説明

リモート制御装置及びデータ転送システム

【課題】データ転送効率の良いリモート制御装置を提供する。
【解決手段】再生装置110とワイヤレスでデータ通信を行うリモート制御装置101に、着脱可能な記録デバイス(例えばUSBメモリデバイス)120と接続するためのコネクタ103と、前記着脱可能な記録デバイス120と通信を行うホストコントローラ104と、前記ホストコントローラ104を制御するデバイス制御部105と、前記再生装置110とのワイヤレスでのデータ転送を制御するワイヤレス制御部102とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リムーバブルな記録デバイスの情報とAV機器とが通信するためのリモート制御装置と、それを備えたデータ転送システムとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、USBメモリデバイスやSDカードといった小型、軽量の記録デバイスが普及し、テレビやDVDレコーダ等のAV機器にも、これら記録デバイス内の情報を読み書きするための接続端子、及び接続機能が搭載されている。また、最近のAV機器では、ネットワーク等を通じてAV機器制御ソフトウェアのダウンロード等が一般化しており、新規格のUSBデバイスやSDカードに対応することも可能である。
【0003】
例えば、USBメモリデバイスをAV機器に接続する際、USBメモリデバイスとAV機器とを位置的に離した環境で利用する方法としては、ワイヤレスUSB装置等の、AV機器とUSBメモリデバイスとをワイヤレスで接続するための装置を新たに設ける必要があった。また、ワイヤレス転送時には有線通信と比較して転送劣化が発生するため、転送効率向上のための取り組みが行われてきた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−3677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術においては、ワイヤレスUSB装置を別途設置する必要があるとともに、USBメモリデバイス等の記録デバイスとAV機器とを有線で接続した場合に必要であった認識のための転送等、全ての転送データをワイヤレスにて転送する必要があり、データ転送効率が悪かった。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、データ転送効率の良いリモート制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、再生装置とワイヤレスでデータ通信を行うリモート制御装置において、着脱可能な記録デバイスと接続するためのコネクタと、前記着脱可能な記録デバイスと通信を行うホストコントローラと、前記ホストコントローラを制御するデバイス制御部と、前記再生装置とのワイヤレスでのデータ転送を制御するワイヤレス制御部とを備えた構成を採用したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リモート制御装置に接続された記録デバイスと再生装置との間のデータ転送において、必要なデータ転送量を減らすことで、データ転送効率の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。
【図4】本発明の第4の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの処理フロー図である。
【図5】本発明の第5の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。
【図6】本発明の第6の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。
【図7】本発明の第7の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。ただし、以下の説明中の再生装置は、情報再生機能に加えて情報記録機能を有する記録再生装置であってもよい。
【0011】
《第1の実施形態》
図1は、第1の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。図1において、リモート制御装置101は、USBデバイス120と接続するためのUSBコネクタ103と、USBデバイス120との間のデータ転送を行うためのUSBホストコントローラ104と、USBホストコントローラ104を制御するUSB制御部105と、再生装置110をワイヤレスによるデータ通信を利用して制御するためのワイヤレス制御部102とを備える。映像・音声等の情報を再生する再生装置110は、データ再生部111と、ワイヤレス制御部112と、USB制御部113とからなる。再生装置のUSB制御部113は、アプリケーションソフト10と、ファイルシステム11と、マスストレージクラス制御部12とから構成され、リモート制御装置のUSB制御部105は、接続されたUSBデバイス120との認識処理を行うUSBデバイス制御部13から構成される。
【0012】
以下では、本実施形態の再生装置110及びリモート制御装置101の各々について、その動作を説明する。
【0013】
USBデバイス120は、リモート制御装置101に搭載のUSBコネクタ103にて接続され、リモート制御装置のUSB制御部105はUSBデバイス120が接続されたことを検知できる状態にあるものとする。
【0014】
また、リモート制御装置のUSB制御部105は、マスストレージクラスを対象とし、クラスを使ってデータを転送する処理はファイルシステムとする。
【0015】
リモート制御装置101は、接続されたUSBデバイス120に対してエニュメレーション処理を実行し、クラス等の制御に必要な情報の取り出しと初期化処理とを行う。その際、複数のコンフィギュレーションやインターフェースを持ち、様々なクラスに対応したデバイスが接続された場合には、リモート制御装置のUSB制御部105にて制御対象とするクラスを選んでもよいし、ワイヤレスによるデータ通信を介して再生装置110にて制御対象とするクラスを選んでもよい。
【0016】
接続されたUSBデバイス120の初期化が完了したことをリモート制御装置101がワイヤレスによるデータ通信で再生装置110に通知することで、再生装置110はクラスの制御処理で必要なUSBレベルのコマンド発行要求をワイヤレスによるデータ通信を介してリモート制御装置101に送り、リモート制御装置101はリモート制御装置のUSB制御部105より、そのコマンドをUSBデバイス120へ発行し、マスストレージクラスによるUSBデバイス120の制御が始まる。
【0017】
再生装置110によるマスストレージクラスとしての一連の初期化処理が完了すると、クラスを使ってデータを転送する処理、つまりファイルシステム11へと再生装置110内の処理が移る。
【0018】
再生装置110では、ファイルシステム11を使ってデータの転送要求をマスストレージクラス制御部12に対して行うと、マスストレージクラス制御部12はUSBレベルのコマンド発行要求をワイヤレスによるデータ通信を介してリモート制御装置101へ行う。
【0019】
なお、リモート制御装置101で行われる前記エニュメレーション処理が完了するまでにエラーが発生した場合は、再生装置110には通知せずリモート制御装置101内で閉じた形で処理を完了し、必要に応じてエラーが発生したことのみを通知する。
【0020】
このような構成により、例えばAV機器を制御するリモコン等のリモート制御装置101に、着脱可能な記録デバイスであるUSBデバイス120との接続のためのUSBコネクタ103を搭載し、かつリモコンにUSBデバイス120との通信制御機能を持たせることで、USBデバイス120との認識のための転送等、USBデバイス120とリモート制御装置101との間で完結できるデータ転送は完結させ、それ以外のデータ転送をワイヤレスで行うことで、ワイヤレスにて転送すべきデータ転送量を少なくし、転送効率を向上させることができる。
【0021】
また、再生装置110側がダウンロード機能により新規格の記録デバイスに対応した場合、例えば、リモート制御装置101が再生装置110から制御ソフトウェアを取得・更新することよって、リモート制御装置101側の通信制御機能を更新することで、新規格の記録デバイスがリモート制御装置101側に接続された場合にも対応できる。
【0022】
更に、リモート制御装置101のシステムリソースが少ない場合でも、接続されたUSBデバイス120に応じて機器制御ソフトウェアを更新することで、多くの種類のUSBデバイスに対応することができる。
【0023】
《第2の実施形態》
図2は、第2の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。図2において、再生装置のUSB制御部113は、アプリケーションソフト10と、ファイルシステム11とで構成される。リモート制御装置のUSB制御部105は、USBデバイス制御部13と、USBデバイス120内のデータのリードライトを制御するUSB規格で定義されたマスストレージクラス制御部12とを備える。
【0024】
図2の構成によれば、接続されたUSBデバイス120の初期化が完了すると、リモート制御装置101はUSBデバイス120に対してマスストレージクラスによる制御を始める。リモート制御装置101によるマスストレージクラスとしての一連の初期化処理が完了したことを、ワイヤレスによるデータ通信を介して再生装置110に通知することで、再生装置110内のファイルシステム11がデータ転送で必要なクラスレベルのコマンド発行要求をワイヤレスによるデータ通信を介してリモート制御装置101に送り、リモート制御装置101はリモート制御装置のUSB制御部105より、そのコマンドをUSBデバイス120へ発行する。これにより、ファイルシステム11によるUSBデバイス120の制御が始まる。
【0025】
再生装置110は、データの転送要求をファイルシステム11に対して行うと、ファイルシステム11はクラスレベルのコマンド発行要求をワイヤレスによるデータ通信を介してリモート制御装置101へ行う。
【0026】
なお、リモート制御装置101で行われる前記クラスとしての一連の初期化処理が完了するまでにエラーが発生した場合は、再生装置110には通知せずリモート制御装置101内で閉じた形で処理を完了し、必要に応じてエラーが発生したことのみを通知する。
【0027】
このような構成により、例えばリモート制御装置101に接続されたUSBデバイス120内のデータを、再生装置110でリードライトする場合、USBデバイス120の認識処理、及び、リードライトするためのUSB規格で定義されたマスストレージクラス処理はリモート制御装置のUSB制御部105が実施するため、再生装置110はリモート制御装置101とワイヤレスによるデータ転送を行う必要はない。これにより、従来行われていた前記認識処理、前記マスストレージクラス処理における、再生装置110とリモート制御装置101との間でのワイヤレスによるデータ転送が必要なくなり、データ転送量が削減され、転送効率が向上する。
【0028】
また、再生装置110が新規格の転送に対応した場合は、再生装置110からリモート制御装置101に対し、新規格に対応した制御ソフトウェアをリモートでのデータ転送を利用して送り、リモート制御装置101で取得した制御ソフトウェアを、リモート制御装置のUSB制御部105と入れ替えることで、容易に新規格に対応が可能となる。
【0029】
《第3の実施形態》
図3は、第3の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。図3において、再生装置のUSB制御部113は、アプリケーションソフト10で構成され、リモート制御装置のUSB制御部105は、ファイルシステム11と、マスストレージクラス制御部12と、USBデバイス制御部13とから構成される。
【0030】
図3の構成によれば、接続されたUSBデバイス120の初期化が完了すると、リモート制御装置101はUSBデバイス120に対してマスストレージクラスによる制御を始める。リモート制御装置101によるマスストレージクラスとしての一連の初期化処理が完了すると、次にリモート制御装置101のファイルシステム11による制御を始める。
【0031】
リモート制御装置101によるファイルシステムとしての一連の初期化処理が完了したことを、ワイヤレスによるデータ通信を介して再生装置110に通知することで、再生装置110側にUSBデバイス120の制御が移り、すぐに必要なデータをUSBデバイス120から取り出す、または書き込むことができる状態となる。
【0032】
再生装置110は、データの要求を行うと、ファイルシステムレベルのコマンド発行要求をワイヤレスによるデータ通信を介してリモート制御装置101へ行う。
【0033】
前記一連の動作により再生装置110はUSBデバイス120との間のデータ転送を行うことができ、映像や音声等の情報の記録/再生を実現することができる。
【0034】
なお、リモート制御装置101で行われる前記クラスとしての一連の初期化処理が完了するまでにエラーが発生した場合は、再生装置110には通知せずリモート制御装置101内で閉じた形で処理を完了し、必要に応じてエラーが発生したことのみを通知する。
【0035】
なお、第1〜第3の実施形態では、マスストレージデバイスを制御するためのマスストレージクラス、ファイルシステムを使用する場合を例として使用しているが、当然その他のクラス処理を行うソフトでもよい。
【0036】
このような構成により、例えばリモート制御装置101に接続されたUSBデバイス120内のデータを、再生装置110でリードライトする場合、USBデバイス120の認識処理、及び、リードライトするためのUSB規格で定義されたマスストレージクラス処理、及びファイル単位処理するためのファイルシステム処理はリモート制御装置のUSB制御部105が実施するため、再生装置110はリモート制御装置101とワイヤレスによるデータ転送を行う必要はない。これにより、従来行われていた前記認識処理、前記マスストレージクラス処理、ファイル識別処理における、再生装置110とリモート制御装置101との間でのワイヤレスによるデータ転送が必要なくなり、データ転送量が大幅に削減され、転送効率が向上する。
【0037】
また、再生装置110が新規格のファイルシステムに対応した場合は、再生装置110からリモート制御装置101に対し、新規格に対応した制御ソフトウェアをリモートでのデータ転送を利用して送り、リモート制御装置101で取得した制御ソフトウェアを、リモート制御装置のUSB制御部105と入れ替えることで、容易に新規格に対応が可能となる。
【0038】
《第4の実施形態》
図4は、第4の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの処理フロー図である。これは、本発明のリモート制御装置における、USB転送に必要な制御処理の一部を担う制御ソフトウェアの取得について、特に例としてUSB規格で定義されたクラス処理を行うためのソフトウェアを転送して取得する際の処理フローの例を示したものである。
【0039】
第1〜第3の実施形態ではUSB処理に関連するもののみを構成として挙げていたが、本形態では、リモート制御装置401そのものを制御する機能を持つ機能ブロックを、リモート制御装置制御ソフトウェア408としている。
【0040】
以上のような動作を行う形態の再生装置402及びリモート制御装置401について、以下その動作を説明する。
【0041】
〈取得するUSBクラス処理を行うためのソフトウェアの決定〉
図4では、本発明のリモート制御装置401にUSBデバイス405が接続407されると、USB制御部406がUSB機器としての認識処理を行う。認識処理は、前述の形態の通り、エニュメレーション処理を実行し、クラス等の制御に必要なデバイス情報の取り出し、初期化処理等を行う。
【0042】
そして、USB制御部406では、接続されたUSBデバイス405のデバイス情報を、リモート制御装置制御ソフトウェア408に通知409する。リモート制御装置制御ソフトウェア408は、接続されたUSBデバイス405のデバイス情報を確認し、自身で制御可能なものであるかどうか(ここでは、自身が、接続されたUSBデバイス405に対応したUSBクラス処理を行うためのソフトウェアを搭載していることを、制御可能である条件とする)を判断する。
【0043】
ここで、接続されたUSBデバイス405に対応したUSBクラス処理を行うためのソフトウェアを搭載していない場合、再生装置402に対して、接続されたUSBデバイス405を制御するためにリモート制御装置401で使用することの可能なUSBクラス処理を行うためのソフトウェアを、再生装置402より取得することが可能であるかどうかを問い合わせるための情報の要求410を、ワイヤレス制御部411を通じて通信する。それに対して、再生装置402は、リモート制御装置401に対して、USBクラス処理を行うためのソフトウェアの取得可否についての情報の通知412を、ワイヤレス制御部411を通じて通信する。
【0044】
リモート制御装置制御ソフトウェア408は、再生装置402から通知された情報から、USBクラス処理を行うためのソフトウェアの取得可否について判断し、取得するUSBクラス処理を行うためのソフトウェアを決定する。
【0045】
なお、再生装置402の特性に応じて、USBクラス処理を行うためのソフトウェア情報要求410を、ユーザーによるリモート制御装置401の操作をトリガにして、実施する、もしくは実施を取り止めるとすることも可能である。また、USBデバイス405の接続407に関係なく、再生装置402に搭載されているUSBクラス処理を行うためのソフトウェアをリストメニュー等を利用して選択し、取得するUSBクラス処理を行うためのソフトウェアを決定することも可能である。
【0046】
〈USBクラス処理を行うためのソフトウェアの取得〉
前記の手順で取得するUSBクラス処理を行うためのソフトウェアを決定した後で、USBクラス処理を行うためのソフトウェアを取得するための手順を、引き続き図4を用いて説明する。
【0047】
取得するUSBクラス処理を行うためのソフトウェアの決定後、リモート制御装置制御ソフトウェア408は、決定したUSBクラス処理を行うためのソフトウェアの取得要求413を、ワイヤレス制御部411を通じて通信する。それに対して、再生装置402は、リモート制御装置401に対して、要求されたUSBクラス処理を行うためのソフトウェア403を、ワイヤレス制御部411を通じて送信する。
【0048】
次に、リモート制御装置401は、再生装置402から取得404したUSBクラス処理を行うためのソフトウェア403を、リモート制御装置制御ソフトウェア408とUSB制御部406とで使用できるようにするために、ソフトウェア間のインターフェース等の登録414の処理を行う。
【0049】
USBクラス処理を行うためのソフトウェアの登録414の処理が完了すると、リモート制御装置401で、取得したUSBクラス処理を行うためのソフトウェア403が使用できるようになり、接続したUSBデバイス405に対しての制御を開始415する。
【0050】
それ以降の動作は、前述の第1〜第3の実施形態のリモート制御装置101の制御と同様である。
【0051】
図4では、接続されたUSBデバイス405を制御するために取得するソフトウェアを、USBクラス処理を行うためのソフトウェア403と定義していたが、USBデバイス405内のデータを独立して解釈する処理を行うためのソフトウェア等も、制御するUSBデバイス405に応じて、同様に再生装置402から取得するソフトウェアに含めることができる。
【0052】
なお、第1〜第3の実施形態の例で示すと、USBクラス処理を行うためのソフトウェア403はマスストレージクラス制御部12に、USBデバイス内のデータを独立して解釈する処理を行うためのソフトウェアはファイルシステム11にそれぞれ相当する。
【0053】
《第5の実施形態》
図5は、第5の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。図5において、リモート制御装置501は、SDカード520と接続するためのSDカードコネクタ503と、SDカード520との間のデータ転送を行うためのSDホストコントローラ504と、SDホストコントローラ504を制御するSD制御部505と、再生装置510をワイヤレスによるデータ通信を利用して制御するためのワイヤレス制御部502とを備える。映像・音声等の情報を再生する再生装置510は、データ再生部511と、ワイヤレス制御部512と、SD制御部513とからなる。再生装置のSD制御部513は、アプリケーションソフト20と、ファイルシステム21と、SDミドルウェア22とから構成され、リモート制御装置のSD制御部505は、接続されたSDカード520との認識処理を行うSDデバイス制御部23から構成される。
【0054】
以上のように構成された形態の再生装置510及びリモート制御装置501について、以下その動作を説明する。
【0055】
SDカード520とリモート制御装置501とは、リモート制御装置501に搭載のSDカードコネクタ503にて接続され、リモート制御装置のSD制御部505は何かのSDカード520が接続されたことを検知できている状態にあるものとする。
【0056】
また、SDデバイス制御部23は、SDカードコネクタ503に接続されたSDカード520の認識処理を行い、SDミドルウェア22は、ファイルシステム21からのリードライト要求を、SDデバイス制御部23が処理可能な形式に変換する処理を行うものとする。
【0057】
リモート制御装置501は接続されたSDカード520に対してカード認識処理を実行し、カード情報の取り出しと初期化処理とを行う。
【0058】
接続されたSDカード520の初期化が完了したことをリモート制御装置501がワイヤレスによるデータ通信で再生装置510に通知することで、再生装置510はカード情報のリードライトで必要となる要求コマンドをワイヤレスによるデータ通信を介してリモート制御装置501に送り、リモート制御装置501はリモート制御装置のSD制御部505より、そのコマンドをSDカード520へ発行する。これにより、SDミドルウェア22によるSDカード520の制御が始まる。
【0059】
再生装置510によりSDカードコネクタ503に接続されたSDカード520の認識処理が完了すると、ファイルシステム21を使ってデータを転送する処理が開始される。
【0060】
再生装置510はファイルシステム21を使って、データの転送要求をSDミドルウェア22に対して行うと、SDミドルウェア22は転送要求をSDデバイス制御部23が認識可能な形式に変換した後、ワイヤレスによるデータ通信を介してリモート制御装置501へ転送要求を行う。
【0061】
前記一連の動作により再生装置510はSDカード520との間のデータ転送を行うことができ、図5のように記録デバイスがSDカード520のときも、図1〜図3で示されたように記録デバイスがUSBデバイス120であるときと同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、リモート制御装置501で行われる前記SDカード認識処理が完了するまでにエラーが発した場合は、再生装置510には通知せずリモート制御装置501内で閉じた形で処理を完了し、必要に応じてエラーが発生したことのみを通知する。
【0063】
《第6の実施形態》
図6は、第6の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。図6において、再生装置110は、USBデバイスと接続するためのUSBコネクタ114と、USBホストコントローラ115と、USB制御部113とを備える。再生装置のUSB制御部113は、USBコネクタ114に接続されたUSBデバイス内の情報を読み書きするために必要な制御を行うUSBデバイス制御部13aと、マスストレージクラス制御部12と、ファイルシステム11と、アプリケーションソフト10とを備える。
【0064】
一方、再生装置110をワイヤレスによるデータ転送を利用して制御可能なリモート制御装置101にも、USBデバイス120と接続するためのUSBコネクタ103と、USBホストコントローラ104と、USB制御部105とが実装されている。リモート制御装置のUSB制御部105には、USBコネクタ103に接続されたUSBデバイス120内の情報を読み書きするために必要な制御を行う処理の一部が、例えばUSBデバイス制御部13として組み込まれる。
【0065】
本構成において、再生装置110とリモート制御装置101に接続されたUSBデバイス120との間でデータ転送を行う場合は、第1の実施形態と同じ方法で行うことができる。本構成では、再生装置のUSB制御部113に実装された、アプリケーションソフト10、ファイルシステム11、マスストレージクラス制御部12を、再生装置のUSBコネクタ114に接続されたUSBデバイスとの間のデータ転送制御だけでなく、リモート制御装置のUSBコネクタ103に接続されたUSBデバイス120との間のデータ転送制御にも用いることで、再生装置110は、リモート制御装置101に接続されたUSBデバイス120との間のデータ転送を行うことができる。つまり、再生装置のUSB制御部113は、USBコネクタ114に接続されたUSBデバイスとの間のデータ転送制御と、リモート制御装置のUSBコネクタ103に接続されたUSBデバイス120との間のデータ転送制御との両方の転送制御を担うことになる。これにより、リモート制御装置101側にUSB制御用のアプリケーションや、ファイルシステムといった機能を搭載することなく、再生装置110側の機能を共用することでリモート制御装置101にUSB接続機能を設けることが可能となる。
【0066】
《第7の実施形態》
図7は、第7の実施形態における再生装置及びリモート制御装置を備えたデータ転送システムの構成図である。図7において、再生装置510は、SDカードと接続するためのSDカードコネクタ514と、SDホストコントローラ515と、SD制御部513とを備える。再生装置のSD制御部513は、SDカードコネクタ514に接続されたSDカード内の情報を読み書きするために必要な制御を行うSDデバイス制御部23aと、SDミドルウェア22と、ファイルシステム21と、アプリケーションソフト20とを備える。
【0067】
一方、再生装置510をワイヤレスによるデータ転送を利用して制御可能なリモート制御装置501にも、SDカード520と接続するためのSDカードコネクタ503と、SDホストコントローラ504と、SD制御部505とが実装されている。リモート制御装置のSD制御部505には、SDカードコネクタ503に接続されたSDカード520内の情報を読み書きするために必要な制御を行う処理の一部が、例えばSDデバイス制御部23として組み込まれる。
【0068】
本構成において、再生装置510とリモート制御装置501に接続されたSDカード520との間でデータ転送を行う場合は、第5の実施形態と同じ方法で行うことができる。本構成では、再生装置のSD制御部513に実装された、アプリケーションソフト20、ファイルシステム21、SDミドルウェア22を、再生装置のSDカードコネクタ514に接続されたSDカードとの間のデータ転送制御だけでなく、リモート制御装置のSDカードコネクタ503に接続されたSDカード520との間のデータ転送制御にも用いることで、再生装置510は、リモート制御装置501に接続されたSDカード520との間のデータ転送を行うことができる。つまり、再生装置のSD制御部513は、SDカードコネクタ514に接続されたSDカードとの間のデータ転送制御と、リモート制御装置のSDカードコネクタ503に接続されたSDカード520との間のデータ転送制御との両方の転送制御を担うことになる。これにより、リモート制御装置501側にSD制御用のアプリケーションや、ファイルシステムといった機能を搭載することなく、再生装置510側の機能を共用することでリモート制御装置501にSDカード接続機能を設けることが可能となる。
【0069】
なお、本発明の対象となる記録デバイスがUSBデバイス120及びSDカード520に限定されることはなく、他の記録デバイスとの間の高速データ転送も本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係るリモート制御装置は、リモート制御装置に接続された記録デバイスと再生装置との間のデータ転送の効率化による高速転送機能を有し、記録デバイスのAVデータを読み書きするオーディオ機器、デジタルテレビ、デジタルビデオレコーダ等に有用である。
【符号の説明】
【0071】
10 アプリケーションソフト
11 ファイルシステム
12 マスストレージクラス制御部
13 リモート制御装置のUSBデバイス制御部
13a 再生装置のUSBデバイス制御部
20 アプリケーションソフト
21 ファイルシステム
22 SDミドルウェア
23 リモート制御装置のSDデバイス制御部
23a 再生装置のSDデバイス制御部
101 リモート制御装置
102 リモート制御装置のワイヤレス制御部
103 リモート制御装置のUSBコネクタ
104 リモート制御装置のUSBホストコントローラ
105 リモート制御装置のUSB制御部
110 再生装置
111 再生装置のデータ再生部
112 再生装置のワイヤレス制御部
113 再生装置のUSB制御部
114 再生装置のUSBコネクタ
115 再生装置のUSBホストコントローラ
120 USBデバイス
401 リモート制御装置
402 再生装置
405 USBデバイス
406 リモート制御装置のUSB制御部
408 リモート制御装置の制御ソフトウェア
411 リモート制御装置のワイヤレス制御部
501 リモート制御装置
502 リモート制御装置のワイヤレス制御部
503 リモート制御装置のSDカードコネクタ
504 リモート制御装置のSDホストコントローラ
505 リモート制御装置のSD制御部
510 再生装置
511 再生装置のデータ再生部
512 再生装置のワイヤレス制御部
513 再生装置のSD制御部
514 再生装置のSDカードコネクタ
515 再生装置のSDホストコントローラ
520 SDカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生装置とワイヤレスでデータ通信を行うリモート制御装置であって、
着脱可能な記録デバイスと接続するためのコネクタと、
前記着脱可能な記録デバイスと通信を行うホストコントローラと、
前記ホストコントローラを制御するデバイス制御部と、
前記再生装置とのワイヤレスでのデータ転送を制御するワイヤレス制御部とを備えたことを特徴とするリモート制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のリモート制御装置において、
前記着脱可能な記録デバイスは、USBデバイスであり、
前記コネクタは、前記USBデバイスと接続するUSBコネクタであり、
前記ホストコントローラは、前記USBデバイスと通信を行うUSBホストコントローラであり、
前記デバイス制御部は、前記USBホストコントローラを制御するUSB制御部であることを特徴とするリモート制御装置。
【請求項3】
請求項2記載のリモート制御装置において、
前記USB制御部は、前記USBコネクタに接続されたUSBデバイスの一部の制御を行うことを特徴とするリモート制御装置。
【請求項4】
請求項3記載のリモート制御装置において、
前記USB制御部は、前記USBコネクタに接続されたUSBデバイスのデバイス認識処理を行うことを特徴とするリモート制御装置。
【請求項5】
請求項3記載のリモート制御装置において、
前記USB制御部は、前記USBコネクタに接続されたUSBデバイスのデバイス認識処理、及び、USB規格で定義されたクラス処理を行うことを特徴とするリモート制御装置。
【請求項6】
請求項3記載のリモート制御装置において、
前記USB制御部は、前記USBコネクタに接続されたUSBデバイスのデバイス認識処理、及び、USB規格で定義されたクラス処理を行い、かつ、前記クラス処理に対して要求を行い、前記USBデバイス内のデータを独立して解釈することを特徴とするリモート制御装置。
【請求項7】
請求項2記載のリモート制御装置において、
前記USBデバイスとのUSB転送に必要な制御処理の一部を担う制御ソフトウェアを、前記再生装置からワイヤレスでのデータ転送を用いて取得することを特徴とするリモート制御装置。
【請求項8】
請求項7記載のリモート制御装置において、
前記USB制御部は、前記USBコネクタに接続されたUSBデバイスの認識処理を行い、USB規格で定義されたクラス処理を行うためのソフトウェアを、前記再生装置からワイヤレスでのデータ転送を用いて取得することを特徴とするリモート制御装置。
【請求項9】
請求項7記載のリモート制御装置において、
前記USB制御部は、前記USBコネクタに接続されたUSBデバイスの認識処理を行い、USB規格で定義されたクラス処理を行うためのソフトウェアと、前記クラス処理に対して要求を行い、前記USBデバイス内のデータを独立して解釈する処理を行うためのソフトウェアとを、前記再生装置からワイヤレスでのデータ転送を用いて取得することを特徴とするリモート制御装置。
【請求項10】
請求項1記載のリモート制御装置において、
前記着脱可能な記録デバイスは、SDカードであり、
前記コネクタは、前記SDカードと接続するSDカードコネクタであり、
前記ホストコントローラは、前記SDカードと通信を行うSDホストコントローラであり、
前記デバイス制御部は、前記SDホストコントローラを制御するSD制御部であることを特徴とするリモート制御装置。
【請求項11】
請求項2〜9のいずれか1項に記載のリモート制御装置と再生装置とを備えたデータ転送システムであって、
前記再生装置にUSBコネクタと、USBホストコントローラと、USB制御部とを搭載し、前記リモート制御装置のUSB制御部で不足している機能を前記再生装置のUSB制御部で行うことを特徴とするデータ転送システム。
【請求項12】
請求項10記載のリモート制御装置と再生装置とを備えたデータ転送システムであって、
前記再生装置にSDカードコネクタと、SDホストコントローラと、SD制御部とを搭載し、前記リモート制御装置のSD制御部で不足している機能を前記再生装置のSD制御部で行うことを特徴とするデータ転送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−180884(P2011−180884A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45323(P2010−45323)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】