説明

リモコン信号変換機

【課題】複数の赤外線信号が輻輳することによって生ずるリモコン操作の誤動作を防止したリモコン信号変換機を提供する。
【解決手段】リモコン信号変換機50Aは、粘着体54によって、発光素子23が制御対象機器であるテレビ10の受光素子11に向かい合う位置に取り付けられる。発光素子23を囲むように配置された赤外線非透過体53によって、リモコン40からの赤外線信号Siiや、室内にあるリモコンやパソコン等からの赤外線信号Sinが、テレビ10の受光素子11に入射するのが遮られる。その結果、テレビ10の受光素子11には、発光素子23からの赤外線信号Sioだけが入射することになり、受光素子11における赤外線信号の輻輳を解消できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートコントローラから送信された赤外線信号を受信し、信号の内容を変換した後、制御対象機器に向けて再度赤外線信号を発信するリモコン信号変換機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般家庭で使用されるテレビジョン受像機(以下、テレビと略す)やDVDレコーダ、オーディオ機器などの家電製品は、赤外線を利用したリモートコントローラ(以下、リモコンと略す)を用いて、ユーザが離れた場所から操作を行うことが可能である。リモコンを用いることにより、電源のオン/オフや音量の調整、チャンネルのアップダウン、再生/停止などの操作を行うことができる。
【0003】
これらのリモコンでは、制御対象となる機器間での赤外線信号の干渉を防ぐため、機器毎に固有のコマンドを用いたり、機器によって異なった赤外線信号を使用するのが一般的である。この場合、専用のリモコンを用いてそれぞれの機器を操作する必要があるため操作が煩雑となり、また使用するリモコンの数も多くなる。
【0004】
これに対し、新たな機器を購入した場合に、その機器専用のリモコンではなく、使い慣れた従来のリモコンを引き続いて使いたいという要望がある。この要望に対応するため、リモコンから出力された赤外線信号の内容を、他の機器で解釈可能な赤外線信号の内容に変換して出力するリモコン信号変換機が考案されている(特許文献1参照)。
【0005】
以下、特許文献1に記載された従来のリモコン信号変換機について、図3を参照して説明する。
【0006】
図3に、外部装置30が外付けされたリモコン信号変換機20の構成、および制御対象機器であるテレビ10の構成を示す。リモコン信号変換機20には、受光素子21と受信変換部22、発光素子23と送信変換部24、および外部装置30とのインターフェイス25、26が内蔵されている。
【0007】
リモコン40を用いてテレビ10を操作する場合、リモコン40は、テレビ10の各操作に対応したコードを含むリモコン信号を生成する。しかし図3の例では、リモコン40で生成されるリモコン信号はテレビ10に対応していない。このため、リモコン40で生成されたリモコン信号は、リモコン信号変換機20でテレビ10に対応したリモコン信号に変換された後、テレビ10に向けて送信される。
【0008】
以下、図3を参照してリモコン信号の変換動作について簡単に説明する。ユーザがリモコン40のボタンを押下することにより所定の操作を指示した場合、リモコン40は、前記操作に対応したコードを含むリモコン信号を生成する。リモコン40は、生成したリモコン信号を発光素子41で赤外線信号Siiに変換する。赤外線信号Siiは、その後リモコン信号変換機20に向けて送信される。
【0009】
赤外線信号Siiは受光素子21で電気信号に変換される。受信変換部22は、受光素子21から出力された電気信号からリモコン信号を再生する。受信変換部22で再生されたリモコン信号は、インタ−フェイス25を介して外部装置30に転送される。
【0010】
外部装置30には、リモコン40で生成されるリモコン信号のコードと、テレビ10で解読可能なリモコン信号のコードとの対照テーブルが、あらかじめ格納されている。外部機器30は、受信変換部22で再生されたリモコン信号のコードを、テレビ10で解読可能なリモコン信号のコードに変換する。変換されたリモコン信号は、インターフェイス26を介して送信変換部24に転送される。送信変換部24は、リモコン信号を発光素子23で赤外線信号Sioに変換する。赤外線信号Sioは、その後テレビ10の受光素子11に向けて送信される。
【0011】
赤外線信号Sioは受光素子11で電気信号に変換される。受信変換部12は、受光素子11から出力された赤外線信号Sioからリモコン信号を再生する。制御部13はリモコン信号を解読し、ユーザがリモコン40で指示した動作を実現する。
【0012】
リモコン信号変換機20を用いることにより、リモコン40で生成されたリモコン信号を、テレビ10で解読可能なリモコン信号に変換できる。従って、新しいテレビに買い換える際にも、新旧のテレビに対応したリモコン信号のコードが外部装置30に格納されていれば、ユーザは、使い慣れた従来のリモコン40を用いてテレビ10の操作を行うことができる。
【特許文献1】特開2004−266498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
リモコン信号変換機20において、リモコン信号変換機20からの赤外線信号Sioと不要な赤外線信号がテレビ10の受光素子11に同時に入射して、信号の輻輳が生ずる場合がある。ここで不要な赤外線信号とは、リモコン40からの赤外線信号Siiや室内にある他のリモコンやパソコン等から発信された赤外線信号Sinをいう。
【0014】
この場合、受信変換部12において、それぞれの赤外線信号Sio、Sii、Sinから電気信号Sco、Sci、Scnが再生される。その結果、制御部13には、これらの信号が混在した信号Sco+Sci+Scnが入力される。
【0015】
信号SciおよびScnはリモコン信号Scoに対してノイズ成分となる。信号Scoの値に比べて信号SciおよびScnの値が十分小さければ、制御部13におけるリモコン信号の解読が正常に行われるため問題はない。しかし、信号Scoの値に比べて信号SciやScnの値が所定値以上になった場合、制御部13におけるリモコン信号の解読が正常に行われず、テレビ10がリモコン40の操作通りに動作しない等の不都合が生じる。
【0016】
従って本発明は、赤外線信号の輻輳によるリモコン操作の誤動作を解消できるリモコン信号変換機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明のリモコン信号変換機は、
リモートコントローラから送信された第1の赤外線信号を第2の赤外線信号に変換した後、この第2の赤外線信号を赤外線送信部から制御対象機器に向けて発信するリモコン信号変換機であって、
前記制御対象機器の赤外線受信部に前記赤外線送信部から発信された赤外線信号だけを入射させる遮光部材を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明のリモコン信号変換機において、前記遮光部材は赤外線を透過しない材料で作成されていることが好ましい。また前記制御対象機器に対し、前記遮光部材が粘着体を用いて取り付けられていることが好ましい。
【0019】
また本発明のリモコン信号変換機において、少なくとも前記赤外線送信部を内蔵する筐体を備え、前記遮光部材は、前記筐体を構成する複数の面のうち前記制御対象機器と対向する面に配置されていることが好ましい。また前記筐体は前記第1の赤外線信号を受信する赤外線受信部を更に内蔵し、前記赤外線受信部および前記赤外線送信部は、前記筐体の相対する一対の面に配置されていることが好ましい。
【0020】
なお本発明のリモコン信号変換機において、前記赤外線受信部で生成された第1のリモコン信号を第2のリモコン信号に変換して前記赤外線送信部に出力するコンバータが、前記筐体に内蔵されていてもよい。
【0021】
さらに、前記コンバータは、前記制御対象機器とは異なる第2の制御対象機器と接続され、かつ前記コンバータは、前記第2の制御対象機器で解読可能な第3のリモコン信号を生成するものであってもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、リモコン信号変換機から送信される赤外線信号だけが制御対象機器の赤外線受信部に入射するため、赤外線信号の輻輳によるリモコン操作の誤動作を確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施の形態1)
図1に、リモコン信号変換機50Aが制御対象機器であるテレビ10に取り付けられた状態における本発明の実施の形態1の構成を示す。なお、図中、従来技術を示す図3の構成と同一機能を有する部分には同一符号を付している。
【0024】
本実施の形態のリモコン信号変換機50Aは、赤外線受信部を構成する受光素子21と受信変換部22、赤外線送信部を構成する発光素子23と送信変換部24、およびコンバータ51を含む。これらの各部材はリモコン信号変換機50Aの筐体52に内蔵されている。更に受光素子21と発光素子23は、筐体52を構成する複数の面のうちの相対する一対の面に配置されている。なおコンバータ51は筐体52に内蔵されているため、図3に示すような外部装置を接続する必要はない。
【0025】
以下、まずリモコン信号変換機50Aを構成する各部の機能について説明する。受光素子21は、リモコン40から送信された赤外線信号Siiを電気信号に変換する。受信変換部22は、変換された電気信号からリモコン信号を再生する。コンバータ51には、リモコン40で生成されるリモコン信号のコードとテレビ10で解読可能なリモコン信号のコードとの対照テーブル、およびコード変換の処理手順に関するデータが格納されている。コンバータ51は、上記対照テーブルを参照し、あらかじめ定められた処理手順に従い、受信変換部22で再生されたリモコン信号のコードをテレビ10で解読可能なリモコン信号のコードに変換する。送信変換部24は、コンバータ51から出力されたリモコン信号を発光素子23で赤外線信号Sio(図示せず)に変換する。その後、赤外線信号Sioはテレビ10の受光素子11に向けて送信される。
【0026】
なお、リモコン信号変換機50Aの動作は、基本的に図3で説明した従来のリモコン信号変換機20と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0027】
次に、リモコン信号変換機50Aの構造について説明する。筐体52を構成する複数の面のうち少なくともテレビ10と対向する面には、発光素子23を囲むように遮光部材である赤外線非透過体53が設置されている。また赤外線非透過体53の外面には粘着性のある粘着体54が塗布されている。リモコン信号変換機50Aは、テレビ10に粘着体54を押し付けることにより、発光素子23が受光素子11に向かい合う状態で取り付けられる。
【0028】
図1に示すように、リモコン40から発信された赤外線信号Siiや室内にある他のリモコンやパソコン等から発信された赤外線信号Sinは、赤外線非透過体53によって、受光素子11に入射するのが遮られる。
【0029】
なお、粘着体54は、赤外線信号Sioの通過を妨げないように赤外線を透過する材料で作成されている。従って、赤外線信号SiiおよびSinのうちの一部が粘着体54を通過して受光素子11に到達する可能性がある。しかし、粘着体54の赤外線透過率や厚みを調整することにより、赤外線信号SiiおよびSinが受光素子11に到達するのを最小限に留め、実質的に赤外線信号Sioだけが受光素子11に入射するのと同様の状態を実現できる。
【0030】
この結果、受信変換部12で再生される信号には、赤外線信号Sioから変換されたリモコン信号Scoだけが含まれる。このため、制御部13においてリモコン信号Scoが誤って解読される恐れはない。
【0031】
上述したように、粘着体54は、赤外線信号Sioの通過を妨げないように赤外線を透過する材料で作成することが好ましいが、赤外線を透過しないか透過率が低い材料を用いることも可能である。ただしこの場合には、少なくとも発光素子23と受光素子11の間に開口を設けて、赤外線信号Sioの通過を確保する必要がある。
【0032】
なお、図3に示した従来のリモコン信号変換機20では、設置やテレビへの取り付けに関して特に配慮されていなかったため、リモコン信号変換機20をテレビ10に取り付けることが容易ではなかった。これに対し、本実施の形態では、赤外線非透過体53に塗布された粘着体54をテレビ10に押し付けることにより、リモコン信号変換機50Aをテレビ10に簡単に取り付けることができる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態によれば、テレビ10を買い換えた際にも、使い慣れた従来のリモコン40を引き続き使用することができる。また受光素子21と発光素子23は、筐体52の相対する一対の面に配置されており、筐体52は、粘着体54によって受光素子11を隠すような状態でテレビ10に貼りつけられている。したがって、ユーザはリモコン信号変換機50Aの存在を意識することなく、リモコン40をテレビ10に向け、従来と同様の方法で操作すればよい。
【0034】
なお、本実施の形態において、粘着体54を用いてリモコン信号変換機50Aをテレビ10に取り付けたが、必ずしもリモコン信号変換機50Aをテレビ10に取り付ける必要はない。リモコン信号変換機50Aを図示しない支持台に固定し、赤外線非透過体53をテレビ10に接した状態で保持する等の方法を採用してもよい。ただし、この場合は、外部から振動が加わったときに赤外線非透過体53とテレビ10の間に隙間ができ、この隙間から不要な赤外線信号が入る可能性がある。従って、リモコン信号変換機や支持台の設計に際しては、不要な赤外線信号の浸入を最小限に留め、実質的に赤外線信号Sioだけが受光素子11に入射する状態を実現するための工夫が必要である。例えば、赤外線非透過体53を一定の力でテレビ10に付勢する手段を設ける等である。
【0035】
(実施の形態2)
図2に、リモコン信号変換機が制御対象機器であるデジタルチューナに内蔵された本発明の実施の形態2の構成を示す。
【0036】
デジタル家電の普及に伴い、複数の機器間で機能を連携できるテレビやDVDレコーダなどが発売されている。このような機器では、機能連携を実現する手段として、LANやIEEE1394、HDMIなどの規格に準拠したインターフェイスが使用されている。従って、これらの規格に対応していない機器では機能連携を実現することができない。本実施の形態では、リモコン信号変換機のコンバータを、変換機が内蔵された第2の制御対象機器と接続することにより、これらの規格に非対応の機器において、機能連携を実現している。
【0037】
本実施の形態では、リモコン信号変換機50Bによって制御を行う第1の制御対象機器として、実施の形態1と同じくテレビ10を用いている。一方、リモコン信号変換機50Bを内蔵した第2の制御対象機器としてデジタルチューナ60を用いている。ただし、デジタルチューナ60は、テレビ10と異なり、インターフェイス55を介してリモコン信号変換機50Bのコンバータ51と接続されている。
【0038】
なお、図中、既述の構成と同一機能を有する部分には同一符号を付している。また図示しないが、実施の形態1と同様に、リモコン40を用いてテレビ10とデジタルチューナ60の操作を行っている。
【0039】
デジタルチューナ60は、リモコン信号変換機50Bの他に、システムLSI61、ROM62、RAM63およびチューナ64を備えている。システムLSI61はCPUやAVデコーダとして機能する。ROM62には、システムLSI61での処理に用いられるプログラムが格納されている。またRAM63は演算の際にデータを一時的に保存するために用いられる。
【0040】
端子65に入力されたテレビ信号の処理について簡単に説明する。チューナ64は、端子65に入力されたテレビ信号のうちユーザが選択したチャンネルのテレビ信号を復号する。システムLSI61は復号されたテレビ信号をデコードして映像音声信号を再生する。再生された映像音声信号は、出力端子66から外部に出力される。出力端子66は、矢印で示すようにテレビ10の入力端子14に接続されている。テレビ10は、リモコン40の指示に基づき、内蔵チューナからの映像音声信号、および入力端子14に入力されたデジタルチューナ60からの映像音声信号のいずれかを切り換えて出力する。
【0041】
リモコン信号変換機50Bの構成について簡単に説明する。受信変換部22および送信変換部24は基板56上に搭載されている。受信変換部22および送信変換部24とコンバータ51は、基板56上の配線ではなく、コードなどを用いて接続されている。また、実施の形態1と同様、粘着体54によって、リモコン信号変換機50Bの発光素子23とテレビ10の受光素子11が向かい合うように設置されている。なお、図2ではデジタルチューナ60とテレビ10が接した状態で配置されているが、発光素子23と受光素子11が向かい合うように設置されていれば、その他の部分については必ずしも接している必要はない。
【0042】
次に、リモコン信号変換機50Bおよびデジタルチューナ60の動作を説明する。最初にテレビ10とデジタルチューナ60の電源をオンにする際の動作について説明する。
【0043】
本実施の形態では、リモコン40(図示せず)として、テレビ10用のリモコンを用いている。ユーザがリモコン40に設けられた“電源オン”ボタンを押した場合、リモコン40は“電源オン”のコードを含むリモコン信号を生成し、リモコン信号変換機50Bに向けて赤外線信号を発信する。受信変換部22は、受光素子21で受信した赤外線信号からリモコン信号を再生する。
【0044】
コンバータ51には、リモコン40で生成されるリモコン信号のコードと、制御対象機器であるデジタルチューナ60およびテレビ10のそれぞれで解読可能なリモコン信号のコードとの対照テーブルならびに、コードの処理手順に関するデータが記憶されている。
【0045】
コンバータ51は、まず、これらのテーブルおよびデータに従い、受信変換部22で再生されたリモコン信号のコードを、デジタルチューナ60で解読可能なリモコン信号のコードに変換する。コンバータ51で変換された“電源オン”のリモコン信号は、インターフェイス55を介してシステムLSI61に転送される。
【0046】
システムLSI61は、転送されたリモコン信号のコードを解読して“電源オン”の指令を出力し、チューナ64やAVデコーダを駆動するための電源(図示せず)をオンにする。
【0047】
一方で、コンバータ51は、受信変換部22で再生された“電源オン”のリモコン信号と同一のリモコン信号を生成する。本実施の形態では、リモコン40としてテレビ10用のリモコンを用いているため、コンバータ51でこのような処理を行う必要がある。送信変換部24は、コンバータ51から出力されたリモコン信号を発光素子23で赤外線信号Sio(図示せず)に変換する。その後、赤外線信号Sioはテレビ10の受光素子11に向けて送信される。
【0048】
受信変換部12は、受光素子11で受信した赤外線信号Sioからリモコン信号Scoを再生する。制御部13は、受信変換部12から出力されたリモコン信号Scoを解読し、テレビ10の電源をオンにする。
【0049】
以上説明したように、リモコン40に設けられた“電源オン”ボタンを押すだけで、テレビ10およびデジタルチューナ60の両方の電源をオンにする操作が可能となる。
【0050】
次に、チャンネル選局を行う際の動作について説明する。例えば、ユーザが、リモコン40に設けられたチャンネル1の選局ボタンを押した場合、リモコン40(図示せず)は“チャンネル1選局”のリモコン信号を生成し、リモコン信号変換機50Bに向けて赤外線信号を発信する。
【0051】
受信変換部22は、受光素子21で受信した赤外線信号からリモコン信号を再生する。コンバータ51は、“電源オン”の処理と同様、あらかじめ定められた処理手順に従い、受信変換部22から出力されたリモコン信号のコードを、デジタルチューナ60が解読可能なリモコン信号のコードに変換する。
【0052】
コンバータ51から出力されたリモコン信号は、インターフェイス55を介してシステムLSI61に転送される。システムLSI61は、転送されたリモコン信号のコードを解読し、チューナ64に対してチャンネル1の選局指令を出力する。チューナ64は選択指令に従い、チャンネル1を選局する。
【0053】
一方で、コンバータ51は、リモコン40の“チャンネル1選局”のリモコン信号を、このリモコン信号に対応したテレビ10の“入力切り換え”のリモコン信号に変換する。送信変換部24は、コンバータ51から出力されたリモコン信号を発光素子23で赤外線信号Sio(図示せず)に変換する。その後、赤外線信号Sioはテレビ10に向けて送信される。
【0054】
テレビ10の受信変換部12は、受光素子11で受信した赤外線信号Sioからリモコン信号Scoを再生する。制御部13は、受信変換部12から出力されたリモコン信号Scoを解読し、テレビ10の入力を内蔵チューナの出力から端子14に接続されたデジタルチューナ60の出力に切り換える。
【0055】
以上説明したように、ユーザがリモコン40に設けられたチャンネル1の選局ボタンを押下するのみで、テレビ10の入力がデジタルチューナ60の出力に切り替わる動作と、デジタルチューナ60においてチャンネル1が選局される動作とを連携させることが可能となる。
【0056】
この際、赤外線非透過体53によって、リモコン40からの赤外線信号Siiが受光素子11に入射するのが遮られる。従って、リモコン40から発信されたチャンネル1を選択するリモコン信号により、誤ってテレビ10のチャンネル1が選択される事態を防止できる。
【0057】
デジタルチューナとテレビを接続して使用する場合、従来は、デジタルチューナとテレビの電源を別々に入れたり、テレビの入力を切り換えたりする等の煩雑な操作が必要であった。本実施の形態によれば、デジタルチューナがあたかもテレビに内蔵されているように取り扱うことができ、その操作も現在使用しているテレビのリモコンのみで可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明にかかるリモコン信号変換機は、リモコンを用いて機器の操作を行う際の信頼性を向上させるため、リモコンを用いて操作を行う多くの機器に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】リモコン信号変換機がテレビに取り付けられた状態を示す本発明の実施の形態1の構成図
【図2】リモコン信号変換機がデジタルチューナに内蔵された本発明の実施の形態2の構成図
【図3】従来のリモコン信号変換機の構成図
【符号の説明】
【0060】
10 テレビ
11、21 受光素子
14 入力端子
22 受信変換部
23、41 発光素子
24 送信変換部
50A、50B リモコン信号変換機
51 コンバータ
52 筐体
53 赤外線非透過体
54 粘着体
55 インターフェイス
56 基板
60 デジタルチューナ
61 システムLSI
62 ROM
63 RAM
64 チューナ
65 チューナ端子
66 映像音声出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートコントローラから送信された第1の赤外線信号を第2の赤外線信号に変換した後、この第2の赤外線信号を赤外線送信部から制御対象機器に向けて発信するリモコン信号変換機であって、
前記制御対象機器の赤外線受信部に前記赤外線送信部から発信された赤外線信号だけを入射させる遮光部材を備えたことを特徴とするリモコン信号変換機。
【請求項2】
前記遮光部材は赤外線を透過しない材料で作成されていることを特徴とする請求項1に記載のリモコン信号変換機。
【請求項3】
前記制御対象機器に対し、前記遮光部材が粘着体を用いて取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のリモコン信号変換機。
【請求項4】
少なくとも前記赤外線送信部を内蔵する筐体を備え、前記遮光部材は、前記筐体を構成する複数の面のうち前記制御対象機器と対向する面に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリモコン信号変換機。
【請求項5】
前記筐体は前記第1の赤外線信号を受信する赤外線受信部を更に内蔵し、前記赤外線受信部および前記赤外線送信部は、前記筐体の相対する一対の面に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のリモコン信号変換機。
【請求項6】
前記赤外線受信部で生成された第1のリモコン信号を第2のリモコン信号に変換して前記赤外線送信部に出力するコンバータが、前記筐体に内蔵されていることを特徴とする請求項4または5に記載のリモコン信号変換機。
【請求項7】
前記赤外線受信部で生成された第1のリモコン信号を第2のリモコン信号に変換して前記赤外線送信部に出力するコンバータは、前記制御対象機器とは異なる第2の制御対象機器と接続され、かつ前記コンバータは、前記第2の制御対象機器で解読可能な第3のリモコン信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のリモコン信号変換機。
【請求項8】
赤外線信号を送信する赤外線送信部と、赤外線を透過しない赤外線非透過体を具備することを特徴とするリモコン信号送信機。
【請求項9】
赤外線送信部と同一面に、粘着性のある物質が塗布されていることを特徴とする請求項8に記載のリモコン信号送信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−148081(P2008−148081A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333983(P2006−333983)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】