説明

リモートコントロールシステム

【課題】操作入力装置によって操作される各種の操作対象装置に対応可能な通信処理モジュールを提供する。
【解決手段】操作入力装置が送信する、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを操作対象装置の通信処理モジュールが受け入れて、受け入れた操作信号が標準操作信号の場合にはその内容に応じた動作を操作対象装置に実行させ、受け入れた操作信号が個別操作信号の場合にはその信号に含まれるデータを固有処理モジュールに転送する。固有処理モジュールは、通信処理モジュールから転送されるデータの内容に応じた動作を操作対象装置に実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する移動体などの操作対象装置、当該操作対象装置に搭載される通信処理モジュール、操作対象装置及び操作入力装置を含むリモートコントロールシステム、並びに操作対象装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが操作入力装置に対して操作入力を行うことによって、当該操作入力装置と無線にて通信接続された操作対象装置を操作することのできるリモートコントロールシステムがある。操作対象装置の具体例としては、操作入力装置からの操作信号に従って移動するラジオコントロールカーなどの移動体が挙げられる。このようなリモートコントロールシステムでは、操作入力装置から送信される操作信号を受け入れて処理するために、操作対象装置に通信処理モジュールが搭載される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/145980号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した通信処理モジュールは、例えば車両型の玩具や航空機型の玩具など、各種の操作対象装置に搭載されることが想定される。しかしながら、操作対象装置は、その種類によって様々な動作が可能であるし、各種のセンサ等を備える場合もある。そのため、通信処理モジュールが限られた制御命令にしか対応できない場合、このような各種の操作対象装置の制御を実現することは難しい。一方で、操作対象装置の種類毎に、当該操作対象装置に固有の制御命令に対応した通信処理モジュールを用意することは、無駄が多い。
【0005】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、各種の操作対象装置に対応可能な通信処理モジュール、これを備えた移動体などの操作対象装置、このような操作対象装置を含むリモートコントロールシステム、及び操作対象装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るリモートコントロールシステムは、操作入力装置と、無線により前記操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する操作対象装置と、を含むリモートコントロールシステムであって、前記操作入力装置は、前記操作信号として、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、前記操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを前記操作対象装置に対して送信し、前記操作対象装置は、前記操作入力装置から送信される操作信号を受け入れる通信処理モジュールと、前記操作対象装置に固有の動作を実行させる制御を行う固有処理モジュールと、を含み、前記通信処理モジュールは、前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合には、当該操作信号の内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させ、前記受け入れた操作信号が個別操作信号の場合には、当該操作信号に含まれるデータを前記固有処理モジュールに転送し、前記固有処理モジュールは、前記通信処理モジュールから転送されるデータの内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させることを特徴とする。
【0007】
上記リモートコントロールシステムにおいて、前記操作対象装置は、前記操作信号に従って移動する移動体であって、前記通信処理モジュール又は前記固有処理モジュールが出力する駆動信号に応じて駆動する駆動部をさらに含み、前記通信処理モジュールは、前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合に、当該操作信号の内容に応じた駆動信号を前記駆動部に対して出力し、前記固有処理モジュールは、前記通信処理モジュールから転送されるデータの内容に応じた駆動信号を前記駆動部に対して出力することとしてもよい。
【0008】
また、上記リモートコントロールシステムにおいて、前記通信処理モジュールは、前記操作信号に含まれる所定の部分を参照して前記操作信号が標準操作信号か個別操作信号かを判定することとしてもよい。
【0009】
また、本発明に係る操作対象装置は、無線により操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する操作対象装置であって、前記操作入力装置から、前記操作信号として、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、前記操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを受け入れる通信処理モジュールと、前記操作対象装置に固有の動作を実行させる制御を行う固有処理モジュールと、を含み、前記通信処理モジュールは、前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合には、当該操作信号の内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させ、前記受け入れた操作信号が個別操作信号の場合には、当該操作信号に含まれるデータを前記固有処理モジュールに転送し、前記固有処理モジュールは、前記通信処理モジュールから転送されるデータの内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る通信処理モジュールは、無線により操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する操作対象装置に搭載される通信処理モジュールであって、前記操作入力装置から、操作信号として、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、前記操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを受け入れる手段と、前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合に、当該操作信号の内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させるための動作信号を生成して出力する手段と、前記受け入れた操作信号が個別操作信号の場合に、当該操作信号に含まれるデータを、前記操作対象装置に設けられ、当該操作対象装置固有の動作制御を行う固有処理モジュールに転送する手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る操作対象装置の制御方法は、通信処理モジュール、及び固有処理モジュールを含み、無線により操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する操作対象装置の制御方法であって、前記操作入力装置から、前記操作信号として、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、前記操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを受け入れるステップと、前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合に、前記通信処理モジュールが当該操作信号の内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させるステップと、前記受け入れた操作信号が個別操作信号の場合に、前記通信処理モジュールが当該操作信号に含まれるデータを前記固有処理モジュールに転送するステップと、前記固有処理モジュールが、前記転送されるデータの内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る他のリモートコントロールシステムは、操作入力装置と、当該操作入力装置から無線通信により送信される操作信号に従って動作する操作対象装置と、を含むリモートコントロールシステムであって、前記操作入力装置は、前記操作対象装置に予め保持された通信設定情報を用いて、前記操作対象装置との間で無線通信接続を確立する手段と、前記確立された通信接続を用いて、前記保持された通信設定情報を別の通信設定情報に書き換える指示を前記操作対象装置に対して送信する手段と、前記書き換えられた別の通信設定情報を用いて、前記操作対象装置との間で無線通信接続を再確立する手段と、を含み、前記操作対象装置は、通信設定情報を保持する手段と、前記操作入力装置からの指示に従って前記保持された通信設定情報を書き換える手段と、前記保持された通信設定情報を用いて前記操作入力装置と通信する手段と、を含むことを特徴とする。
【0013】
上記リモートコントロールシステムにおいて、前記操作対象装置は、リセットスイッチをさらに備え、当該リセットスイッチが押下された場合に、前記保持された通信設定情報を初期情報に戻すこととしてもよい。
【0014】
また、上記リモートコントロールシステムにおいて、前記操作対象装置は、前記操作信号に従って移動する移動体であってよい。
【0015】
また、本発明に係る他のリモートコントロールシステムは、操作入力装置と、当該操作入力装置から無線通信により送信される操作信号に従って移動する移動体と、を含むリモートコントロールシステムであって、前記移動体は、前記操作入力装置から送信される操作信号を受け入れて、当該受け入れた操作信号に応じた駆動信号を出力する通信処理モジュールと、前記通信処理モジュールが出力する駆動信号に応じて駆動する駆動部と、を含み、前記通信処理モジュールは、前記無線通信が切断された場合に、前記移動体を所定状態へ移行させるために、前記駆動部に予め定められた動作を実行させる駆動信号を出力することを特徴とする。
【0016】
上記リモートコントロールシステムにおいて、前記操作入力装置は、前記駆動部に予め定められた動作を実行させる駆動信号の内容を規定した切断時制御情報を生成して前記移動体に送信し、前記通信処理モジュールは、前記送信される切断時制御情報の内容を保持し、前記無線通信が切断された場合、前記保持された切断時制御情報によって規定される駆動信号を出力することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るリモートコントロールシステムの概要図である。
【図2】操作入力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】操作入力装置の外観の一例を示す斜視図である。
【図4】移動体の構成を示すブロック図である。
【図5】操作入力装置が移動体に送信する操作信号のデータ構成を模式的に示す図である。
【図6】操作入力装置と移動体とが通信接続を確立する際に実行する処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0019】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るリモートコントロールシステム1の全体概要を示す概要図である。同図に示されるように、リモートコントロールシステム1は、ユーザが把持して使用する操作入力装置10と、無線により操作入力装置10と通信接続され、当該操作入力装置10から送信される操作信号に従って移動する移動体20と、を含んで構成される。本実施形態では、移動体20が自動車を模した玩具(ラジオコントロールカー)である場合を例として説明するが、移動体20はこのようなものに限られず、操作入力装置10からの操作信号に応じて移動可能な各種の装置であってよい。例えば移動体20は、航空機やヘリコプター、船舶、潜水艦など各種の乗り物を模した玩具であってもよいし、ロボット等であってもよい。
【0020】
操作入力装置10は、例えば携帯型ゲーム機等の通信装置であって、図2に示されるように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を含んで構成される。また、図3は、操作入力装置10の外観の一例を示す斜視図である。同図に示されるように、操作入力装置10の筐体表面には、表示部14及び各種の操作部材15が配置されている。
【0021】
制御部11は、CPU等を含んで構成され、記憶部12に記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。具体的に、制御部11は、移動体20を制御するためのアプリケーションプログラムを実行することで、後述する操作部材15に対するユーザの操作入力に応じたデータを生成し、操作信号として通信部13を介して移動体20に送出する処理を行う。
【0022】
記憶部12は、一時的記憶部12aと持続的記憶部12bとを含んで構成され、制御部11によって実行されるプログラムや各種のデータを記憶する。具体的に、一時的記憶部12aはRAM等のメモリ素子を含み、実行中のプログラム等を一時的に記憶するとともに、制御部11のワークメモリとしても機能する。持続的記憶部12bは、ROMや不揮発性メモリ等のメモリ素子、及び/又はハードディスクドライブ等を含んで構成され、一時的記憶部12aに読み込まれるべきプログラムや各種のデータを記憶する。なお、一時的記憶部12aに記憶されたデータは、操作入力装置10の電源を切断することによって消去されるが、持続的記憶部12bに記憶されたデータは、操作入力装置10の電源切断後も保存され、再利用可能になっている。
【0023】
通信部13は、移動体20との間で相互に無線によるデータの送受信を実現するための通信インタフェースであって、本実施形態では、IEEE802.11規格に従って無線LAN通信を行う。
【0024】
表示部14は、液晶ディスプレイ等であって、制御部11の指示に従って各種の画像を表示する。特に本実施形態では、表示部14は、後述する移動体20に搭載されるカメラ25によって撮像され、無線通信によって送信される画像を表示する。
【0025】
操作部材15は、ボタンやアナログパッド等であって、ユーザが移動体20に対する操作指示を入力するために用いられる。例えばユーザは、加速や減速、発進、停止、右旋回、左旋回、上昇、下降等、移動体20の各種の動作に関連づけられたボタンを押下することによって、移動体20に対する動作指示を行う。また、360度任意の方向にスライド可能に構成されたアナログパッドをスライドさせることにより、任意の方向に対する移動指示を行うことができる。アナログパッドを用いることにより、利用者は、単にボタンのオン/オフによって指示を行う場合と異なり、その操作量に応じた内容の動作指示を行うことができる。
【0026】
移動体20は、図4に示されるように、無線信号処理部21と、通信処理モジュール22と、固有処理モジュール23と、駆動部24と、カメラ25と、を含んで構成される。
【0027】
無線信号処理部21は、操作入力装置10との間で通信部13と同様の通信規格(ここではIEEE802.11規格)に基づく無線信号の送受信を行う通信インタフェースである。
【0028】
通信処理モジュール22は、マイクロコンピュータ等であって、無線信号処理部21を介して操作入力装置10から操作信号を受け入れて、当該受け入れた操作信号に応じた処理を実行する。また、無線信号処理部21を介して操作入力装置10に対するデータ送信を行う。具体的に、通信処理モジュール22は、操作入力装置10から受け入れた操作信号に応じて、後述する固有処理モジュール23又は駆動部24のいずれかに対して移動体20を動作させるための動作信号を出力する。本実施形態において通信処理モジュール22が実行する処理の具体例については、後述する。
【0029】
固有処理モジュール23は、マイクロコンピュータ等であって、通信処理モジュール22が出力する操作データの内容に応じて、当該移動体20に固有の動作を実行させる制御を行う。具体的に、固有処理モジュール23は、移動体20固有の動作を実行させるための駆動信号を生成し、駆動部24に対して出力する。また、移動体20が、例えばGPS等の移動体20自身の位置を検出する手段や、移動体20の各種の状態を検知するためのセンサ、移動体20の周辺音声を集音するマイクロフォン等を備えている場合、固有処理モジュール23は、これらのデバイスによって得られたデータを通信処理モジュール22に出力する処理を行ってもよい。
【0030】
駆動部24は、例えばモータやアクチュエータ等の駆動機構を含んで構成され、通信処理モジュール22又は固有処理モジュール23が出力する駆動信号に従って動作する。駆動部24の駆動によって、移動体20は移動したり、その状態を変化させたりする。本実施形態では、移動体20は車両型の玩具なので、駆動部24は、駆動輪を回転させるモータや、車輪の向きを変化させるステアリング機構などを含んで構成される。駆動部24の駆動によって、車両は前後に走行したり、左右に進行方向を変えたりする。
【0031】
カメラ25は、CCDカメラ等であって、移動体20の周辺の画像(例えば移動体20の前方の画像)を動画像として撮像し、撮像された画像を表す映像信号を通信処理モジュール22に対して出力する。この動画像は、通信処理モジュール22内で例えばモーションJPEGやMPEG−4などの規格に準拠した画像データに符号化され、操作入力装置10に対して送信される。
【0032】
移動体20から送信された動画像は、操作入力装置10の制御部11によって復号され、表示部14に表示される。ユーザは、この表示部14に表示された画像を見ながら操作入力を行うことで、移動体20が直接視界内に存在しない場合であっても、移動体20を遠隔操縦することができる。なお、制御部11は、単に移動体20から送信される動画像を復号するだけでなく、例えば公知の物体認識技術を用いて動画像内に含まれる物体の位置や形状を認識する処理を実行し、当該処理結果を用いて動画像を加工してから表示部14に表示してもよい。また、例えばゲームに関する情報を表す画像要素など、各種の画像要素を受信した動画像にオーバレイして表示部14に表示してもよい。
【0033】
さらに、操作入力装置10は、ユーザからの指示やアプリケーションプログラムの処理内容に応じて、移動体20から受信した動画像を録画したり、あるいはユーザが指示するタイミングで表示されている画像を静止画としてキャプチャしたりしてもよい。
【0034】
なお、操作入力装置10から一定時間にわたって操作信号が送信されない場合には、通信処理モジュール22は、カメラ25の動作を停止させるか、あるいはカメラ25が出力する映像信号の送信を中止する制御を実行してもよい。
【0035】
以下、本実施形態に係るリモートコントロールシステム1における特徴的な制御のいくつかについて、説明する。
【0036】
[操作信号の種類に応じた処理]
まず、操作入力装置10から送信される操作信号に従って駆動部24を駆動させるために、移動体20の通信処理モジュール22が実行する処理の具体例について、説明する。
【0037】
本実施形態では、操作入力装置10は、移動体20を移動させるための操作信号として、ユーザの指示やアプリケーションプログラムの処理内容に応じて2種類の信号のいずれかを選択的に送信する場合がある。そして、移動体20は、受信した操作信号がいずれの種類かを判別し、判別結果に応じて受信した操作信号に対する処理の内容を異ならせることとしている。
【0038】
具体的に、操作入力装置10が移動体20に対して送信する操作信号は、各種の移動体20に共通する標準的な動作を指示する標準操作信号と、移動体20の種類に応じて当該種類の移動体20に固有の動作を行わせるための個別操作信号と、に分類される。本実施形態では、操作入力装置10が操作信号として移動体20に送信する通信パケットは、図5に示すように、ヘッダ部Hと、制御命令の種類を表す情報が格納された所定の部分(以下、命令部Cという)と、それに続いて送信すべきデータ内容が格納された部分(以下、データ部Dという)と、を含んでいる。
【0039】
標準操作信号の場合には、命令部Cには予め用意された標準命令のいずれかを表す情報が格納され、データ部Dにはこの標準命令によって実行すべき内容の詳細を規定するパラメタ情報等が格納される。標準命令は、各種の移動体20を操作するために共通して利用される制御命令である。例えば車両に対する動作を指示する標準命令の場合、データ部Dには、前進、後退、左旋回、右旋回などの具体的な移動体20の動作を指示するための情報が含まれる。このような情報は、操作入力装置10が実行するアプリケーションプログラムが、ユーザの操作部材15に対する操作入力の内容を加工することによって生成される。
【0040】
一方、個別操作信号の場合、命令部Cにはデータ部D内のデータをそのまま固有処理モジュール23に転送することを指示する所定の制御命令(以下、転送命令という)が格納される。また、データ部Dにはユーザの操作内容を表す操作データが格納される。ここで操作データは、操作入力装置10の操作部材15に対するユーザの操作内容を表す情報である。なお、個別操作信号においてデータ部D内に格納されるデータは、操作データに限らず、操作入力装置10側でアプリケーションプログラムが生成する各種のデータであってもよい。
【0041】
以下、このような2種類の操作信号に対する処理を実現するための通信処理モジュール22の機能について、説明する。
【0042】
本実施形態では、通信処理モジュール22は、機能的に、図4に示すように、制御命令解釈部22aと、操作データ転送部22bと、駆動信号生成部22cと、映像信号処理部22dと、を含んで構成される。
【0043】
制御命令解釈部22aは、無線信号処理部21が操作入力装置10から受信した通信パケットの命令部Cに格納された情報を参照して、制御命令の種類を特定する。そして、この特定された制御命令の種類に応じた処理を実行する。具体的に、命令部Cに格納されているのが転送命令を表す情報である場合(すなわち、受信した操作信号が個別操作信号の場合)、制御命令解釈部22aは、データ部Dに格納された操作データの転送を操作データ転送部22bに指示する。操作データ転送部22bは、制御命令解釈部22aの指示に従って、データ部Dに格納されている操作データを固有処理モジュール23に転送する。
【0044】
一方、制御命令解釈部22aによって操作信号が標準命令を含むと特定された場合(すなわち、受信した操作信号が標準操作信号の場合)、通信処理モジュール22は、当該標準命令に応じた標準的な動作を移動体20に実行させる制御を行う。具体的には、制御命令解釈部22aの指示に従って、駆動信号生成部22cが駆動信号の生成を行う。すなわち、駆動信号生成部22cは、データ部Dに格納されているパラメタ情報等を参照して、駆動部24を動作させるためのデジタルデータを生成し、例えばPWM(Pulse Width Modulation)などによって当該デジタルデータを駆動信号(アナログ信号)に変調する。そして、このようにして得られた駆動信号を駆動部24に入力することによって、移動体20を移動させる。なお、標準操作信号に基づいて生成された駆動信号は、例えば一般的なプロポーショナルシステムによってラジオコントロールカーを操作する場合に駆動系に入力される信号と同様のものであってよい。こうすれば、従来のプロポーショナルシステムによって操作可能な移動体が備える駆動系をそのまま本実施形態における移動体20の駆動部24として利用することができる。
【0045】
映像信号処理部22dは、カメラ25が出力する映像信号を符号化して、映像データを生成し、無線信号処理部21に対して出力する。これにより、カメラ25によって撮像された映像が操作入力装置10に送出される。ここで、図4にも示されるように、操作入力装置10側から移動体20に送信される操作信号と、移動体20側から操作入力装置10に送信される映像信号とは、通信処理モジュール22内では互いに独立に処理される。さらに、操作入力装置10と移動体20との間の通信接続に関しても、この操作信号と映像信号とは、互いに別の通信ソケットを介して(すなわち、論理的に互いに独立した通信路を経由して)送受信されるようになっている。そのため、例えば映像信号の処理負荷が高まった場合であっても、通信処理モジュール22は途中で中断されることなく操作信号の受信処理を続行できる。
【0046】
固有処理モジュール23は、操作データ転送部22bが出力する操作データを用いて、移動体20に固有の動作を実行させる駆動信号を生成し、駆動部24に対して出力する。すなわち、固有処理モジュール23は、標準命令では対応できないような特殊な動作を移動体20に実行させるための駆動信号を生成して、出力する。なお、移動体20の駆動部24が標準命令で制御可能な範囲内の動作しかしない場合には、固有処理モジュール23によって駆動部24の制御を実行する必要はなくなる。
【0047】
また、固有処理モジュール23は、移動体20が備える各種のセンサ等から取得した情報を、操作入力装置10から送信される操作信号に対する応答として通信処理モジュール22に出力してもよい。この場合、通信処理モジュール22は、固有処理モジュール23が出力するデータをそのまま含んだ通信パケットを操作信号に対する応答として操作入力装置10に対して送出する。
【0048】
こうすれば、操作入力装置10と固有処理モジュール23は通信処理モジュール22を経由して任意のデータを送受信でき、操作入力装置10は移動体20の状態に関する各種の情報を収集しながら、移動体20に対する動作指示を行うことができる。さらに、操作入力装置10が標準操作信号と固有操作信号とを使い分けて動作指示を行うことによって、複数種類の移動体20に共通する動作は通信処理モジュール22内で処理し、通信処理モジュール22で対応できない特定種類の移動体20に固有の処理は、固有処理モジュール23で対応することができる。
【0049】
[通信接続確立時の制御]
次に、操作入力装置10と移動体20との間で最初に無線による通信接続を確立する際に実行される処理について、説明する。
【0050】
本実施形態では、操作入力装置10は、移動体20の通信設定情報を用いて通信相手となる移動体20を特定し、当該移動体20との間の通信を行う。ここで通信設定情報は、通信接続の際に通信相手を特定し、セッションを確立するために用いられる情報であって、例えばチャネル情報、SSID(Service Set Identifier)、IPアドレスなどである。通信設定情報は通信相手特定のために用いられる情報なので、異なる個体同士の間では異なる値を持つことが望ましい。しかしながら、例えば量産品においては、移動体20の全ての個体に対して互いに異なる通信設定情報を設定して出荷するなどの対応を採ることは、困難な場合がある。そのため、例えばSSIDについては、メーカーや移動体20の種別(車両か航空機かなど)、型番などによって決定される、機種ごとに共通の値を予め設定しておくことが考えられる。ところが、このように共通の値を設定してしまうと、一つの操作入力装置10と通信可能な範囲内に複数の移動体20が存在する場合に、当該操作入力装置10は、これら複数の移動体20のうち、自分自身が操作対象とすべき移動体20を通信設定情報によって特定することができず、混線が生じるなどのおそれがある。
【0051】
そこで本実施形態では、操作入力装置10は、予め移動体20に設定された機種ごとに共通の通信設定情報(以下、共通設定情報という)を用いて通信接続を確立した後、必要に応じてこの共通設定情報を別の値に書き換える指示を行い、書き換えられた通信設定情報を用いて再接続することとしている。
【0052】
以下、このような再接続処理の具体例について、図6のフロー図を用いて説明する。
【0053】
まず、例えばユーザが移動体20の電源をオンにすることによって、移動体20の通信処理モジュール22は、操作入力装置10からの通信接続を待機する待機状態を開始する(S1)。ここで、通信処理モジュール22に内蔵されたROMには、工場出荷時に当該移動体20の機種に共通の共通設定情報が書き込まれており、その内容は予め所定のレジスタ(以下、設定情報レジスタという)に複写されていることとする。通信処理モジュール22は、この設定情報レジスタから共通設定情報を読み出して、当該読み出した情報を用いて操作入力装置10からの通信接続を受け付ける待機状態を開始する。
【0054】
次に操作入力装置10は、ユーザの指示に従って通信可能な範囲に存在する移動体20を検索する(S2)。ここで、操作入力装置10は、実行中のアプリケーションプログラムに予め格納されている、当該アプリケーションプログラムに対応する移動体20の共通設定情報を用いて接続を試みる。なお、S2の処理を実行する際には、同種の移動体20を複数待機状態で起動させておかないようにすべきである。ここではS1で1台の移動体20が待機状態になっているので、当該移動体20がS2の検索要求に対して応答する(S3)。
【0055】
S3の応答を受信した操作入力装置10は、応答を行った移動体20との間で、通信接続を開始する(S4)。これ以降、持続的記憶部12bに記憶された共通設定情報を利用することで、操作入力装置10は移動体20との間でデータの送受信を行うことが可能となる。具体的には、前述したように操作入力装置10からユーザの操作内容に応じた操作信号を送信したり、移動体20からカメラ25によって撮像された動画像のデータを送信したりすることで、ユーザは操作入力装置10を介して移動体20を操作できるようになる。
【0056】
しかしながら、前述したように共通設定情報は機種ごとに共通の情報なので、同種の移動体20が操作入力装置10の通信可能範囲に複数存在する場合には、これらの移動体20を識別して特定の移動体20との間でだけデータの送受信を行うことができない。そこで操作入力装置10は、例えばユーザから指示があった場合、この共通設定情報を個別に設定した通信設定情報(以下、個別設定情報という)で置き換える処理を行う。具体的に、まず操作入力装置10は、現在通信接続中の移動体20に対して設定すべき個別設定情報を決定する(S5)。ここで個別設定情報は、ランダムに決定されてもよいし、ユーザからの指示入力を受け付けて、当該指示入力の内容に応じて決定した値を個別設定情報の値としてもよい。このとき、個別設定情報の一部は変更を制限するなどの制御を行ってもよい。具体例として、メーカーを表す文字列及び移動体20の機種を表す文字列を含んだSSIDの値を書き換える場合、メーカーを表す文字列の部分は固定とし、機種を表す文字列の部分だけをランダム値などで置き換えて個別設定情報を生成することとしてもよい。
【0057】
次いで操作入力装置10は、通信設定情報をS5で決定した個別設定情報で書き換える指示を移動体20に対して送信する(S6)。当該指示を受け付けた移動体20は、設定情報レジスタに書き込まれた共通設定情報を、指示された個別設定情報で上書きする(S7)。そして、個別設定情報への更新が正常に完了すると、移動体20は、更新が正常に完了した旨の応答を操作入力装置10に対して送信する(S8)。これ以降、移動体20は、S7で記憶された個別設定情報を用いて操作入力装置10からの通信接続を待機する。なお、設定情報レジスタに書き込まれた個別設定情報は、後述する初期化処理が行われるまで移動体20内に保持される。
【0058】
一方、S8の応答を受信した操作入力装置10は、S6で決定した個別設定情報を持続的記憶部12b内に記憶し、これまで移動体20との間で共通設定情報に基づいて確立されていた通信接続を切断する(S9)。さらに操作入力装置10は、S9で記憶された個別設定情報を用いて、移動体20に対する通信接続の再確立を行う(S10)。
【0059】
以上説明した処理によれば、操作入力装置10からの指示によって移動体20に保持された通信設定情報が書き換えられるとともに、操作入力装置10は当該書き換えられた通信設定情報によって通信接続を再確立することによって、元々共通する通信設定情報が設定された複数の移動体20が、それぞれ互いに異なる通信設定情報によって対応する操作入力装置10と接続されるようになる。これによって、同種の移動体20が複数存在する場合であっても、互いに混線することなく、予め接続が確立された操作入力装置10によって対応する移動体20を操作できる。
【0060】
なお、誤ってユーザの意図と異なる操作入力装置10と移動体20とが接続されてしまった場合や、これまで使用していた操作入力装置10とは別の操作入力装置10で移動体20を操作したい場合などにおいては、移動体20に格納された個別設定情報を初期化することによって、再び上述したように通信設定情報の書き換え処理を実行できるようになる。このような制御を実現するため、移動体20には、リセットスイッチ(不図示)が設けられている。ユーザがこのリセットスイッチを押下することで、通信処理モジュール22は、設定情報レジスタに格納されている個別設定情報をROM内に記憶された共通設定情報(初期情報)で初期化する。こうすれば、移動体20は再び共通設定情報を用いて操作入力装置10からの通信接続を待機するようになる。また、操作入力装置10側も、ユーザの指示操作に応じて、次回以降はアプリケーションプログラム内に格納された共通設定情報を用いて通信接続の確立を試みることとすれば、再度、通信設定情報の初期化が行われた移動体20との間で通信接続を確立できる。
【0061】
[通信切断時の制御]
次に、通信環境が悪化したり操作入力装置10と移動体20との間の距離が離れたりすることによって、移動体20の操作途中で操作入力装置10と移動体20との間の通信接続が切断されてしまった場合の処理について、説明する。
【0062】
通信処理モジュール22は、予め定められた期間にわたって操作入力装置10から操作信号が受信されない場合、通信接続が切断されたと判定して、移動体20を所定の状態に移行させるための駆動信号を駆動部24に対して出力する。この場合の所定の状態は、例えば移動を停止した停止状態であってもよいし、モータがそれ以上駆動しない状態(すなわち、移動体20が慣性移動するだけの状態)であってもよい。また、例えば移動体20が潜水艦であって潜水中の場合には、所定の状態は水面に浮上した状態であってもよい。
【0063】
通信処理モジュール22内には、通信接続の切断時に移動体20を所定状態へ移行させるために、駆動部24に予め定められた動作を実行させるための駆動信号の内容を規定した情報(以下、切断時制御情報という)が格納されている。通信処理モジュール22は、通信切断を検知した場合、この切断時制御情報に従って、駆動部24に含まれるモータ等のそれぞれを制御するための駆動信号を生成し、駆動部24に対して出力する。
【0064】
この切断時制御情報は、ユーザの指示等によって書き換え可能なレジスタに格納されてもよい。例えば使用する場所やユーザの好みなどによって、通信切断時に実行すべき制御を変更したい場合がある。そこで、操作入力装置10は、ユーザの指示入力に応じて切断時制御情報を生成し、移動体20との間で通信接続が確立されている状態で、予め生成した切断時制御情報を移動体20に送信しておく。この切断時制御情報を受信した通信処理モジュール22は、所定のレジスタに格納されている、デフォルトの切断時制御情報を、新たに受信した切断時制御情報で書き換える。これにより、それ以降通信接続が切断された場合には、通信処理モジュール22は、書き換えられた切断時制御情報に従って駆動部24の制御を行う。こうすれば、通信切断時に、移動体20をユーザの希望する状態に移行させることができる。この場合、前述したリセットスイッチの押下によって、通信処理モジュール22は書き換えられた切断時制御情報をデフォルトの切断時制御情報に初期化してもよい。
【0065】
また、本実施形態において、通信処理モジュール22は、操作入力装置10から送信される無線信号(電磁波)の強度を示す情報を、操作信号に対する応答に含めて操作入力装置10に送信してもよい。こうすれば、操作入力装置10は、通信接続が切断されてしまう前に、事前に警告情報を表示部14に表示するなどの方法でユーザに提示することができる。また、操作入力装置10は、移動体20との通信接続中、通信接続の強度を表す情報を常に表示部14に表示させてもよい。
【0066】
なお、本発明の実施の形態は、以上説明したものに限られない。例えば操作入力装置10と移動体20とは、IEEE802.11規格に限らず、各種の規格に基づいて無線通信を行う通信装置であってよい。また、既に述べた通り、移動体20は車両に限らず各種の駆動機構を備えた装置であってよい。また、移動体20は、カメラ25を備えなくともよい。さらに、標準命令で制御可能な範囲の動作しか行わないような種類の移動体20は、固有処理モジュール23を備えなくともよい。
【0067】
また、以上の説明においては、操作入力装置10の操作対象となる操作対象装置は移動可能な移動体20であることとしている。しかしながら、本発明の実施の形態に係る操作対象装置は、移動体に限られず、操作入力装置から送信される操作信号に応じて動作する各種の装置であってよい。例えば操作対象装置は、移動せずに特定の位置に留まったまま、内蔵された駆動機構によって各種の動作を行う駆動体であってもよい。このような駆動体の例としては、操作信号に応じて高さの調整が可能な三脚付きカメラや、撮像方向を変更可能なセキュリティカメラが挙げられる。また、操作対象装置は、必ずしも駆動部を備える必要はない。駆動部がない場合であっても、操作対象装置が、標準命令に応じて通信処理モジュールによって出力される動作信号、又は固有命令に応じて固有処理モジュールによって出力される動作信号、のいずれかに従って動作することにより、通信処理モジュールは複数種類の操作対象装置に対応することができる。あるいは、操作入力装置から送信される通信設定情報の書き換え指示によって操作対象装置が保持している通信設定情報を書き換えることで、操作入力装置は、初期状態では互いに同じ通信設定情報を保持する操作対象装置のうち、特定の操作対象装置だけを操作することができるようになる。
【符号の説明】
【0068】
1 リモートコントロールシステム、10 操作入力装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、14 表示部、15 操作部材、20 移動体、21 無線信号処理部、22 通信処理モジュール、22a 制御命令解釈部、22b 操作データ転送部、22c 駆動信号生成部、22d 映像信号処理部、23 固有処理モジュール、24 駆動部、25 カメラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力装置と、無線により前記操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する操作対象装置と、を含むリモートコントロールシステムであって、
前記操作入力装置は、
前記操作信号として、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、前記操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを前記操作対象装置に対して送信し、
前記操作対象装置は、
前記操作入力装置から送信される操作信号を受け入れる通信処理モジュールと、
前記操作対象装置に固有の動作を実行させる制御を行う固有処理モジュールと、
を含み、
前記通信処理モジュールは、前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合には、当該操作信号の内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させ、前記受け入れた操作信号が個別操作信号の場合には、当該操作信号に含まれるデータを前記固有処理モジュールに転送し、
前記固有処理モジュールは、前記通信処理モジュールから転送されるデータの内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させる
ことを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項2】
請求項1記載のリモートコントロールシステムにおいて、
前記操作対象装置は、
前記操作信号に従って移動する移動体であって、
前記通信処理モジュール又は前記固有処理モジュールが出力する駆動信号に応じて駆動する駆動部をさらに含み、
前記通信処理モジュールは、前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合に、当該操作信号の内容に応じた駆動信号を前記駆動部に対して出力し、
前記固有処理モジュールは、前記通信処理モジュールから転送されるデータの内容に応じた駆動信号を前記駆動部に対して出力する
ことを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項3】
請求項2記載のリモートコントロールシステムにおいて、
前記通信処理モジュールは、前記操作信号に含まれる所定の部分を参照して前記操作信号が標準操作信号か個別操作信号かを判定する
ことを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項4】
無線により操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する操作対象装置であって、
前記操作入力装置から、前記操作信号として、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、前記操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを受け入れる通信処理モジュールと、
前記操作対象装置に固有の動作を実行させる制御を行う固有処理モジュールと、
を含み、
前記通信処理モジュールは、前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合には、当該操作信号の内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させ、前記受け入れた操作信号が個別操作信号の場合には、当該操作信号に含まれるデータを前記固有処理モジュールに転送し、
前記固有処理モジュールは、前記通信処理モジュールから転送されるデータの内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させる
ことを特徴とする操作対象装置。
【請求項5】
無線により操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する操作対象装置に搭載される通信処理モジュールであって、
前記操作入力装置から、操作信号として、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、前記操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを受け入れる手段と、
前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合に、当該操作信号の内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させるための動作信号を生成して出力する手段と、
前記受け入れた操作信号が個別操作信号の場合に、当該操作信号に含まれるデータを、前記操作対象装置に設けられ、当該操作対象装置固有の動作制御を行う固有処理モジュールに転送する手段と、
を含むことを特徴とする通信処理モジュール。
【請求項6】
通信処理モジュール、及び固有処理モジュールを含み、無線により操作入力装置から送信される操作信号に従って動作する操作対象装置の制御方法であって、
前記操作入力装置から、前記操作信号として、標準的な動作を指示する標準操作信号、及び、前記操作対象装置固有の動作を指示する個別操作信号のいずれかを受け入れるステップと、
前記受け入れた操作信号が標準操作信号の場合に、前記通信処理モジュールが当該操作信号の内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させるステップと、
前記受け入れた操作信号が個別操作信号の場合に、前記通信処理モジュールが当該操作信号に含まれるデータを前記固有処理モジュールに転送するステップと、
前記固有処理モジュールが、前記転送されるデータの内容に応じた動作を前記操作対象装置に実行させるステップと、
を含むことを特徴とする操作対象装置の制御方法。
【請求項7】
操作入力装置と、当該操作入力装置から無線通信により送信される操作信号に従って動作する操作対象装置と、を含むリモートコントロールシステムであって、
前記操作入力装置は、
前記操作対象装置に予め保持された通信設定情報を用いて、前記操作対象装置との間で無線通信接続を確立する手段と、
前記確立された通信接続を用いて、前記保持された通信設定情報を別の通信設定情報に書き換える指示を前記操作対象装置に対して送信する手段と、
前記書き換えられた別の通信設定情報を用いて、前記操作対象装置との間で無線通信接続を再確立する手段と、
を含み、
前記操作対象装置は、
通信設定情報を保持する手段と、
前記操作入力装置からの指示に従って前記保持された通信設定情報を書き換える手段と、
前記保持された通信設定情報を用いて前記操作入力装置と通信する手段と、
を含むことを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項8】
請求項7記載のリモートコントロールシステムにおいて、
前記操作対象装置は、リセットスイッチをさらに備え、当該リセットスイッチが押下された場合に、前記保持された通信設定情報を初期情報に戻す
ことを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項9】
請求項7又は8記載のリモートコントロールシステムにおいて、
前記操作対象装置は、前記操作信号に従って移動する移動体である
ことを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項10】
操作入力装置と、当該操作入力装置から無線通信により送信される操作信号に従って移動する移動体と、を含むリモートコントロールシステムであって、
前記移動体は、
前記操作入力装置から送信される操作信号を受け入れて、当該受け入れた操作信号に応じた駆動信号を出力する通信処理モジュールと、
前記通信処理モジュールが出力する駆動信号に応じて駆動する駆動部と、を含み、
前記通信処理モジュールは、前記無線通信が切断された場合に、前記移動体を所定状態へ移行させるために、前記駆動部に予め定められた動作を実行させる駆動信号を出力する
ことを特徴とするリモートコントロールシステム。
【請求項11】
請求項10記載のリモートコントロールシステムにおいて、
前記操作入力装置は、前記駆動部に予め定められた動作を実行させる駆動信号の内容を規定した切断時制御情報を生成して前記移動体に送信し、
前記通信処理モジュールは、前記送信される切断時制御情報の内容を保持し、前記無線通信が切断された場合、前記保持された切断時制御情報によって規定される駆動信号を出力する
ことを特徴とするリモートコントロールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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