した(M.D.Gades 及びJ.S.Stern, International Journal of Obesity, 26, 119−122,2002;及びRoberto Guercioliniら、Obesity Research, 9(6):364−367, 2001)。
【0010】
従って、本発明者らは、リパーゼ阻害剤の服用時に引き起こされる副作用を最小化するために鋭意研究を重ねた結果、水素化ヒマシ油のような密度の低い固相の油吸収剤が、リパーゼ阻害剤の作用によって生成される非吸収油の粘度を増加させるか非吸収油を吸収することで副作用を最小化することを見出して本発明を完成するに至った。
【特許文献1】米国特許第4,598,089号
【特許文献2】国際特許公開第WO 2000/09122号
【特許文献3】国際特許公開第WO 2001/19340号
【特許文献4】国際特許公開第WO 2002/98412号
【特許文献5】国際特許公開第WO 2003/090742号
【特許文献6】国際公開特許第WO 2000/09123号
【非特許文献1】Mark Foxら, Diseases of the Colon & Rectum,47,2147−2156,2004
【非特許文献2】M.D.Gades及びJ.S.Stern, International Journal of Obesity, 26, 119−122,2002;及びRoberto Guercioliniら、Obesity Research, 9(6):364−367, 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的はリパーゼ阻害剤の服用の際に発生する副作用を最小化することができるリパーゼ阻害剤を含む医薬組成物を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、前記医薬組成物から製造された経口投与用製剤及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、リパーゼ阻害剤と、水素化ヒマシ油、水素化植物油、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル及びこれらの混合物からなる群から選ばれた親油性の油吸収剤と、薬剤学的に許容される添加剤とを含むことを特徴とする医薬組成物を提供する。
【0014】
また、本発明は、リパーゼ阻害剤及び薬剤学的に許容される添加剤を含む顆粒または混合物を製造する段階(ステップ1)、
水素化ヒマシ油、水素化植物油、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル及びこれらの混合物からなる群から選ばれた親油性の油吸収剤及び薬剤学的に許容される添加剤を含む顆粒を製造する段階(ステップ2)、
前記ステップ2で得られた親油性の油吸収剤を含する有顆粒を腸溶性コーティング剤でコートする段階(ステップ3)、及び
記ステップ3で得られた親油性の油吸収剤を含有するコートされた顆粒と、前記ステップで得られたリパーゼ阻害剤を含有する顆粒または混合物とを個別的に或いは混合して製剤化する段階(ステップ4)を含むことを特徴とする、リパーゼ阻害剤の経口投与用製剤の製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明は前記方法によって製造されたリパーゼ阻害剤の経口投与用製剤を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明による親油性の油吸収剤を含むリパーゼ阻害剤は、リパーゼ阻害剤を服用する時に惹起される腹部膨満、油斑(oily spotting)、脂肪/油分を含む便、急な便意、排便回数の増加及び便失禁/遊離油失禁のような副作用を最小化することによって患者の苦痛を緩和することができるので、肥満、高脂血症の予防及び治療に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のリパーゼ阻害剤の医薬組成物は、遊離油によって発生する多様な副作用を解消するために、固相の密度の低い親油性の油吸収剤を含むことで遊離油の粘度を増加させるか、遊離油を吸収させることを特徴とする。
【0018】
本発明の医薬組成物の有効成分として用いられるリパーゼ阻害剤は、リパーゼ、例えば胃及び膵リパーゼの活性を抑制することができるあらゆる化合物を意味し、代表的な例としては、リプスタチン、オルリスタット、パンクリシン、ヘスペリジン、エベラクトン、エステラスチン及びこれらの誘導体、並びにバリラクトンなどが挙げられ、さらに、これらの化合物の薬剤学的に許容される塩も含まれる。
【0019】
前記親油性の油吸収剤は、体内で固状を維持するために体温より高い融点を有し、油層に容易に分散して油と接触できるように水より密度が低くなければならない。油層に分散した親油性の油吸収剤は、その相対量によって液相油の粘度を増加させるか、液相油を吸収させることで半固形或いは固形脂肪に転換させる。このような液相油の物理的な変化はリパーゼ阻害剤の作用によって生成した胃腸管内の遊離油の流動性を抑制し、遊離油の漏れ現象を最小化することができる。
【0020】
本発明の医薬組成物に用いられる好適な前記親油性の油吸収剤としては、例えば、水素化ヒマシ油、水素化植物油、ベヘン酸グリセリル、及びパルミチン酸ステアリン酸グリセリル及びこれらの混合物が挙げられ、特に水素化ヒマシ油及び水素化植物油が好ましい。
【0021】
前記水素化植物油の好適な例としては、タイプI水素化植物油が挙げられ、特に水素化木化綿実油(hydrogenated cotton seed oil)、水素化ヤシ油(hydrogenated palm oil)及び水素化大豆油(hydrogenated soybean oil)がより好ましい。
【0022】
本発明の医薬組成物において、前記親油性の油吸収剤はリパーゼ阻害剤100重量部に対して10〜5,000重量部の量で含まれ、好ましくは400〜5,000重量部の量で含まれる。
【0023】
本発明の医薬組成物は、親水性のヒドロゲル及び/または抗鼓腸剤(anti−flatulent agent)をさらに含み得る。
【0024】
前記親水性のヒドロゲルは、水溶性または吸湿性である高分子物質であって、大腸内に存在する過剰水分を吸収するか、または液の粘度を増加させでその体積を減らす効果を奏する。
【0025】
リパーゼ阻害剤の服用により生成された非吸収油は大腸内の微生物により分解されて脂肪酸を形成させ、この脂肪酸は水分吸収を妨害するために便の組成物の変化、便の体積増加及び粘度減少を招き、また、固形の便における脂肪油凝集・遊離に起因する油漏れ、急な便意、下痢のような副作用を引き起こす。(R.C.Spillerら、Gastroenterology, 91, 100−107,1986;HelmutV.ら、Gastroenterology, 65, 744−749, 1973;Wayne L.Ambrozeら、Diseases of the Colon & Rectum,34(1),1−7,1991;Mark Foxら、Diseases of the Colon & Rectum,47(12),2147−2156,2004;及びM.Foxら、Aliment.Pharmacol.Ther.,19,311−321,2004)。従って、前記親油性の油吸収剤とともに親水性のヒドロゲルを添加すると、大腸における過剰の水分を吸収するか、水の粘度を増加させて色々な副作用を減少させ得る。
【0026】
前記親水性のヒドロゲルの例としては、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カーボポル、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、セルロースガム、ジェランガム、トラガカントゴム、カラヤゴム、グァーガム、アラビアゴム、オオバコ及びこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
前記ポリエチレンオキシドとしては、特に限定されないが、例えば、分子量が1,000〜7,000kDaであることが好ましい。また、前記ヒドロキシアルキルセルロースとしては、特に限定されないが、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。さらに、前記ヒドロキシプロピルアルキルセルロースとしては、特に限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。
【0028】
本発明の医薬組成物において、親水性のヒドロゲルはリパーゼ阻害剤100重量部に対して10〜1,000重量部の量で含まれる。
【0029】
また、前記抗鼓腸剤は、リパーゼ阻害剤を服用する患者に発生しやすい腹部膨満や放屁及び遊離油の漏れ現象を抑制する役割をする。かかる抗鼓腸剤としては、例えば、活性炭、シメチコン及びこれらの誘導体、シサプリド、ネオスチグミン(neostigmine)及びこれらの誘導体、筋肉弛緩剤、ハッカ油及びこれらの混合物が挙げられ、そのうちシメチコンが好ましい。
【0030】
本発明の医薬組成物において、前記抗鼓腸剤はリパーゼ阻害剤100重量部に対して20〜2000重量部の量で含まれる。
【0031】
また、本発明の医薬組成物は、一つ以上の薬剤学的に許容される添加剤をさらに含むことができるが、前記添加剤の例としては、結合剤、賦形剤、膨張剤、界面活性剤、潤滑油、酸化防止剤、発泡剤、香味剤などが含まれる。
【0032】
前記結合剤としては、ポリビニルピロリドン、コポビドン、ゼラチン、デンプン、スクロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルアルキルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
前記賦形剤としては、乳糖、デキストリン、マンニトール、ソルビトール、デンプン、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、糖類及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
前記膨張剤としては、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースカルシウム、架橋カルボキシメチルセルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、メタクリル酸カリウム−ジビニルベンゼン共重合体、アミロース、架橋アミロース、デンプン誘導体、微結晶性セルロース及びセルロース誘導体、シクロデキストリン、デキストリン誘導体及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されなく、好ましくは、ポリ(オキシエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)ステアリン酸、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリグリコール化グリセリド、ポリ(オキシエチレン)ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポロキサマー、脂肪酸塩、胆汁塩、アルキル硫酸塩、レシチン、胆汁塩とレシチンとの混合ミセル、ショ糖エステル、ビタミンE TPGS、ラウリル硫酸ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
前記潤滑油としては、ステアリン酸塩、タルク、コーンスターチ、カルナバワックス、軽質無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、硬化油、白ろう、酸化チタン、微結晶性セルロース、マクロゴ−ル4000及び6000、ミリスチン酸イソプロピル、リン酸水素カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
かかる薬剤学的に許容される添加剤は、本発明の医薬組成物においてリパーゼ阻害剤100重量部に対して1〜5,000重量部の量で含むことができる。
【0038】
さらに、本発明は、リパーゼ阻害剤及び薬剤学的に許容される添加剤を含む顆粒または混合物を製造する段階(ステップ1)、
水素化ヒマシ油、水素化植物油、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル及びこれらの混合物からなる群から選ばれた親油性の油吸収剤及び薬剤学的に許容される添加剤を含む顆粒を製造する段階(ステップ2)、
前記ステップ2で得られた親油性の油吸収剤を含する有顆粒を腸溶性コーティング剤でコートする段階(ステップ3)、及び
前記ステップ3で得られた親油性の油吸収剤を含有するコートされた顆粒と、前記ステップで得られたリパーゼ阻害剤を含有する顆粒または混合物とを個別的に或いは混合して製剤化する段階(ステップ4)とを含むことを特徴とする、リパーゼ阻害剤の経口投与用製剤の製造方法を提供する。
【0039】
前記本願発明による製造方法は、親油性の油吸収剤が、リパーゼ阻害剤が活性化された後で、遊離油にのみ接触するようにリパーゼ阻害剤とは別途に親油性の油吸収剤を含む顆粒を製造した後、得られた顆粒を腸溶性或いは大腸溶解性コーティング剤でコートすることによって親油性の油吸収剤の使用量を最小化するとともに、リパーゼ阻害剤の作用効果を維持しながら、親油性の油吸収剤への食べ物の影響を最小化するだけでなく、消化酵素による親油性の油吸収剤自体の分解及び吸収を最小化するという特徴を有する。
【0040】
まず、リパーゼ阻害剤及び親油性の油吸収剤をそれぞれ薬剤学的に許容される添加剤とともに混合して顆粒または混合物を製造する。前記親油性の油吸収剤の場合は、コート工程を経なければならないので、顆粒の形態であるものが好ましい。前記顆粒は、乾式顆粒、湿式顆粒、融解顆粒または流動顆粒状であるか、高速回転方式、直接圧縮、成型、抽出によって製造されるが、これらに限定されない。
【0041】
前記リパーゼ阻害剤及び親油性の油吸収剤を含む顆粒または混合物を製造する時に親水性のヒドロゲル及び/または抗鼓腸剤をさらに添加し得るが、この親水性のヒドロゲルは大腸で吸収されない水分の粘度を増加させるか、吸収するためのものであり、また前記抗鼓腸剤は消化異常により発生する過度なガス生成による腹部膨張を緩和させるためのものである。
【0042】
前記親油性の油吸収剤を含む顆粒は、腸溶性コーティング剤或いは大腸溶解性コーティング剤でコートされることが好ましく、この親油性の油吸収剤は、リパーゼ阻害剤の作用で生成され、吸収されなかった遊離油が小腸の下部だけに影響を及ぼし、また、薬物の安定性維持、放出制御、薬物の初期バースト放出の抑制及び薬剤の味マスキングなどの効果も奏する。
【0043】
前記コート層は、前記1種以上の腸溶性コーティング剤を溶媒に溶解させて得られたコーティング液を顆粒と一緒にコーティング装置パンや流動層装置を用いて噴霧/噴射して形成しても良く、静電粉体塗装技術、ドライコーティング、ホットメルトコーティング、又はこれらの組み合わせを用いて形成しても良い。
【0044】
前記コーティング剤としては、エチルセルロース、シェラック、アンモニオメタクリレート共重合体、アミノアルキルメタクリレート共重合体、メタクリレート共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシペンチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、ヒドロキシプロピルペンチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレートナトリウム、セルロースアセチルフタレート、セルロースエーテルフタレート、メタクリル酸とメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸エチルとのアニオン性共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセチルフタレート、オパドライ(Opadry(登録商標)、カラルコン製)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
前記コーティング剤はコートする顆粒に対し1〜50重量%の量を用いることが好ましい。
【0046】
また、前記コーティング液を製造するための溶媒としては、水、エタノール、アルコール(例えば、メタノール、イソプロピルアルコールなど)、アセトン、アセトニトリル、塩化メチレン、エーテル、ヘキサン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸メチル及びこれらの混合物が挙げられる。
【0047】
前記コート層には、着色剤、抗酸化剤、滑石、二酸化チタン、香味剤だけでなく、可塑剤をもさらに含むことができ、前記可塑剤の例としては、ヒマシ油、脂肪酸、置換トリグリセリド及びグリセリド、クエン酸トリエチル、分子量が300〜50,000Daであるポリエチレングリコール及びその誘導体並びにこれらの混合物が含まれる。
【0048】
前記リパーゼ阻害剤を含む顆粒または混合物、及びコーティング前後の親油性の油吸収剤含有顆粒は、混合前にそれぞれ独立的に製剤化されても良く、或いは混合後製剤化されても良い。前記製剤は錠剤、チュアブル錠、コーティング錠、丸剤、散剤、カプセル剤、サシェ剤、シロップ剤、エマルジョン剤、マイクロエマルジョン剤または懸濁剤などのような多様な経口製剤形態で製造され得る。このような経口製剤は薬学的に許容される担体及び賦形剤を含むことができ、その例としては、セルロース、ケイ酸カルシウム、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、デキストロス、燐酸カルシウム及びステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ゼラチン、タルク、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤、賦形剤などが挙げられる。
【0049】
前記リパーゼ阻害剤の経口製剤の投与量は、リパーゼ阻害剤の種類によって通常の1日服用量が決定されるが、例えば、オルリスタットの場合、一日に60〜720mgが適当であり、これは病気の種類、患者の調子、患者の重症度、投与の頻度及び医者の処方によって適切に調節することができ、また、1日単回投与又は数回に分けて分割投与することができる。
【0050】
本発明による親油性の油吸収剤を含むリパーゼ阻害剤は、リパーゼ阻害剤を服用する時に発生される腹部膨満、油斑(oily spotting)、脂肪/油分を含む便、急な便意、排便回数の増加及び便失禁/遊離油失禁のような副作用を最小化することで患者の苦痛を緩和することができるので、肥満及び高脂血症の予防及び治療に有用である。
【0051】
以下に、本発明を下記実施例によってより具体的に説明する。但し、これらの実施例は本発明を例示するだけであり、本発明を制限しない。
【0052】
[例]
[試験例1]親油性の油吸収剤の選択
リパーゼ阻害剤の作用のため吸収されなかった遊離油を効果的に吸収することができる親油性の油吸収剤を選択するために、従来分散剤及び吸収剤として用いられた多様な物質を対象として下記のように吸収試験を行った。下記の表1に示すように各々の物質1.5g(但し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリエチレンオキシドは0.1g、軽質無水ケイ酸は0.5g)、大豆油5g及び精製水15gを試験管に入れてから2分間混合した後、3,000gで5分間遠心分離した。遠心分離により分離された油層の上澄液を定量分析して液各物質の吸収度を比較した。
【表1】

【0053】
前記表1での残渣油量は、吸収後の油層の重量を測定したものであり、吸収率は吸収された油の量(合計油量から残渣流量を除いた量)を総油量に対する割合で示したものである。分散剤を用いたので、残渣油量は油の分散層を除いた上澄の油量を意味し、吸収率は総油量(5g)に対する分散層内の油量の割合を意味する。
【0054】
従って、80%以上の吸収率を示したポロキサマー及びポリエチレングリコールは、油層、分散層及び水層に分離し、このうち油層が初期油量の20%未満の量を含むことを意味する。しかし、油分散層は依然として低粘度のままであるため、密度を除いては油層と類似した特性を有するので、遊離油の漏れの減少効果は期待し難い。
【0055】
特に、分散剤を使用したとき100%の吸収率を示すことは、油相が水層上の油分散層だけで存在する場合であって、油相或いは水相だけを分離することが不可能な状態を意味する。しかし、この場合も、油分散層は依然として低粘度のまま存在するので、遊離油の漏れは減少しない。
【0056】
このように100%の吸収率を示したスクロースエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベートは優れた分散力を有するが、かかる分散状態は水分が不足しやすい大腸では不安定となり、食餌脂肪の乳化及び油の吸収を促進するという問題点がある。
【0057】
前記吸収剤の場合、固形或いは半固形の状態で油を吸収して油相及び水相とは別途に存在する。特に、水素化ヒマシ油、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル及び軽質無水ケイ酸が優れた吸収力を有するが、これらの成分は遠心分離後でも半固相の油塊を形成する。特に軽質無水ケイ酸は水とオイルを同時に吸収し、また、低密度であるので、定量または添加剤として用いるに適切ではない。ベヘン酸グリセリルびパルミチン酸ステアリン酸グリセリルの場合は、油の半固相の油塊からの若干の油漏れがさらに観察され、特にパルミチン酸ステアリン酸グリセリルの場合は、相対的に融点が低いため、保管時粉末が固くなって顆粒製造の際に別の製粉工程が要求されるという煩わしさがあるにもかかわらず、高い吸収率を有するという点においては好ましい。一方、水素化ヒマシ油は37℃ではもちろん室温でも安定した油の吸収率を維持するので、吸収剤のうち最も好ましい。
【0058】
[実施例1]:オルリスタットを含む顆粒の製造
下記表2に記載された量のオルリスタット、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウムを30番メッシュでふるってから混合した。前記混合物に溶媒エタノールに溶かしたポリビニルピロリドンK30溶液を添加した。得られた混合物は14番メッシュでふるってから乾燥させ、16番メッシュでふるった後で顆粒を製造した。次いで、得られた顆粒にタルクを添加した。
【表2】

【0059】
[実施例2〜11]:水素化ヒマシ油を含む顆粒の製造
下記表3に記載された成分を30番メッシュでふるってから混合した。得られた混合物を流動層装置に入れて精製水を高速回転させて噴射させて水素化ヒマシ油を含む顆粒を製造した。
【表3】

【0060】
[実施例12〜13]:コートされた水素化ヒマシ油を含む顆粒の製造
前記実施例9及び11で製造された顆粒のうち20メッシュ以上45メッシュ未満の粒径を有する顆粒のみを選別した後、選ばれた顆粒をウルスター(Wurster)流動層装置に仕込み、下記の表4に記載された成分から製造されたコーティング液を29〜31℃の温度で噴射することでコートした。
【表4】

【0061】
従って、水素化ヒマシ油をリパーゼ阻害剤とは別途の顆粒として製造した後、小腸或いは大腸でのみ作用するように腸溶性コーティング剤でコートすれば、食べ物に含まれた脂肪及びリパーゼのような消化酵素の影響を最小化することができる。
【0062】
[実施例14〜20]:混合製剤の製造
前記実施例1で製造したオルリスタットを含む顆粒に実施例13で製造した顆粒とその他の添加剤とを下記の表5に記載された量で混合した。実施例14、15、19及び20の混合物はそれぞれサシェに充填し、実施例16〜18はそれぞれ圧縮して錠製として製造した。
【表5】

【0063】
[試験例2]生体内の実験
前記製造された製剤の副作用減少の効果を調査するために、オリーブ油と各製剤とをウサギに経口投与し、ウサギの盲膓から内容物を抽出して遊離油の量を定量化した。盲膓はオルリスタットによって吸収されなかった脂肪を臨時貯蔵する場所であり、吸収されなかった液相油の一部は固相と結合し、他の一部は浮遊油として存在する。
【0064】
前記投与実験は体重2〜2.5kgのウサギを用いて行った。オリーブ油だけを投与したウサギを対照群として、オルリスタット顆粒(商品名:XENICAL(登録商標))とオリーブ油とを投与したウサギを比較群とした。各群のウサギに下記表6のような製剤を一日に3回(8時間間隔で)経口投与し、投与間隔の間には自由摂取が可能な環境下で放置した。5時間後、ウサギを犠牲させて盲膓の内容物を精製水で希釈した後、上澄物のみを抽出した。抽出した上澄物を遠心分離(2000g、30分)して油層を分離した後、遊離油の量を測定して下記表6に示した。
【0065】
下記表6における遊離油の量は、盲膓の内容物1gに含まれた遊離油の量を示す。
【表6】

【0066】
前記表6に示したように、オリーブ油だけを投与した対照群に比べて比較群の場合は、約5倍の遊離油が発生した。かかる遊離油は、実施例14による製剤服用の際、水素化ヒマシ油の油吸収作用によって遊離油の量は比較群より60%減少し、実施例15による製剤服用の際には親水性のヒドロゲルを追加的に添加することで吸収されない水分さえも吸収するために、比較群より70%以上の遊離油を除去することができた。親油性の油吸収剤なしで親水性のヒドロゲルとリパーゼ阻害剤だけを含有する群(実施例19及び20)の場合、比較群に比べて遊離油の減少効果は少しあったが、有意的な水準ではない。
【0067】
一方、盲膓は糞便成分と水分とが共存する部位であって、その後、大腸内で水分が吸収されて固形の便が排出される。従って、盲膓内に残存する油は、そのまま排出されるか或いは便とともに排出される。
【0068】
前記結果から親油性の油吸収剤として水素化ヒマシ油を含むコートされた顆粒がオルリスタットの活性化後に形成され、吸収されなかった油を吸収するか、粘性を増加させて油斑のような副作用が最小化できることが分かり、また、親水性のヒドロゲルの添加により吸収されなかった水分の吸収効果を高め、便からの油漏れ現象を減少させるとともにして更なる遊離油の生成を抑制することができる。。
【0069】
以上、本発明を好ましい実施例により説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で本発明の技術分野に属する当業者によって多様な変形及び変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リパーゼ阻害剤と、
水素化ヒマシ油、水素化植物油、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル及びこれらの混合物からなる群から選ばれた親油性の油吸収剤と、
薬剤学的に許容される添加剤とを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項2】
前記リパーゼ阻害剤がリプスタチン(lipstatin)、オルリスタット(orlistat)、パンクリシン(panclicins)、ヘスペリジン(hesperidin)、エベラクトン(ebelactones)、エステラスチン(esterastin)及びこれらの誘導体、並びにバリラクトン(Valilactone)またはその薬剤学的に許容される塩であることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記親油性の油吸収剤が前記リパーゼ阻害剤100重量部に対して10〜5,000重量部の量で含まれることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記水素化植物油が水素化綿実油(hydrogenated cotton seed oil)、水素化ヤシ油(hydrogenated palm oil)、水素化大豆油(hydrogenated soybean oil)及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
抗鼓腸剤(anti−flatulent agent)、親水性のヒドロゲルまたはこれらの混合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記抗鼓腸剤が活性炭、ジメチコン及びこれらの誘導体、シサプリド、ネオスチグミン(neostigmine)及びこれらの誘導体、筋肉弛緩剤、ハッカ油及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記抗鼓腸剤がリパーゼ阻害剤100重量部に対して20〜2,000重量部の量で含まれることを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記親水性のヒドロゲルがポリエチレンオキシド、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カーボポル、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、セルロースガム、ジェランガム、トラガカントゴム、カラヤゴム、グァーガム、アラビアゴム、オオバコ及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記親水性のヒドロゲルがリパーゼ阻害剤100重量部に対して10〜1,000重量部の量で含まれることを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記薬剤学的に許容される添加剤が、結合剤、賦形剤、膨張剤、界面活性剤、潤滑油、酸化防止剤、発泡剤、香味剤及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記結合剤がポリビニルピロリドン、コポビドン、ゼラチン、デンプン、スクロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルアルキルセルロース及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記賦形剤が乳糖、デキストリン、マンニトール、ソルビトール、デンプン、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、糖類及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記膨張剤が架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースカルシウム、架橋カルボキシメチルセルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、メタクリル酸カリウム−ジビニルベンゼン共重合体、アミロース、架橋アミロース、デンプン誘導体、微結晶性セルロース及びセルロース誘導体、シクロデキストリン、デキストリン誘導体及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記界面活性剤がポリ(オキシエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ(オキシエチレン)ステアリン酸、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリグリコール化グリセリド、ポリ(オキシエチレン)ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポロキサマー、脂肪酸塩、胆汁塩、アルキル硫酸塩、レシチン、胆汁塩とレシチンとの混合ミセル、ショ糖エステル、ビタミンE TPGS、ラウリル硫酸ナトリウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記潤滑油がステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、コーンスターチ、カルナバワックス、軽質無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、硬化油、白ろう、酸化チタン、微結晶性セルロース、マクロゴ−ル4000及び6000、ミリスチン酸イソプロピル、リン酸水素カルシウムからなる群から選ばれることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項16】
リパーゼ阻害剤及び薬剤学的に許容される添加剤を含む顆粒または混合物を製造する段階(ステップ1)、
水素化ヒマシ油、水素化植物油、ベヘン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル及びこれらの混合物からなる群から選ばれた親油性の油吸収剤及び薬剤学的に許容される添加剤を含む顆粒を製造する段階(ステップ2)、
前記ステップ2で得られた親油性の油吸収剤を含有する有顆粒を腸溶性コーティング剤でコートする段階(ステップ3)、及び
前記ステップ3で得られた親油性の油吸収剤を含有するコートされた顆粒と、前記ステップで得られたリパーゼ阻害剤を含有する顆粒または混合物とを個別的に或いは混合して製剤化する段階(ステップ4)を含むことを特徴とする、リパーゼ阻害剤の経口投与用製剤の製造方法。
【請求項17】
前記ステップ1又は2における顆粒または混合物を製造する過程において抗鼓腸剤、親水性のヒドロゲルまたはこれらの混合物がさらに添加されることを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記腸溶性コーティング剤がエチルセルロース、シェラック、アンモニオメタクリレート共重合体、アミノアルキルメタクリレート共重合体、メタクリレート共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシペンチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、ヒドロキシプロピルペンチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレートナトリウム、セルロースアセチルフタレート、セルロースエーテルフタレート、メタクリル酸とメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸エチルとのアニオン性共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセチルフタレート、オパドライ(Opadry(登録商標)、カラルコン製)、及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
【請求項19】
前記請求項16の方法によって製造されたリパーゼ阻害剤の経口投与用製剤。
【請求項20】
前記製剤が錠剤、チュアブル錠、コーティング錠、丸剤、散剤、カプセル剤、サシェ剤、シロップ剤、エマルジョン剤、マイクロエマルジョン剤または懸濁剤の形態であることを特徴とする請求項19に記載の経口投与用製剤。

【公表番号】特表2009−534375(P2009−534375A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506417(P2009−506417)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001938
【国際公開番号】WO2007/123338
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(503327691)株式會社アモーレパシフィック (73)
【住所又は居所原語表記】181, Hankang−ro 2−ka, Yongsan−ku, Seoul 140−777 Republic of Korea
【Fターム(参考)】