説明

リボ核酸化合物及びオリゴ核酸化合物の液相合成法

オリゴRNAを液相合成するために重要であるリン酸トリエステル化された新規なリボ核酸化合物を提供する。
本発明として、次の一般式で表されるリボ核酸化合物を挙げることができる。


式中、Bは、アデニン、グアニン、シトシン、若しくはウラシル又はそれらの修飾体を示す。R21は置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。R20はH又は置換されていてもよいアルキルを示す。Rは、0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療薬、診断薬又は研究試薬として有用なオリゴRNAを液相合成するために重要である、リン酸トリエステル化された新規なリボ核酸化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オリゴ核酸化合物は、現在治療や診断の方法としての重要な役割を担ってきている。オリゴ核酸化合物の製法としては、一般に3つの方法が知られている。Reeseにより開発されたリン酸トリエステル法(Tetrahedron 1978, 34, 3143)およびBeaucageにより開発されたアミダイト法(Methods in Molecular Biology : Protocols for Oligonucleotides and Analogs; Agrawal, ed. ; Humana Press: Totowa, 1993, Vol. 20, 33−61)およびFroehlerによるH−Phosphonate法(Methods in Molecular Biology: Protocols for Oligonucleotides and Analogs; Agrawal, ed.; Humana Press: Totowa, 1993, Vol. 20, 63−80)を挙げることができる。リン酸トリエステル法は、主として液相合成で用いられ、アミダイト法およびH−Phosphonate法は、主として固相合成で用いられる。
現在、オリゴ核酸化合物の製造において使用されている製法は、固相法である。固相法は、容易にオリゴマーの製造を達成しうるが、樹脂上で反応を行う都合上、反応場に制限があり、スケールを大きくすることが困難である。
大量のオリゴ核酸化合物を供給するには、液相によるオリゴ核酸化合物の合成法を開発することが不可欠であるが、現在、大量のオリゴ核酸化合物の供給が可能となっているのは、オリゴDNAのみであり、大量のオリゴRNAを製造するのに相応しい液相合成法は知られていない。
【0003】
オリゴRNAの液相合成を行うためには、リン酸トリエステル法における原料として使用可能な構成モノマーである、リボース3’位水酸基がリン酸トリエステル体であり、かつ段階的オリゴマー化の最終段階において、容易にすべての保護基が脱保護できる高度に保護されたリボ核酸化合物を大量に供給できる必要がある。
オリゴRNA合成に必要な構成モノマーである、高度に保護されたリボ核酸化合物の各官能基の保護基に必要な条件として、次のようなものが考えられる。(1)オリゴRNAが縮合反応条件下において安定に存在できること、(2)分子内に他の保護基が存在する場合、各保護基が異なる条件において選択的に脱保護できること、(3)オリゴRNAが安定に存在できる条件下において、容易に保護基だけを脱保護できることである。
【0004】
リボース2’位水酸基の保護基としては、例えばt−ブチルジメチルシリル基等のケイ素保護基、2−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロピラニル等のアセタール保護基を挙げることができる。特に、アセタール保護基は、オリゴRNAの脱保護工程において、リン酸転位やそれに伴う短鎖化等の副反応が起きないようなpH2〜4の温和な水性酸性条件下において除去することが可能である。
一方、リボース5’位水酸基の保護基としては、例えば4,4’−ジメトキシトリチル基、レブリニル基を挙げることができる。リボース2’位水酸基の保護基としてアセタール保護基を使用した場合、オリゴRNAを製造するための最終の縮合工程に、リボース5’位水酸基の保護基として4,4’−ジメトキシトリチル基を使用すると、最後の脱保護工程において、酸性条件で両方の保護基を除去することが可能である。しかし、オリゴRNAを製造する途中の工程において、リボース5’位水酸基の保護基として4,4’−ジメトキシトリチル基を使用することは、アセタール保護基をそのまま存在させておくことが困難であるので避けた方がよい。
代わりに、リボース5’位水酸基の保護基として、レブリニル基(CH−CO−(CH−CO−)を利用する場合、アセタール保護基がはずれない中性条件でヒドラジンを処理することにより脱保護することが可能である。
【0005】
これら2種類の保護基(レブリニル基とテトラヒドロフラニル基)を組み合わせた化合物としては、オリゴRNAの固相合成法に使用可能なリボース3’位水酸基がアミダイト化されたリボ核酸化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、オリゴRNAの液相合成法に使用可能なリボース2’位水酸基がアセタール保護され、リボース5’位水酸基がレブリニル化され、リボース3’位水酸基がリン酸トリエステル化されたリボ核酸化合物はまだ知られていない。
【0006】
従来、リボース5’位水酸基にレブリニル基を導入した化合物は、化学的な方法を用いて製造できることが知られている。例えば、リボース2’位がテトラヒドロフラニル基で保護され、リボース3’位と5’位が水酸基であるリボ核酸化合物に対し、レブリン酸と2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージドを反応させる方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法ではリボース5’位水酸基のみを選択的にレブリニル化できず、リボース3’位の水酸基のみがレブリニル化されたり、リボース3’位と5’位の両方の水酸基がレブリニル化されたりする。これらを分離するために精製工程等が必要となり、目的とするリボース5’位のみ水酸基を選択的にレブリニル化された化合物は低収率(30%〜68%)で得られるにとどまり、大量に原料を得るにはかなりの時間とコストが必要になる。
【0007】
一方、オリゴRNAの合成とは無関係なものではあるが、リボース3’位と5’位が水酸基であるリボ核酸化合物に対して、リパーゼを用いてアシル化する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。リパーゼとしてCandida antarctica lipase B(CAL−B)を使用し、位置選択的に核酸化合物のリボース5’位水酸基をアシル化するものである。また、やはりオリゴRNAの合成とは無関係なものではあるが、同様の方法を利用し、DNAやリボース2’位水酸基を容易にはずれない置換基(メトキシエトキシ、メチル)で置換した核酸化合物に対し、リボース5’位水酸基を位置選択的にレブリニル化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、オリゴRNA合成には必須である、リボ核酸化合物が安定に存在できる条件で脱保護できる化合物、例えばリボース2’位の水酸基が0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基を有するリボ核酸化合物に対して、リパーゼを用いて、位置選択的にレブリニル化する方法は知られていない。
【非特許文献1】Tetrahedron Vol.46, No.19, pp.6673−6688, 1990
【非特許文献2】Journal of Organic Chemistry Vol.58, No.3, pp.653−660, 1993
【特許文献1】WO02/079215号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、オリゴRNAを液相合成するために重要であるリン酸トリエステル化された新規なリボ核酸化合物を提供することにある。
また、リン酸トリエステル化されたリボ核酸化合物を製造するために重要である、リボース2’位の水酸基が0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基で保護されたリボ核酸化合物に対して、リボース5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化する製法を提供することにある。
また、新規なオリゴRNAの液相合成法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、リパーゼを用いてリボース5’位の水酸基をレブリニル化することにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明として、次の一般式(1)で表されるリボ核酸化合物(以下、「本発明化合物」という)を挙げることができる。

【化1】

式中、Bは、アデニン、グアニン、シトシン若しくはウラシル又はそれらの修飾体を示す。R20はH又は置換されていてもよいアルキルを示す。R21は置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。Rは、0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基を示す。好ましくは、15℃〜40℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基である。より好ましくは、2−テトラヒドロフラニル又は1,3−ジオキソラン−2−イルを挙げることができる。
【0010】
20に係る「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。R20に係る「アルキル」は置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から1〜3個の同一又は異なる置換基を選ぶことができる。該「アルキル」の置換基である「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。該「アルキル」の置換基である「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。該「アルキル」の置換基である「アルコキシ」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。R20は、なかでも、2−シアノエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリブロモエチルが好ましい。
【0011】
21に係る「アリール」としては、炭素数6〜12のもの、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニルを挙げることができる。該「アリール」は置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を選ぶことができる。該「アリール」の置換基である「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。該「アリール」の置換基である「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。該「アリール」の置換基である「アルコキシ」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。なかでも、2−クロロフェニル、2−クロロ−4−tert−ブチルフェニルが好ましい。
【0012】
21に係る「1〜2環性であって置換されてもよい複素環基」としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜3個を含み、1〜6個の不飽和結合を有していてもよい、5〜12員の単環又は縮合環を挙げることができる。かかる置換基としては、例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を挙げることができる。該「1〜2環性であって置換されてもよい複素環基」の置換基である「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。該「1〜2環性であって置換されてもよい複素環基」の置換基である「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。該「1〜2環性であって置換されてもよい複素環基」の置換基である「アルコキシ」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。R21は、なかでも、1−ベンゾトリアゾール、1−モルホリノが好ましい。
【0013】
ここで、「修飾体」とは、複素環塩基部分が任意の置換基で置換されている化合物をいう。
Bの「修飾体」に係る置換基としては、例えばハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を挙げることができる。
Bの修飾体に係る「アルコキシ」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。なかでも炭素数1〜4のものが好ましく、とりわけメトキシが好ましい。「アルコキシアルキル」のアルコキシ部分も、上記Bの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
Bの修飾体に係る「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
【0014】
Bの修飾体に係る「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。「アリールアルキル」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」のアルキル部分も、上記Bの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。Bの修飾体に係る「アルキル」は置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から1〜3個の同一又は異なる置換基を選ぶことができる。該「アルキル」の置換基である「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。該「アルキル」の置換基である「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。該「アルキル」の置換基である「アルコキシ」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。
【0015】
Bの修飾体に係る「アリールアルキル」の「アリール」としては、例えば炭素数6〜12のもの、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニルを挙げることができる。Bの修飾体に係る「アリールアルキル」の「アリール」は置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を選ぶことができる。該「アリール」の置換基である「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。該「アリール」の置換基である「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。該「アリール」の置換基である「アルコキシ」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。
【0016】
Bの修飾体に係る「アシル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルカノイル、炭素数7〜13のアロイルを挙げることができる。例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ベンゾイル、ナフトイルを挙げることができる。Bの修飾体に係る「アシル」は置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を選ぶことができる。該「アシル」の置換基である「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。該「アシル」の置換基である「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。該「アシル」の置換基である「アルコキシ」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。例えば、Bがアデニン、シトシン及びグアニンの場合、アミノ基をアシル基で置換することによって、アシル基は保護基としての役割を果たす。具体的には、アデニン及びシトシンに対しては、例えば4−アニソイルを、グアニンに対しては、例えばイソブチリルを挙げることができる。
【0017】
本発明化合物はそのまま用いることもできるが、常法により塩の形で用いることもできる。かかる「塩」としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩又は、トリエチルアミン、ピリジンなどの三級有機アミン塩を挙げることができる。
【0018】
本発明化合物の具体例としては、次の(1)〜(8)のリボ核酸化合物を挙げることができる。
(1)2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート
(2)2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート
(3)2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン−3’−イル ホスフェート
(4)2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン−3’−イル ホスフェート
(5)2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン−3’−イル ホスフェート
(6)2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン−3’−イル ホスフェート
(7)2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン−3’−イル ホスフェート
(8)2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン−3’−イル ホスフェート
【0019】
また、本発明として例えば、次の(A)〜(C)のいずれかの工程を有する、リボース5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化するリボ核酸化合物の製法を挙げることができる。
(A)次の一般式(2)で表されるリボ核酸化合物にレブリニル化剤とリパーゼとを作用させることによって、5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化することを特徴とする、次の一般式(3)で表されるリボ核酸化合物の製法。

【化2】


式中、B、Rは、前記と同義である。
【0020】
(B)次の一般式(2)で表されるリボ核酸化合物にレブリニル化剤とリパーゼとを作用させることによって、5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化する工程を有することを特徴とする製法により製造される、次の一般式(3)で表されるリボ核酸化合物に対して、リン酸化試薬を作用させることにより、次の一般式(1a)で表されるリボ核酸化合物の製法。

【化3】

式中、B、R、R21は、前記と同義である。
【0021】
(C)次の一般式(2)で表されるリボ核酸化合物にレブリニル化剤とリパーゼとを作用させることによって、5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化する工程を有することを特徴とする製法により製造される、次の一般式(3)で表されるリボ核酸化合物に対して、リン酸化試薬とリン酸基を保護する試薬とを作用させることにより、次の一般式(1b)で表されるリボ核酸化合物の製法。
【化4】

式中、B、R、R21は、前記と同義である。R22は置換されていてもよいアルキルを示す。
22に係る「アルキル」及びその置換基としては、例えば前記R20と同じものを挙げることができる。
本発明に係る「リパーゼ」としては、例えば、それぞれの基質に適合するリパーゼを挙げることができる。好ましくは、例えばCandida antarctica lipase B(Novozym435:ノボ・ノルディスク社製)、Alcaligenes triacylglycerol lipase (LIPASE−QL:名糖産業(株)社製)を挙げることができる。
本発明に係る「レブリニル化剤」としては、例えばレブリン酸、レブリン酸無水物、レブリン酸エステル、レブリン酸ハロゲン化物を挙げることができる。かかる「レブリン酸エステル」としては、例えばレブリン酸メチル、レブリン酸エチル、レブリン酸ビニルを挙げることができる。かかる「レブリン酸ハロゲン化物」としては、例えばレブリン酸フルオリド、レブリン酸クロリド、レブリン酸ブロミド、レブリン酸ヨージドを挙げることができる。なかでも、レブリン酸無水物が好ましい。
本発明に係る「リン酸化試薬」としては、例えば2−クロロフェニルホスホロジトリアゾリド、2−クロロフェニル−O,O−ビス(1−ベンゾトリアゾリル)ホスフェート又は2−クロロ−4−tert−ブチルフェニルホスホロジトリアゾリドを挙げることができる。
「リン酸基を保護する試薬」としては、例えば3−ヒドロキシプロピオニトリル又は2,2,2−トリクロロエタノ−ルを挙げることができる。
【0022】
また、本発明として、例えば、次の(a)〜(f)工程を有する,次の一般式(4)で表されるオリゴ核酸化合物の液相合成法を挙げることができる。

【化5】

[式中、各Bxは、独立して、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル若しくはチミン又はそれらの修飾体を示す。
qは、1〜100の範囲内である整数を示す。qは、10〜50の範囲内である整数であってもよく、またより好ましくは15〜30の範囲内である整数であってもよい。
各R’は、少なくとも一つは水酸基であり、それ以外は独立してH、又は水酸基を示す。]
Bxの修飾体に係る置換基としては、例えばハロゲン、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノおよびニトロからなる群から1〜3個の同一又は異なる置換基を選ぶことができる。
Bxの修飾体に係る「ハロゲン」、「アルキル」、「アルコキシ」、「アリールアルキル」の「アリール」としては、前記Bと同じものを挙げることができる。
【0023】
(a)次の一般式(2)で表されるリボ核酸化合物にレブリニル化剤とリパーゼとを作用させることによって、5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化して、次の一般式(3)で表されるリボ核酸化合物を製造する工程、
【化6】

[式中、B、Rは、前記と同義である。「リパーゼ」、「レブリニル化剤」も、前記と同義である。]
【0024】
(b)上記(a)の工程により製造されるリボ核酸化合物(3)に対して、リン酸化試薬を作用させることによって、3’位の水酸基をリン酸化して、次の一般式(1a)で表されるリボ核酸化合物を製造する工程、
【化7】

[式中、B、R、R21は、前記と同義である。「リン酸化試薬」も、前記と同義である。]
【0025】
(c)一方、上記(b)とは別に、上記(a)の工程により製造されるリボ核酸化合物(3)に対して、リン酸化試薬とリン酸基を保護する試薬とを作用させることによって、次の一般式(1b)で表されるリボ核酸化合物を製造する工程、

【化8】

[式中、B、R、R21、R22、「リン酸化試薬」、「リン酸基を保護する試薬」は、前記と同義である。]
【0026】
(d)上記工程(c)の工程により製造されるリボ核酸化合物(1b)に対して、リボース5’位の水酸基を保護しているレブリニル基を除去して、次の一般式(5)で表されるリボ核酸化合物を製造する工程、
【化9】

[式中、B、R、R21、R22は、前記と同義である。本発明に係る「レブリニル基を除去する試薬」としては、例えば、0.5Mヒドラジン一水和物/ピリジン―酢酸(4:1)溶液を挙げることができる。]
【0027】
(e)上記(b)又は(d)の工程により製造されるリボ核酸化合物(1a)又は(5)を少なくとも一つは構成モノマーとして使用する段階的オリゴマー化の工程、
「構成モノマー」とは、オリゴ核酸化合物を構成するデオキシリボ核酸化合物、リボ核酸化合物又はその修飾体をいう。
「構成モノマー」に係る「修飾体」としては、前記と同じものを挙げることができる。
「段階的オリゴマー化」とは、核酸重合度が2〜101のオリゴ核酸化合物又は核酸重合度が2〜100のオリゴ核酸ブロックを製造するための縮合工程と選択的脱保護工程を含んでおり、縮合工程としては、核酸モノマーブロックどうしの縮合工程、核酸モノマーブロックと核酸重合度が2〜100のオリゴ核酸ブロックの縮合工程、又は核酸重合度が2〜99の異なるオリゴ核酸ブロックどうしの縮合工程を挙げることができる。具体的には、目的とするオリゴ核酸化合物の核酸重合度に応じて、任意に選択された核酸モノマーブロック又はオリゴ核酸ブロックを縮合することによって、オリゴ核酸化合物を製造することができる。例えば、核酸重合度が30であるオリゴ核酸を製造する場合において、核酸モノマーブロックと核酸重合度29のオリゴ核酸ブロックとを使用する製法、又は核酸重合度5のオリゴ核酸ブロックと核酸重合度25のオリゴ核酸ブロックとを使用する製法を考えることができる。
「核酸モノマーブロック」とは、オリゴ核酸化合物を製造するためのデオキシリボ核酸化合物、リボ核酸化合物又はそれらの修飾体である。「修飾体」としては、前記と同じものを挙げることができる。
「オリゴ核酸ブロック」とは、オリゴ核酸化合物を合成するためのデオキシリボ核酸化合物、リボ核酸化合物又はそれらの修飾体を構成モノマーとする核酸重合度が2〜100の化合物である。「修飾体」としては、前記と同じものを挙げることができる。
「核酸重合度」は、オリゴ核酸化合物を構成する核酸モノマーの総数を示す。
【0028】
本発明において使用する「核酸モノマーブロック」、「オリゴ核酸ブロック」としては、次の一般式(8)と(9)の化合物を挙げることができる。
次の一般式(8)で表される化合物は、核酸モノマーブロック(m=0)又はオリゴ核酸ブロック(m=1〜99)を示す。
【化10】

式中、各B’は、独立してアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル若しくはチミン又はそれらの修飾体を示す。
各B’の「修飾体」に係る置換基としては、前記Bと同じものを挙げることができる。
はアシル、置換されていてもよいリン酸基を示す。
各Rk1は、独立して置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。Rk1に係る「アリール」、その置換基、「1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基」及びその置換基としては、前記R21と同じものを挙げることができる。
mは、0〜99の範囲内である整数を示す。
に係る「アシル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルカノイル、炭素数7〜13のアロイルを挙げることができ、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ベンゾイル、ナフトイルを挙げることができる。Rに係る「アシル」は置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノおよびニトロからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なる置換基を選ぶことができる。該「アシル」の置換基である「ハロゲン」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。該「アシル」の置換基である「アルキル」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。該「アシル」の置換基である「アルコキシ」としては、例えば直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。
に係る「置換されていてもよいリン酸基」の置換基としては、置換されていてもよいアリール、1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基又は置換されていてもよいアルキルを挙げることができる。「アリール」、その置換基、「1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基」及びその置換基は、前記R21と同じものを挙げることができる。「アルキル」及びその置換基としては、前記R22と同じものを挙げることができる。
各Rは、H又は0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基によって置換された水酸基を示す。好ましくは、H又は15℃〜40℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基で置換された水酸基である。より好ましくは、H、2−テトラヒドロフラニル又は1,3−ジオキソラン−2−イルで置換された水酸基を挙げることができる。
【0029】
次の一般式(9)で表される化合物は、核酸モノマーブロック(n=1)又はオリゴ核酸ブロック(n=2〜100)を示す。
【化11】

式中、各B’、各Rは、前記と同義である。
各Rk2は、独立して置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。Rk2に係る「アリール」、その置換基、「1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基」及びその置換基としては、前記R21と同じものを挙げることができる。
は、レブリニル又は4,4’−ジメトキシトリチルを示す。
nは、1〜100の範囲内である整数を示す。
【0030】
「縮合工程」は、下記の4つに分類できる。
(i)核酸モノマーブロックと核酸モノマーブロックの縮合工程
核酸モノマーブロックの少なくとも一つが、リボ核酸化合物(1a)又は(5)である、核酸モノマーブロックどうしの縮合工程。
(ii)核酸モノマーブロックと核酸重合度が2〜100のオリゴ核酸ブロックの縮合工程(1)
核酸モノマーブロックが、リボ核酸化合物(1a)又は(5)であり、核酸重合度が2〜100のオリゴ核酸ブロックが化合物(8)又は(9)である、核酸モノマーブロックと核酸重合度が2〜100のオリゴ核酸ブロックの縮合工程。
(iii)核酸モノマーブロックと核酸重合度が2〜100のオリゴ核酸ブロックの縮合工程(2)
核酸モノマーブロックが、化合物(8)又は(9)であり、核酸重合度が2〜100のオリゴ核酸ブロック(8)又は(9)が、構成モノマーとしてリボ核酸化合物(1a)又は(5)の少なくとも一つを含む、核酸モノマーブロックと核酸重合度が2〜100のオリゴ核酸ブロックの縮合工程。
(iv)核酸重合度が2〜99の異なるオリゴ核酸ブロックどうしの縮合工程
核酸重合度が2〜99のオリゴ核酸ブロック(8)又は(9)が、構成モノマーとしてリボ核酸化合物(1a)又は(5)の少なくとも一つを含む、核酸重合度が2〜99の異なるオリゴ核酸ブロック(8)と(9)の縮合工程。
上記(i)〜(iv)で示される縮合工程は、核酸モノマーブロック又はオリゴ核酸ブロックの5’位水酸基と、他の核酸モノマーブロック又はオリゴ核酸ブロックの3’位水酸基に置換しているリン酸基とを、縮合試薬を作用させることによって縮合する工程である。
本発明に係る「縮合試薬」としては、例えば1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルテトラゾール又は1−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾールを挙げることができる。
【0031】
「選択的脱保護過程」とは、縮合工程で製造されたオリゴ核酸化合物において、5’末端構成モノマーの5’位水酸基に置換している保護基である、例えば、レブリニル基又は3’末端構成モノマーの3’位水酸基に置換しているリン酸基上の保護基である、例えばシアノエチル基を除去する工程をいう。
「レブリニル基を除去する試薬」は、前記と同義である。
本発明に係るリボース3’位水酸基に置換しているリン酸基上の保護基である「シアノエチル基を除去する試薬」としては、例えば、ピリジン−トリエチルアミン−水(3:1:1)溶液を挙げることができる。
【0032】
製造される保護されたオリゴ核酸化合物の具体例としては、例えば次の一般式(6)で表されるものを挙げることができる。
【化12】

式中、各B’は、独立して前記と同義である。
各Rは、独立してH、置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。好ましくは、独立してH、置換されていてもよいフェニル又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基が挙げられる。より好ましくは、2−クロロフェニル又は2−クロロ−4−tert−ブチルフェニルが挙げられる。Rに係る「アリール」、「1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基」及びその置換基としては、前記R21と同じものを挙げることができる。
3aはH、レブリニル又は4,4’−ジメトキシトリチルを表す。
qは、前記と同義である。
各R1aは、少なくとも一つは、0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基によって置換された水酸基であり、それ以外は独立してH、又は0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基によって置換された水酸基を示す。好ましくは、H又は15℃〜40℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基で置換された水酸基である。より好ましくは、H、2−テトラヒドロフラニル又は1,3−ジオキソラン−2−イルで置換された水酸基を挙げることができる。
2aは、アシル又は次の一般式(7)で表されるリン酸基を示す。
【化13】

式中、R2aaは、置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。R2abは、H又は置換されていてもよいアルキルを示す。
2aaに係る「アリール」、その置換基、「1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基」及びその置換基としては、前記R21と同じものを挙げることができる。好ましくは、2−クロロフェニル又は2−クロロ−4−tert−ブチルフェニルが挙げられる。
2abに係る「アルキル」及びその置換基としては、前記R22と同じものを挙げることができる。
2aに係る「アシル」としては、前記Rと同じものを挙げることができる。]
【0033】
(f)上記(e)の工程により製造される保護されたオリゴ核酸化合物(6)の保護基をすべて脱保護する工程。
各保護基を除去するための試薬としては次のものが考えられる。
1)N,N,N,N−テトラメチルグアニジン及びピリジン−2−カルボキサアルドキシム
2)濃アンモニア水
3)酢酸緩衝液(pH=3〜4)
4)80%酢酸水溶液
5)希塩酸溶液(pH=2〜4)
但し、3)〜5)の試薬については、そのうち一つを使用すればよいが、好ましくは、3)を使用するのがよい。
「酢酸緩衝液」としては、例えば、酢酸ナトリウム−酢酸緩衝液、又はテトラメチルエチレンジアミン−酢酸緩衝液を挙げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は次のように実施することができる。
下記の製法において、原料が反応させたくない置換基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ)を有する場合は、原料をあらかじめ公知の方法により、保護基(例えば、ベンゾイル又は4−アニソイル基)で保護した後に反応に用いるのが一般的である。反応後に、接触還元、アルカリ処理、酸処理などの公知の方法により保護基を脱離することができる。
【0035】
工程(a)(リボ核酸のリボース5’位水酸基にレブリニル化する製造法)
【化14】

式中、B、R、「リパーゼ」、「レブリニル化剤」は、前記と同義である。
本発明におけるリボ核酸5’位の水酸基にレブリニル基を導入する方法において、化合物(2)と過剰のレブリニル化試薬を適当な溶媒中に懸濁し、リパーゼと反応させることにより、望むリボース5’位水酸基にレブリニル化された生成物(3)を選択的に得ることができる。
レブリニル化試薬の使用量は、化合物(2)に対して、1〜20倍モル量がよく、より好ましくは、1〜10倍モル量である。
使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
上記反応における反応温度は、酵素活性の至適温度である、20℃〜50℃が好ましい。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常30分〜100時間が適当である。
【0036】
工程(b)(リボ核酸のリボース3’位水酸基にリン酸誘導体化する製法−その1)
【化15】

式中、B、R、R21、「リン酸化試薬」は、前記と同義である。
本発明において、リボ核酸化合物(3)に有機塩基存在下においてリン酸化試薬と作用させることによって、高度に保護されたリボ核酸化合物(1a)を製造することができる。使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素水又はこれらの混合溶媒が挙げられる。リン酸導入試薬は、化合物(3)に対して、1〜20倍モル量、より好ましくは、1〜10倍モル量である。
反応温度は、例えば−20℃〜100℃が適当であり、0℃〜80℃が好ましく、5℃〜30℃がより好ましい。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常30分〜100時間が適当である。
【0037】
工程(c)(リボ核酸のリボース3’位水酸基にリン酸誘導体化する製法−その2)
【化16】

式中、B、R、R21、R22、「リン酸化試薬」、「リン酸基を保護する試薬」は、前記と同義である。
本発明において、リボ核酸化合物(3)に有機塩基存在下においてリン酸化試薬とリン酸基を保護する試薬とを作用させることによって、高度に保護されたリボ核酸化合物(1b)を製造することができる。使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素又はこれらの混合溶媒が挙げられる。リン酸導入試薬の使用量は、化合物(3)に対して、1〜20倍モル量、より好ましくは、1〜10倍モル量である。リン酸基を保護するための試薬の使用量は、化合物(3)に対して、1〜20倍モル量、より好ましくは、1〜10倍モル量である。反応温度は、例えば−20℃〜100℃が適当であり、0℃〜80℃が好ましく、5℃〜30℃がより好ましい。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常30分〜100時間が適当である。
【0038】
工程(d)(リボース5’位の水酸基を保護しているレブリニル基を除去する工程)
【化17】

式中、B、R、R21、R22、「レブリニル基を除去する試薬」は前記と同義である。
化合物(1b)に、レブリニル基を除去する試薬を加えることにより、化合物(5)を製造することができる。本反応は、無溶媒または適当な溶媒中で行われる。使用される溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素又はこれらの混合溶媒が挙げられる。レブリニル基を除去するための試薬の使用量は、化合物(1b)に対して、1〜20倍モル量、より好ましくは、1〜10倍モル量である。反応温度は、例えば−20℃〜100℃が適当であり、0℃〜80℃が好ましく、15℃〜65℃がより好ましい。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常30分〜100時間が適当である。
【0039】
オリゴ核酸化合物の液相合成法を以下に示す。
工程(e)(段階的オリゴ核酸の製造方法−その1)
本工程は、オリゴ核酸化合物の段階的製造過程において、一般式(1a)又は(5)で表されるリボ核酸化合物を構成モノマーとして少なくとも一つは用いられる段階的オリゴマー化である。段階的オリゴマー化は、縮合工程と選択的脱保護工程から成っている。
縮合工程において、縮合試薬を作用させることにより、オリゴ核酸化合物又はオリゴ核酸ブロックを製造することができる。通常、適当な溶媒中、過剰の有機アミン存在下において反応を行う。使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素、ピリジンなどの有機アミン類又はこれらの混合溶媒が挙げられる。有機アミンとしては、ピリジンなどが挙げられる。縮合試薬の使用量は、(1a)、(5)で表されるリボ核酸化合物又は(8)、(9)で表される核酸モノマーブロック若しくはオリゴ核酸ブロックに対して、1〜20倍モル量、より好ましくは、1〜10倍モル量である。上記反応における反応温度は、例えば−20℃〜100℃が適当であり、0℃〜80℃が好ましく、5℃〜30℃がより好ましい。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常30分〜100時間が適当である。
選択的脱保護工程は、上記縮合工程で製造されるオリゴ核酸ブロックを次の縮合工程に使用できるように脱保護する試薬を作用し、選択的に脱保護されたオリゴ核酸ブロックを製造する工程である。具体的には、上記縮合工程で製造されたオリゴ核酸ブロックにおいて、5’末端の核酸分子5’位水酸基に置換している保護基である、例えば、レブリニル基、又は3’末端の核酸分子3’位水酸基に置換しているリン酸基上の保護基である、例えばシアノエチル基を除去する工程である。
「レブリニル基を除去する試薬」、「シアノエチル基を除去する試薬」は、前記と同義である。
特に、最終的にオリゴ核酸化合物を製造する工程では、Rが、4,4−ジメトキシトリチル基のような脂溶性の非常に高い保護基を備えた一般式(8)、(9)で表される核酸モノマーブロック又はオリゴ核酸ブロックを縮合過程に使用することが好ましい。反応終了後、精製過程において核酸化合物由来の不純物と分離する工程において好都合であり、脱保護工程において各リボース2’位の保護基と同じ条件で脱保護できるので、工程を減らすことができる利点がある。
【0040】
工程(f)(段階的オリゴ核酸の製造方法−その2)
【化18】

式中、各Bx、R’、R、R1a、R2a、R3a 、qは、前記と同義である。
化合物(6)に、各保護基を脱保護する試薬を加え、反応することにより化合物(4)を得ることができる。使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、ピリジンなどの有機アミン類、28%アンモニア水溶液又はこれらの混合溶媒が挙げられる。有機アミンとしては、ピリジンなどが挙げられる。上記反応における反応温度は、例えば−20℃〜100℃が適当であり、0℃〜80℃が好ましく、10℃〜60℃がより好ましい。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度によって異なるが、通常30分〜100時間が適当である。
本発明に係る化合物は、上記の反応混合物から通常の分離精製手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、遠心分離、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、逆層ODSカラムクロマトグラフィー、疎水カラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、透析、限外ろ過などの手段を用いることにより単離精製することができる。
【実施例】
【0041】
以下に参考例、実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
参考例1
2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン
工程1 3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−トリメチルシリル−N−(4−アニソイル)シチジンの合成
シチジン 20.0gを無水のピリジン200mlに懸濁し、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン27.2gを滴下し10分間撹拌後、室温に戻し90分間撹拌した。反応液に0℃下トリメチルシリルクロリド 20.6gを滴下し、室温下2時間撹拌した。次いで4−アニソイルクロリド28.1gを滴下し、室温下1.5時間撹拌し、反応液に氷水60mlを加え10分間撹拌後、アンモニア水25mlを加え、室温下30分間撹拌した。反応液を水400mlに注ぎ、ジクロロメタンにて抽出し、ジクロロメタン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄し、乾燥、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1〜1:1)にて精製し、上記化合物39.5gを得た。
工程2 3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−N−(4−アニソイル)シチジンの合成
3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−トリメチルシリル−N−(4−アニソイル)シチジン39.5gをジクロロメタン200ml、メタノール200mlに溶解し、ピリジウムp−トルエンスルホン酸7.2gを加え、65℃下3時間撹拌した。トリエチルアミンを加え中和し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2〜1:4)にて精製し、上記化合物34.0gを得た。
工程3 3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジンの合成
3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−N−(4−アニソイル)シチジン 30.0g、2,3−ジヒドロフラン10.2gを無水のテトラヒドロフラン150mlに溶解し、0℃下カンファースルホン酸5.62gを少量ずつ加え、室温下1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルにて抽出し、飽和食塩水にて洗浄後、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3)にて精製し、上記化合物31.5gを得た。
工程4 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジンの合成
3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 33.2gを無水のテトラヒドロフラン80mlに溶解し、1Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン溶液97mlを15分かけて滴下し、室温下1時間撹拌した。反応液を濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンにて抽出し、飽和食塩水にて洗浄後、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%メタノール/ジクロロメタン〜5%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、目的化合物7.11gを得た。
【0043】
参考例2
チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテート
工程1 3’−O−アセチルチミジンの合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン2.0gをピリジン共沸後、0℃下無水酢酸0.75gを加え室温下21時間撹拌した。濃縮後クロロホルムに溶解し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をn−ヘキサンにて洗浄し、乾燥して5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−3’−O−アセチルチミジン1.84gを得た。
上記、 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−アセチルチミジン1.84gをジクロロメタン30mlに溶解し、0.38Mベンゼンスルホン酸/メタノール16.5mlを0℃下滴下し、15分間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンにて抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をエーテルにて洗浄し、乾燥して上記化合物0.32gを得た。
工程2 2−クロロフェニル 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩の合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン2.0gをピリジン共沸後、0.28Mの2−クロロフェニルホスホロジトリアゾリド/ジオキサン溶液20mlを加え、室温下1時間撹拌した。50%ピリジン水溶液8mlを加え濃縮した。残渣に0.2M炭酸水素トリエチルアンモニウム水溶液20mlを加え、ジクロロメタン抽出した。ジクロロメタン層を0.2M炭酸水素トリエチルアンモニウム水溶液20mlで2回洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣を酢酸エチル、n−ヘキサンから結晶化し、乾燥して上記化合物1.88gを得た。
工程3 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
2−クロロフェニル 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩および3’−O−アセチルチミジンをピリジン共沸後、無水ピリジン3mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)0.71gを加え室温下1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/クロロホルム〜4%メタノール/クロロホルム、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物1.06gを得た。
工程4 チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテート1.05gをジクロロメタン10mlに溶解し、0.38Mベンゼンスルホン酸/メタノール溶液5.2mlを0℃下滴下し、30分間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、乾燥、濃縮し、目的化合物0.69gを得た。
【0044】
参考例3
2−クロロフェニル 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩
工程1 −イソブチリルグアノシンの合成
グアノシン20.0gをクロロホルム540mlとピリジン70mlに懸濁し、イソ酪酸クロリド48mlを滴下し、室温下2時間撹拌した。反応液に氷水冷撹拌下、1N塩酸を加えジクロロメタンで抽出した。有機層を水、続いて1N炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。残渣をトルエン共沸後、メタノール54mlに溶解し、氷水冷撹拌下28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液54mlをゆっくりと滴下して10分間撹拌した。反応液をダウエックス(Hフォーム)にて中和後、ろ過してダウエックスを除きメタノールでよく洗浄した。母液と洗液を合わせ、減圧下濃縮した。残渣を少量のメタノールに溶解し、アセトン中にゆっくり滴下し粉末とした。得られた粉末を集め、上記化合物を17.9g得た。
MS m/z: 354[MH]
工程2 3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−N−イソブチリルグアノシンの合成
−イソブチリルグアノシン16.9gをピリジン100mlに溶解し、氷水冷撹拌下1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン16.6gを滴下して室温で4時間撹拌した。反応液を水中に滴下し、得られた結晶を集め、乾燥した。 粗結晶をエタノールから再結晶し、上記化合物30.3gを得た。
融点179−183℃
MS m/z: 596[MH]
工程3 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシンの合成
3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−N−イソブチリルグアノシン30.0gをテトラヒドロフラン330mlに溶解し、2,3−ジヒドロフラン7.83gと(+)−カンファースルホン酸6.49gを加え室温で2時間撹拌した後、氷水冷撹拌下1Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド/テトラヒドロフラン溶液55.0mlを滴下し10分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%メタノール/ジクロロメタン〜2%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、上記化合物20.2gを得た。
融点178−180℃
MS m/z: 424[MH]
工程4 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシンの合成
2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン0.70gをピリジン共沸後、テトラヒドロフラン15mlとピリジン1.34mlに懸濁し、氷水冷撹拌下4,4’−ジメトキシトリチルクロリド0.61gを加え、室温で4時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、ジクロロメタン抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜1%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、上記化合物1.00gを得た。
工程5 2−クロロフェニル 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩の合成
参考例2工程2の5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジンの代わりに参考例2工程2で合成された化合物を使用して同様の反応を行い、目的化合物を得た。
【0045】
実施例1
5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン
2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 7.0gを無水のテトラヒドロフラン280mlに懸濁し、レブリン酸無水物10.1g、Novozym435 2.78gを加え、室温下25時間振盪した。レブリン酸無水物3.0g、Novozym435 1.0gを追加し室温下72時間振盪した。反応液をセライトろ過し、ジクロロメタンで洗浄し、ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え15時間撹拌した後、分液し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、目的化合物6.02gを得た。
【0046】
実施例2
2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート
5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン3.0gに0.56Mの2−クロロフェニルホスホロジトリアゾリド/ジオキサン溶液19.5mlを加え溶解し、ついで1−メチルイミダゾール0.90gを加え室温下1時間撹拌した。3−ヒドロキシプロピオニトリル1.56gを加え室温下2時間撹拌した。0℃下50%ピリジン水溶液5mlを加え5分間撹拌後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンにて抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄後、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=20:80〜15:85)にて精製し、目的化合物3.16gを得た。
MS m/z: 789.3[MH]
【0047】
実施例3
2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩
5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3.0gに0.56Mの2−クロロフェニルホスホロジトリアゾリド/ジオキサン溶液19.5mlを加え溶解し、ついで1−メチルイミダゾール0.90gを加え室温下1時間撹拌した。0℃下50%ピリジン水溶液10mlを加え10分間撹拌後、濃縮した。残渣に0.2M炭酸水素トリエチルアンモニウム水溶液35mlを加え、ジクロロメタン抽出した。ジクロロメタン層を0.2Mの炭酸水素トリエチルアンモニウム水溶液15mlで2回洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール/ジクロロメタン〜15%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、目的化合物4.03gを得た。
【0048】
実施例4
5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン
2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン5.70gをアセトニトリル270mlに懸濁し、レブリン酸無水物8.66gとNovozyme AS2.40gを加え、室温で15時間撹拌した。反応液をろ過してNovozyme ASを除き、ジクロロメタンでよく洗浄した。母液と洗液を合わせ、ほぼ同体積の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え終夜激しく撹拌した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液続いて飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣を少量のジクロロメタンに溶解し、n−ヘキサンとジエチルエーテルの等量混合溶媒にゆっくり滴下し粉末とした。得られた粉末を集め、n−ヘキサンとジエチルエーテルの等量混合溶媒で洗浄し、上記化合物6.80gを得た。
MS m/z: 522[MH]
【0049】
実施例5
2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン−3’−イル ホスフェート
実施例2の5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジンの代わりに、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシンを用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
【0050】
実施例6
2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩
実施例3の5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジンの代わりに、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシンを用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
【0051】
実施例7
2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン−3’−イル ホスフェート
実施例2の5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジンの代わりに、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジンを用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
【0052】
実施例8
2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩
実施例3の5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジンの代わりに、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジンを用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
【0053】
実施例9
2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン−3’−イル ホスフェート
実施例2の5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジンの代わりに、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシンを用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
【0054】
実施例10
2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩
実施例3の5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジンの代わりに、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシンを用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
【0055】
実施例11
アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−チミジリル−〔3’→5’〕−チミジン
(A)オリゴ核酸ブロックA (2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテート)
工程1 2−シアノエチル 2−クロロフェニル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェートの合成
2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート3.16gに0.5Mヒドラジン/ピリジン−酢酸(4:1)溶液40mlを加え溶解し、室温下20分間撹拌した。0℃下アセトン10mlを加え5分間撹拌後、酢酸エチル200mlで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ分液した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜5%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、上記化合物2.43gを得た。
工程2 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩1.95gおよび2−シアノエチル 2−クロロフェニル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート 1.38gをピリジン共沸後、無水ピリジン3mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)1.42gを加え室温下1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/クロロホルム〜4%メタノール/クロロホルム、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記、化合物2.21gを得た。
工程3 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−クロロフェニル)ホスフェート] トリエチルアミン塩の合成
実施例11(A)工程2において合成された化合物2.2gにピリジン−トリエチルアミン−水(3:1:1)の溶液32mlを加え、室温下30分間撹拌した。反応液を濃縮し乾燥して上記化合物2.43gを得た。
工程4 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例11(A)工程3の化合物と参考例3の化合物とを使用して、実施例11(A)工程2と同様に反応を行い、目的物を得た。
工程5 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例11(A)工程1の2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェートの代わりに、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートを用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
【0056】
(B)オリゴ核酸ブロックB (5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート])
工程1 2−シアノエチル 2−クロロフェニル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン−3’−イル ホスフェートの合成
実施例11(A)工程1の2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェートの代わりに、2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン−3’−イル ホスフェートを用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
工程2 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
実施例10において合成された化合物と実施例11(B)工程1において合成された化合物とを使用して、実施例11(A)工程2と同様の反応を行い、目的物を得た。
工程3 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
実施例11(A)工程1の2−シアノエチル 2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェートの代わりに、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を用いて同様の反応を行い、目的物を得た。
工程4 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
実施例11(B)工程3において合成された化合物0.33gをピリジン共沸後、テトラヒドロフラン1.3mlに溶解し、ピリジン0.22mlと4,4’−ジメトキシトリチルクロリド0.19gを加え、室温で撹拌した。2時間後、さらに4,4’−ジメトキシトリチルクロリド0.19gを加え、1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜2%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、上記化合物0.42gを得た。
【0057】
C) アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−チミジリル−〔3’→5’〕−チミジン
工程1 完全保護体の合成
オリゴ核酸ブロックB0.035gにピリジンとトリエチルアミンと水の混合溶媒(3:1:1、0.22ml)を加え、室温で20分間撹拌した。反応液を減圧濃縮しピリジン共沸後、オリゴ核酸ブロックA0.030gを加えピリジン共沸した。残渣をピリジン0.06mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)0.055gを加えて室温で1時間撹拌した。反応液に氷水冷撹拌下、50%ピリジン水溶液2mlを加え飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル抽出し、飽和食塩水で洗浄乾燥、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜2%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、得た無色泡状物を少量のジクロロメタンに溶解し、ジエチルエーテル中に滴下し粉末とした。得られた粉末を集め、ジエチルエーテルで洗浄し、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテート0.029gを得た。
融点179−183℃
工程2 脱保護・精製工程
実施例11(C)工程1において合成された化合物0.005gに0.30Mのピリジン−2−カルボキサアルドキシムとN,N,N,N−テトラメチルグアニジンの50%ジオキサン水溶液を加え、室温で40時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、ピリジン1mlに溶解し28%アンモニア水溶液2mlを加え、密栓して55℃で15時間放置した。放冷後、減圧濃縮し残渣にアセトンを加え、遠心して淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を逆相ODSカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/0.05M−TEAA緩衝液)で精製した。
得られた淡黄色粉末化合物に0.1Mの酢酸−テトラメチルエチレンジアミンの緩衝液(pH3.88)0.05mlを加え、60℃で30分間放置した。反応液を0.05M−TEAA緩衝液0.30mlで希釈し、逆相ODS(Sep−Pak VaC 2g、水続いて50%アセトニトリル水溶液)を通して、目的化合物である、アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−チミジリル−〔3’→5’〕−チミジン50.4OD(A260)を得た。
【0058】
実施例12 シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−チミジリル−〔3’→5’〕−チミジン
工程1 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
2−クロロフェニル 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩1.32gおよび2−シアノエチル 2−クロロフェニル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート 0.77gをピリジン共沸後、無水ピリジン4mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)0.99gを加え室温下1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%メタノール/ジクロロメタン〜5%メタノール/ジクロロメタン、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物1.39gを得た。
工程2 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例12工程1において合成された化合物90mgにピリジン−トリエチルアミン−水(3:1:1)の溶液0.5mlを加え、室温下30分間撹拌した。反応液を濃縮後、チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテート30mgを加えピリジン共沸した。無水ピリジン0.5mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)38mgを加え室温下1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン〜5%メタノール/ジクロロメタン、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物77mgを得た。
工程3 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
実施例12工程1において合成された化合物550mgに0.5Mヒドラジン/ピリジン−酢酸(4:1)溶液6mlを加え溶解し、室温下30分間撹拌した。0℃下アセトン1mlを加え5分間撹拌後、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ分液した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノールジクロロメタン〜5%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、上記化合物465mgを得た。
工程4 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジシ 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
実施例12工程1において合成された化合物726mgにピリジン−トリエチルアミン−水(3:1:1)の溶液6mlを加え、室温下15分間撹拌した。反応液を濃縮後、実施例12工程3において合成された化合物450mgを加えピリジン共沸した。無水ピリジン2mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)302mgを加え室温下2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン〜5%メタノール/ジクロロメタン、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物860mgを得た。
工程5 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例12工程2において合成された化合物70mgに0.5Mヒドラジン/ピリジン−酢酸(4:1)溶液0.34mlを加え溶解し、室温下20分間撹拌した。0℃下アセトン1mlを加え5分間撹拌後、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ分液した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノールジクロロメタン〜5%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、上記化合物57mgを得た。
工程6 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例12工程4において合成された化合物113mgにピリジン−トリエチルアミン−水(3:1:1)の溶液2mlを加え、室温下15分間撹拌した。反応液を濃縮後、実施例12工程5において合成された化合物55mgを加えピリジン共沸した。無水ピリジン0.5mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)25mgを加え室温下2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン〜8%メタノール/ジクロロメタン、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物90mgを得た。
工程7 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
実施例12工程4において合成された化合物240mgに0.5Mヒドラジン/ピリジン−酢酸(4:1)溶液1mlを加え溶解し、室温下30分間撹拌した。0℃下アセトン0.5mlを加え5分間撹拌後、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ分液した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノールジクロロメタン〜5%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、上記化合物185mgを得た。
工程8 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
実施例12工程4において合成された化合物288mgにピリジン−トリエチルアミン−水(3:1:1)の溶液4mlを加え、室温下15分間撹拌した。反応液を濃縮後、実施例12工程7において合成された化合物180mgを加えピリジン共沸した。無水ピリジン0.5mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)63mgを加え室温下1.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン〜6%メタノール/ジクロロメタン、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物339mgを得た。
工程9 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例12工程6において合成された化合物90mgに0.5Mヒドラジン/ピリジン−酢酸(4:1)溶液1mlを加え溶解し、室温下20分間撹拌した。0℃下アセトン0.5mlを加え5分間撹拌後、酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ分液した。酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノールジクロロメタン〜6%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、上記化合物60mgを得た。
工程10 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例12工程8において合成された化合物105mgにピリジン−トリエチルアミン−水(3:1:1)の溶液2mlを加え、室温下15分間撹拌した。反応液を濃縮後、実施例12工程9において合成された化合物58mgを加えピリジン共沸した。無水ピリジン0.5mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)25mgを加え室温下2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン〜6%メタノール/ジクロロメタン、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物80mgを得た。
工程11 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
2−クロロフェニル 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン−3’−イル ホスフェート トリエチルアミン塩107mgと実施例12工程7において合成された化合物175mgをピリジン共沸後、無水ピリジン1mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)61mgを加え室温下1.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン〜6%メタノール/ジクロロメタン、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物225mgを得た。
工程12 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリルチミジン 3’−アセテートの合成
実施例12工程10において合成された化合物55mgに、0.5Mヒドラジン/ピリジン−酢酸(4:1)溶液1mlを加え溶解し、室温下15分間撹拌した。0℃下アセトン0.5mlを加え5分間撹拌後、ジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ分液した。ジクロロメタン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノールジクロロメタン〜6%メタノール/ジクロロメタン)にて精製し、上記化合物44mgを得た。
工程13 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル− 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−O−アセテートの合成
実施例12工程11において合成された化合物27mgにピリジン−トリエチルアミン−水(3:1:1)の溶液2mlを加え、室温下15分間撹拌した。反応液を濃縮後、実施例12工程12において合成された化合物44mgを加えピリジン共沸した。無水ピリジン0.5mlに溶解し、1−(2−メシチレンスルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)5mgを加え室温下3時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタン〜6%メタノール/ジクロロメタン、0.1%ピリジン含有)にて精製し、上記化合物42mgを得た。
工程14 脱保護及び精製工程
実施例12工程13において合成された化合物20mgに0.30Mのピリジン−2−カルボキサアルドキシムとN,N,N,N−テトラメチルグアニジンの50%ジオキサン水溶液を加え、室温で72時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、ピリジン1mlに溶解し28%アンモニア水溶液5mlを加え、密栓して55℃で7時間、その後、室温で終夜放置した。反応液を濃縮し残渣にアセトンを加え、遠心して淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を逆相ODSカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/0.05M−TEAA緩衝液)で精製した。このものに0.1Mの酢酸−テトラメチルエチレンジアミンの緩衝液(pH3.88)0.05mlを加え、60℃で1時間放置した。反応液を逆相ODSにて脱塩し、目的化合物である、シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−チミジリル−〔3’→5’〕−チミジンを得た。
MALDI TOF MS:計算値 6344.86, 実測値 6345.69
【0059】
実施例13 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテート
実施例12工程11の実施例12工程7において合成された化合物の代わりに、実施例12工程3の化合物を使用して同様の反応を行い、トリマーブロックを合成した。次に、実施例12工程13の実施例12工程11において合成された化合物の代わりに、先に合成したトリマーブロックを使用し、実施例12工程12において合成された化合物の代わりに、実施例12工程5の化合物を使用して同様の反応を行い、目的とするオリゴ核酸化合物を合成した。
【0060】
実施例14 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロピラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロピラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロピラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロピラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロピラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテート
実施例13と同様の方法を用いて、2’位水酸基の保護基が2−テトラヒドロピラニルである核酸モノマーブロックを使用し、目的とするオリゴ核酸化合物を合成した。
【0061】
実施例15
試験化合物として、2’位水酸基の保護基が2−テトラヒドロフラニルである実施例13の化合物と2−テトラヒドロピラニルである実施例14の化合物とを使用し、以下に示す方法で処理し脱保護反応を比較検討した。
試験化合物18mgに0.3MのN,N,N,N−テトラメチルグアニジンとピリジン−2−カルボキサアルドキシムのジオキサン/水(1/1)溶液(2ml)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を濃縮後、ピリジン(2ml)、濃アンモニア水(10ml)に溶解し、55℃で終夜攪拌した。反応液を濃縮後、アセトンを加え、生じた沈殿を遠心分離して集め、アセトンで3回洗浄して乾燥した。このもの1mgに0.1M酢酸ナトリウム−酢酸緩衝液(pH3.82)(1ml)を加え、各脱保護条件において反応を行い、逆相HPLCにて反応を追跡した。脱保護された化合物の収率(HPLCピーク面積値)を表1に示す。
【表1】

上記結果より、2’位水酸基の保護基として2−テトラヒドロフラニルを用いた場合は、全ての条件下において、ほぼ定量的に脱保護された化合物が得られた。しかしながら、2’位水酸基の保護基として2−テトラヒドロピラニルを用いた場合は、脱保護された化合物の生成が不十分であり、明らかに2’位水酸基の保護基として2−テトラヒドロフラニルが有用であることが判る。
【0062】
実施例16 リパーゼによるレブリニル化
5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン
2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン50mgを無水のアセトニトリル2.5mlに溶解し、レブリン酸無水物140mg、各種リパーゼ28mgを加え、室温下16時間攪拌し、逆相HPLCを使用して反応生成物である、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジンの収率を求めた。
結果を表2に示す。
【表2】

上記結果から、Novozym435(Candida antarctica lipase B:ノボ・ノルディスク社製)及びLIPASE−QL(Alcaligenes triacylglycerol lipase:名糖産業(株)社製)は、原料化合物をすべて消費し、5’位水酸基をレブリニル化された化合物のみを生成することが明らかとなった。
【0063】
実施例17 アデニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−チミジリル−〔3’→5’〕−チミジン
工程1 ダイマーブロックの合成
実施例12工程1と同様の方法を用いて、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を8.24g(MS(EI) m/z =1321.2[M+Na])、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を6.88g(MS(EI) m/z =1382.4[M+Na])、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を3.60g(MS(EI) m/z =1273.4[M+Na]、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を16.12g(MS(EI) m/z =1454.5[M+Na])、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 〔3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を5.10g(MS(EI) m/z =1164.3[M+Na])、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を8.30g(MS(EI) m/z =1454.5[M+Na])、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を6.00g(MS(EI) m/z =1297.4[M+Na])それぞれ合成した。
また、参考例3の化合物であるチミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテート3.31gを合成した。
工程2 テトラマーブロックの合成
実施例17工程1において合成されたダイマーブロックを使用し、実施例12工程2と同様の方法を用いて、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートを6.49g(MS(EI) m/z =2062.0[M+H])合成し、実施例12工程4と同様にして、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を4.20g(MS(EI) m/z =2492.7[M+H])、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を2.30g(MS(EI) m/z =2383.3[M+H])、5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]を7.00g(MS(EI) m/z =2429.2[M+Na])、5’−O−レブリニル− 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]8.38g(MS(EI) m/z =2562.1[M+Na])を合成した。
工程3 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−[O−(2−シアノエチル)(2−クロロフェニル)ホスフェート]の合成
実施例17工程2で合成された化合物と実施例10の化合物とを使用し、実施例11(B)と同様の方法を用いて、上記化合物3.70gを合成した。
工程4 5’−O−レブリニル− 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例17工程2で合成された化合物と5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートとを使用し、実施例12工程5及び工程6と同様の方法を用いて、上記化合物6.04gを合成した。
工程5 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例17工程2で合成された化合物と実施例17工程4で合成された化合物とを使用し、実施例12工程5及び工程6と同様の方法を用いて、上記化合物7.04gを合成した。
工程6 5’−O−レブリニル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例17工程2で合成された化合物と実施例17工程5において合成された化合物とを使用し、実施例12工程5及び工程6と同様の方法を用いて、上記化合物3.60gを合成した。
工程7 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−イソブチリルグアノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル−2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)ウリジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)アデノシン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル 2’−O−(2−テトラヒドロフラニル)−N−(4−アニソイル)シチジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル−チミジン 3’−(2−クロロフェノキシ)ホスホリル チミジン 3’−アセテートの合成
実施例17工程3において合成された化合物と実施例17工程6において合成された化合物とを使用し、実施例12工程12及び工程13と同様の方法を用いて、上記化合物4.27gを合成した。
工程8 脱保護及び精製工程
実施例17工程7において合成された化合物100mgに0.30Mのピリジン−2−カルボキサアルドキシムとN,N,N,N−テトラメチルグアニジンの50%ジオキサン水溶液を加え、室温で44時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、ピリジン3mlに溶解し28%アンモニア水溶液15mlを加え、密栓して55℃で11時間、その後、室温で12時間放置した。さらに55℃で11時間、その後、室温で12時間放置した。反応液を濃縮後、アセトンを加え、生じた沈殿を遠心分離して集め、アセトンで3回洗浄して乾燥した。得られた粉末を逆相ODSカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/0.05M−TEAA緩衝液)で精製した。このもの22mgに0.1M酢酸ナトリウム−酢酸緩衝液(pH3.82)を2ml加え、60℃で1時間放置した。反応液を逆相ODSにて脱塩し凍結乾燥後、イオン交換カラムクロマトグラフィー(0→0.4M NaCl/10mMリン酸緩衝液)で精製した。逆相ODSにて脱塩し凍結乾燥後、目的化合物である、アデニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−グアニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−ウリジリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−アデニリル−〔3’→5’〕−シチジリル−〔3’→5’〕−チミジリル−〔3’→5’〕−チミジン12mgを得た。
MALDI TOF MS:計算値 6615.07,実測値 6615.34
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明化合物である新規なリボ核酸化合物は、リボース2’位の水酸基が0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基で保護され、リボース3’位がリン酸トリエステル化され、リボース5’位がレブリニル化された化合物である。本発明化合物は、オリゴRNAを液相合成するために非常に有用であり、重要な化合物である。
また、リン酸トリエステル化されたリボ核酸化合物を製造するために重要である、リボース2’位の水酸基が0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基で保護されたリボ核酸化合物に対して、リボース5’位の水酸基を位置選択的に容易にリパーゼによりレブリニル化する製法を提供する。
また、新規なオリゴRNAの液相合成法を提供する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(1)で表されるリボ核酸化合物又はその塩。
【化19】

式中、Bは、アデニン、グアニン、シトシン若しくはウラシル又はそれらの修飾体を示す。Rは、0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基を示す。R20はH又は置換されていてもよいアルキルを示す。R21は置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。
【請求項2】
が、2−テトラヒドロフラニル又は1,3−ジオキソラン−2−イルである、請求項1記載のリボ核酸化合物又はその塩。
【請求項3】
20がH、2−シアノエチル又は2,2,2−トリクロロエチルであり、R21が2−クロロフェニル又は2−クロロ−4−tert−ブチルフェニルである、請求項1又は2のいずれかに記載のリボ核酸化合物又はその塩。
【請求項4】
次の一般式(2)で表されるリボ核酸化合物にレブリニル化剤とリパーゼとを作用させることによって、5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化することを特徴とする、次の一般式(3)で表されるリボ核酸化合物の製法。
【化20】

式中、Bは、アデニン、グアニン、シトシン若しくはウラシル又はそれらの修飾体を示す。Rは、0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基を示す。
【請求項5】
次の一般式(2)で表されるリボ核酸化合物にレブリニル化剤とリパーゼとを作用させることによって、5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化する工程を有することを特徴とする製法により製造される、次の一般式(3)で表されるリボ核酸化合物に対して、リン酸化試薬を作用させることにより、次の一般式(1a)で表されるリボ核酸化合物の製法。
【化21】

式中、Bは、アデニン、グアニン、シトシン若しくはウラシル又はそれらの修飾体を示す。Rは、0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基を示す。R21は置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。
【請求項6】
次の一般式(2)で表されるリボ核酸化合物にレブリニル化剤とリパーゼとを作用させることによって、5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化する工程を有することを特徴とする製法により製造される、次の一般式(3)で表されるリボ核酸化合物に対して、リン酸化試薬とリン酸基を保護する試薬とを作用させることにより、次の一般式(1b)で表されるリボ核酸化合物の製法。

【化22】

式中、Bは、アデニン、グアニン、シトシン若しくはウラシル又はそれらの修飾体を示す。Rは、0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基を示す。R21は置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。R22は置換されていてもよいアルキルを示す。
【請求項7】
が2−テトラヒドロフラニル又は1,3−ジオキソラン−2−イルである請求項4〜6のいずれかに記載のリボ核酸化合物の製法。
【請求項8】
レブリニル化剤がレブリン酸、レブリン酸無水物、レブリン酸エステル、又はレブリン酸ハロゲン化物である、請求項4〜7のいずれかに記載のリボ核酸化合物の製法。
【請求項9】
リン酸化試薬が、2−クロロフェニルホスホロジトリアゾリド、2−クロロフェニル−O,O−ビス(1−ベンゾトリアゾリル)ホスフェート又は2−クロロ−4−tert−ブチルフェニルホスホロジトリアゾリドである、請求項5〜8のいずれかに記載のリボ核酸化合物の製法。
【請求項10】
リン酸基を保護する試薬が、3−ヒドロキシプロピオニトリル又は2,2,2−トリクロロエタノールである、請求項6〜9のいずれかに記載のリボ核酸化合物の製法。
【請求項11】
次の(a)〜(f)の工程を有する次の一般式(4)で表されるオリゴ核酸化合物の液相合成法。
【化23】

式中、各Bxは、独立して、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル若しくはチミン又はそれらの修飾体を示す。qは、1〜100の範囲内である整数を示す。各R’は、少なくとも一つは水酸基であり、それ以外は独立してH、又は水酸基を示す。
(a) 次の一般式(2)で表されるリボ核酸化合物にレブリニル化剤とリパーゼとを作用させることによって、5’位の水酸基を位置選択的にレブリニル化して、次の一般式(3)で表されるリボ核酸化合物を製造する工程、
【化24】

[式中、Bは、アデニン、グアニン、シトシン若しくはウラシル又はそれらの修飾体を示す。Rは、0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基を示す。]
(b) 上記(a)の工程により製造されるリボ核酸化合物(3)に対して、リン酸化試薬を作用させることによって、3’位の水酸基をリン酸化して、次の一般式(1a)で表されるリボ核酸化合物を製造する工程、
【化25】

[式中、B、Rは、前記と同義である。R21は置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。]
(c) 一方、上記(b)とは別に、上記(a)の工程により製造されるリボ核酸化合物(3)に対して、リン酸化試薬とリン酸基を保護する試薬とを作用させることによって、次の一般式(1b)で表されるリボ核酸化合物を製造する工程、
【化26】

[式中、B、R、R21は、前記と同義である。R22は置換されていてもよいアルキルを示す。]
(d) 上記(c)の工程により製造されるリボ核酸化合物(1b)に対して、レブリニル基を脱保護して、次の一般式(5)で表されるリボ核酸化合物を製造する工程、
【化27】

[式中、B、R、R21、R22は、前記と同義である。]
(e) 上記(b)又は(d)の工程により製造されるリボ核酸化合物(1a)又は(5)を少なくとも一つは構成モノマーとして使用する段階的オリゴマー化によって、次の一般式(6)で表されるオリゴ核酸化合物を製造する工程、
【化28】

[式中、各B’は、独立して、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル若しくはチミン又はそれらの修飾体を示す。各Rは、独立してH、置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。
3aは、H、レブリニル又は4,4’−ジメトキシトリチルを示す。
qは、前記と同義である。
各R1aは、少なくとも一つは0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基によって置換された水酸基であり、それ以外は独立してH、又は0℃〜60℃のいずれかの温度においてpH2〜4の酸性条件下24時間で90%以上脱離することができる保護基によって置換された水酸基を示す。
2aは、アシル又は次の一般式(7)で表されるリン酸基を示す。
【化29】

式中、R2aaは、置換されていてもよいアリール又は1〜2環性であって置換されていてもよい複素環基を示す。R2abは、H又は置換されていてもよいアルキルを示す。]
(f) 上記(e)の工程により製造されるオリゴ核酸化合物(6)の保護基をすべて脱保護する工程。
【請求項12】
が、2−テトラヒドロフラニル又は1,3−ジオキソラン−2−イルである、請求項11記載のオリゴ核酸化合物の液相合成法。
【請求項13】
qが1〜100の範囲内の整数である、請求項11又は12に記載のオリゴ核酸化合物の液相合成法。
【請求項14】
qが10〜50の範囲内の整数である、請求項11〜13のいずれかに記載のオリゴ核酸化合物の液相合成法。
【請求項15】
レブリニル化剤がレブリン酸、レブリン酸無水物、レブリン酸エステル、又はレブリン酸ハロゲン化物である、請求項11〜14のいずれかに記載のオリゴ核酸化合物の液相合成法。
【請求項16】
リン酸化試薬が、2−クロロフェニルホスホロジトリアゾリド、2−クロロフェニル−O,O−ビス(1−ベンゾトリアゾリル)ホスフェート又は2−クロロ−4−tert−ブチルフェニルホスホロジトリアゾリドである、請求項11〜15のいずれかに記載のオリゴ核酸化合物の液相合成法。
【請求項17】
リン酸基を保護する試薬が、3−ヒドロキシプロピオニトリル又は2,2,2−トリクロロエタノ−ルである請求項11〜16のいずれかに記載のオリゴ核酸化合物の液相合成法。

【国際公開番号】WO2005/070946
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【発行日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517313(P2005−517313)
【国際出願番号】PCT/JP2005/000974
【国際出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000004156)日本新薬株式会社 (46)
【Fターム(参考)】