説明

リライタブルラベルの印字装置

【課題】搬送容器の状態や搬送の状態に影響されることなく、良好な印字品質を確保することが可能なリライタブルラベルの印字装置を提供する。
【解決手段】印字装置10は、所定位置に置かれた折りたたみコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32にレーザビームを照射するレーザマーカ11と、所定位置に置かれた折りたたみコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32に対するレーザマーカ11の位置を調節するスライドシリンダ13と、所定位置に置かれた折りたたみコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32とレーザマーカ11との距離を計測する距離センサ12と、距離センサ12計測した距離に基づいて、レーザビームの印字最適位置がリライタブルラベル32に位置するようにスライドシリンダ13を制御する制御部14と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流システムにおける搬送容器に貼付されたリライタブルラベルにバーコードや搬送先の住所等の情報を印字するための印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送容器に貼付されたリライタブルラベルへの印字を行う従来一般の印字装置としては、例えば、下記の特許文献1に開示されているものが知られている。この特許文献1に記載の印字装置は、温度によって発色するタイプのリライタブルラベル用であり、レーザビーム照射手段からレーザビームを照射することによってリライタブルラベルの印字面の温度を上げ、それによって印字を行う構造となっている。
【0003】
また、特許文献1に記載の印字装置におけるレーザビーム照射手段は、高精細の印字を可能とするために、集光レンズを備えており、レーザビームを集光させて、リライタブルラベルが最適な発色を得られる温度を実現する印字最適位置がリライタブルラベルの印字面上にくるようにしている。すなわち、印字線の太さや精度は、レーザビーム照射手段とリライタブルラベルとの距離によって決まる。したがって、レーザビーム照射手段が照射するレーザビームの印字最適位置とリライタブルラベルの位置とがずれると、リライタブルラベルが発色するための温度が不足して印字がかすれたり、印字線が太くなったりする場合がある。
【0004】
この点、特許文献1に開示された印字装置においては、印字のための所定位置に置かれた搬送容器を、可動ガイドプレートによってレーザビーム照射手段に対して近接又は離隔し、レーザビームの印字最適位置にリライタブルラベルがくるように位置決めを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−76122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に開示された印字装置においては、例えば、折りたたみコンテナで見かけられるような内側に傾いた側面にリライタブルラベルが貼付されている場合や、梱包状態によって膨らんだ部分にリライタブルラベルが貼付されている場合等、レーザビーム照射手段に対して搬送容器を正確に位置決めしても、リライタブルラベルが、想定する位置、すなわち、レーザビームの印字最適位置に位置しないことがある。このような場合は、印字がかすれたり太くなったりする等、良好な印字品質を確保することができないおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、搬送容器の状態や搬送の状態に影響されることなく、良好な印字品質を確保することが可能なリライタブルラベルの印字装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の印字装置は、搬送容器に貼付けられ、レーザビームの印字最適位置における温度によって発色するリライタブルラベルの印字装置において、所定位置に置かれた搬送容器に貼付されたリライタブルラベルにレーザビームを照射するレーザビーム照射手段と、所定位置に置かれた搬送容器に貼付されたリライタブルラベルに対するレーザビームの印字最適位置を調節する調節手段と、所定位置に置かれた搬送容器に貼付されたリライタブルラベルとレーザビーム照射手段との距離を計測する計測手段と、計測手段が計測した距離に基づいて、レーザビームの印字最適位置がリライタブルラベルに位置するように調節手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このような印字装置によれば、所定位置に置かれた搬送容器に貼付されたリライタブルラベルとレーザビーム照射手段との距離に基づいて、レーザビームの印字最適位置がリライタブルラベルに位置するように調節手段が調節される。これにより、印字装置がリライタブルラベルを印字する際には、レーザビームの印字最適位置がリライタブルラベルに正確に位置するようになる。この結果、搬送容器の状態や搬送の状態に影響されることなく、良好な印字品質を確保することが可能となる。
【0010】
また、本発明の印字装置では、調節手段は、レーザビーム照射手段を移動させてレーザビームの印字最適位置を調節してもよい。
【0011】
また、本発明の印字装置では、計測手段は、リライタブルラベルの傾斜度合を計測し、制御手段は、傾斜度合に基づいてレーザビームの印字最適位置がリライタブルラベルに位置するように調節手段を制御してもよい。このような印字装置によれば、例えば、リライタブルラベルが、折りたたみコンテナの側面に貼付されている場合に、その側面が傾斜したときのように、レーザビーム照射手段とリライタブルラベルとの距離が、リライタブルラベルの部分ごと異なる場合であっても、レーザビームの印字最適位置がリライタブルラベルに位置するように調節手段が調節されるので、さらに良好に印字することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、所定位置に置かれた搬送容器に貼付されたリライタブルラベルとレーザビーム照射手段との距離に基づいて、レーザビームの印字最適位置がリライタブルラベルに正確に位置するように調整されるので、搬送容器の状態や搬送の状態に影響されることなく、良好な印字品質を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好適な一実施形態にかかる印字装置を含む物流システムを概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の印字装置の構成を示す斜視図である。
【図3】図1の印字装置の作用を説明する図である。
【図4】本発明の他の好適な一実施形態にかかる印字装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明によるリライタブルラベルの印字装置(以下、印字装置と示す)10を含む物流システム1の一部を示す斜視図、図2は、印字装置10の斜視図である。なお、本明細書において、「左」及び「右」なる語はコンベヤにおける搬送方向を基準としており、「上」及び「下」なる語は鉛直方向に基づいている。
【0015】
本実施形態における印字装置10は、図1に示すように、物流システム1のコンベヤ2上を搬送される再利用可能な折りたたみコンテナ(搬送容器)31に貼付されたリライタブルラベル32にバーコードや搬送先の住所等の情報を印字する装置である。そして、印字装置10は、図1に示すように、折りたたみコンテナ31の搬送経路上の一部に配置されたフレーム3のベース4上に配置されている。
【0016】
折りたたみコンテナ31は、物流の現場で商品を保管・輸送する際に繰り返し使用される、いわゆる「通い箱」と称される搬送容器である。折りたたみコンテナ31は、例えば、図4に示すように、ヒンジ等の部品によって上下の辺の一方が内部に向かって回動可能な側面31aと、上下方向の中央部付近において水平方向を軸として折り曲げ可能な側面31bとによって構成されている。以下、折りたたみコンテナ31のことを単に「コンテナ」と称する。
【0017】
本物流システム1で搬送されるコンテナ31の側面31aには、レーザビームが照射されることによって情報が印字されるリライタブルラベル32が貼付されている。リライタブルラベル32としては、例えば、電子供与性染料前駆体を用いたロイコ系リライタブル感熱紙がある。電子供与性染料前駆体は、酸性雰囲気下で分子内のラクトン環が開環することにより発色し、酸性雰囲気を取り除くとラクトン環が閉環し無色の状態に戻るものである。ロイコ系リライタブル感熱紙は、この電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤を組み合わせたものであり、可逆顕色剤とは電子供与性染料前駆体と反応して発色・消色の可逆性を発現するものである。可逆顕色剤には、例えば、長鎖アルキル基をもつフェノール系化合物等が用いられる。
【0018】
コンベヤ2は、コンテナ31を搬送する装置であって、複数の搬送ローラ21によって構成されている。そして、コンベヤ2は、リライタブルラベル32に情報が印字される位置にまでコンテナ31を搬送したところで一旦停止し、印字装置10によって情報が印字された後、再び駆動して搬送する、いわゆる間欠搬送を行っている。なお、ここでいう、リライタブルラベル32に情報が印字される位置とは、後述する印字装置10におけるレーザマーカ(レーザビーム照射手段)11がレーザビームを照射することが可能な位置をいう。
【0019】
コンベヤ2がリライタブルラベル32を印字する位置(以下、所定位置と示す)には、ストッパ22が設けられている。ストッパ22は、搬送ローラ21の下方に配置されており、隣接する搬送ローラ21間の隙間からコンテナ31の搬送面よりも上側に上昇させることが可能な構造に形成されている。ストッパ22は、リライタブルラベル32に情報を印字する対象となるコンテナ31がコンベヤ2の上流側から搬送されてくると、図2に示すように、コンテナ31が搬送される搬送面よりも上側に上昇し、コンテナ31の底面部を支持して、搬送方向下流側(図1における矢印方向)に搬送されることを制止する。これにより、印字装置10に対するコンテナ31の搬送方向に対する位置決めが行われる。なお、コンベヤ2は、コンテナ31が制止された時点で一旦停止する。
【0020】
印字装置10は、レーザマーカ11と、距離センサ(計測手段)12と、スライドシリンダ(調節手段)13と、制御部(制御手段)14とを含んで構成されている。
【0021】
レーザマーカ11は、後述するスライドシリンダ13に取り付けられている。そして、レーザマーカ11は、コンベヤ2により搬送されてきたコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32に、レーザ発振器11aによって発生させたレーザビームを照射してリライタブルラベル32に情報を印字する。
【0022】
ここで、レーザマーカ11が照射するレーザビームは、図示しないが適当な光学系レンズを用いて結像される。そして、レーザビームの光軸方向における印字最適位置では、リライタブルラベル32が発色する温度に加熱することができる。レーザマーカ11は、リライタブルラベル32を走査(スキャン)し、所望する部分を加熱することによって、瞬時に2次元情報を印字することができる。
【0023】
距離センサ12は、レーザマーカ11の近傍に配置されており、所定位置に置かれたコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32とレーザマーカ11との距離L1を計測する。
【0024】
スライドシリンダ13は、図2に示すように、ボディ13aと、プレート13b,13cと、シリンダ13dとを含んで構成されている。コンベヤ2の幅方向における両端部に配置されたプレート13b,13cは、共にベース4に固定されている。プレート13bとプレート13cとの間に配置されたボディ13aは、シリンダ13dによって移動可能に構成されている。上記レーザマーカ11は、ボディ13aに取り付けられているので、ボディ13aと共に左右方向(コンベヤ2の幅方向)に沿って水平移動が可能である。これにより、スライドシリンダ13は、所定位置に置かれたコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32に対するレーザマーカ11の位置を調節することができる。
【0025】
制御部14は、距離センサ12が計測したリライタブルラベル32とレーザマーカ11との距離L1に基づいて、レーザマーカ11が照射するレーザビームの印字最適位置がリライタブルラベル32に位置するようにスライドシリンダ13を制御する。
【0026】
次に、以上のような構成において、本発明の作用について説明する。
【0027】
本実施形態の物流システム1は、ユーザによって起動ボタン等が押下されると、コンベヤ2が起動し、コンベヤ2にコンテナ31の供給が開始される。続いて、リライタブルラベル32に情報が印字される位置(以下、所定位置と示す)に配置されたストッパ22が上昇し、コンベヤ2によって搬送されてくるコンテナ31が搬送方向下流側への搬送されることを制止する。コンベヤ2は、この時点で一度停止する。
【0028】
ここで、所定位置に搬送されてきたコンテナ31は、通い箱として繰り返し使用されているため、コンテナ31に変形や歪みが生じている可能性がある。このため、所定位置にコンテナ31が搬送されてきても、コンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32の位置がレーザビームの印字最適位置に位置しないことがある。
【0029】
そこで、距離センサ12は、所定位置に停止したコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32までの水平距離L1を計測する。本実施形態においては、距離センサ12は、レーザマーカ11と近傍する位置に取り付けられているので、距離センサ12が計測した距離L1(以下、計測距離と示す)は、そのままレーザマーカ11とリライタブルラベル32との距離となる。距離センサ12は、計測距離L1を制御部14に送出する。
【0030】
次に、制御部14は、計測距離L1とレーザマーカ11における印字最適位置までの距離(以下、印字最適距離と示す)との差を比較する。ここで、計測距離L1が、印字最適距離と比べて長い場合、その差分の距離だけスライドシリンダ13のボディ13aを左側(コンテナ31に近づく方向)に移動させる。これにより、レーザマーカ11の照射するレーザビームの印字最適位置をリライタブルラベル32の位置に合わせることが可能となる。
【0031】
一方、計測距離L1が、印字最適距離と比べて短い場合、その差分の距離だけスライドシリンダ13のボディ13aを右側(コンテナ31から遠ざかる方向)に移動させる。この場合も、レーザマーカ11の照射するレーザビームの印字最適位置をリライタブルラベル32の位置に合わせることが可能となる。
【0032】
次に、レーザマーカ11は、リライタブルラベル32の印字面全体をレーザビームで走査して所望の情報を印字する。このとき、制御部14によるスライドシリンダ13の制御によって、レーザマーカ11の照射するレーザビームの印字最適位置がリライタブルラベル32に位置するように調節されている。このため、レーザマーカ11が照射するレーザビームの印字最適位置がリライタブルラベル32の位置とずれることによる印字不良を回避することができ、良好な印字品質を確保することができる。
【0033】
レーザマーカ11によるリライタブルラベル32の印字が終了すると、ストッパ22は、コンテナ31の搬送面より下側に下降し、コンテナ31の位置規制を解除する。続いて、コンベヤ2による搬送が再開し、レーザマーカ11によって印字されたコンテナ31は搬送方向下流側へ搬送される。また、上記コンテナ31に隣接するコンテナ31が所定位置に搬送されてくる。
【0034】
以上に説明したように、本実施形態の印字装置10によれば、所定位置に置かれたコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32とレーザマーカ11との距離に基づいて、レーザビームの印字最適位置がリライタブルラベル32に位置するようにスライドシリンダ13が調節される。これにより、変形や歪みが生じたコンテナ31にリライタブルラベル32が貼付されている場合であっても、レーザビームの印字最適位置がリライタブルラベル32に正確に位置するようになる。この結果、コンテナ31の状態や搬送の状態に影響されることなく、良好な印字品質を確保することが可能となる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限られないことは言うまでもない。
【0036】
例えば、図4に示すような折りたたみコンテナ31では、折りたたみ、組み立てが繰り返し行わるため、不十分なコンテナの組立が行われた場合、側面が僅かに傾斜していることもある。そこで、印字装置10は、鉛直方向に沿って2つの距離センサ121,122を備えていてもよい。この場合、距離センサ121は、所定位置に停止したコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32の上端部近傍までの距離L2を計測し、距離センサ122は、所定位置に停止したコンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32の下端部近傍までの距離L3を計測する。本実施形態においても、距離センサ121,122は、レーザマーカ11近傍に取り付けられているので、距離センサ121,122が計測した距離L2,L3は、それぞれ、レーザマーカ11とリライタブルラベル32の上端部近傍との距離、レーザマーカ11とリライタブルラベル32の下端部近傍との距離となる。
【0037】
次に、制御部14は、図4に示すように、距離センサ121が計測した距離L2と距離センサ122が計測した距離L3とに基づいて、鉛直方向に対する傾斜角度(傾斜度合)αを算出する。制御部14は、距離L2と距離L3と傾斜角度αとに基づいて、レーザマーカ11と任意のリライタブルラベル32の位置との距離を算出することが可能となる。この結果、リライタブルラベル32の印字箇所に合わせてレーザマーカ11の印字最適位置を調整するようにレーザマーカ11を移動させることが可能となり、さらに高品質な印字をすることが可能となる。
【0038】
また、制御部14は、レーザマーカ11に対するリライタブルラベル32の距離のばらつきを計測し、その最大値に基づいてレーザマーカ11による印字の有無を制御してもよい。例えば、図4のように傾斜した側面にリライタブルラベル32が貼付されている場合、制御部14は、距離センサ121が計測した距離L2と距離センサ122が計測した距離L3との差を算出し、レーザマーカ11による印字の有無を制御してもよい。そして、制御部14は、距離L2と距離L3との差が、印字品質に影響がない範囲かどうかを確認する。なお、印字品質に影響がない範囲とは、この範囲内で印字最適位置の位置がずれても印字品質が確保できる範囲をいう。そして、この範囲は、レーザマーカ11及びリライタブルラベル32の特性によって決まり、あらかじめ設定しておくことができる。ここで、制御部14が、あらかじめ設定された範囲に基づいて印字品質に影響があると判定した場合、リライタブルラベル32への印字を中止する。一方、制御部14が、印字品質に影響がないと判定した場合、距離センサ121,122が計測したそれぞれの距離L2,L3とレーザマーカ11における印字最適距離との差が互いに最も小さくなるように、スライドシリンダ13のボディ13aを移動させる。このような構成にすることで、リライタブルラベル32に不鮮明な印字がされることを回避することが可能となる。
【0039】
また、上記実施形態においては、コンベヤ2の搬送方向と直交する水平方向にレーザマーカ11を移動させて、レーザマーカ11とリライタブルラベル32との距離を調節する例を挙げて説明したがこれに限定されるものではなく、リライタブルラベル32に対してレーザマーカ11を移動させる方向は、鉛直方向であっても、それ以外の方向であってもよい。
【0040】
また、例えば、上記実施形態では、コンテナ31に貼付されたリライタブルラベル32に対してレーザマーカ11の位置を調節して、リライタブルラベル32に対するレーザビームの印字最適位置を調節する例を挙げて説明したが、コンテナ31を動かすことによってリライタブルラベル32に対するレーザビームの印字最適位置を調節してもよい。
【0041】
また、例えば、上記実施形態では、距離センサ12をレーザマーカ11の近傍に配置した例を挙げて説明したがこれに限定されるものではない。この場合、距離センサ12とレーザマーカ11との距離に基づいて、レーザマーカ11とリライタブルラベル32との距離を取得できることは説明するまでもない。
【0042】
また、上記実施形態では、コンテナ31にリライタブルラベル32が貼付されている例を挙げて説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、ダンボール箱の側面部やフラップ部にリライタブルラベルが貼付されていてもよい。この場合も、レーザマーカとリライタブルラベルとの距離を適切に調節することができるので、良好な印字品質を確保することができる。
【0043】
また、上記実施形態では、調節手段であるスライドシリンダ13によってレーザマーカ11を移動させ、リライタブルラベル32に対するレーザビームの印字最適位置を調節する例を挙げて説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、レーザマーカ11における光学系レンズの位置を調節して、リライタブルラベル32に対するレーザビームの印字最適位置を調節してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…物流システム、2…コンベヤ、3…フレーム、4…ベース、10…印字装置、11…レーザマーカ、11a…レーザ発振器、12…距離センサ、13…スライドシリンダ、13a…ボディ、13b,13c…プレート、13d…シリンダ、14…制御部、21…搬送ローラ、22…ストッパ、31…折りたたみコンテナ、31a,31b…側面、32…リライタブルラベル、121,122…距離センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送容器(31)に貼付けられ、レーザビームの印字最適位置における温度によって最適に発色するリライタブルラベル(32)の印字装置(10)において、
所定位置に置かれた前記搬送容器(31)に貼付された前記リライタブルラベル(32)に前記レーザビームを照射するレーザビーム照射手段(11)と、
前記所定位置に置かれた前記搬送容器(31)に貼付された前記リライタブルラベル(32)に対する前記レーザビームの印字最適位置を調節する調節手段(13)と、
前記所定位置に置かれた前記搬送容器(31)に貼付された前記リライタブルラベル(32)と前記レーザビーム照射手段(11)との距離(L1)を計測する計測手段(12)と、
前記計測手段(12)が計測した前記距離(L1)に基づいて、前記レーザビームの印字最適位置が前記リライタブルラベル(32)に位置するように前記調節手段(13)を制御する制御手段(14)と、を備えることを特徴とする印字装置。
【請求項2】
前記調節手段(13)は、前記レーザビーム照射手段(11)を移動させて前記レーザビームの印字最適位置を調節することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項3】
前記計測手段(12)は、前記リライタブルラベル(32)の傾斜度合を計測し、
前記制御手段(14)は、前記傾斜度合に基づいて、前記レーザビームの印字最適位置が前記リライタブルラベル(32)に位置するように前記調節手段(13)を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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