説明

リフィル皿保護容器

【課題】リフィル皿の押し込む側を指入れ部が形成されていない側に制限することにより、常に指入れ部が形成されている側のリフィル皿が収納部から外れて、収納したリフィル皿を確実かつ容易に取り外すことが可能なリフィル皿保護容器の提供。
【解決手段】天面12と、該天面12の周縁より略垂下する周壁13と、該周壁13の下端より外向きに形成されたフランジ部14とを有し、有底皿状の化粧料リフィル皿11の上部より被嵌することで該リフィル皿11を収納可能なリフィル皿保護容器1であって、収納されたリフィル皿11の側壁13上端と該突起部が当接することにより天面12とリフィル皿11との間に空間が形成され、指入れ部に対向する周壁側のリフィル皿11の底部を該空間方向へ押し込むことにより、対向して形成された2つの前記突起部を支点として指入れ部を有する側のリフィル皿の一部が保護容器から離脱するリフィル皿保護容器1

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料を充填したリフィル皿に被嵌して内容物の化粧料およびリフィル皿を収納、保護するためのリフィル皿保護容器に関し、更に詳細には、一枚のシートより成型され、収納したリフィル皿をシーソー式離脱機構によって確実かつ容易に取り外すことが可能なリフィル皿保護容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化粧品の分野では、ファンデーションやアイカラー、頬紅等を中心に、詰め替えが可能なリフィル容器による提供がなされるようになっている。このタイプの化粧料は使い切った後に、リフィル用化粧料を購入し、繰り返し詰め替え使用するというものである
【0003】
こうしたリフィル用化粧料は、一般的に、リフィル皿に充填され、簡易な保持ケースに入れられ、保護された状態で販売されている。そして従来の保持ケースとして、リフィル皿を収納する容器体保持部と蓋部とから構成されているものがあるが(特許文献1、2)、より構成を簡略化して一枚のシートより一体成型すれば、資源やゴミの軽減に貢献するため好ましい。
【0004】
一方、構成を簡易なものとすると、収納されたリフィル皿が外部からの衝撃等で脱落しやすくなるおそれがある。そのため、かかる脱落を防ぐために保持ケースのリフィル皿に対する係合保持力を高める必要があるが、その場合、逆にリフィル皿を保持ケース内から取り外しにくくなるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本出願人は、かかる問題を解消すべく、リフィル皿収納部のほぼ中央に凸部を設けて、リフィル皿の裏側の一方を収納部内に押し込むと、該凸部を支点として押された側とは反対側が収納部から持ち上がり容易に取り外すことができるというリフィル皿用保護容器を出願している(特許文献3、4)。
【0006】
かかるシーソー式離脱機構を採用する場合、収納部から持ち上がったリフィル皿の端部を簡単に指で把持できるよう、あらかじめ収納部の壁面の一部を切り欠いて、あるいは切り欠き可能に形成して、その部分から指を入れることが出来るようにすると、リフィル皿の取り外しがより容易となる。
【0007】
しかしながら、かかる切り欠き部が収納部壁面の一方にしかない場合、以下のような問題が生じていた。すなわち、リフィル皿収納部の中央に凸部を設けることにより、左右のいずれを押しても押された方と反対側のリフィル皿が収納部から外れるため、指入れ部が形成された側のリフィル皿の裏側を押すと、指入れ部が形成されていない側のリフィル皿が外れて収納部から持ち上がることになる。その結果、指入れ部が形成されていない収納部壁面とリフィル皿との間にできた狭い空間に指を入れてリフィル皿端部を把持しなければならず、取り外し易さが損なわれるおそれがあった。
【0008】
【特許文献1】特開平10−75817
【特許文献2】特開平11−276240
【特許文献3】特開2003−265224
【特許文献4】特開2004−275640
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、従来のリフィル皿保護容器のかかる欠点を克服し、リフィル皿の裏側の一方を収納部内に押し込むと、凸部を支点として押された側とは反対側が収納部から持ち上がって外れるシーソー式離脱機構を備えたリフィル皿保護容器において、リフィル皿の押し込む側を指入れ部が形成されていない側に制限することにより、常に指入れ部が形成されている側のリフィル皿が収納部から外れて、収納したリフィル皿を確実かつ容易に取り外すことが可能なリフィル皿保護容器の提供をその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであり、天面と、該天面の周縁より略垂下する周壁と、該周壁の下端より外向きに形成されたフランジ部とを有し、有底皿状の化粧料リフィル皿の上部より被嵌することで該リフィル皿を収納可能なリフィル皿保護容器であって、前記周壁は、リフィル皿の側壁に係止自在に形成された係止部と、リフィル皿の側壁の一部を露出するように形成された指入れ部と、リフィル皿保護容器内へ突出するように形成された少なくとも3つの突起部とを備え、該突起部は、その少なくとも1つが前記指入れ部を有する部分および/またはその周辺部の周壁に形成されるとともに、2つが指入れ部からほぼ等距離にある周壁の2箇所にそれぞれ1つずつ対向して形成されており、収納されたリフィル皿の側壁上端と該突起部が当接することにより天面とリフィル皿との間に空間が形成され、前記指入れ部に対向する周壁側のリフィル皿の底部を該空間方向へ押し込むことにより、対向して形成された2つの前記突起部を支点として指入れ部を有する側のリフィル皿の一部が保護容器から離脱することを特徴とするリフィル皿保護容器である。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかるリフィル皿保護容器は、周壁に形成された突起部により、指入れ部が形成されていない側のみにリフィル皿を押し込む場所が制限されるため、確実に指入れ部が形成されている側のリフィル皿が離脱され、常に安定してリフィル皿を取り外すことが可能となる。このように、取り外しの確実性が向上したため、容器全体の係合保持力を高めても外しにくいという問題は生じず、収納保護容器としての性能向上に資することになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)本発明のリフィル皿保護容器の平面図、(B)本発明のリフィル皿保護容器の正面図、(C)本発明のリフィル皿保護容器の側面図、(D)本発明のリフィル皿保護容器の部分拡大斜視図
【図2】(A)本発明のリフィル皿保護容器にリフィル皿を収納した状態を表す中央横断面図、(B)本発明のリフィル皿保護容器からリフィル皿を取り外している状態を表す中央横断面図、(C)本発明のリフィル皿保護容器に収納するリフィル皿の側壁形状の一例を表す部分斜視図、(D)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器にリフィル皿を収納した状態を表す中央横断面図
【図3】(A)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の平面図、(B)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の正面図、(C)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の側面図、(D)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の部分拡大斜視図
【図4】(A)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の平面図、(B)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の正面図、(C)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の側面図、(D)本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の部分拡大斜視図
【図5】本発明の異なる態様のリフィル皿保護容器の平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のリフィル皿保護容器の実施態様を、図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施態様に何ら制約されるものではない。
【0014】
図1(A)は本発明のリフィル皿保護容器の平面図、図1(B)は同正面図、図1(C)は同側面図、図1(D)は同部分拡大斜視図、図2(A)は本発明のリフィル皿保護容器にリフィル皿を収納した状態を表す中央横断面図、図2(B)は本発明のリフィル皿保護容器からリフィル皿を取り外している状態を表す中央横断面図である。図中、1はリフィル皿保護容器、2はリフィル皿、11は天面、12は周壁、13はフランジ部、14は突起部、15は突起部、121は係止部、122は指入れ部、123はジャバラ部、124は段差部、131は台座突起、21は側壁、22は底部、αは化粧料をそれぞれ示す。
【0015】
図1〜図2に示すように、本発明のリフィル皿保護容器1は、1枚のシートを成型することにより形成されている。具体的には、収納するリフィル皿2に合わせて平面視で4つの直線状部分を含む略角丸矩形に形成された天面11の周縁より周壁12が垂下し、同様に略角丸矩形を呈する周壁12が形成される。この周壁12の下端から外向きにフランジ部13が形成されている。リフィル皿保護容器1には、天面11と周壁12により下方に開口する空間が形成されており、リフィル皿用保護容器1をリフィル皿2の上部より被嵌することでリフィル皿2がかかる空間内に収納され保護される。
【0016】
周壁12には、四隅部分に係止部121が容器内側へ突出して形成されており、また、周壁12の短辺側の1辺に指入れ部122が形成されている。この指入れ部122は、周壁12のほぼ中央部分を容器外側へ凸起させることにより形成されている。このように、周壁12の一部を凸起させることにより、収納されたリフィル皿2の側壁の一部が外部に露出するとともに周壁12との間に空間が形成され、取り外し時にかかる空間に指を入れることで、リフィル皿2の端部を容易に把持することができる。また、指入れ部122の両側には段差部124が設けられており、かかる段差部124によって、他の平板な周壁部分に比べて外力に対する耐撓性が付与され、指入れ部122周辺の周壁12の強度を高めることができる。
【0017】
さらに、周壁12の天面11との境界部分には、突起部が計3箇所形成されている。すなわち、指入れ部122が形成されている直線状の周壁12(短辺側)に、ひとつの突起部15が容器内側へ突出して形成され、かかる周壁12(短辺側)に隣接する直線状の周壁12(長辺側2辺)のほぼ中央部分に、ふたつの突起部14が対向して容器内側へ突出するように形成されている。これら突起部の互いの位置関係は、少なくとも1つの突起部15が指入れ部122が形成された周壁12および、またはその周辺部の周壁12に形成されているのに対し、2つの突起部14が指入れ部122の両端からのびる周壁12における、指入れ部112から左右にほぼ等距離にある2箇所にそれぞれ1つずつ対向して形成されていればよい。突起部15の個数は少なくとも1つであるが、周壁12(短辺側)の寸法上の制約から、1つ〜5つ程度、特に1つ〜2つが好ましい。指入れ部122の両端から2つの突起部14への距離は、シーソーの作用によりリフィル皿2の一部が保護容器1から離脱可能になれば任意に設定可能であるが、保護容器1の係合保持が容易に外れ、かつ、リフィル皿2の端部を把持するのに十分な位置まで持ち上がるために、2つの突起部14が、指入れ部122と、指入れ部122に対向する周壁12を結ぶ左右両周壁12のそれぞれ略中央部に位置するよう形成されていることが望ましい。なお、本実施態様において、これらの突起部は平面視で略台形に形成されており、断面視では周壁12の上部と天面11との入れ角部分に階段状に形成されているが、形状はこれに限らず、平面形状が正方形、長方形、半円形、三角形、かまぼこ型などでもよく、さらに、対向して設けた突起部14を連結して平面視が長方形となるひとつの突起部とし、その断面形状を半円形やかまぼこ型にしてもよい。
【0018】
図2(A)に示すように、リフィル皿保護容器1内にリフィル皿2を収納した場合、リフィル皿2の側壁21の上端が突起部14および突起部15の下部に当接した状態になっており、リフィル皿2の上部(化粧料面)と天面11との間に空間が形成されることになる。そして、収納されたリフィル皿2の保持は、リフィル皿2の側壁に形成された被係止部と周壁12に設けられた係止部121が互いに係合し、更に、突起部14および突起部15によって上方向への動きも規制されることによりなされる。リフィル皿保護容器1内へのリフィル皿2の装着または取り外しは、基本的にリフィル皿保護容器1の可撓性を利用することにより行われる。
【0019】
リフィル皿2の側壁21に形成された被係止部と係止部121の係合方法については、係合可能であればその方法は特に限定されないが、係止部121が本実施態様のように容器内側へ突出した凸部である場合には、被係止部として、例えばリフィル皿2の側壁21に図2(C)に示すような段部23を設ければ、リフィル皿2の収納状態において係止部121の凸部が、段部23の下の凹んだ(引っ込んだ)部分に収容され、係合が有効になされる。また、被係止部の他の例として、リフィル皿2の側壁21上に水平方向に延びる凹溝や、係止部121の凸部に対応する位置に凹み等を設けてもよく、係止部121との係合が可能である。一方、係止部121が容器内側から見て凹部となっている場合には、被係止部としてはリフィル皿2の側壁に、該凹部に対応する凸部を設ければ両者の係合は可能であり、使用できる。このように、本実施態様のリフィル皿保護容器1は、突起部14、15、係止部121およびリフィル皿2の被係止部によってリフィル皿2を係合保持するが、被係止部を使用せずに、図2(D)に示すように係止部121をリフィル皿2の側壁21の下端部より下に位置させ、係止部121の凸部をリフィル皿2の底部22方向に突出させて、突起部14、15および係止部121だけでリフィル皿2を保持してもよい。さらに、係止部121のみで無理嵌合により、あるいは係止部121とその他の係止手段を組み合わせて保持してもよく、その場合、リフィル皿2の側壁21の上端が突起部14および突起部15の下部に常に接していなくてもよい。ただし、リフィル皿2をより確実に係合保持し、かつ、リフィル皿保護容器1の全体の大きさをよりコンパクトにするためには、突起部14、15、係止部121およびリフィル皿2の被係止部の組み合わせにより、リフィル皿2を係合保持することがより好ましい。なお、リフィル皿2の上部と天面11との間の距離は、突起部14および突起部15の高さを任意に設定することによって調整が可能であるが、1〜10mm程度あればよく、3〜5mmが好ましい。
【0020】
図2(B)は、本実施態様のリフィル皿保護容器1からリフィル皿2を取り外すときの状態を表す断面図である。リフィル皿保護容器1の周壁11には、ふたつの突起部14とひとつの突起部15が形成されており、突起部が形成されていないのは指入れ部122が形成された側とは反対の周壁側のみになる。よって、リフィル皿2の底部22であって、かかる周壁付近の任意の一部を天面11方向に押し上げると、リフィル皿2の上部と天面11の間の空間にリフィル皿2の端部が押し込まれることになる。このとき、リフィル皿2のふたつの長辺側の側壁21上端は、その中央部で突起部14に当接しているため、その接点が支点となって、シーソーの作用により指入れ部122側に収納されていたリフィル皿2の一部が係合を外れて容器内から持ち上がる。そして、指入れ部122より指を入れて、リフィル皿保護容器1の端部を把持して取り出せば、取り外し作業は完了する。
【0021】
この取り外し作業の際、仮に使用者が誤って突起部15側に収納されている容器の一部を押した場合も、突起部15によってリフィル皿2がリフィル皿保護容器1内に押し込まれることが阻止されるためリフィル皿2が外れることはない。このように、本発明のリフィル皿保護容器によれば、常に指入れ部122側の係合から外れるため、誤って指入れ部122とは反対側の係合を先に外してしまって取り出しに支障を来すこともない。
【0022】
また、本実施態様のリフィル皿保護容器1は、指入れ部122を設けていない周壁12にそれぞれ連続して凹溝を形成することによりジャバラ部123を設けている。このジャバラ部123の働きにより、1枚のシートから形成されたリフィル皿保護容器1全体の強度が向上する一方で、可撓性がより向上し、リフィル皿保護容器1の係止部121にリフィル皿2を係合させるときや、その係合を外す際、さらには、容器内からリフィル皿を取り出す際に、作業性の向上に資する。
【0023】
また、本実施態様のリフィル皿保護容器1は、周壁12の係止部121が設けられている付近のフランジ部13の一部が下方に突出して台座突起131を形成している。この台座突起131の効果は以下の通りである。すなわち、リフィル皿保護容器1はリフィル皿の収納・取り外し作業を容易にするために、全体に可撓性を有していることが好ましいが、その一方、あまりに容易に係合が外れると、ちょっとした外部からの衝撃でリフィル皿が脱落することになりかねない。そこで、全体の可撓性は維持しつつ、係止部における係合保持力を向上させる必要がある。その点、係止部121の近傍のフランジ部13に台座突起131を設けることにより、他の平板なフランジ部分に比べて外力に対する耐撓性が付与されるため、係止部121付近の周壁12の強度も向上し、よって、リフィル皿に対する係合保持力を高めることができる。
【0024】
さらに、台座突起131を製造ライン等において接地させることにより、リフィル皿保護容器1と床面の摩擦を低減し、移動性を向上させることもできる。また、箱容器への装填に際し、リフィル皿を装填したリフィル皿用保護容器1を箱容器へ収納した後、閉蓋時に箱容器に挿入される蓋板のフラップ(差込片)がリフィル皿保護容器1と接触する面積を少なくし、フラップの挿入を容易にして箱容器を組み立て易くすることができる。さらに、リフィル皿に対する緩衝作用も有する。
【0025】
本発明のリフィル皿保護容器1は、容器全体に適度な可撓性をもたせるために、ある程度の弾性を有する材料で形成することが望ましく、また、充填されたリフィル皿中の化粧料の色等を反対側から簡単に確認できるものとするために、透明な材料を使用することが好ましい。このような条件を満たす材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートやこれらの再生樹脂等のプラスチック材料等を挙げることができる。
【0026】
図3は、本発明のリフィル皿保護容器の異なる一態様を示す図である。本実施態様のものは、第一の態様のものと比べて基本的な構成は共通するが、指入れ部125の構成が相違する。詳しくは、本実施態様の指入れ部126は、突起部15側の周壁12の一部を切り欠くことにより形成されている。そして、切り欠いた縁部にはフランジ部126をフランジ部13から連続して設けることにより、指入れ部126周辺の強度を担保している。このような構成に指入れ部を形成することで、リフィル皿2の取り外しの際に端部をより容易に把持できるのみならず、指入れ部を外側へ凸起させた場合に比べて、フランジ部13の出っ張りが少なくなり、材料や保管時のスペースの軽減につながる。本実施態様では、指入れ部125は周壁12を山型に切り欠いて形成されているが、形状はこれに限らず、台形、長方形、正方形、かまぼこ型などでもよい。
【0027】
図4は、本発明のリフィル皿保護容器の更に異なる一態様を示す図である。本実施態様のものは、第一および第二の態様のものと比べて基本的な構成は共通するが、突起部16と指入れ部127の構成において相違する。すなわち、本実施態様の指入れ部127にはフランジ部がなく、単に周壁12を切り欠いただけのものとなっている。そこで、指入れ部127周辺の周壁12の強度を上げるためにも、突起部16を指入れ部127よりも更に幅広なものに形成している。すなわち、指入れ部127にフランジ部を設けない場合、指入れ部127周辺の周壁12は平板な1枚板となり強度が不足する。その点、突起部は平板な天面11と周壁12を折り曲げ成形して設けられているため、他の天面11、周壁12部分よりも耐撓性が高く、その突起部を本実施態様のように幅広に形成することにより、その周囲の周壁12の強度が向上し、指入れ部127がフランジ部を有さないことによる強度不足を補うことができる。
【0028】
図5は、本発明のリフィル皿保護容器の別の一態様を示す図である。本実施態様のものは、前記態様のものと比べて主要な構成は共通するが、リフィル皿保護容器の天面11およびその周縁より垂下する周壁12の平面視における形状が円形である点、および、指入れ部部分の突起部17が、指入れ部122の両端より少し外側に2つ設けられている点において相違する。本実施態様では、指入れ部122の構造は第一の態様のものと同じであることから、ジャバラ部による効果を除けば、基本的には第一の態様のリフィル皿保護容器と同様の効果を有するものであるが、突起部17が2つ設けられていることから、その周囲の周壁12の強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 … … リフィル皿保護容器
2 … … リフィル皿
11 … … 天面
12 … … 周壁
13 … … フランジ部
14 … … 突起部
15 … … 突起部
16 … … 突起部
17 … … 突起部
21 … … 側壁
22 … … 底部
23 … … 段部
121 … … 係止部
122 … … 指入れ部
123 … … ジャバラ部
124 … … 段差部
125 … … 指入れ部
126 … … フランジ部
127 … … 指入れ部
131 … … 台座突起
α … … 化粧料


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面と、該天面の周縁より略垂下する周壁と、該周壁の下端より外向きに形成されたフランジ部とを有し、有底皿状の化粧料リフィル皿の上部より被嵌することで該リフィル皿を収納可能なリフィル皿保護容器であって、前記周壁は、リフィル皿の側壁に係止自在に形成された係止部と、リフィル皿の側壁の一部を露出するように形成された指入れ部と、リフィル皿保護容器内へ突出するように形成された少なくとも3つの突起部とを備え、該突起部は、その少なくとも1つが前記指入れ部を有する部分および/またはその周辺部の周壁に形成されるとともに、2つが指入れ部からほぼ等距離にある周壁の2箇所にそれぞれ1つずつ対向して形成されており、収納されたリフィル皿の側壁上端と該突起部が当接することにより天面とリフィル皿との間に空間が形成され、前記指入れ部に対向する周壁側のリフィル皿の底部を該空間方向へ押し込むことにより、対向して形成された2つの前記突起部を支点として指入れ部を有する側のリフィル皿の一部が保護容器から離脱することを特徴とするリフィル皿保護容器。
【請求項2】
前記対向して形成された2つの突起部が、前記指入れ部と、指入れ部に対向する周壁とを結ぶ左右両周壁のそれぞれ略中央部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリフィル皿保護容器。
【請求項3】
前記リフィル皿保護容器において、前記天面および該天面の周縁より略垂下する周壁が平面視で4つの直線状部分を含む略矩形に形成されており、前記指入れ部を有する部分および/またはその周辺部の周壁に形成される少なくとも1つの突起部が、指入れ部を有する直線状周壁に形成されており、前記対向して形成された2つの突起部が、前記指入れ部を有する直線状周壁に隣接する直線状周壁の略中央部にそれぞれ対向して形成されるとともに、前記突起部を有さない直線状周壁側のリフィル皿の底部を該空間方向へ押し込むことにより、対向して形成されたふたつの前記突起部を支点として指入れ部を有する側のリフィル皿の一部が保護容器から離脱することを特徴とする請求項1に記載のリフィル皿保護容器。
【請求項4】
前記指入れ部が、前記周壁の一部を容器外側へ凸起させることにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のリフィル皿保護容器。
【請求項5】
前記指入れ部が、前記周壁の一部を切り欠くことにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のリフィル用保護容器。
【請求項6】
前記周壁の一部に連続して凹溝を形成することによりジャバラ部を設けていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のリフィル皿保護容器。
【請求項7】
前記天面と、収納されたリフィル皿の上部とのとの間の距離が1〜10mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のリフィル皿保護容器。
【請求項8】
前記係止部が設けられている周壁付近の前記フランジ部の一部が下方に突出する台座突起を形成していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のリフィル皿保護容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−55524(P2012−55524A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202265(P2010−202265)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)