説明

リフォーム仲介システム、リフォーム仲介方法及びリフォーム仲介プログラム

【課題】早い段階で正確な見積り金額をリフォーム工事の依頼者に提示する。
【解決手段】本発明のリフォーム仲介システムは、依頼者から送られた見積り要求に応じて取得したリフォーム工事対象物件についての現地情報に基づき足場施工費用を見積る足場施工費用見積り手段11と、前記依頼者から送られた見積り要求に応じて複数の受注業者に対して前記足場施工費用以外の本体工事費用の見積りを要求する本体工事費用見積り要求手段12と、足場施工費用見積り手段11が見積りした足場施工費用と前記複数の受注業者から取得した本体工事費用とを統合してリフォーム工事総費用の見積書を作成する見積書作成手段13とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足場を必要とするリフォーム工事の依頼者と該リフォーム工事の受注業者との仲介を足場施工業者が運営するリフォーム仲介サーバを介して行うリフォーム仲介システム、リフォーム仲介方法及びリフォーム仲介プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットに代表される情報通信ネットワークの発展に伴い、該情報通信ネットワークを利用して住宅や店舗等のリフォーム工事の依頼者と受注業者との間でリフォーム工事の仲介を行うサービスが提供されている。
【0003】
従来のこの種のシステムとしては、例えば、リフォーム見積依頼を登録する手段と、登録されたリフォーム施行業者に前記リフォーム見積依頼の内容を出力する出力手段と、登録された前記リフォーム見積依頼に対し、前記登録されたリフォーム施行業者からの見積を登録する手段と、前記見積を登録したリフォーム施行業者の中から発注先リフォーム施行業者が選定されたことに応答して、発注に関する情報を登録する手段とを有するリフォーム仲介システムなどが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】再公表特許WO01/048644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のリフォーム仲介システムでは、現地調査を行わずにリフォーム工事の施工費用を見積りしているため、正確な見積り金額をリフォーム工事の依頼者に提示することができないといった問題があった。特に、足場を必要とするリフォーム工事では、見積り金額と実際の施工費用との間に大きな金額のずれが生じることがあり、リフォーム業者を選定した後に金銭トラブルが発生するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、早い段階で正確な見積り金額をリフォーム工事の依頼者に提示することのできるリフォーム仲介システム、リフォーム仲介方法及びリフォーム仲介プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するため、本発明は、足場を必要とするリフォーム工事の依頼者と該リフォーム工事の受注業者との仲介を、リフォーム仲介サーバを介して行うリフォーム仲介システムであって、前記依頼者から送られた見積り要求に応じて取得した前記リフォーム工事対象物件についての現地情報に基づき足場施工費用を見積る足場施工費用見積り手段と、前記依頼者から送られた見積り要求に応じて複数の受注業者に対して前記足場施工費用以外の本体工事費用の見積りを要求する本体工事費用見積り要求手段と、前記足場施工費用見積り手段が見積りした足場施工費用と前記複数の受注業者から取得した本体工事費用とを統合してリフォーム工事総費用の見積書を作成する見積書作成手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
そして、前記リフォーム仲介サーバは足場施工業者が運営するのが好ましい。
【0008】
また、前記足場施工費用見積り手段が取得する前記リフォーム工事対象物件についての現地情報には、前記足場施工業者が現地調査を行って取得した情報が含まれているのが好ましい。
【0009】
また、本発明は、足場を必要とするリフォーム工事の依頼者と該リフォーム工事の受注業者との仲介を、リフォーム仲介サーバを介して行うリフォーム仲介方法であって、前記依頼者から送られた見積り要求に応じて取得した前記リフォーム工事対象物件についての現地情報に基づき足場施工費用を見積る足場施工費用見積りステップと、前記依頼者から送られた見積り要求に応じて複数の受注業者に対して前記足場施工費用以外の本体工事費用の見積りを要求する本体工事費用見積り要求ステップと、前記足場施工費用見積りステップにおいて見積られた足場施工費用と前記複数の受注業者から取得した本体工事費用とを統合してリフォーム工事総費用の見積書を作成する見積書作成ステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は上記した各ステップをコンピュータに実行させるためのリフォーム仲介プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、早い段階で正確な見積り金額をリフォーム工事の依頼者に提示することができると共に、足場施工業者がリフォーム仲介サーバを運営しているため、足場施工費用を迅速且つ正確に見積ることができる。したがって、後日、見積り金額と実際の施工費用との間に大きな金額のずれが生じることがなく、リフォーム業者を選定した後に金銭トラブルが発生するおそれを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係るリフォーム仲介システムの全体構成を示す概略図であり、このリフォーム仲介システムは、足場を必要とするリフォーム工事の依頼者と該リフォーム工事の受注業者との仲介を足場施工業者が運営するリフォーム仲介サーバを介して行うシステムであって、足場施工業者によって運営されるリフォーム仲介サーバ10と、リフォーム工事の依頼者によって操作される依頼者側端末20と、リフォーム工事の受注業者A,B,Cによってそれぞれ操作される受注業者側端末30,40,50とがインターネット等の情報通信ネットワーク60を介して相互に接続されて構成されている。
【0014】
なお、足場を必要とするリフォーム工事としては、例えば、外壁塗装や外壁張り替え等の外壁のリフォーム工事や、屋根塗装や屋根葺き替え等の屋根のリフォーム工事等が含まれる。
【0015】
リフォーム仲介サーバ10は、依頼者側端末20から送信された見積り要求に応じて取得したリフォーム工事対象物件についての現地情報に基づき足場施工費用を見積る足場施工費用見積り手段11と、依頼者側端末20から送信された見積り要求に応じて複数の受注業者A,B,Cに対して前記足場施工費用以外の本体工事費用の見積りを要求する本体工事費用見積り要求手段12と、前記足場施工費用見積り手段11が見積りした足場施工費用と前記複数の受注業者A,B,Cから取得した本体工事費用とを統合してリフォーム工事総費用の見積書を作成する見積書作成手段13と、リフォーム工事の依頼者及び受注業者により登録された個人情報やリフォーム工事対象物件の現地情報等のリフォーム工事に関する各種情報を格納するリフォーム工事情報格納ファイルと14とを備えて構成されている。
【0016】
依頼者側端末20は、キーボードやマウス等の入力手段21と、CPUから成る処理手段22と、CRTやLCD等の表示手段23とを備えている。なお、依頼者側端末20から本システムを利用する場合の最初の手続き方法は従来と同様であるが、依頼者が無料且つ匿名で本システムを利用可能なように構成されているのが好ましい。
【0017】
また、受注業者側端末30,40,50も、同様に、それぞれ、入力手段31,41,51、処理手段32,42,52、及び表示手段33,43,53を備えている。なお、受注業者側端末30,40,50から本システムを利用する場合の最初の手続き方法は従来と同様であるが、登録手数料や仲介手数料は無料とし、一定の基準を満たす業者のみを登録するように構成されているのが好ましい。
【0018】
次に、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施の形態に係るリフォーム仲介システムの作用について説明する。ここで、図2は本発明の実施の形態に係るリフォーム仲介システムの作用を示すフローチャートである。
【0019】
先ず、依頼者側端末20において見積り依頼フォームに、例えば、依頼者の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、リフォーム工事対象物件の場所や敷地面積及びリフォーム工事面積等の現地情報、リフォーム工事内容、リフォーム工事時期等の依頼内容が入力され、リフォーム仲介サーバ10に送信されると(S101)、リフォーム仲介サーバ10では、その依頼内容が受け付けられ、リフォーム工事情報格納ファイル14に登録される(S102)。
【0020】
次いで、前記依頼内容が分析され、リフォーム工事に足場が必要であると判断されると、足場施工業者によってリフォーム工事対象物件の現地が調査され、その調査結果が入力され、リフォーム工事情報格納ファイル14に登録される(S103)。
【0021】
足場施工費用見積り手段11は、この調査結果や依頼者により入力されたリフォーム工事対象物件の前記現地情報をリフォーム工事情報格納ファイル14から取得し、足場施工費用を見積り、その見積り結果をリフォーム工事情報格納ファイル14に登録する(S104)。
【0022】
一方、本体工事費用見積り要求手段12は、予め登録されている複数の受注業者A,B,Cの受注業者側端末30,40,50に対して前記足場施工費用以外の本体工事費用の見積り要求を前記現地調査結果や前記現地情報と共に送信する(S105)。
【0023】
これに対して、各受注業者A,B,Cがリフォーム工事の前記本体工事費用を見積り、その見積り結果を各受注業者側端末30,40,50からリフォーム仲介サーバ10に送信すると(S106)、リフォーム仲介サーバ10では、見積書作成手段13が、前記足場施工費用と前記複数の受注業者から取得した本体工事費用とを統合して受注業者毎のリフォーム工事総費用の見積書を作成し、依頼者側端末20に送信する(S107)。
【0024】
依頼者側端末20では、この見積書に基づき1つの受注業者が選定され、その選定結果がリフォーム仲介サーバ10に送信される(S108)。
【0025】
これに対して、リフォーム仲介サーバ10において、依頼者による受注業者選定結果が見積書と共にリフォーム工事情報格納ファイル14に登録されると共に選定された受注業者の端末30又は40又は50に送信される(S109)。そして、この受注業者側端末30又は40又は50において受注の確認作業が行われ(S110)、従来と同様に、依頼者とこの受注業者との間でリフォーム工事の契約が締結され、以降、リフォーム工事が行われる。
【0026】
このように上記した実施の形態に係るリフォーム仲介システムによれば、最初に現地調査を行った上で足場施工費用を見積りしているため、早い段階で正確な見積り金額をリフォーム工事の依頼者に提示することができると共に、足場施工業者がリフォーム仲介サーバ10を運営しているため、足場施工費用を迅速且つ正確に見積ることができる。したがって、後日、見積り金額と実際の施工費用との間に大きな金額のずれが生じることがなく、リフォーム業者を選定した後に金銭トラブルが発生するおそれを回避することができる。
【0027】
また、足場施工業者がリフォーム仲介サーバ10を運営しているため、足場業を開業する場合にリフォーム業者等と面識がなくても一定の仕事量を見込むことができる。したがって、開業時のリスクを軽減することができると共に、経営の安定化を図ることができるようになる。
【0028】
さらに、依頼者にとっては、無料且つ迅速に複数の業者から正確な見積書を取得し、比較することができるため、依頼者の予算や要求に合った業者を迅速且つ確実に選定することができる。また、匿名で見積りを依頼することもできるので、見積り依頼後に業者からしつこい営業を受けたりすることがなく、選定から漏れた業者に断りの連絡をする手間を省くこともできる。
【0029】
なお、上記した実施の形態では、リフォーム仲介サーバ10を足場施工業者が運営する場合について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明は、足場施工業者以外の業者が運営するリフォーム仲介サーバを介して実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係るリフォーム仲介システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るリフォーム仲介システムの作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0031】
10 リフォーム仲介サーバ
11 足場施工費用見積り手段
12 本体工事費用見積り要求手段
13 見積書作成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足場を必要とするリフォーム工事の依頼者と該リフォーム工事の受注業者との仲介を、リフォーム仲介サーバを介して行うリフォーム仲介システムであって、
前記依頼者から送られた見積り要求に応じて取得した前記リフォーム工事対象物件についての現地情報に基づき足場施工費用を見積る足場施工費用見積り手段と、
前記依頼者から送られた見積り要求に応じて複数の受注業者に対して前記足場施工費用以外の本体工事費用の見積りを要求する本体工事費用見積り要求手段と、
前記足場施工費用見積り手段が見積りした足場施工費用と前記複数の受注業者から取得した本体工事費用とを統合してリフォーム工事総費用の見積書を作成する見積書作成手段と、
を備えていることを特徴とするリフォーム仲介システム。
【請求項2】
前記リフォーム仲介サーバは足場施工業者が運営する請求項1に記載のリフォーム仲介システム。
【請求項3】
前記足場施工費用見積り手段が取得する前記リフォーム工事対象物件についての現地情報には、前記足場施工業者が現地調査を行って取得した情報が含まれている請求項1又は2に記載のリフォーム仲介システム。
【請求項4】
足場を必要とするリフォーム工事の依頼者と該リフォーム工事の受注業者との仲介を、リフォーム仲介サーバを介して行うリフォーム仲介方法であって、
前記依頼者から送られた見積り要求に応じて取得した前記リフォーム工事対象物件についての現地情報に基づき足場施工費用を見積る足場施工費用見積りステップと、
前記依頼者から送られた見積り要求に応じて複数の受注業者に対して前記足場施工費用以外の本体工事費用の見積りを要求する本体工事費用見積り要求ステップと、
前記足場施工費用見積りステップにおいて見積られた足場施工費用と前記複数の受注業者から取得した本体工事費用とを統合してリフォーム工事総費用の見積書を作成する見積書作成ステップと、
を含むことを特徴とするリフォーム仲介方法。
【請求項5】
請求項4に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのリフォーム仲介プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−72789(P2010−72789A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237472(P2008−237472)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(508280922)
【Fターム(参考)】