説明

リモート配線チェックシステムおよびそのシステムに使用する接続コネクタ

【課題】単一の制御部と複数の被制御装置を備えた制御・監視信号伝送システムにおいて、省配線化されたデータ信号線で接続されている親局と子局との間で双方向同時に伝送される信号の入力データ(監視データ)容量を減らすことなく、子局自体や子局と被制御装置との間の配線接続状態を容易に確認することができる、リモート配線チェックシステムを提供する。
【解決手段】制御部からの制御データとセンサ部からの監視データの伝送において、所定の周期のクロックに同期した所定のタイミング信号の制御下で、制御データの値に応じて、制御データ信号として出力される一連のパルス状電圧信号に、制御データおよび監視データから構成される制御・監視データ領域と異なる、配線状態を示す接続データを含む管理データ領域を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の制御部と複数の被制御装置を備え、制御部及びデータ信号線に親局が接続され、複数の被制御装置に対応する複数の子局が、データ信号線及び対応する被制御装置に接続される構成の制御・監視信号伝送システムにおいて、子局および被制御装置のセンサやアクチュエータ、表示灯などの配線接続状態を遠隔で確認するためのリモート配線チェックシステムおよびそのシステムに使用する接続コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
単一の制御部と複数の被制御装置(制御部の指示に応じて動作する被制御部と制御部に情報を送信するセンサ部とで構成されるもの)を備える制御システムにおいて、配線の数を減らすことは、配線スペースの低減、配線工数の低減、装置製作工期の低減、或いは設備の小型化に繋がり、これによって、設備の信頼性向上、コスト低減などを図ることができる。
【0003】
そこで、上記のような制御システムにおいて配線の数を減らす試みがなされている。具体的には、電源を含むクロック信号の線路に、各クロックに対応する1つ(1ビット)の制御信号やセンサ信号(被制御装置からの入力信号)を重畳する信号伝送方式を採用することで、制御部と被制御装置の間の省配線が実現されている。
【0004】
また、この信号伝送方式において、制御部と被制御装置との間における信号伝送速度を高めるための手法が特開2002−152864号公報に開示されている。ここで開示されている制御・監視信号伝送システムは、制御部及びデータ信号線に親局が接続され、複数の被制御装置に対応する複数の子局が、データ信号線及び対応する被制御装置に接続される構成となる。そして、クロックの1周期毎の後半又は前半を更に制御信号エリア及び監視信号エリアとに時分割し、各々に制御信号及び監視信号を重畳し検出する。これにより、電源を含むクロック信号に、制御部から被制御部への制御信号に加えて、センサ部から制御部への監視信号をも重畳することができる。従って、制御部と被制御部およびセンサ部間の双方向の高速な信号伝送を実現することができると共に、制御信号と監視信号とを共通のデータ信号線に出力し、かつ、これらを同時に双方向に伝送することができる。この結果、共通のデータ信号線において制御信号又は監視信号を伝送する期間を別々に設ける必要をなくすことができ、信号伝送の速度(レート)を従来の2倍に高速化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−152864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記のような省配線化が実現された場合であっても、子局の出力端子部と被制御部のアクチュエータ、表示灯などとの配線、および子局の入力端子部とセンサ部のスイッチ、近接スイッチなどとの配線は、個々に複数の配線で接続されることになる。そして、これらの配線に断線、短絡が生じたり、誤配線などの配線異常が生じたりすると、誤った入力信号および出力信号が制御部に伝わり、誤った制御を生じることになる。そのため、これらの配線異常が生じた場合は、制御部から遠く離れている子局の各配線を各々、配線チェックする必要があり、その配線異常箇所の発見に多くの工数を要していた。なお、複数の子局自体の内部配線に異常が生じた場合、すなわち子局に不具合が生じた場合でも、このような配線異常が生じた場合と同様であり、不具合の生じた子局の発見に多くの工数を要することになる。
【0007】
子局自体の内部配線を含む子局の各配線チェックの手間を省く方法として、出力配線チェック回路、或いは入力配線チェック回路を付加し、その検出信号データを子局入力部に割り当て、その検出結果を、親局側で監視する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、限りある伝送データのうち入力データ(監視データ)容量を食いつぶすことになり、被制御装置の使用可能なセンサ部の監視データが減少するという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、単一の制御部と複数の被制御装置を備えた制御・監視信号伝送システムにおいて、省配線化されたデータ信号線で接続されている親局と子局との間で双方向同時に伝送される信号の入力データ(監視データ)容量を減らすことなく、子局自体や子局と被制御装置との間の配線接続状態を容易に確認することができる、リモート配線チェックシステムを提供することを目的とする。また、併せて、そのリモート配線チェックシステムに特に好適な接続コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るリモート配線チェックシステムは、制御部および共通のデータ信号線に接続された親局と、前記共通のデータ信号線および対応する被制御装置に接続された複数の子局を備える。前記被制御装置は、前記制御部の出力指示に応じて動作する被制御部および/または前記制御部へ入力情報を伝えるセンサ部を有する。前記親局は、所定の周期のクロックに同期した所定のタイミング信号を発生するためのタイミング発生手段を有する。また、前記親局は、前記タイミング信号の制御下で、前記制御部からの制御データの値に応じて、制御データ信号として一連のパルス状電圧信号を、前記データ信号線に出力すると共に、前記タイミング信号の制御下で、前記クロックの1周期毎に、前記一連のパルス状電圧信号に重畳された監視データ信号のデータ値を抽出し、これを前記制御部に引き渡す。前記複数の子局の各々は、前記タイミング信号の制御下で、前記クロックの1周期毎に、前記制御データ信号の各データの値を抽出して、前記各データの値の中の自局に対応するデータを対応する前記被制御部に引き渡し、および/または、前記タイミング信号の制御下で、前記クロック信号の1周期毎に、対応する前記センサ部の監視データの値に応じて、前記監視データ信号を前記一連のパルス状電圧信号に重畳する。そして、前記一連のパルス状電圧信号に、前記制御データと前記監視データとで構成される制御・監視データ領域と異なる、配線状態を示す接続データを含む管理データ領域を設ける。
【0010】
前記接続データは、短絡情報、断線情報および正常情報が識別されるものであってもよい。或いは、子局自体の内部配線の状態を示すものであってもよい。
【0011】
前記管理データ領域には、前記子局から伝えられる前記被制御部および前記センサ部の識別子データが重畳されてもよい。識別子データは、例えば、複数の被制御部やセンサ部が接続されている子局の代表アドレスデータに対する相対的アドレスデータであってもよい。
【0012】
前記管理データ領域には、前記被制御部および前記センサ部の各々を指定する前記親局からの管理制御データが重畳されてもよい。管理制御データは、前記被制御部および前記センサ部の絶対アドレスデータであってもよく、この場合、一連のパルス状電圧信号の1フレーム毎に順次、増減して前記被制御部および前記センサ部の各々を指定するものであってもよい。また、管理制御データは、前記指定される被制御部およびセンサ部の複数が接続された前記子局の代表アドレスデータであってもよく、この場合は、被制御部およびセンサ部を間接的に指定することになる。管理制御データとして子局の代表アドレスデータが重畳される場合は、前記接続データが前記代表アドレスデータに対して前記短絡情報、断線情報、または正常情報のいずれも送信されなかったとき、前記親局と前記子局間の接続に断線が発生しているものと判断してもよい。
【0013】
また、前記子局は、自局において短絡または断線が発生したとき、前記接続データが正常情報であることを確認後、前記管理データ領域に、短絡または断線が生じている前記被制御部および前記センサ部の識別子データを重畳し、前記正常情報を前記短絡情報または前記断線情報に更新してもよい。この場合に子局から伝えられる識別子データは、それ単独で被制御部およびセンサ部の各々を示す絶対的アドレスデータであってもよい。
【0014】
前記センサ部において、前記センサ部の非動作電流が極小の場合、検出するセンサ信号の出力間にブリーダ電流を流し、前記ブリーダ電流およびセンサ部の動作電流の双方を含む全電流が第一の閾値に対して小さいときに前記断線と判断し、前記全電流が第二の閾値より大きいときに前記短絡と判断してもよい。また、断線、短絡以外は正常と判断して良い。第一および第二の閾値は、センサ部の正常動作時を考慮して適宜設定するもので、例えば、第一の閾値は、ブリーダ電流と正常時検知電流の和の5分の1と、第二の閾値は、正常時検知電流の5倍の値としてもよい。
ただし、短絡と断線を識別する手法に制限はなく、その他の手法を適宜採用すればよい。
【0015】
前記被制御部において、前記被制御部に対する出力指示がある場合、出力電流が第一の閾値に対して小さいときに前記断線と判断し、前記出力電流が動作電流よりも大きい第二の閾値より大きいときに、前記短絡と判断してもよい。第一および第二の閾値は、センサ部の接続状態を検知する場合と同様、被制御部の正常動作時を考慮して適宜設定すればよい。
【0016】
本発明に係る接続コネクタは、上記リモート配線チェックシステムに使用するもので、前記センサ部と前記子局の間に介装され、前記センサ部の検出部と並列に接続されるブリーダ抵抗を含む。ブリーダ電流およびセンサ部の動作電流の双方を含む全電流によって配線状態を判断する場合、既設のセンサ部に接続するのみで、既設のセンサ部においてブリーダ電流を流すことを可能とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るリモート配線チェックシステムは、制御部からの制御データとセンサ部からの監視データの伝送において、所定の周期のクロックに同期した所定のタイミング信号の制御下で、制御部からの制御データの値に応じて、制御データ信号としての一連のパルス状電圧信号に、制御データおよび監視データから構成される制御・監視データ領域とは異なる管理データ領域を設け、この管理データ領域を配線接続状態の確認に利用するものとなっている。そのため、同期アドレス伝送方式において、制御データ、監視データおよび管理データを、スタート信号から開始される一連のデータ群(1フレーム伝送サイクル)として同時に伝送することができ、制御データ、監視データのデータ容量、伝送速度に何ら影響を与えない。一方、配線の接続データは、親局を介して制御部に集約されることから、配線している遠くの現場まで直接チェックに行く必要もない。つまり、親局と子局との間で双方向同時に伝送される監視データの容量を減らすことなく、子局と被制御装置との間の配線接続状態を容易に親局側で確認することができる。
【0018】
前記接続データは、前記管理データ領域に重畳された管理制御データによって指定される確認対象に対応するものが重畳される。管理制御データは、前記1フレーム伝送サイクル毎に、一定或いは異なるものに変更されるため、接続データも、それに応じて順次、一定或いは異なるものが重畳される。すなわち、1フレーム伝送サイクル毎に、1つ(所定数)の確認対象について、接続データが伝送されることになる。この確認対象の指定順番等に制限は無いが、被制御部およびセンサ部の各々にアドレス番号等の識別子が付与されている場合、それら被制御部およびセンサ部の識別子を管理制御データとして1フレーム伝送サイクル毎に順次重畳すればよい。一方、子局の各々に識別子が付与されている場合は、それら子局の識別子(代表アドレス)を管理制御データとして1フレーム伝送サイクル毎に順次重畳すればよい。この場合、各子局において、自局の内部配線の状態や、自局に接続されているセンサ部あるいは被制御部の接続状態が検出され、その検出結果に基づき接続データが送出される。なお、子局に複数のセンサ部や被制御部が接続されている場合、管理監視データには、接続データと、これら複数のセンサ部と被制御部を区別するための確認対象となる相対的或いは絶対的なアドレスデータ識別子(識別子データ)が、含まれることになる。また、親局が管理制御データとして複数の被制御部やセンサ部が接続されている子局のアドレスデータを重畳する場合、アドレスデータに対応する子局の管理監視データ(接続データと識別子データ)は、1フレーム伝送サイクル遅れたものとなる。
【0019】
接続データは、単に、接続状態に不具合の生じていることを検出できるものであってもよいが、不具合の内容が、具体的には、短絡、断線および正常が識別されるものであれば、その後の対処を迅速かつ適切に行うことができる。
【0020】
更に、接続データが短絡、断線および正常を識別できるものであれば、管理監視データを参照した子局は、他局における配線異常の情報が管理監視データとして重畳されているかどうかの判断を行うことができる。そのため、管理制御データによって確認対象を指定しなくとも、子局の判断により、短絡情報や断線情報を重畳することが可能となる。すなわち、子局は、自局において短絡または断線が発生したとき、伝送される接続データが正常情報であることを確認後、その正常情報を短絡情報または断線情報に更新し、識別子データを短絡または断線が生じている被制御部またはセンサ部に対応するデータに更新することで、親局側では、子局と被制御装置との間の配線接続状態を容易に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るリモート配線チェックシステムの実施例における親局と子局の間の伝送方式の模式図である。
【図2】同リモート配線チェックシステムの概略構成を示すシステム構成図である。
【図3】親局のシステム構成図である。
【図4】親局に記憶されるアドレステーブルの模式図である。
【図5】親局と子局との間で授受される信号のタイムチャート図である。
【図6】子局出力部のブロック図である。
【図7】出力データ部とアクチュエータの接続状態を示すブロック図である。
【図8】子局入力部のブロック図である。
【図9】入力データ部と二線式センサの接続状態を示すブロック図である。
【図10】入力データ部と有接点センサの接続状態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜10を参照しながら、本発明に係るリモート配線チェックシステムの実施例を説明する。
図2に示すように、このリモート配線チェックシステムは、制御部1および共通のデータ信号線DP、DN(以下、データ信号線DP、DNとする)に接続された親局6と、前記データ信号線DP、DNおよび対応する被制御装置5に接続された複数の子局2を備える。被制御装置5は、制御部1の出力指示に応じて動作する被制御部51と、制御部1へ入力情報を伝えるセンサ部52を有している。被制御部51は、被制御装置4を構成する種々の部品、例えば、アクチュエータ、(ステッピング)モータ、ソレノイド、電磁弁、リレー、サイリスタ、ランプ等からなる。一方、センサ部52は、対応する被制御部51に応じて選択され、例えば、リードスイッチ、マイクロスイッチ、押釦スイッチ、光センサ等からなり、オン、オフの状態(2値信号)を出力する。なお、この実施例では、被制御部51としてアクチュエータを、センサ部52として二線式センサおよびリードスイッチ(以下、有接点センサという)を採用した場合を示すものとし、以下アクチュエータ51、二線式センサ52a、有接点センサ52bとする。
【0023】
制御部1は、例えばプログラマブルコントローラ、コンピュータ等であり、制御データ13、および初期設定(イニシャライズ)信号データ14を送出する出力ユニット11と、被制御装置4側からのセンサデータ(監視データ信号のデータ)15および接続データ16を受け取る入力ユニット12を有する。そして、これら出力ユニット11と入力ユニット12が親局6に接続されている。
【0024】
親局6は、図3に示すように、出力データ部61、IDXアドレスデータ部62、タイミング発生部63、親局出力部64、親局入力部65、入力データ部66、管理監視データ抽出手段78及び接続データ検出手段79を備える。
【0025】
出力データ部61は、制御部1の出力ユニット11から制御データ13として受けた並列データを親局出力部64へ引き渡す。この制御データ13は、アクチュエータ51の動作指示を行うものである。
【0026】
IDXアドレスデータ部62は、その内部に備えるIDXアドレステーブル68の中に、IDXアドレスデータを記憶している。IDXアドレスデータは、配線状態の確認対象となるアクチュエータ51、二線式センサ52a、または有接点センサ52bが接続されている子局2を特定するためのデータであり、子局2の先頭アドレスが用いられる。この実施例では、一つの子局2に二つのアクチュエータ51、或いは二線式センサ52aと有接点センサ52bが接続されているため、先頭アドレスは、図4(a)に示すように#ad0、#ad2などのように一つおきのアドレスとなる。これらIDXアドレスデータは、制御データ発生手段73及び接続データ検出手段79に引き渡される。また、前記初期設定信号データ14を受けて、図4(a)に示すテーブルが生成されるが、その生成手順は後述する。なお、図4に示すアドレス#ad0、#ad2等は後述する伝送クロック信号の1周期毎に割り当てられたアドレスである。
【0027】
タイミング発生部63は、発振回路(OSC)71とタイミング発生手段72からなり、OSC71を基にタイミング発生手段72が、この伝送システムのタイミングクロックを生成し親局出力部64に引き渡す。親局出力部64は、制御データ発生手段73とラインドライバ74からなり、制御データ発生手段73が、出力データ部61及びIDXアドレス検出部62から受けたデータと、タイミング発生部63から受けたタイミングクロックに基づき制御データ信号を生成し、ラインドライバ74を介してデータ信号線DP、DNに送出する。ラインドライバ74は、また、DC電源75から電源供給を受け、制御データ信号とともに、共通データ信号線DP、DNを経由し、子局2の回路電源を供給する。
【0028】
親局出力部64からデータ信号線DP、DNに送出される制御データ信号(本発明における、一連のパルス状電圧信号に相当し、以下、データ信号線DP、DNを流れる制御データ信号を伝送クロック信号という)のデータ値は、タイミングクロックの1周期における電圧レベルの高い期間のパルス幅により表現される。伝送クロック信号は、図5に示すように、1周期の後半が高電位レベル(この実施例では+24V)と、前半が低電位レベル(この実施例では+19V)とされる。そして、高電位レベルの幅は、制御部1から入力される制御データ13の各データの値に応じて拡張される。この実施例では、伝送クロック信号の1周期をt0とした時に(3/4)t0まで拡張される。ただし、その幅に制限はなく、伝送条件等により適宜調整すればよい。なお、データ値の表現形式に制限はなく、例えば、電圧レベルの高低や、電流の有無など、その他の表現形式を適宜採用してもよい。また、伝送クロック信号の1周期毎にはアドレスが割り当てられており、この実施例においては、アドレス0番地(#ad0)、1番地(#ad1)、2番地(#ad2)及び3番地(#ad3)のそれぞれにおける制御データの値(出力データ)はそれぞれ“0”、“0”、“1”、“0”を表わすものとなっている。
【0029】
図1は、この伝送手順を模式的に示したものである。この伝送手順では、スタート信号STの後に、制御データout0〜outnと、監視データin0〜innとで構成される制御・監視データ領域が続き、さらに、その後に、接続データCDTが重畳される管理データ領域が続いたものとなっている。子局2は、前記伝送クロック信号の1周期毎に割り当てられたアドレスをカウントする方式により、自局が受信すべき制御データを取り込むものとなっている。アドレスのカウントは、伝送クロック信号の最初のスタート信号STの終了を起点として開始される。スタート信号STは、伝送クロック信号の高電位レベルと同じ電位レベルであって、伝送クロック信号の1周期より長い信号とされている。
【0030】
親局入力部65は監視信号検出手段76と監視データ抽出手段77で構成され、入力データ部66へ入力データを送出する。監視信号検出手段76は、共通データ信号線DP、DNを経由して子局2から送出された監視データ信号と、接続データ信号とを検出する。子局2から送出される監視データ信号は、二線式センサ52aまたは有接点センサ52bにおける検知対象の検知の有無が電流レベルとして表わされたもので、スタート信号STが送信された後、各子局2から順次受け取るものとなっている。また、接続データ信号は、後述の初期確認に対する子局2の応答(初期確認信号)またはアクチュエータ51、二線式センサ52a、有接点センサ52bの配線状態を示す二進数の接続データが電流レベルとして表わされたものとなっている。そして、監視データ信号の監視データおよび接続データ信号の接続データは、タイミング発生手段72の信号に同期して監視データ抽出手段77で抽出され、直列の入力データとして入力データ部66及び管理監視データ抽出手段78に送出される。
【0031】
親局入力部65から直列の入力データを受け取った入力データ部66は、その直列の入力データを並列(パラレル)データに変換し、センサデータ15として制御部1の入力ユニット12へ引き渡す。一方、管理監視データ抽出手段78は、入力データから接続データを抽出し、接続データ検出手段79へ接続データを引き渡す。接続データ検出手段79は、前記IDXアドレステーブル68の生成時であれば、初期確認信号が抽出された情報を前記IDXアドレスデータ部62に引き渡し、接続状態の確認が行われているときであれば、接続データを入力データ部66に引き渡す。接続データを受け取った入力データ部66は、それを、正常、断線或いは短絡を示す接続データ16として制御部1の入力ユニット12へ引き渡す。
【0032】
親局6は、また、伝送インターフェイス回路として、伝送ブリーダ電流回路67を有している。伝送ブリーダ電流回路67は、親局出力部64内のラインドライバ74に接続されており、データ信号線DPとDN間の伝送路を安定化させる。
【0033】
子局2は、子局出力部30と子局入力部40を備え、その各々がデータ信号線DP、DNに接続され、二線式センサ52aまたは有接点センサ52bから受けた信号を監視データ信号としてデータ信号線DP、DNに送出するとともに、データ信号線DP、DN上を伝送される伝送クロック信号から必要な情報を抽出し、アクチュエータ51を動作させる。
【0034】
子局出力部30は、図6に示すように、アドレス設定手段31、アドレス抽出手段32、子局データ出力手段33、出力データ部34、アクチュエータ接続検出部35、及び制御データ信号抽出手段36を備えている。また、2つの接続端子outN、outN+1を備え、その各々にアクチュエータ51が接続されている。
【0035】
なお、この子局出力部30には、マイクロコンピュータ・コントロール・ユニット(MCU)39が搭載されており、アドレス設定手段31、アドレス抽出手段32、子局データ出力手段33、および出力データ部34のそれぞれにおける処理は、MCU39により行われるものとなっている。そして、それぞれの処理において必要となる演算や記憶は、MCU39の備えるCPU、RAMおよびROMを使用して実行されるものとなっている。ただし、図6においては、それぞれの処理におけるCPU、RAMおよびROMとの関係は、説明の便宜上、その図示を省略するものとする。
【0036】
アドレス設定手段31は、図示しないアドレス設定スイッチで設定されたアドレス値を認識し、アドレス抽出手段32に引き渡す。なお、アドレスの設定は、スイッチ等による機械的方法に限定されず、例えば、予め設定された値を親局6から送信し、それを記憶させる方法で行ってもよい。
【0037】
アドレス抽出手段32には、アドレス設定手段31で認識された自局アドレスが引き渡されるとともに、データ信号線DP、DNから制御データ信号抽出手段36を経て、伝送クロック信号が伝えられる。アドレス抽出手段32は、これらの情報を基に、自局アドレスのデータを得て、そのデータを子局データ出力手段33に引き渡す。子局データ出力手段33に引き渡されたデータは、更に出力データ部34に引き渡され、それらデータに基づいてアクチュエータ51が動作する。なお、これら一連の処理は、データ信号線DP、DNに伝送される伝送クロック信号のクロックに同期して、すなわち、タイミング信号の制御下で行われることになる。
【0038】
アクチュエータ接続検出部35は、A/D変換器を備える。このA/D変換器は、出力データ部34とアクチュエータ51の配線間に流れる電流変化による電圧値に基づいて正常、短絡、または断線状態(接続状態)を検出する。アクチュエータ接続検出部35は、この検出された接続状態を、正常情報、短絡情報、または、断線情報として、出力Iout1を通じて前記データ信号線DP、DNに送出する。具体的には、正常情報を“11”、短絡情報を“10”、断線情報を“01”のバイナリデータとして送出する。ただし、データの表現形式に制限はなく、使用状況に応じた表現形式を適宜選択することができる。
【0039】
電流変化の検出原理を図7に示す。図7に示すように、アクチュエータ51が正常に動作する場合、アクチュエータ51の電磁弁53には動作電流iwが流れるが、出力データ部34とアクチュエータ51の間の配線に短絡が生じた場合、電磁弁53を経ずに短絡電流isが流れることになる。この短絡電流isは動作電流iwよりも大きいため、出力データ部34内部に設けた検知用抵抗Rdにおける電圧降下vが大きくなる。また、出力データ部34とアクチュエータ51の間の配線が断線している場合、検知用抵抗Rdに電流は流れず、電圧降下vは0となる。従って、正常、短絡、断線の電圧降下vをA/D変換器により検出することで、接続状態の情報を得ることができる。なお、検知用抵抗Rdには直列にトランジスタTrdが接続され、このトランジスタTrdのベースonNは、アクチュエータ51に対する出力指示があった場合にのみ“on”となる。そこで、ベースonNが“on”の場合にのみ、検出を有効とすればよい。なお、この実施例では、電圧降下vから算出された電流が第一の閾値(例えば、動作電流iwの5分の1)より小さい場合は断線と、動作電流iwよりも大きい第二の閾値(例えば、動作電流iwの5倍の値)より大きい場合には短絡と判断される。また、図7は、接続端子outNに関するものであるが、接続端子outN+1についてもその動作は同じであるため、説明を省略する。
【0040】
この子局出力部30は、特に専用の電源を保有していないが、共通データ信号線DP、DNから供給される、電源が重畳された伝送クロック信号から、子局出力部30内部で使用する電源電圧を、ダイオードとコンデンサと三端子電源素子によって作り出している。
【0041】
子局入力部40は、図8に示すように、アドレス設定手段41、アドレス抽出手段42、子局データ入力手段43、入力データ部44、センサ接続検出部45、及び制御データ信号抽出手段46を備えている。また、2つの接続端子inN、inN+1を備え、接続端子inNには有接点センサ52bが、接続端子inN+1には二線式センサ52aが接続されている。更に、この子局入力部40も、子局出力部30と同様にマイクロコンピュータ・コントロール・ユニット(MCU)49が搭載されており、アドレス設定手段41、アドレス抽出手段42、子局データ入力手段43、および入力データ部44のそれぞれにおける処理は、MCU49により行われるものとなっている。なお、アドレス設定手段41、アドレス抽出手段42、および制御データ信号抽出46は、子局出力部30のアドレス設定手段31、アドレス抽出手段32、および制御データ信号抽出手段36とほぼ同一の構成であり、ほぼ同一の動作をするため、その説明は省略する。また、図8においては、図6と同様、それぞれの処理におけるCPU、RAMおよびROMとの関係は、説明の便宜上、その図示を省略するものとする。
【0042】
入力データ部44は、対応する二線式センサ52a、および有接点センサ52bから入力された1又は複数の(ビットの)データ信号を子局データ入力手段43に引き渡す。ここで引き渡されたデータは、子局データ入力手段43において保持される。子局データ入力手段43では、アドレス抽出手段42からアドレスが入力されると、保持している1又は複数のデータに応じて、Iout0信号の出力を“on”または“off”とする。Iout0信号が“on”の場合、トランジスタ47は”on”となり、データ信号線DP、DNに監視データ信号が出力される。ここで出力される監視データ信号は、二線式センサ52a、および有接点センサ52bの各々について予め定められた順に出力されたものであり、直列の信号となる。即ち、子局データ入力手段43は、監視データ信号についての並列/直列変換を行うことになる。
【0043】
このとき監視データ信号のデータ値は、既述のように、伝送クロック信号の1周期の前半(低電位レベルの期間)における電流レベルとして表現される。この実施例では、図5に示すように、監視データ信号のデータ値が「1」の場合には所定値Ith以上の電流(例えば、30mA)を流し、「0」の場合にはブリーダ電流(例えば、10mA)のみとして表現されている。従って、例えば、図5に示す信号のアドレス0番地(#ad0)、1番地(#ad1)、2番地(#ad2)及び3番地(#ad3)のそれぞれにおける監視データはそれぞれ“0”、“0”、“1”、“0”を表わすことになる。
【0044】
センサ接続検出部45は、アクチュエータ接続検出部35と同様に、A/D変換器を備える。このA/D変換器は、入力データ部44と二線式センサ52a、或いは有接点センサ52bの配線間に流れる電流変化による電圧値に基づいて正常、短絡、または断線状態(接続状態)を検出する。センサ接続検出部45は、この検出された接続状態を、正常情報、短絡情報、または、断線情報として、出力Iout1を通じて前記データ信号線DP、DNに送出する。具体的には、正常情報を“11”、短絡情報を“10”、断線情報を“01”のバイナリデータとして送出する。ただし、データの表現形式に制限はなく、使用状況に応じた表現形式を適宜選択することができる。
【0045】
電流変化の検出原理を図9および図10に示す。まず、二線式センサ52aの場合、図9に示すように、検知対象に取り付けられた磁性体54が接近すると検知電流icが流れ、センサ内の回路電流iaは、常時流されている微小のスタンバイ電流ibと検知電流icの合計値ib+icとなる。入力データ部44と二線式センサ52aの間の配線に短絡が生じた場合、この合計値ib+icよりも大きい短絡電流isが流れることになる。そのため、入力データ部44内部に設けた検知用抵抗Rdにおける電圧降下vが大きくなる。また、入力データ部44と二線式センサ52aの間の配線が断線している場合、検知用抵抗Rdに電流は流れず、電圧降下vは0となる。従って、正常、短絡、断線の電圧降下vをA/D変換器により検出することで、接続状態の情報を得ることができる。なお、この実施例では、A/D変換器を介し、算出された電流値が第一の閾値(例えば、スタンバイ電流ibと正常時検知電流icの和の5分の1)より小さい場合は断線と、第二の閾値(例えば、正常時検知電流icの5倍の値)より大きい場合には短絡と判断される。
【0046】
入力データ部44と有接点センサ52bの配線間の電流変化も、同様にして検出されるため、図10に示す入力データ部44と有接点センサ52bの接続状態においては、図9と実質的に同じ部分に同符号を付し、その説明は省略する。図10に示す接続状態は、図9に示すものに対し、ブリーダ用抵抗Rbを備える点において相違している。有接点センサ52bは、磁石55が近づいた場合(或いは離れた場合としてもよい)に接点が閉じて検知電流icが流れるものであるため、接点が開いている状態では電流が流れない。そこで、接点が開いている場合でもブリーダ電流ibを流すことができるよう、ブリーダ用抵抗Rbが、接点と並列に接続されている。このブリーダ用抵抗Rbは、接続コネクタ56に内包されており、図9における有接点センサ52bの本体部分のスタンバイ電流ibに相当するブリーダ電流ibを流す。
【0047】
なお、子局入力部40も、子局出力部30と同様に、電源を重畳された伝送クロック信号から、子局入力部40内部で使用する電源電圧を、ダイオードとコンデンサと三端子電源素子によって作り出している。
【0048】
上記の構成において、親局6からは、図1に示すように、スタート信号STとこれに続く1番目(#ad0および#ad1)の子局2の制御データout0とout1、更にこれに続く2番目(#ad2および#ad3)の子局2の制御データout2とout3、そして、以降同様に、最後の子局2の制御データまで送出され、更にその後、インデックスアドレスデータIDXが送出される。一方、子局2からは、制御データと同じクロックサイクル期間内に各監視データin0〜innが送出され、更にその後、アクチュエータ51、二線式センサ52a、および有接点センサ52bを特定するための識別子データADSと接続データCDTが送出される。この伝送手順において、#ad0から#adnまでが制御・監視データ領域、インデックスアドレスデータIDXと識別子データADSおよび接続データCDTを含む領域が管理データ領域となる。また、インデックスアドレスデータIDXが管理制御データに、識別子データADSおよび接続データCDTが管理監視データに相当する。そして、親局6と各子局2との間における信号伝送は、システムの作動中に繰り返し行われる。
【0049】
制御データout0〜outnは、アクチュエータ51に対する出力指示データであり、前記子局出力部30において制御データ信号抽出手段36、子局データ出力手段33を経て出力データ部34に引き渡され、このデータに基づいてアクチュエータ51が動作する。例えば、制御データが“1”の場合にアクチュエータ51が動作するものとすれば、図5に示す場合、#ad2に対応するアクチュエータ51が動作することになる。
【0050】
一方、監視データin0〜innは、二線式センサ52a、および有接点センサ52bからの情報であり、上記のように、これらセンサから入力された1又は複数の(ビットの)データを受けた子局データ入力手段43から送出されたものである。例えば、センサによる対象物の検知が行われた場合に監視データを“1”にするものとすれば、図5に示す場合、#ad2に対応するセンサが対象物を検知したことになる。
【0051】
インデックスアドレスデータIDXは、配線状態の確認対象となるアクチュエータ51、二線式センサ52a、または有接点センサ52bを指定するためのデータであり、この実施例では、それらが接続されている子局2を指定するためのデータとして子局2の先頭アドレスが用いられる。親局6は、前記IDXアドレステーブル68に記憶されているインデックスアドレスデータ群の中から、まず、テーブル番号0のインデックスアドレスデータ(#ad0)を選択し、これを伝送する。続けて、1フレーム伝送サイクル毎に、各テーブル番号に対応するインデックスアドレスデータを順次に伝送する。各子局2では、自局に割り当てられたアドレスがインデックスアドレスデータIDXのデータ値と一致するとき、自局に接続されたアクチュエータ51、二線式センサ52a、または有接点センサ52bに断線或いは短絡が生じている場合、それらを特定するための識別子データADS(アクチュエータ51などの子局2先頭アドレスに対する相対的アドレス)と、接続データCDTを送出する。このとき、送出される接続データCDTは、断線であれば“01”、短絡であれば“10”となる。なお、接続状態が正常であれば、識別子データADSを送出することなく、接続データCDTとして“11”を送出する。また、親局6と子局2間の接続に断線が発生している場合、子局2からデータが送出されることはないため、接続データCDTは“00”となる。すなわち、接続データCDTが子局2に割り当てられたアドレス(代表アドレスデータ)に対して短絡情報“10”、断線情報“01”、または正常情報“11”のいずれも送出されない場合、親局6と子局2間の接続に断線が発生しているものと判断できることになる。
【0052】
なお、子局2に接続されている2つのアクチュエータ51の双方、或いは、二線式センサ52aと有接点センサ52bの双方が断線または短絡している場合、子局2は、予め定められた順番に従い、まず、どちらか一方の接続データCDTを送出する。そして、この接続データCDTが正常を示すものと、すなわち“11”となった時点で、もう一方の接続データCDTを送出する。
【0053】
IDXアドレステーブル68は、制御部1から初期設定指令により作成される。初期設定指令を示す初期設定信号14を受けた親局6は、伝送クロック信号における管理データ領域のインデックスアドレスデータIDXを、1フレーム伝送サイクル毎に、最大アドレス値に達するまで1ずつ加算していく。各子局2では、自局に割り当てられたアドレス(先頭アドレス)が、インデックスアドレスデータIDXのデータ値と一致する場合、接続データCDTとして“11”の応答を返す。接続データCDTが“11”であった場合は、親局6の接続データ検出手段79で抽出され、その先頭アドレスが、インデックスアドレス検出部62の内部に備えてある内部メモリの中にインデックスアドレスデータとして、記憶される。
【0054】
この実施例では、IDXアドレステーブル68に、子局2の先頭アドレスを記憶することとしているが、これを複数のアクチュエータ51、二線式センサ52a、および有接点センサ52bの各々に付与されたアドレス(以下、全アドレスとする)としてもよい。その場合、図4(b)に示すように、IDXアドレステーブル68には、伝送クロック信号の1周期毎に割り当てられたアドレスの全てが記憶されることになる。なお、インデックスアドレスデータIDXに子局2の先頭アドレスを使用した場合、全てのアドレスの指定に要するサイクル数は、全アドレスを使用した場合よりも少なくなる。従って、接続確認に要する時間が短くなるという利点がある。その一方、インデックスアドレスデータIDXに全アドレスを使用した場合、1フレーム伝送サイクル毎に、最大アドレス値に達するまで1ずつ加算していくのみの単純な処理で実施でき、必要に応じてIDXアドレステーブル68を省略できる利点がある。
【0055】
また、この実施例では、配線状態の確認対象となるアクチュエータ51、二線式センサ52a、または有接点センサ52bを指定するためのデータとして、インデックスアドレスデータIDXを使用しているが、親局6から確認対象を指定することなく、断線や短絡を確認した子局2が自ら情報を送る方式としてもよい。その場合、図1に示す管理データ領域のインデックスアドレスデータIDXはブランクとなり、自局において短絡または断線が発生した子局2は、接続データCDTが正常情報“11”であることを確認後、接続データCDTを短絡情報“10”または断線情報“01”に更新し、識別子データADSを短絡または断線が生じているアクチュエータ51、二線式センサ52a、または有接点センサ52bの絶対的アドレスに更新する。
【0056】
更に、この実施例では、接続データCDTとして、子局2とアクチュエータ51、二線式センサ52a、または有接点センサ52bとの接続状態が表示されているが、これを各子局2の内部配線の状態、すなわち各子局2の不具合を表示するものとしてもよい。その場合、各子局2には自局内部配線を確認するための公知のチェック回路を備えることとし、そのチェック結果を接続データCDTとして親局6に伝送することとすれば、不具合の生じている子局2を親局6側で容易に確認することが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
1 制御部
2 子局
5 被制御装置
6 親局
11 出力ユニット
12 入力ユニット
13 制御データ
14 初期設定信号データ
15 センサデータ
16 接続データ
30 子局出力部
31 アドレス設定手段
32 アドレス抽出手段
33 子局データ出力手段
34 出力データ部
35 アクチュエータ接続検出部
36 制御データ信号抽出手段
37、47 トランジスタ
39、49 MCU
40 子局入力部
41 アドレス設定手段
42 アドレス抽出手段
43 子局データ入力手段
44 入力データ部
45 アクチュエータ接続検出部
46 制御データ信号抽出手段
51 被制御部(アクチュエータ)
52 センサ部
52a 二線式センサ
52b 有接点センサ52b
53 電磁弁
54 磁性体
55 磁石55
56 接続コネクタ
61 出力データ部
62 IDアドレス検出部
63 タイミング発生部
64 親局出力部
65 親局入力部
66 入力データ部
67 伝送ブリーダ電流回路
68 IDアドレステーブル
71 発信器
72 タイミング発生手段
73 制御データ発生手段
74 ラインドライバ
75 DC電源
76 監視信号検出手段
77 監視データ抽出手段
78 管理監視データ抽出手段
79 接続データ検知手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部および共通のデータ信号線に接続された親局と、前記共通のデータ信号線および対応する被制御装置に接続された複数の子局を備え、
前記被制御装置は、前記制御部の出力指示に応じて動作する被制御部および/または前記制御部へ入力情報を伝えるセンサ部を有し、
前記親局は、所定の周期のクロックに同期した所定のタイミング信号を発生するためのタイミング発生手段を有し、前記タイミング信号の制御下で、前記制御部からの制御データの値に応じて、制御データ信号として一連のパルス状電圧信号を前記データ信号線に出力すると共に、前記タイミング信号の制御下で、前記クロックの1周期毎に、前記一連のパルス状電圧信号に重畳された監視データ信号のデータ値を抽出し、これを前記制御部に引き渡し、
前記複数の子局の各々は、前記タイミング信号の制御下で、前記クロックの1周期毎に、前記制御データ信号の各データの値を抽出して、前記各データの値の中の自局に対応するデータを対応する前記被制御部に引き渡し、および/または、前記タイミング信号の制御下で、前記クロック信号の1周期毎に、対応する前記センサ部の監視データの値に応じて、前記監視データ信号を前記一連のパルス状電圧信号に重畳する制御・監視信号伝送システムにおいて、
前記一連のパルス状電圧信号に、前記制御データと前記監視データとで構成される制御・監視データ領域と異なる、配線状態を示す接続データを含む管理データ領域を設けたことを特徴とするリモート配線チェックシステム。
【請求項2】
前記接続データにおいて、短絡情報、断線情報および正常情報が識別される請求項1に記載のリモート配線チェックシステム。
【請求項3】
前記管理データ領域に、前記子局から伝えられる前記被制御部および前記センサ部の識別子データが重畳される請求項1または2に記載のリモート配線チェックシステム。
【請求項4】
前記管理データ領域に、前記被制御部および前記センサ部の各々を指定する前記親局からの管理制御データが重畳される請求項1または2に記載のリモート配線チェックシステム。
【請求項5】
前記管理制御データとして、前記指定される被制御部およびセンサ部の複数が接続された前記子局の代表アドレスデータが重畳され、前記接続データが前記代表アドレスデータに対して前記短絡情報、断線情報、または正常情報のいずれも送出されない場合、前記親局と前記子局間の接続に断線が発生しているものと判断する請求項4に記載のリモート配線チェックシステム。
【請求項6】
前記子局は、自局において短絡または断線が発生したとき、前記接続データが正常情報であることを確認後、前記管理データ領域に、短絡または断線が生じている前記被制御部および前記センサ部の識別子データを重畳し、前記正常情報を前記短絡情報または前記断線情報に更新する請求項2に記載のリモート配線チェックシステム。
【請求項7】
前記センサ部において、前記センサ部の非動作電流が極小の場合、検出するセンサ信号の出力間にブリーダ電流を流し、前記ブリーダ電流およびセンサ部の動作電流の双方を含む全電流が第一の閾値に対して小さいときに前記断線と判断し、前記全電流が第二の閾値より大きいときに前記短絡と判断する請求項2乃至6のいずれか一つの項に記載のリモート配線チェックシステム。
【請求項8】
前記被制御部において、前記被制御部に対する出力指示がある場合、出力電流が第一の閾値に対して小さいときに前記断線と判断し、前記出力電流が動作電流よりも大きい第二の閾値より大きいときに前記短絡と判断する請求項2乃至6のいずれか一つの項に記載のリモート配線チェックシステム。
【請求項9】
制御部および共通のデータ信号線に接続された親局と、前記共通のデータ信号線および対応する被制御装置に接続された複数の子局を備え、
前記被制御装置は、前記制御部の出力指示に応じて動作する被制御部および/または前記制御部へ入力情報を伝えるセンサ部を有し、
前記親局は、所定の周期のクロックに同期した所定のタイミング信号を発生するためのタイミング発生手段を有し、前記タイミング信号の制御下で、前記制御部からの制御データの値に応じて、制御データ信号として一連のパルス状電圧信号を前記データ信号線に出力すると共に、前記タイミング信号の制御下で、前記クロックの1周期毎に、前記一連のパルス状電圧信号に重畳された監視データ信号のデータ値を抽出し、これを前前記制御部に引き渡し、
前記複数の子局の各々は、前記タイミング信号の制御下で、前記クロックの1周期毎に、前記制御データ信号の各データの値を抽出して、前記各データの値の中の自局に対応するデータを対応する前記被制御部に引き渡し、および/または、前記タイミング信号の制御下で、前記クロック信号の1周期毎に、対応する前記センサ部の監視データの値に応じて、前記監視データ信号を前記一連のパルス状電圧信号に重畳し、
前記一連のパルス状電圧信号に、制御データと監視データとで構成される制御・監視データ領域と異なる、配線状態を示す接続データを含む管理データ領域を設けたリモート配線チェックシステムにおいて、
前記センサ部と前記子局の間に介装され、前記センサ部の検出部と並列に接続されるブリーダ抵抗を含むことを特徴とする接続コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−114449(P2011−114449A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267281(P2009−267281)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(501194514)株式会社 エニイワイヤ (37)
【Fターム(参考)】