説明

リライタブルラベルの記録情報更新装置及び記録情報更新方法

【課題】リライタブルラベルを貼付した搬送容器を複数段積み重ねた状態で、情報更新装置を移動させることによって、複数の搬送容器のリライタブルラベルの記録情報の更新を多くの人手と時間を要することなくできるリライタブルラベルの記録情報更新装置を提供する。
【解決手段】再利用可能な搬送容器(9)に貼付されたリライタブルラベル(10)の記録情報更新装置であって、複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を、収納固定する装置本体と、前記装置本体に収納固定された全ての再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの位置に順次移動して、前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行する情報更新手段(2)とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流システムにおける再利用可能な搬送容器(通い箱とも称す)のリライタブルラベルの記録情報更新装置に関し、特に複数段積重ねた状態でリライタブルラベルの記録情報更新を実行するものに関する。
【背景技術】
【0002】
物流システムにおける、通い箱使用の代表例として、ピッキング指示システムが挙げられる。
そして、再利用可能なラベルとしては、以下のものが知られている。(特許文献1参照)
「可逆性感熱記録材料を用いた可逆感熱紙として、例えば、電子供与性染料前駆体を用いたロイコ系リライタブル感熱紙が開発されている。電子供与性染料前駆体は、酸性雰囲気下で分子内のラクトン環が開環することにより発色し、酸性雰囲気を取り除くとラクトン環が閉環し無色の状態に戻るものである。ロイコ系リライタブル感熱紙はこの電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤を組み合わせたものであり、可逆顕色剤とは電子供与性染料前駆体と反応して発色・消色の可逆性を発現するものである。可逆顕色剤には、例えば長鎖アルキル基をもつフェノール系化合物等が用いられる。
【0003】
図7は、上述した可逆感熱紙の特性説明図である。この図において、横軸は温度、縦軸は発色濃度を示している。この図に矢印で示すように、消色状態(A)の可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱すると両者は溶融して発色状態(B)となり、これを急冷すると溶融状態に近い状態で固化し固体発色状態(C)が保持される。逆に溶融状態(B)から徐冷すると電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤が相分離して元の消色状態(A)に戻る。また、固体発色状態(C)において、溶融状態よりもやや低い温度領域で一定時間保持すると、元の消色状態(A)に遷移する性質がある。この温度領域(溶融温度よりもやや低い温度領域)を「消色温度領域」と呼ぶ。
【0004】
また、本出願人は、上記の可逆感熱紙によるラベル(以下、リライタブルラベルと称する。)を使用した再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録情報更新装置として既に特許出願(特許文献2参照)をしている。
そして、当該特許出願には以下の事項が開示されている。
【0005】
図8は、再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録情報を更新するシステムの斜視図である。
図8において、21は記録情報更新装置であって、該記録情報更新装置には、記録情報消去手段である加熱ローラ22aを有する情報消去部22及び情報書込み手段であるサーマルヘッド23aを有する情報書込み部23を備えている。
前記情報消去部及び情報書込み部は、後述のラベル24に対して密着されるように矢印方向に移動可能に装着されている。
なお、図8では、移動方向である矢印は、水平方向にのみ示されているが、ラベルの位置に応じて垂直方向に移動するように構成することも可能である。
また、図8では、前記情報消去部及び情報書込み部は、それぞれ別体に形成されているが、情報消去部と情報書込み部を一体に形成しても良い。
前記ラベル24は、コンベヤ26上を移動する再利用可能な搬送容器(例えば、通い箱等)25の側面に貼付されており、記録情報を消去及び書込みが可能な可逆感熱紙で構成されている。
【0006】
次に、図8の動作を以下に説明する。
コンベヤ26上の再利用可能な搬送容器25が移動して図示しない検出装置によって、記録情報更新装置の接近すると、先ず、情報消去部22に装着された加熱ローラ22aをラベル24に密着させて、該加熱ローラによってラベルの可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱することによって、図7の発色状態Cから
溶融状態図7の(B)にして、これを徐冷すると電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤が相分離して元の消色状態(A)に戻るので、ラベルに記録された古い記録情報を消去できる。
次に、加熱ローラによって、古い記録情報が消去されたラベルに対して、情報記録部23に装着されたサーマルヘッド23aを密着するように移動させて、図7の消色状態(A)のラベルの可逆感熱記録層(例えば電子供与性染料前駆体と可逆顕色剤からなる)を加熱すると両者は溶融して発色状態(B)となり、これを急冷すると溶融状態に近い状態で固化し固体発色状態(C)が保持されるので、新しい情報を記録することができる。
図8では、消去手段として加熱ローラを使用しているが、特定温度に加熱される金属プレートを使用することもできる。
【0007】
サーマルヘッドによって、ラベル24に記録される情報としては、文字や記号のみでなく、バーコードや二次元バーコード等の種々のものが可能である。
また、サーマルヘッドによる記録に代えて、レーザービームによりラベルとは非接触の状態で記録することも可能である。
レーザービームによるものを図9に示す。
図9において、27はレーザー発振器で、28はレーザービームであること以外は図8と同様である。
更に、従来から行われているICカードによる非接触の情報読取り(RFID)と併用することによって、大量のデータハンドリングとラベルによる可視化の両立を可能にすることができる。
【0008】
図9のレーザービームによる記録情報の書込みの前の記録情報の消去は、図8に記載の如きサーマルヘッドで行っていた。
【特許文献1】特開2002−215038号公報 (0015),(0018)
【特許文献2】特開2007−76122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来のリライタブルラベルの記録情報更新装置では、再利用可能な搬送容器は、当該搬送容器内に物品を入れて販売店等に搬送された後には、空になった再利用可能な搬送容器は台車等に積重ねられて返送されて再利用されることになる。
そして再利用の際には、再利用可能な搬送容器には別の物品が入れられたり、別の販売店等に搬送されることになるので、再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録内容を消去する必要があるが、従来の装置では、リライタブルラベルの記録情報の消去・書込み手段はベルトコンベアに沿って配置されていたため、返送された再利用可能な搬送容器を台車からベルトコンベア上に移し、ベルトコンベア上の再利用可能な搬送容器のリライタブルラベルの記録情報の消去・書込み手段の前を通過させるための処理が必要があり、多くの人手と時間を要するという問題があった。
【0010】
本発明の課題(目的)、リライタブルラベルを貼付した再利用可能な搬送容器を複数段積み重ねた状態で、情報更新装置を移動させることによって、複数の再利用可能な搬送容器のリライタブルラベルの記録情報の更新を多くの人手と時間を要することなくできるリライタブルラベルの記録情報更新装置(方法)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新装置であって、
複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を、収納固定する装置本体と、
前記装置本体に収納固定された全ての再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの位置に順次移動して、前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行する情報更新手段とを備えることを特徴とする。(請求項1)
【0012】
上記情報更新手段は、以下に説明する実施形態では、消去手段と書込み手段に共通な1個のレーザービーム照射手段で構成されているが、消去手段と書込み手段を別の構成とすることも可能である。
その場合に、消去手段は、温風等を積重ねられた状態の複数のリライタブルラベルに照射(消去時には、必ずしもリライタブルレベル1個ずつである必要はない。)して、全てのリライタブルラベルの記録情報を消去した後に、実施形態の如き、本体装置に収納固定して書込むことも可能である。
【0013】
また、上記情報更新手段は、以下に説明する実施形態では、同じ大きさの再利用可能な搬送容器を積重ねて、貼付されたリライタブルラベルが、ほぼ同じ位置の上下に配置されたものとなっているが、図示しない、撮像手段等で、リライタブルラベルの位置を撮影して、図示しないコンピュータ(サーバ)にその位置情報を送信しておくことによって、リライタブルラベルの位置にバラツキがあった場合や、再利用可能な搬送容器の大きさに違いがある場合にも対応が可能である。
その場合には、1個ずつの再利用可能な搬送容器のリライタブルラベルの位置情報をコンピュータから得て、情報更新手段は上下・左右に移動することになる。
【0014】
また、上記構成では、再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報の更新のみが実行されるものとなっているが、前記再利用可能な搬送容器に前記リライタブルラベルとは別にRFID(タグ)が設けられている場合には、リライタブルラベルの記録情報の更新と共に、RFID(タグ)の記録情報の更新を実行することが望ましい。
【0015】
再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新方法であって、
複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を、装置本体の所定位置に収納固定するステップと、
前記装置本体に収納固定された再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの位置に情報更新手段を移動するステップと、
前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行するステップと、
を含み、全ての前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行することを特徴とする。(請求項2)
【0016】
上記情報更新手段を移動するステップでは、以下に説明する実施形態に併せて、同じ大きさの再利用可能な搬送容器を積み重ねて、貼付されたリライタブルラベルが、ほぼ同じ位置の上下に配置されたものを前提にしている。
【0017】
しかし、請求項2の構成に、図示しない、撮像手段等で複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの配置状況を撮影して図示しないコンピュータ(サーバ)にリライタブルラベルの位置情報を送信するステップ、
1個ずつの再利用可能な搬送容器のリライタブルラベルの位置情報をコンピュータからのリライタブルラベルの位置情報に基づいて情報更新手段が上下・左右に移動制御するステップとを、付加することによって、リライタブルラベルの位置にバラツキがあった場合や、再利用可能な搬送容器の大さに違いがある場合にも十分に対応が可能である。
【0018】
再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベル記録情報をレーザビームによって更新する記録情報更新方法であって、
複数段積み重ねた前記再利用可能な搬送容器を、所定位置に収納固定するステップと、
前記レーザービームの焦点を更新対象のリライタブルラベルの消去位置に移動するステップと、
前記更新対象のリライタブルラベルの記録情報を消去するステップと、
前記レーザービームの焦点を更新対象のリライタブルラベルの書込み位置に移動するステップと、
前記更新対象のリライタブルラベルに記録情報を書込むステップとにより、順次全ての前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行すると共に、
前記再利用可能な搬送容器に前記リライタブルラベルとは別に設けられた、RFID情報の更新を実行するするステップとを含むことを特徴とする。(請求項3)
【0019】
上記構成によれば、情報更新手段としての、消去手段と書込み手段を共通のレーザービーム照射手段で構成できる。
そして、この消去位置は、レーザービームの焦点がリライタブルラベルの表面から大きく(数十mm程度)ずれた位置であって、この状態では、レーザービームはリライタブルラベルの表面に広がった状態で、この状態でレーザー走査(スキャン)することによって、リライタブルラベルの表面を図7に示す「消色温度領域」(溶融温度よりもやや低い温度領域)の温度に加熱することができリライタブルラベルに記録された情報を消去することができる。
【0020】
また、この書込み位置は、レーザービームの焦点がリライタブルラベルの表面に形成される位置であって、この状態では、レーザービームはリライタブルラベルの表面に絞られた状態で、この状態でレーザー走査(スキャン)することによって、リライタブルラベルの表面を図7に示す溶融温度に加熱することができリライタブルラベルに新たな情報が記録される。
【発明の効果】
【0021】
請求項1〜3に記載の発明によれば、リライタブルラベルを貼付した搬送容器を複数段積み重ねた状態で、情報更新装置を移動させることによって、複数の搬送容器のリライタブルラベルの記録情報の更新を多くの人手と時間を要することなくできるリライタブルラベルの記録情報更新装置(方法)を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1〜6図を用いて、本発明のリライタブルラベルの記録情報更新装置の構成について説明する。
図1は、本発明のリライタブルラベルの記録情報更新装置の装置本体の第1の実施の形態における外観図である。
なお、図1では、架台の1方の柱は、他の部品を見やすくするために破断状態で示している。
図1において、1は後述の図3に示すキャスター付台車14に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器9を、収納固定する装置本体の架台(基本骨格)であって、実際の装置では外側にカバー等が装着される。
なお、図3においては、再利用可能な搬送容器が複数段キャスター付台車上に積み重ねられているが、キャスター付台車上に積み重ねるのが必須ではなく、単なる台の上でも、搬送容器のみが複数段積み重ねられていていても良い。
【0023】
2は、本発明のリライタブルラベルの記録情報更新装置の特徴点である上下(必要に応じて左右にも)移動可能なリライタブルラベルの記録情報の更新を実行する情報更新手段である。
そして、情報更新手段には、再使用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルに記録された情報を消去すると共に、新たな情報を記録するためのレーザビーム照射手段及び前記再使用可能な搬送容器に貼付されたRFIDの記録内容を変更するためのRFID情報更新手段がキャリア3上に載置されている。
なお、前記RFIDの記録内容を変更するためのRFID情報更新手段は、場合によっては省略することができる。
【0024】
前記キャリア3は、前記架台1に取り付けられたモータ4によって被情報更新対象である再利用可能なリライタブルラベルに対応した位置に可動軸5を介して上下に移動可能に設置されている。
また、前記キャリア3は、図1では明示はされていないが、前記モータ4とは別のモータによって被情報更新対象である再利用可能なリライタブルラベルに対応した位置に応じて左右に移動可能に設置されていることが望ましい。
【0025】
6は、キャスター付台車に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を、前記架台囲まれた装置本体に収納固定するための、固定ガイド(基準ガイド)である。
7は、前記キャスター付台車14に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を前記架台囲まれた装置本体に収納した状態で固定するための可動ガイドである。
前記可動ガイド7は、アクチュエータ8によって図2に示すように固定される。
12は、キャスター付台車14に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を装置本体に収納・排出するために図示Aの方向に移動させるめの案内ガイドである。
【0026】
13は、検出センサであって、前記キャスター付台車14に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を装置本体に収納した状態における再利用可能な搬送容器の高さや積み重ねパターンを認識するセンサであって、このセンサの検出出力に応じて前記記録更新手段の駆動が制御される。
【0027】
また、上記情報更新手段は、図1では、同じ大きさの再利用可能な搬送容器を積重ねて、貼付されたリライタブルラベルが、ほぼ同じ位置の上下に配置されたものとなっているが、図示しない、撮像手段等で、リライタブルラベルの位置を撮影して、図示しないコンピュータ(サーバ)にその位置情報を送信しておくことによって、リライタブルラベルの位置にバラツキがあった場合や、再利用可能な搬送容器の大さに違いがある場合にも対応が可能である。
その場合には、1個ずつの再利用可能な搬送容器のリライタブルラベルの位置情報をコンピュータから得て、情報更新手段は上下・左右に移動することになる。
【0028】
図2は、前記可動ガイド7に設けられたアクチュエータ8によって前記台車等に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を前記架台囲まれた装置本体に収納固定された状態の上面から見た図であって、前記再利用可能な搬送容器9は、前記固定ガイド6及び可動ガイド7をアクチュエータ8を駆動することによって、装置本体内に収納固定される。
【0029】
図2における10は、前記再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルであり、11はRFID(タグ)である。
RFID(RADIO-FREQUENCY-IDENTIFICATION)(タグ)とは、例えばマイクロウェーブ(極超短波)等の信号によって該カードに接触せずに読み取ると共に、該カードに新しい情報を書き込む機能とそれらの情報を該カードに表示させる機能とを有するものである。
【0030】
前記再利用可能な搬送容器を前記固定ガイド6及び可動ガイド7でアクチュエータ8を駆動することによって、装置本体内に確実に収納固定する理由は、リライタブルラベルの情報更新を確実に実行するためである。
なお、前記再利用可能な搬送容器を装置本体内に収納固定する構成は、図1の如き構成以外にも、前記再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルと、情報更新手段との相対的位置関係を確実に保持できる構成であれば他の構成を採用することができる。
【0031】
次に、図3を用いて、キャスター付台車14に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器について説明する。
図3では、キャスター付台車14上に、複数の再利用可能な搬送容器9が積み重ねられて状態で、それぞれの再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベル10及びRFID(タグ)11がほぼ上下に並べられている。
【0032】
図4は、本発明のリライタブルラベルの記録情報更新装置の装置本体の第2の実施の形態における外観図である。
なお、図4でも、架台の1方は、他の部品を見やすくするために破断状態で示している。
図4において、1は後述の図6に示すキャスター付台車14に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器9を、収納固定する装置本体の架台(基本骨格)であって、実際の装置では外側にカバー等が装着される。
なお、図6においては、再利用可能な搬送容器が複数段キャスター付台車14上に積み重ねられているが、キャスター付台車14上に積み重ねるのが必須ではなく、単なる台の上でも、若しくは搬送容器のみが複数段積み重ねられていていても良い。
【0033】
2は、本発明のリライタブルラベルの記録情報更新装置の特徴点である上下(必要に応じて左右にも)移動可能なリライタブルラベルの記録情報の更新を実行する情報更新手段である。
そして、情報更新手段には、再使用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルに記録された情報を消去すると共に、新たな情報を記録するためのレーザビーム照射手段及び前記再使用可能な搬送容器に貼付されたRFIDの記録内容を変更するためのRFID情報更新手段がキャリア上にそれぞれ2個載置されている。
なお、前記RFIDの記録内容を変更するためのRFID情報更新手段は、場合によっては省略することができる。
【0034】
前記キャリア3は、前記架台1に取り付けられたモータ4によって被情報更新対象である再利用可能なリライタブルラベルに対応した位置に可動軸5を介して上下に移動可能に設置されている。
また、前記キャリア3は、図4では明示はされていないが、前記モータ4とは別のモータによって被情報更新対象である再利用可能なリライタブルラベルに対応した位置に応じて左右に移動可能に設置されていることが望ましい。
【0035】
6は、キャスター付台車14等に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を、前記架台囲まれた装置本体に収納固定するための、固定ガイド(基準ガイド)である。
7は、前記台車等に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を前記架台囲まれた装置本体に収納した状態で固定するための可動ガイドである。
前記可動ガイド7は、アクチュエータ8によって図5に示すように固定される。
12は、キャスター付台車に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を装置本体に収納・排出するために図示Aの方向に移動させるめの案内ガイドである。
【0036】
13は、検出センサであって、前記キャスター付台車14に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を装置本体に収納した状態における再利用可能な搬送容器の高さや積み重ねパターンを認識するセンサであって、このセンサの検出出力に応じて前記記録更新手段の駆動が制御される。
【0037】
また、上記情報更新手段は、図4では、同じ大きさの再利用可能な搬送容器を積重ねて、貼付されたリライタブルラベルが、ほぼ同じ位置の上下に配置されたものとなっているが、図示しない、撮像手段等で、リライタブルラベルの位置を撮影して、図示しないコンピュータ(サーバ)にその位置情報を送信しておくことによって、リライタブルラベルの位置にバラツキがあった場合や、再利用可能な搬送容器の大さに違いがある場合にも対応が可能である。
その場合には、1個ずつの再利用可能な搬送容器のリライタブルラベルの位置情報をコンピュータから得て、情報更新手段は上下・左右に移動することになる。
【0038】
図5は、前記可動ガイド7に設けられたアクチュエータ8によって前記台車等に複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を2列分前記架台囲まれた装置本体に収納固定された状態の上面から見た図であって、前記再利用可能な搬送容器9は、前記固定ガイド6及び可動ガイド7をアクチュエータ8を駆動することによって、装置本体内に収納固定される。
【0039】
図5における10は、前記再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルでである。
図5ではRFID(タグ)は、貼付されていないが、RFID(タグ)を併用することこ可能である。
【0040】
前記再利用可能な搬送容器を前記固定ガイド6及び可動ガイド7でアクチュエータ8を駆動することによって、装置本体内に確実に収納固定する理由は、リライタブルラベルの情報更新を確実に実行するためである。
なお、前記再利用可能な搬送容器を装置本体内に収納固定する構成は、図4の如き構成以外にも、前記再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルと、情報更新手段との相対的位置関係を確実に保持できる構成であれば他の構成を採用することができる。
【0041】
次に、図6を用いて、キャスター付台車14に複数段積み重ねた状態の2列の再利用可能な搬送容器について説明する。
図6では、キャスター付台車14上に、複数の再利用可能な搬送容器9が2列で積み重ねられて状態で、それぞれの再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベル10がほぼ上下に並べられている。
【産業上の利用可能性】
【0042】
請求項1〜3に記載の発明は、リライタブルラベルを貼付した搬送容器を台車等に複数段積み重ねた状態で、情報更新装置を移動させることによって、複数の搬送容器のリライタブルラベルの記録情報の更新を多くの人手と時間を要することなくできるリライタブルラベルの記録情報更新装置(方法)を実現することができるので、産業上の利用可能性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のリライタブルラベルの記録情報更新装置の装置本体の第1の実施の形態の外観図である。
【図2】キャスター台車に複数段積み重ねた状態の再利用可能な搬送容器を架台囲まれた装置本体に収納固定された状態の上面から見た図である。
【図3】キャスター付台車に複数段積み重ねた状態の再利用可能な搬送容器を示す図である。
【図4】本発明のリライタブルラベルの記録情報更新装置の装置本体の第2の実施の形態の外観図である。
【図5】台車に複数段積み重ねた状態の再利用可能な搬送容器を2列分を架台囲まれた装置本体に収納固定された状態の上面から見た図である。
【図6】キャスター付台車に複数段積み重ねた状態の2列の再利用可能な搬送容器を示す図である。
【図7】可逆感熱紙の特性を説明する説明図である。
【図8】再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録情報をサーマルヘッドで更新するシステムの斜視図である。
【図9】再利用可能な搬送容器に貼付されたラベルの記録情報をレーザービームで更新するシステムの斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1:架台
2:情報更新手段
3:キャリア
4:モータ
5:可動軸
6:固定(基準)ガイド
7:可動ガイド
8:アクチュエータ
9:再利用可能な搬送容器(通い箱)
10:リライタブルラベル
11:RFID(タグ)
12:案内ガイド
13:検出センサ
14:キャスター付台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新装置であって、
複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を、収納固定する装置本体と、
前記装置本体に収納固定された全ての再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの位置に順次移動して、前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行する情報更新手段と、
を備えることを特徴とするリライタブルラベルの記録情報更新装置。
【請求項2】
再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの記録情報更新方法であって、
複数段積み重ねた状態の前記再利用可能な搬送容器を、装置本体の所定位置に収納固定するステップと、
前記装置本体に収納固定された再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベルの位置に情報更新手段を移動するステップと、
前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行するステップと、
を含み、全ての前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行することを特徴とするリライタブルラベルの記録情報更新方法。
【請求項3】
再利用可能な搬送容器に貼付されたリライタブルラベル記録情報をレーザビームによって更新する記録情報更新方法であって、
複数段積み重ねた前記再利用可能な搬送容器を、装置本体の所定位置に収納固定するステップと、
前記レーザービームの焦点を更新対象のリライタブルラベルの消去位置に移動するステップと、
前記更新対象のリライタブルラベルの記録情報を消去するステップと、
前記レーザービームの焦点を更新対象のリライタブルラベルの書込み位置に移動するステップと、
前記更新対象のリライタブルラベルに記録情報を書込むステップとにより、順次全ての前記リライタブルラベルの記録情報の更新を実行すると共に、
前記再利用可能な搬送容器に前記リライタブルラベルとは別に設けられた、RFID情報の更新を実行するステップとを、
含むことを特徴とする記録情報更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−285245(P2008−285245A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129485(P2007−129485)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(502380361)トーヨーカネツソリューションズ株式会社 (50)
【Fターム(参考)】