説明

リフトロック装置およびそれを具備する什器

【課題】リフトロック装置の使用中にレバー部材の高カム部または低カム部と接地部材の当接部との間に物が挟まれてしまうおそれを排除する。
【解決手段】ハンドル部材10が下げられるとレバー部材2の高カム部2c1と右接地部材3の当接部3c1aとが当接することによって接続部材1が接地部材3に対して上側に突出せしめられ、ハンドル部材10が上げられるとレバー部材2の低カム部2c2と接地部材3の当接部3c1aとが当接することによって接地部材3に対する接続部材1の突出量が減少せしめられるリフトロック装置100において、接続部材1を右接地部材3の凹部3f内に挿入し、レバー部材2のカム部2c1,2c2を接地部材3の凹部3f内に挿入し、レバー部材2の穴2a1および接続部材1の穴1b2aに回転軸4を挿入し、引張コイルばね5にテンションをかけ、スリーブ12を介してねじ6と右接地部材3とを螺合させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドル部材が下側に押動されると、右接続部材が右接地部材に対して上側に突出せしめられると共に、左接続部材が左接地部材に対して上側に突出せしめられ、ハンドル部材が上側に押動されると、右接地部材に対する右接続部材の突出量が減少せしめられると共に、左接地部材に対する左接続部材の突出量が減少せしめられるように構成されたリフトロック装置およびそれを具備する什器に関する。
【0002】
特に、本発明は、リフトロック装置の使用中にレバー部材の高カム部または低カム部と接地部材の当接部との間に物が挟まれてしまうおそれを排除すると共に、リフトロック装置全体の上下方向寸法を小型化することができるリフトロック装置およびそれを具備する什器に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、ハンドル部材が下側に押動されると、ハンドル部材に接続された右レバー部材および左レバー部材が回転軸を中心に一方の向きに回動し、右レバー部材の高カム部と接地部材(ベース本体)の当接部とが当接すると共に、左レバー部材の高カム部と接地部材(ベース本体)の当接部とが当接することによって、接続部材(搭載ベース)が接地部材(ベース本体)に対して上側に突出せしめられるリフトロック装置(昇降装置)が知られている。この種のリフトロック装置(昇降装置)の例としては、例えば特許文献1(特開2009−107820号公報)に記載されたものがある。
【0004】
特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、次いで、ハンドル部材が上側に押動されると、右レバー部材および左レバー部材が回転軸を中心に他方の向きに回動し、右レバー部材の低カム部と接地部材(ベース本体)の当接部とが当接すると共に、左レバー部材の低カム部と接地部材(ベース本体)の当接部とが当接することにより、接続部材(搭載ベース)が下側に移動して、接地部材(ベース本体)に対する接続部材(搭載ベース)の突出量が減少せしめられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−107820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、カムが接地部材(ベース本体)の上面よりも上側に配置され、外部に露出せしめられている。そのため、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、リフトロック装置(昇降装置)の使用中に右レバー部材および左レバー部材の高カム部および低カム部と接地部材(ベース本体)の当接部との間に物が挟まれてしまうおそれがある。
【0007】
また、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、カムが接地部材(ベース本体)の上面よりも上側に配置されているため、リフトロック装置(昇降装置)全体の上下方向寸法が大型化してしまう。
【0008】
更に、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、接続部材(搭載ベース)が接地部材(ベース本体)に対して上側に移動して接地部材(ベース本体)から離間するのを防止するための手段が設けられていない。そのため、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、例えば接続部材(搭載ベース)が持ち上げられて、接続部材(搭載ベース)が接地部材(ベース本体)に対して上側に移動せしめられると、接続部材(搭載ベース)が接地部材(ベース本体)から離間してしまう。
【0009】
前記問題点に鑑み、本発明は、リフトロック装置の使用中にレバー部材の高カム部または低カム部と接地部材の当接部との間に物が挟まれてしまうおそれを排除することができるリフトロック装置およびそれを具備する什器を提供することを目的とする。
【0010】
更に、本発明は、リフトロック装置全体の上下方向寸法を小型化することができるリフトロック装置およびそれを具備する什器を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、レバー部材の高カム部および低カム部を外部に露出させないこと、および、レバー部材および接続部材に対して回転軸を組み立て可能にすることを同時に達成することができるリフトロック装置およびそれを具備する什器を提供することを目的とする。
【0012】
更に、本発明は、接続部材が持ち上げられた時に、接続部材が接地部材に対して上側に移動し接地部材から離間してしまうおそれを確実に排除することができるリフトロック装置およびそれを具備する什器を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、リフトロック装置の使用中に引張コイルばねに物が挟まれてしまうおそれを排除することができるリフトロック装置およびそれを具備する什器を提供することを目的とする。
【0014】
更に、本発明は、リフトロック装置全体の部品数を削減することができるリフトロック装置およびそれを具備する什器を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、接地部材が変形してしまうおそれを低減しつつ、接続部材の左右方向への動きを規制することができるリフトロック装置およびそれを具備する什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、ハンドル部材(10)が下側に押動されると、ハンドル部材(10)に接続された右レバー部材(2)および左レバー部材(8)が回転軸(4,4’)を中心に一方の向きに回動し、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)と右接地部材(3)の当接部(3c1a)とが当接することによって、右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に突出せしめられると共に、左レバー部材(8)の高カム部と左接地部材(9)の当接部とが当接することによって、左接続部材(11)が左接地部材(9)に対して上側に突出せしめられ、
ハンドル部材(10)が上側に押動されると、右レバー部材(2)および左レバー部材(8)が回転軸(4,4’)を中心に他方の向きに回動し、右レバー部材(2)の低カム部(2c2)と右接地部材(3)の当接部(3c1a)とが当接することにより、右接続部材(1)が下側に移動して、右接地部材(3)に対する右接続部材(1)の突出量が減少せしめられると共に、左レバー部材(8)の低カム部と左接地部材(9)の当接部とが当接することにより、左接続部材(11)が下側に移動して、左接地部材(9)に対する左接続部材(11)の突出量が減少せしめられるように構成されたリフトロック装置(100)において、
樹脂材料の成形によって形成された右接地部材(3)に底部(3a)と前側壁部(3b)と右側壁部(3c)と後側壁部(3d)と左側壁部(3e)とを設け、
右接地部材(3)の右側壁部(3c)から左側に隆起している隆起部(3c1)の上面に、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)に当接する当接部(3c1a)を形成し、
右接地部材(3)の左側壁部(3e)を右接地部材(3)の後端部かつ上端部のみに形成し、
右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)から右側に延びているオーバーハング部(3e1a)を形成し、
右接地部材(3)の前側壁部(3b)の前側から右接地部材(3)の前側壁部(3b)の後側に右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を挿入するための切り欠き部(3b1)を右接地部材(3)の前側壁部(3b)に形成し、
右接地部材(3)の右側壁部(3c)と隆起部(3c1)の上面と後側壁部(3d)とによって右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を収容するための凹部(3f)を画定し、
樹脂材料の成形によって形成された右接続部材(1)に、右接地部材(3)の上面に対向するフランジ部(1a)と、フランジ部(1a)から下側に延びている本体部(1b)とを設け、
右接続部材(1)の本体部(1b)に前側壁部(1b1)と左側壁部(1b2)と後側壁部(1b3)とを設け、
右接続部材(1)および右接地部材(3)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5)を収容するための凹部(1b4)を右接続部材(1)の本体部(1b)の前側壁部(1b1)と左側壁部(1b2)と後側壁部(1b3)とによって画定し、
右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)と係合するための係合溝(1b3a1)を右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)に形成し、
右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に移動して右接地部材(3)から離間するのを防止するために右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)の下端部(3e1a1)に当接するストッパー面(1b3a1a)を右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)の下端部に形成し、
右接続部材(1)の本体部(1b)の凹部(1b4)内に引張コイルばね(5)を収容し、
右接続部材(1)のフランジ部(1a)を右側に傾けた状態で右接続部材(1)の本体部(1b)および引張コイルばね(5)を左下向きに右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入し、
右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)と右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)とが対向するまで右接続部材(1)の本体部(1b)が右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入された時に、右接続部材(1)のフランジ部(1a)を水平に戻すことによって、右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)と右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)とを係合させ、
樹脂材料の成形によって形成された右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を右接地部材(3)の前側壁部(3b)の切り欠き部(3b1)を介して右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入し、
右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)、引張コイルばね(5)の上フック部(5a)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)が右接地部材(3)の上面よりも上側に位置するまで、右レバー部材(2)、引張コイルばね(5)および右接続部材(1)を右接地部材(3)に対して上側に移動させ、
右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)、引張コイルばね(5)の上フック部(5a)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)に対して回転軸(4)を挿入し、
回転軸(4)の中央部(4c)を隔てて回転軸(4)の頭部(4a)の反対側の回転軸(4)の端部(4b)に抜け止め部材(7)を装着し、
右接続部材(1)のフランジ部(1a)と右接地部材(3)の上面とが概略当接するまで、右レバー部材(2)、引張コイルばね(5)および右接続部材(1)を右接地部材(3)に対して下側に移動させ、
引張コイルばね(5)にテンションをかけながら、右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)のスリーブ収容長穴(1b2b)、引張コイルばね(5)の下フック部(5b)および右接地部材(3)の右側壁部(3c)の隆起部(3c1)の左側面(3c1b)のスリーブ収容穴(3c1b1)に対してスリーブ(12)を挿入し、
スリーブ(12)を介してねじ(6)のねじ部(6a)と右接地部材(3)の右側壁部(3c)の隆起部(3c1)とを螺合させ、
ねじ(6)のねじ頭(6b)を右接続部材(1)の左側壁部(1b2)の左側面(1b2c)に当接させると共に、右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)を右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)に当接させることによって、右接続部材(1)の左側への動きを規制することを特徴とするリフトロック装置(100)が提供される。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、右接続部材(1)と鏡像関係を有する部材によって左接続部材(11)を構成し、
右レバー部材(2)と鏡像関係を有する部材によって左レバー部材(8)を構成し、
右接地部材(3)と鏡像関係を有する部材によって左接地部材(9)を構成し、
右レバー部材(2)を右接続部材(1)に対して回転可能に支持するための回転軸(4)と同一形状を有する部材によって、左レバー部材(8)を左接続部材(11)に対して回転可能に支持するための回転軸(4’)を構成し、
右接続部材(1)および右接地部材(3)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5)と同一形状を有する部材によって、左接続部材(11)および左接地部材(9)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5’)を構成し、
右接続部材(1)の左側への動きを規制するためのねじ(6)と同一形状を有する部材によって、左接続部材(11)の右側への動きを規制するためのねじ(6’)を構成し、
回転軸(4)の抜けを防止するための抜け止め部材(7)と同一形状を有する部材によって、回転軸(4’)の抜けを防止するための抜け止め部材(7’)を構成したことを特徴とする請求項1に記載のリフトロック装置(100)が提供される。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載のリフトロック装置(100)と複数のキャスターとを具備する什器(200)であって、
ハンドル部材(10)が上側に押し上げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)が床面から離間し、すべてのキャスターの車輪が床面に接触しており、
ハンドル部材(10)が下側に押し下げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)が床面に接触し、少なくとも一部のキャスターの車輪が床面から離間していることを特徴とする什器(200)が提供される。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、2個のキャスターの間に配置された1個のみのリフトロック装置(100)を具備し、
ハンドル部材(10)が下側に押し下げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)と、リフトロック装置(100)から最も離れているキャスターの車輪とが床面に接触し、他のキャスターの車輪が床面から離間していることを特徴とする請求項3に記載の什器(200)が提供される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、ハンドル部材(10)が下側に押動されると、ハンドル部材(10)に接続された右レバー部材(2)および左レバー部材(8)が回転軸(4,4’)を中心に一方の向きに回動し、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)と右接地部材(3)の当接部(3c1a)とが当接することによって、右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に突出せしめられると共に、左レバー部材(8)の高カム部と左接地部材(9)の当接部とが当接することによって、左接続部材(11)が左接地部材(9)に対して上側に突出せしめられる。更に、ハンドル部材(10)が上側に押動されると、右レバー部材(2)および左レバー部材(8)が回転軸(4,4’)を中心に他方の向きに回動し、右レバー部材(2)の低カム部(2c2)と右接地部材(3)の当接部(3c1a)とが当接することにより、右接続部材(1)が下側に移動して、右接地部材(3)に対する右接続部材(1)の突出量が減少せしめられると共に、左レバー部材(8)の低カム部と左接地部材(9)の当接部とが当接することにより、左接続部材(11)が下側に移動して、左接地部材(9)に対する左接続部材(11)の突出量が減少せしめられる。
【0021】
詳細には、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、樹脂材料の成形によって形成された右接地部材(3)に底部(3a)と前側壁部(3b)と右側壁部(3c)と後側壁部(3d)と左側壁部(3e)とが設けられている。更に、右接地部材(3)の右側壁部(3c)から左側に隆起している隆起部(3c1)の上面に、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)に当接する当接部(3c1a)が形成されている。また、右接地部材(3)の左側壁部(3e)が右接地部材(3)の後端部かつ上端部のみに形成されている。
【0022】
更に、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)から右側に延びているオーバーハング部(3e1a)が形成されている。また、右接地部材(3)の前側壁部(3b)の前側から右接地部材(3)の前側壁部(3b)の後側に右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を挿入するための切り欠き部(3b1)が右接地部材(3)の前側壁部(3b)に形成されている。更に、右接地部材(3)の右側壁部(3c)と隆起部(3c1)の上面と後側壁部(3d)とによって右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を収容するための凹部(3f)が画定されている。
【0023】
また、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、樹脂材料の成形によって形成された右接続部材(1)に、右接地部材(3)の上面に対向するフランジ部(1a)と、フランジ部(1a)から下側に延びている本体部(1b)とが設けられている。更に、右接続部材(1)の本体部(1b)に前側壁部(1b1)と左側壁部(1b2)と後側壁部(1b3)とが設けられている。また、右接続部材(1)および右接地部材(3)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5)を収容するための凹部(1b4)が右接続部材(1)の本体部(1b)の前側壁部(1b1)と左側壁部(1b2)と後側壁部(1b3)とによって画定されている。
【0024】
更に、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)と係合するための係合溝(1b3a1)が右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)に形成されている。また、右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に移動して右接地部材(3)から離間するのを防止するために右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)の下端部(3e1a1)に当接するストッパー面(1b3a1a)が右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)の下端部に形成されている。更に、右接続部材(1)の本体部(1b)の凹部(1b4)内に引張コイルばね(5)が収容されている。
【0025】
また、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右接続部材(1)のフランジ部(1a)を右側に傾けた状態で右接続部材(1)の本体部(1b)および引張コイルばね(5)が左下向きに右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入される。更に、右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)と右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)とが対向するまで右接続部材(1)の本体部(1b)が右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入された時に、右接続部材(1)のフランジ部(1a)を水平に戻すことによって、右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)と右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)とが係合せしめられる。また、樹脂材料の成形によって形成された右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)が右接地部材(3)の前側壁部(3b)の切り欠き部(3b1)を介して右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入される。
【0026】
更に、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)、引張コイルばね(5)の上フック部(5a)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)が右接地部材(3)の上面よりも上側に位置するまで、右レバー部材(2)、引張コイルばね(5)および右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に移動せしめられる。また、右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)、引張コイルばね(5)の上フック部(5a)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)に対して回転軸(4)が挿入される。更に、回転軸(4)の中央部(4c)を隔てて回転軸(4)の頭部(4a)の反対側の回転軸(4)の端部(4b)に抜け止め部材(7)が装着される。
【0027】
また、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右接続部材(1)のフランジ部(1a)と右接地部材(3)の上面とが概略当接するまで、右レバー部材(2)、引張コイルばね(5)右接続部材(1)、回転軸(4)および抜け止め部材(7)が右接地部材(3)に対して下側に移動せしめられる。更に、引張コイルばね(5)にテンションをかけながら、右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)のスリーブ収容長穴(1b2b)、引張コイルばね(5)の下フック部(5b)および右接地部材(3)の右側壁部(3c)の隆起部(3c1)の左側面(3c1b)のスリーブ収容穴(3c1b1)に対してスリーブ(12)が挿入される。また、スリーブ(12)を介してねじ(6)のねじ部(6a)と右接地部材(3)の右側壁部(3c)の隆起部(3c1)とが螺合せしめられる。
【0028】
更に、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、ねじ(6)のねじ頭(6b)を右接続部材(1)の左側壁部(1b2)の左側面(1b2c)に当接させると共に、右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)を右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)に当接させることによって、右接続部材(1)の左側への動きが規制される。
【0029】
換言すれば、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、カムが接地部材(ベース本体)の上面よりも上側に配置されて外部に露出せしめられているのに対し、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)が右接地部材(3)の凹部(3f)内に収容されており、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)が外部に露出せしめられていない。
【0030】
そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、リフトロック装置(100)の使用中に右レバー部材(2)の高カム部(2c1)または低カム部(2c2)と右接地部材(3)の当接部(3c1a)との間に物が挟まれてしまうおそれを排除することができる。
【0031】
更に、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、カムが接地部材(ベース本体)の上面よりも上側に配置されている特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)よりも、リフトロック装置(100)全体の上下方向寸法を小型化することができる。
【0032】
一方、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)が、右接地部材(3)の上面よりも低い位置に配置され、右接地部材(3)の凹部(3f)内に収容される場合には、右レバー部材(2)に対して回転軸(4)を組み立てられなくなるおそれがある。
【0033】
この点に鑑み、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)が右接地部材(3)の上面よりも上側に位置するまで右レバー部材(2)および右接続部材(1)を右接地部材(3)に対して上側に移動させた状態で右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)に回転軸(4)を挿入することができるように、右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)が配置されている。
【0034】
そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を外部に露出させないこと、および、右レバー部材(2)および右接続部材(1)に対して回転軸(4)を組み立て可能にすることを同時に達成することができる。
【0035】
更に、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、例えば搭載ベース(接続部材)が持ち上げられて、搭載ベース(接続部材)がベース本体(接地部材)に対して上側に移動せしめられると、搭載ベース(接続部材)がベース本体(接地部材)から離間してしまう。
【0036】
それに対し、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右接続部材(1)および右接地部材(3)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5)が設けられている。
【0037】
また、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に移動して右接地部材(3)から離間するのを防止するために右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)の下端部(3e1a1)に当接するストッパー面(1b3a1a)が右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)の下端部に形成されている。
【0038】
更に、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)のスリーブ収容長穴(1b2b)の下端部とスリーブ(12)とが当接することにより、右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に移動して右接地部材(3)から離間してしまうのが防止されるように構成されている。
【0039】
そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、例えば右接続部材(1)が持ち上げられた時に、右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に移動し右接地部材(3)から離間してしまうおそれを確実に排除することができる。
【0040】
一方、仮に引張コイルばね(5)が外部に露出せしめられていると、リフトロック装置(100)の使用中に引張コイルばね(5)に物が挟まれてしまうおそれがある。
【0041】
この点に鑑み、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、引張コイルばね(5)が、右接続部材(1)の本体部(1b)の前側壁部(1b1)と左側壁部(1b2)と後側壁部(1b3)とによって画定される凹部(1b4)内に収容されており、引張コイルばね(5)が外部に露出せしめられていない。
【0042】
そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、リフトロック装置(100)の使用中に引張コイルばね(5)に物が挟まれてしまうおそれを排除することができる。
【0043】
また、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、回転軸(4)が右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)に対して挿入されている。そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、回転軸(4)により、右接続部材(1)に対して回転可能に右レバー部材(2)を支持することができる。
【0044】
更に、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、回転軸(4)が引張コイルばね(5)の上フック部(5a)に挿入されている。つまり、回転軸(4)が引張コイルばね(5)の上フック部(5a)を係止するための機能を有する。そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、引張コイルばね(5)の上フック部(5a)を係止するための部材が回転軸(4)とは別個に設けられている場合よりも、リフトロック装置(100)全体の部品数を削減することができる。
【0045】
また、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、スリーブ(12)が右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)のスリーブ収容長穴(1b2b)および右接地部材(3)の右側壁部(3c)の隆起部(3c1)の左側面(3c1b)のスリーブ収容穴(3c1b1)に対して挿入されている。そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、右接地部材(3)に対して移動する右接続部材(1)をスリーブ(12)によってガイドすることができる。
【0046】
更に、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、スリーブ(12)が引張コイルばね(5)の下フック部(5b)に挿入されている。つまり、スリーブ(12)が引張コイルばね(5)の下フック部(5b)を係止するための機能を有する。そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、引張コイルばね(5)の下フック部(5b)を係止するための部材がスリーブ(12)とは別個に設けられている場合よりも、リフトロック装置(100)全体の部品数を削減することができる。
【0047】
詳細には、本発明者等の鋭意研究において、仮に、ねじ(6)のねじ頭(6b)を右接続部材(1)の左側壁部(1b2)の左側面(1b2c)に当接させることのみによって、右接続部材(1)の左側への動きを規制しようとすると、例えばハンドル部材(10)を下側に押動するために大きい力が加えられた場合などに、右接続部材(1)が右接地部材(3)から外れる向きに力がかかり、右接地部材(3)が変形するおそれがあることが見い出された。
【0048】
この点に鑑み、請求項1に記載のリフトロック装置(100)では、ねじ(6)のねじ頭(6b)を右接続部材(1)の左側壁部(1b2)の左側面(1b2c)に当接させると共に、右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)を右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)に当接させることによって、右接続部材(1)の左側への動きが規制されている。
【0049】
そのため、請求項1に記載のリフトロック装置(100)によれば、右接地部材(3)が変形してしまうおそれを低減しつつ、右接続部材(1)の左側への動きを規制することができる。
【0050】
請求項2に記載のリフトロック装置(100)では、右接続部材(1)と鏡像関係を有する部材によって左接続部材(11)が構成されている。そのため、請求項2に記載のリフトロック装置(100)によれば、例えば、右接続部材(1)形成用のキャビティおよび左接続部材(11)形成用のキャビティを1個の成形用金型に対称形状に配置することができ、右接続部材(1)および左接続部材(11)の製造コストを削減することができる。
【0051】
また、請求項2に記載のリフトロック装置(100)では、右レバー部材(2)と鏡像関係を有する部材によって左レバー部材(8)が構成されている。そのため、請求項2に記載のリフトロック装置(100)によれば、例えば、右レバー部材(2)形成用のキャビティおよび左レバー部材(8)形成用のキャビティを1個の成形用金型に対称形状に配置することができ、右レバー部材(2)および左レバー部材(8)の製造コストを削減することができる。
【0052】
更に、請求項2に記載のリフトロック装置(100)では、右接地部材(3)と鏡像関係を有する部材によって左接地部材(9)が構成されている。そのため、請求項2に記載のリフトロック装置(100)によれば、例えば、右接地部材(3)形成用のキャビティおよび左接地部材(9)形成用のキャビティを1個の成形用金型に対称形状に配置することができ、右接地部材(3)および左接地部材(9)の製造コストを削減することができる。
【0053】
また、請求項2に記載のリフトロック装置(100)では、右レバー部材(2)を右接続部材(1)に対して回転可能に支持するための回転軸(4)と同一形状を有する部材によって、左レバー部材(8)を左接続部材(11)に対して回転可能に支持するための回転軸(4’)が構成されている。そのため、請求項2に記載のリフトロック装置(100)によれば、回転軸(4)および回転軸(4’)の形状が異なる形状に設定されている場合よりも、リフトロック装置(100)全体の製造コストを削減することができる。
【0054】
更に、請求項2に記載のリフトロック装置(100)では、右接続部材(1)および右接地部材(3)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5)と同一形状を有する部材によって、左接続部材(11)および左接地部材(9)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5’)が構成されている。そのため、請求項2に記載のリフトロック装置(100)によれば、引張コイルばね(5)および引張コイルばね(5’)の形状が異なる形状に設定されている場合よりも、リフトロック装置(100)全体の製造コストを削減することができる。
【0055】
また、請求項2に記載のリフトロック装置(100)では、右接続部材(1)の左側への動きを規制するためのねじ(6)と同一形状を有する部材によって、左接続部材(11)の右側への動きを規制するためのねじ(6’)が構成されている。そのため、請求項2に記載のリフトロック装置(100)によれば、ねじ(6)およびねじ(6’)の形状が異なる形状に設定されている場合よりも、リフトロック装置(100)全体の製造コストを削減することができる。
【0056】
更に、請求項2に記載のリフトロック装置(100)では、回転軸(4)の抜けを防止するための抜け止め部材(7)と同一形状を有する部材によって、回転軸(4’)の抜けを防止するための抜け止め部材(7’)が構成されている。そのため、請求項2に記載のリフトロック装置(100)によれば、抜け止め部材(7)および抜け止め部材(7’)の形状が異なる形状に設定されている場合よりも、リフトロック装置(100)全体の製造コストを削減することができる。
【0057】
請求項3に記載の什器(200)では、ハンドル部材(10)が上側に押し上げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)が床面から離間し、すべてのキャスターの車輪が床面に接触している。そのため、請求項3に記載の什器(200)によれば、ハンドル部材(10)を上側に押し上げることにより、什器(200)を移動(走行)可能な状態にすることができる。
【0058】
更に、請求項3に記載の什器(200)では、ハンドル部材(10)が下側に押し下げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)が床面に接触し、少なくとも一部のキャスターの車輪が床面から離間している。そのため、請求項3に記載の什器(200)によれば、ハンドル部材(10)を下側に押し下げることにより、什器(200)を床面に固定することができる。
【0059】
本発明者等の鋭意研究により、すべてのキャスターの車輪を床面から離間させなくても、什器(200)を床面に対して十分に安定的に固定できることが確認された。
【0060】
この点に鑑み、請求項4に記載の什器(200)では、2個のキャスターの間に配置された1個のみのリフトロック装置(100)が設けられている。更に、ハンドル部材(10)が下側に押し下げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)と、リフトロック装置(100)から最も離れているキャスターの車輪とが床面に接触し、他のキャスターの車輪が床面から離間している。
【0061】
つまり、請求項4に記載の什器(200)では、什器(200)が移動(走行)可能な状態から什器(200)が床面に固定された状態に切り換えるために、1個のリフトロック装置(100)のハンドル部材(10)を下側に押し下げればよい。一方、什器(200)が床面に固定された状態から什器(200)が移動(走行)可能な状態に切り換えるために、1個のリフトロック装置(100)のハンドル部材(10)を上側に押し上げればよい。
【0062】
すなわち、請求項4に記載の什器(200)によれば、1個のリフトロック装置(100)のハンドル部材(10)を下側に押し下げる、または、上側に押し上げるワンアクションによって、什器(200)が移動(走行)可能な状態から什器(200)が床面に固定された状態への切り換え、および、什器(200)が床面に固定された状態から什器(200)が移動(走行)可能な状態への切り換えを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1の実施形態のリフトロック装置100の平面図などである。
【図2】第1の実施形態のリフトロック装置100の右側面図である。
【図3】右前側かつ上側から見た第1の実施形態のリフトロック装置100の分解斜視図である。
【図4】右前側かつ上側から見た第1の実施形態のリフトロック装置100の斜視図である。
【図5】ハンドル部材10が上側に押し上げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の断面図などである。
【図6】ハンドル部材10が上側に押し上げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の断面図などである。
【図7】ハンドル部材10が上側に押し上げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の断面図である。
【図8】ハンドル部材10が下側に押し下げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の断面図などである。
【図9】ハンドル部材10が下側に押し下げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の断面図などである。
【図10】右接続部材1の部品図である。
【図11】右接続部材1の部品図である。
【図12】右接続部材1の部品図である。
【図13】右レバー部材2の部品図である。
【図14】右レバー部材2の部品図である。
【図15】右接地部材3の部品図である。
【図16】第1の実施形態のリフトロック装置100を什器200に適用した例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明のリフトロック装置の第1の実施形態について説明する。図1〜図9は第1の実施形態のリフトロック装置100を示した図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態のリフトロック装置100の平面図、図1(B)は第1の実施形態のリフトロック装置100の正面図、図1(C)は第1の実施形態のリフトロック装置100の底面図である。図2(A)はハンドル部材10が上側に押し上げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の右側面図、図2(B)はハンドル部材10が下側に押し下げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の右側面図である。図3は右前側かつ上側から見た第1の実施形態のリフトロック装置100の分解斜視図である。図4(A)はハンドル部材10が上側に押し上げられた状態における右前側かつ上側から見た第1の実施形態のリフトロック装置100の斜視図、図4(B)はハンドル部材10が下側に押し下げられた状態における右前側かつ上側から見た第1の実施形態のリフトロック装置100の斜視図である。
【0065】
図5(A)はハンドル部材10が上側に押し上げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の拡大した右側面図、図5(B)は図5(A)のA−A線に沿った断面図である。図6(A)はハンドル部材10が上側に押し上げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の一部の拡大した正面図、図6(B)は図6(A)のB−B線に沿った断面図である。図7(A)は図6(A)のC−C線に沿った断面図、図7(B)は図6(A)のD−D線に沿った断面図である。図8(A)はハンドル部材10が下側に押し下げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の拡大した右側面図、図8(B)は図8(A)のE−E線に沿った断面図である。図9(A)はハンドル部材10が下側に押し下げられた状態における第1の実施形態のリフトロック装置100の一部の拡大した正面図、図9(B)は図9(A)のF−F線に沿った断面図である。
【0066】
図10〜図12は右接続部材1の部品図である。詳細には、図10(A)は右接続部材1の底面図、図10(B)は右接続部材1の後側面図、図10(C)は右接続部材1の平面図である。図11(A)は右接続部材1の右側面図、図11(B)は図11(A)のG−G線に沿った断面図、図11(C)は図11(A)のH−H線に沿った断面図である。図12(A)は右接続部材1の左側面図、図12(B)は図12(A)のI−I線に沿った断面図である。図13および図14は右レバー部材2の部品図である。詳細には、図13(A)は右レバー部材2の右側面図、図13(B)は右レバー部材2の後側面図である。図14(A)は右レバー部材2の左側面図、図14(B)は図14(A)のJ−J線に沿った断面図、図14(C)は図14(A)のK−K線に沿った断面図である。図15は右接地部材3の要部の部品図である。詳細には、図15(A)は右接地部材3の一部の平面図、図15(B)は右接地部材3の一部の左側面図、図15(C)は右接地部材3の一部の正面図、図15(D)は右接地部材3の一部の底面図、図15(E)は図15(B)のL−L線に沿った断面図、図15(F)は左前側かつ下側から見た右接地部材3の一部の斜視図である。
【0067】
図3に示すように、第1の実施形態のリフトロック装置100は、例えばPAなどの樹脂材料の成形によって形成された接続部材1,11と、例えばPAなどの樹脂材料の成形によって形成されたレバー部材2,8と、例えばPAなどの樹脂材料および例えばTPUなどの樹脂材料の2重成形によって形成された接地部材3,9と、例えば金属材料などによって形成された回転軸4,4’と、引張コイルばね5,5’と、ねじ6,6’と、例えばEリングなどのような抜け止め部材7,7’と、例えば金属材料、樹脂材料などによって形成されたハンドル部材10とによって構成されている。
【0068】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図3に示すように、右接続部材1と鏡像関係を有する部材によって左接続部材11が構成されている。また、右レバー部材2と鏡像関係を有する部材によって左レバー部材8が構成されている。更に、右接地部材3と鏡像関係を有する部材によって左接地部材9が構成されている。また、回転軸4と同一形状を有する部材によって回転軸4’が構成されている。更に、引張コイルばね5と同一形状を有する部材によって引張コイルばね5’が構成されている。また、ねじ6と同一形状を有する部材によってねじ6’が構成されている。更に、抜け止め部材7と同一形状を有する部材によって抜け止め部材7’が構成されている。
【0069】
第1の実施形態のリフトロック装置100では、抜け止め部材7,7’としてEリングが用いられているが、第2の実施形態のリフトロック装置100では、代わりに、例えばCリングなどのようなEリング以外の部材を抜け止め部材7,7’として用いることも可能である。
【0070】
第1の実施形態のリフトロック装置100では、図13および図14に示すように、右レバー部材2の回転中心となる支点部2aと、ハンドル部材10(図3参照)の右端部10a(図3参照)に接続される力点部2bと、右接地部材3(図3参照)に当接する作用点部2cとが右レバー部材2に形成されている。更に、回転軸4(図3参照)を収容するための回転軸収容穴2a1が支点部2aに形成されている。また、回転軸4の頭部4a(図3参照)を収容するための頭部収容部2a1aと、回転軸4の中央部4c(図3参照)を収容するための中央部収容部2a1bとによって回転軸収容穴2a1が構成されている。
【0071】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図13および図14に示すように、回転軸収容穴2a1からの距離が大きい高カム部2c1と、回転軸収容穴2a1からの距離が小さい低カム部2c1とが、右レバー部材2の作用点部2cに形成されている。また、ハンドル部材10(図3参照)の右端部10a(図3参照)が圧入されるハンドル部材収容穴2b1が右レバー2の力点部2bに形成されている。
【0072】
第1の実施形態のリフトロック装置100では、右レバー部材2(図3参照)とハンドル部材10(図3参照)の右端部10a(図3参照)とが圧入によって接続され、左レバー部材8(図3参照)とハンドル部材10の左端部10b(図3参照)とが圧入によって接続されるが、第3の実施形態のリフトロック装置100では、代わりに、例えばねじ止めなどのような圧入以外の手法によって右レバー部材2とハンドル部材10とを接続し、左レバー部材8とハンドル部材10とを接続することも可能である。
【0073】
また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図15に示すように、右接地部材3に底部3aと前側壁部3bと右側壁部3cと後側壁部3dと左側壁部3eとが設けられている。詳細には、例えばPAなどの樹脂材料の成形によって、図15に示す右接地部材3が形成される。次いで、図15に示す右接地部材3が、滑り止め部3a1(図5(B)、図6(B)、図8(B)および図9(B)参照)を成形するための金型にインサートされる。次いで、例えばTPUなどの樹脂材料の成形によって滑り止め部3a1が形成され、図1〜図9に示す右接地部材3が完成する。
【0074】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図15に示すように、右接地部材3の前側壁部3bの前側(図15(B)および図15(F)の右側)から前側壁部3bの後側(図15(B)および図15(F)の左側)に右レバー部材2(図13および図14参照)の高カム部2c1(図13および図14参照)および低カム部2c2(図13および図14参照)を挿入するための切り欠き部3b1が前側壁部3bに形成されている。
【0075】
また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図15に示すように、右接地部材3の右側壁部3cから左側(図15(A)の下側、図15(F)の左側)に隆起している隆起部3c1の上面に、右レバー部材2(図13および図14参照)の高カム部2c1(図13および図14参照)および低カム部2c2(図13および図14参照)に当接する当接部3c1aが形成されている。更に、図2(B)、図4(B)、図8および図9に示すようにハンドル部材10の中央部10c(図3参照)が下側に押し下げられている時に右レバー部材2の高カム部2c1(図9(B)参照)を収容するための凹部3c1a1が右接地部材3の当接部3c1aに形成されている。また、スリーブ12(図3参照)を収容するためのスリーブ収容穴3c1b1が隆起部3c1の左側面3c1bに形成されている。
【0076】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図15に示すように、右接地部材3の左側壁部3eが右接地部材3の後端部かつ上端部のみに形成されている。また、左側壁部3eの右側面3e1(図15(A)参照)から右側(図15(A)の上側)に延びているオーバーハング部3e1aが形成されている。更に、右接地部材3の右側壁部3cと隆起部3c1の上面と後側壁部3dとによって右レバー部材2(図13および図14参照)の高カム部2c1(図13および図14参照)および低カム部2c2(図13および図14参照)を収容するための凹部3fが画定されている。
【0077】
また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図10〜図12に示すように、右接地部材3(図3参照)の上面に対向するフランジ部1aと、フランジ部1aから下側に延びている本体部1bとが右接続部材1に設けられている。更に、前側壁部1b1と左側壁部1b2と後側壁部1b3とが本体部1bに設けられている。また、右接続部材1および右接地部材3(図3参照)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね5(図3、図5(B)および図8(B)参照)を収容するための凹部1b4(図11および図12(B)参照)が、前側壁部1b1と左側壁部1b2と後側壁部1b3とによって画定されている。
【0078】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図10〜図12に示すように、右接地部材3(図3および図15参照)のオーバーハング部3e1a(図15(A)および図15(F)参照)と係合するための係合溝1b3a1(図12参照)が右接続部材1の後側壁部1b3の左側面1b3aに形成されている。また、右接続部材1が右接地部材3(図3参照)に対して上側に移動して右接地部材3から離間するのを防止するために右接地部材3のオーバーハング部3e1a(図15(A)および図15(F)参照)の下端部3e1a1(図15(F)参照)に当接するストッパー面1b3a1a(図12(A)参照)が、右接続部材1の係合溝1b3a1(図12参照)の下端部に形成されている。
【0079】
また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図10〜図12に示すように、回転軸4(図3参照)を収容するための回転軸収容穴1b2a(図11および図12参照)が右接続部材1の左側壁部1b2に形成されている。更に、スリーブ12(図3参照)を収容するためのスリーブ収容長穴1b2b(図11および図12(A)参照)が右接続部材1の左側壁部1b2に形成されている。
【0080】
第1の実施形態のリフトロック装置100の組立時には、例えば、まず最初に、引張コイルばね5(図3参照)が右接続部材1(図3参照)の本体部1b(図11参照)の凹部1b4(図11参照)内に収容される。次いで、右接続部材1のフランジ部1a(図10参照)を右側に傾けた状態、つまり、図3に示す状態よりも右接続部材1を図3の右手前側に傾けた状態で、右接続部材1の本体部1bおよび引張コイルばね5が、左下向きに右接地部材3(図3参照)の凹部3f(図15参照)内に挿入される。次いで、右接続部材1の後側壁部1b3(図12参照)の左側面1b3a(図12参照)の係合溝1b3a1(図12参照)と右接地部材3の左側壁部3e(図15参照)の右側面3e1(図15(A)参照)のオーバーハング部3e1a(図15(A)および図15(F)参照)とが対向するまで右接続部材1の本体部1bが右接地部材3の凹部3f内に挿入された時に、右接続部材1のフランジ部1aを水平に(つまり、図3に示す状態に)戻すことによって、右接続部材1の後側壁部1b3の左側面1b3aの係合溝1b3a1と右接地部材3の左側壁部3eの右側面3e1のオーバーハング部3e1aとが係合せしめられる。
【0081】
また、第1の実施形態のリフトロック装置100の組立時には、右レバー部材2(図3参照)の高カム部2c1(図13および図14参照)および低カム部2c2(図13および図14参照)が右接地部材3(図3参照)の前側壁部3b(図15参照)の切り欠き部3b1(図15(B)および図15(C)参照)を介して右接地部材3の凹部3f(図15参照)内に挿入される。次いで、右レバー部材2(図3参照)の回転軸収容穴2a1(図13および図14参照)、引張コイルばね5(図3参照)の上フック部5a(図3参照)および右接続部材1(図3参照)の本体部1b(図11および図12参照)の左側壁部1b2(図11および図12参照)の回転軸収容穴1b2a(図11および図12参照)が右接地部材3の上面よりも上側に位置するまで、右レバー部材2、引張コイルばね5および右接続部材1が右接地部材3に対して上側に移動せしめられる。
【0082】
次いで、第1の実施形態のリフトロック装置100の組立時には、右レバー部材2(図3参照)の回転軸収容穴2a1(図13および図14参照)、引張コイルばね5(図3参照)の上フック部5a(図3参照)および右接続部材1(図3参照)の本体部1b(図11および図12参照)の左側壁部1b2(図11および図12参照)の回転軸収容穴1b2a(図11および図12参照)に対して回転軸4(図3参照)が挿入される。次いで、回転軸4の中央部4c(図3参照)を隔てて頭部4a(図3参照)の反対側の端部4b(図3参照)に抜け止め部材7(図3参照)が装着される。
【0083】
次いで、第1の実施形態のリフトロック装置100の組立時には、右接続部材1(図3参照)のフランジ部1a(図10〜図12参照)と右接地部材3(図3参照)の上面とが概略当接するまで、右レバー部材2(図3参照)、引張コイルばね5(図3参照)、右接続部材1(図3参照)、回転軸4(図3参照)および抜け止め部材7(図3参照)が、右接地部材3に対して下側に移動せしめられる。次いで、引張コイルばね5にテンションをかけながら、右接続部材1の本体部1b(図11および図12参照)の左側壁部1b2(図11および図12参照)のスリーブ収容長穴1b2b(図11および図12参照)、引張コイルばね5の下フック部5b(図3参照)および右接地部材3の右側壁部3c(図15参照)の隆起部3c1(図15参照)の左側面3c1b(図15参照)のスリーブ収容穴3c1b1(図15参照)に対してスリーブ12(図3参照)が挿入される。
【0084】
次いで、第1の実施形態のリフトロック装置100の組立時には、スリーブ12(図3参照)を介してねじ6(図3参照)のねじ部6a(図3参照)と右接地部材3(図3参照)の右側壁部3c(図15参照)の隆起部3c1(図15参照)とが螺合せしめられる。第1の実施形態のリフトロック装置100では、ねじ6としてタッピングねじが用いられ、右接地部材3の隆起部3c1に雌ねじ部が予め形成されていないが、第4の実施形態のリフトロック装置100では、代わりに、右接地部材3の隆起部3c1に雌ねじ部を予め形成しておき、ねじ6としてタッピングねじ以外のねじを用いることも可能である。
【0085】
上述したように組み立てられた結果、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図7(B)に示すように、ねじ6のねじ頭6bが右接続部材1の左側壁部1b2の左側面1b2cに当接すると共に、図7(A)に示すように、右接地部材3の左側壁部3eの右側面3e1が右接続部材1の後側壁部1b3の左側面1b3aに当接することによって、右接地部材3に対する右接続部材1の左側(図7の左側)への動きが規制される。また、図7(B)に示すように、右接地部材3の右側壁部3cの隆起部3c1の左側面3c1bが右接続部材1の左側壁部1b2の右側面1b2dに当接することによって、右接地部材3に対する右接続部材1の右側(図7(B)の右側)への動きが規制される。
【0086】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図6(B)および図9(B)に示すように、右接地部材3の前側壁部3bの後側面3b2が右接続部材1の前側壁部1b1のガイド突起1b1aの前側面1b1a1(図11(A)、図11(C)および図12(B)参照)に当接すると共に、右接地部材3の隆起部3c1の後側面3c1dが右接続部材1の後側壁部1b3に当接することによって、右接地部材3に対する右接続部材1の前側(図6(B)および図9(B)の左側)への動きが規制される。また、右接地部材3の隆起部3c1の前側面3c1cが右接続部材1の前側壁部1b1のガイド突起1b1aの後側面1b1a2(図11(A)、図11(C)および図12(B)参照)に当接すると共に、右接地部材3の後側壁部3dの前側面3d1が右接続部材1の後側壁部1b3に当接することによって、右接地部材3に対する右接続部材1の後側(図6(B)および図9(B)の右側)への動きが規制される。
【0087】
一方、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図6(B)および図9(B)に示すように、右接続部材1が右接地部材3に対して上下方向に摺動することができる。詳細には、第1の実施形態のリフトロック装置100では、右接続部材1が右接地部材3に対して下側に移動すると、図5(B)および図6(B)に示すように、右接地部材3の上面が右接続部材1のフランジ部1aに当接すると共に、右接地部材3の底部3aが右接続部材1の本体部1bに当接することによって、右接地部材3に対する右接続部材1の下側(図5(B)および図6(B)の下側)への動きが規制される。
【0088】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図5(B)および図8(B)に示すように、引張コイルばね5によって右接続部材1が右接地部材3に対して下側(図5(B)および図8(B)の下側)に付勢されている。第1の実施形態のリフトロック装置100では、もし仮に引張コイルばね5が破損した場合であっても、図8(B)に示すように、ねじ6によって右接地部材3に固定されたスリーブ12が右接続部材1の左側壁部1b2のスリーブ収容長穴1b2bの下端部に当接することによって、右接地部材3に対する右接続部材1の上側(図8(B)の上側)への動きが規制され、右接続部材1が右接地部材3から分離してしまうことが回避されている。更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、もし仮に引張コイルばね5が破損した場合であっても、右接地部材3(図15参照)の左側壁部3e(図15参照)のオーバーハング部3e1a(図15(A)および図15(F)参照)の下端部3e1a1(図15(F)参照)が右接続部材1(図12参照)の後側壁部1b3(図12参照)の係合溝1b3a1(図12参照)のストッパー面1b3a1a(図12(A)参照)に当接することによって、右接地部材3に対する右接続部材1の上側(図8(B)の上側)への動きが規制され、右接続部材1が右接地部材3から分離してしまうことが回避されている。
【0089】
また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図5(B)および図8(B)に示すように、抜け止め部材7によって右接地部材1に対して固定されている回転軸4の頭部4a(図3参照)が、右レバー部材2の支点部2aに当接することによって、右接続部材1に対する右レバー部材2の右側(図5(B)および図8(B)の左側)への動きが規制される。更に、右レバー部材2の支点部2aの左側面2a3が右接地部材1のフランジ部1aに当接することによって、接続部材1に対する右レバー部材2の左側(図5(B)および図8(B)の右側)への動きが規制される。
【0090】
一方、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図6(B)および図9(B)に示すように、右レバー部材2が回転軸4を中心に右接続部材1に対して回動することができる。詳細には、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図6(B)に示すように、右レバー部材2が回転軸4を中心に右接続部材1に対して時計回りに回動すると、右接続部材1の前側壁部1b1の上端部が右レバー部材2に当接することによって、右接続部材1に対する右レバー部材2の時計回りの動きが規制される。また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図9(B)に示すように、右レバー部材2が回転軸4を中心に右接続部材1に対して反時計回りに回動すると、右接続部材1の前側壁部1b1のガイド突起1b1aが右レバー部材2に当接することによって、右接続部材1に対する右レバー部材2の反時計回りの動きが規制される。
【0091】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図6(B)に示す状態において、右レバー部材2の低カム部2c2が右接地部材3の隆起部3c1の当接部3c1aに当接する。その結果、図6(B)に示す状態では、右接続部材1が右接地部材3に対して上側(図6(B)の上側)に突出せしめられない。次いで、右レバー部材2が回転軸4を中心に右接続部材1に対して反時計回りに回動すると、右レバー部材2の高カム部2c1が、右接地部材3の隆起部3c1の当接部3c1aに当接し、図9(B)に示すように、凹部3c1a1内に収容される。その結果、右接続部材1が右接地部材3に対して上側(図6(B)および図9(B)の上側)に移動せしめられ、図9(B)に示す状態では、右接続部材1が右接地部材3に対して上側(図9(B)の上側)に突出せしめられる。
【0092】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図9(B)に示す状態において、右接続部材1が右接地部材3に対して下側(図9(B)の下側)に移動して図6(B)に示す状態になるように、引張コイルばね5(図8(B)参照)によって付勢されている。更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図9(B)に示す状態から、右レバー部材2が回転軸4を中心に右接続部材1に対して図9(B)の時計回りに回動して図6(B)に示す状態になってしまわないように、右接地部材3の凹部3c1a1が回転軸4の中心を含む鉛直面よりも図9(B)の右側に配置されている。すなわち、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図9(B)に示す状態において、右レバー部材2が、右接地部材3の当接部3c1aからの上向きの抗力によって、図9(B)の反時計回りに回動する向きに付勢されている。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、右接続部材1が右接地部材3に対して下側(図9(B)の下側)に移動して図6(B)に示す状態になるように引張コイルばね5(図8(B)参照)によって付勢されているにもかかわらず、図9(B)に示す状態を安定的に維持することができる。
【0093】
第1の実施形態のリフトロック装置100の組立時には、上述した組立工程と同様に、左接続部材11(図3参照)と左レバー部材8(図3参照)と左接地部材9(図3参照)と回転軸4’(図3参照)と引張コイルばね5’(図3参照)とねじ6’(図3参照)と抜け止め部材7’(図3参照)とが組み立てられる。次いで、右レバー部材2(図3参照)とハンドル部材10(図3参照)の右端部10a(図3参照)とが圧入によって接続されると共に、左レバー部材8とハンドル部材10の左端部10b(図3参照)とが圧入によって接続され、第1の実施形態のリフトロック装置100が完成する。
【0094】
第1の実施形態のリフトロック装置100では、図1、図2(A)および図4(A)に示す状態の時にハンドル部材10が下側に押動されると、ハンドル部材10に接続された右レバー部材2および左レバー部材8が回転軸4,4’を中心に図2(A)の反時計回りに回動し、図9(B)に示すように右レバー部材2の高カム部2c1と右接地部材3の当接部3c1aとが当接することによって、右接続部材1が右接地部材3に対して上側(図9(B)の上側)に突出せしめられると共に、左レバー部材8の高カム部と左接地部材9の当接部とが当接することによって、左接続部材11が左接地部材9に対して上側に突出せしめられ、図2(B)および図4(B)に示す状態になる。上述したように、図2(B)および図4(B)に示す状態は、図9(B)に示すように右レバー部材2の高カム部2c1が右接地部材3の当接部3c1aの凹部3c1a1内に収容されると共に、左レバー部材8の高カム部が左接地部材9の当接部の凹部内に収容されることにより、安定的に維持される。
【0095】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図2(B)および図4(B)に示す状態の時にハンドル部材10が上側に押動されると、右レバー部材2および左レバー部材8が回転軸4,4’を中心に図2(B)の時計回りに回動し、図6(B)に示すように右レバー部材2の低カム部2c2と右接地部材3の当接部3c1aとが当接することにより、右接続部材1が下側(図6(B)の下側)に移動して、右接地部材3に対する右接続部材1の突出量が減少せしめられると共に、左レバー部材8の低カム部と左接地部材9の当接部とが当接することにより、左接続部材11が下側に移動して、左接地部材9に対する左接続部材11の突出量が減少せしめられ、図1、図2(A)および図4(A)に示す状態になる。図1、図2(A)および図4(A)に示す状態は、図5(B)に示すように引張コイルばね5によって右接続部材1が右接地部材3に対して下向きに付勢されると共に、引張コイルばね5’によって左接続部材11が左接地部材9に対して下向きに付勢されることにより、安定的に維持される。
【0096】
換言すれば、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、カムが接地部材(ベース本体)の上面よりも上側に配置されて外部に露出せしめられているのに対し、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図6に示すように、右レバー部材2の高カム部2c1および低カム部2c2が右接地部材3の凹部3f(図15参照)内に収容されており、右レバー部材2の高カム部2c1および低カム部2c2が外部に露出せしめられていない。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、リフトロック装置100の使用中に右レバー部材2の高カム部2c1または低カム部2c2と右接地部材3の当接部3c1aとの間に物が挟まれてしまうおそれを排除することができる。更に、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、カムが接地部材(ベース本体)の上面よりも上側に配置されている特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)よりも、リフトロック装置100全体の上下方向寸法を小型化することができる。
【0097】
一方、右レバー部材2の高カム部2c1および低カム部2c2が、右接地部材3の上面よりも低い位置に配置され、右接地部材3の凹部3f内に収容される場合には、右レバー部材2に対して回転軸4を組み立てられなくなるおそれがある。この点に鑑み、第1の実施形態のリフトロック装置100では、右レバー部材2(図3参照)の回転軸収容穴2a1(図13および図14参照)および右接続部材1(図3参照)の本体部1b(図11および図12参照)の左側壁部1b2(図11および図12参照)の回転軸収容穴1b2a(図11および図12参照)が右接地部材3(図3参照)の上面よりも上側に位置するまで右レバー部材2および右接続部材1を右接地部材3に対して上側に移動させた状態で右レバー部材2の回転軸収容穴2a1および右接続部材1の本体部1bの左側壁部1b2の回転軸収容穴1b2aに回転軸4(図3参照)を挿入することができるように、右レバー部材2の回転軸収容穴2a1および右接続部材1の本体部1bの左側壁部1b2の回転軸収容穴1b2aが配置されている。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、右レバー部材2の高カム部2c1および低カム部2c2を外部に露出させないこと、および、右レバー部材2および右接続部材1に対して回転軸4を組み立て可能にすることを同時に達成することができる。
【0098】
更に、特許文献1に記載されたリフトロック装置(昇降装置)では、例えば搭載ベース(接続部材)が持ち上げられて、搭載ベース(接続部材)がベース本体(接地部材)に対して上側に移動せしめられると、搭載ベース(接続部材)がベース本体(接地部材)から離間してしまう。それに対し、第1の実施形態のリフトロック装置100では、右接続部材1(図3参照)および右接地部材3(図3参照)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね5(図3参照)が設けられている。また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、右接続部材1が右接地部材3に対して上側に移動して右接地部材3から離間するのを防止するために右接地部材3の左側壁部3e(図15参照)の右側面3e1(図15(A)参照)のオーバーハング部3e1a(図15(A)および図15(F)参照)の下端部3e1a1(図15(F)参照)に当接するストッパー面1b3a1a(図12(A)参照)が右接続部材1の後側壁部1b3(図12参照)の左側面1b3a(図12参照)の係合溝1b3a1(図12参照)の下端部に形成されている。更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、右接続部材1の本体部1b(図11参照)の左側壁部1b2(図11参照)のスリーブ収容長穴1b2b(図11参照)の下端部とスリーブ12(図3参照)とが当接することにより、右接続部材1が右接地部材3に対して上側に移動して右接地部材3から離間してしまうのが防止されるように構成されている。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、例えば右接続部材1が持ち上げられた時に、右接続部材1が右接地部材3に対して上側に移動し右接地部材3から離間してしまうおそれを確実に排除することができる。
【0099】
一方、仮に引張コイルばね5(図3参照)が外部に露出せしめられていると、リフトロック装置100の使用中に引張コイルばね5に物が挟まれてしまうおそれがある。この点に鑑み、第1の実施形態のリフトロック装置100では、引張コイルばね5が、右接続部材1(図3参照)の本体部1b(図11参照)の前側壁部1b1(図11参照)と左側壁部1b2(図11参照)と後側壁部1b3(図11参照)とによって画定される凹部1b4(図11参照)内に収容されており、引張コイルばね5が外部に露出せしめられていない。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、リフトロック装置100の使用中に引張コイルばね5に物が挟まれてしまうおそれを排除することができる。
【0100】
また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、回転軸4(図3参照)が右レバー部材2(図3参照)の回転軸収容穴2a1(図13および図14参照)および右接続部材1(図3参照)の本体部1b(図11および図12参照)の左側壁部1b2(図11および図12参照)の回転軸収容穴1b2a(図11および図12参照)に対して挿入されている。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、回転軸4により、右接続部材1に対して回転可能に右レバー部材2を支持することができる。
【0101】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図5(B)および図8(B)に示すように、回転軸4が引張コイルばね5の上フック部5a(図3参照)に挿入されている。つまり、回転軸4が引張コイルばね5の上フック部5aを係止するための機能を有する。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、引張コイルばね5の上フック部5aを係止するための部材が回転軸4とは別個に設けられている場合よりも、リフトロック装置100全体の部品数を削減することができる。
【0102】
また、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図5(B)および図8(B)に示すように、スリーブ12が右接続部材1の本体部1bの左側壁部1b2のスリーブ収容長穴1b2bおよび右接地部材3の右側壁部3cの隆起部3c1(図15参照)の左側面3c1b(図15参照)のスリーブ収容穴3c1b1(図15参照)に対して挿入されている。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、右接地部材3に対して移動する右接続部材1をスリーブ12によってガイドすることができる。
【0103】
更に、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図5(B)および図8(B)に示すように、スリーブ12が引張コイルばね5の下フック部5b(図3参照)に挿入されている。つまり、スリーブ12が引張コイルばね5の下フック部5bを係止するための機能を有する。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、引張コイルばね5の下フック部5bを係止するための部材がスリーブ12とは別個に設けられている場合よりも、リフトロック装置100全体の部品数を削減することができる。
【0104】
詳細には、本発明者等の鋭意研究において、仮に、図7(B)に示すように、ねじ6のねじ頭6bを右接続部材1の左側壁部1b2の左側面1b2cに当接させることのみによって、右接地部材3に対する右接続部材1の左側への動きを規制しようとすると、例えばハンドル部材10(図3参照)を下側に押動するために大きい力が加えられた場合などに、右接続部材1が右接地部材3から外れる向きに力がかかり、右接地部材3が変形するおそれがあることが見い出された。この点に鑑み、第1の実施形態のリフトロック装置100では、図7(B)に示すように、ねじ6のねじ頭6bを右接続部材1の左側壁部1b2の左側面1b2cに当接させると共に、図7(A)に示すように、右接地部材3の左側壁部3eの右側面3e1を右接続部材1の後側壁部1b3の左側面1b3aに当接させることによって、右接地部材3に対する右接続部材1の左側への動きが規制されている。そのため、第1の実施形態のリフトロック装置100によれば、右接地部材3が変形してしまうおそれを低減しつつ、右接地部材3に対する右接続部材1の左側への動きを規制することができる。
【0105】
以下、第1の実施形態のリフトロック装置100の適用例について説明する。図16は第1の実施形態のリフトロック装置100を什器200に適用した例を示した図である。詳細には、図16(A)はリフトロック装置100のハンドル部材10が上側に押し上げられている状態における什器200を右前側かつ上側から見た斜視図である。図16(B)はリフトロック装置100のハンドル部材10が下側に押し下げられている状態における什器200を右前側かつ上側から見た斜視図である。
【0106】
図16に示す例では、例えば4個のキャスター200a,200b,200c(左後側のキャスターは図示せず)によってキャビネットタイプの什器200が移動可能に支持されている。更に、第1の実施形態のリフトロック装置100の右接続部材1(図3参照)の右フランジ部1a(図10参照)および左接続部材11(図3参照)の左フランジ部が什器200の底面に接続されている。詳細には、図16(A)に示すように、ハンドル部材10が上側に押し上げられている時に、リフトロック装置100の右接地部材3(図3参照)および左接地部材9(図3参照)が床面から離間し、すべてのキャスター200a,200b,200cの車輪200a1,200b1,200c1が床面に接触している。つまり、図16(A)に示す什器200は、リフトロック装置100によるロックが解除された状態になっており、移動(走行)可能な状態になっている。
【0107】
一方、図16(B)に示すように、ハンドル部材10が下側に押し下げられている時には、リフトロック装置100の右接地部材3(図3参照)および左接地部材9(図3参照)が床面に接触し、キャスター200a,200bの車輪200a1,200b1が床面から離間している。つまり、図16(B)に示す什器200は、リフトロック装置100によってロックされた状態になっており、床面に固定された状態になっている。
【0108】
本発明者等の鋭意研究により、図16に示すように4個のキャスター200a,200b,200c(左後側のキャスターは図示せず)によってキャビネットタイプの什器200が移動可能に支持されている場合、すべてのキャスター200a,200b,200cの車輪200a1,200b1,200c1を床面から離間させなくても、什器200を床面に対して十分に安定的に固定できることが確認された。
【0109】
この点に鑑み、図16に示す例では、2個のキャスター200a,200bの間に配置された1個のみのリフトロック装置100が設けられている。更に、図16(B)に示すように、ハンドル部材10が下側に押し下げられている時に、リフトロック装置100の右接地部材3(図3参照)および左接地部材9(図3参照)と、リフトロック装置100から最も離れている左後側および右後側のキャスター200cの車輪200c1とが床面に接触し、他のキャスター200a,200bの車輪200a1,200b1が床面から離間している。
【0110】
つまり、図16に示す例では、図16(A)に示す什器200が移動(走行)可能な状態から、図16(B)に示す什器200が床面に固定された状態に切り換えるために、1個のリフトロック装置100のハンドル部材10を下側に押し下げればよい。一方、図16(B)に示す什器200が床面に固定された状態から、図16(A)に示す什器200が移動(走行)可能な状態に切り換えるために、1個のリフトロック装置100のハンドル部材(10)を上側に押し上げればよい。
【0111】
すなわち、図16に示す例では、1個のリフトロック装置100のハンドル部材10を下側に押し下げる、または、上側に押し上げるワンアクションによって、図16(A)に示す什器200が移動(走行)可能な状態から図16(B)に示す什器200が床面に固定された状態への切り換え、および、図16(B)に示す什器200が床面に固定された状態から図16(A)に示す什器200が移動(走行)可能な状態への切り換えを実行することができる。
【0112】
図16に示す例では、第1の実施形態のリフトロック装置100が什器200に適用されているが、他の例では、例えばスーツケース、キャスター付きキャリーバッグ、キャスター付き黒板、キャスター付きホワイトボード、キャスター付き事務機器などのような、複数のキャスターによって移動可能に支持されている任意の物に対して第1の実施形態のリフトロック装置100を適用可能である。
【0113】
第5の実施形態では、上述した第1から第4の実施形態および上述した各例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 右接続部材
1a フランジ部
1b 本体部
1b1 前側壁部
1b2 左側壁部
1b2a 回転軸収容穴
1b2b スリーブ収容長穴
1b2c 左側面
1b3 後側壁部
1b3a 左側面
1b3a1 係合溝
1b3a1a ストッパー面
1b4 凹部
2 右レバー部材
2a1 回転軸収容穴
2c1 高カム部
2c2 低カム部
3 右接地部材
3a 底部
3b 前側壁部
3b1 切り欠き部
3c 右側壁部
3c1 隆起部
3c1a 当接部
3c1b 左側面
3c1b1 スリーブ収容穴
3d 後側壁部
3e 左側壁部
3e1 右側面
3e1a オーバーハング部
3e1a1 下端部
3f 凹部
4,4’ 回転軸
4a 頭部
4b 端部
4c 中央部
5 引張コイルばね
5a 上フック部
6 ねじ
6a ねじ部
6b ねじ頭
7 抜け止め部材
8 左レバー部材
9 左接地部材
10 ハンドル部材
11 左接続部材
12 スリーブ
100 リフトロック装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル部材(10)が下側に押動されると、ハンドル部材(10)に接続された右レバー部材(2)および左レバー部材(8)が回転軸(4,4’)を中心に一方の向きに回動し、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)と右接地部材(3)の当接部(3c1a)とが当接することによって、右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に突出せしめられると共に、左レバー部材(8)の高カム部と左接地部材(9)の当接部とが当接することによって、左接続部材(11)が左接地部材(9)に対して上側に突出せしめられ、
ハンドル部材(10)が上側に押動されると、右レバー部材(2)および左レバー部材(8)が回転軸(4,4’)を中心に他方の向きに回動し、右レバー部材(2)の低カム部(2c2)と右接地部材(3)の当接部(3c1a)とが当接することにより、右接続部材(1)が下側に移動して、右接地部材(3)に対する右接続部材(1)の突出量が減少せしめられると共に、左レバー部材(8)の低カム部と左接地部材(9)の当接部とが当接することにより、左接続部材(11)が下側に移動して、左接地部材(9)に対する左接続部材(11)の突出量が減少せしめられるように構成されたリフトロック装置(100)において、
樹脂材料の成形によって形成された右接地部材(3)に底部(3a)と前側壁部(3b)と右側壁部(3c)と後側壁部(3d)と左側壁部(3e)とを設け、
右接地部材(3)の右側壁部(3c)から左側に隆起している隆起部(3c1)の上面に、右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)に当接する当接部(3c1a)を形成し、
右接地部材(3)の左側壁部(3e)を右接地部材(3)の後端部かつ上端部のみに形成し、
右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)から右側に延びているオーバーハング部(3e1a)を形成し、
右接地部材(3)の前側壁部(3b)の前側から右接地部材(3)の前側壁部(3b)の後側に右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を挿入するための切り欠き部(3b1)を右接地部材(3)の前側壁部(3b)に形成し、
右接地部材(3)の右側壁部(3c)と隆起部(3c1)の上面と後側壁部(3d)とによって右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を収容するための凹部(3f)を画定し、
樹脂材料の成形によって形成された右接続部材(1)に、右接地部材(3)の上面に対向するフランジ部(1a)と、フランジ部(1a)から下側に延びている本体部(1b)とを設け、
右接続部材(1)の本体部(1b)に前側壁部(1b1)と左側壁部(1b2)と後側壁部(1b3)とを設け、
右接続部材(1)および右接地部材(3)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5)を収容するための凹部(1b4)を右接続部材(1)の本体部(1b)の前側壁部(1b1)と左側壁部(1b2)と後側壁部(1b3)とによって画定し、
右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)と係合するための係合溝(1b3a1)を右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)に形成し、
右接続部材(1)が右接地部材(3)に対して上側に移動して右接地部材(3)から離間するのを防止するために右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)の下端部(3e1a1)に当接するストッパー面(1b3a1a)を右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)の下端部に形成し、
右接続部材(1)の本体部(1b)の凹部(1b4)内に引張コイルばね(5)を収容し、
右接続部材(1)のフランジ部(1a)を右側に傾けた状態で右接続部材(1)の本体部(1b)および引張コイルばね(5)を左下向きに右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入し、
右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)と右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)とが対向するまで右接続部材(1)の本体部(1b)が右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入された時に、右接続部材(1)のフランジ部(1a)を水平に戻すことによって、右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)の係合溝(1b3a1)と右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)のオーバーハング部(3e1a)とを係合させ、
樹脂材料の成形によって形成された右レバー部材(2)の高カム部(2c1)および低カム部(2c2)を右接地部材(3)の前側壁部(3b)の切り欠き部(3b1)を介して右接地部材(3)の凹部(3f)内に挿入し、
右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)、引張コイルばね(5)の上フック部(5a)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)が右接地部材(3)の上面よりも上側に位置するまで、右レバー部材(2)、引張コイルばね(5)および右接続部材(1)を右接地部材(3)に対して上側に移動させ、
右レバー部材(2)の回転軸収容穴(2a1)、引張コイルばね(5)の上フック部(5a)および右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)の回転軸収容穴(1b2a)に対して回転軸(4)を挿入し、
回転軸(4)の中央部(4c)を隔てて回転軸(4)の頭部(4a)の反対側の回転軸(4)の端部(4b)に抜け止め部材(7)を装着し、
右接続部材(1)のフランジ部(1a)と右接地部材(3)の上面とが概略当接するまで、右レバー部材(2)、引張コイルばね(5)、右接続部材(1)、回転軸(4)および抜け止め部材(7)を右接地部材(3)に対して下側に移動させ、
引張コイルばね(5)にテンションをかけながら、右接続部材(1)の本体部(1b)の左側壁部(1b2)のスリーブ収容長穴(1b2b)、引張コイルばね(5)の下フック部(5b)および右接地部材(3)の右側壁部(3c)の隆起部(3c1)の左側面(3c1b)のスリーブ収容穴(3c1b1)に対してスリーブ(12)を挿入し、
スリーブ(12)を介してねじ(6)のねじ部(6a)と右接地部材(3)の右側壁部(3c)の隆起部(3c1)とを螺合させ、
ねじ(6)のねじ頭(6b)を右接続部材(1)の左側壁部(1b2)の左側面(1b2c)に当接させると共に、右接地部材(3)の左側壁部(3e)の右側面(3e1)を右接続部材(1)の後側壁部(1b3)の左側面(1b3a)に当接させることによって、右接続部材(1)の左側への動きを規制することを特徴とするリフトロック装置(100)。
【請求項2】
右接続部材(1)と鏡像関係を有する部材によって左接続部材(11)を構成し、
右レバー部材(2)と鏡像関係を有する部材によって左レバー部材(8)を構成し、
右接地部材(3)と鏡像関係を有する部材によって左接地部材(9)を構成し、
右レバー部材(2)を右接続部材(1)に対して回転可能に支持するための回転軸(4)と同一形状を有する部材によって、左レバー部材(8)を左接続部材(11)に対して回転可能に支持するための回転軸(4’)を構成し、
右接続部材(1)および右接地部材(3)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5)と同一形状を有する部材によって、左接続部材(11)および左接地部材(9)を互いに近づく側に付勢する引張コイルばね(5’)を構成し、
右接続部材(1)の左側への動きを規制するためのねじ(6)と同一形状を有する部材によって、左接続部材(11)の右側への動きを規制するためのねじ(6’)を構成し、
回転軸(4)の抜けを防止するための抜け止め部材(7)と同一形状を有する部材によって、回転軸(4’)の抜けを防止するための抜け止め部材(7’)を構成したことを特徴とする請求項1に記載のリフトロック装置(100)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリフトロック装置(100)と複数のキャスターとを具備する什器(200)であって、
ハンドル部材(10)が上側に押し上げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)が床面から離間し、すべてのキャスターの車輪が床面に接触しており、
ハンドル部材(10)が下側に押し下げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)が床面に接触し、少なくとも一部のキャスターの車輪が床面から離間していることを特徴とする什器(200)。
【請求項4】
2個のキャスターの間に配置された1個のみのリフトロック装置(100)を具備し、
ハンドル部材(10)が下側に押し下げられている時に、リフトロック装置(100)の右接地部材(3)および左接地部材(9)と、リフトロック装置(100)から最も離れているキャスターの車輪とが床面に接触し、他のキャスターの車輪が床面から離間していることを特徴とする請求項3に記載の什器(200)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate