説明

リモコン装置

【課題】片手で掴んだとき手になじみ易く、片手操作が容易なリモコン装置10,50,60を提供することを目的とする。また、誤操作を防止できるとともに操作ボタンの押圧操作もし易いリモコン装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ケース20の平面視形状をくびれ部25,26を有する略瓢箪形に形成するとともに、頭部23及び胴部24の横断断面形状を楕円形にしてケース20全体が丸みを帯びた形状とする。また、ケース20を裏返してテーブル等に置いたときテーブル等に当たり易い帯状頂部27のボタン穴29,30,31にはプッシュボタン35,38,40,42がケース20表面から突出しないように装着し、プッシュボタン35,38,40,42がテーブル等に当たって誤操作が生じるのを防止する。テーブル等に当たり難い裾部28に配置したプッシュボタン39,41はボタン穴32,33から突出するように装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線、光、音波等の電磁信号を送信してテレビ、ビデオ、エアコン等の電子機器をリモートコントロールするリモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リモコン装置の一形式として、実開平4−29289号公報には、平面視長方形のケースの表面に複数個のボタン穴を配列し、各ボタン穴にプッシュ式操作ボタンを装着し、ケースの前面に各操作ボタンに対応した電磁波信号を送信する送信部を設けたリモコン装置が開示されている。
【0003】
このリモコン装置では、ケースを裏返してテーブル等に置いたとき、操作ボタンがテーブル表面に当たって押され、誤操作が発生するのを防止するため、操作ボタンの表面がケース表面から突出しないように全操作ボタンをボタン穴に装着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−29289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来のリモコン装置はケースの平面視形状が長方形であるが、この形状は片手で掴んだとき手になじみにくく、リモコン装置を片手で取り扱ううえで使い勝手が悪い。
【0006】
また、誤操作防止のため、全操作ボタンをケース表面から突出しないようにボタン穴に装着しているため、操作ボタンの押圧操作がし難い。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑み、片手で掴んだとき手になじみ易く、片手操作が容易なリモコン装置を提供することを目的とする。
また、誤操作を防止できるとともに操作ボタンの押圧操作もし易いリモコン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、ケースの表面に複数個のボタン穴を配列し、各ボタン穴にプッシュ式操作ボタンを装着し、ケースの前面に各操作ボタンに対応した電磁波信号を送信する送信部を設けたリモコン装置であって、
ケースの平面視形状を前面に前記送信部を有する頭部と、胴部及び頭部と胴部の両側面を接続するくびれ部からなる略瓢箪形に形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリモコン装置において、頭部及び胴部の横断面形状を略楕円形に形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のリモコン装置において、前記頭部及び/又は胴部の側面にくびれ部を形成してケースの平面視形状を多段の瓢箪形に形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載のリモコン装置において、前記ケースの表面の縦中心線に沿って帯状頂部を形成するとともに、帯状頂部の両側に頂部からケース側縁へと下降する裾部を形成し、
ボタン穴のうち帯状頂部に配置したボタン穴には操作ボタンの表面がケース表面と面一になるか又はケース表面からケース内側へ引き込むように装着し、
ボタン穴のうち裾部に配置したボタン穴には操作ボタンの表面がケース表面から外側へ突出するように装着したことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載のリモコン装置において、
前記ケースの表面の縦中心線に沿って帯状頂部を形成するとともに、帯状頂部の両側に頂部からケース側縁へと下降する裾部を形成し、
ボタン穴のうち帯状頂部に配置したボタン穴に装着した操作ボタンの所要押圧操作力を、 ボタン穴のうち裾部に配置したボタン穴に装着した操作ボタンの所要押圧操作力より大きく設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ケースの平面視形状をくびれ部を有する略瓢箪形としたので、ケースを片手で掴むとき手になじみ易く、使い勝手が良い。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、頭部及び胴部の横断断面形状を楕円形にしたので、瓢箪形の平面視形状と相俟ってケース全体が丸みを帯びた形状となる。このため、より一層手になじみ易くなる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、ケースに複数のくびれ部を形成したので、より一層手になじみ易くなる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、ケースを裏返してテーブル等に置いたとき、帯状頂部は下方に突出しているのでテーブルに当たり易いが、裾部は帯状頂部からケース側縁へと上昇しているので、テーブルに当たり難い。
しかして、テーブル等に当たり易い帯状頂部のボタン穴には操作ボタンがケース表面から突出しないように装着するので、テーブル等に置いたとき帯状頂部に配置されている操作ボタンがテーブルに当たって誤操作が生じるのを防止できる。一方、テーブルに当たり難い裾部に配置した操作ボタンはボタン穴から突出するように装着したので、通常の押圧操作がし易く、使い勝手が良い。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、テーブル等に当たり易い帯状頂部に配置したボタンの所要押圧操作力を裾部に配置したボタンの所要押圧操作力より大きくしたので、テーブルに帯状頂部のボタンが当たっても衝撃が所要押圧操作力より軽ければ誤作動しない。一方、テーブルに当たり難い裾部に配置した操作ボタンの所要押圧操作力は帯状頂部の操作ボタンの所要押圧操作力より小さいので、押圧操作がし易く、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施例に係るリモコン装置を示す斜視図である。
【図2】同リモコン装置を示す側面図である。
【図3】同リモコン装置を示す正面図である。
【図4】図1の4−4線から切断した一部破断断面図である。
【図5】図1の5−5−線から切断した一部破断断面図である。
【図6】図1の6−6線から切断した一部破断断面図である。
【図7】本発明の第2実施例に係るリモコン装置を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るリモコン装置を示す一部破断断面図である。
【実施例1】
【0019】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1〜図6には本発明の第1実施例に係る赤外線式リモコン装置が示されている。当該リモコン装置10はテレビ、ビデオ、エアコン等の電子機器の受光部に赤外線を照射してその作動を制御するものであり、赤外線の発信に必要な制御回路を内蔵するケース20を備えている。
【0020】
このケース20はアッパケース21とロアケース22を合体して構成され、丸みを帯びた頭部23、頭部23と略同大の丸みを帯びた胴部24及び頭部23の側面と胴部24の側面を接続する左右両側縁をケース内側へ窪ませて形成して、くびれ部25から成る平面視瓢箪形に形成されている。図3に示すように頭部23の前端面には赤外線を電子機器に向けて照射する送信窓23aが設けられている。
【0021】
図4及び図5に示すように頭部の横断断面形状及び胴部の横断断面形状は略楕円形に形成されている。また、このケース20の裏面には図2及び図6に示すように頭部23と胴部24の接続部をケース20の内側へ窪ませて形成した、くびれ部26が形成されている。
【0022】
ケース20表面には、その縦中心線(図1の6−6線)に沿って頭部23から胴部24へと延びる帯状の頂部27(図1の2点鎖線参照)が形成されるとともに、帯状頂部27から頭部23の側縁及び帯状頂部27から胴部24の側縁へと下降する裾部28が形成されている。
【0023】
頭部23の帯状頂部27には大径ボタン穴29が形成され、胴部24の帯状頂部27に小径ボタン穴30と楕円形ボタン穴31が形成されている。頭部23と胴部24の中間部には横長ボタン穴32が形成されている。頭部23の裾部28と胴部24の裾部28には小径ボタン穴33が形成されている。また、胴部24の下端部にはストラップ穴34が形成されている。
【0024】
大径ボタン穴29には皿状のプッシュボタン35が装着されている。この皿状プッシュボタン35はヘッド形状が扇形の4個のプッシュボタン36とその中心に形成されたヘッド形状が円形のプッシュボタン37から成り、これらプッシュボタン36,37は軟質プラスチックで成形されている。
【0025】
横長ボタン穴32の中央にはヘッド形状が4角形のプッシュボタン38と、その両側にヘッド形状が横長半円形のプッシュボタン39が装着されている。これらプッシュボタン38,39は軟質プラスチックで成形されている。また、帯状頂部27の小径ボタン穴30と裾部28の小径ボタン穴33にはそれぞれヘッド形状が円形のプッシュボタン40とプッシュボタン41が装着されている。楕円形ボタン穴31にはヘッド形状が楕円形のプッシュボタン42が装着されている。
【0026】
図4、図5及び図6に示すように、帯状頂部27のボタン穴29,30,31に装着したプッシュボタン36,37,40,42及び横長ボタン穴のプッシュボタン38,39のうち帯状頂部28に配置されているプッシュボタン38はいずれもヘッド部36a,37a,38a,40a,42aの表面がケース20の表面と面一若しくはケース20内側へ僅かに引っ込むように取り付けられている。一方、裾部28のボタン穴33に装着したプッシュボタン41のヘッド部41a及び横長ボタン穴のプッシュボタン38,39のうち裾部28に配置されたプッシュボタン39のヘッド部39aの表面がケース20の表面から突出するように取り付けられている。
【0027】
プッシュボタン36,37,38,40,42のヘッド部36a,37a,38a,40a,42aの裏面にはプッシュロッド36b,37b,38,40b,42bが一体成形され、各プッシュロッド36b,37b,38,40b,42bが基板に固着したタクトスイッチ43に対向している。同様に、プッシュボタン41の裏面にもプッシュロッド41bが設けられ、タクトスイッチ43に対向している。プッシュボタン36,37,38,40,41,42を押圧操作するとプッシュロッド36b,37b,38,40b,41b,42bによってタクトスイッチ43が押圧され、プッシュスイッチ36,37,38,40,41,42に対応した赤外線信号が送信窓23aから電子機器に向けて照射される。
【0028】
本実施例に係るリモコン装置10の概略構造は以上の通りであって、ケース20の平面視形状をくびれ部25,26を有する略瓢箪形に形成するとともに、頭部23及び胴部24の横断断面形状を楕円形にしたので、ケース20全体が丸みを帯びた形状となる。このため、片手で掴み易く使い勝手が良い。
【0029】
また、ケース20を裏返してテーブル等に置いたとき帯状頂部27は下方へ突出しているので、テーブル等に当たり易いが、裾部28は帯状頂部27からケース20側縁へと上昇しているので、テーブル等に当たり難い。
【0030】
しかして、テーブル等に当たり易い帯状頂部27のボタン穴29,30,31にはプッシュボタン35,38,40,42がケース20表面から突出しないように装着されているので、テーブル等に置いたとき帯状頂部27に配置されているプッシュボタン35,38,40,42がテーブル等に当たって誤操作が生じるのを防止できる。一方、テーブル等に当たり難い裾部28に配置したプッシュボタン39,41はボタン穴32,33から突出するように装着したので、通常の押圧操作がし易く、使い勝手が良い。
【実施例2】
【0031】
次に本発明の第2実施例に係るリモコン装置を図7に示す。当該リモコン装置50には、頭部23と胴部24の中間部に形成した、くびれ部25に加えて、頭部23と胴部24にも2点鎖線で示すようにくびれ部51,52を形成して、ケース20を平面視多段の瓢箪形に形成している。なお、他の構成は実施例1のリモコン装置と同じであるので、説明を省略する。
このように、頭部23や胴部24の側面にくびれ部51,52を形成してケース20の平面視形状を多段の瓢箪形に形成すれば、より一層手になじみ易くなる。
【実施例3】
【0032】
本発明の第3実施例に係るリモコン装置60を図8に示す。当該リモコン装置60では、ボタン穴のうち帯状頂部27に配置したボタン穴30,31に装着したプッシュボタン61,62も裾部28のボタン穴33に装着したプッシュボタン41も、また横長ボタン穴32の中央に配置した4角形のプッシュボタン63もケース20の表面から突出するように取り付けられている。一方、帯状頂部27に配置したプッシュボタン61,62,63の所要押圧操作力は、裾部28に配置したプッシュボタン39,41の所要押圧操作力より大きく設定されている。すなわち、帯状頂部27のプッシュボタン61,62,63に対向するタクトスイッチ64の材質は裾部28に配置したプッシュボタン39,41や皿状プッシュスイッチ35に対向するタクトスイッチ43より若干硬質のプラスチック材料で成形されている。そのため、所要押圧操作力は帯状頂部27のプッシュボタン61,62,63のほうが裾部28のプッシュボタン39,41や皿状プッシュボタン35より大きい。
その他の構成は第1実施例に係るリモコン装置と同じであるので、説明を省略する。
【0033】
本実施例に係るリモコン装置60によれば、ケース20を裏返してテーブル等に置いたとき、テーブル等に当たり易い帯状頂部27に配置したプッシュボタン61,62,63の所要押圧操作力を裾部28に配置したプッシュボタン39,41の所要押圧操作力より大きくしたので、テーブル等に帯状頂部27のプッシュボタン61,62,63が当たっても衝撃が所要押圧操作力より軽ければ誤作動しない。一方、テーブル等に当たり難い裾部28に配置したプッシュボタン39,41の所要押圧操作力は帯状頂部27のプッシュボタン61,62,63の所要押圧操作力より小さいので、押圧操作がし易く、使い勝手が良い。
【符号の説明】
【0034】
10,50,60…リモコン装置
20…ケース
23…頭部
23a…送信窓
24…胴部
25,26…くびれ部
27…帯状頂部
28…裾部
29,30,31,32,33…ボタン穴
35,36,37,38,39,40,41,42,61,62,63…プッシュスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの表面に複数個のボタン穴を配列し、各ボタン穴にプッシュ式操作ボタンを装着し、ケースの前面に各操作ボタンに対応した電磁波信号を送信する送信部を設けたリモコン装置であって、
ケースの平面視形状を前面に前記送信部を有する頭部と、胴部及び頭部と胴部の両側面を接続するくびれ部からなる略瓢箪形に形成したことを特徴とするリモコン装置。
【請求項2】
頭部及び胴部の横断面形状を略楕円形に形成したことを特徴とする請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
前記頭部及び/又は胴部の側面にくびれ部を形成してケースの平面視形状を多段の瓢箪形に形成したことを特徴とする請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項4】
前記ケースの表面の縦中心線に沿って帯状頂部を形成するとともに、帯状頂部の両側に頂部からケース側縁へと下降する裾部を形成し、
ボタン穴のうち帯状頂部に配置したボタン穴には操作ボタンの表面がケース表面と面一になるか又はケース表面からケース内側へ引き込むように装着し、
ボタン穴のうち裾部に配置したボタン穴には操作ボタンの表面がケース表面から外側へ突出するように装着したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のリモコン装置。
【請求項5】
前記ケースの表面の縦中心線に沿って帯状頂部を形成するとともに、帯状頂部の両側に頂部からケース側縁へと下降する裾部を形成し、
ボタン穴のうち帯状頂部に配置したボタン穴に装着した操作ボタンの所要押圧操作力を、 ボタン穴のうち裾部に配置したボタン穴に装着した操作ボタンの所要押圧操作力より大きく設定したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のリモコン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−246051(P2010−246051A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95376(P2009−95376)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】