説明

リモコン装置及び操作キー制御方法

【課題】無効なキー操作が行われた際に消費する電力を極力抑え、かつ装置に加える改造点が少なく、また少量のコストで実施可能なリモコン装置を提供する。
【解決手段】テレビ装置等の電子機器に対してチャンネル指定等を行うためのリモコンコードを赤外線等を用いて発信するリモコン装置において、操作キーの操作が行われた際に、制御部は操作された操作キーが一つであるか、あるいは複数同時であるかを確認する。一つである場合は、操作キーに対応したリモコンコードを発信する。逆に操作された操作キーが複数同時である場合は、同時に操作された操作キーの組み合わせが有効な組み合わせであるかどうかの判定を行う。有効な組み合わせと判定された場合、その組み合わせに対応するリモコンコードが発信される。無効な組み合わせと判定された場合、リモコンコードを一切発信しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の操作を行うためのリモコン装置に関するものであり、特にリモコン装置において無効なキー操作が行われた場合における操作キー制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、テレビやビデオ等の電子機器の操作を行うための入力装置として、リモコン装置が広く普及している。リモコン装置を用いれば、ユーザーは電子機器から離れた場所から、電子機器の各種操作を行うことが可能である。近年、電子機器の高機能化に伴い、リモコン装置自体も複雑化する傾向にある。例えば近年普及しだしたHDDレコーダにおいては、通常の再生および録画機能の他に、録画した映像の編集やDVDメディアへのダビング、或いはジャンル指定による自動録画機能など、実に多様な機能を搭載しているものが多い。
【0003】
上記のような多様な機能を備えた電子機器を操作する場合、従来のような操作ボタン数の少ないリモコン装置では十分な操作性が得られない(容易に操作を行うことができない)という問題があった。そのため、機能の数が増えるのと比例して、リモコン装置に設けられる操作ボタンの数も増加する傾向があった。しかし操作ボタン数が増加することによりユーザーは直感的な操作を行うことが難しくなるため、操作性を低下させる要因となっていた。また、リモコン装置自体のサイズが大きくなると共に、操作ボタンに使用される部材数も増加するため、コストがかかるという問題もあった。
【0004】
上記のような比較的サイズの大きいリモコン装置においては、リモコン装置がなんらかの要因で無効なキー(ボタン)操作がなされた状態で放置される(例えばリモコン装置の上に本が載せられ、一部のボタンが押下された状態になる等)ことにより、入力状態(操作ボタンが押下された状態)が継続されてリモコンコードが延々と発信され、結果として電池(電源)が無駄に消耗されてしまうという問題が発生する可能性があった。
【0005】
上記の問題に関連して特許文献1においては、一定時間操作ボタンが継続して押下された場合に、リモコンコードを発信する赤外線LEDへ流す電流を抑えることにより、例えばリモコン装置の上に物が置かれたままで放置された場合においても電池の消耗を防止することが可能なリモコン装置が開示されている。
【0006】
上記の特許文献1のリモコン装置は、操作ボタンの押下によりリモコンコードを発信する手段に加え、リモコンコードの発信中に動作するカウンタを備えている。リモコンコードの発信が検出されるとカウンタの増加が開始され、あらかじめ定められた値を超過するまで監視を行う。監視中にリモコンコードの変化が検出された場合はカウンタを一旦リセットし、新たなリモコンコードについて監視を行う。カウンタが所定値を超えた場合、リモコンコードの発信の禁止を行うようにリモコンコード送出部の制御を行う。
【0007】
上記の特許文献1のリモコン装置によれば、同一操作ボタンが一定時間以上継続して押し続けられた場合にリモコンコードの発信を停止するので、赤外線LEDを点灯させる電流を無駄に消費することがないという効果がある。また、例えばリモコン装置の上に物が置かれたまま放置される等の状況になったとしても、電池がすぐ空になってしまうという弊害を防ぐことができる。
【特許文献1】特開平6−153281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記の特許文献1のリモコン装置では、同一操作ボタンが一定時間以上継続して押し続けられたかどうかを監視するための機構(例えばリモコンコード検出部、カウンタ等)を新たに設ける必要があった。このため、リモコン装置に加える改良点が多く、またコストもかかるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、無効なキー操作が行われた際に消費する電力を極力抑え、かつ装置に加える改造点が少ない、また少量のコストで実施可能な操作キー制御方法を備えたリモコン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明のリモコン装置は、
操作キーを備え、前記操作キーの操作が行われたことを検知した際に、前記操作キーに対応するリモコンコードを操作対象の電子機器に対して発信すること
を特徴とするリモコン装置であり、
前記操作キーによる操作が行われた際に、一度に操作された前記操作キーが単独であるか、或いは複数であるかを判定することと、
前記判定により、一度に操作された前記操作キーが複数であると判断された場合に、操作された各々の前記操作キーに対応するリモコンコードの発信を行わないこと
を特徴としている。
【0011】
この構成によると、テレビ装置等の電子機器に対してチャンネル指定等を行うためのリモコンコードを赤外線等を用いて発信するリモコン装置において、操作キーの操作(操作ボタン群の一部のボタンの押下等)が行われた場合において、制御部は操作された操作キーが一つ(単独)であるか、あるいは複数であるかを判定する。一つである場合は、操作キーに対応したリモコンコードを発信する。例えば、5チャンネルの操作キーが操作された場合は、テレビ装置の表示を5チャンネルに切り替えるためのリモコンコードを発信する。逆に操作された操作キーが複数である場合は、いかなるリモコンコードも発信しない。例えば、5チャンネルと7チャンネルの操作キーが同時に操作された場合、5チャンネルに切り替えるリモコンコードと7チャンネルに切り替えるリモコンコードとのいずれも発信しない。
【0012】
また、上記目的を達成するために本発明のリモコン装置は、
前記判定により、同時に操作された前記操作キーが複数であると判断された場合に、該リモコン装置の電源を停止させること
を特徴としている。
【0013】
この構成によると、同時に操作されたキーが複数である場合は、リモコン装置の電源を強制的に停止させ、いかなる操作も受け付けないようにする。再びリモコン装置の電源を起動させるには、例えば操作キーの一つである電源ボタンを押下するか、あるいは操作キーのいずれか一つを操作すること等により行われる。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明のリモコン装置は、
操作キーを備え、前記操作キーの操作が行われたことを検知した際に、前記操作キーに対応するリモコンコードを操作対象の電子機器に対して発信することと、
複数の前記操作キーがあらかじめ定められた組み合わせで同時に操作された場合に、各々の前記操作キーが単独で操作された場合のリモコンコードの発信を行なわず、前記組み合わせに対応したリモコンコードを発信することと、
前記組み合わせの組み合わせパターンが記憶部に記憶されていることと、
前記同時操作を検知した際に、検知した前記同時操作の内容が前記組み合わせパターンと一致するかを確認することと、
を特徴とするリモコン装置であり、
前記同時操作を検知し、かつ前記同時操作の内容が前記組み合わせパターンと一致しない場合において、操作された各々の前記操作キーに対応するリモコンコードの発信を行なわないこと
を特徴としている。
【0015】
この構成によると、テレビ装置等の電子機器に対してチャンネル指定等を行うためのリモコンコードを赤外線等を用いて発信するリモコン装置において、操作キーの操作が行われた際に、制御部は操作された操作キーが一つであるか、あるいは複数同時であるかを確認する。一つである場合は、操作キーに対応したリモコンコードを発信する。逆に操作された操作キーが複数同時である場合は、同時に操作された操作キーの組み合わせが有効な組み合わせであるかどうかの判定を行う。有効な操作キーの組み合わせは、あらかじめ記憶部に記憶されている。
【0016】
例えば、5チャンネル指定の操作キーと7チャンネル指定の操作キーが同時に操作された場合、この二つの操作キーは同じ機能(選局機能)を持っているため、機能が競合する。このため、有効な組み合わせとはみなされない。この場合、5チャンネルに切り替えるリモコンコードと7チャンネルに切り替えるリモコンコードとのいずれも発信されない。逆に例えば、5チャンネル指定の操作キーと機能キー(特定の操作キーと同時に操作することにより、特定の操作キーの機能を切り替えるキー)が押下された場合、有効な組み合わせとみなされ、5チャンネルの操作キーに設けられたもうひとつの機能(例えばチャンネル番号の表示機能等)を実施するためのリモコンコードが発信される。なおこの場合、5チャンネル指定の操作キーを単独で操作した場合のリモコンコード(5チャンネルに切り替えるためのリモコンコード)は発信されない。
【0017】
また、上記目的を達成するために本発明のリモコン装置は、
前記同時操作を検知し、かつ前記同時操作が前記組み合わせパターンと一致しない場合において、該リモコン装置の電源を停止させること
を特徴としている。
【0018】
この構成によると、同時に操作されたキーが複数である場合に、同時に操作された操作キーの組み合わせが有効な組み合わせであるかどうかの判定を行う。そして無効な組み合わせであるとみなされた場合に、リモコン装置の電源を強制的に停止させ、いかなる操作も受け付けないようにする。再びリモコン装置の電源を起動させるには、例えば操作キーの一つである電源ボタンを押下したり、あるいは操作キーのいずれか一つを操作すること等により行われる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第一の構成によれば、リモコン装置の操作キーの操作が行われ、かつ複数の操作キーが複数同時に操作された場合に、いかなるリモコンコードも発信しない。このため、例えばリモコン装置の上に誤って雑誌等の物が置かれ、複数の操作キーが操作状態のまま放置された場合においても、リモコンコードの発信を行わない。これにより、リモコン装置の誤動作を防ぐことができるとともに、不要なリモコンコードが発信し続けられることによる電池の無駄な消費を防止することが可能である。
【0020】
本発明の第二の構成によれば、同時に操作されたキーが複数である場合において、リモコン装置の電源を強制的に停止させ、いかなる操作も受け付けないようにする。このため、例えばリモコン装置の上に誤って雑誌等の物が置かれ、複数の操作キーが操作状態のまま放置された場合に、リモコン装置の電源を停止する。これにより、リモコンの誤動作を防ぐことができるとともに、リモコン装置に内蔵されている電池の無駄な消費を防止することが可能である。
【0021】
本発明の第三の構成によれば、リモコン装置の操作キーの操作が行われ、かつ複数の操作キーが複数同時に操作された場合において、同時に操作された操作キーの組み合わせが有効な組み合わせであるかどうかの判定を行う。有効な組み合わせである場合はリモコンコードの発信を行うが、無効な組み合わせの場合はいかなるリモコンコードの発信も行わない。このため、例えばリモコン装置の上に誤って雑誌等の物が置かれ、無効な組み合わせの操作キーが操作されたとしても、リモコンコードの発信を行わない。これにより、リモコンの誤動作を防ぐことができるとともに、不要なリモコンコードが発信し続けることによる電池の無駄な消費を防止することが可能である。
【0022】
本発明の第四の構成によれば、リモコン装置の操作キーの操作が行われ、かつ複数の操作キーが複数同時に操作された場合において、同時に操作された操作キーの組み合わせが有効な組み合わせであるかどうかの判定を行う。有効な組み合わせである場合はリモコンコードの発信を行うが、無効な組み合わせの場合はリモコン装置の電源を強制的に停止させ、いかなる操作も受け付けないようにする。このため、例えばリモコン装置の上に誤って雑誌等の物が置かれ、複数の操作キーが操作状態のまま放置された場合に、リモコン装置の電源を停止する。これにより、リモコンの誤動作を防ぐことができるとともに、リモコン装置に内蔵されている電池の無駄な消費を防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の第一の実施形態におけるリモコン装置について、図面を参照しつつ説明する。
[実施の形態1]
〈1−1.リモコン装置の内部構成について〉
ここで、本発明の第一の実施形態におけるリモコン装置1の電気回路システムの要部構成を、図1のブロック図を用いながら説明する。
【0024】
図1のブロック図に示すように、本発明のリモコン装置1は、少なくとも、制御部11、メモリ12、信号送出部13、ROM14、電源15、操作ボタン群16、および表示部17を含むように構成されている。
【0025】
制御部11は、リモコン装置1の各部材の駆動を有機的に制御することにより、リモコンコードの発信処理を統括制御するための中央処理装置である。また制御部11は、各装置(例えば後述する操作ボタン群16)の制御や状態監視(どの操作ボタンが押下されたか等)を行なうための中枢部分となっている。
【0026】
メモリ12は、リモコン装置1が保持する各種データを記憶する媒体であり、例えば書込可能なRAM(Random Access Memory)等により構成されている。メモリ12は、例えば制御部11によって処理される処理データや、後述する操作ボタン群16によりユーザーから受けた指示命令等を一時的に記憶しておくためのバッファメモリとしての役割を持つ。
【0027】
信号送出部13は、制御部11により指示されたリモコンコード(信号)を発信(送出)するための部材である。制御部11より発信命令を受信した信号送出部13は、指示された命令の内容をもとにリモコンコードの発信波形の作成を行う。リモコンコードは、例えば赤外線LED等を用いて外部電子機器(例えばテレビ装置本体部等)のコード受信部に対して発信される。
【0028】
ROM(Read Only Memory)14は、例えば制御部11を用いた各種処理(例えば経路検索処理等)を行うためのプログラムデータを記憶するための媒体であり、ユーザーは情報の読み出しのみが可能となっている。
【0029】
電源15は、リモコン装置1の各部材に対して電力を供給するための部材であり、例えばアルカリ乾電池やリチウムコイン電池等が用いられる。
【0030】
操作ボタン群16は、ユーザーが電子機器を遠隔操作(例えばチャンネルの選択や録画指示等)するための命令をリモコン装置1に対して入力するための入力インターフェースである。操作ボタン群16によるユーザー操作が検知されると、制御部11は前記ユーザー操作に対応するリモコンコードを発信するように、信号送出部13に対して命令を行う。
【0031】
表示部17は、リモコン装置1が保持する各種情報(例えば現在時刻、現在選択されているチャンネル番号等)をユーザーに対して表示するための出力用インターフェースである。表示部17は、例えばLCD(Liquid Crystal Display−液晶ディスプレイ)等を用いて情報の表示を行う。
〈1−2.リモコンコードの発信制御工程について〉
ここで、本発明のリモコン装置1におけるリモコンコードの発信制御処理の処理工程を、図2のフロー図と、図1及び図3のブロック図とを用いながら説明する。
【0032】
図2に示すように、制御部11が本発明のリモコン装置1に備えられた操作ボタン群16の一または複数のボタンの押下(キー操作)を検知することにより、本処理が開始される(S110)。操作ボタン群16の押下が検知されてない場合、制御部11は操作ボタン群16が押下されるまで継続して監視を行う。
【0033】
前記S110において操作ボタン群16が押下されたことを検知した制御部11は、押下されたボタンの数が単独であるか、或いは複数同時であるかの判断を行う(S120)。押下されたボタンが複数である(同時に二つ以上のボタンが押された)と判断された場合、次のS130の処理に移行する。逆に押下されたボタンが単独(押されたボタンは一つのみ)であると判断された場合、制御部11は押下されたボタンに対応するリモコンコードを、信号送出部13を用いて発信する(S135)。なお、押下された単独のボタンに対応するリモコンコードの発信処理の詳細は、従来技術と同様であるためここでは説明を省略する。
【0034】
前記S120の処理において、押下されたボタンが複数同時であると判断された場合、制御部11は押下された複数のボタンの組み合わせが有効な組み合わせであるかどうか(指示として意味をもつかどうか)の判断を行う(S130)。有効な組み合わせである場合、その組み合わせに対応したリモコンコードを発信する(S135)。無効な組み合わせである場合、リモコンコードの発信を行わず(S140)、本処理を終了する。
【0035】
上記処理の具体例について、図4を用いて説明する。図4は、テレビ装置に付随するリモコン装置1のボタン構成の一例を示したブロック図である。図4に示すように、本実施例のリモコン装置1は、操作ボタンAから操作ボタンFまでの六つの操作ボタンと、機能ボタンαとを備えている。
【0036】
操作ボタンAから操作ボタンFは、テレビ装置にて受信する放送のチャンネルを指定するため、チャンネル指定情報を含んだリモコンコードの発信を指示するためのボタンである。機能ボタンαは、単独で押下しても機能しない特殊なボタンである。機能ボタンαは、他ボタン(例えば操作ボタンA)と同時に押下することにより、他ボタンが単独で押下された場合とは異なるリモコンコードを発信させる働きを持つ。
【0037】
操作ボタンAから操作ボタンFのいずれかが単独で押下された場合、リモコン装置1は、テレビ装置に対して選局指示(受信する番組の指定)を行うためのリモコンコードを発信する。また、操作ボタンAから操作ボタンFのいずれかと機能ボタンαとが同時に押下された場合、操作ボタンAから操作ボタンFのいずれかが単独で押下された場合とは異なるリモコンコード(例えば番号情報表示、テレビ装置のオートオフ等を指示するためのリモコンコード)を発信する。なお、機能ボタンαが単独で押下された場合は、いかなるリモコンコードも発信されない。
【0038】
逆に操作ボタンAから操作ボタンFのいずれかのボタンが複数同時に押下された(例えば操作ボタンAと操作ボタンBが同時に押下された)場合、両ボタン共に同一の機能(チャンネル指定機能)をもつボタンであるため、二つの機能が競合する(どちらのチャンネルへの変更を指示するリモコンコードを発信すればよいか決定できない)状態となる。このため無効な操作とみなされ、いかなるリモコンコードの発信も行われない(両ボタンに対応するリモコンコードが発信されない)。
【0039】
次に、本発明の第二の実施形態におけるリモコン装置について、図面を参照しつつ説明する。
[実施の形態2]
〈2−1.リモコン装置の内部構成について〉
実施の形態1と同内容であるため、ここでは説明を省略する。
〈2−2.リモコンコードの発信制御工程について〉
ここで、本発明の第一の実施形態におけるリモコン装置1の発信制御処理の処理工程を、図2のフロー図と、図3及び図5のブロック図とを用いながら説明する。なお図4のフロー図に関しては、図2の処理フローと同内容の処理については同一の処理番号を付加している。
【0040】
図4に示すように、S110からS135までの処理については実施の形態1と同内容であるため、説明を省略する。S130の処理において、押下されたボタンの組み合わせが無効な組み合わせであると判断された場合、電源15からかく部材への電力供給を停止させ(S140)、リモコン装置1の各機能を停止させることにより本処理を終了する。
上記処理の具体例について、図5を用いて説明する。図5は、テレビ装置に付随するリモコン装置1のボタン構成の一例を示したブロック図である。図5に示すように、本実施例のリモコン装置1は、操作ボタンAから操作ボタンFまでの六つの操作ボタン、機能ボタンα、電源ボタンβ、及び表示部17を備えている。
【0041】
操作ボタンAから操作ボタンF、及び機能ボタンαの内容については、実施の形態1と同内容であるため説明を省略する。電源ボタンβは、リモコン装置1の電源15のON/OFFを行うためのボタンである。電源15がOFFとなっている間は、本リモコン装置の各装置部への通電が行われる、通常よりも少ない消費電力量となる。表示部17は、リモコン装置が保持する各種情報(現在時刻等)を表示するための液晶パネルである。
【0042】
操作ボタンAから操作ボタンFのいずれかが単独で押下された場合の処理、及び操作ボタンAから操作ボタンFのいずれかと機能ボタンαとが同時に押下された場合の処理は、実施の形態1と同内容であるためここでは説明を省略する。
【0043】
操作ボタンAから操作ボタンFのいずれかのボタンが複数同時に押下された(例えば操作ボタンAと操作ボタンBが同時に押下された)場合、両ボタン共に同一の機能(チャンネル指定機能)をもつボタンであるため、二つの機能が競合する(どちらのチャンネルへの変更を指示するリモコンコードを発信すればよいか決定できない)状態となる。このため無効な操作とみなされ、電源15から各部材への電力供給が停止される。電源15からの電力供給が停止された場合、電源ボタンβ除くいかなるボタンが押下されてもリモコン装置1は機能せず、従ってリモコンコードの発信も行われない。また、表示部17を用いた情報の表示も行われない。
【0044】
この状態において電源ボタンβの押下が検知されると、リモコン装置1は電源15から各部材への電力供給を開始し、ユーザーからのボタン操作を待ち受ける状態に移行する。なお、電源15からの電力供給が停止している状態において、電源ボタンβ以外のボタンが押下された場合においても電源15からの電力供給を開始するような処理方法をとってもよい。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0045】
例えば前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をリモコン装置1に供給し、そのリモコン装置1内のコンピュータ(例えばCPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0046】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が、前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0047】
なお、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0048】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0049】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0050】
また、本実施例では、複数の操作ボタンが同時に押下された場合に、その操作ボタンの組み合わせが有効か無効かの判断を行い、その結果に基づいてリモコンコード発信の実施或いは未実施を決定しているが、押下された操作ボタンが複数である場合、その組み合わせの内容に関わらず、無条件にリモコンコードの発信の制限を行う、あるいは電源の強制停止を行うようにしてもよい。
【0051】
また、本発明の制御方法が、リモコン装置以外の情報処理装置の操作部において用いられたとしても、同様の効果がえられることは言うまでもない。なお、リモコン装置以外の情報処理装置としては、例えば携帯電話、PDA、デジタルカメラなどが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のリモコン装置外部の要部構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施形態におけるリモコン装置によるリモコンコード発信処理の処理フロー図である。
【図3】本発明の第一の実施形態におけるリモコン装置外部の要部構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第二の実施形態におけるリモコン装置によるリモコンコード発信処理の処理フロー図である。
【図5】本発明の第二の実施形態におけるリモコン装置外部の要部構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0053】
1 リモコン装置
11 制御部
12 メモリ
13 信号送出部
14 ROM
15 電源
16 操作ボタン群
17 表示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作キーを備え、前記操作キーの操作が行われたことを検知した際に、前記操作キーに対応するリモコンコードを操作対象の電子機器に対して発信すること
を特徴とするリモコン装置であり、
前記操作キーによる操作が行われた際に、一度に操作された前記操作キーが単独であるか、或いは複数であるかを判定することと、
前記判定により、一度に操作された前記操作キーが複数であると判断された場合に、操作された各々の前記操作キーに対応するリモコンコードの発信を行わないこと
を特徴とするリモコン装置。
【請求項2】
前記判定により、同時に操作された前記操作キーが複数であると判断された場合に、該リモコン装置の電源を停止させること
を特徴とする請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
操作キーを備え、前記操作キーの操作が行われたことを検知した際に、前記操作キーに対応するリモコンコードを操作対象の電子機器に対して発信することと、
複数の前記操作キーがあらかじめ定められた組み合わせで同時に操作された場合に、各々の前記操作キーが単独で操作された場合のリモコンコードの発信を行なわず、前記組み合わせに対応したリモコンコードを発信することと、
前記組み合わせの組み合わせパターンが記憶部に記憶されていることと、
前記同時操作を検知した際に、検知した前記同時操作の内容が前記組み合わせパターンと一致するかを確認することと、
を特徴とするリモコン装置であり、
前記同時操作を検知し、かつ前記同時操作の内容が前記組み合わせパターンと一致しない場合において、操作された各々の前記操作キーに対応するリモコンコードの発信を行なわないこと
を特徴とするリモコン装置。
【請求項4】
前記同時操作を検知し、かつ前記同時操作が前記組み合わせパターンと一致しない場合において、該リモコン装置の電源を停止させること
を特徴とする請求項3に記載のリモコン装置。
【請求項5】
操作キーを備えたリモコン装置において、前記操作キーの操作が行われたことを検知した際に、前記操作キーに対応するリモコンコードを操作対象の電子機器に対して発信する発信工程
を有することを特徴とする操作キー制御方法において、
前記操作キーによる操作が行われた際に、一度に操作された前記操作キーが単独であるか、或いは複数であるかを判定する判定工程と、
前記判定工程において、一度に操作された前記操作キーが複数であると判断された場合に、操作された各々の前記操作キーに対応するリモコンコードの発信を行わない発信制限工程と、
を有することを特徴とする操作キー制御方法。
【請求項6】
前記判定工程おいて、同時に操作された前記操作キーが複数であると判断された場合に、該リモコン装置の電源を停止させる電源停止工程
を有することを特徴とする請求項5に記載の操作キー制御方法。
【請求項7】
操作キーを備えたリモコン装置において、前記操作キーの操作が行われたことを検知した際に、前記操作キーに対応するリモコンコードを操作対象の電子機器に対して発信する単独キー発信工程と、
複数の前記操作キーがあらかじめ定められた組み合わせで同時に操作された場合に、各々の前記操作キーが単独で操作された場合のリモコンコードの発信を行なわず、前記組み合わせに対応したリモコンコードを発信する複数キー発信工程と、
記憶部より前記組み合わせの組み合わせパターンを読み出す読み出し工程と、
前記同時操作を検知した際に、検知した前記同時操作の内容が前記組み合わせパターンと一致するかを確認するパターン確認工程と、
を有することを特徴とする操作キー制御方法であり、
前記同時操作を検知し、かつ前記同時操作の内容が前記組み合わせパターンと一致しない場合において、操作された各々の前記操作キーに対応するリモコンコードの発信を行なわない発信制限工程
を有することを特徴とする操作キー制御方法。
【請求項8】
前記同時操作を検知し、かつ前記同時操作が前記組み合わせパターンと一致しない場合において、該リモコン装置の電源を停止させる電源停止工程
を有することを特徴とする請求項7に記載の操作キー制御方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−174042(P2007−174042A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366219(P2005−366219)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】