説明

リポソームに被包されたオリゴヌクレオチド及びエピトープを含む免疫増強用組成物

本発明は、免疫増強用組成物、免疫原性を有するエピトープ、これらのスクリーニング方法及びこれらの製造方法と、蛋白質抗原に対する抗体、これらのスクリーニング方法及びこれらの製造方法に関する。本発明の組成物は、免疫強化を通じて癌、インフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス、RSV(呼吸器多核体ウイルス)のような多様な免疫−欠乏関連疾患の予防又は治療に有用に利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リポソームに被包されたオリゴヌクレオチド及びエピトープを含む免疫増強用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エピトープに基づくペプチドワクチンは、B細胞受容体(BCR)、並びにB細胞及びT細胞エピトープとしてのMHCに対する結合能力を通じた免疫反応を誘導して調節する中枢であって、感染性及び悪性疾患の予防のために活発に研究されている(非特許文献1〜3参照)。化学的に不活性化されたワクチンは、臨床で広く使用されるが、ワクチンは、ウイルスの再活性化の危険、ワクチン安定性の維持のための費用、自己免疫疾患の発生及び一部ワクチンの不十分な予防効果などの短所を有する(非特許文献1、3及び4参照)。これらの短所を克服するために、過去30年間B細胞及びT細胞の選択的な反応を誘導する特定サブセットのリンパ球を刺激するようにデザインされたエピトープを使用することにより、免疫反応を調節する目的で合成ペプチドが開発されてきた。したがって、ペプチドワクチンは、抗癌ワクチン(非特許文献5及び6参照)、並びにインフルエンザウイルス(非特許文献3参照)、マラリア(非特許文献7参照)、B型肝炎(非特許文献8参照)及びHIV(非特許文献9参照)のような感染性疾患に対する非常に強力で有用な予防及び治療剤として注目を浴びている。ペプチドワクチンは、多様な動物モデルに対して活発に研究されたが、これらのヒトに対する治療効能は制限的である。ペプチドワクチンの効能を改善させるために、リポソームがワクチン運搬体として提示され(非特許文献10参照)、フラゲラ(非特許文献11参照)及びCpG−DNA(非特許文献12参照)のような免疫補助剤が免疫反応の強化のために利用された。
【0003】
伝達運搬体としてのリポソームは、細胞毒性Tリンパ球(CTL)反応を強化させるワクチンの開発に広範囲に評価されてきた(非特許文献10及び13参照)、被包されたリポソームは、伝達物質を周囲環境から保護してターゲット細胞に伝達することができる。
【0004】
一方、DOPE(dioleryl phosphatidylethanolamine、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン; phosphatidyl−β−oleoyl−γ−palmitoyl ethanolamine)/CHEMS(cholesterol hemisuccinate;コレステリルヘミスクシネート)のようなpH−敏感性リポソームは、内容物を細胞質に分泌して、低いpH(5.0)で互いに脂質−混合されることが特徴である(非特許文献14参照)。たくさんの研究者らは、pH−敏感性リポソームが細胞質への抗原伝達を改善させてCTL反応を誘導するということを明かした(非特許文献15参照)。更に、pH−敏感性リポソームに被包されたハンターンウイルスのヌクレオカプシド蛋白質(M6)又はヒトパピローマウイルスE7から合成されたCTLエピトープで免疫化されたマウスで効率的な抗原−特異的CTL反応が報告された(非特許文献16参照)。大食細胞及び樹枝状細胞による抗原の流入を向上させるために、陽イオン性リポソームが伝達運搬体として利用された。CTL反応及び抗体生産は、リポフェクタミン、DC−Chol、DC−Chol/DOPE及びEPC/SA/Cなどの陽イオン性リポソームの被包により強化される(非特許文献10参照)。
【0005】
リポソームがAPCs(antigen presenting cells)に抗原を伝達する強力な運搬体であるが、免疫原性(immunogenicity)と免疫補助能力(adjuvanticity)を強化させるための目的としても研究された。CpG−DNAは、その免疫刺激(immunostimulatory)活性によりフラゲラ、脂質A、サイトカインのような免疫刺激因子より更に有用な潜在的治療剤として注目を浴びてきた(非特許文献17及び18参照)。多くの研究者らが、CpG−DNAがAPCの活性、Th1免疫反応及び免疫グロブリン(Ig)イソタイプスイッチングを増加させるという事実を明らかにした(非特許文献19〜21参照)。強力な補助剤としての免疫刺激活性は、リポソーム−被包されたCpG−DNAにより強化される。Suzukiらは、陽イオン性リポソームに被包されたCpG−DNAがIL−12及びIFN−γの発現を誘導して、OVA(ovalbumin)が共に被包されたCpG−DNA−リポソームは、OVA−発現腫瘍に対して強力な細胞毒性を有するOVA−特異的CTLを誘導するという事実を明かした(非特許文献22参照)。また、SSCL(sterically stabilized cationic liposomes)は、B細胞、樹枝状細胞及び大食細胞による流入(uptake)を増加させて、OVAとCpG−DNAの共同被包は、抗原−特異的IFN−γ及びIgG生産を増大させる(非特許文献23参照)。更に、Liらは、DSPC/Cholリポソームに共に被包されたCpG−DNA及びHER−2/neu−由来のペプチドがCTL反応及びIgG生産を増加させるということを究明した(非特許文献24参照)。
【0006】
ヌクレアーゼ抵抗性を有して細胞に効率的に流入させるためにオリゴヌクレオチドバックボーン(backbone)内非−ブリッジ酸素(nonbridging oxygens)が硫黄で置換されたホスホロチオエート(phosphorothioate)−変形のCpG−DNA(PS−DNA)はm、臨床適用に有用に利用されてきた(非特許文献25参照)。しかし、多様な研究結果は、PS−DNAが一過性巨脾(transient splenomegaly)、リンパ濾胞破壊(lymphoid follicle destruction)及び関節炎のようなバックボーン−関連副作用を誘導することを示した(非特許文献26〜28参照)。したがって、研究者らは、深刻な副作用無しに最適の先天性免疫反応を誘導するために、ホスホジエステル結合CpG−DNA(PO−DNA)の天然カウンターパート(counterpart)を開発した。PS−DNAと異なって、PO−DNAによる効果は、ヒト細胞で現れなかった。しかし、リポソーム(DOTAP又はリポフェクチン)に被包されたPO−DNA及び非−CpG−DNAで刺激を受けたヒト細胞で効果的な免疫反応が誘導されることが報告された(非特許文献29及び30参照)。
【0007】
以前の研究で、本発明者らは、コンピューターを利用したbovisゲノムDNAの分析を通じて天然のホスホジエステル結合CpG−DNA(PO−DNA)を同定して、免疫刺激活性を有するbovisゲノムDNA配列をスクリーニングした(非特許文献31参照)。本発明者らは、実験分析を通じてCpGモチーフを含む強力なPO−DNA(MB−ODN 4531(O)と命名)が、深刻な副作用無しに抗原−誘導されたTh1反応を誘導する強力な補助剤として作用することを明かした(非特許文献31及び32参照)。本発明において、本発明者らは、ヒト及びマウス細胞で免疫反応を刺激する種々のリポソーム内に被包されたPO−DNA(MB−ODN 4531(O))の抗体生産能力を比較した。更に、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソームに共同で被包されたPO−DNA(MB−ODN 4531(O))及び種々のペプチドがペプチド−特異的IgG生産を増加させるということを究明する。上述の結果は、DOPE/CHEMSリポソームによる輸送及びMB−ODN 4531(O)の補助剤効果によりペプチドワクチンの効率性が向上されて、感染性疾病の伝染、治療抗体の開発及び生物学的テロ武器の露出のような分野に即刻的に使用できることを意味する。
【0008】
本明細書全体にわたって多数の論文及び特許文献が参照され、その引用が表示されている。引用された論文及び特許文献の開示内容は、その全体が本明細書に参照として取り込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ben−Yedidia, T., et al., Curr. Opin. Biotechnol. 8: 442−448 (1997).
【非特許文献2】Bijker, M. S., et al., Expert Rev. Vaccines 6: 591−603 (2007).
【非特許文献3】Ben−Yedidia, T., et al., Expert Rev. Vaccines 6: 939−948 (2007).
【非特許文献4】Castilow, E. M., et al., Immunol. Res. 39: 225−239 (2007).
【非特許文献5】Rosenberg, S. A., et al., Nat. Med. 10: 909−915 (2004).
【非特許文献6】Zhao, L., et al., Expert Rev. Vaccines 7: 1547−1555 (2008).
【非特許文献7】Kashala, O., et al., Vaccine 20: 2263−2277 (2002).
【非特許文献8】Engler, O., et al., Mol. Immunol. 38: 457−465 (2001).
【非特許文献9】Pinto, L. A, et al., AIDS 13: 2003−2012 (1999).
【非特許文献10】Chikh, G., et al., Bioscience Reports 22: 339−353 (2002).
【非特許文献11】Ben−Yedidia, T., et al., Int. Immunol. 11: 1043−1051 (1999).
【非特許文献12】Speiser, D. E., et al., J. Clin. Invest. 115: 739−746 (2005).
【非特許文献13】Felnerova, D., et al., Curr. Opin. Biotechnol. 15: 518−529 (2004).
【非特許文献14】Simoes, S., et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 56: 947−965 (2004).
【非特許文献15】Collins, D. S., et al., J. Immunol. 148: 3336−3341 (1992).
【非特許文献16】Chang, J., et al., Vaccine 19: 3608−3614 (2001).
【非特許文献17】Krieg, A. M. Annu. Rev. Immunol. 20: 709−760 (2002).
【非特許文献18】Klinman, D. M., et al., Immunological Reviews 199: 201−216 (2004).
【非特許文献19】Chu, R. S., et al., J. Exp. Med. 186: 1623−1631 (1997).
【非特許文献20】Carson, D. A., et al., J. Exp. Med. 186: 1621−1622 (1997).
【非特許文献21】Davis, H. L., et al., J. Immunol. 160: 870−876 (1998).
【非特許文献22】Suzuki, Y., et al., Cancer Res. 64: 8754−9760 (2004).
【非特許文献23】Gursel, I et al., J. Immunol. 167: 3324−3328 (2001).
【非特許文献24】Li, W. M., et al., Vaccine 21: 3319−3329 (2003).
【非特許文献25】Krieg, A.M. Nat. Rev. Drug. Discov. 5: 471−484 (2006).
【非特許文献26】Sparwasser, T., et al., J. Immunol. 162: 2368−2374 (1999).
【非特許文献27】Deng, G. M., et al., Nat. Med. 5: 702−705 (1999).
【非特許文献28】Ronaghy, A., et al., J. Immunol. 168: 51−56 (2002).
【非特許文献29】Yasuda, K., et al., J. Immunol. 174: 6129−6136 (2005).
【非特許文献30】Magnusson, M., et al., J. Immunol. 179: 31−35 (2007).
【非特許文献31】Lee, K.W., et al., Mol. Immunol. 43: 2107−2118 (2006).
【非特許文献32】Kim, D., et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 379: 362−367 (2009).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、多様な癌及び感染性疾病などに対する予防及び治療を可能にする新規な免疫補助剤(immunoadjuvant)を開発するために鋭意研究した。その結果、本発明者らは、蛋白質抗原のペプチドエピトープを同定して、前記ペプチドエピトープ及びオリゴヌクレオチドを特定組成のリポソームに被包させる場合、大きく増加された免疫促進活性を有することを確認することにより、本発明を完成した。
【0011】
したがって、本発明の目的は、免疫反応増強用組成物を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、免疫原性を有するエピトープのスクリーニング方法を提供することにある。
【0013】
本発明のまた他の目的は、蛋白質抗原に対する抗体のスクリーニング方法を提供することにある。
【0014】
本発明のまた他の目的は、蛋白質抗原に対する抗体の製造方法を提供することにある。
【0015】
本発明のまた他の目的は、インフルエンザAウイルス、癌、C型肝炎ウイルス又はRSV(respiratory syncytial virus、呼吸器多核体ウイルス)に対するペプチドワクチン組成物を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的及び利点は、発明の詳細な説明、請求の範囲及び図面により、更に明確にされる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一様態によると、本発明は、陰イオン性界面活性剤及び中性リン脂質を含むリポソームに被包された(i)免疫刺激オリゴヌクロチド及び(ii)エピトープを有効成分として含む免疫増強用組成物を提供する。本発明者らは、多様な癌及び感染性疾病などに対する予防及び治療を可能にする新規な免疫補助剤を開発するために鋭意研究した。その結果、本発明者らは、蛋白質抗原のペプチドエピトープを同定して、前記ペプチドエピトープ及びオリゴヌクレオチドを特定組成のリポソームに被包させる場合、大きく増加された免疫促進活性を有することを確認した。
【0018】
本明細書において、用語‘陰イオン性界面活性剤(anionic surfactants)’は、分子内に疎水性部分と親水性部分を両方とも含んで、全体分子に陰電荷を帯びる両親媒性を有する分子を意味する。好ましくは、本発明で使用できる陰イオン性界面活性剤は、ホスファチジルグリセロール(phosphatidylglycerol)、カルジオリピン(cardiolipin)、ホスファチジルセリン(phosphatidylserine)、ジアシルホスファチジルセリン(diacylphosphatidylserine)、ジセチルホスフェート(dicetylphosphate)、ホスファチジン酸(phosphatidic acid)、ジアシルホスファチジン酸(diacylphosphatidic acid)、オレイン酸(oleic acid)、N−ドデカノイルホスファチジルエタノロアミン(N−dodecanoyl phosphatidylethanoloamine)、NSPE(N−succinyl phosphatidylethanolamine、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン)、NGPE(N−glutaryl phosphatidylethanolamine、N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン)、LPG(lysylphosphatidylglycerol、リシルホスファチジルグリセロール)及びCHEMS(cholesterylhemisuccinate、コレステリルヘミスクシネート)を含むが、これらに限定されるものではない。より好ましくは、前記陰イオン性界面活性剤は、CHEMSである。
【0019】
本明細書において、用語‘中性リン脂質’は、分子内各原子が電荷を帯びないリン脂質(phospholipid)だけではなく、双性イオン(zwitterions)のように一部原子が電荷を帯びても全体分子の総電荷(net charge)が0であるリン脂質を意味する。好ましくは、本発明で使用される中性リン脂質は、ホスファチジルコリン(phosphatidylcholine)、DPPC(dipalmitoyl phosphatidyl choline)、DSPC(1,2−distearoyl−sn−glycero−3−phosphocholine)、DMPC(dimyristoylphosphatidylcholine)、コレステロール、PEG−PE(polyethylene glycolphosphatidyl ethanolamine)、DOPC(dioleoyl phosphatidyl choline)及びDOPE(dioleyl phosphatidyl ethanolamine、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)を含むが、これらに限定されるものではない。より好ましくは、本発明の中性リン脂質は、DOPEである。
【0020】
本明細書において、用語‘リポソーム(liposome)’は、脂質二重膜を形成することにより製造される脂質運搬体を意味する。一般に、リポソームは、生体親和的で、両親媒性を有しており、内部の親水性物質を含んだまま疎水性膜を通過することができる。リポソームの直径は、一般に20nm〜2,000nmであるが、これに制限されず、製造方法及び運搬されるヌクレオチドの長さによって多様な大きさが可能である。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明のリポソームは、CHEMS及びDOPEの混合物である。
【0022】
本発明で使用するリポソーム内におけるDOPE:CHEMSのモル比率は、好ましくは7:3〜3:7であり、より好ましくは、4.5:5.5〜5.5:4.5であって、最も好ましくは、5.0:5.0である。
【0023】
本発明のリポソームの製造は、当業界に公知の多様な方法により製造することができ、好ましくは、有機溶媒−混合方法又は界面剤−混合方法を利用する(米国特許登録第5,705,385号;米国特許出願第08/660,025号)。より好ましくは、リポソームは、DOPE及びCHEMSを混合して、これを窒素ガスと共に蒸発させて無溶媒(solvent−free)脂質フィルムを作った後、アルコール溶液で溶解させ、最終的に水溶性ヌクレオチド混合物と混合する過程を通じて製造する。
【0024】
本発明のリポソーム製造を、有機溶媒混合を通じて行う場合、これに利用される有機溶媒は、クロロホルム、メタノール、エタノール、n−プロパノール又はブタノールを含む。好ましくは、前記有機溶媒は、エタノールである。
【0025】
本明細書において、用語‘被包(encapsulation)’は、効率的なインビボ運搬のために、運搬される物質を相対的に安定したシェル内に閉じ込める(enclosure)ことを意味する。
【0026】
本明細書において、用語‘免疫刺激(immunostimulatory)’は、初期免疫反応を誘導するか、又は抗原に対する既存の免疫反応を測定可能な程度に増加させることを意味する。
【0027】
本発明で利用できる免疫刺激オリゴヌクレオチドは、当業界に公知のあらゆる免疫刺激オリゴヌクレオチドを含む。例えば、前記免疫刺激オリゴヌクレオチドは、ヘアピン二次構造を形成するパリンドローム、CpGモチーフ、CpTモチーフ又は多重Gドメインを含むオリゴヌクレオチド、又は他に公知のISS(immunostimulatory sequence)であってもよい。例えば、本発明で利用される免疫刺激オリゴヌクレオチドは、米国特許出願公開第20080045473号、WO2006/063152又はWO1998/18810に開示の免疫刺激オリゴヌクレオチドを含む。
【0028】
前記CpGモチーフを含む免疫刺激オリゴヌクレオチドの具体的な例は、WO2006/080596に開示の本発明者らはにより開発されたCpGオリゴヌクレオチドを含む。例えば、次の一般式で表されるCpGオリゴヌクレオチドが本発明で利用できる:HKCGTTCRTGCSGM[Rは、A又はG;Sは、C又はG;Hは、A、T又はC;Kは、G又はT;Mは、C又はA]。
【0029】
本発明で有効成分として利用される免疫刺激オリゴヌクレオチドは、天然(natural−occurring)ヌクレオチド、バックボーン(backbone)変形されたヌクレオチド(例えば、ペプチド核酸(PNA)(M. Egholm et al. Nature, 365: 566−568(1993))、ホスホロチオエートDNA、ホスホロジチオエートDNA、ホスホロアミデートDNA、アミド連結されたDNA、MMI連結されたDNA、2’−O−メチルRNA、α−DNA及びメチルホスホネートDNA、糖変形されたヌクレオチド(例えば、2’−O−メチルRNA、2’−フルオロRNA、2’−アミノRNA、2’−O−アルキルDNA、2’−O−アリルDNA、2’−O−アルキニルDNA、ヘキソースDNA、ピラノシルRNA及びアンヒドロヘキシトールDNA)、及び塩基変形されたヌクレオチド(例えば、C−5置換されたピリミジン(置換基は、フルオロ−、ブロモ−、クロロ−、ヨード−、メチル−、エチル−、ビニール−、ホルミル−、エチジル−、プロピニル−、アルキニル−、チアゾリル−、イミダゾリル−及びピリジル−を含む)、C−7置換基を有する7−デアザプリン(置換基は、フルオロ−、ブロモ−、クロロ−、ヨード−、メチル−、エチル−、ビニール−、ホルミル−、アルキニル−、アルケニル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピリジル−を含む)、イノシン及びジアミノプリン)を含む。好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドは、天然ヌクレオチドである。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドは、ホスホロジエステルバックボーン又はホスホロチオエートバックボーンを有する。
【0031】
本発明で利用される免疫刺激オリゴヌクレオチドの長さは、特に制限されず、好ましくは、8〜100ヌクレオチド長、より好ましくは、15〜50ヌクレオチド長であり、最も好ましくは、13〜25ヌクレオチド長である。
【0032】
好ましくは、本発明の免疫刺激オリゴヌクレオチドは、配列番号14から配列番号18からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドである。より好ましくは、配列番号14のオリゴヌクレオチドである。
【0033】
本発明者らは、以前の研究で実験的分析により、ミコバクテリウムボビス(Mycobacterium bovis)ゲノムDNA由来の潜在的CpG−DNAがTh1−反応性免疫補助物質として機能して、転写因子であるNF−kBを活性化させるということを究明した(Lee, K.W., et al., Mol. Immunol. 43: 2107−2118 (2006).参照)。
【0034】
具体的に、本発明で利用されるオリゴヌクレオチドは、ミコバクテリウムボビスゲノムDNA内4531位置の20bp−オリゴヌクレオチドであるMB−ODN 4531(配列番号14)、前記配列のCGジヌクレオチド配列の一つがGC配列で置換されたMB−ODN 4531(GCO)(配列番号15)、MB−ODN 4531配列の3’−末端の7個塩基が削除されて、バックボーン内ブリッジ酸素(bridging oxygen)が硫黄で置換されたMB−ODN 4531(S)T13(配列番号16)、MB−ODN 4531配列のCGジヌクレオチド配列の一つがCT配列で置換されて、バックボーンのブリッジ酸素が硫黄で置換されたMB−ODN 4531(S)CT(配列番号17)、及びMB−ODN 4531配列と相補的でありながら、バックボーンのブリッジ酸素が硫黄で置換されたMB−ODN 4531(S)CS(配列番号18)である。本発明者らの実験的分析を通じて、MB−ODN 4531オリゴヌクレオチド/ペプチド/リポソーム複合体の投与が、他のオリゴヌクレオチドを有する複合体の投与より、総IgGのレベルを最も高く誘導するということを究明した。
【0035】
本明細書において、用語‘エピトープ’は、抗体と相互作用する抗原の部位を意味する。より詳しくは、エピトープは、免疫グロブリン又はT−細胞受容体に特異的に結合できる蛋白質決定部位(determinant)を意味する。また、本発明のエピトープは、免疫反応を増加させることのできるある分子又は物質を含む。例えば、本発明のエピトープは、ペプチド、これらのペプチドをエンコーディングする核酸及び糖蛋白質を含むが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本明細書において、用語‘ペプチド’は、アミノ酸残基間のペプチド結合により形成された線形の分子を意味し、本明細書において、用語‘ペプチドエピトープ’は、B細胞及び/又はT細胞の特異的反応を誘導できるエピトープを含むペプチドを意味する。
【0037】
本発明のペプチドエピトープの長さは、特に制限されず、好ましくは、7〜30アミノ酸長さであり、より好ましくは、10〜25アミノ酸長さであって、最も好ましくは、10〜17アミノ酸長さである。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明のエピトープは、配列番号1から配列番号13、及び配列番号19から配列番号46からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するペプチドエピトープである。
【0039】
本発明者らは、エピトープのスクリーニングのために、鳥インフルエンザAウイルスのHA蛋白質、豚(swine)インフルエンザAウイルスのHA蛋白質、H1N1インフルエンザAウイルスのHA蛋白質、H7インフルエンザAウイルスのHA蛋白質、H9インフルエンザAウイルスのHA蛋白質、ヒト肝癌(hepatocarcinoma)のhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質、ヒトインテグリンβ4(hIB4)、C型肝炎ウイルス(HCV)の外皮(envelope)蛋白質、RSV(respiratoy syncytial virus)の付着(G)糖蛋白質(hRSV−G)及びRSVの融合蛋白質(HRSV−F)由来のペプチドを合成した。以後、投与時に免疫反応を増加させるペプチドを選別して、配列番号1から配列番号6及び配列番号19から配列番号37のアミノ酸配列からなるペプチドは、インフルエンザAウイルスに対する免疫増強効果を有して、配列番号10又は配列番号11のアミノ酸配列を含むペプチドは、肝癌に対する免疫増強効果を有し、配列番号42から配列番号46のアミノ酸配列を含むペプチドは、ヒトインテグリン蛋白質β4に対する免疫増強効果を有して、配列番号12のアミノ酸配列を含むペプチドは、C型肝炎ウイルスに対する免疫増強効果を有して、配列番号13及び配列番号38から配列番号41のアミノ酸配列を含むペプチドは、RSVに対する免疫増強効果を有する。
【0040】
本発明の組成物には、その他の薬物又は他の免疫補助剤が含まれて、追加的な免疫刺激効果を提供することができる。免疫補強剤の種類は、当分野に広く公知されている(Vaccine Design − The Subunit and Adjuvant Approach, 1995, Pharmaceutical Biotechnology, Volume 6, Eds. Powell, M.F., and Newman, M.J., Plenum Press, New York and London, ISBN 0−306−44867−X)。好ましくは、本発明の組成物に含まれる免疫補強剤は、アルミニウム塩又はカルシウム塩(例えば、ヒドロキシド又はホスフェート)を含む。
【0041】
好ましい免疫補強剤の具体的例は、下記のようである:アルミニウム塩又はカルシウム塩(ヒドロキシド又はホスフェート)、水中油(oil−in−water)エマルジョン(WO 95/17210, EP 0 399 843)又はリポソームのような微粒性キャリア(WO 96/33739)、南アメリカ樹木のQuillaja Saponaria Molina由来の免疫学的に抗原補強剤活性を有したサポニン分画(例えば、Quil A)、3 De−O−アシル化されたモノホスホリル脂質A、ムラミルジペプチド、3D−MPL(3−O−デアシル化されたモノホスホリル脂質A)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0042】
本発明の免疫増強用組成物は、多様な状態又は疾患の治療に適用でき、前記状態又は疾患の例は、以下のようであるが、これらに限定されるものではない:
(i)癌(例えば、胃癌、肺癌、乳房癌、卵巣癌、肝癌、気管支癌、鼻咽頭癌、喉頭癌、膵臓癌、膀胱癌、大腸癌、結腸癌、子宮頸部癌、脳癌、前立腺癌、骨癌、皮膚癌、甲状腺癌、副甲状腺癌及び尿管癌);
(ii)ウイルス(例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−I、HSV−II、CMV又はVZV)、ポックスウイルス(例えば、天然痘(variola)又はワクシニアのようなオルソポックスウイルス(orthopoxvirus)又は伝染性軟いぼウイルス(molluscum contagiosum))、ピコルナウイルス(例えば、リノウイルス又はエンテロウイルス)、オルソミキソウイルス(例えば、H5N1鳥インフルエンザウイルスを含むインフルエンザウイルス)、パラミキソウイルス(例えば、5−パラインフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス(mumps virus)、はしかウイルス及びRSV(respiratoy syncytial virus))、コロナウイルス(例えば、SARS)、パポバウイルス(例えば、コンジローマ、尋常性いぼ又は足底疣贅を誘発するパピローマウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス又はデングウイルス(Dengue virus))又はレトロウイルス(例えば、HIVのようなレンチウイルス))により誘発される感染性疾患;
(iii)バクテリア(例えば、エスケリチア、エンテロバクター、サルモネラ、スタフィロコッカス、シゲラ、リステリア、エアロバクター、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、ナイセリア、クロストリジウム、バシラス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラチア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス又はボルデテラ属)により誘発される感染性疾患;
(iv)クラミジアのような他の感染性疾患、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症及びクリプトコッカス脳膜炎を含むが、これに限定されない真菌性疾病、又はマラリア、ニューモシスチス性肺炎、リーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症及びトリパノゾーマ肝炎を含むが、これらに限定されない寄生虫性疾患;
(v)アトピー性皮膚炎又は湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー鼻炎及びOmenn様症候群のようなTh2媒介のアトピー疾患;
(vi)アロペシアグレアタ(alopecia greata)、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫アジソン疾患、副腎の自己免疫疾患、自己免疫溶血性貧血、自己免疫肝炎、自己免疫卵巣炎及び睾丸炎、自己免疫血小板減少症、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、腹腔スプルー皮膚炎(celiac sprue−dermatitis)、慢性疲労免疫異常症候群、慢性炎症性脱髄多発性神経病症、チャーグ・ストラウス症候群(Churg−Strauss syndrome)、瘢痕性類天疱瘡、CREST症候群、寒冷凝集素症、クローン病、円板状狼瘡、本態性複合寒冷グロブリン血症、線維筋痛−線維筋炎、糸球体腎炎、グレーヴス病、ギラン・バレー症候群、ハシモト甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑症、IgA神経炎、若年性関節炎、扁平苔癬、紅斑性狼瘡、メニエル病、混合性結合組織疾患、多発性硬化症、タイプI又は免疫−媒介糖尿病、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結晶性多発動脈炎、多発軟骨炎、多腺性自己免疫症候群、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎と皮膚筋炎、一次性無ガンマグロブリン血症、一次性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー症候群、ライター症候群、リウマチ性関節炎、サルコイド症、強皮症、スティッフマン症候群、全身性紅斑性狼瘡、紅斑性狼瘡、高安動脈炎、一時的動脈炎、巨大細胞動脈炎、潰瘍性大腸炎、ぶどう膜炎、白斑症及びウェゲナー肉芽腫症のような自己免疫疾患;
(vii)喘息、エンセフィリチス(encephilitis)、炎症性腸疾患、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性障害、敗血症性ショック、肺線維症、未分化脊椎関節症、未分化関節症、関節炎、炎症性骨溶解、及び慢性ウイルス又はバクテリア感染による慢性炎症を含む炎症性疾患;及び
(viii)慢性傷を含むケロイド及び他の形態の傷跡生成抑制及び傷治癒の促進のような傷治癒に係わる疾患。
【0043】
好ましくは、本発明の組成物は、癌、ウイルス疾患、バクテリア疾患、感染性疾患又は自己免疫疾患に利用される。
【0044】
本発明の薬剤学的組成物に含まれる薬剤学的に許容される担体は、製剤時に通常的に利用されるものであって、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウム、及びミネラルオイルなどを含むが、これらに限定されるものではない。本発明の薬剤学的組成物は、前記成分の他に、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などを更に含むことができる。適した薬剤学的に許容される担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (19th ed., 1995)に詳細に記載されている。
【0045】
本発明の薬剤学的組成物は、経口又は非経口で投与することができ、好ましくは非経口投与であって、非経口投与の場合は、静脈内注入、皮下注入、筋肉注入、腹腔注入、経皮投与などにより投与できる。
【0046】
本発明の薬剤学的組成物の適した投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性、病的状態、飲食、投与時間、投与経路、排泄速度、及び反応感応性のような要因により様々である。一方、本発明の薬剤学的組成物の経口投与量は、好ましくは、1日当たり、0.001mg/kg〜10,000mg/kg(体重)である。
【0047】
本発明の薬剤学的組成物は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できる方法により、薬剤学的に許容される担体及び/又は賦形剤を利用して製剤化することにより、単位容量形態に製造されるか、又は多用量容器内に入れて製造できる。この際、剤形は、オイル又は水性媒質中の溶液、懸濁液又は乳化液の形態であるか、エキス剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤又はカプセル剤の形態であってもよく、分散剤又は安定化剤を更に含むことができる。
【0048】
本発明の他の様態によると、本発明は、以下の段階を含む免疫原性を有するエピトープのスクリーニング方法を提供する:
(a)陰イオン性界面活性剤及び中性リン脂質を含むリポソームに(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質としてのペプチドを被包させる段階と、
(b)前記(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質としてのペプチドが被包されたリポソームを利用して、ヒトを除く動物を免疫化させる段階と、
(c)前記免疫化された動物における免疫反応を測定する段階。
【0049】
本発明のエピトープ又はペプチド、免疫刺激オリゴヌクレオチド及びリポソームは、上述の本発明の免疫増強用組成物で記載した内容と共通するため、過度なる重複を避けるためにその記載を省く。
【0050】
リポソーム−被包された免疫刺激オリゴヌクレオチド又はペプチドにより免疫化させる方法は、当業界に知られた多様な免疫投与方法を含み、好ましくは非経口投与である。非経口投与の場合は、静脈内注入、皮下注入、筋肉注入、腹腔注入、経皮投与などにより投与できる。
【0051】
本発明で利用される‘ヒトを除く動物(non−human animal)’は、当業界で一般に利用される多様な動物を含み、好ましくは哺乳動物であって、最も好ましくは、マウス、ラビット又はラットである。
【0052】
本発明で免疫化された動物における免疫反応測定は、例えば、前記選別されたリポソーム−被包されたペプチドを投与した対象動物から血清を採取して、抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価を測定する方法を通じて行われる。好ましくは、抗体の力価を測定する方法は、ELISA(Enzyme−linked immunosorbent assay)、側面移動分析法(Lateral flow test)、MIA(Magnetic immunoassay)及び免疫沈降法(Immunoprecipitation)を含むが、これらに限定されるものではない。より好ましくは、ELISA分析法が利用できる。
【0053】
特定ペプチド配列が抗−ペプチド抗体の力価を増加させる場合、前記特定ペプチドは、エピトープ又はペプチドワクチンとみなされる。
【0054】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、以下の段階を含む蛋白質抗原に対する抗体のスクリーニング方法を提供する:
(a)陰イオン性界面活性剤及び中性リン脂質を含むリポソームに(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質として前記蛋白質抗原のペプチドを被包させる段階と、
(b)前記(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質としてのペプチドが被包されたリポソームを利用して、ヒトを除く動物を免疫化させる段階と、
(c)前記免疫化された動物における免疫反応を測定して、免疫原性を示すペプチドエピトープを選別する段階と、
(d)前記選別されたペプチドエピトープと分析対象の抗体とを接触させる段階と、
(e)前記段階(d)の結果物と前記蛋白質抗原とを接触させる段階と、
(f)前記蛋白質抗原と前記分析対象の抗体との結合を分析する段階。
【0055】
本発明のスクリーニング方法は、多様な方式で行うことができ、特に当業界に公知された多様な結合アッセイ(binding assay)によって高速(high throughput)方式で行うことができる。
【0056】
本発明の蛋白質抗原又は候補抗体は、検出可能な標識で標識化することができる。例えば、前記検出可能な標識は、化学的標識(例えば、ビオチン)、酵素標識(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリンホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ及びβ−グルコシダーゼ)、放射能標識(例えば、C14、I125、P32及びS35)、蛍光標識(例えば、クマリン、フルオレセイン、FITC(fluoresein Isothiocyanate)、ロダミン6G、ロダミンB、TAMRA(6−carboxy−tetramethyl−rhodamine)、Cy−3、Cy−5、Texas Red、Alexa Fluor、DAPI(4,6−diamidino−2−phenylindole)、HEX、TET、Dabsyl及びFAM)、発光標識、化学発光標識、FRET(fluorescence resonance energy transfer)標識又は金属標識(例えば、金及び銀)である。
【0057】
検出可能に標識化された蛋白質抗原又は候補抗体を利用する場合、蛋白質抗原と抗体間の結合は、標識から出るシグナルを検出して分析することができる。例えば、標識としてアルカリンホスファターゼが利用される場合は、BCIP(bromochloroindolylphosphate)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、ナフトール−AS−B1−ホスフェート(naphthol−AS−B1−phosphate)及びECF(enhanced chemifluorescence)のような発色反応基質を利用してシグナルを検出する。標識としてホースラディッシュペルオキシダーゼが利用される場合は、クロロナフトール、アミノエチルカルバゾール、ジアミノベンジジン、D−ルシフェリン、ルシゲニン(ビス−N−メチルアクリジニウムニトレート)、レソルフィンベンジルエーテル、ルミノール、Amplexレッド試薬(10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジン、Pierce)、HYR(p−phenylenediamine−HCl and pyrocatechol)、TMB(tetramethylbenzidine)、ABTS(2,2’−Azine−di[3−ethylbenzthiazoline sulfonate])、OPD(o−phenylenediamine)及びナフトール/ピロニンのような基質を利用してシグナルを検出する。
【0058】
択一的に、分析対象抗体の蛋白質抗原との結合有無は、相互作用物(interactants)のラベリング無しに分析することもできる。例えば、マイクロフィジオメーター(microphysiometer)を利用して、分析対象の抗体が蛋白質抗原に結合するかどうかを分析することができる。マイクロフィジオメーターは、LAPS(light−addressable potentiometric sensor)を利用して、細胞がその環境を酸性化する速度(acidifying rate)を測定できる分析道具である。酸性化速度の変化は、候補抗体と蛋白質抗原間の結合に対する指示子(indicator)として利用できる(McConnell, H. M., et al., Science 257:1906−1912 (1992).参照)。
【0059】
蛋白質抗原に対する候補抗体の結合能力は、リアルタイム分子間相互作用分析(BIA)を利用して分析することができる(Sjolander, S., et al., Anal. Chem. 63:2338−2345 (1991).、Szabo, A., et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 5:699−705 (1995).参照)。BIAは、相互作用物(interactants;例えば、BIAcoreTM)のラベリング無しに実時間で特異的相互作用を分析する技術である。表面プラズモン共鳴(SPR)における変化は、分子間の実時間反応に対する指示子として利用できる。
【0060】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、以下の段階を含む蛋白質抗原に対する抗体の製造方法を提供する:
(a)陰イオン性界面活性剤及び中性リン脂質を含むリポソームに(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質として前記蛋白質抗原のペプチドを被包させる段階と、
(b)前記(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質としてのペプチドが被包されたリポソームを利用して、ヒトを除く動物を免疫化させる段階と、
(c)前記免疫化された動物における免疫反応を測定して、免疫原性を示すペプチドエピトープを選別する段階と、
(d)前記選別されたペプチドエピトープを利用して、ヒトを除く動物を免疫化させて抗体を生産する段階。
【0061】
本発明によると、本発明の方法で免疫化された対象動物から抗体を収得する段階は、当業界に通常的に使用されるエタノール沈殿法、イオン交換樹脂吸着クロマトグラフィー法、又はProtein A又はProtein Gカラムを利用したクロマトグラフィー法を含む多様な方法を利用することができる。また、特異抗原−結合されたアガロースビーズカラムを利用した吸着クロマトグラフィー法を利用して、哺乳動物の血漿から純粋な免疫グロブリンだけを分離することができる。一方、免疫グロブリンは、哺乳動物の抹消血液リンパ球又はB細胞から得られた抗体蛋白質に対する遺伝情報を有したcDNAライブラリーから情報を得た後、これに基づいて遺伝工学的に製造することもできる。上述の方法により製造された遺伝的組み換え免疫グロブリン蛋白質は、哺乳動物の免疫グロブリンのアミノ酸塩基配列又はこれを一部突然変異させてヒト化された遺伝的組み換え免疫グロブリン蛋白質を含む(Vaughan TJ, et al. Human antibodies design. Nature Biotech 16:535−539(1998))。精製された抗体は、使用時まで冷蔵中の氷上で貯蔵できる。更に、本発明の方法は、前記免疫化された動物からB細胞を分離して単一クローン抗体、ヒト化された抗体又は親和力増加抗体(affinity maturated antibody)を生成させる段階を追加的に含むことができる。
【0062】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、配列番号1から配列番号9、そして配列番号19から配列番号37からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドを含むインフルエンザAウイルスに対するペプチドワクチン組成物を提供する。
【0063】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、配列番号42から配列番号46からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドを含むヒトインテグリン蛋白質β4に対するペプチドワクチン組成物を提供する。
【0064】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、配列番号10及び配列番号11からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドを含む肝癌(hepatocarcinoma)に対するペプチドワクチン組成物を提供する。
【0065】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、配列番号12のアミノ酸配列からなるペプチドを含むC型肝炎ウイルスに対するペプチドワクチン組成物を提供する。
【0066】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、配列番号13及び配列番号38から配列番号41のアミノ酸配列からなるペプチドを含むRSV(respiratory syncytial virus)に対するペプチドワクチン組成物を提供する。
【0067】
本発明のペプチドワクチンは、上述の本発明の免疫増強用組成物で記載した内容と共通するため、過度なる重複を避けるためにその記載を省く。
【0068】
本発明のまた他の様態によると、本発明は、インフルエンザAウイルス感染症、癌、肝癌、C型肝炎ウイルス感染性疾患又はRSV(respiratory syncytial virus)感染性疾患の予防又は治療方法を提供する。
【発明の効果】
【0069】
本発明の特徴及び利点を要約すると、以下のようである:
(a)本発明は、免疫増強用組成物、免疫原性を有するエピトープ、これらのスクリーニング方法及びこれらの製造方法、そして蛋白質抗原に対する抗体及びこれらのスクリーニング方法及びこれらの製造方法を提供する。
(b)本発明の組成物及び方法は、免疫強化を通じて癌、インフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス、RSV(respiratory syncytial virus)を始めとした多様な免疫欠乏関連疾患の予防又は医療に効果的に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1a】図1aは、リポソーム(DOPE:CHEMS(1:1)とHEL(hen egg lysozyme)複合体により腹腔免疫化されたBalb/cマウスの体液反応を示した図である。HEL−MB−ODN 4531(O)−リポソーム複合体がマウス腹腔に10日間隔で3回にわたって投与された。その後、IgGの生産を測定することにより、総IgGの力価が増加したことを確認した。本発明者らは、DOPE:CHEMS複合体に被包されたMB−ODN4531(O)をLipoplex(O)と表記した。
【図1b】図1bは、リポソーム(DOPE:CHEMS(1:1)とHEL(hen egg lysozyme)複合体により腹腔免疫化されたBalb/cマウスの体液反応を示した図である。HEL−MB−ODN 4531(O)−リポソーム複合体がマウス腹腔に10日間隔で3回にわたって投与された。その後、IgG(図1a)、IgG1(図1b)、IgG2a(図1c)の生産を測定することにより、IgG1の生産が増加したことを確認した。本発明者らは、DOPE:CHEMS複合体に被包されたMB−ODN4531(O)をLipoplex(O)と表記した。
【図1c】図1cは、リポソーム(DOPE:CHEMS(1:1)とHEL(hen egg lysozyme)複合体により腹腔免疫化されたBalb/cマウスの体液反応を示した図である。HEL−MB−ODN 4531(O)−リポソーム複合体がマウス腹腔に10日間隔で3回にわたって投与された。その後、IgG2aの生産を測定することにより、Th1免疫反応に係わるIgG2aの生産が増加したことを確認した。本発明者らは、DOPE:CHEMS複合体に被包されたMB−ODN4531(O)をLipoplex(O)と表記した。
【図2a】図2aは、ペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体を製造するために、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮し、鶏インフルエンザA(H5N1)/ベトナム/2004菌株のヘマグルチニン(HA)から選別されたエピトープ候補を同定するための結果を示す。前記選別されたエピトープ候補の10種(hH5N1 HA58、hH5N1 HA113、hH5N1 HA233、hH5N1 HA336、hH5N1 HA363、hH5N1 HA370、hH5N1 HA377、hH5N1 HA384、hH5N1 HA387及びhH5N1 HA394)をそれぞれペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回腹腔投与した後、血清を採取した。IgGの量を分析した結果、各ペプチド−特異的総IgGの量が増加した。A/ベトナム/1203/2004 hH5N1 HA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較(alignment)に基づいて、ナンバリングされる。
【図2b】図2bは、ペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体を製造するために、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮し、鶏インフルエンザA(H5N1)/ベトナム/2004菌株のヘマグルチニン(HA)から選別されたエピトープ候補を同定するための結果を示す。前記選別されたエピトープ候補の10種(hH5N1 HA58、hH5N1 HA113、hH5N1 HA233、hH5N1 HA336、hH5N1 HA363、hH5N1 HA370、hH5N1 HA377、hH5N1 HA384、hH5N1 HA387及びhH5N1 HA394)をそれぞれペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回腹腔投与した後、血清を採取した。各ペプチド−特異的なIgG1の量を分析した結果である。A/ベトナム/1203/2004 hH5N1 HA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較(alignment)に基づいて、ナンバリングされる。
【図2c】図2cは、ペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体を製造するために、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮し、鶏インフルエンザA(H5N1)/ベトナム/2004菌株のヘマグルチニン(HA)から選別されたエピトープ候補を同定するための結果を示す。前記選別されたエピトープ候補の10種(hH5N1 HA58、hH5N1 HA113、hH5N1 HA233、hH5N1 HA336、hH5N1 HA363、hH5N1 HA370、hH5N1 HA377、hH5N1 HA384、hH5N1 HA387及びhH5N1 HA394)をそれぞれペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回腹腔投与した後、血清を採取した。IgGの量を分析した結果、各ペプチド−特異的にTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産が増加した。A/ベトナム/1203/2004 hH5N1 HA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較(alignment)に基づいて、ナンバリングされる。
【図2d】図2dは、ペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体を製造するために、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮し、鶏インフルエンザA(H5N1)/ベトナム/2004菌株のヘマグルチニン(HA)から選別されたエピトープ候補を同定するための結果を示す。前記選別されたエピトープ候補の10種(hH5N1 HA58、hH5N1 HA113、hH5N1 HA233、hH5N1 HA336、hH5N1 HA363、hH5N1 HA370、hH5N1 HA377、hH5N1 HA384、hH5N1 HA387及びhH5N1 HA394)をそれぞれペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回腹腔投与した後、血清を採取した。IgGの量を分析した結果、各ペプチド−特異的総IgGの力価が増加した。A/ベトナム/1203/2004 hH5N1 HA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較(alignment)に基づいて、ナンバリングされる。
【図2e】図2eは、ペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体を製造するために、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮し、鶏インフルエンザA(H5N1)/ベトナム/2004菌株のヘマグルチニン(HA)から選別されたエピトープ候補を同定するための結果を示す。前記選別されたエピトープ候補の10種(hH5N1 HA58、hH5N1 HA113、hH5N1 HA233、hH5N1 HA336、hH5N1 HA363、hH5N1 HA370、hH5N1 HA377、hH5N1 HA384、hH5N1 HA387及びhH5N1 HA394)をそれぞれペプチド−PO−DNA(MB−ODN4531(O))−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回腹腔投与した後、血清を採取した。また、本発明者らは、hH5N1 HA370ペプチド特異的IgG(IgG2a)の更に多い量が2次反応及び3次反応で生産されたかどうかを調べた。A/ベトナム/1203/2004 hH5N1 HA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較(alignment)に基づいて、ナンバリングされる。
【図3a】図3aは、多様なリポソーム(DOPE:CHEMS(6:4比率)、DOPE:CHEMS(1:1比率)、DOPE:CHEMS(1:0比率)、DOPE:CHEMS(0:1比率)、リポフェクチン、リポフェクタミン、DOTAP又はポロキサマ407)と複合されたPO−DNA(MB−ODN4531(O))とペプチド(H5N1 HA233)をBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、採取された血清からIgGの量を分析した結果である。DOPE:CHEMSのモル比が1:1である場合、H5N1 HA233ペプチド処理群で総IgGの量が最も高かった。
【図3b】図3bは、多様なリポソーム(DOPE:CHEMS(6:4比率)、DOPE:CHEMS(1:1比率)、DOPE:CHEMS(1:0比率)、DOPE:CHEMS(0:1比率)、リポフェクチン、リポフェクタミン、DOTAP又はポロキサマ407)と複合されたPO−DNA(MB−ODN4531(O))とペプチド(H5N1 HA233)をBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、採取された血清からIgGの量を分析した結果である。DOPE:CHEMSのモル比が1:1である場合、H5N1 HA233ペプチド処理群で総IgGの力価が最も高かった。
【図4】図4は、PO−DNA、PS−DNA又は多様な非−CpG−DNAsと複合されたペプチド(H5N1 HA233)とリポソーム(DOPE:CHEMS(1:1))をBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、採取された血清からIgGの量を分析した結果である。非−CpG−DNAより、PO−DNA 4531(O)又はPS−DNA 4531(S)と複合体をなしたH5N1 HA233ペプチド処理群で総IgGの量が最も高かった。H5N1 HA233ペプチド特異的IgG生産にMB−ODN 4531の補助効果は、CC配列依存的であって、バックボーン変形非依存的であった。
【図5a】図5aは、H1N1ストレイン及びH5N1ストレインにおいて、hH5N1 HA370エピトープに相応する保存配列及び保存配列−特異的IgG生産を示す結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA370エピトープに相応するH1N1ストレイン及びH5N1ストレイン内17個のアミノ酸保存配列が、表3及び表4に記載のように合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(hH1N1−NY HA370、hH1N1−OH HA370、hH1N1−WSN HA370、A/H1N1−TX HA370、hH5N1 HA370及びhH5N1−HK HA370;50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド特異的総IgGの量がELISAを利用してアッセイされた。
【図5b】図5bは、H1N1ストレイン及びH5N1ストレインにおいて、hH5N1 HA370エピトープに相応する保存配列及び保存配列−特異的IgG生産を示す結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA370エピトープに相応するH1N1ストレイン及びH5N1ストレイン内17個のアミノ酸保存配列が、表3及び表4に記載のように合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(hH1N1−NY HA370、hH1N1−OH HA370、hH1N1−WSN HA370、A/H1N1−TX HA370、hH5N1 HA370及びhH5N1−HK HA370;50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド特異的総IgG1の量がELISAを利用してアッセイされた。
【図5c】図5cは、H1N1ストレイン及びH5N1ストレインにおいて、hH5N1 HA370エピトープに相応する保存配列及び保存配列−特異的IgG生産を示す結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA370エピトープに相応するH1N1ストレイン及びH5N1ストレイン内17個のアミノ酸保存配列が、表3及び表4に記載のように合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(hH1N1−NY HA370、hH1N1−OH HA370、hH1N1−WSN HA370、A/H1N1−TX HA370、hH5N1 HA370及びhH5N1−HK HA370;50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド特異的総IgG2aの量がELISAを利用してアッセイされた。
【図5d】図5dは、H1N1ストレイン及びH5N1ストレインにおいて、hH5N1 HA370エピトープに相応する保存配列及び保存配列−特異的IgG生産を示す結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA370エピトープに相応するH1N1ストレイン及びH5N1ストレイン内17個のアミノ酸保存配列が、表3及び表4に記載のように合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(hH1N1−NY HA370、hH1N1−OH HA370、hH1N1−WSN HA370、A/H1N1−TX HA370、hH5N1 HA370及びhH5N1−HK HA370;50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド特異的IgGの力価がELISAを利用してアッセイされた。
【図6a】図6aは、Lipoplex(O)とhH5N1 HA233エピトープに相応する保存配列の複合体で免疫化されたマウス血清から、IgG生産上の効果を測定した結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA233エピトープに相応するインフルエンザAウイルスH5N1ストレイン(表5)及び多様なインフルエンザAウイルス亜型(subtypes;表6)から見られる14個のアミノ酸保存配列が合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド特異的総IgGの量がELISAを利用してアッセイされた。
【図6b】図6bは、Lipoplex(O)とhH5N1 HA233エピトープに相応する保存配列の複合体で免疫化されたマウス血清から、IgG生産上の効果を測定した結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA233エピトープに相応するインフルエンザAウイルスH5N1ストレイン(表5)及び多様なインフルエンザAウイルス亜型(subtypes;表6)から見られる14個のアミノ酸保存配列が合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド特異的総IgG1の量がELISAを利用してアッセイされた。
【図6c】図6cは、Lipoplex(O)とhH5N1 HA233エピトープに相応する保存配列の複合体で免疫化されたマウス血清から、IgG生産上の効果を測定した結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA233エピトープに相応するインフルエンザAウイルスH5N1ストレイン(表5)及び多様なインフルエンザAウイルス亜型(subtypes;表6)から見られる14個のアミノ酸保存配列が合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド−特異的総IgG2aの量がELISAを利用してアッセイされた。
【図6d】図6dは、Lipoplex(O)とhH5N1 HA233エピトープに相応する保存配列の複合体で免疫化されたマウス血清から、IgG生産上の効果を測定した結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA233エピトープに相応するインフルエンザAウイルスH5N1ストレイン(表5)及び多様なインフルエンザAウイルス亜型(subtypes;表6)から見られる14個のアミノ酸保存配列が合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド特異的総IgGの量がELISAを利用してアッセイされた。
【図7a】図7aは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhH5N1 HA370エピトープに相応する保存配列とMB−ODN 4531(O)のIgG生産上の効果を測定した結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA370(又はhH5N1 HA233)エピトープに相応するインフルエンザAウイルス亜型(H7及びH9;それぞれ表6及び表9)から見られる17個のアミノ酸保存配列が合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド−特異的総IgGの量がELISAを利用してアッセイされた。
【図7b】図7bは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhH5N1 HA233エピトープに相応する保存配列とMB−ODN 4531(O)のIgG生産上の効果を測定した結果である。A/ベトナム/1203/2004ストレインのhH5N1 HA370(又はhH5N1 HA233)エピトープに相応するインフルエンザAウイルス亜型(H7及びH9;それぞれ表6及び表9)から見られる17個のアミノ酸保存配列が合成された。DOPE:CHEMS(1:1比率)複合体に共同で被包された各ペプチド(50μg)及びMB−ODN 4531(O)(50μg)(本願発明では、Lipoplex(O)+ペプチドと表されている)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化した。最終免疫化させて、10日後採取された抗血清(antisera)において、抗−各ペプチド−特異的総IgGの量がELISAを利用してアッセイされた。
【図8a】図8aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与を通じて生産された抗血清によるH5N1 HA蛋白質及びH1N1 HA蛋白質の特異的認知を示す凝集抑制分析及びウイルス中和分析を示す結果である。また、図8aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体により生産された各抗血清が組み換えH5N1ウイルス(rH5N1ウイルスPR8/H5Lo)及びA/WSN/1933ウイルスにより誘導された鶏赤血球の凝集反応を抑制することを示す結果である。
【図8b】図8bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与を通じて生産された抗血清によるH5N1 HA蛋白質及びH1N1 HA蛋白質の特異的認知を示す凝集抑制分析及びウイルス中和分析を示す結果である。また、図8bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体により生産された各抗血清がrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933ウイルスによるMDCK細胞の感染を抑制することを示す結果である。
【図8c】図8cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与を通じて生産された抗血清によるH5N1 HA蛋白質及びH1N1 HA蛋白質の特異的認知を示す凝集抑制分析及びウイルス中和分析を示す結果である。また、図8cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体により生産された各抗血清がrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933ウイルスによるMDCK細胞の感染を抑制することを示す結果である。
【図8d】図8dは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与を通じて生産された抗血清によるH5N1 HA蛋白質及びH1N1 HA蛋白質の特異的認知を示す凝集抑制分析及びウイルス中和分析を示す結果である。また、図8dは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体により生産された各抗血清がrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933ウイルスによるMDCK細胞の感染を抑制することを示す結果である。
【図8e】図8eは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与を通じて生産された抗血清によるH5N1 HA蛋白質及びH1N1 HA蛋白質の特異的認知を示す凝集抑制分析及びウイルス中和分析を示す結果である。また、図8eは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体により生産された各抗血清がrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933ウイルスによるMDCK細胞の感染を抑制することを示す結果である。
【図8f】図8fは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与を通じて生産された抗血清によるH5N1 HA蛋白質及びH1N1 HA蛋白質の特異的認知を示す凝集抑制分析及びウイルス中和分析を示す結果である。図8fは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、又はhH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体により生産された各抗血清がrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933ウイルスによるMDCK細胞の感染を抑制することを示す結果である。
【図9a】図9aは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにおいて、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効果を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫化させた後、10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)を鼻腔(nasal)投与した。図9aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスは、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与した後にも生存したことを示す結果である。
【図9b】図9bは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにおいて、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効果を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫化させた後、10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)を鼻腔(nasal)投与した。図9bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与した後にも体重が回復されることを示す結果である。
【図9c】図9cは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにおいて、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効果を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫化させた後、10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)を鼻腔(nasal)投与した。図9cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド((hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔投与にも肺組織が正常であることを示す染色写真である。
【図9d】図9dは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにおいて、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効果を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫化させた後、10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)を鼻腔(nasal)投与した。図9dは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド((hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与して3日後又は6日後に肺組織からウイルスが減少されたことを示す結果である。
【図10a】図10aは、A/WSN/1933 H1N1ウイルス(maA/WSN/1933ウイルス)で適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図10aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスは、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した後にも生存したことを示す結果である。
【図10b】図10bは、A/WSN/1933 H1N1ウイルス(maA/WSN/1933ウイルス)で適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図10bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した後にも体重が回復されることを示す結果である。
【図10c】図10cは、A/WSN/1933 H1N1ウイルス(maA/WSN/1933ウイルス)で適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図10cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド((hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 maA/WSN/1933ウイルスの鼻腔投与にも肺組織が正常であることを示す染色写真である。
【図10d】図10dは、A/WSN/1933 H1N1ウイルス(maA/WSN/1933ウイルス)で適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図10dは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド((hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与して3日後又は6日後に肺組織からウイルスが減少されたことを示す結果である。
【図11a】図11aは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにおいて、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効果を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)を鼻腔投与した。図11aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスは、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与した後にも生存したことを示す結果である。
【図11b】図11bは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにおいて、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効果を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)を鼻腔投与した。図11bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与した後にも体重が回復されることを示す結果である。
【図11c】図11cは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにおいて、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効果を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)を鼻腔投与した。図11cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド((hH5N1 HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔投与にも肺組織が正常であることを示す染色写真である。
【図12a】図12aは、maA/WSN/1933ウイルスで適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図12aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスは、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した後にも生存したことを示す結果である。
【図12b】図12bは、maA/WSN/1933ウイルスで適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図12bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した後にも体重が回復されることを示す結果である。
【図13a】図13aは、maA/WSN/1933ウイルス又はrH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)で感染されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスPR8/H5Loを鼻腔投与した。図13aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスは、10LD50 maA/WSN/1933ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与した後にも生存したことを示す結果である。
【図13b】図13bは、maA/WSN/1933ウイルス又はrH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)で感染されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスPR8/H5Loを鼻腔投与した。図13bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 maA/WSN/1933ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与した後にも体重が回復されることを示す結果である。
【図13c】図13cは、maA/WSN/1933ウイルス又はrH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)で感染されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスPR8/H5Loを鼻腔投与した。図13cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド((hH1N1−WSN HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 maA/WSN/1933ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔投与にも肺組織が正常であることを示す染色写真である。
【図14a】図14aは、maA/WSN/1933ウイルスで適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−HK HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図14aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−HK HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスは、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した後にも生存したことを示す結果である。
【図14b】図14bは、maA/WSN/1933ウイルスで適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−HK HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図14bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−HK HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した後にも体重が回復されることを示す結果である。
【図14c】図14cは、maA/WSN/1933ウイルスで適応されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH1N1−HK HA233)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔投与した。図14cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド((hH1N1−HK HA233)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 maA/WSN/1933ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔投与にも肺組織が正常であることを示す染色写真である。
【図15a】図15aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体−投与されたマウスにおいて、10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)の鼻腔投与後に採取された抗血清により凝集抑制程度を測定した結果である。
【図15b】図15bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体−投与されたマウスにおいて、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスの鼻腔投与後に採取された抗血清により凝集抑制程度を測定した結果である。
【図16a】図16aは、各エピトープのIgG及びIgA抗体の生産上の影響を示す結果である。マウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体を投与して免疫化させて10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)(図15a)及び10LD50 maA/WSN/1933ウイルス(図15b)を鼻腔投与した後、採取された血清及びBALF(bronchoalveolar lavage fluid)でIgG及びIgA抗体の生産が顕著に増加したことを示す結果である。
【図16b】図16bは、各エピトープのIgG及びIgA抗体の生産上の影響を示す結果である。マウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体を投与して免疫化させて10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)(図15a)及び10LD50 maA/WSN/1933ウイルス(図15b)を鼻腔投与した後、採取された血清及びBALF(bronchoalveolar lavage fluid)でIgG及びIgA抗体の生産が顕著に増加したことを示す結果である。
【図16c】図16cは、各エピトープのIgG及びIgA抗体の生産上の影響を示す結果である。マウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体を投与して免疫化させて10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)(図15a)及び10LD50 maA/WSN/1933ウイルス(図15b)を鼻腔投与した後、採取された血清及びBALF(bronchoalveolar lavage fluid)でIgG及びIgA抗体の生産が顕著に増加したことを示す結果である。
【図16d】図16dは、各エピトープのIgG及びIgA抗体の生産上の影響を示す結果である。マウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体を投与して免疫化させて10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)(図15a)及び10LD50 maA/WSN/1933ウイルス(図15b)を鼻腔投与した後、採取された血清及びBALF(bronchoalveolar lavage fluid)でIgG及びIgA抗体の生産が顕著に増加したことを示す結果である。
【図16e】図16eは、各エピトープのIgG及びIgA抗体の生産上の影響を示す結果である。マウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体を投与して免疫化させて10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)(図15a)及び10LD50 maA/WSN/1933ウイルス(図15b)を鼻腔投与した後、採取された血清及びBALF(bronchoalveolar lavage fluid)でIgG及びIgA抗体の生産が顕著に増加したことを示す結果である。
【図16f】図16fは、各エピトープのIgG及びIgA抗体の生産上の影響を示す結果である。マウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233)−DOPE:CHEMS複合体を投与して免疫化させて10LD50 rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)(図15a)及び10LD50 maA/WSN/1933ウイルス(図15b)を鼻腔投与した後、採取された血清及びBALF(bronchoalveolar lavage fluid)でIgG及びIgA抗体の生産が顕著に増加したことを示す結果である。
【図17a】図17aは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 rH5N1ウイルスを二ヶ月目に鼻腔投与した。図17aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスは、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与した後にも生存したことを示す結果である。
【図17b】図17bは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 rH5N1ウイルスを二ヶ月目に鼻腔投与した。図17bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与した後にも体重が回復されることを示す結果である。
【図17c】図17cは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 rH5N1ウイルスを二ヶ月目に鼻腔投与した。図17cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔投与にも肺組織が正常であることを示す染色写真である。
【図17d】図17dは、rH5N1ウイルスで感染されたマウスにPO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体投与によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で2回にわたって腹腔投与して免疫させた後、10LD50 rH5N1ウイルスを二ヶ月目に鼻腔投与した。図17dは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム複合体を投与したマウスが10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔投与して3日後又は6日後に肺組織からウイルスが減少されたことを示す結果である。
【図18a】図18aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−エピトープ−DOPE:CHEMS複合体を利用したエピトープ−特異的抗体生産が、ウイルスを利用した生産より更に効果的であることを示す結果である。図18aは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−UV−不活性化させたrH5N1ウイルス−DOPE:CHEMS複合体(Lipoplex(O)−不活性化されたPR8/H5Lo)で10日間隔で3回にわたって腹腔投与されたマウスにおいて、ウイルスに結合する総IgG及びTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産量が増加したことを示す結果である。
【図18b】図18bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−エピトープ−DOPE:CHEMS複合体を利用したエピトープ−特異的抗体生産が、ウイルスを利用した生産より更に効果的であることを示す結果である。図18bは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−UV−不活性化されたrH5N1ウイルス−DOPE:CHEMS複合体で10日間隔で3回にわたって腹腔投与されたマウスにおいて、総IgGの力価が増加したことを示す結果である。
【図18c】図18cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−エピトープ−DOPE:CHEMS複合体を利用したエピトープ−特異的抗体生産が、ウイルスを利用した生産より更に効果的であることを示す結果である。図18cは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−エピトープ(hH5N1 HA233)−DOPE:CHEMS複合体を利用してワクチン化された血清において、各ペプチドに結合する総IgGの力価が増加したことを示す結果である。
【図18d】図18dは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−エピトープ−DOPE:CHEMS複合体を利用したエピトープ−特異的抗体生産が、ウイルスを利用した生産より更に効果的であることを示す結果である。図18dは、PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−エピトープ(hH5N1 HA370)−DOPE:CHEMS複合体を利用してワクチン化された血清において、各ペプチドに結合する総IgGの力価が増加したことを示す結果である。
【図19a】図19aは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別した候補エピトープ3種(表10)において、C型肝炎ウイルス(HCV)−E1蛋白質の3個の候補エピトープからエピトープ選別を示す結果である。前記選択された3個の候補エピトープ(HCV−E1 57、HCV−E1 202、HCV−E1 269)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清からHCV−E1 57ペプチド−特異的総IgGの生産が増加した。また、総IgGの量は、HCV−E1 202ペプチドでワクチン化されたマウス血清で増加した。
【図19b】図19bは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別した候補エピトープ3種(表10)において、C型肝炎ウイルス(HCV)−E1蛋白質の3個の候補エピトープからエピトープ選別を示す結果である。前記選択された3個の候補エピトープ(HCV−E1 57、HCV−E1 202、HCV−E1 269)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。Th1免疫反応に係わるIgG2aの量は、HCV−E1 202ペプチドでワクチン化されたマウス血清で増加した。
【図19c】図19cは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別した候補エピトープ3種(表10)において、C型肝炎ウイルス(HCV)−E1蛋白質の3個の候補エピトープからエピトープ選別を示す結果である。前記選択された3個の候補エピトープ(HCV−E1 57、HCV−E1 202、HCV−E1 269)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。Th1免疫反応に係わるIgG2aの力価は、HCV−E1 202ペプチドでワクチン化されたマウス血清で増加した。
【図19d】図19dは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別した候補エピトープ3種(表10)において、C型肝炎ウイルス(HCV)−E1蛋白質の3個の候補エピトープからエピトープ選別を示す結果である。前記選択された3個の候補エピトープ(HCV−E1 57、HCV−E1 202、HCV−E1 269)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。更に、本発明者らは、MB−ODN4531(O)とペプチド(HCV−E1 202)を多様なリポソームを利用してそれぞれ複合体を製造し、BALB/cマウスに3回腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、HCV−E1 202ペプチド−特異的総IgGの力価は、DOPE:CHEMSの比率が1:1である場合に最も高く表れた。
【図20a】図20aは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したHRSV(Human respiratory syncytial virus) G及びF蛋白質において3個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された3個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清からHSRV−G1ペプチド−特異的総IgGの生産が増加した。
【図20b】図20bは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したHRSV(Human respiratory syncytial virus) G及びF蛋白質において3個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された3個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清からHSRV−G1ペプチド−特異的IgG2aの生産が増加した。また、Th1免疫反応に係わるIgG2aの生産がHSRV−G1ペプチドでワクチン化されたマウス血清で増加した。
【図20c】図20cは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したHRSV(Human respiratory syncytial virus) G及びF蛋白質において3個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された3個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。また、HSRV−G1ペプチド−特異的総IgGの力価及びTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産がHSRV−G1ペプチドでワクチン化されたマウス血清で増加した。
【図21a】図21aは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したHRSV(Human respiratory syncytial virus) F蛋白質において17個の候補エピトープ(表11及び表12)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された17個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回又は4回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、4個の候補エピトープ(HSRV−F3a、HSRV−F3a−2、HSRV−F7及びHSRV−F9)に特異的に結合する総IgGの生産が増加した。
【図21b】図21bは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したHRSV(Human respiratory syncytial virus) F蛋白質において17個の候補エピトープ(表11及び表12)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された17個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回又は4回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、4個の候補エピトープ(HSRV−F3a、HSRV−F3a−2、HSRV−F7及びHSRV−F9)に特異的に結合する総IgG及びIgG2aの生産が増加した。
【図21c】図21cは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したHRSV(Human respiratory syncytial virus) F蛋白質において17個の候補エピトープ(表11及び表12)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された17個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回又は4回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、4個の候補エピトープ(HSRV−F3a、HSRV−F3a−2、HSRV−F7及びHSRV−F9)に特異的に結合する総IgG及びIgG2aの生産が増加した。
【図21d】図21a〜21dは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したHRSV(Human respiratory syncytial virus) F蛋白質において17個の候補エピトープ(表11及び表12)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された17個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回又は4回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、4個の候補エピトープ(HSRV−F3a、HSRV−F3a−2、HSRV−F7及びHSRV−F9)に特異的に結合する総IgG及びIgG2aの生産が増加した。
【図22a】図22は、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したヒトインテグリンβ4(殆どの癌腫細胞で発現される)において6個の候補エピトープ(表13)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された6個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに4回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、4個の候補エピトープ(hIB4−VWA−1−2、hIB4−VWA−1−3、hIB4−VWA−2、hIB4−VWA−3、及びhIB4−EGF−1)に特異的に結合する総IgGの量が増加した。
【図22b】図22bは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−ペプチド−リポソーム複合体を基にしたワクチンを開発するために、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して選別したヒトインテグリンβ4(殆どの癌腫細胞で発現される)において6個の候補エピトープ(表13)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された6個の候補エピトープ(HSRV−G1、HSRV−G150、HSRV−F99)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに4回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、4個の候補エピトープ(hIB4−VWA−1−2、hIB4−VWA−1−3、hIB4−VWA−2、hIB4−VWA−3、及びhIB4−EGF−1)に特異的に結合する総IgGの力価が増加した。
【図23a】図23aは、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して肝癌に特異的に発現されると知られたhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質において6個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された6個の候補エピトープ(hTM4SF5R1、hTM4SF5R2−1、hTM4SF5R2−2、hTM4SF5R2−3、hTM4SF5R2−4、及びhTM4SF5R2−5)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、hTM4SF5R2−3ペプチド−及びhTM4SF5R2−5ペプチド−特異的総IgGの生産が増加した。
【図23b】図23bは、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して肝癌に特異的に発現されると知られたhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質において6個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。前記選択された6個の候補エピトープ(hTM4SF5R1、hTM4SF5R2−1、hTM4SF5R2−2、hTM4SF5R2−3、hTM4SF5R2−4、及びhTM4SF5R2−5)のそれぞれをPO−DNA(MB−ODN4531(O)−各ペプチド−リポソーム複合体に製造して、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、hTM4SF5R2−3ペプチド−及びhTM4SF5R2−5ペプチド−特異的IgG2aの生産が増加した。また、総IgGの力価及びTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産が、hTM4SF5R2−3ペプチドでワクチン化されたマウス血清で増加した。
【図23c】図23cは、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して肝癌に特異的に発現されると知られたhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質において6個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。本発明者らは、MB−ODN4531(O)とペプチド(hTM4SF5R2−3)を多様なリポソームを利用してそれぞれ複合体を製造し、BALB/c マウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清において、hTM4SF5R2−3−特異的総IgGの力価は、DOPE:CHEMSの比率が1:1である場合に最も高く表れた。
【図23d】図23dは、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して肝癌に特異的に発現されると知られたhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質において6個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。本発明者らは、hTM4SF5R2−3−CpG−DNA(MB−ODN4531(O))、MB−ODN4531GC(O)又はMB−ODN4531(S)とリポソーム(DOPE:CHEMS(1:1))と複合体を製造してマウスに投与した後、血清を採取した。血清において、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的総IgGの力価は、MB−ODN4531(O)で最も高く表れた。
【図23e】図23eは、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して肝癌に特異的に発現されると知られたhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質において6個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。本発明者らは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−hTM4SF5R2−3ペプチド−DOPE:CHEMS複合体を製造し、TLR9ノックアウトBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記TLR9ノックアウトBALB/cマウスは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的総IgGの力価は測定されなかったが、これは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−hTM4SF5R2−3ペプチド−DOPE:CHEMS複合体による抗体生産がTLR9に依存的であることを意味する。
【図23f】図23fは、疎水性、親水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して肝癌に特異的に発現されると知られたhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質において6個の候補エピトープ(表10)からエピトープ選別を示す結果である。本発明者らは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−hTM4SF5R2−3ペプチド−DOPE:CHEMS複合体を製造し、TLR9ノックアウトBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記TLR9ノックアウトBALB/cマウスは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的総IgGの力価は測定されなかったが、これは、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−hTM4SF5R2−3ペプチド−DOPE:CHEMS複合体による抗体生産がTLR9に依存的であることを意味する。
【図24a】図24aは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたエピトープとMB−ODN4531(O)免疫化によるIgG生産上にMHCクラスII−媒介の提示(presentation)及びTh1分化の効果を分析した結果である。図24aは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチドとMB−ODN4531(O)に対する反応で、IgG生産の動力学(kinetics)を示す結果である。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチドとMB−ODN4531(O)を、3匹のBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。血清は、免疫化時期に対して相対的な一日前に腹腔から4回にわたって採取されて、ペプチド−特異的総IgG、IgG1、IgG2a、及びIgMの量がELISAを利用してアッセイされた。上述の実験は、2回又は3回にわたって行われ、類似した結果を示した。
【図24b】図24bは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたエピトープとMB−ODN4531(O)免疫化によるIgG生産上にMHCクラスII−媒介の提示(presentation)及びTh1分化の効果を分析した結果である。図24bは、CD4細胞の一時的欠乏が、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチドとMB−ODN4531(O)を利用した免疫化によるIgG生産を抑制することを示す結果である。上述の実験は、2回又は3回にわたって行われ、類似した結果を示した。
【図24c】図24cは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたエピトープとMB−ODN4531(O)免疫化によるIgG生産上にMHCクラスII−媒介の提示(presentation)及びTh1分化の効果を分析した結果である。マウス当たりGK1.5(抗−CD4抗体)100μgが、免疫化時期に対して相対的に三日又は一日前、そして一日又は三日後に腹腔から4回にわたって投与された。0日目(投与)に、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチドとMB−ODN4531(O)(Lipoplex(O)+TM4SF5R2−3で表現される)が3匹のマウスに10日間隔で3回にわたって投与された。前記マウスから血清が採取されて、ペプチド−特異的総IgGの量がELISAを利用してアッセイされた。正常IgGが対照群として利用された。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたHCVE2−202ペプチドとMB−ODN4531(O)免疫化によるIgG生産において、MHCクラスII及びMHCクラスII−制限されたT細胞活性化が必要である。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたHCVE2−202ペプチド(50μg)とMB−ODN4531(O)(50μg)(Lipoplex(O)+HCVE2−202で表現される)がC57BL/6マウス、C57BL/6 MHCクラスノックアウトマウス(MHC−II KO)(n=3)に10日間隔で3回にわたって腹腔投与された。上述の実験は、2回又は3回にわたって行われ、類似した結果を示した。
【図24d】図24dは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたエピトープとMB−ODN4531(O)免疫化によるIgG生産上にMHCクラスII−媒介の提示(presentation)及びTh1分化の効果を分析した結果である。マウス当たりGK1.5(抗−CD4抗体)100μgが、免疫化時期に対して相対的に三日又は一日前、そして一日又は三日後に腹腔から4回にわたって投与された。0日目(投与)に、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチドとMB−ODN4531(O)(Lipoplex(O)+TM4SF5R2−3で表現される)が3匹のマウスに10日間隔で3回にわたって投与された。前記マウスから血清が採取されて、ペプチド−特異的総IgGの量がELISAを利用してアッセイされた。正常IgGが対照群として利用された。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたHCVE2−202ペプチドとMB−ODN4531(O)免疫化によるIgG生産において、MHCクラスII及びMHCクラスII−制限されたT細胞活性化が必要である。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたHCVE2−202ペプチド(50μg)とMB−ODN4531(O)(50μg)(Lipoplex(O)+HCVE2−202で表現される)がC57BL/6マウス、C57BL/6 OT−IIトランスジェニックマウス(OT−II TG)(n=3)に10日間隔で3回にわたって腹腔投与された。上述の実験は、2回又は3回にわたって行われ、類似した結果を示した。
【図24e】図24eは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたエピトープとMB−ODN4531(O)免疫化によるIgG生産上にMHCクラスII−媒介の提示(presentation)及びTh1分化の効果を分析した結果である。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド(50μg)とMB−ODN4531(O)(50μg)免疫化によるIgG生産において、STAT6ではなくSTAT4が必要である。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド(50μg)とMB−ODN4531(O)(50μg)(Lipoplex(O)+TM4SF5R2−3で表現される)がC57BL/6マウス、C57BL/6 STAT4ノックアウトマウス(STAT4 KO;図23e)(n=3)に10日間隔で3回にわたって腹腔投与された。前記マウスから血清が採取されて、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的総IgG、IgG1及びIgG2aの量がELISAを利用してアッセイされた。上述の実験は、2回又は3回にわたって行われ、類似した結果を示した。
【図24f】図24fは、DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたエピトープとMB−ODN4531(O)免疫化によるIgG生産上にMHCクラスII−媒介の提示(presentation)及びTh1分化の効果を分析した結果である。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド(50μg)とMB−ODN4531(O)(50μg)免疫化によるIgG生産において、STAT6ではなくSTAT4が必要である。DOPE:CHEMS複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド(50μg)とMB−ODN4531(O)(50μg)(Lipoplex(O)+TM4SF5R2−3で表現される)がC57BL/6マウス、C57BL/6 STAT6ノックアウトマウス(STAT6KO)(n=3)に10日間隔で3回にわたって腹腔投与された。前記マウスから血清が採取されて、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的総IgG、IgG1及びIgG2aの量がELISAを利用してアッセイされた。上述の実験は、2回又は3回にわたって行われ、類似した結果を示した。
【図25a】図25aは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体が肝癌細胞のTM4SF5蛋白質を認識して、肝癌細胞(hepatocarcinoma cells)の機能を調節することを示す結果である。TM4SF5の発現がRT−PCRを通じてHuh−7及びSNU−761細胞で観察された。
【図25b】図25bは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体が肝癌細胞のTM4SF5蛋白質を認識して、肝癌細胞(hepatocarcinoma cells)の機能を調節することを示す結果である。TM4SF5の発現がRT−PCRを通じてHuh−7及びSNU−761細胞で観察された。
【図25c】図25cは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体が肝癌細胞のTM4SF5蛋白質を認識して、肝癌細胞(hepatocarcinoma cells)の機能を調節することを示す結果である。hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的単一クローン抗体がHuh−7及びSNU−761細胞内TM4SF5を認識することができるということをFACSで確認した。
【図25d】図25dは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体が肝癌細胞のTM4SF5蛋白質を認識して、肝癌細胞(hepatocarcinoma cells)の機能を調節することを示す結果である。図25dは、肝癌細胞にhTM4SF5R2−3ペプチド−特異的単一クローン抗体を処理した場合、TM4SF5を発現するHuh−7(肝癌細胞)の成長が抑制されることを、MTTアッセイを通じて確認した結果である。
【図25e】図25eは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体が肝癌細胞のTM4SF5蛋白質を認識して、肝癌細胞(hepatocarcinoma cells)の機能を調節することを示す結果である。図25eは、hTM4SF5R2−3ペプチド特異的単一クローン抗体処理により、Huh−7細胞のS−期が減少することを示す結果である。
【図25f】図25fは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体が肝癌細胞のTM4SF5蛋白質を認識して、肝癌細胞(hepatocarcinoma cells)の機能を調節することを示す結果である。図25fは、TM4SF5を発現する肝癌細胞(Huh−7)にhTM4SF5R2−3ペプチド特異的単一クローン抗体を処理した場合、アクチンの形が、TM4SF5を発現しない細胞から見られるように、広く広げられた多角形形態(overspread polygonal shape)を支持するストレス線維の明確な輪郭(outline)を表すことを示す結果である。非正常的なアクチンの束化は、hTM4SF5を発現する肝癌細胞から観察されると知られている反面、広く広げられた多角形形態を支持する明らかな輪郭のストレス線維が、hTM4SF5を発現しない細胞からアクチン染色により検出される。抗−hTM4SF5 R2−3抗体を処理したhTM4SF5−発現細胞(Huh−7)は、hTM4SF5(SNU−739)を発現しない細胞のアクチン形態と類似した明らかな輪郭のストレス線維を強く誘導した。上述の結果は、前記抗体がhTM4SF5−発現細胞でターゲッティングされることを意味する。
【図26a】図26aは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体がヒト肝癌細胞の成長をインビボで抑制することを示す結果である。異種移植を通じて、Huh−7細胞を有する胸腺のないヌードマウスに10mg/Kg hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体を7日目に3日間隔で5回にわたって処理した後、腫瘍移植を行った。
【図26b】図26bは、hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体がヒト肝癌細胞の成長をインビボで抑制することを示す結果である。異種移植を通じて、Huh−7細胞を有する胸腺のないヌードマウスに10mg/Kg hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体を7日目に3日間隔で5回にわたって処理した後、腫瘍移植を行った。腫瘍の大きさが±2,000mmに達した時、前記マウスを犠牲させて、腫瘍の重量を測定した。
【図27a】図27aは、BNL−HCC細胞で感染された同種移植肝癌細胞モデルにおいて、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−hTM4SF5R2−3ペプチド−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−hTM4SF5R2−3ペプチド−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化させた後、50質量%マトリゲルを含むBNL−HCC細胞(5×10)を背中部位の右側脇(dorsal right flank)に皮下に接種した。前記マウスを、腫瘍細胞の移植後7週目に犠牲させて、腫瘍の重量を測定した。
【図27b】図27bは、BNL−HCC細胞で感染された同種移植肝癌細胞モデルにおいて、PO−DNA(MB−ODN4531(O))−hTM4SF5R2−3ペプチド−DOPE:CHEMS複合体によるワクチン化予防効能を示す結果である。PO−DNA(MB−ODN 4531(O))−hTM4SF5R2−3ペプチド−リポソーム複合体をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与して免疫化させた後、50質量%マトリゲルを含むBNL−HCC細胞(5×10)を背中部位の右側脇(dorsal right flank)に皮下に接種した。前記マウスを、腫瘍細胞の移植後7週目に犠牲させて、腫瘍の重量を測定した。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、実施例を通じて本発明を更に詳細に説明するが、これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されないことは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとっては自明なことであろう。
【実施例】
【0072】
実施例1:オリゴジオキシヌクレオチド及び試薬
オリゴジオキシヌクレオチド(ODNs)は、Samchully Pharm(Seoul, Korea)で合成した。MB−ODN 4531は、三つのCpGモチーフ(下線で表示)を含む20塩基からなっている: AGCAGCGTTCGTGTCGGCCT。本発明で使用されたMB−ODN 4531配列は、ホスホジエステルバックボーン(O)であっても、ホスホロチオエート−変形されたバックボーン(S)であってもよい。MB−ODN 4531(O)のホスホロチオエート形態は、MB−ODN 4531(S)である。MB−ODN 4531GCは、CG配列の一つがGC配列に順番が逆転された(下線で表示)MB−ODN 4531の誘導体である: AGCAGGCTTCGTGTCGGCCT。蛍光物質又はビオチンタグ(tags)は、各ODNの3’−末端にコンジュゲーションされた。ODNsのエンドトキシンの含量は、リムルス・アメボサイト(Limulus amebocyte)アッセイ(Whittaker Bioproducts, Walkersville, MD, USA)により測定された通り、ODN 1mg当たり1ng以下である。
【0073】
〔表1〕
合成ODN誘導体

CGジヌクレオチド配列のGC又はCT配列への変化は、下線の太字で表示される。MB−ODN 4531(S)CSは、MB−ODN 4531に相補的な配列である。変形:無し、ホスホジエステルバックボーン連結;及びS、ホスホロチオエートバックボーン変形。
【0074】
実施例2:候補エピトープの選別及びペプチド合成
エピトープスクリーニングのためのペプチド配列は、親水性、疎水性、2次構造、抗原性指標(antigenicity index)及び両親媒性(amphipathicity)に基づいて選別した。エピトープ−基盤のペプチドの効果を確認するために、本発明者らは、種々のインフルエンザAストレインのHA蛋白質(表2、3、4、5、6、7、8及び9)、肝癌のhTM4SF5(human tetraspanin transmembrane 4 superfamily member 5)蛋白質、HCVの外皮(envelope)蛋白質、RSVの付着(G)糖蛋白質(G(hRSV−G))(表10)、RSVの融合蛋白質F(HRSV−F)(表11及び表12)及びヒトインテグリンβ4(hIB4)(表13)から14個又は17個のアミノ酸配列からなるペプチドを合成した。インフルエンザAウイルスHA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較に基づいてナンバリングされる。ペプチドは、自動ペプチド合成機(Peptron III−R24, Peptron, Daejeon, Korea)を利用して、Fmoc固体−相(solid−phase)方法で合成した。合成されたペプチドからレジン保護膜を除去した後、ペプチドを90%以上の純度で精製して、Vydac C8分析RPカラムを利用した逆相(reverse−phase) HPLC(Prominence HPLC, SHIMADZU Corp., Tokyo, Japan)で分析した。前記合成されたペプチドは、質量分析機(HP 1100 Series LC/MSD, Hewlett−Packard, Roseville, USA)を利用して同定した。
【0075】
〔表2〕
A/ベトナム/1203/2004 hH5N1のHA蛋白質の候補エピトープ

【0076】
本発明のエピトープスクリーニング方法に利用されるペプチド配列は、親水性、疎水性、2次構造、抗原性指標及び両親媒性に基づいてA/ベトナム/1203/2004 H5N1 HA蛋白質(NCBIデータベース、AAW80717)から選択された(http://tools.immuneepitpoe.org/main/index.html)。A/ベトナム/1203/2004 H5N1 HA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較に基づいてナンバリングされる。
【0077】
〔表3〕
インフルエンザA H5N1ストレイン及びH1N1ストレイン内hH5N1 HA370エピトープに相応する配列の保存性

インフルエンザAウイルスHA蛋白質のアミノ酸配列は、ヒトH3配列(A/Aichi/2/68)との配列比較に基づいてナンバリングされる。
【0078】
〔表4〕
豚−起源インフルエンザA H1N1ストレイン内hH5N1 HA370エピトープに相応する配列の保存性

(分離ナンバー)*は、現在まで分離された豚−起源インフルエンザA H1N1ウイルス1,750個のストレインのうち、特異配列を含むストレインナンバーを示す。
【0079】
〔表5〕
A/ベトナム/1203/2004から得られたhH5N1 HA233エピトープと他のH5N1ストレインから得られた相応する配列間の配列比較(sequence alignment)

(分離ナンバー)*は、現在まで分離されたヒトH5N1ウイルス279個のストレインのうち、特異配列を含むストレインナンバーを示す。
【0080】
〔表6〕
インフルエンザAウイルス亜型内H5N1 HA233エピトープに相応する配列の保存性

【0081】
〔表7−1〕
現在まで報告されたH1N1ストレイン内H5N1 HA233エピトープに相応する配列の保存性

(分離ナンバー)*は、現在まで分離されたヒトH1N1ウイルス2,209個のストレインのうち、H5N1 HA233エピトープに相応する特異配列を含むストレインナンバーを示す。
〔表7−2〕
現在まで報告されたH1N1ストレイン内H5N1 HA233エピトープに相応する配列の保存性

(分離ナンバー)*は、現在まで分離されたヒトH1N1ウイルス2,209個のストレインのうち、H5N1 HA233エピトープに相応する特異配列を含むストレインナンバーを示す。
【0082】
〔表8〕
現在まで報告された豚−起源インフルエンザA H1N1ストレイン内H5N1 HA233エピトープに相応する配列の保存性

(分離ナンバー)*は、現在まで分離された豚−起源インフルエンザA H1N1ウイルス1,751個のストレインのうち、H5N1 HA233エピトープに相応する特異配列を含むストレインナンバーを示す。
【0083】
〔表9〕
現在まで報告されたインフルエンザAウイルス亜型内A/H1N1 HA370エピトープに相応する配列の保存性

【0084】
〔表10〕
ヒト肝癌のhTM4SF5、HCVの外皮蛋白質(E protein; HCV−E)、そしてヒトRSVの付着糖蛋白質G(hRSV−G)及び融合蛋白質(HRSV−F)の候補エピトープ

【0085】
〔表11〕
hRSV A長いストレインF蛋白質(hRSV A strain long F protein)の候補エピトープ

エピトープスクリーニングのためのペプチド配列が、親水性、疎水性、2次構造、抗原性指標及び両親媒性に基づいてhRSV A長いストレインF蛋白質から選択された。
【0086】
〔表12〕
hRSV A長いストレイン内候補エピトープの配列変異性

【0087】
〔表13〕
ヒトインテグリンβ4(hIB4)の候補エピトープ

【0088】
実施例3: CpG−DNA−ペプチド(又は蛋白質)−リポソーム複合体の製造
本発明で利用されたリポソームは、下記のようである:CHEMS、Chol、DOPE及び及びDSPCは、Sigmaから購入した。DC−Chol及びPEG−PEは、Avanti−Polar Lipids(Alabaster, AL, USA)から購入した。CpG−DNA及び蛋白質(又はペプチド)は、製造者の説明書にしたがって、DOTAP(Roche, Indianapolis, IN, USA)、リポフェクタミン(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)又はリポフェクチン(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)と複合体として製造された。DOPE/CHEMS、DSPC/Chol、DSPC/CHEMS/PEG−PE、Chol/DOPE/PEG−PE又はDc−Chol/DOPE/PEG−PEに共同で被包されたCpG−DNA及び蛋白質(又はペプチド)から構成されたリポソーム複合体は、以前報告された方法にしたがって製造されて(Simoes, S., et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 56: 947−965 (2004).及びGursel, I et al., J. Immunol. 167: 3324−3328 (2001).参照)変形された。簡略に説明すると、DOPE及びCHEMSを1:1のモル比率で混合し、混合物を窒素ガスと共に蒸発させて、無溶媒(solvent−free)脂質フィルムを作った。その後、エタノール(最終濃度10%)で混合し、同一な容量の水溶性CpG−DNA及び蛋白質(又はペプチド)混合物に再混濁して、30分間常温で強く掻き混ぜた。pHを7.0の調整した後、前記リポプレックス溶液を超音波分解機で30秒間弱く超音波分解させた。その後、0.22μmフィルターでろ過し、液体窒素で冷凍−解凍(freeze−thawed)を3回繰り返した(Simoes, S., et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 56: 947−965 (2004).及びGursel, I et al., J. Immunol. 167: 3324−3328 (2001).参照)。
【0089】
実施例4:CpG−DNA−ペプチド(又は蛋白質)−リポソーム複合体による体液性免疫反応の誘導
<4−1>免疫化(immunization)
マウスは、特定病原菌のない条件で飼育した。4週齢の雄性Balb/cマウス(H−2)をCentral Lab. Animal Inc.(Seoul, Korea)から購入した。本発明者らの動物実験は、ハンリム大学校動物実験委員会の承認を受けた。
【0090】
4週齢のBalb/cマウスにHEL(hen egg lysozyme)(50μg/マウス)とMB−ODN 4531(O)(50μg/マウス)混合物又はHEL−MB−ODN4531−リポソーム複合体を10日間隔で3回にわたって腹腔内投与した。10日経過後、心臓パンチング(heart punching)方法で血液を採取して、遠心分離し、血球細胞を沈殿させて血清を獲得した。獲得した血清から抗−HEL抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0091】
<4−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから血清を獲得して−70℃に保管した。IgG、IgG1及びIgG2a力価を測定するために、本発明者らは、HEL(10μg/ml)で96−ウェル免疫プレート(immunoplates; Nalgen Nunc International)をコーティングした後、1質量%BSAを含むPBSTで前記プレートをブロッキングした。前記血清を各プレートの上側列に添加した後、前記血清とPBSTを1:3で混合して連続的に希釈した血清希釈液を下の列に添加した。本発明者らは、常温で4時間プレートで反応し、PBSTで洗浄した。次に、本発明者らは、ホースラディッシュペルオキシダーゼとコンジュゲーションされたヤギ抗−マウスIgG抗体、抗−マウスIgG1抗体又は抗−マウスIgG2a抗体を添加して、2時間プレートで反応した。本発明者らは、1−Step ABTS(Pierce Biotechnology Inc., Rockford, IL, USA)を利用して発色アッセイ(colorimetric assay)を行って、Labsystems Multiskanマイクロプレート判読機(GMI Inc., Ramsey, MI, USA)を利用して405nmで吸光度を測定した(Chu, R. S., et al., J. Exp. Med. 186: 1623−1631 (1997).参照)。
【0092】
HEL−MB−ODN4531及びリポソーム複合体を腹腔内に注射して免疫化されたBALB/cマウスの体液性免疫反応を調べた。HEL単独又はHEL−MB−ODN4531混合物、HEL−リポソーム複合体を注射する場合に比べて、HEL−MB−ODN4531−リポソーム複合体を注射した時、HELに対する抗体の量が著しく増加したが、これは、体液性免疫反応においてMB−ODN4531−リポソーム複合体の免疫補助剤効能を見せる結果である。不完全フロイントアジュバント(Incomplete Freund's adjuvant)は、60年前から現在まで使用されている代表的な免疫補助剤である。しかし、前記免疫補助剤の問題は、細胞性免疫増強が起こらず、ヒトに使用できないという点である。MB−ODN4531−リポソーム複合体は、免疫細胞刺激を通じて細胞性免疫反応を誘導するだけではなく、体液性免疫能を増加させる免疫補助剤としての機能を有する。また、MB−ODN4531−リポソーム複合体は、Th1免疫反応−特異的IgG2aの抗体生産に効果的である。
【0093】
<4−3>マウスと免疫化
マウスは、特定病原菌のない条件で飼育した。4週齢の雄性Balb/cマウス(H−2)をCentral Lab. Animal Inc.(Seoul, Korea)から購入した。本発明者らの動物実験は、ハンリム大学校動物実験委員会の承認を受けた。
【0094】
前記マウスにペプチド(50μg/マウス)−CpG−DNA(MB−ODN 4531(O))−リポソーム複合体を10日間隔で3回又は4回にわたって腹腔内投与した。
【0095】
<4−4>抗原−特異的Ig ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。IgG、IgG1及びIgG2aの総量を測定するために、本発明者らは、各ペプチド(10μg/ml)で96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)をコーティングした後、1質量%BSA及び0.05質量%Tween 20を含むPBSTで前記プレートをブロッキングした。前記血清とPBSTを1:400で混合して希釈した後、前記血清希釈液を各プレートのウェルに添加した。
【0096】
総IgG、IgG1及びIgG2aを検出するために、本発明者らは、ビオチン−コンジュゲーションされたラット抗−マウスIgG抗体、ラット抗−マウスIgG1抗体及びラット抗−マウスIgG2a抗体(BD Pharmingen, SanDiego, CA, USA)を1:5,000で希釈して使用した。
【0097】
IgG、IgG1及びIgG2aの力価を測定するために、本発明者らは、各蛋白質又はペプチド(10μg/ml)で96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)をコーティングした後、1質量%BSAを含むPBSTで前記プレートをブロッキングした。前記血清を各プレートの上側列に添加した後、前記血清とPBSTを1:3で混合して連続的に希釈した血清希釈液を下の列に添加した。本発明者らは、常温で2時間プレートで反応し、PBSTで洗浄した。次に、本発明者らは、ビオチン−コンジュゲーションされたラット抗−マウスIgG抗体、ラット抗−マウスIgG1抗体又はラット抗−マウスIgG2a抗体を添加して、2時間プレートで反応した。3回洗浄後、本発明者らは、ストレプトアビジン−コンジュゲーションされたHRP(horseradish peroxidase)を各プレートに添加して1時間反応した。発色アッセイをTMB溶液(KPL, Gaithersburg, MD, USA)を利用して行い、分光光度計(spectrophotometer; Spectra Max250, Molecular Devices, Downingtown, PA, USA)を利用して450nmで吸光度を測定した。
【0098】
実施例5:CpG−DNA−H5N1(又は他のインフルエンザストレイン) HA蛋白質ペプチド−リポソーム複合体を利用したエピトープスクリーニング
<5−1> CpG−DNA−H5N1(又は他のインフルエンザストレイン) HAペプチド−リポソーム複合体の免疫化
候補エピトープ(表2から表9)は、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、多様なインフルエンザAウイルスのHA(hemagglutinin)蛋白質から選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)をBalb/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価及び量をELISAで測定した。
【0099】
<5−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各ペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、各ペプチドに特異的に結合する総IgG(図2a、2d、2e、5a、5d、6a、6d及び7)、IgG1(図2b、2e、5b、6b及び7)及びIgG2a(図2c、2e、5c、6c及び7)の量及び力価を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0100】
鳥インフルエンザA H5N1/ベトナム/2004ストレインのHA蛋白質から得られたペプチドのうち、hH5N1 HA58、hH5N1 HA233、hH5N1 HA336及びhH5N1 HA370ペプチドが総IgG(図2a及び図2d)及びIgG2a(図2c)の量及び力価を増加させた。hH5N1 HA370ペプチドに相応するH1N1ペプチド(hH1N1−NY HA370、hH1N1−OH HA370、hH1N1−WSN HA370、A/H1N1−TX HA370)及びH5N1ウイルスに存在するhH5N1−HK HA370ペプチド(表3及び表4)が総IgG(図5a及び図5d)の量及び力価を増加させた。また、Th1免疫反応に係わるIgG2aの生産が増加することを確認することができた(図5c)。更に、hH5N1 HA233ペプチドに相応するH5N1ウイルスストレインに存在するhH5N1 HA233−1、hH5N1 HA233−2、hH5N1 HA233−3、hH5N1 HA233−4、hH5N1 HA233−6、hH5N1 HA233−7、hH5N1 HA233−9及びhH5N1 HA233−11ペプチド(表5)、そしてhH5N1 HA233ペプチドに相応する多様なインフルエンザAウイルスストレインに存在するhH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233、hH1N1−Thai HA233、A/H1N1−TX HA233、mH2N5 HA233、hH7N7 HA233、hH9N2 HA233及びsH15N2 HA233ペプチド(表6)も総IgGの量を増加させた(図6d)。
【0101】
また、hH5N1 HA370ペプチドに相応するH7N7及びH9N2ウイルスに存在するhH7N7 HA370、hH9N2−ST HA370及びhH9N2−HK HA370ペプチド(表9)も総IgGの量を増加させた(図7a)。hH5N1 HA233ペプチドに相応するH7N7及びH9N2ウイルスに存在するhH7N7 HA 233及びhH9N2 HA233(表6)も総IgGの量を増加させた(図7b)。
【0102】
実施例6:CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体による体液性免疫反応誘導でリポソーム種類及びCpG−DNA種類による影響評価
MB−ODN 4531−ペプチド(hH5N1 HA233)を多様な種類のリポソーム(DOPE:CHEMS(6:4、1:1、1:0及び0:1)、リポフェクチン、リポフェクタミン、DOTAP及びポロキサマ407)で前記実施例3と同様にそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−3>のようにBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。hH5N1 HA233ペプチド−特異的総IgG(図3a)の量を測定した結果、前記血清においてDOPE:CHEMSの比率が1:1で総IgGの量が最も高く表れた。また、DOPE:CHEMSの比率が1:1でH5N1 HA233ペプチド−特異的総IgGの力価が最も高く表れた(図3b)。
【0103】
ペプチド(H5N1 HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS(1:1))と表1に提示された種々のPO−DNAs、又はPS−DNAsで前記実施例3と同様にそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−3>のようにBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記実施例<4−4>のように血清からH5N1 HA233ペプチド−特異的総IgGの量を確認した結果、PO−DNA MB−ODN 4531(O)とPS−DNA MB−ODN 4531(S)を利用した複合体で最も高く表れた(図4)。上述の結果から、CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体においてPO−DNA又はPS−DNAのCG配列が重要な役割を行うということが分かった。
【0104】
実施例7:CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体により生産された抗体の血球凝集反応抑制及びウイルス中和作用分析
<7−1>組み換えH5N1ウイルス
A/ベトナム/1203/2004(H5N1)及びA/プエルトリコ/8/34(PR8)(H1N1)インフルエンザウイルスの遺伝子切片(segments)がウイルスレスキュー(rescue)のためにプラスミドでクローニングされて8個のプラスミド逆方向遺伝学的(reverse genetics)方法を利用して遺伝子再編成(reassortment)された(Hoffmann, E., et al., Vaccine 20: 3165−3170 (2002).参照)。前記プラスミド由来のウイルスが、10日齢の胚芽鶏エッグの尿膜腔(allantoic cavities)に群集した。上述の再編成ウイルスは、“PR8/H5Lo”を含み、これは、鳥類系(avian−lineage) A/ベトナム/1203/2004(H5N1)のHA遺伝子切片及びPR8内7個の遺伝子切片に相応する遺伝子切片を有する。
【0105】
<7−2>血球凝集反応抑制アッセイ
血球凝集反応−抑制アッセイは、公知の方法にしたがって行われた(Palmer, D. F., et al., Immunol. Ser. 6: 51−52 (1975).参照)。簡略に説明すると、ウイルスを4 HAユニットで希釈し、同一な容量の二倍希釈された受容体−破壊酵素(receptor−destroying enzyme)を処理した血清試料と共に常温で1時間培養した。同一な容量の0.5質量%鶏赤血球をウェルに添加して、30分間培養し、HI力価を測定した。
【0106】
<7−2>ウイルス中和アッセイ
MDCK細胞に対して、ウイルス中和アッセイを公知の方法により行った(Kida, H., et al., Virology 122: 38−47 (1982).参照)。約100PFU(plaque forming unit)/mlのインフルエンザウイルス(rH5N1ウイルス及びA/WSN/1933)を同一容量の2倍順次希釈された熱−不活性化された血清試料と共に37℃で1時間反応した。培養後、前記混合物を10質量%FBS及びTPCK(L−tosylamido−2−phenylethyl chloromethyl ketone、1μg/ml)−処理されたトリプシンで補充された最小培地(minimum essential medium, MEM)でMDCK細胞のコンフルエント単一膜に添加した。前記細胞を細胞変性(cytopathic)効果を測定する前に、細胞を72時間培養した。中和百分率は、下記の方程式を利用して計算した:中和(%、抑制率)=[(ウイルスだけが処理された区のプラーク数−順次に希釈された血清−混合されたウイルス処理区のプラーク数) / ウイルスだけが処理された区のプラーク数]×100。
【0107】
PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−3>と同様に、BALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。血清におけるhH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233ペプチド−特異的抗体がrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933により誘導された血球凝集反応を抑制させることを確認することができた(図8a)。
【0108】
PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233、hH1N1−HK HA233又はA/H1N1−TX HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−3>と同様にBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。hH5N1 HA233ペプチド−特異的抗体をrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933(図8b)に予め反応させた後、MDCK細胞に感染させた時、血清におけるウイルス力価が低く表れることを確認し、hH5N1 HA233ペプチド−特異的抗体がウイルスを中和させる機能をするということを確認した。
【0109】
hH5N1 HA370ペプチド−特異的抗体をrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933(図8c)に予め反応させた後、MDCK細胞に感染させた時、血清におけるウイルス力価が低く表れることを確認し、hH5N1 HA370ペプチド−特異的抗体がウイルスを中和させる機能をするということを確認した。
【0110】
PO−DNA−ペプチド(hH1N1−WSN HA230又はhH1N1−HK HA230)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を投与した血清がマウスに適応されたrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933と予め反応させた後、MDCK細胞に感染させた時、ウイルス力価が低く表れることを確認し、各ペプチド− 特異的抗体がウイルスの中和作用をすることを確認した(図8d及び図8e)。
【0111】
更に、PO−DNA−ペプチド(A/H1N1−TX HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を投与した血清がマウスに適応されたrH5N1ウイルスPR8/H5Lo及びA/WSN/1933と予め反応させた後、MDCK細胞に感染させた時、ウイルス力価が低く表れることを確認し、A/H1N1−TX HA233ペプチドに対する抗体がウイルスの中和作用をすることを確認した(図8f)。
【0112】
実施例8: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体のワクチン効能評価
<8−1>ワクチン接種及びウイルスチャレンジ実験
4週齢のBALB/cマウスにDOPE/CHEMSリポソームに被包された50μgのMB−ODN 4531(O)に添加した50μgのペプチドを10日間隔で2回にわたって腹腔注射した。2回目免疫化して10日後、マウスに鼻腔吸入の方法で10LD50 maA/WSN/1933又は10LD50 rH5N1ウイルスでチャレンジした。
【0113】
<8−2>ウイルスチャレンジ後、体重及び生存率(survival rate)の測定
感染後、マウスの臨床的症状と体重を毎日観察した。10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔感染後3日目から、マウスの体重が減少し始めて、12日後に全て死ぬことを観察した。しかし、PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370、hH5N1 HA233又はhH1N1−WSN HA230)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させた時、9日までは体重が減少したが、以後段々回復されて生存することが分かった(図9a、図9b、図11a、図11b、図13a及び図13b)。
【0114】
そしてPO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370、hH5N1 HA233、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた時、体重が最初に減少したが、以後段々回復されて生存することが分かった(図10a、図10b、図12a、図12b、図13a、図13b、図14a及び図14b)。
【0115】
また、PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた時、生存率は50%であることが分かった(図12a)。
【0116】
そして、PO−DNA−ペプチド(hH1N1−WSN HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、rH5N1ウイルスPR8/H5Loを鼻腔に感染させた時、生存率は38%であることが分かった(図13a)。
【0117】
<8−3>肺組織染色
マウスを、指定された時間にジエチルエーテル吸入麻酔により死亡させて、全体肺組織を収得した。病理組織学的調査のために、前記肺組織を4%緩衝ホルマリン溶液で固定させて、伝統的な方法によってパラフィンに入れて4μmの厚みで切った。標本をヘマトキシリン及びエオシンで染色した。PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233又はhH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種されたマウスに10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた時、前記肺組織が正常状態に回復されることを観察した(図9c、図10c、図11c)。
【0118】
更に、PO−DNA−ペプチド(hH5N1−WSN HA233又はhH5N1−HK HA233)−リポソーム複合体で10日間隔で2回にわたって接種されたマウスに10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた時、前記肺組織が正常状態に回復されることを観察した(図13c及び図14c)。
【0119】
<8−4>マウス組織からウイルス力価の測定
マウス10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスの鼻腔感染後3日及び6日目に、肺組織を分離して、1ml PBSに均質化させてウイルスの力価を分析した。ウイルス又は肺組織均質液の順次的に10倍希釈された懸濁液が6−ウェルプレート内MDCK細胞のコンフルエント単一膜に添加された後、吸収のために常温で1時間(10分毎に振ってやる)反応させた。前記懸濁液を除去して、細胞に2質量%オキソイド(oxoid)アガ、5質量%NaHCO、1質量%DEAEデキストラン及びTPCK(1μg/ml)−処理されたトリプシンを含むMEMを添加した。前記ディッシュを37℃で3日間反応した後、前記ディッシュ内細胞を1mlのクリスタルバイオレットで15分間染色して、プラーク(plaques)を視覚化させた。前記プラークの数がウイルスの力価を決定するためにカウンティングされた。PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種された後、10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させたマウスにおいて、肺組織のウイルス力価が減少された(図9d又は図10d)。
【0120】
<8−5>血球凝集反応抑制アッセイ
PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種された後、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させたマウスにおいて、生産された抗体により誘導された血球凝集反応の抑制が顕著に増加した(図15a)。
【0121】
PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA233)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種された後、10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させたマウスにおいて、生産された抗体により誘導された血球凝集反応の抑制が明らかに増加した(図15b)。
【0122】
<8−6>抗体測定
マウスをPO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA233、hH5N1 HA370、hH1N1−WSN HA233又はhH1N1−HK HA23)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種させた後、10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 maA/WSN/1933ウイルスを鼻腔に感染させた。前記感染後、6日目にマウスから血清を収得した。また、BALF(Bronchoalveolar lavage fluid)を分離してhH5N1 HA229又はhH5N1 HA371ペプチド−特異的抗体(総IgG及びIgA)の量を測定した。10LD50 rH5N1ウイルスで感染させた場合、血清内総IgGの量及びBALF内IgAの量が顕著に増加した(図16a、16c及び16f)。10LD50 maA/WSN/1933ウイルスで感染させた場合、血清内総IgGの量及びBALF内IgAの量が明らかに増加した(図16b、16d、16e及び16f)。
【0123】
実施例9: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体のワクチン化のメモリー効能の評価
<9−1>ワクチン接種及びウイルスチャレンジ実験
4週齢のBALB/cマウスにDOPE/CHEMSリポソームに被包された50μgのMB−ODN 4531(O)に添加した50μgのペプチドを10日間隔で2回にわたって腹腔注射した。2回目免疫化して二ヶ月後、マウスに鼻腔吸入の方法で10LD50 rH5N1ウイルスでチャレンジした。
【0124】
<9−2>ウイルスチャレンジ後体重及び生存率の測定
感染後、マウスの臨床的症状と体重を毎日観察した。10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔感染後3日目から、マウスの体重が減少し始めて、14日後に全て死ぬことを観察した。しかし、PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)を2回にわたって接種し、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させた時、11日までは体重が減少したが、以後段々回復されて生存することが分かった(図17a及び図17b)。
【0125】
<9−3>肺組織染色
マウスを、指定された時間にジエチルエーテル吸入麻酔により死亡させて、全体肺組織を収得した。病理組織学的調査のために、前記肺組織を4%緩衝ホルマリン溶液で固定させて、伝統的な方法によってパラフィンに入れて4μm厚みで切った。標本をヘマトキシリン及びエオシンで染色した。PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種されたマウスに10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させた時、前記肺組織が正常状態に回復されることを観察した(図17c)。
【0126】
<9−4>マウス組織におけるウイルス力価の測定
マウス10LD50 rH5N1ウイルス又は10LD50 rH5N1ウイルスの鼻腔感染後3日及び6日目に、肺組織を分離して、1ml PBSに均質化させてウイルスの力価を分析した。ウイルスの力価は、実施例<8−4>と同様にプラークアッセイを通じて測定した。PO−DNA−ペプチド(hH5N1 HA370)−リポソーム(DOPE:CHEMS)で2回にわたって接種された後、10LD50 rH5N1ウイルスを鼻腔に感染させたマウスにおいて、肺組織のウイルス力価が、感染後6日目に顕著に減少された(図17d)。
【0127】
実施例10: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用したエピトープ効能の評価
<10−1>組み換え鳥インフルエンザAウイルスの不活性化
ウイルスを不活性化させるために、rH5N1ウイルス(PR8/H5Lo)が254 nmのUV波長に5分間5cmの距離で露出された。ウイルス感染性(infectivity)の不活性化は、プラークアッセイで確認した。
【0128】
<10−2>免疫化
4週齢のBalb/cマウスに不活性化されたrH5N1ウイルス又は不活性化されたrH5N1ウイルスとリポソーム複合体混合物又は不活性化されたrH5N1ウイルス−MB−ODN4531(50μg/マウス)−リポソーム複合体を腹腔内投与した。同量の不活性化されたrH5N1ウイルスとMB−ODN4531混合物を10日間隔で3回にわたって投与した。10日経過後、心臓パンチング方法で血液を採取し、遠心分離して沈殿させ、血清を獲得した。前記獲得された血清から抗−組み換えH5N1ウイルス抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の量及び力価を確認するために、実施例<4−4>の方法でELISAを行った。
【0129】
<10−3>ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(rH5N1 HA233又はrH5N1 HA370)又は不活性化されたrH5N1ウイルス(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、rH5N1ウイルス又は各ペプチドに特異的に結合する総IgG、IgG1及びIgG2a(図18)の生産を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0130】
総IgGの量及び力価(図18a及び図18b)、そしてTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産が、不活性化されたrH5N1ウイルスで接種された血清において増加することを確認することができた。
【0131】
鳥インフルエンザA H5N1/ベトナム/2004ストレインのHA蛋白質のうち、hH5N1 HA233及びhH5N1 HA370ペプチドが各ペプチド−特異的総IgGの力価を増加させる反面、不活性化されたrH5N1ウイルスで免疫化された血清では、rH5N1 HA233又はrH5N1 HA370ペプチド−特異的抗体の力価は変化がなかったが(図18c及び18d)、これは、rH5N1 HA233又はrH5N1 HA370ペプチド−特異的抗体がMB−ODN 4531(O)−各ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体で免疫化された血清で増加するということを示す。
【0132】
実施例11: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用したHCVのエピトープスクリーニング
<11−1> CpG−DNA−HCVペプチド−リポソーム複合体の免疫化
HCV E1及びE2蛋白質のうち、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、三つの候補エピトープ(表10)を選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−HCVペプチド−リポソーム複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−HCVペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)を、前記実施例<4−3>と同様にBalb/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0133】
<11−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、各ペプチドに特異的に結合する総IgG(図19a)、IgG1及びIgG2a(図19b及び図19c)の生産を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0134】
総IgGの力価(図19c)、そしてTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産がHCV−E2蛋白質から選択されたHCV−E2 202ペプチドで免疫化された血清において増加することを確認することができた。
【0135】
<11−3> CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体−誘導された体液性免疫反応誘導において、リポソーム種類による影響の評価
MB−ODN 4531−ペプチド(HCV−E1 202)を種々のリポソーム(DOPE:CHEMS(1:1)、DSPC:Chol(1:1)、DSPC:CHEMS:PEG−PE(1:1:1)、Chol:DOPE:PEG−PE(1:1:1)、Dc−Chol:DOPE:PEG−PE(1:1))で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−4>と同様にBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記血清からHCV−E2 202ペプチド−特異的総IgG力価を確認した結果、DOPE:CHEMSの比率が1:1の場合、HCV−E2 202ペプチド−特異的総IgGの力価が最も高く表れた(図19d)。
【0136】
実施例12: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用したhRSVのエピトープスクリーニング
<12−1> CpG−DNA−hRSVペプチド−リポソーム複合体の免疫化
RSVのG蛋白質及びF蛋白質のうち、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、20個の候補エピトープ(表10、表11及び表12)を選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−各hRSVペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−各hRSVペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)を、前記実施例<4−3>と同様にBalb/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0137】
<12−2>ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、各ペプチドに特異的に結合する総IgG(図20a及び図21)、IgG1及びIgG2a(図21b及び図21c)の生産を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0138】
総IgGの力価(図20a、図21a及び図21d)、そしてTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産(図20b、図20c、図21b、図21c及び図21d)がhRSV G蛋白質及びF蛋白質から選択されたHRSV−G1、HRSV−Fa3、HRSV−Fa3−2、HRSV−F7及びHRSV−F9ペプチドで免疫化された血清において増加することを確認することができた。
【0139】
実施例13:CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用したヒトインテグリンβ4のエピトープスクリーニング
<13−1> CpG−DNA−hIB4ペプチド−リポソーム複合体の免疫化
大部分の癌腫細胞で発現されるヒトインテグリンβ4蛋白質(hIB)のうち、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、6個の候補エピトープ(表13)を選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−各hIB4ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−各hIB4ペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)を、前記実施例<4−3>と同様にBalb/cマウスに10日間隔で3回又は4回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0140】
<13−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、総IgGの量(図22a)及び力価(図22b)を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0141】
総IgGの量(図22a)及び力価(図22b)が、hIB4蛋白質から選択されたhIB4−VWA−1−2、hIB4−VWA−1−3、hIB4−VWA−2、hIB4−VWA−3及びhIB4−EGF−1ペプチドで免疫化された血清において増加することを確認することができた。
【0142】
実施例14: CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体を利用した肝癌−特異的TM4SF5蛋白質のエピトープスクリーニング
<14−1> CpG−DNA−TM4SF5ペプチド−リポソーム複合体の免疫化
肝癌細胞のTM4SF5蛋白質のうち、親水性、疎水性、2次構造、抗原性及び両親媒性を考慮して、6個の候補エピトープ(表10)を選別して、前記実施例3と同様にCpG−DNA−TM4SF5ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体を製造した。前記製造されたCpG−DNA−各TM4SF5ペプチド−リポソーム複合体(50μg/マウス)を、前記実施例<4−3>と同様にBalb/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。最後の投与後10日経過時、心臓パンチング方法で血液を採取して、遠心分離し、血球を沈殿させて血清を獲得した。前記獲得した血清から抗−ペプチド抗体(総IgG、IgG1及びIgG2a)の力価をELISAで確認した。
【0143】
<14−2> ELISA
前記マウスを、注入後10日目に犠牲させた。前記マウスから得られた血清は、PBS/0.2質量%アジ化ナトリウムと1:10で混合して希釈した後、−20℃に保管した。本発明者らは、各選択されたペプチド(10μg/ml;炭酸水素ナトリウム緩衝液、pH 9.6)を96−ウェル免疫プレート(Nalgen Nunc International, Rochester, NY, USA)に添加した後、16時間4℃で反応した。その後、各ペプチドに特異的に結合する総IgG(図23a)、IgG1及びIgG2a(図23b)の量を実施例<4−4>に記載のように分析した。
【0144】
総IgGの力価(図23a)、そしてTh1免疫反応に係わるIgG2aの生産(図23b)が、TM4SF5蛋白質から選択されたTM4SF5 R2−3又はTM4SF5 R2−5ペプチドで接種された血清において増加することを確認することができた。
【0145】
<14−3> CpG−DNA−−ペプチド−リポソーム複合体−誘導された体液性免疫反応において、リポソーム種類による影響の評価
MB−ODN 4531−ペプチド(TM4SF5)を種々のリポソーム(DOPE:CHEMS(1:1)、DSPC:Chol(1:1)、DSPC:CHEMS:PEG−PE(1:1:1)、Chol:DOPE:PEG−PE(1:1:1)、Dc−Chol:DOPE:PEG−PE(1:1))で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造し、前記実施例<4−4>と同様にBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記血清からTM4SF5 R2−3ペプチド−特異的総IgG力価を確認した結果、DOPE:CHEMSの比率が1:1の場合、TM4SF5 R2−3ペプチド−特異的総IgGの力価が最も高く表れた(図23c)。
【0146】
<14−4> CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体−誘導された体液性免疫反応誘導において、CpG−DNA種類による影響の評価
TM4SF5 R2−3ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS(1:1))と表1に提示された種々のPO−DNA(MB−ODN4531(O)、MB−ODN 4531(GCO))又はPS−DNA(MB−ODN 4531(S))で前記実施例3のようにそれぞれ複合体を製造して、前記実施例<4−4>と同様にBALB/cマウスに3回にわたって腹腔投与した後、血清を採取した。前記実施例<4−4>と同様に、血清からTM4SF5 R2−3ペプチド−特異的総IgGの力価を確認した結果、PO−DNA(MB−ODN4531(O))又はPS−DNA(MB−ODN 4531(S))を利用した複合体で最も高く表れた(図23d)。
【0147】
<14−5> CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体による体液性免疫反応において、TLR9の影響の評価
DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド及びMB−ODN4531(O)が注入されたマウスから、抗体生産上のTLR9の機能を調べるために、本発明者らは、BALB/c TLR9ノックアウトマウス及び野生型マウスを利用してIgG生産を分析した。予想の通り、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド及びMB−ODN4531(O)が注入されたTLR9ノックアウトマウスは全くIgGを生産しなかったため、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド及びMB−ODN4531(O)のIgG−生産能は、TLR9に絶対的に依存的であった(図23e)。これと対照的に、IFAと組み合わされたHELの注入は、野生型マウス及びTLR9ノックアウトマウスにおいて、IgG生産を増加させた(図23f)。
【0148】
<14−5> CpG−DNA−ペプチド−リポソーム複合体−誘導された体液性免疫反応において、MHCクラスII−媒介された提示及びTh1分化上の影響評価
DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたエピトープ及びMB−ODN4531(O)による免疫化に対する反応で抗体生産の動力学(kinetics)を評価するために、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した。前記BALB/cマウスは、2次及び3次反応で非常に多い量のペプチド−特異的IgG(IgG2a)を生産した(図24a)。次に、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)に対する反応で、IgG生産においてMHCクラスII−媒介された提示(presentation)の必要性を調べた。図24bから分かるように、抗−CD4抗体がBALB/cマウスに腹腔投与されて誘導されたCD4+細胞の欠乏は、ペプチド−特異的IgGの生産を顕著に減少させた。また、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)による免疫化に対する反応から、MHCクラスIIノックアウトマウス及びOT−IIトランスジェニックマウスにおいてIgG及びIgG2aの生産減少を確認した(図24c及び図24d)。更に、本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)による免疫化に対する反応で、IgG生産においてTh1分化の連関性(involvement)を調べた。本発明者らは、STAT4ノックアウトマウスでIgG及びIgG2aの生産減少(図24e)を確認したが、これは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)による免疫化に対する反応において、STAT4がT細胞のTh1細胞への分化を促進するいうことを意味する。しかし、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3及びMB−ODN4531(O)−誘導されたIgG生産は、STAT6ノックアウトマウスでは観察されなかった(図24f)。上述の結果は、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたB細胞エピトープ及びMB−ODN4531(O)免疫化に対する反応で、IgG(IgG2a)生産はCD4+細胞 MHCクラスII−媒介された提示及びTh1分化を必要とするということを意味する。
【0149】
実施例15: マウス抗−hTM4SF5単一クローン抗体(mAbs)の生産
本発明者らは、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたhTM4SF5R2−3ペプチド(50μg)及びMB−ODN4531(O)(50μg)をBALB/cマウスに10日間隔で3回にわたって腹腔投与した後、標準ハイブリドーマ技術にしたがって、抗−hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的単一クローン抗体を生産するハイブリドーマ細胞をスクリーニングした(Yokoyama, W. M. Production of monoclonal antibody, p.2.5.1−2.5.17. In J.E. Ciligan, A.M. Kruisbeek, D. H. Margulies, E. M. Shevach, & W. Strober (eds.), Current protocols in Immunology, John Wiley & Sons. Inc., Newcastle, United Kingdom. (2001).参照)。前記抗−hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的単一クローン抗体(IgG2a)が、蛋白質Aカラムクロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ, USA)を利用して、腹水液(ascites fluid)から精製された。
【0150】
実施例16: CpG−DNA−TM4SF5ペプチド−リポソーム複合体により生産された単一クローン抗体のTM4SF5蛋白質認識分析
<16−1>ヒト肝癌細胞株においてTM4SF5発現の分析
ヒト肝癌細胞株(Human hepatocarcinoma cell lines; Huh−7)は、ATCC(American Type Culture Collection; Manassas, VA, USA)から購入した。ヒト肝細胞株(Human hepatic cell lines;SNU−398、SNU−423、SNU−739及びSNU−761)は、韓国細胞株バンク(Seoul, Korea)から購入した。前記Huh−7、SNU−398、SNU−423、SNU−739及びSNU−761細胞は、10質量%FBS(fetal bovine serum; Hyclone, Logan, UT, USA)を含むRPMI 1640培地で培養した。ヒト正常肝細胞(Promo Cell, Heidelberg, Germany)は、販売者の説明書にしたがって培養した。全ての細胞は、95%空気と5% COの大気状態で37℃で培養した。hTM4SF5 mRNAの発現を分析するために、RT−PCRを行った。総RNAを、RNeasy Mini Kit(Qiagen, Germantown, MD, USA)を利用して抽出し、cDNA製造は、公知の方法で行った(Kim, D., et al., Immunol. Invest. 38: 132−152 (2009).参照)。標準PCR反応は、下記のプライマーセットを利用して25サイクルを行った:ヒトβ−アクチン、5’−GGGTCAGAAGGATTCCTATG−3’及び5’−CCTTAATGTCACGCACGATTT−3’(500 bp);hTM4SF5。前記Huh−7及びSNU−761細胞株において、TM4SF5 mRNAの発現が高く表れることを、RT−PCRを通じて確認した(図25a)。
【0151】
<16−2> TM4SF5 R2−3ペプチドを認識する単一クローン抗体のTM4SF5蛋白質認識の確認(FACS分析)
抗体結合分析において、肝癌細胞を、0.1質量%BSAを含むPBSで洗浄した後、Fc受容体との結合をブロッキングするために、10μg/mlのヒトIgG(Sigma)と共に4℃で20分間反応した。ブロッキング後、細胞を、精製された抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体<実施例15>と共に1時間反応した。その後、細胞を、0.1質量%BSAを含むPBSで洗浄した後、FITC−コンジュゲーションされたヤギ抗−マウスIgG抗体(BD Biosciences)と共に4℃で30分間反応した。RT−PCRを通じてTM4SF5のmRNA発現が確認されたHuh−7及びSNU−761に、精製した抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体が結合することを、FACS分析を通じて確認した(図25c)。
【0152】
実施例17: CpG−DNA−TM4SF5ペプチド−リポソーム複合体により生産された抗体の肝癌細胞の成長抑制効能の評価
<17−1>抗−TM4SF5 R2−3ペプチド単一クローン抗体による細胞成長の抑制
抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体(10μg/ml)を72時間処理した後、MTTアッセイを通じて、ヒト肝癌細胞株(Huh−7及びSNU−739)の成長を分析した。
【0153】
肝癌細胞を48−ウェルプレートで72時間培養した後、MTT(3−(4,5−dimethylthiazole−2−yl)−2,5−diphenyl tetrazolium bromide; Sigma)溶液を各プレートに添加して、37℃で4時間更に反応した。培地を除去した後、ホルマザンクリスタルをDMSOに可溶化(solubilize)させた。色の変化は、分光光度計(SpectraMax250; Molecular Devices, Downingtown, PA, USA)を利用して、650nmの基準波長(reference wavelength)下で570nmの波長をモニタリングした。TM4SF5を発現するHuh−7細胞株の成長が抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体処理により抑制されるということを、MTTアッセイを通じて確認した(図25d)。これと対照的に、TM4SF5を発現しない細胞株(SNU−739)は、影響を受けなかった(図25d)。
【0154】
<17−2>抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体による細胞周期の調節
肝癌細胞株(Huh−7及びSNU−739)に抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体(10μg/ml)を72時間処理した後、細胞周期を観察した。本発明者らは、前記細胞を、RNase(200 μg/ml)−PBSに溶かしたよう化プロピジウム(PI; 20μg/ml)溶液と反応させることにより、DNA含量を分析した。細胞を常温で30分間染色して、FACScanフローサイトメトリー(BD Biosciences)で分析した。細胞周期の分布データは、ModFit LT 3.0ソフトウェアを利用して分析した。
【0155】
各群で細胞周期段階の分布を比較した。TM4SF5を発現するHuh−7細胞株において、抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体処理を通じてS期がアレストされるということを観察した。対照的に、TM4SF5を発現しないSNU−739細胞株では、細胞周期に影響がなかった(図25d)。
【0156】
<17−3>抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体による肝癌細胞の機能阻害分析
TM4SF5を発現する肝癌細胞が細胞−細胞接触抑制能力を失い、肝癌細胞に成長することが知られていた(Lee, S. A., et al., J. Clin. Invest. 118: 1354−1365 (2008).参照)。TM4SF5を発現する肝癌細胞は、非正常的なアクチン束(actin bundling)を有する反面、TM4SF5を発現しない細胞は、広く広げられた多角形形態(overspread polygonal shape)を支持するストレス線維(stress fiber)の明確な輪郭(outline)を示す(41)。したがって、本発明者らは、肝癌細胞株(Huh−7及びSNU−739)に抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体(10μg/ml)を72時間処理した後、細胞のアクチンを観察した。
【0157】
細胞を抗−hTM4SF5抗体(10μg/ml)で処理する一日前に、12−ウェルプレート内ガラスカバースリップで培養した。細胞を前記抗体で72時間処理した後、4%パラホルムアルデヒドで固定させて、0.1質量%Triton X−100で透過化(permeabilize)した。その後、ロダミン(Molecular Probes, Eugene, OR, USA)−コンジュゲーションされたファロイジン(phalloidin; Molecular Probes, Eugene, OR, USA)で染色した。核は、Hoechst No. 33258で染色した。前記マウンティングされた試料は、LSM 510 META NLO(Carl Zeiss, Jena, Germany)を利用してスキャンした。
【0158】
hTM4SF5を発現する肝癌細胞(Huh−7)に抗−TM4SF5 R2−3ペプチド−特異的抗体を処理した場合、hTM4SF5を発現しない細胞でのように、アクチンが広く広がった多角形形態を支持する明らかな輪郭のストレス線維として検出されるが、これは、前記抗体がhTM4SF5−発現細胞でターゲットされることを意味する(図25f)。上述の結果は、DOPE:CHEMSリポソーム複合体に共同で被包されたMB−ODN4531(O)及びhTM4SF5R2−3(50μg)により発生された抗体がhTM4SF5蛋白質の検出に有用に利用できて、細胞内における抗体−媒介されたhTM4SF5ターゲッティングが肝癌細胞の機能的変化と関連されているが、前記変化は、細胞機能の多様性を変化させることのできる細胞成長を大きく減少させることができるということを意味する。
【0159】
実施例18: hTM4SF5R2−3ペプチド−特異的抗体によるインビボ肝癌細胞の成長抑制効能の評価
<18−1>ヌードマウス(nude mice)において異種移植(xenograft)実験
5×10個のヒト肝癌細胞株(Huh−7)をヌードマウスの右側脇に皮下注射した。癌の直径が5mmまで育った後、試料は三つの群[PBS、正常IgG及び抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体処理群(n=5/処理群)]に分けた。各処理群は、PBS及び各抗体(100mg/Kgマウス)を3日間隔で5回にわたって前記癌組織(5mm)に注入した。5週間観察しながら、癌の総量(volume;直径)を、カリパース(calipers)を利用して測定した。異種移植実験の分析を通じて、腫瘍成長をインビボで減少させるには、肝癌細胞への抗−TM4SF5 R2−3ペプチド抗体ターゲッティングだけで十分であることを究明した(図26a及び図26b)。
【0160】
実施例19: MB−ODN 4531(O)−hTM4SF5R2−3ペプチド−リポソーム複合体によるワクチン化を通じて、インビボ肝癌細胞の成長抑制効能の評価
<19−1>マウス腫瘍自己移植(allograft)実験
4週齢のBALB/cマウスにMB−ODN 4531(O)−hTM4SF5R2−3ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体を10日間隔で3回にわたって腹腔注入した。3回目免疫化させて10日後に、50質量%マトリゲルを含むBNL−HCC細胞(5×10個)をBALB/cマウスの右側脇に皮下注射した。7週間観察しながら癌の総量(volume;直径)を、カリパース(calipers)を利用して測定した。MB−ODN 4531(O)−hTM4SF5R2−3ペプチド−リポソーム(DOPE:CHEMS)複合体で免疫化されたマウスは、処理されなかったマウスと比較し、腫瘍成長(tumor volume)が顕著に減少した(図27a及び図27b)。
【0161】
以上、本発明の特定な部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な記述はただ好ましい実施形態に過ぎず、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰イオン性界面活性剤及び中性リン脂質を含むリポソームに被包された(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープを有効成分として含む免疫増強用組成物。
【請求項2】
前記陰イオン性界面活性剤は、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジルセリン、ジセチルホスフェート、ホスファチジン酸、ジアシルホスファチジン酸、オレイン酸、N−ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、NSPE(N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン)、NGPE(N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン)、LPG(リシルホスファチジルグリセロール)及びCHEMS(コレステリルヘミスクシネート)からなる群から選択される陰イオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項1に記載の免疫増強用組成物。
【請求項3】
前記陰イオン性界面活性剤は、CHEMS(コレステリルヘミスクシネート)であることを特徴とする、請求項2に記載の免疫増強用組成物。
【請求項4】
前記中性リン脂質は、ホスファチジルコリン、DPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスフォコリン)、DMPC(ジミリストイルホスファチジルコリン)、コレステロール、PEG−PE(ポリエチレングリコールホスファチジルエタノールアミン)、DOPC(ジオレオイルホスファチジルコリン)及びDOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)からなる群から選択される中性リン脂質であることを特徴とする、請求項1に記載の免疫増強用組成物。
【請求項5】
前記中性リン脂質は、DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)であることを特徴とする、請求項4に記載の免疫増強用組成物。
【請求項6】
前記リポソームは、CHEMS及びDOPEの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の免疫増強用組成物。
【請求項7】
前記リポソームは、CHEMS及びDOPEを4.5:5.5〜5.5:4.5のモル比で含んでいることを特徴とする、請求項6に記載の免疫増強用組成物。
【請求項8】
前記DOPE:CHEMSのモル比は、5.0:5.0であることを特徴とする、請求項7に記載の免疫増強用組成物。
【請求項9】
前記免疫刺激オリゴヌクレオチドは、ホスホロジエステルバックボーン又はホスホロチオエートバックボーンを有することを特徴とする、請求項1に記載の免疫増強用組成物。
【請求項10】
前記免疫刺激オリゴヌクレオチドは、CpGモチーフ、CpTモチーフ、多重Gドメイン又はヘアピン二次構造を形成するパリンドローム配列を含む免疫刺激オリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項9に記載の免疫増強用組成物。
【請求項11】
前記エピトープは、配列番号1から配列番号13、そして配列番号19から配列番号46からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドエピトープであることを特徴とする、請求項1に記載の免疫増強用組成物。
【請求項12】
(a)陰イオン性界面活性剤及び中性リン脂質を含むリポソームに(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質としてのペプチドを被包させる段階と、
(b)前記(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質としてのペプチドが被包されたリポソームを利用して、ヒトを除く動物を免疫化させる段階と、
(c)前記免疫化された動物における免疫反応を測定する段階と、
を含む免疫原性を有するエピトープのスクリーニング方法。
【請求項13】
(a)陰イオン性界面活性剤及び中性リン脂質を含むリポソームに(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質として前記蛋白質抗原のペプチドを被包させる段階と、
(b)前記(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質としてのペプチドが被包されたリポソームを利用して、ヒトを除く動物を免疫化させる段階と、
(c)前記免疫化された動物における免疫反応を測定して、免疫原性を示すペプチドエピトープを選別する段階と、
(d)前記選別されたペプチドエピトープと分析対象の抗体とを接触させる段階と、
(e)前記段階(d)の結果物と前記蛋白質抗原とを接触させる段階と、
(f)前記蛋白質抗原と前記分析対象の抗体との結合を分析する段階と、
を含む蛋白質抗原に対する抗体のスクリーニング方法。
【請求項14】
(a)陰イオン性界面活性剤及び中性リン脂質を含むリポソームに(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質として前記蛋白質抗原のペプチドを被包させる段階と、
(b)前記(i)免疫刺激オリゴヌクレオチド及び(ii)エピトープ候補物質としてのペプチドが被包されたリポソームを利用して、ヒトを除く動物を免疫化させる段階と、
(c)前記免疫化された動物における免疫反応を測定して、免疫原性を示すペプチドエピトープを選別する段階と、
(d)前記選別されたペプチドエピトープを利用して、ヒトを除く動物を免疫化させて抗体を生産する段階と、
を含む蛋白質抗原に対する抗体の製造方法。
【請求項15】
前記陰イオン性界面活性剤は、CHEMS(コレステリルヘミスクシネート)であることを特徴とする、請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記中性リン脂質は、DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)であることを特徴とする、請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記リポソームは、CHEMS及びDOPEの混合物であることを特徴とする、請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記リポソームは、CHEMS及びDOPEを4.5:5.5〜5.5:4.5のモル比で含んでいることを特徴とする、請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記DOPE:CHEMSのモル比は、5.0:5.0であることを特徴とする、請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記免疫刺激オリゴヌクレオチドは、CpGモチーフ、CpTモチーフ、多重Gドメイン又はヘアピン二次構造を形成するパリンドローム配列(palindrome sequences)を含む免疫刺激オリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
配列番号1から配列番号9、及び配列番号19から配列番号37からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドを含む鳥インフルエンザAウイルスに対するペプチドワクチン組成物。
【請求項22】
配列番号42から配列番号46からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドを含むインテグリン蛋白質β4に対するペプチドワクチン組成物。
【請求項23】
配列番号10及び配列番号11からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるペプチドを含む肝癌に対するペプチドワクチン組成物。
【請求項24】
配列番号12のアミノ酸配列からなるペプチドを含むC型肝炎ウイルスに対するペプチドワクチン組成物。
【請求項25】
配列番号13及び配列番号38から配列番号41のアミノ酸配列からなるペプチドを含むRSV(呼吸器多核体ウイルス)に対するペプチドワクチン組成物。
【請求項26】
請求項21に記載の組成物を対象に投与する段階を含む、インフルエンザAウイルス感染症の予防又は治療方法。
【請求項27】
請求項22に記載の組成物を対象に投与する段階を含む、癌の予防又は治療方法。
【請求項28】
請求項23に記載の組成物を対象に投与する段階を含む、肝癌(hepatocarcinoma)の予防又は治療方法。
【請求項29】
請求項24に記載の組成物を対象に投与する段階を含む、C型肝炎の予防又は治療方法。
【請求項30】
請求項25に記載の組成物を対象に投与する段階を含む、RSV(呼吸器多核体ウイルス)感染症の予防又は治療方法。


【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図8a】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図16e】
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【図16f】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18b】
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【図18c】
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【図18d】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図19d】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図21a】
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【図22b】
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【図23a】
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【図23b】
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【図23c】
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【図23d】
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【図23e】
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【図23f】
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【図24b】
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【図25d】
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【図26b】
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【図27b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図8f】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10c】
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【図10d】
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【図11c】
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【図13c】
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【図14c】
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【図17c】
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【図17d】
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【図18a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図21d】
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【図22a】
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【図24a】
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【図24c】
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【図24d】
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【図24e】
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【図24f】
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【図25a】
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【図25b】
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【図25c】
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【図25e】
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【図25f】
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【図26a】
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【図27a】
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【公表番号】特表2012−533534(P2012−533534A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520526(P2012−520526)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003879
【国際公開番号】WO2011/007961
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(512013488)インダストリー アカデミック コーポレーション ファウンデーション, ハルリム ユニバーシティー (1)
【Fターム(参考)】