説明

リポ酸のペッレット組成物

【課題】容易に調製できかつ長期安定性を有する新規なリポ酸系組成物を提供する。
【構成】少なくとも1種の親油性媒体に含有されるリポ酸又はその1種の塩のペッレットを含んで成る組成物。親油性媒体には、EPA及びDHA、魚油又はタラ肝油、ガンマリノレン酸などが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親油性媒体中のリポ酸のペッレットに基づく新規組成物に関し、この組成物は他の活性成分と組み合わせても良い。
【背景技術】
【0002】
チオクト酸としても知られるリポ酸(1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸)は、抗酸化活性を有し、例えば肝臓や胆道の疾患、種々の器官の神経障害、高コレステロール血症、脂質異常症、キノコ中毒、ガンなどの種々の病状の処置で使用されている。
【0003】
リポ酸はその化学物理的特性に起因して、多くの製剤上の問題点を有する。リポ酸は61から62℃の融点を有する黄色粉末で、特徴的でかつ「攻撃的な」臭いあるいは香りを有し、更にS−S結合が開裂して重合し、粘着性の接着剤を形成する傾向がある。これは、水には実質的に不溶で、エタノールには比較的良く溶ける。
【0004】
従って、リポ酸を含有する薬学的組成物を調製することは困難である。
【0005】
特許文献1は、リポ酸を含む多数の成分を有する栄養補助食品に関する。この文献では、リポ酸の前処理の記載はないので、粉末の形態でそのまま使用される。既述の通り、上述の重大な問題点に起因して、リポ酸の加工は困難で、リポ酸を含む組成物の安定性は保障されていない。更に前記用途の栄養補助食品中に多くの成分が含有されるため、前記リポ酸と前記多くの成分間で相互作用が起こり、この相互作用は、組成物の安定性を悪化させるだけでなく、リポ酸の主要な部分を劣化させ、その結果、力価が低下する。リポ酸の力価は、特許文献1に記載された製品を販売しているマーケットで評価され、そのリポ酸の量は、表示量より遥かに小さいことが分かり、リポ酸の劣化が証明された。前記劣化製品の品質や薬学的効果は知られていない。
【0006】
特許文献1は、リポ酸と、γ−リノレン酸及びセレン又はその誘導体の組み合わせも記載している。前記セレン又はその誘導体は、組成物の胃液耐性に必須であると考えられている。使用するγ−リノレン酸の濃度は表示されていないことに注意すべきである。前記酸は、該酸を、例えば9w/w%から40w/w%の種々の濃度で含む混合物として市販されるため、前記組成物中で実際に使用されるγ−リノレン酸の量は知ることができない。
【0007】
最近、本出願人は、新規なリポ酸系ペレットを特許請求する出願を行った(イタリア実用登録出願第MI2006A001024−PCT/FP2007/055124)。前記ペレットは、安定で、容易に調製でき、従って例えば安定して薬学的組成物、又は食品及び/又はダイエット食を調製できるよう被覆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許明細書第1325747号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解消し、容易に調製できかつ長期安定性を有する新規なリポ酸系組成物を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、リポ酸と他の活性成分を組み合わせに基づく、親油性環境で安定な組成物を提供することである。
【0011】
前記特許出願(イタリア実用登録出願第MI2006A001024−PCT/FP2007/055124)によるリポ酸を含むペレットは、親油性媒体中で特に安定であることが見出された。本発明者らは、この知見に基づいて、安定で、調製が容易でかつ数種の活性成分との組み合わせに適するリポ酸を含んで成る経口投与用組成物の探求を行い、これにより、成分間の相互作用及び化学反応を回避して、前記組成物の安定性の改良を試みた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、少なくとも1種の親油性媒体に含有されるリポ酸又はその1種の塩のペッレットを含んで成る組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における「リポ酸のペレット」は、リポ酸で被覆され、次いで更に第1の絶縁性ポリマー物質層及び胃液pHに耐性を有する第2の絶縁性ポリマー物質層で被覆された不活性な核から成る粒子を意味する。
【0014】
このようなペレットは、それぞれ2006年5月25日及び2007年5月25日に出願された前記イタリア実用登録出願第MI2006A001024及びPCT/FP2007/055124に記載されているので参照できるが、幾分か詳細な前記ペレットの説明を次に記載する。
【0015】
本発明のリポ酸は、どのような純度でも、ラセミ体、又はR及び/又はSの鏡像の形態にある。2つの鏡像体の混合物の使用は、どのような相互比例であっても、本発明に含まれる。
【0016】
本発明では、リポ酸の塩も使用できる。
【0017】
本明細書では、薬学的及び/又は栄養学的見地からみて受け入れられるならば、リポ酸は、その塩も含む。本明細書で示すリポ酸の量は、塩化されていない酸の形態である。
【0018】
本明細書の「親油性媒体」は、薬学的に受け入れられ又はどのような場合でも可食性である少なくとも1種の賦形剤又は少なくとも1種の親油性成分を示す。賦形剤又は親油性成分の混合物も使用できる。
【0019】
本発明の好ましい態様では、親油性媒体は、例えば抗酸化性又は脂肪の代謝を調節する性質である、ヒトや動物などの有機体に有益な性質を有する親油性成分である。
【0020】
その代わりに、前記親油性媒体は、必ず薬学的に受け入れられ又はどのような場合でも可食性である不活性媒体であることができ、該媒体の唯一の目的は、リポ酸及び他の活性成分及び添付物のキャリアとして機能することである。親油性媒体が、例えば食用油である不活性な親油性成分の場合、本発明の組成物は、更に少なくとも1種の他の活性成分を含むことが好ましい。
【0021】
本明細書の「活性成分」は、有機体に有益な活性を有する、単一分子又は異なった分子の混合物と認識できる成分、例えば薬剤又は栄養補助食品の成分である。
【0022】
本発明の好ましい態様では、親油性媒体は、EPA((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸及びDHA((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸)を含む。この場合、親油性媒体は、どんな場合でも薬学的に受け入れられかつ可食性である不活性な親油性成分、又はまさにその本質からEPA及びDHAを含んで成る親油性媒体である。
【0023】
本発明の好ましい態様では、親油性媒体は、魚油又はタラ肝油である。これらの油は、精製した形態でかつ特にEPA及びDHA中でオメガ3脂肪酸が富化した形態で購入できる。
【0024】
魚油又はタラ肝油は、EPA及びDHAを含み、オメガ3脂肪酸と呼ばれる多不飽和脂肪酸を含む。
【0025】
好ましい態様では、親油性媒体は、精製されかつオメガ3脂肪酸、特にEPA及びDHAが富化した魚油又はタラ肝油である。
【0026】
特に好ましい態様では、親油性媒体は、精製されたEPA及びDHA、一般にはオメガ3脂肪酸を含む。
【0027】
他の好ましい態様では、親油性媒体は、リノレン酸、特にガンマリノレン酸を含む。
【0028】
ガンマリノレン酸は、ALA又は18:3、ALAとも呼ばれる必須脂肪酸で、オメガ3脂肪酸ファミリの一員である。
【0029】
他の好ましい態様では、親油性媒体は、(リポ酸以外の)唯一の他の活性成分であるガンマリノレン酸を含むか、前述の他の活性成分(一般的にはオメガ3脂肪酸であるEPA,DHA、あるいは魚油又はタラ肝油である。
【0030】
「ガンマリノレン酸を含む親油性媒体」という表現は、ルリヂサオイル及び月見草油のような、ガンマリノレン酸が富化した野菜抽出物から誘導されるオイルを含む。
【0031】
他の好ましい態様では、親油性媒体は、ベンフォチアミンも含む。
【0032】
他の好ましい態様では、親油性媒体は、ガンマリノレン酸を含み、更にベンフォチアミンも含む。
【0033】
本発明の組成物は、前記した他の活性成分も含むことができる。該他の活性成分は、液体でも固体でも良い。
【0034】
従来技術に対して、本発明は非常に大きな利点を提供する。つまり加工しにくい高度に活性な物質であるリポ酸と、親油性媒体及び存在することのある他の物質間の相互作用を抑制する。実際、前記ペレットは、物理的な障壁を形状することにより、リポ酸を、他の成分から分離する。
【0035】
ペレットの使用と、その結果としてのリポ酸の他の物質からの分離は、組成物中の物質を高純度及び高濃度で使用することも可能にする。
【0036】
実際、ペレットを使用して物理的に分離すると、高純度の1又は2以上の親油性成分を使用することが可能になり、不活性な固体及び/又は液体中に成分を分散させて、組成物内の相互作用を制限する必要がなくなる。
【0037】
例えば、ガンマリノレン酸を本発明の組成物として採用する場合、痕跡量のビタミンE及びビタミンCなどの安定化剤を添加しあるいは添加なしに、市場で得られる最高純度(20%から40%あるいはそれ以上)に等しい濃度でオイル(通常、例えばルチジサ又はマツヨイグサの天然抽出物)中に含まれるガンマリノレン酸と使用することが可能である。
【0038】
リポ酸のペレットは、可能な組み合わせが、液体状態でかつ比較的高濃度で占有使用できる活性成分の使用を予測させる特別なケースでも非常に有用である。例示としてのみであるが、(親油性成分として上述したもの、つまり魚油、DHA、EPA及びガンマリノレン酸に加えて)マツヨイグサ油、ガンマリノレン酸の天然源、共役リノレン酸、アマニ油、ガンマトコフェロール、麻実油、トコトリエノール及びビタミン類を引用できる。
【0039】
高純度成分の使用は投与単位のサイズを特定範囲内に収めるために必要であると理解すべきである。実際、カプセルのサイズは、本発明の組成物を使用するための重要なパラメータと考えなければならない。不活性キャリア上に担持する場合に同じ量の成分を含むことが必要な場合と比較して、高純度液体成分を使用すると、カプセルを小さくできるため、同等の安定性の条件で高純度の活性成分を調剤する際に、使用可能なカプセルは小さくなる。
【0040】
前述の通り、好適に使用できるリポ酸のペレットは、MI2006A001024及び PCT/EP2007/055124に記載したものである。前記ペレットは、リポ酸で被覆され、次いでポリマー物質を隔離する第1層により、更に胃内pHに耐性を有する第2のポリマー層で被覆された不活性な核から成る粒子であることが好ましい。
【0041】
このような不活性な核は、スクロース、微結晶セルロース又は他の不活性な物質であることが好ましい。前記第1のポリマー層は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースで形成されることが好ましく、前記第2のポリマー層は、セルロースのエステル、ポリビニルアセテートフタレート、メタクリル酸とメタクリル酸エステルのコポリマー、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、Eudragit(登録商標)及びセラックから選択される1又は2以上の化合物を含んで成る。前述のペレットの調製プロセス及び得られる種々のタイプのペレットの詳細は、前記特許出願に記載されている。
【0042】
前記ペレットは5から60%のリポ酸、好ましくは約50%(w/w)のリポ酸を含むことが好都合である。
【0043】
使用するペレットは、1mm未満(1000ミクロン)の平均直径で使用されることが好ましく、これは非常に臨界的なパラメータであり、この直径で使用すると、ペレットが最終段階でゼラチン壁に偶発的に捕捉されて破壊したり含有量が減少する危険が最小化する。10から1000ミクロン、好ましくは300から600ミクロンのペレットを使用することが有利である。
【0044】
本発明の組成物は、例えば硬質又は軟質のゼラチンカプセルのような投与ユニットとして、調製することが有利であり、軟質のゼラチンカプセルの方が特に好ましい。
【0045】
軟質ゼラチンカプセルは、該カプセルを構成するマトリックス中に含まれる全ての成分を密閉保護した環境で保持できる。
【0046】
一般に、ゼラチンカプセルは、公知のように、同時に1又は2以上の充填システムを使用して充填できる。第1の場合、容量充填及び投与を行う前に、全ての成分が均一に溶解及び/又は懸濁した懸濁物及び/又は乳化物を調製すること、つまり単一のポンプを使用してペレットの懸濁物、親油性媒体及び予め調製され混合された他の物質を充填して均一性を確保し、これにより活性成分の必要とする容量の投与を可能にする。その代わりに、幾つかの充填システムを適用する場合には、2種類の別々のラインを使用してオイル状の成分と固体成分(ペレット又は粒子)をそれぞれ同期的に充填して、必要な投与量を確保することができる。
【0047】
本発明の投与ユニットは、例えば10から1000mgの、好ましくは100から800mgの、例えば200、300、400、500又は600mgのリポ酸を含むことができる。
【0048】
前記投与ユニット中の親油性媒体の量は異なっていても良く、例えばカプセルの場合は、カプセルのサイズに応じて、又親油性媒体が不活性であるときは、それに含まれる活性成分の濃度に応じて異なっても良く、これによりカプセル中に必要な投与量が得られる。
【0049】
その結果、親油性媒体が、ヒトや動物などの有機体に有益な性質を有する親油性成分であると、該成分は、従来の食事や治療で通常使用される量を存在させれば良い。この量は、1日に1回単一投与しても、複数の投与ユニットを投与しても良い。
【0050】
前述の通り、ペレットを使用すると、リポ酸と親油性成分との相互作用が防止され、特に純粋で効果的な形態で使用できる。
【0051】
例えば親油性媒体が魚油又はタラ肝油の場合、前記成分は、100から1000mg、好ましくは500から800mg、例えば400から600mg存在できる。
【0052】
魚油又はタラ肝油はEPA及びDHAを60%以上含むことが有利であり、両者の比は相対的に変化し、例えば約2:1の比である。
【0053】
親油性媒体がオメガ3脂肪酸、実質的にEPA及びDHAの混合物から成る場合、100から3000mgあるいはそれ以上の量で存在する。
【0054】
親油性成分がガンマリノレン酸を含む場合、該成分は1日当たり、約300から1000mg、例えば約400から600mg、例えば約500mgの純粋なガンマリノレン酸を摂取できる量を使用する。該量は、単一の投与ユニットに含まれていても、幾つかの投与ユニットに分割しても良い。
【0055】
前記投与ユニットは、1日1回又は数回、経口投与することが好ましい。本発明の組成物では、物理的な一体性を維持したまま、リポ酸のペレットを親油性媒体に分散する。このようにして得られる組成物は特に安定である。得られた組成物は、リポ酸のペレットと親油性媒体(1又は2以上の親油性成分から成る)の混合物である。
【0056】
特に好ましい態様では、本発明は、上述したリポ酸又はその塩のペレット、及び魚油,オメガ3脂肪酸及びそれらの混合物から選択される親油性成分を含む、ゼラチンカプセル(好ましくは軟質)の形態の組成物に関する。
【0057】
他の特に好ましい態様では、本発明は、上述したリポ酸又はその塩のペレット、及び必要に応じてベンフォチアミンと組み合わされたガンマリノレン酸である親油性成分を含む、ゼラチンカプセル(好ましくは軟質)の形態の組成物に関する。
【0058】
ベンフォチアミン及び他の固体活性成分を、本発明の組成物中に直接混合して添加できる。しかし、本発明の好ましい態様では、必要に応じて周知の活性添加物と組み合わせて粒状化した後に、ベンフォチアミン及び他の固体活性成分を使用する。
【0059】
好ましい態様では、本発明の組成物中で使用するリポ酸のペレットに類似する物理的性質(嵩密度及び流動性等)を有する粒子を形成する。これにより更に安定でより簡単に均質化できる組成物が得られる。
【0060】
本発明の組成物は、抗酸化性を有し、酸化的ストレス処理及びリポ酸の使用が示唆されている全ての病状に有用である。
【0061】
酸化的ストレス処理用薬剤の調製用に本発明の組成物を使用することは、本発明の他の対象である。
【0062】
セレンやその誘導体が存在しなくても、本発明の組成物は、有効で耐性が高いことが証明されている。
【0063】
本発明の組成物は、親油性環境下で安定な液状又は固体状の他の活性成分、好ましくは1又は2種の他の活性成分を含むこともできる。
【0064】
親油性媒体が存在するので、リポ酸のペレットと存在する他の活性成分間の相互作用が大きく減少し、組成物の安定性に非常に有利になる。リポ酸が被覆されたペレットの形態であることは、成分間の相互作用と劣化の危険を更に減少させる。このことは、例えば安定性が低く、溶解性が低く、及び/又は反応性が非常に高い活性成分の製剤を進展させる重要な技術的ステップである。
【0065】
液状又は固体状の前記他の活性成分は、例えば、前述した通り、親油性環境下で安定な、鎮痛剤、糖尿病性神経障害の処置の活性のある薬剤、肝保護剤、アルコール依存症予防に活性のある薬剤、化学療法により生じる酸化的ストレスの庇護療法に活性のある薬剤、アンジオテンシンIIのアンタゴニスト、ACE抑制剤、抗ウイルス性薬剤、抗腫瘍剤及び抗欝剤から選択される。
【0066】
活性成分は、例えばガバペンチン、プレガバリン、オルメサルタンカプトルリル、インターフェロン、アカムプロセート及びメゲストロールから選択される。
【0067】
本発明の組成物は、抗酸化性のある成分、例えばアセチルシステイン、アセチル−l−カルニチン、アルファ−トコフェロール(ビタミンE)アセテート、ベータ−カロテン、ビオチン、硼素、クロロフィル、クリシン、ヒカゲノカズラ属及びその抽出物、ココアフラボノイド、補酵素Q10、共役リノレン酸、銅、ファンリャン(huang lian)とも呼ばれるオウレン(Coptis chinensis)、クルクミノイド(curcuminoids)、ダイドゼイン(daidzeine)、グリシルリジンを含まない甘草及びその抽出物、ジメチルスルフォキシド、魚油一般(タラ、ニシン、マグロ、サケ等)、月見草油(ガンマリノレン酸の天然源であるマツヨイグサ)、亜麻仁油、フォレート(pholates)、ガンマ−トコフェロール、ニンニク、ゲニステイン、ゲルマニウム、高麗人参(ginseng)、グルコサミン、グルタミンのペプチド誘導体、グルタチオン、グリシン、グリシテイン、ぶどう種油、ぶどうプロアントシアニジン(grape proantocyanidines)、緑茶カテキン、ヴィオラ・トライカラー(パンジー)の抽出物又は部分、麻実油、ヘスペレチン、ヘスペリジン、ヒドロキシエチルルトシド、インドール−3−カルビノール、イノシト−ル6リン酸塩、ラクトフェリン、ラクツロース、l−アルギニン、l−カルニチン、l−システイン、l−ヒスチジン、l−メチオニン、l−チアニン、リコピン、マンガン、メラトニン、オオアザミ(marian thistle)(ミルクシスル(Sylibum marianum))の抽出物又は部分、ニコチンアミド、パンテチン、パントテン酸、プロポリス、かぼちゃの種、ピクノゲノール(松樹皮の抽出物)、ピルビン酸塩、クエルシチン(quercitine)、レスベラトロール(resveratrole)、リボフラビンビタミンB2、ルチン、セコイソラリシレシノール(secoisolariciresinol)、ジグルコシド(sdg)、サメ軟骨、大豆イソフラボン、大豆たんぱく質、スピルリナ、スルフォラファン(グルコラファニンの誘導体)、タウリン、チアミン(ビタミンB1)、トコトリエノール、ビンポセチン、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、小麦/モルト及びそれらの誘導体、血清蛋白質及び亜鉛も含む。
【0068】
本発明の組成物は、次の成分を含んでいても良い。L−アラニン、L−アルギニンHCL、L−シスチン、L−クレアチン、DL−フェニルアラニン、L−フェニルアラニン、L−アルギニン、L−イソロイシン、L−ヒスチジン、L−ヒスチジンHCL、L−ロイシン、L−リシンHCL、メラトニン、L−オルニチン、アルファ−ケトグルタレート、L−オルニチンHCl、L−プロリン、L−セリン、L−チロシン、L−トリプトファン、L−バリン、アセチルカルニチン、プロピオニルカルニチン、葉酸、ルテイン、ゼアキサンチン、米油、テルペン、トコフェロール、トコトリエノール、朝鮮人参、ガンマオリザノール、ポリコサノール、セラミド、センノシド、ポリビタミン錯体、糖、モルトデキストリン、フラボノイド、ヘスペリジン、ナリンジン、ジオスミン、ヘスペリジンメチルカルコン、トロキサルチン、リコペン、リスベラトロール、ヒドロスミン及びプロポリス。
【0069】
本発明の組成物は、例えば安定化剤や懸濁化剤のような公知の添加剤や賦形剤を含んでいても良い。
【0070】
本発明の組成物を含んで成る投与ユニットも、本発明の対象である。
【0071】
本発明の組成物及び投与ユニットは、当業者に周知な方法により調製できる。
【0072】
本発明の組成物は、種々の成分を混合することにより、例えば種々の成分を、選択された親油性媒体の加えることにより、調製できる。
【0073】
本発明の投与ユニットは、当業者に周知な技術を使用して、本発明の組成物を使用することにより調製できる。
【0074】
[実施例]
[調製1]
リポ酸ペレットの調製
リポ酸のペレットを、MI2006A001024及びPCT/EP2007/055124の記載に従って調製する。
【0075】
つまり、ペレットを、次の工程を通して調製する。
(i)リポ酸を不活性な核に塗布して、「活性な」核を得る。
(ii)この活性な核に、ポリマー絶縁物質層を塗布する。
(iii)工程(ii)で得られた活性被覆核に、第2のポリマー層を塗布する。
(iv)このようにして得られたペレットを乾燥し、回収する。
【0076】
使用物質及び操作の詳細は、前記文献及び前記特許出願中に記載されている。
【0077】
引き続く実施例では、活性成分(リポ酸)を50%w/w含むリポ酸のペレットを使用する。
【0078】
[実施例1]
ペレット状のリポ酸 300mg
魚油 500mg
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製する。
【0079】
[実施例2]
ペレット状のリポ酸 500mg
魚油 800mg
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製する。
【0080】
[実施例3]
ペレット状のリポ酸 400mg
オメガ3脂肪酸 200mg
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製する。
【0081】
[実施例4]
ペレット状のリポ酸 300mg
魚油 700mg
ガバペンチン 300mg
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製する。
【0082】
[実施例5]
ペレット状のリポ酸 300mg
魚油 700mg
プレガバリン 120mg
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製する。
【0083】
[実施例6]
ペレット状のリポ酸 300mg
魚油 700mg
ガバペンチン 300mg
補酵素Q10 30mg
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製する。
【0084】
[実施例7]
ペレット状のリポ酸 200mg
補酵素Q10 30mg
野菜油 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製する。
【0085】
引き続く実施例では、活性成分(リポ酸)を50%w/w含むリポ酸のペレットと、ガンマリノレン酸を活性成分の20及び40%の濃度で含む親油性媒体を使用する(全ての濃度はw/wで表示する)。
【0086】
[実施例8]
ペレット状のリポ酸 300mg
ガンマリノレン酸40% 312.5mg
安定化剤及び懸濁化剤 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製し、好ましくは1日4回摂取する。
【0087】
[実施例9]
ペレット状のリポ酸 400mg
ガンマリノレン酸40% 416mg
安定化剤及び懸濁化剤 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製し、好ましくは1日3回摂取する。
【0088】
[実施例10]
ペレット状のリポ酸 300mg
ガンマリノレン酸40% 625mg
安定化剤及び懸濁化剤 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製し、好ましくは1日4回摂取する。
【0089】
[実施例11]
ペレット状のリポ酸 400mg
ガンマリノレン酸20% 832mg
安定化剤及び懸濁化剤 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製し、好ましくは1日3回摂取する。
【0090】
引き続く実施例では、活性成分(リポ酸)を50%w/w含むリポ酸のペレットと、ガンマリノレン酸を活性成分の20及び40%の濃度及びベンフォタミン粒子を活性成分の50又は80%の濃度で含む親油性媒体を使用する(全ての濃度はw/wで表示する)。
【0091】
[実施例12]
ペレット状のリポ酸 300mg
ガンマリノレン酸20% 312.5mg
ベンフォタミン80% 62.5mg
安定化剤及び懸濁化剤 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製し、好ましくは1日4回摂取する。
【0092】
[実施例13]
ペレット状のリポ酸 400mg
ガンマリノレン酸40% 416mg
ベンフォタミン80% 83mg
安定化剤及び懸濁化剤 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製し、好ましくは1日3回摂取する。
【0093】
[実施例14]
ペレット状のリポ酸 300mg
ガンマリノレン酸20% 625mg
ベンフォタミン50% 100mg
安定化剤及び懸濁化剤 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製し、好ましくは1日4回摂取する。
【0094】
[実施例15]
ペレット状のリポ酸 400mg
ガンマリノレン酸40% 832mg
ベンフォタミン80% 133mg
安定化剤及び懸濁化剤 適量
を含む軟質ゼラチンカプセルを調製し、好ましくは1日3回摂取する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の親油性媒体に含有されるリポ酸又はその1種の塩のペッレットを含んで成る組成物。
【請求項2】
前記親油性媒体が、薬学的に受け入れられる及び/又は食用の親油性成分であり、不活性であるか、ヒトや動物の生命体に有益な性質を有していることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記親油性媒体が、抗酸化性を有する請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記親油性媒体が、EPA及びDHAを含む請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記親油性媒体が、魚油又はタラ肝油から選択される請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記親油性媒体が、精製した形態でかつオメガ3富化した魚油又はタラ肝油から選択される請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記親油性媒体が、精製した形態でかつEPA及びDHA富化した魚油又はタラ肝油から選択される請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記親油性媒体が、ガンマリノレン酸を含んで成る請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記親油性媒体が、ガンマリノレン酸を含んで成る請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
ベンフォチアミンを更に含んで成る請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
投与ユニットの形態である請求項1から10までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
ゼラチンカプセルの形態である請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
10から1000mgのリポ酸を含んで成る請求項11又は12に記載の組成物。
【請求項14】
100から800mgのリポ酸を含んで成る請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
100から1000mgの精製した形態の魚油又はタラ肝油を含んで成る請求項11から14までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
100から3000mgのEPA及びDHAの混合物を含んで成る請求項10から13までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
300から10000mgのガンマリノレン酸を含んで成る請求項11から14までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
ガバペンチン、プレガバリン、オルメサルタン、カプトプリル、インターフェロン、アカンプロセート及びメゲストロールから選択される活性成分も含んで成る請求項1から17までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
抗酸化性を有する活性成分も含んで成る請求項1から17までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
酸化的ストレスの処置のための薬剤を調製するために請求項1から19までのいずれか1項に記載の組成物を使用する方法。
【請求項21】
請求項1から19までのいずれか1項に記載の組成物を含んで成る投与ユニット。
【請求項22】
軟質ゼラチンカプセルである請求項21に記載の投与ユニット。

【公表番号】特表2011−500784(P2011−500784A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530581(P2010−530581)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002835
【国際公開番号】WO2009/053824
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(509002006)ラボラトリオ キミコ インテルナツィオナーレ ソチエタ ペル アツィオーニ (5)
【Fターム(参考)】