説明

リモコン入力システム

【課題】表示された複数画面の内の各画面を選択して操作する際に、誤りの無い各画面の選択と当該選択画面への操作指示とを同時に実行すること。
【解決手段】複数画面を表示する表示装置と、表示画面内又は外の領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備え、表示装置は、リモコンによって領域指示された位置を検出し、検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択し、リモコンによって操作指示された操作を判別し、画面選択の情報と判別した操作キー情報とに基づいて表示装置に対する制御を行い、画面選択は、表示画面外と表示画面内の1つの画面への2度の領域指示、または表示画面内の2つの画面への2度の領域指示による位置情報に基に1つの画面を選択する。また、表示画面外から表示画面内の1つの画面への継続する1度の領域指示、または表示画面内の複数画面への継続する1度の領域指示による位置情報に基に1つの画面を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン等の遠隔入力装置を用いて、テレビ、コンピュータあるいはスクリーンに像を投影する等の表示装置に対する画面の選択と選択された画面への操作指示とを行い得るリモコン入力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビなどの表示装置は高機能化してきており、それに伴い操作方法も複雑になってきている。その1つの例として、2画面表示が挙げられる。2画面表示にあたっては、その選択している画面や音声を切り替えるという操作が必要である。その従来技術として、リモコン上に画面切り替えキーを設け、画面を切り替える方法がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
図5は、リモコンを用いる場合の一般的な制御の流れである。特許文献1では、リモコン38に各画面を選択するキーや、チャンネルを選択するキーを備えている。各画面を操作(例えば選局操作など)するには、まず、画面選択キーを用いて、操作したい画面に対応するキーを押す。その信号は、例えば赤外線などを用いて送信される。リモコン受光部39ではリモコン38からの信号を受信し、リモコンキー判別部40でリモコン信号からリモコン38のどのキーが押されたのかを判別する。そして、システム制御部41ではリモコンキー判別部40からのキー情報(=画面選択情報)を受け取る。
【0004】
次に、ユーザは再度リモコン38を使用し、操作キーを用いて操作したい内容を入力する。リモコン受光部39ではリモコン38からの信号を受信し、リモコンキー判別部40でリモコン信号からリモコン38のどのキーが押されたのかを判別する。キー情報(=操作機能情報)はシステム制御部41へ伝えられ、表示部42、音声出力部43、またはその他制御対象部44を制御する。
【0005】
また、従来のリモコンにおいて、表示画面上を指示して座標を入力する機能とリモコン信号を送信する機能を同時的に送信するリモコンシステムが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2によると、第1及び第2の発光素子と回転スリットを備えたリモコンから表示画面に向かって回転スリット光を出射し、表示画面の周辺に配置された複数の受光素子で受光し、その受信タイミングから受光した中心点を検出するようになっていて、リモコンでダイレクトに表示画面上の座標を入力するとともに当該入力点への制御信号を送信するようになっている。
【特許文献1】特開平6−38130号公報
【特許文献2】特開平11−95911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示すような従来技術における複数画面表示の場合でリモコンを用いて各画面を操作するには、まず操作したい画面を選択し、その後、選択した画面に対して所望の操作(選局又は音声出力)をするという2つのステップが必要であり、時間がかかってしまうという課題がある。また、複数の画面が同時に表示されているため、ユーザにとってはどの画面を選択しているのか分かりづらいことがある。また、リモコンに画面の選択キーが設けられている場合、画面選択キーを探す手間がかかる。さらに、選択キーの分だけリモコンが大きくなってしまうという課題がある。特に、表示画面数が変化する場合には、リモコンの構成が複雑となってしまう。
【0007】
一方、特許文献2に示すような従来技術では、表示画面の指示と操作指示とを同時的に行い得るが、表示装置における複数画面の内のいずれか1つの画面を選択しようとするものではなく、したがって、複数画面の中の1つの画面を選択し且つ操作するような場合、表示画面とリモコンとの距離が遠いと、手ぶれなどにより誤った選択や操作をしてしまう虞がある。
【0008】
本発明の目的は、表示装置に表示された複数画面の内の各画面を操作する際に、各画面の選択と当該選択画面への操作指示とを同時並行して実行することのできる簡易で且つ誤動作のない構成を備えたリモコン入力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択する画面選択部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記画面選択部からの画面選択情報と前記キー判別部からの操作キー情報とに基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記画面選択部は、表示画面外と表示画面内の1つの画面への2度の領域指示、または表示画面内の2つの画面への2度の領域指示による位置情報に基づいて1つの画面を選択する構成とする。
【0010】
また、複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択する画面選択部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記画面選択部からの画面選択情報と前記キー判別部からの操作キー情報とに基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記画面選択部は、表示画面外から表示画面内の1つの画面への継続する1度の領域指示、または表示画面内の複数画面への継続する1度の領域指示による位置情報に基づいて1つの画面を選択する構成とする。
【0011】
また、複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択する画面選択部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記画面選択部からの画面選択情報と前記キー判別部からの操作キー情報とに基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記画面選択部は、表示画面内の複数画面に亘る回転軌跡の領域指示に伴う回転方向による位置情報に基づいて1つの画面を選択する構成とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、複数の表示画面の中の所望の一画面を操作する場合において、所望の表示画面の選択と操作とを同時に実行することができとともに、複数の表示画面の中の一画面を選択するに際して、画面選択の誤動作のないようにリモコン操作で指示することができる。
【0013】
さらに、テレビ等の表示装置とリモコンの距離が遠い場合でも、画面外の領域は広いため、手ぶれなどが生じても影響を受けにくく、所望の画面選択と操作指示を行うことができる。
【0014】
また、複数の表示画面にそれぞれ対応する選択キーをリモコンに設ける必要がないため、ユーザが選択キーを探す手間が省け、さらに、選択キーの設置分だけリモコン寸法を大きくしなければならないという不都合さをなくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態に係るリモコン入力システムについて、図1〜図4を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係るリモコン入力システムにおける表示部の領域と複数の表示画面の関係を示す説明図である。図2は本発明の実施形態に係るリモコン入力システムにおける表示画面の選択に関する説明図である。図3は本実施形態に係るリモコン入力システムにおける表示画面の選択と操作指示を実施する基本的構成を示すブロック図である。図4は本実施形態に係るリモコン入力システムにおける表示画面の選択と操作指示を実施する構成であって選択した表示画面毎に操作指示を割り当てる構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1〜図4において、1は表示部、2はリモコン、3は左右2画面表示時における左画面、4は左右2画面表示時における右画面、5,15はリモコン、6,16はリモコン受光部、7,17はリモコンキー判別部、8,18は指示位置検出部、9,21はシステム制御部、10は操作画面選択部、11,20は記憶装置、12,22は表示部、13,23は音声出力部、14,24はその他制御対象部、19は命令番号生成部、30は受光素子、をそれぞれ表す。
【0017】
まず、図1を用いて本発明の実施形態に係るリモコン入力システムにおける画面選択の概念について説明する。図1は表示部1における左右2画面表示の例である。リモコン2により、表示部1中央より左側の領域を指示すると左側の画面3が操作可能となり、表示部1中央より右側の領域を指示すると右側の画面4が操作可能となる。ここで、図1のように、例えば表示部1の右側の領域をリモコンで指示しながらリモコン上の選局キーを押すと、右側の画面4のみが選局される。なお、複数の表示画面中のいずれか1つの画面の選択手段については、図3に示す指示位置検出部8と操作画面選択部10、および表1を用いて後述する。
【0018】
次に、図2を用いて複数表示画面から1つの画面を選択する具体的な手法を説明する。前述した図1ではリモコン2からの赤外線の照射中心点(図示の黒丸)がどの領域(左又は右の領域)に位置指示されているかを受光部で検出することを表しているが(選択手法の概念を示す)、図2では複数表示画面から1つの画面を誤り無く選択する手法を表している。まず、本実施形態に関する一画面選択手法の概要を述べると、受像機における表示画面内又は表示画面外にリモコンを向けて操作画面を明示的に選択することによって、画面を選択するための領域指示と選択された画面への操作指示を同時に行えるリモコンシステムにおいて、画面選択のための領域指示に一定のアクションを追加することにより(リモコンによる所望領域への単なるスポット的な位置指示に加えて)、画面選択の誤動作を一層軽減することを特徴とするものである。
【0019】
具体例で説明すると、まず、リモコンによる赤外線照射点(照射点はスポットでは無くて或る程度の拡がりをもっている)を位置検出する受光素子は、図2に示すように表示画面の外枠の4隅に設置する。表示画面数が多い表示装置の場合には4隅に限らず外枠にそれ以上を配置してもよく、また、外枠に限らず表示画面の範囲内に受光素子を設置してもよい。また、上辺枠の中央部と下辺枠の両側部との3箇所設置でも良い。
【0020】
図2に示すように、例えば、左右の2画面表示のとき、左側の画面を選局したい場合、画面外の左側にリモコンを向けて選局のボタンを押し、次に画面内の中央よりも左側にリモコンを向けて選局のボタンを押す。この際、受像機ではリモコンが指示している領域(赤外線照射点は拡がりをもっている)を検出し、その指示領域が画面外の左側に続き画面中央より左の領域を選択したことが分かるので、このアクション(画面外の左側から左側画面への2つの領域指示)に基づいて、左側の画面が領域指示され、且つ選局の操作指示がされたことが分かる(後述する図3に示すリモコンキー判別部7によって)。なお、画面外の領域を指示するということは、外枠に設けられた受光素子が拡がりをもった赤外線を受光でき得る範囲内の領域である。
【0021】
ここで、画面外の左側の領域指示や左側画面の領域指示は、リモコンの照射光が拡がりをもっていること、並びに受光素子を複数個適宜に配置することで容易に検出することができる。従来技術のように、複数の表示画面中の特定の画面内のみを直接に領域指示すると、受像機とリモコンの距離が遠いと、手ぶれなどにより所望の画面を選択することが困難な場合がある。本実施形態では、所望の画面を選択するに際して、画面外の領域と表示画面内の一つの画面領域という2つの領域(位置)を指示することで、リモコンによる手ぶれを気にすることなく所望の画面を誤り無く選択することができる。また、左画面で一度クリック(照射)して画面外左側で再度クリックすることでも左画面の選択としてもよい。このように、受像機の表示画面における4つの外枠の外側を領域指示するということは、リモコンによる誤操作の無い照射に繋がり、また、外枠外側の指示に加えて表示したい画面領域を指示するという2つのアクションを実施することで所望画面の確実な選択に繋がる。
【0022】
また、右側画面の選択も同様の手法で誤動作を生じさせることなく可能である。さらに、上下の2画面の中の一画面の選択に際しても、上下の2点(画面領域への単一の指示によるのではなくて指示にアクションを伴うもの、すなわち、上辺枠外側指示と上画面指示の2点指示、または下辺枠外側指示と下画面指示の2点指示)による領域指示で画面選択できる。このように、外枠を跨いでその外側と内側との領域指示によって誤り無く所望画面を選択できる。このような指示の状況を図2において、(1)で示している。
【0023】
次に、2つのアクションによる領域指示で画面選択する他の手法として(外枠を跨いだ領域指示の他に)、左右画面において左側画面の選択を例にとると、第1に、右側画面を領域指示して(例えば、照射(クリック)して)次に左側画面を再度照射して領域指示することによって、左画面を選択することができる(単一の左画面の領域指示に比べて、リモコンの手ぶれによる誤操作が無く、かつ確実な画面選択が実施できる)。また、右画面の選択に際しては、同様に左画面の領域指示と右画面の領域指示とを順に実施すればよい。さらに、表示画面が上下左右の4つの画面からなる場合、左上の画面を選択する際には、まず右下の画面を領域指示して次いで左上画面を領域指示すればよい。このような指示の状況を図2において、(2)で示している。本実施形態では、以上のような2つの領域での指示(各領域にそれぞれ光照射する2アクション)によって所望の画面を選択しているが、その指示された領域は、適宜箇所に複数設けた受光素子の受光量の差異を検出することによって容易に確定することができる(従来技術を用いて)。
【0024】
次に、複数画面から1つの画面を選択するさらに他の手法として、1つのアクションによる領域指示による手法について説明する。左右画面において左側画面の選択を例にとると、まず、右側画面を領域指示して(例えば、選曲ボタンを押圧して赤外線照射しつつ)そのまま照射点を左側画面に移動した後に照射を終了することによって、すなわち1つのアクションで照射点が右画面から左画面に移動したことを検出することによって最終的に左画面を選択したとするものである。同様に、上下の2画面の内のいずれか1つの画面の選択においても、一つの画面の照射に引き続いてそのまま他の画面に照射を移すことによって、当該他の画面を選択することができる。さらに、上下左右の4つの画面表示において右下画面から左上画面に照射をシフト(対角線上の照射シフト)することによって、左上画面を選択することができる。対角線上の画面を領域指示することによって領域指示の検出を間違いなく実施することが可能である。また、表示画面の外枠の外側領域から内側の画面をドラッグアンドドロップすることでも画面選択することができる。
【0025】
次に、1つのアクションによる領域指示によって複数画面から1つの画面を選択する別の手法について説明する。この別の手法は図2において(3)に示すように、領域指示の回転軌跡を検出することによって行うものである。すなわち、左右画面の選択に際して、領域照射の回転軌跡が右回りの場合には右画面を選択することとし、左回りの場合には左画面を選択することであると規定しておいて、回転軌跡の回転方向を検出することによって、所望の画面を選択しようとするものである。回転方向の検出は、複数設けた受光素子からの受光の検知タイミングを元に周知技術を用いて実施することができる。
【0026】
以上のように、本実施形態では、リモコンによって複数画面の表示画面内または表示画面外の領域を指示し、且つ操作キー(例えば、選曲キー)を押圧することによって、画面の選択と操作を同時に行うことが可能となり、操作時間を短縮できる。また、表示画面外に向けた場合でも操作を行うことが可能なため、どの画面に対して操作を行うかユーザに対し明示的に示すことができる。さらに、テレビとユーザの距離が遠いような場合でも、表示画面外の領域は広いため、手ぶれなどが生じても影響を受けにくく、所望の操作を行うことができ、誤操作を軽減することができる。
【0027】
また、リモコンに画面の選択ボタンが設けられている従来例に比べ、ボタンを探す手間が省ける。また、選択ボタンがないのでその分だけリモコンが小型化できる。さらに、本実施形態の手法を用いて選択した画面にチャンネル表示するようにすることで所望画面の選択か否かを確認することができる。
【0028】
次に、図3を用いて本発明の実施形態に係るリモコン入力システムの構成について説明する。まず、ユーザはリモコン5により表示部(表示画面内又は表示画面外)の領域を指示し、かつ操作キー(例えば、選局キー、音声出力キーなど)を押す。その信号は、例えば赤外線などを用いて送信される。リモコン受光部6では、リモコン5からの信号を受信し、リモコンキー判別部7と指示位置検出部8に送信する。リモコンキー判別部7では、受信したリモコン信号から、リモコン5のどのキー(例えば、選局キー、音声出力キーなど)が押されたのかを判別し、システム制御部9にそのキー情報を送信する。
【0029】
一方、指示位置検出部8は、リモコン5がどの領域を指示しているかを検出し、操作画面選択部10に指示位置座標を示す信号を送信する。ここで、記憶装置11には、例えば表1のような指示領域に対する選択画面の判断基準を示す表(領域と選択画面との対応関係を示す表であり、図1に示す領域に対応するもの)を保持しておく。また、図2において、(1)の例で云えば、右下又は右上の受光素子30が或る程度の受光量を検知し、引き続き同一の受光素子が或る程度の受光量を検知すれば(左側の受光素子は閾値以下の受光であって領域指示されていないこととなる)、右画面が選択画面であるというテーブルを記憶装置が保持している。
【0030】
ここで、2アクションの領域指示の場合、画面外から画面内への2度のクリック(照射)であっても、右画面から左画面への(画面内での)2度のクリックであっても、それぞれに対応した複数受光素子の受光量検知によって選択画面を特定することができ、表にして記憶装置に保持しておく。また、照射のドラッグアンドドロップによる画面選択の場合、受光素子による受光量の切れ目が無い受光特性を利用し、各受光素子の受光量検知によって、選択画面を特定することができ、この受光特性と検知した受光量を元に選択画面を表にして記憶装置に保持しておく。さらに、右方向又は左方向の略円形状の回転軌跡による画面選択についても、各受光素子の受光量変化の時間推移を元に回転方向と選択画面に関する表を記憶装置に保持しておく。このようにして、リモコンからの照射についてのアクションを検知して記憶装置から該当する表を自動的に選定し、選択画面を選び出すことができる。
【0031】
このように、操作画面選択部10では、受け取った指示位置座標情報に基づき、記憶装置11中の表1(図1の場合)を参照し、選択すべき画面を決定する。画面選択情報は操作画面選択部10からシステム制御部9に送信される。
【0032】
システム制御部9では、操作画面選択部10からの画面選択情報と、リモコンキー判別部7からのキー情報(=操作機能情報)に基づき、表示部12、音声出力部13、またはその他の制御対象部14を制御する。
【表1】

【0033】
次に、図3に示した本発明の実施形態に係るリモコン入力システムの構成に対し、選択した画面に対応した命令を生成する機能を有することで、選択した領域ごとに操作機能を割り当てるようにした構成例が図4である。図4に示す構成によると、まず、ユーザはリモコン15により表示部(表示画面内に限らず表示画面外であってもよい)の領域を指示し、かつ操作キー(例えば、選局キー又は音声出力キー)を押す。リモコン受光部16では、リモコン15からの信号を受信し、リモコンキー判別部17と指示位置検出部18に送信する。リモコンキー判別部17では、受信したリモコン信号により、リモコン15のどのキーが押されたのかを判別する。そのキー情報は、命令番号生成部19へ送信される。
【0034】
一方、指示位置検出部18により、リモコン15がどのような領域を指示しているかを検出する。そして、指示位置検出部18から命令番号生成部19に指示位置座標を示す信号を送信する。ここで、あらかじめ表2のようなテーブルを得ておき、記憶装置20に保持しておく。表2は、図1に示す左右2画面表示のときの一例である。ここで、表2に記載する領域は、図2を用いて説明した2アクションの領域指示、1アクションの領域指示、又は回転軌跡の領域指示に対応させることができるものである。
【0035】
命令番号生成部19では、指示位置検出部18からの指示位置座標情報と、リモコンキー判別部17からのキー情報とを用い、さらに、記憶装置20中のテーブルを参照することによって、システム制御部21へ出力する命令番号(表2に示す命令番号を参照)を決定して送信する。システム制御部21では、命令番号生成部19からの命令番号(=操作機能情報)に基づき、表示部22、音声出力部23、またはその他の制御対象部24を制御する。すなわち、命令番号生成部19は、指示位置検出部18からの指示位置情報を表2に示す領域に当て嵌めるとともに、リモコンキー判別部17からのキー情報を表2に示すキー番号に当て嵌めることによって、表2で予め割り当てている命令番号を出力するように構成されるものである。そして、命令番号は表2に示す操作機能に対応していて、この操作機能を果たすようにシステム制御部21が制御するようになっている。
【表2】

【0036】
このように、選択した表示画面に対応した命令を生成する機能を備えることで、リモコンで指示した領域ごとに操作機能(画面を特定して当該画面への操作を指示する機能)を割り当てるようになっているので、表示画面ごとに信号の種類が異なる(例えば、外部入力や、オーディオ信号など)場合にも適切に対応することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態では、表示画面内の区切られた各領域を位置指示することに加えて、表示画面外の領域をも位置指示の対象とするものである。表示画面内の各領域は、図1に示すようにリモコン2からの赤外線の照射中心点(図示の黒丸)がどの領域に位置指示されているかをレベル閾値を利用して検出することができる(慣用の手段を用いて)。また、表示画面外の領域は、照射中心点が表示画面外にあるが赤外線の指向性の拡がりを利用し、その拡がり部分を表示画面の周辺領域(図2に示す外枠に設けられた受光素子30)で検出することで(或る表示画面周辺領域において、照射中心点は検出されないが照射拡がり部分は検出されることを利用して)、例えば、x>x1であることを検出することができる。この際、表示画面外をリモコンで位置指示する場合は、表示画面内の多数領域をそれぞれ区分する位置指示に比べて、赤外線照射位置の正確性はそれほど求められることはない。したがって、リモコンが表示画面から遠隔であっても手ぶれによる誤操作は少ないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係るリモコン入力システムにおける表示部の領域と複数の表示画面の関係を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係るリモコン入力システムにおける表示画面の選択に関する説明図である。
【図3】本実施形態に係るリモコン入力システムにおける表示画面の選択と操作指示を実施する基本的構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係るリモコン入力システムにおける表示画面の選択と操作指示を実施する構成であって選択した表示画面毎に操作指示を割り当てる構成例を示すブロック図である。
【図5】従来技術に関するリモコン入力システムにおける表示画面の選択と操作指示を行う構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
1 表示部
2 リモコン
3 左右2画面表示時における左画面
4 左右2画面表示時における右画面
5,15 リモコン
6,16 リモコン受光部
7,17 リモコンキー判別部
8,18 指示位置検出部
9,21 システム制御部
10 操作画面選択部
11,20 記憶装置
12,22 表示部
13,23 音声出力部
14,24 その他制御対象部
19 命令番号生成部
30 受光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択する画面選択部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記画面選択部からの画面選択情報と前記キー判別部からの操作キー情報とに基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記画面選択部は、表示画面外と表示画面内の1つの画面への2度の領域指示、または表示画面内の2つの画面への2度の領域指示による位置情報に基づいて1つの画面を選択する
ことを特徴とするリモコン入力システム。
【請求項2】
複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択する画面選択部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記画面選択部からの画面選択情報と前記キー判別部からの操作キー情報とに基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記画面選択部は、表示画面外から表示画面内の1つの画面への継続する1度の領域指示、または表示画面内の複数画面への継続する1度の領域指示による位置情報に基づいて1つの画面を選択する
ことを特徴とするリモコン入力システム。
【請求項3】
複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択する画面選択部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記画面選択部からの画面選択情報と前記キー判別部からの操作キー情報とに基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記画面選択部は、表示画面内の複数画面に亘る回転軌跡の領域指示に伴う回転方向による位置情報に基づいて1つの画面を選択する
ことを特徴とするリモコン入力システム。
【請求項4】
請求項1、2または3において、
前記画面選択部は、前記リモコンにより指示された領域と前記選択する画面との対応を表すテーブルを有する記憶装置を用いて前記画面選択情報を出力する
ことを特徴とするリモコン入力システム。
【請求項5】
複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報と前記キー判別部で判別された操作キー情報とに基づいて、選択された1つの画面に対する指示された操作命令を生成する命令生成部と、前記命令生成部からの操作命令に基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記命令生成部は、表示画面外と表示画面内の1つの画面への2度の領域指示、または表示画面内の2つの画面への2度の領域指示による位置情報に基づいて1つの画面を選択し、前記選択された1つの画面に対する指示された操作命令を生成する
ことを特徴とするリモコン入力システム。
【請求項6】
複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報と前記キー判別部で判別された操作キー情報とに基づいて、選択された1つの画面に対する指示された操作命令を生成する命令生成部と、前記命令生成部からの操作命令に基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記命令生成部は、表示画面外から表示画面内の1つの画面への継続する1度の領域指示、または表示画面内の複数画面への継続する1度の領域指示による位置情報に基づいて1つの画面を選択し、前記選択された1つの画面に対する指示された操作命令を生成する
ことを特徴とするリモコン入力システム。
【請求項7】
複数の画面を表示する表示画面をもつ表示装置と、前記表示装置の表示画面内領域または表示画面外領域への領域指示と操作指示を行うリモコンと、を備えたリモコン入力システムであって、
前記表示装置は、前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報と前記キー判別部で判別された操作キー情報とに基づいて、選択された1つの画面に対する指示された操作命令を生成する命令生成部と、前記命令生成部からの操作命令に基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記命令生成部は、表示画面内の複数画面に亘る回転軌跡の領域指示に伴う回転方向による位置情報に基づいて1つの画面を選択し、前記選択された1つの画面に対する指示された操作命令を生成する
ことを特徴とするリモコン入力システム。
【請求項8】
請求項5、6または7において、
前記命令生成部は、前記リモコンにより指示された領域と前記キー判別部からの操作キー情報と前記操作命令との対応を表すテーブルを有する記憶装置を用いて前記操作命令を出力する
ことを特徴とするリモコン入力システム。
【請求項9】
リモコンからの領域指示と操作指示を受けて、表示された複数の画面の内の1つの画面を選択するとともに指示された操作を行う表示装置において、
前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択する画面選択部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記画面選択部からの画面選択情報と前記キー判別部からの操作キー情報とに基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記画面選択部は、表示画面外と表示画面内の1つの画面への2度の領域指示、または表示画面内の2つの画面への2度の領域指示による位置情報に基づいて1つの画面を選択する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
リモコンからの領域指示と操作指示を受けて、表示された複数の画面の内の1つの画面を選択するとともに指示された操作を行う表示装置において、
前記リモコンによって領域指示された位置を検出する指示位置検出部と、前記指示位置検出部で検出された位置情報に基づいて1つの画面を選択する画面選択部と、前記リモコンによって操作指示された操作を判別するキー判別部と、前記画面選択部からの画面選択情報と前記キー判別部からの操作キー情報とに基づいて前記表示装置に対する制御を行う制御部と、を備え、
前記画面選択部は、表示画面外から表示画面内の1つの画面への継続する1度の領域指示、または表示画面内の複数画面への継続する1度の領域指示による位置情報に基づいて1つの画面を選択する
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−189423(P2007−189423A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5003(P2006−5003)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】