説明

リフロー前処理装置およびリフロー前処理方法

【課題】はんだ付け対象のうちのはんだバンプが形成される表面にスズが付着することを防止すること。
【解決手段】水素ラジカル発生装置3と、浮遊物質捕獲用フィルター5とを備えている。水素ラジカル発生装置3は、はんだ付け対象10に配置されたはんだに水素ラジカルを照射する。浮遊物質捕獲用フィルター5は、その水素ラジカルが浮遊物質捕獲用フィルター5を通り抜けた後にそのはんだに照射されるように、配置される。そのはんだは、水素ラジカルに照射されたときに、表面に形成された酸化膜が除去され、そのはんだから遊離した浮遊物質を放出する。このようなリフロー処理装置は、その浮遊物質を浮遊物質捕獲用フィルター5が捕獲することにより、はんだ付け対象10の表面にその浮遊物質が堆積することを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフロー前処理装置およびリフロー前処理方法に関し、特に、はんだバンプを形成するときに利用されるリフロー前処理装置およびリフロー前処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フリップチップ実装(FC接続:FlipChip接続)を行うときに半導体チップ上に形成されるはんだバンプが知られている。そのはんだバンプは、その半導体チップ上に配置されたはんだが、低酸素雰囲気での熱処理(リフロー処理)が実行されることにより、形成される。そのはんだバンプは、その半導体チップに形成されている電極パッドと機械的電気的に接合されている。
【0003】
はんだを半導体チップ上に配置する方法としては、メッキ法、印刷法、はんだボール搭載等の方法が例示される。そのはんだとしては、主成分である鉛PbにスズSn等の成分を添加した合金や、主成分であるスズSnに銀Agや銅Cuを添加した合金が例示される。このようなはんだは、表面に酸化膜が形成されている状態でリフロー処理が実行されると、その酸化膜がはんだの溶融を阻害し、後のFC接続に必要とされるバンプ形状に形成されないことがある。このため、そのリフロー処理では、そのはんだを熱処理する前もしくは熱処理中に酸化膜を除去する必要がある。
【0004】
酸化膜を除去する方法としては、フラックスによる還元反応を利用した方法、還元性ガスとの反応により酸化膜を除去する方法等が例示される。その還元性ガスとしては、蟻酸や水素等が例示される。その蟻酸よる処理は、半導体チップの電極パッドのピッチの微細化が進むと、そのはんだの間隙への蟻酸浸入が困難であることが知られている。極性がある水素プラズマによる処理は、半導体チップのチャージが問題となることが知られている。その水素ガスを用いたバンプ表面酸化膜の除去方法では、水素ガスをプラズマによりイオン化・ラジカル化し反応性が高い状態にてバンプ表面に照射することにより、バンプ表面の酸化膜を除去している。
【0005】
特開2001−058259号公報には、洗浄工程が不要な半田付け方法が開示されている。その半田付け方法は、半田を有する被処理物が配置された真空室を真空状態に減圧する工程と、前記真空状態にある真空室の温度を、前記半田の溶融温度まで上昇させると共に前記半田の溶融温度に維持する加熱工程と、この加熱工程と並行して、前記真空室内に水素ラジカルを供給する工程とを具備している。その半田付け方法では、水素ガスにマイクロ波を照射することにより、水素イオン及び水素ラジカルを生成する。アースされた金属製のイオン捕獲フィルターがプラズマ発生部の下に設置されることにより、その水素イオン及び水素ラジカルの内の電気的に中性である水素ラジカルのみがフィルターを通過してウェーハ表面上に照射される。このような照射によれば、そのウェーハの帯電を抑制することができる。はんだ表面の酸化膜を除去した後に、真空或いは不活性ガス雰囲気中ではんだの融点以上の温度にて熱処理を行うことによりはんだが溶融しはんだバンプが形成される。
【0006】
特開2007−053245号公報には、はんだ表面にしわが発生することを防止するはんだ付け方法が開示されている。そのはんだ付け方法は、はんだ溶融温度よりも低い温度であってかつ大気圧よりも低い圧力で、はんだと、このはんだが接合される被はんだ付け部とを有する処理物に、遊離基ガスを照射する照射過程と、この過程に続いて、大気圧またはその近傍圧力の還元性雰囲気または不活性雰囲気において、前記はんだ溶融温度以上の温度に前記処理物を加熱する加熱過程と、この過程に続いて、大気圧またはその近傍圧力の還元性雰囲気または不活性雰囲気において、前記処理物を冷却する冷却過程とを具備している。
【0007】
特開2005−230830号公報には、品質のよいはんだ付け方法が開示されている。そのはんだ付け方法は、錫単独または、錫と銀、鉛、銅、ビスマス、インジウム、亜鉛の1つまたは2つ以上の成分とを含む固体状のはんだを有する被処理物が配置された真空室を、真空状態に減圧させ、その後、遊離基ガスを発生させて前記はんだの酸化膜を除去した後、前記遊離基ガスの発生を中止して、無酸化雰囲気で前記はんだをはんだの融点以上の温度にしてはんだを溶融する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−58259号公報
【特許文献2】特開2007−53245号公報
【特許文献3】特開2005−230830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
はんだの表面に形成される酸化膜は、錫酸化膜を含んでいる。その錫酸化膜は、水素イオンや水素ラジカル等に例示される活性化された水素に照射されたときに、次化学反応式:
SnO+4H→Sn+2H
SnO+8H→SnH+2H
により表現される反応により水素化スズSnHを生成する。水素化スズSnHは、気体であり、生成後に処理チャンバー内を浮遊する。その浮遊している水素化スズSnHは、ウェーハ表面上に形成される保護膜(たとえば、ポリイミドから形成されている。)に達すると、その保護膜が触媒となることによりスズSnと水素Hとに分解され、スズSnがその保護膜上に付着することがある。このようなスズの付着は、問題を発生させることがある。
【0010】
本発明の目的は、はんだ付け対象のうちのはんだバンプが形成される表面にスズが付着することを防止するリフロー前処理装置およびリフロー前処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、発明を実施するための形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明によるリフロー前処理装置は、水素ラジカル発生装置(3)と、浮遊物質捕獲用フィルター(5)(31)とを備えている。水素ラジカル発生装置(3)は、はんだ付け対象(10)に配置されたはんだに水素ラジカルを照射する。浮遊物質捕獲用フィルター(5)(31)は、その水素ラジカルが浮遊物質捕獲用フィルター(5)(31)を通り抜けた後にそのはんだに照射されるように、配置される。
【0013】
本発明によるリフロー前処理方法は、はんだ付け対象(10)と浮遊物質捕獲用フィルター(5)(31)とを所定位置に配置するステップと、はんだ付け対象(10)と浮遊物質捕獲用フィルター(5)(31)とがその所定位置に配置されているときに、はんだ付け対象(10)に配置されたはんだを水素ラジカルで照射するステップとを備えている。その水素ラジカルは、はんだ付け対象(10)と浮遊物質捕獲用フィルター(5)(31)とがその所定位置に配置されているときに、浮遊物質捕獲用フィルター(5)(31)を通り抜けた後にそのはんだに照射される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるリフロー前処理装置およびリフロー前処理方法は、はんだ付け対象のうちのそのはんだが配置される表面にスズが付着することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明によるリフロー前処理装置を示す断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A断面を示し、スズ捕獲用フィルターを示す断面図である。
【図3】図3は、本発明によるリフロー前処理方法が適用される半導体パッケージ製品製造方法により製造されるFCBGAパッケージを示す断面図である。
【図4】図4は、他のスズ捕獲用フィルターを示す平面図である。
【図5】図5は、リフロー前処理装置の比較例を示す断面図である。
【図6】図6は、保護膜表面スズ堆積量を示すグラフである。
【図7】図7は、充填樹脂剥離発生数を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明によるリフロー前処理装置の実施の形態を記載する。そのリフロー前処理装置は、図1に示されているように、チャンバー1に複数の装置が設けられている。チャンバー1は、環境から内部を隔離する容器である。チャンバー1は、ゲートが形成されている。そのゲートは、チャンバー1の内部とロードロックチャンバーの内部とを接続し、ユーザにより閉鎖され、または、開放される。そのロードロックチャンバーは、搬送装置を備えている。その搬送装置は、そのゲートが開放されているときに、そのロードロックチャンバーの内部に配置されている搬送対象をチャンバー1の内部に搬入し、または、チャンバー1の内部に配置されている搬送対象をそのロードロックチャンバーの内部に搬出する。
【0017】
その複数の装置は、複数のリフトピン2とピン駆動装置4と水素ラジカル発生装置3と錫捕獲用フィルター5とフィルター駆動モーター6とフィルター用ヒーター7とウェーハ用ヒーター8と制御装置9とを含んでいる。
【0018】
複数のリフトピン2は、それぞれ、棒状に形成され、一端に保持部が形成されている。複数のリフトピン2は、それぞれ、鉛直方向に沿うように、かつ、その保持部が鉛直上側を向くように、チャンバー1の内部に配置されている。複数のリフトピン2は、さらに、複数のリフトピン2の全部の保持部が1つの水平面上に配置されるように、鉛直方向に平行移動可能にチャンバー1に支持されている。複数のリフトピン2は、複数のリフトピン2のその保持部にウェーハ10が載せられることにより、ウェーハ10をチャンバー1の内部に保持する。
【0019】
ウェーハ10は、複数の回路素子と複数の配線とを内部に備えている。その複数の配線は、その複数の回路素子を電気的に接続することにより、複数の回路を形成している。ウェーハ10は、さらに、保護膜と複数の電極パッドとを表層に備えている。その保護膜は、ポリイミドから形成され、その複数の回路素子とその複数の配線とを被覆し、外部環境からその複数の回路素子とその複数の配線とを保護している。その保護膜は、複数の開口部が形成されている。その複数の電極パッドは、導体から形成され、その複数の開口部にそれぞれ配置されている。その複数の電極パッドは、その複数の配線を介してその複数の回路素子のいずれかに電気的に接続されている。ウェーハ10は、さらに、その複数の電極パッドに複数のはんだがそれぞれ配置されている。その複数のはんだは、それぞれ、スズSnと鉛Pbとを含有している合金から形成されている。
【0020】
なお、そのはんだは、スズSnを含有する他の金属に置換されることができる。そのはんだとしては、スズSnと銀Agとを含有している合金、スズSnと銅Cuとを含有している合金、純スズが例示される。
【0021】
ピン駆動装置4は、制御装置9により制御されることにより、複数のリフトピン2の全部の保持部が1つの水平面に配置されたまま、複数のリフトピン2の全部を鉛直方向に平行に移動させる。
【0022】
水素ラジカル発生装置3は、石英板11とイオン捕獲用フィルター12とマグネトロン14とを備えている。石英板11は、石英から形成され、板状に形成されている。イオン捕獲用フィルター12は、アルミニウムから形成され、板状のメッシュに形成されている。なお、イオン捕獲用フィルター12は、アルミニウムと異なる他の導体から形成されることもできる。その導体としては、ステンレス鋼が例示される。イオン捕獲用フィルター12は、チャンバー1の内部がプラズマ発生室15とリフロー前処理室16とに分割されるように、チャンバー1の内部に配置されている。すなわち、イオン捕獲用フィルター12は、プラズマ発生室15とリフロー前処理室16とを隔離している。プラズマ発生室15は、石英板11とイオン捕獲用フィルター12と間に挟まれている空間である。リフロー前処理室16には、複数のリフトピン2が配置されている。イオン捕獲用フィルター12は、さらに、接地されている。マグネトロン14は、制御装置9により制御されることにより、石英板11を介してプラズマ発生室15にマイクロ波17を出力する。水素ラジカル発生装置3は、さらに、図示されていない水素ガス供給装置を備えている。その水素ガス供給装置は、制御装置9により制御されることにより、プラズマ発生室15に接続される配管を介してプラズマ発生室15に水素ガスを供給する。
【0023】
錫捕獲用フィルター5は、ニッケルNiから形成されている。錫捕獲用フィルター5は、チャンバー1の内部に配置され、チャンバー1の内部を平行移動可能に、かつ、回転移動可能に支持されている。フィルター駆動モーター6は、制御装置9により制御されることにより、錫捕獲用フィルター5を移動させる。フィルター駆動モーター6は、さらに、錫捕獲用フィルター5の位置を測定し、その位置を制御装置9に出力する。フィルター用ヒーター7は、錫捕獲用フィルター5に熱的に接続されている。フィルター用ヒーター7は、制御装置9により制御されることにより、発熱する。フィルター用ヒーター7は、さらに、錫捕獲用フィルター5の温度を測定し、その温度を制御装置9に出力する。ウェーハ用ヒーター8は、チャンバー1の内部のリフロー前処理室16に配置されている。ウェーハ用ヒーター8は、制御装置9により制御されることにより、発熱する。ウェーハ用ヒーター8は、さらに、複数のリフトピン2に保持されているウェーハ10の温度を測定し、その温度を制御装置9に出力する。
【0024】
チャンバー1は、さらに、図示されていない排気装置を備えている。その排気装置は、制御装置9により制御されることにより、チャンバー1に形成されている排気口を介してチャンバー1の内部から気体を排気する。その排気装置は、さらに、チャンバー1の内部の雰囲気の気圧を測定し、その気圧を制御装置9に出力する。
【0025】
制御装置9は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置とリムーバルメモリドライブと通信装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、制御装置9にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置とリムーバルメモリドライブと通信装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録する。その記憶装置は、さらに、そのCPUにより利用される情報を記録する。そのリムーバルメモリドライブは、コンピュータプログラムが記録されている記録媒体が挿入されたときに、そのコンピュータプログラムを制御装置9にインストールするときに利用される。その通信装置は、通信回線網を介して制御装置9に接続される他のコンピュータからコンピュータプログラムを制御装置9にダウンロードし、そのコンピュータプログラムを制御装置9にインストールするときに利用される。その入力装置は、ユーザに操作されることにより生成される情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボード、マウスが例示される。その出力装置は、そのCPUにより生成された情報をユーザに認識されることができるように出力する。その出力装置としては、そのCPUにより生成された画像を表示するディスプレイが例示される。
【0026】
そのインターフェースは、制御装置9に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、水素ラジカル発生装置3とフィルター駆動モーター6とフィルター用ヒーター7とウェーハ用ヒーター8とを含んでいる。
【0027】
制御装置9にインストールされるコンピュータプログラムは、制御装置9に複数の機能をそれぞれ実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、ウェーハ搬送部と酸化膜除去部とを含んでいる。
【0028】
そのウェーハ搬送部は、ウェーハ10が複数のリフトピン2に保持される前に、複数のリフトピン2から鉛直上方に十分に離れた位置に錫捕獲用フィルター5が配置されるように、フィルター駆動モーター6を制御する。そのウェーハ搬送部は、ウェーハ10が複数のリフトピン2に保持される前に、さらに、ウェーハ用ヒーター8から鉛直上方に十分に離れた位置に複数のリフトピン2の保持部が配置されるように、ピン駆動装置4を制御する。
【0029】
そのウェーハ搬送部は、ウェーハ10が複数のリフトピン2に保持された後に、ウェーハ10がウェーハ用ヒーター8の十分に近傍に配置されるように、ピン駆動装置4を制御する。そのウェーハ搬送部は、ウェーハ10が複数のリフトピン2に保持された後に、さらに、錫捕獲用フィルター5がウェーハ10に所定の距離まで接近するように、フィルター駆動モーター6を制御する。その所定の距離は、1mm〜10mmの範囲に含まれる距離である。
【0030】
そのウェーハ搬送部は、ウェーハ10が水素ラジカルHに照射された後に、複数のリフトピン2から鉛直上方に十分に離れた位置に錫捕獲用フィルター5が配置されるように、フィルター駆動モーター6を制御する。そのウェーハ搬送部は、ウェーハ10が水素ラジカルに照射された後に、さらに、ウェーハ用ヒーター8から鉛直上方に十分に離れた位置に複数のリフトピン2の保持部が配置されるように、ピン駆動装置4を制御する。
【0031】
その酸化膜除去部は、複数のリフトピン2に保持されるウェーハ10に所定量の水素ラジカルHが照射されるように、水素ラジカル発生装置3を制御する。すなわち、その酸化膜除去部は、ウェーハ10が複数のリフトピン2に保持されているときに、チャンバー1の内部の雰囲気が所定の気圧になるように、その排気装置を制御する。その酸化膜除去部は、所定量の水素ガスHがプラズマ発生室15に供給されるように、その水素ガス供給装置を制御する。その酸化膜除去部は、所定量のマイクロ波17がプラズマ発生室15に出力されるように、マグネトロン14を制御する。
【0032】
プラズマ発生室15に充填された水素ガスがマイクロ波17に照射されることにより、プラズマ発生室15に水素プラズマが発生し、複数の粒子が生成される。その複数の粒子は、電荷を有するイオンと電荷を有していない水素ラジカルHとを含んでいる。そのイオンは、水素イオンHを含んでいる。そのイオンは、イオン捕獲用フィルター12に捕獲される。水素ラジカルHは、イオン捕獲用フィルター12を通り抜けて、リフロー前処理室16に放出され、複数のリフトピン2に保持されるウェーハ10に照射される。
【0033】
その酸化膜除去部は、ウェーハ10が水素ラジカルHに照射されているときに、錫捕獲用フィルター5が所定温度になるように、フィルター用ヒーター7を制御する。その所定温度は、50℃から耐熱温度までの温度範囲に含まれる温度である。その耐熱温度は、錫捕獲用フィルター5が耐えることができる上限温度を示し、たとえば、200℃を示している。その酸化膜除去部は、ウェーハ10に水素ラジカルHが照射されているときに、さらに、錫捕獲用フィルター5が鉛直方向に平行である回転軸を中心に回転するように、フィルター駆動モーター6を制御する。
【0034】
その酸化膜除去部は、さらに、ウェーハ10に配置されている複数のはんだが所定温度になるように、ウェーハ用ヒーター8を制御する。その所定温度は、50℃から上限温度までの温度範囲に含まれる温度である。その上限温度は、その複数のはんだの融点より低い温度を示し、たとえば、200℃を示している。
【0035】
図2は、錫捕獲用フィルター5を示している。錫捕獲用フィルター5は、ウェーハ10よりひとまわり大きい円盤状に形成され、網状に形成されている。錫捕獲用フィルター5は、さらに、錫捕獲用フィルター5の面積に対する網目の面積の開口率が70%程度になるように、形成されている。このとき、水素ラジカル発生装置3からリフロー前処理室16に放出された水素ラジカルHは、錫捕獲用フィルター5に形成されている網目を通り抜けて、ウェーハ10に照射される。錫捕獲用フィルター5は、このように網状に形成されることにより、水素ラジカルHがより多く通り抜けることができ、ウェーハ10の近傍に配置された場合でも、より多くの水素ラジカルHをウェーハ10に照射させることができる。錫捕獲用フィルター5は、リフロー前処理室16に配置されることにより、リフロー前処理室16に浮遊している水素化スズSnHを捕獲する。錫捕獲用フィルター5は、錫捕獲用フィルター5の表面の表面積が大きいほど、水素化スズSnHがスズSnと水素Hとに分解する分解反応の触媒としての効率がより良くなる。すなわち、錫捕獲用フィルター5は、網の目が粗いものに比較して、網の目が粗いもの細かいものほど、水素化スズSnHをより効率よく分解することができる。
【0036】
本発明によるリフロー前処理方法の実施の形態は、このようなリフロー前処理装置を用いて実行され、半導体パッケージを生産する半導体パッケージ製造方法に適用されている。その半導体パッケージ製造方法は、そのリフロー前処理方法を実行する動作と、リフロー処理と、フリップチップ接続とを備えている。
【0037】
そのリフロー前処理方法では、制御装置9は、まず、フィルター駆動モーター6を制御することにより、複数のリフトピン2から鉛直上方に十分に離れた位置に錫捕獲用フィルター5を移動させる。制御装置9は、さらに、ピン駆動装置4を制御することにより、ウェーハ用ヒーター8から鉛直上方に十分に離れた位置に複数のリフトピン2の保持部を配置する。ユーザは、チャンバー1のゲートを開放し、そのロードロックチャンバーの搬送装置を制御することにより、そのロードロックチャンバーに配置されているウェーハ10を複数のリフトピン2に載せ、複数のリフトピン2にウェーハ10を保持させる。ユーザは、ウェーハ10が複数のリフトピン2に保持された後に、チャンバー1のゲートを閉鎖する。
【0038】
このとき、そのロードロックチャンバーの搬送装置は、錫捕獲用フィルター5が複数のリフトピン2から鉛直上方に十分に離れた位置に配置され、かつ、複数のリフトピン2の保持部がウェーハ用ヒーター8から鉛直上方に十分に離れた位置に配置されることにより、錫捕獲用フィルター5とウェーハ用ヒーター8とに干渉されないで、ウェーハをそのロードロックチャンバーからチャンバー1に搬入することができる。
【0039】
制御装置9は、ウェーハ10が複数のリフトピン2に保持された後に、ピン駆動装置4を制御することにより、ウェーハ10がウェーハ用ヒーター8の十分に近傍に配置されるように、複数のリフトピン2を鉛直下方に移動させる。ウェーハ用ヒーター8は、ウェーハ10がウェーハ用ヒーター8の十分に近傍に配置されることにより、ウェーハ10を加熱することができる。
【0040】
制御装置9は、ウェーハ10が複数のリフトピン2に保持された後に、さらに、フィルター駆動モーター6を制御することにより、錫捕獲用フィルター5がウェーハ10の所定の距離(1mm〜10mm)に配置されるように、錫捕獲用フィルター5を鉛直下方に移動させる。錫捕獲用フィルター5は、錫捕獲用フィルター5がウェーハ10にその所定の距離まで接近することにより、ウェーハ10から放出される水素化スズSnHを効率よく捕獲することができる。
【0041】
制御装置9は、ウェーハ10と錫捕獲用フィルター5とが所定の位置に配置されているときに、水素ラジカル発生装置3を制御することにより、複数のリフトピン2に保持されるウェーハ10に所定量の水素ラジカルHを照射する。すなわち、制御装置9は、その排気装置を制御することにより、チャンバー1の内部の雰囲気を所定の気圧にする。制御装置9は、その水素ガス供給装置を制御することにより、所定量の水素ガスHをプラズマ発生室15に供給する。制御装置9は、マグネトロン14を制御することにより、プラズマ発生室15に水素のプラズマが生成されるように、所定量のマイクロ波17をプラズマ発生室15に出力する。
【0042】
ウェーハ10に配置されている複数のはんだは、表面に酸化膜が形成されていることがある。その酸化膜は、ウェーハ10が水素ラジカルHに照射されることにより、除去される。その酸化膜は、錫酸化膜を含んでいる。その錫酸化膜は、酸化スズSnOを含有している。その錫酸化膜は、水素ラジカルHに照射されたときに、次化学反応式:
SnO+4H→Sn+2H
SnO+8H→SnH+2H
により表現される反応により分解され、スズSnと水素化スズSnHとが生成される。スズSnは、そのはんだの表面に残る。水素化スズSnHは、気体であり、生成後に揮発して、リフロー前処理室16を浮遊する。
【0043】
制御装置9は、さらに、ウェーハ用ヒーター8を制御することにより、ウェーハ10に配置された複数のはんだを所定の温度に加熱する。その所定の温度は、高いほどはんだ表面の酸化膜を効率よく除去できるが、はんだ融点を超えると水素がはんだ中に入り込みバンプ中に気泡が発生することがある。このため、その所定の温度を50℃以上はんだ融点以下とすることが好ましい。その複数のはんだは、その所定の温度に加熱されることにより、水素ラジカルHが照射されたときに、効率よく酸化膜が分解され除去される。
【0044】
水素化スズSnHは、ウェーハ10の保護膜に接触すると、その保護膜を触媒として、スズSnと水素Hに解離する。その解離したスズSnは、その保護膜に付着して堆積する。その所定の温度が高いと、そのウェーハ10の保護膜を触媒とした解離速度が大きくなる。このためその所定の温度は100℃以上150℃以下とすることがさらに好ましい。これによりはんだ表面の酸化膜を効率よく除去しつつ、そのウェーハ10の保護膜を触媒とした解離速度を抑制することができる。水素化スズSnHは、錫捕獲用フィルター5に接触すると、スズSnと水素Hに解離する。その解離したスズSnは、錫捕獲用フィルター5に付着して固体化する。
【0045】
制御装置9は、ウェーハ10に水素ラジカルHが照射されているときに、フィルター用ヒーター7を制御することにより、錫捕獲用フィルター5を所定温度に加熱する。その所定温度としては、50℃から耐熱温度までの温度範囲に含まれる温度である。その耐熱温度は、錫捕獲用フィルター5が耐えることができる上限温度を示し、たとえば、200℃を示している。錫捕獲用フィルター5は、錫捕獲用フィルター5がその所定温度になることにより、ウェーハ10から放出される水素化スズSnHを効率よく捕獲することができる。
さらに、錫捕獲用フィルター5の温度をウェーハ10に配置された複数のはんだの温度より高くすることが好ましい。これによりウェーハ10の保護膜を触媒とした解離速度を抑制しつつ、錫捕獲用フィルター5による水素化スズSnHを効率よく捕獲することができる。
【0046】
制御装置9は、ウェーハ10に水素ラジカルHが照射されているときに、さらに、フィルター駆動モーター6を制御することにより、鉛直方向に平行である回転軸を中心に錫捕獲用フィルター5を回転させる。水素ラジカルHは、錫捕獲用フィルター5が回転することにより、均一にウェーハ10のはんだに照射される。錫捕獲用フィルター5は、錫捕獲用フィルター5が回転することにより、ウェーハ10から放出される水素化スズSnHが均一に捕獲される。
【0047】
制御装置9は、ウェーハ10が水素ラジカルHに照射された後に、フィルター駆動モーター6を制御することにより、複数のリフトピン2から鉛直上方に十分に離れた位置に錫捕獲用フィルター5を移動させる。制御装置9は、ウェーハ10が水素ラジカルに照射された後に、さらに、ピン駆動装置4を制御することにより、ウェーハ用ヒーター8から鉛直上方に十分に離れた位置に複数のリフトピン2の保持部を移動させる。ユーザは、チャンバー1のゲートを開放し、そのロードロックチャンバーの搬送装置を制御することにより、複数のリフトピン2に保持されているウェーハ10をそのロードロックチャンバーに搬出する。そのロードロックチャンバーの搬送装置は、錫捕獲用フィルター5が複数のリフトピン2から鉛直上方に十分に離れた位置に配置され、かつ、複数のリフトピン2の保持部がウェーハ用ヒーター8から鉛直上方に十分に離れた位置に配置されることにより、錫捕獲用フィルター5とウェーハ用ヒーター8とに干渉されないで、ウェーハ10をそのロードロックチャンバーに搬出することができる。
【0048】
このようなリフロー前処理方法によれば、チャンバー1の内部に浮遊する水素化スズSnHが錫捕獲用フィルター5に捕獲されることにより、ウェーハ10の保護膜に接触する水素化スズSnHの量を低減することができる。このため、このようなリフロー前処理方法は、ウェーハ10の保護膜で生成されるスズSnの量を低減することができ、ウェーハ10の保護膜に堆積するスズSnの量を低減することができる。
【0049】
チャンバー1の内壁は、水素化スズSnHが接触すると、水素化スズSnHから解離したスズSnが付着して堆積する。このため。チャンバー1は、その内壁を定期的にクリーニングする必要がある。このようなリフロー前処理方法によれば、チャンバー1の内部に浮遊する水素化スズSnHの量を低減することができ、チャンバー1の内壁に付着して堆積するスズSnを低減することができる。その結果、このようなリフロー前処理方法は、そのクリーニングの頻度を低減することができ、そのリフロー前処理装置の稼働率を向上させることができる。
【0050】
錫捕獲用フィルター5は、ウェーハ10の近傍に配置されることにより、ウェーハ10に配置されている複数のはんだから放出される水素化スズSnHをより高確率で接触することができる。このため、錫捕獲用フィルター5は、水素化スズSnHをより効率よく捕獲することができ、ウェーハ10の保護膜に接触しようとする水素化スズSnHをより効率よく捕獲することができる。このため、錫捕獲用フィルター5をウェーハ10の近傍に移動させる動作によれば、ウェーハ10を複数のリフトピン2に搬入したりウェーハ10を複数のリフトピン2から搬出したりすることをより容易にし、かつ、水素化スズSnHをより効率よく捕獲することができる。
【0051】
錫捕獲用フィルター5は、温度が高いほど、水素化スズSnHをより効率よくスズSnと水素Hとに分解することができる。このため、錫捕獲用フィルター5を加熱する動作によれば、錫捕獲用フィルター5は、水素化スズSnHをより効率よくスズSnと水素Hとに分解することができ、水素化スズSnHが保護膜に堆積することをより効率よく低減することができる。さらに、錫捕獲用フィルター5は、100℃からその耐熱温度までの温度範囲に含まれる温度に加熱されることにより、50℃からその耐熱温度までの温度範囲に含まれる温度に加熱されることに比較して、水素化スズSnHをより効率よく分解することができ、水素化スズSnHが保護膜に堆積することをより効率よく低減することができる。水素化スズSnHがスズSnと水素Hとに分解する分解反応は、錫捕獲用フィルター5が140℃以上になると、急激に促進される。このため、錫捕獲用フィルター5は、150℃からその耐熱温度までの温度範囲に含まれる温度に加熱されることにより、さらに、水素化スズSnHをより効率よく分解することができ、スズSnが保護膜に堆積することをより効率よく低減することができる。このとき、錫捕獲用フィルター5は、200℃の温度に耐えられる金属から形成されていることが好ましい。
【0052】
なお、錫捕獲用フィルター5は、200℃までの温度に耐えられる他の金属に置換されることもできる。その金属としては、スズSnと合金化反応を起こす他の金属が好ましい。その金属としては、ニッケルNiを含有する合金、銅Cu、銅Cuを含有する合金が例示される。その金属から形成された錫捕獲用フィルターは、錫捕獲用フィルター5と同様にして、水素化スズSnHをより効率よく分解することができる。このため、その錫捕獲用フィルターが適用されたリフロー前処理装置は、錫捕獲用フィルター5が適用されたリフロー前処理装置と同様にして、スズSnが保護膜に堆積することをより効率よく低減することができる。
【0053】
水素ラジカルHが照射された後、ロードロックチャンバーに搬出されたウェーハ10は、真空、或いは不活性ガス雰囲気中で搬送され、別途用意されたリフロー処理装置に搬入される。
そのリフロー処理装置において、ユーザは、ウェーハ10をはんだの融点以上に加熱し、その複数のはんだを溶融させる。ユーザは、その複数のはんだがそれぞれ溶融した後に、その溶融した複数のはんだを放冷して複数のはんだバンプの形状に凝固させる。
【0054】
図3は、その半導体パッケージ製品製造方法により生産された半導体パッケージ製品を示している。その半導体パッケージ製品は、半導体チップ21と複数のはんだバンプ22とインターポーザ23とアンダーフィル樹脂24とリッド25とを備えている。半導体チップ21は、ウェーハ10の一部分であり、板状に形成され、複数の回路素子と複数の配線とを内部に備えている。その複数の配線は、その複数の回路素子を電気的に接続することにより、複数の回路を形成している。半導体チップ21は、さらに、インターポーザ23に対向する面に保護膜と複数のはんだバンプ22が形成されている。その保護膜は、その複数の回路素子とその複数の配線とを被覆している。複数のはんだバンプ22は、その複数の配線を介してその複数の回路素子のいずれかに電気的に接続されている。
【0055】
インターポーザ23は、板状に形成され、複数の内部配線を備えている。その複数の内部配線は、互いに電気的に絶縁されるようにインターポーザ23の内部に配置されている。インターポーザ23は、半導体チップ21に対向する面が、複数のはんだバンプ22を介して半導体チップ21に接合されている。インターポーザ23は、半導体チップ21に対向する面の裏側の面に複数のはんだボール26が形成されている。このとき、その複数の内部配線は、複数のはんだバンプ22を複数のはんだボール26にそれぞれ電気的に接続している。
【0056】
アンダーフィル樹脂24は、絶縁体から形成され、半導体チップ21とインターポーザ23との間に充填されている。アンダーフィル樹脂24は、半島体チップ21に形成されている保護膜27に密着し、インターポーザ23の半導体チップ21に対向する面に密着することにより。複数のはんだバンプ22を保護している。リッド25は、器状に形成されている。リッド25は、その器の縁の全部がインターポーザ23に密着されることにより、その器の内部に半導体チップ21を配置し、半導体チップ21を保護している。
【0057】
その半導体パッケージ製品製造方法のうちのフリップチップ接続では、ユーザは、まず、その複数のはんだバンプが形成されたウェーハ10を複数のチップに切断する。ユーザは、後樹脂工法を用いて、その複数のチップの各々のチップ21を1つのインターポーザ23に取り付ける。すなわち、ユーザは、チップ21とインターポーザ23とが複数のはんだバンプ22を挟むように配置し、複数のはんだバンプ22を溶融させることにより、半導体チップ21とインターポーザ23とをはんだ付けする。ユーザは、半導体チップ21とインターポーザ23とがはんだ付けされた後に、液状の絶縁性樹脂を半導体チップ21の一辺に塗布し、毛細管現象により半導体チップ21とインターポーザ23との微小間隙に浸透させる。ユーザは、その塗布と浸透とを半導体チップ21のサイズから算出された回数だけ繰り返した後に、その絶縁性樹脂をアンダーフィル樹脂22に硬化させる。ユーザは、アンダーフィル樹脂22を形成した後に、半導体チップ21が保護されるように、リッド25をインターポーザ23に密着させる。インターポーザ23のうちの半導体チップ21に対向する面の裏側の面に複数のはんだボール26を形成する。
【0058】
このような後樹脂工法は、公知であり、特開2009−057575号公報に詳細が開示されている。なお、アンダーフィル樹脂22は、このような後樹脂工法と異なる他の方法により充填されることもできる。その方法としては、チップ21とインターポーザ23との接合面に樹脂が塗布されたあとにフリップチップ接続する先樹脂工法が例示される。その先樹脂工法に適用される樹脂としては、液状樹脂とフィルム状樹脂とが例示される。その液状樹脂が適用される先樹脂工法は、公知であり、特開2003−338525号公報に開示されている。そのフィルム状樹脂が適用される先樹脂工法は、公知であり、特開2008−311443号公報に開示されている。
【0059】
複数のはんだバンプ22は、保護膜27にスズSnが堆積したときに、複数のはんだバンプ22のうちの互いに異なる2つのはんだバンプが電気的に接続されることがある。その半導体パッケージ製品は、その2つのはんだバンプが電気的に接続されると、不良品となる。このような半導体パッケージ製品製造方法は、本発明によるリフロー前処理方法が適用されていることにより、保護膜27に堆積するスズSnの量を低減することができる。この結果、このような半導体パッケージ製品製造方法は、複数のはんだバンプ22が電気的に接続されることを防止し、その半導体パッケージ製品の不良率を低減することができる。
【0060】
保護膜27とアンダーフィル樹脂24とは、保護膜27にスズSnが堆積したときに、密着しないことがある。このような半導体パッケージ製品製造方法は、本発明によるリフロー前処理方法が適用されていることにより、保護膜27に堆積するスズSnの量を低減することができる。この結果、このような半導体パッケージ製品製造方法は、半導体チップ21の保護膜27とアンダーフィル樹脂24とより確実に密着させることができ、その半導体パッケージ製品のアンダーフィル樹脂24の密着不良を低減させることができる。
【0061】
錫捕獲用フィルター5は、水素ラジカルHが通り抜けることができる他の錫捕獲用フィルターに置換されることができる。たとえば、その錫捕獲用フィルター21は、図4に示されているように、錫捕獲用フィルター5と同様にして、ウェーハ10よりひとまわり大きい円盤状に形成されている。錫捕獲用フィルター21は、さらに、複数の孔22−1〜22−n(n=2,3,4,…)が形成され、いわゆるパンチング板構造に形成されている。錫捕獲用フィルター21は、さらに、錫捕獲用フィルター21の面積に対する複数の孔22−1〜22−nの面積の開口率が70%程度になるように、形成されている。錫捕獲用フィルター21は、さらに、表面に十分に細かな凹凸が形成されている。このとき、水素ラジカル発生装置3からリフロー前処理室16に放出された水素ラジカルHは、複数の孔22−1〜22−nを通り抜けて、ウェーハ10に照射される。
【0062】
錫捕獲用フィルター21が適用されたリフロー前処理装置は、錫捕獲用フィルター5が適用されたリフロー前処理装置と同様にして、水素化スズSnHを捕獲することにより、ウェーハ10の保護膜にスズSnが堆積することを防止することができる。
【0063】
錫捕獲用フィルター21は、錫捕獲用フィルター21の表面の表面積が大きいほど、水素化スズSnHがスズSnと水素Hとに分解する分解反応の触媒としての効率がより良くなる。すなわち、錫捕獲用フィルター21は、表面が研磨されているものに比較して、表面に凹凸が形成されているものほど、水素化スズSnHをより効率よく分解することができる。このため、錫捕獲用フィルター21は、錫捕獲用フィルター5に比較して、水素化スズSnHをより効率よく捕獲することができる。このため、錫捕獲用フィルター21が適用されたリフロー前処理装置は、錫捕獲用フィルター5が適用されたリフロー前処理装置に比較して、ウェーハ10の保護膜にスズSnが堆積することをより防止して、ウェーハ10から形成される半導体パッケージの複数のはんだバンプ22間が電気的に接続されることを防止し、あるいは樹脂の密着不良をより低減させることができる。
【0064】
図5は、本発明によるリフロー前処理装置の比較例を示している。そのリフロー前処理装置は、本発明によるリフロー前処理装置から錫捕獲用フィルター5とフィルター駆動モーター6とフィルター用ヒーター7とが省略されている。すなわち、そのリフロー前処理装置は、チャンバー101と複数のリフトピン102と水素ラジカル発生装置103とピン駆動装置104とウェーハ用ヒーター108と制御装置109とを備えている。制御装置109は、コンピュータである。チャンバー101は、環境から内部を隔離する容器である。複数のリフトピン102は、チャンバー101の内部に配置され、ウェーハ110をチャンバー101の内部に保持する。ウェーハ110は、ウェーハ10と同様にして、複数のはんだが配置されている。ピン駆動装置104は、制御装置109により制御されることにより、複数のリフトピン2の全部の保持部が1つの水平面に配置されたまま、複数のリフトピン2の全部を鉛直方向に平行に移動させる。
【0065】
水素ラジカル発生装置103は、石英板111とイオン捕獲用フィルター112とマグネトロン114とを備えている。石英板111は、石英から形成され、板状に形成されている。イオン捕獲用フィルター112は、導体から形成され、板状のメッシュに形成されている。イオン捕獲用フィルター112は、チャンバー101の内部がプラズマ発生室115とリフロー前処理室116とに分割されるように、チャンバー101の内部に配置されている。イオン捕獲用フィルター112は、さらに、接地されている。リフロー前処理室116には、複数のリフトピン102が配置されている。マグネトロン114は、制御装置109により制御されることにより、石英板111を介してプラズマ発生室115にマイクロ波117を出力する。水素ラジカル発生装置103は、さらに、図示されていない水素ガス供給装置を備えている。その水素ガス供給装置は、制御装置109により制御されることにより、プラズマ発生室115に水素ガスを供給する。すなわち、水素ラジカル発生装置103は、制御装置109により制御されることにより、複数のリフトピン102に保持されるウェーハ110に水素ラジカルHを照射する。
【0066】
ウェーハ用ヒーター108は、複数のリフトピン102の内部に配置されている。ウェーハ用ヒーター108は、制御装置109により制御されることにより、発熱する。ウェーハ用ヒーター108は、さらに、複数のリフトピン102に保持されているウェーハ110の温度を測定し、その温度を制御装置109に出力する。
【0067】
チャンバー101は、さらに、排気装置を備えている。その排気装置は、制御装置109により制御されることにより、チャンバー101の内部から気体を排気する。その排気装置は、さらに、チャンバー101の内部の雰囲気の気圧を測定し、その気圧を制御装置109に出力する。
【0068】
本発明によるリフロー前処理方法の比較例は、このような比較例のリフロー前処理装置を用いて実行される。ユーザは、まず、複数のリフトピン102にウェーハ110を保持させる。制御装置109は、ウェーハ110が複数のリフトピン102に保持された後に、ピン駆動装置104を制御することにより、ウェーハ110がウェーハ用ヒーター108の十分に近傍に配置されるように、複数のリフトピン102を鉛直下方に移動させる。制御装置109は、ウェーハ110が複数のリフトピン102に保持された後に、さらに、その排気装置を制御することにより、チャンバー101の内部の雰囲気を所定の気圧にする。制御装置109は、その水素ガス供給装置を制御することにより、単位時間当たりに所定量の水素ガスHをプラズマ発生室115に供給する。制御装置109は、マグネトロン114を制御することにより、所定量のマイクロ波117をプラズマ発生室115に出力する。ウェーハ110は、このような動作により、水素ラジカルHが照射される。ウェーハ110に配置されている複数のはんだは、ウェーハ110に水素ラジカルHが照射されることにより、表面に形成されている酸化膜が分解され、水素化スズSnHを生成する。
【0069】
制御装置109は、ウェーハ110に水素ラジカルHが照射されているときに、ウェーハ用ヒーター108を制御することにより、ウェーハ110に配置された複数のはんだを所定の温度に加熱する。
【0070】
ユーザは、このようなリフロー前処理方法が実行された後に、既述の実施の形態における半導体パッケージ製品製造方法と同様にして、リフロー処理とフリップチップ接続とを実行することにより、そのウェーハ110を複数の半導体パッケージ製品に仕上げる。
【0071】
図6は、複数の保護膜表面Sn堆積量を示している。その複数の保護膜表面Sn堆積量のうちの保護膜表面Sn堆積量41は、その比較例のリフロー前処理方法が実行されたときに、ウェーハ110の保護膜に堆積したスズSnの量を示している。その複数の保護膜表面Sn堆積量のうちの保護膜表面Sn堆積量42は、錫捕獲用フィルター5が適用されたリフロー前処理装置を用いて本発明によるリフロー前処理方法が実行されたときに、ウェーハ10の保護膜に堆積したスズSnの量を示している。その複数の保護膜表面Sn堆積量のうちの保護膜表面Sn堆積量43は、錫捕獲用フィルター21が適用されたリフロー前処理装置を用いて本発明によるリフロー前処理方法が実行されたときに、ウェーハ10の保護膜に堆積したスズSnの量を示している。
【0072】
その複数の保護膜表面Sn堆積量は、保護膜表面Sn堆積量41が保護膜表面Sn堆積量42より大きいことを示し、保護膜表面Sn堆積量41が保護膜表面Sn堆積量43より大きいことを示している。すなわち、その複数の保護膜表面Sn堆積量は、その比較例のリフロー前処理方法に比較して、本発明によるリフロー前処理方法が保護膜に堆積したスズSnの量をより低減することができることを示している。
【0073】
その複数の保護膜表面Sn堆積量は、保護膜表面Sn堆積量43が保護膜表面Sn堆積量42より小さいことを示している。すなわち、その複数の保護膜表面Sn堆積量は、錫捕獲用フィルター5が適用されたリフロー前処理装置に比較して、その保護膜に堆積するスズSnの量を錫捕獲用フィルター21が適用されたリフロー前処理装置がより低減することを示し、錫捕獲用フィルター5に比較して、錫捕獲用フィルター21が水素化スズSnHをより効率よく捕獲することを示している。
【0074】
図7は、複数の充填樹脂剥離発生数を示している。その複数の充填樹脂剥離発生数のうちの充填樹脂剥離発生数51は、その比較例のリフロー前処理方法が実行されたときに、ウェーハ110の保護膜と樹脂とが密着しない密着不良が発生する確率を示している。その複数の充填樹脂剥離発生数のうちの充填樹脂剥離発生数52は、錫捕獲用フィルター5が適用されたリフロー前処理装置を用いて本発明によるリフロー前処理方法が実行されたときに、ウェーハ10の保護膜と樹脂とが密着しない密着不良が発生する確率を示している。その複数の充填樹脂剥離発生数のうちの充填樹脂剥離発生数53は、錫捕獲用フィルター21が適用されたリフロー前処理装置を用いて本発明によるリフロー前処理方法が実行されたときに、ウェーハ10の保護膜と樹脂とが密着しない密着不良が発生する確率を示している。
【0075】
その複数の充填樹脂剥離発生数は、充填樹脂剥離発生数51が充填樹脂剥離発生数52より大きいことを示し、充填樹脂剥離発生数51が充填樹脂剥離発生数53より大きいことを示している。すなわち、その複数の充填樹脂剥離発生数は、その比較例のリフロー前処理方法に比較して、本発明によるリフロー前処理方法がその密着不良をより確実に防止することができることを示している。
【0076】
その複数の充填樹脂剥離発生数は、充填樹脂剥離発生数53が充填樹脂剥離発生数52より小さいことを示している。すなわち、その複数の充填樹脂剥離発生数は、錫捕獲用フィルター5が適用されたリフロー前処理装置に比較して、錫捕獲用フィルター21が適用されたリフロー前処理装置がその密着不良をより確実に防止することができることを示している。
【0077】
図6の複数の保護膜表面Sn堆積量と図7の複数の充填樹脂剥離発生数とは、その保護膜に堆積するスズSnの量が大きいほどその密着不良が発生する確率が大きくなること示し、すなわち、その保護膜に堆積するスズSnの量がその密着不良が発生することと因果関係があることを示している。
【0078】
なお、本発明によるリフロー前処理方法は、水素ラジカル照射中に錫捕獲用フィルター5を回転させることに置換して、水素ラジカル照射中にウェーハ10を移動させることもできる。本発明によるリフロー前処理方法は、この場合も、既述の実施の形態と同様にして、ウェーハ10に水素ラジカルを十分に均一に照射することができる。
【0079】
なお、本発明によるリフロー前処理方法は、ウェーハ10に対して錫捕獲用フィルター5(または錫捕獲用フィルター21)を移動させなくても、ウェーハ10に水素ラジカルを十分に均一に照射することができるときに、錫捕獲用フィルター5(または錫捕獲用フィルター21)の水素ラジカル照射中の移動を省略することができる。本発明によるリフロー前処理方法は、この場合も、既述の実施の形態と同様にして、スズの付着を防止することができる。
【0080】
なお、水素化スズSnHを十分に捕獲することができるように錫捕獲用フィルター5(または錫捕獲用フィルター21)が配置された状態で、そのロードロックチャンバーの搬送装置がウェーハ10を複数のリフトピン2に搬入したりウェーハ10を複数のリフトピン2から搬出したりすることができるときに、本発明によるリフロー前処理方法は、錫捕獲用フィルター5を移動させる動作を省略することができ、リフロー前処理装置は、フィルター駆動モーター6を省略することができる。
【0081】
なお、ウェーハ用ヒーター8がウェーハ10を加熱することができるように複数のリフトピン2が十分に鉛直下方に配置されている場合で、そのロードロックチャンバーの搬送装置がウェーハ10を複数のリフトピン2に搬入したりウェーハ10を複数のリフトピン2から搬出したりすることができるときに、本発明によるリフロー前処理方法は、複数のリフトピン2を移動させる動作を省略することができ、リフロー前処理装置は、ピン駆動装置4を省略することができる。
【0082】
なお、錫捕獲用フィルター5(または錫捕獲用フィルター21)は、ニッケルNiと異なる他の材料から形成されることもできる。その材料としては、セラミック、金属が例示される。その金属としては、セラミックと比較して、解離したスズを再度放出しにくい点で、スズと合金化反応をする金属が望ましく、ニッケルまたは銅Cuを含む金属が望ましい。
【0083】
なお、錫捕獲用フィルター5(または錫捕獲用フィルター21)を加熱しなくても錫捕獲用フィルター5が水素化スズSnHを十分に捕獲することができるときに、本発明によるリフロー前処理方法は、錫捕獲用フィルター5を加熱する動作を省略することができ、リフロー前処理装置は、フィルター用ヒーター7を省略することができる。
【0084】
本発明によるリフロー前処理装置は、ウェーハ10とスズ捕獲用フィルター5との間の距離を変化させることができる。水素ラジカルH*照射時にスズ捕獲用フィルター5とウェーハ10との間の距離が小さいほど生成された水素化スズSnH4を効率よく捕獲できるが、反りや撓みのあるウェーハ10をスズ捕獲フィルター5の下の領域への搬入あるいは搬出が困難となる。搬入あるいは搬出時にウェーハ10とスズ捕獲用フィルター5との距離を大きくすることで、ウェーハ10との干渉や接触のリスクを抑制できるとともに照射時にその距離を小さくすることで、効率良くスズSnを捕獲することが可能となる。
【0085】
本発明によるリフロー前処理方法は、さらに、図3に示される半導体パッケージ製品と異なる他の半導体パッケージ製品の生産に適用されることもできる。その半導体パッケージ製品としては、Cuピラーバンプを介してフリップチップ接続される半導体パッケージ製品、アンダーフィル樹脂が省略された半導体パッケージ製品が例示される。そのCuピラーバンプが適用された半導体パッケージ製品は、付着したスズによる短絡不良とアンダーフィル樹脂の密着不良とが防止される。アンダーフィル樹脂が省略された半導体パッケージ製品は、付着したスズによる短絡不良が防止される。
なお、Cuピラーバンプではウェーハ10の電極パッド上にCuを含む柱状導体と、柱状導体上にはんだが形成された構造を備える。Cuピラーバンプが形成されたウェーハ10ではスズ捕獲フィルター5の下への領域、もしくは照射位置への搬入時や搬出時にピラー高さのバラツキなどで接触リスクが大きく、また僅かにでも接触すると変形などでの不良が発生しやすい。このため、特にウェーハ10とスズ捕獲用フィルター5との間の距離を変化させる本発明のリフロー前処理装置、前処理方法はCuピラー品に対して有効である。
【0086】
また、水素ラジカルH*を照射する工程は、ウェーハ10とスズ捕獲フィルター5との距離D1で照射する第1工程と、距離D1より大きな距離D2で照射する第2工程とを含んでいて良い。特に第2工程を第1工程の後とすることで、はんだ表面の酸化膜が厚く水素化スズSnHの生成量が大きな状態ではスズ捕獲効率が高いD1(<D2)とし、酸化膜が一定量除去された後に距離D2とすることで捕獲用フィルター5によるウェーハ面内の照射分布を小さくすることができる。
【0087】
本発明によるリフロー前処理方法は、さらに、フリップチップ接続と異なる用途に利用される他のはんだバンプの形成にも適用されることができる。たとえば、本発明によるリフロー前処理方法は、図3に示される複数のはんだボール26形成するときに適用されることもできる。このとき、インターポーザ23は、複数のはんだボール26が形成されている面28にスズが付着することが防止され、複数のはんだボール26が互いに電気的に接続される短絡不良が防止されることができる。
【符号の説明】
【0088】
1 :チャンバー
2 :複数のリフトピン
3 :水素ラジカル発生装置
5 :錫捕獲用フィルター
6 :フィルター駆動モーター
7 :フィルター用ヒーター
8 :ウェーハ用ヒーター
9 :制御装置
10:ウェーハ
11:石英板
12:イオン捕獲用フィルター
14:マグネトロン
15:プラズマ発生室
16:リフロー前処理室
17:マイクロ波
21:錫捕獲用フィルター
22−1〜22−n:複数の孔
41:保護膜表面Sn堆積量
42:保護膜表面Sn堆積量
43:保護膜表面Sn堆積量
51:充填樹脂剥離発生数
52:充填樹脂剥離発生数
53:充填樹脂剥離発生数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スズを含むはんだが配置されたはんだ付け対象と浮遊物質捕獲用フィルターとを所定位置に配置するステップと、
前記はんだ付け対象と前記浮遊物質捕獲用フィルターとが前記所定位置に配置されているときに、前記はんだ付け対象に配置されたはんだに水素ラジカルを照射するステップとを具備し、
前記水素ラジカルは、前記はんだ付け対象と前記浮遊物質捕獲用フィルターとが前記所定位置に配置されているときに、前記浮遊物質捕獲用フィルターを通り抜けた後に前記はんだに照射されることを特徴とする
半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記はんだが前記水素ラジカルに照射されているときに前記浮遊物質捕獲用フィルターが浮遊物質捕獲温度になるように、前記浮遊物質捕獲用フィルターを加熱するステップ
をさらに具備する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記はんだが前記水素ラジカルに照射されている最中に前記はんだ付け対象に対して前記浮遊物質捕獲用フィルターを移動させるステップ
をさらに具備する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記はんだが前記水素ラジカルに照射されているときに前記はんだが酸化膜除去温度になるように、前記はんだを加熱するステップ
をさらに具備する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載される半導体装置の製造方法であって、
前記リフロー前処理されたはんだを溶融させ、凝固させることにより前記はんだを複数のはんだバンプに形成するステップと、
をさらに具備する半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載される半導体装置の製造方法であって、
前記はんだバンプを介して前記はんだ付け対象と被はんだ付け対象とをはんだ付けするステップとをさらに具備し、
前記はんだ付け対象は、
半導体基板に形成される複数の回路と、
前記複数の回路の端子にそれぞれ電気的に接続される複数の第1パッドとを備え、
前記被はんだ付け対象は、複数の第2パッドを備え、
前記複数のはんだバンプの各々は、前記複数の第1パッドのうちの1つの第1パッドと前記複数の第2パッドのうちの1つの第2パッドとを電気的に接続する
半導体装置の製造方法。
【請求項7】
はんだ付け対象に配置されたはんだに水素ラジカルを照射する水素ラジカル発生装置と、
浮遊物質捕獲用フィルターとを具備し、
前記浮遊物質捕獲用フィルターは、前記水素ラジカルが前記浮遊物質捕獲用フィルターを通り抜けた後に前記はんだに照射されるように、配置される
リフロー前処理装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記浮遊物質捕獲用フィルターは、ニッケルまたは銅を含有する金属から形成されている
リフロー前処理装置。
【請求項9】
請求項7〜請求項8のいずれかにおいて、
前記浮遊物質捕獲用フィルターを加熱する浮遊物質捕獲用フィルター用ヒーター
をさらに具備するリフロー前処理装置。
【請求項10】
請求項7〜請求項9のいずれかにおいて、
前記はんだを加熱するはんだ付け対象用ヒーター
をさらに具備するリフロー前処理装置。
【請求項11】
請求項7〜請求項10のいずれかにおいて、
前記はんだ付け対象に対して前記浮遊物質捕獲用フィルターを移動させるアクチュエータ
をさらに具備するリフロー前処理装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記はんだが前記水素ラジカルに照射されている最中に前記はんだ付け対象に対して前記浮遊物質捕獲用フィルターが移動するように、前記アクチュエータを制御する制御装置
をさらに具備するリフロー前処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−74093(P2013−74093A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211907(P2011−211907)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】