説明

リライトカード処理装置及び出退勤管理システム

【課題】 出退勤履歴を容易に確認することができ、かつ、その改ざん防止を図ることができるようにする。
【解決手段】 印加される熱エネルギーに応じて情報の印字、消去が可能な印字エリアRを有するリライトカードCが挿脱され、挿入されたリライトカードCの印字エリアRに熱印加部によって情報の印字、消去を行うリライトカード処理装置2によって、挿入されたリライトカードCの印字エリアRにおいて出退勤履歴を形成する位置に現在時刻を含む出退勤情報を熱印加部によって印字するようにした。これにより、リライトカードCのリライタブル層Rに出退勤履歴が形成される。従って、出退勤履歴を容易に視認することができ、かつ、改ざんが困難である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リライトカード処理装置及び出退勤管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗などでは、打刻機により紙製のタイムカードへ出退勤時刻を打刻することによる従業員の出退勤管理が広く行われている。
【0003】
また、POS端末とストアコンピュータとから構成されるPOSシステムを用いて出退勤管理を行う技術として、POS端末によって入力された出退勤時刻をストアコンピュータでファイル管理し、必要に応じて出退勤履歴をストアコンピュータから印字出力する技術が、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−35950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、打刻機は、紙製のタイムカードにインクによって印字をするので、悪意のある従業員によるタイムカードの記録情報の改ざんがペンなどを使って容易に可能であるという問題がある。
【0006】
また、特許文献1に開示されている技術では、出退勤履歴を見るためには、ストアコンピュータによってファイルを表示させるか、又は、印字出力しなければならず手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、出退勤履歴を容易に確認することができ、かつ、その改ざん防止を図ることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、印加される熱エネルギーに応じて情報の印字、消去が可能な印字エリアを有するリライトカードが挿脱され、挿入されたリライトカードの前記印字エリアに熱印加部によって情報の印字、消去を行うリライトカード処理装置において、日時を計時する計時手段と、挿入された前記リライトカードの前記印字エリアにおいて出退勤履歴を形成する位置に現在時刻を含む出退勤情報を前記熱印加部によって印字する第1の印字手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、出退勤履歴を容易に確認することができ、かつ、その改ざん防止を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図8に基づいて説明する。
【0011】
図1は本実施の形態の出退勤管理システム100を示すシステム構成図である。図1に示すように、出退勤管理システム100は、商品販売データ処理装置であるPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末1とこのPOS端末1に接続されたリライトカード処理装置2とから構成されている。これらのPOS端末1とリライトカード処理装置2とは、店舗のレジカウンタに設置される。
【0012】
POS端末1は、ドロワ3上に載置されており、このドロワ3の開閉を制御する。このPOS端末1には、各種のキーが集合するキーボード4、図示しない鍵によってPOS端末1の動作モードを登録モード・設定モード・精算モード・点検モード等の各業務モードに切り替え設定するためのコントロールキー5、プリンタ6(図2参照)によって印字される取引レシート等を発行するレシート発行口7及びジャーナル窓8が設けられている。また、POS端末1の右側上方には、操作者側の表示部として機能するディスプレイ9が配置され、このディスプレイ9の近傍には客側の表示部として機能する客側ディスプレイ10が立設されている。さらに、このPOS端末1には、商品に付される商品コードを光学的に読み取るためのバーコードスキャナ11が接続されている。
【0013】
図2はPOS端末1が備える電装系を示すブロック図である。POS端末1は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)18を内蔵し、このマイコン18が、前述したキーボード4、コントロールキー5、プリンタ6、ディスプレイ9、客側ディスプレイ10、バーコードスキャナ11等の各部をバスライン19と各種制御回路(図示せず)とを介して駆動制御する。マイコン18は、CPU(Central Processing Unit)20にバスライン19を介して、起動プログラム等の固定的データを格納する記録媒体であるROM(Read Only Memory)21と各種データを書き替え自在に格納するRAM(Random Access Memory)22とを接続することにより構成されている。RAM22は、可変的なデータを書き替え自在に格納する機能を利用して、各種ワークエリアの機能を果たす。このRAM22は、バッテリによってバックアップされている。
【0014】
また、マイコン18にはバスライン19を介して記憶部であるHDD(Hard Disk Drive)23が接続されており、このHDD23には、マイコン18を動作させる制御プログラムや従業員の出退勤情報を記憶保持する出退勤管理ファイルF1等が格納されている。また、HDD23には、特に図示しないが、商品マスタファイル、売上登録に係る売上情報を記憶保持する売上ファイル、従業員ファイル等も格納されている。従業員ファイルは、従業員毎に従業員識別番号、従業員名称などを記憶しているファイルである。
【0015】
さらに、マイコン18にはバスライン19を介して通信インタフェース(図中では通信I/F)24が接続されている。この通信インタフェース24にはリライトカード処理装置2が接続されており、これによって、POS端末1とリライトカード処理装置2との間のデータ通信が可能となっている。また、POS端末1は、通信インタフェース24を介して外部のホストコンピュータ等に接続可能になっている。
【0016】
次に、リライトカード処理装置2を説明する。リライトカード処理装置2は、繰り返し印字可能なリライトカードCに対する情報の印字、消去を行なう。ここで、図3は出退勤記録用のリライトカードCの一例を示す平面図である。なお、以下では、特に断らない限り、リライトカードCは、出退勤用のリライトカードCを指す。リライトカードCの表面には、白濁タイプやロイコタイプのリライタブル層Rが設けられている。このリライタブル層Rは、印加される熱エネルギーに応じて情報の印字/消去を行えるものであり、詳しくは、第1の熱エネルギーを印加することにより顕色し、第2の熱エネルギーを印加することにより消色する。つまり、リライタブル層Rが印字エリアとして機能することになる。このリライタブル層Rには、当該リライトカードCを所有する従業員のある期間での出退勤履歴が印字される。一方、リライトカードCの裏面には、各種データを書き換え自在に記憶する記憶部である磁気ストライプ(図示せず)が設けられている。この磁気ストライプには、当該リライトカードCを所有する従業員の識別番号、名称、出退勤履歴、最終印字行情報等が記憶されている。最終印字行情報は、リライタブル層Rにおける出退勤履歴を記録する規定範囲で既に印字された行数の情報である。この最終印字行情報が位置特定情報として機能する。
【0017】
図4はリライトカード処理装置2の内部構成を示す縦断側面図である。図1及び図4に示すように、に示すようにリライトカード処理装置2には、カード挿入口31が設けられており、操作者はこのカード挿入口31からリライトカードCを挿入することになる。また、リライトカード処理装置2には、操作者の操作を受ける操作部32が設けられている。操作部32には、出勤キー33a、退勤キー33b、出退勤明細票50キー33cなどの各種のキーが設けられている。出勤キー33a、退勤キー33bは、押下されることにより出退勤印字処理を指定し(指定手段)、出退勤明細票50キー33cは、押下されることにより出退勤明細出力処理を指定する。
【0018】
リライトカード処理装置2には、カード挿入口31から挿入されたリライトカードCが搬送されるカード搬送経路34の上下を一定の間隔を保ち挾むように対峙している回動自在な搬送ローラ対34aが、複数個配設されている。これらの搬送ローラ対34aは、駆動モータM(図5参照)によって回転駆動される。また、カード搬送経路34には、多数の発熱素子を有してリライトカードCのリライタブル層Rに情報の印字、消去を行うための熱印加部であるサーマルヘッド35が配設されている。サーマルヘッド35はリライトカードCのリライタブル層Rに情報の印字、消去が可能な位置に備えられ、このサーマルヘッド35に対向してプラテンローラ36が備えられている。このプラテンローラ36は、駆動モータM(図5参照)を駆動源として回転することによりカード搬送部材としても機能する。つまり、搬送ローラ対34aとプラテンローラ36とを駆動モータMによって回転駆動することにより、カード挿入口31から挿入されたリライトカードCを吸入し、排出することが可能となっている。加えて、カード搬送経路34には、リライトカードCの磁気ストライプに対して情報の書き込み及び読み取りを行なうリーダライタである磁気リーダライタ37が配設されている。
【0019】
図5はリライトカード処理装置2が備える電装系を示すブロック図である。図5に示すように、リライトカード処理装置2は、各部を制御するマイコン41を備えている。マイコン41は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)42に、コンピュータプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)43、各種データを書き換え自在に格納するワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)44、日時を計時する計時手段であるタイマ45等がバス46を介して接続されて構成されている。RAM44は、バッテリによりバックアップされている。このマイコン41には、POS端末1とのデータ通信を司る通信インタフェース(図中では通信I/F)47がバス46を介して接続されている。
【0020】
また、マイコン41には、バス46及び図示しないI/O機器制御部を介して、前述した、操作部32、サーマルヘッド35、磁気リーダライタ37、サーマルヘッド35が接続されている。
【0021】
次に、出退勤管理システム100の各マイコン18,41のCPU20,42がコンピュータプログラムに従って実行する各種の処理及びそれに伴う各部の動作を説明する。
【0022】
まず、POS端末1のCPU20がコンピュータプログラムに従って実行する商品販売データ処理について簡単に説明する。この処理では、例えば、商品に付された商品コードをバーコードスキャナ11によって読み取ると、CPU20は読み取った商品コードに基づいて商品マスタファイルを検索し、該当する商品コードに対応した商品名や単価等を読み出し、商品コード、商品名、単価等に基づいて売上登録処理するとともに、部門別登録やディスプレイ9,10への表示、またプリンタ6によりレシートの印字発行を行い、さらに売上登録した売上登録データを売上ファイルに累計する。また、このとき、図示しないポイントカードがリライトカード処理装置2に挿入されて所定の操作によってポイント処理の実行が宣言されたならば、周知のポイント処理を実行する。ここで、ポイントカードの基本構造は、図3に示すリライトカードCと同じである。このポイント処理では、売上登録した金額に基づくポイントがポイントカードの磁気ストライプに記憶されている前回までの累積ポイントに加算され、その加算後の累積ポイントがリライタブル層に印字される。
【0023】
次に、リライトカード処理装置2のCPU42がコンピュータプログラムに従って実行する出退勤処理を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0024】
操作者である従業員によって出勤キー33a又は退勤キー33bが押下されることにより出退勤印字処理が指定されたならば(ステップS1のY)、カード挿入口31から挿入されたリライトカードCの磁気ストライプに書き込まれている情報(従業員の識別番号、従業員の名称、出退勤履歴、最終印字行情報)を読み出す(ステップS2)。
【0025】
次に、挿入されたリライトカードCのリライタブル層Rにおいて出退勤履歴を形成する位置に現在時刻を含む出退勤情報をサーマルヘッド35によって印字する(ステップS3:第1の印字手段)。具体的には、ステップS2で読み出した最終印字行情報に基づいて今回の出退勤情報の印字位置を決定して印字する。詳しくは、ステップS1において出勤キー33aが押下された場合には、現在時刻を出勤時刻とし、図5に示すように、最終印字行の次の行に、左から、今日の日付け、出勤時刻(現在時刻)、店コードを印字する。ここで、店コードは、当該リライトカード処理装置2が設置されている店舗を特定する情報であり、例えば、RAMに記憶されている。一方、ステップ1において退勤キー33bが押下された場合には、現在時刻を退勤時刻とし、図5に示すように、最終印字行の出勤記録の右側の規定の位置に、左から退勤時刻(現在時刻)、店コードを印字する。
【0026】
次に、リライトカードCの磁気ストライプに記憶されているデータを更新する(ステップS4)。具体的には、今回の出退勤情報(日付、出勤又は退勤時刻、店コード)を磁気ストライプの出退勤履歴に追加し(書き込み手段)、今回の処理で最終行が変更された場合には、最終印字行情報を更新する(更新手段)。
【0027】
次に、POS端末1に起動確認電文を送信し、応答が有るか否かによってPOS端末1が起動しているか否かを判定する(ステップS5)。POS端末1からの応答がなくPOS端末1は起動していないと判定した場合には(ステップS5のN)、リライトカードCをカード挿入口31から排出して処理を終了する。一方、POS端末1から応答が有り、POS端末1は起動していると判定した場合には(ステップS5のY)、POS端末1に、今回の出退勤情報を含んだ現時点での当該リライトカードCの従業員の出退勤履歴を送信する。つまり、ステップS2で読み込んだ出退勤履歴に今回の出退勤情報を加えた最新の出退勤履歴を従業員の識別番号とともに送信する(ステップS6)。特に図示しなしないが、従業員識別番号が付された最新の出退勤履歴を受信したPOS端末1では、この情報を出退勤管理ファイルF1に記憶する(記憶手段)。このとき、既に、当該従業員の識別番号に対応する出退勤履歴が記憶されている場合には、その情報を今回の最新の情報に更新する。
【0028】
次に、今日が予め設定された締め日であるか否かを判断する(ステップS7)。この締め日は、例えば、週に1回、月に1回などを例示することができ、予め、例えばRAM44に記憶されている。今日が締め日でない場合には(ステップS7のN)、リライトカードCをカード挿入口31から排出して処理を終了する。一方、今日が締め日である場合には(ステップS7のY)、POS端末1に当該従業員の出退勤明細の印字を命令する出退勤明細印字命令を送信する。この命令には、ステップS2で読み込んだ従業員識別番号が出退勤明細を印字する対象従業員情報として含まれている。このような出退勤明細印字命令を受信したPOS端末1での処理は後述する。
【0029】
また、従業員によって出退勤明細票50キー33cが押下されることにより出退勤明細出力処理が指定されたならば(ステップS9のY)、POS端末1に起動確認電文を送信し、応答があるか否かによってPOS端末1が起動しているか否かを判定する(ステップS10)。POS端末1からの応答がなくPOS端末1は起動していないと判定した場合には(ステップS10のN)、所定のエラー処理を実行する。一方、POS端末1から応答が有り、POS端末1は起動していると判定した場合には(ステップS10のY)、カード挿入口31から挿入されたリライトカードCの磁気ストライプに書き込まれている情報(従業員識別番号、従業員名称、出退勤履歴、最終印字行情報)を読み出す(ステップS11)。そして、ステップS8に進み、POS端末1に当該従業員の出退勤明細の印字を命令する出退勤明細印字命令を送信する。このときには、この命令に、ステップS11で読み込んだ従業員識別番号が出退勤明細を印字する対象従業員情報として含まれている。
【0030】
次に、リライトカード処理装置2から出退勤明細印字命令を受信したPOS端末1のCPU20が行う出退勤明細票発行処理を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。リライトカード処理装置2から出退勤明細印字命令を受信した場合には(ステップS21のY)、その命令に含まれる従業員識別番号で指定された従業員の出退勤履歴を出退勤管理ファイルF1から読み出して、読み出した出退勤履歴を印字した出退勤明細票をプリンタを駆動制御して発行する(ステップS22)。ここに、第2の印字手段の機能が実行される。図8に出退勤明細票50の一例を示す。
【0031】
ここで、使用済みのリライトカードCは、リライタブル層Rの出退勤履歴等の情報、磁気ストライプに記憶されている情報を消去することにより再使用が可能となる。リライトカードCの各種情報の消去タイミングについて説明する。例えば、出退勤管理の開始日(例えば、月始め)にリライトカード処理装置2にリライトカードCが挿入された場合にリライトカードCのリライタブル層Rの出退勤履歴等の情報、磁気ストライプに記憶されている情報を消去する。また、別例としては、締め日(例えば、月終わり)に、リライトカード処理装置2にリライトカードCが挿入された際に、リライタブル層Rの出退勤履歴等の情報、磁気ストライプに記憶されている情報を消去する。この場合、具体的には、図6に示すフローチャートのステップS8でPOS端末1に出退勤明細印字命令を送信した後に、リライトカードCの各種情報を消去する。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態では、リライトカード処理装置2に挿入されたリライトカードCのリライタブル層Rにおいて出退勤履歴を形成する位置に現在時刻を含む出退勤情報をサーマルヘッド35によって印字することにより、リライトカードCのリライタブル層Rに出退勤履歴が形成される。このように、本実施の形態では、リライトカードCをタイムカードとして用いている。従って、出退勤履歴を容易に視認することができ、また、ペンなどでは出退勤履歴を改ざんすることができないので、改ざんが困難であり、よって、改ざん防止を図ることができる。
【0033】
また、使用済みのリライトカードCはデータを消去して再使用することができるので、紙製の使い捨てのタイムカードに比べて環境破壊を防止することができる。
【0034】
また、スーパーマーケット等の店舗のうち1日単位で営業をしている店舗では、営業終了後、POS端末1の電源を落とし、営業開始とともにPOS端末1を起動させる運用が一般的にとられている。ここで、前述した特許文献1のPOSシステムによる出退勤管理を行う場合には、POS端末が起動していないと、出退勤時刻の入力ができないので、従業員は、POS端末を起動させた後、POS端末で出勤時刻の入力作業を行う。しかし、POS端末の起動には、例えば5分くらいかかるので、特許文献1の技術では、出勤時刻の入力作業をなかなか行うことができないという問題がある。これに対して、本実施の形態では、リライトカード処理装置2のみで、リライトカードCへ出退勤履歴を記録できる。リライトカード処理装置2の起動に掛かる時間は、POS端末1に比べて短いので、本実施の形態では、出退勤記録をスムーズに行なうことができる。
【0035】
また、本実施の形態では、リライトカード処理装置2のみで、リライトカードCへ出退勤履歴の記録ができるので、例えば、リライトカード処理装置2が設置されている複数の店舗から構成されるチェーンであれば、どの店舗においても、出退勤履歴の記録ができる。よって、特許文献1のように、出退勤履歴の記録のために大きなシステムを構築する必要がない。
【0036】
また、本実施の形態では、リライトカードCには、出退勤情報を印字した場所である店コードも印字されるので、どの店舗で出退勤情報を印字したかを把握することができる。
【0037】
また、本実施の形態においては、複数の処理のうち出退勤印字処理を指定する指定手段を備え、第1の印字手段は、出退勤印字処理が指定された場合に、挿入されたリライトカードCの印字エリアであるリライタブル層Rにおいて出退勤履歴を形成する位置に現在時刻を含む出退勤情報を熱印加部であるサーマルヘッド35によって印字することにより、リライトカード処理装置2は、出退勤印字処理以外の例えばポイント処理なども機能として備えても、それらを分けて処理することができる。ここで、従来の打刻機は、タイムレコード専用機であり、店舗においてその打刻機を使用する場合には、店舗で取引に使用する各種の装置、例えば、POS端末1やポイント処理を実行するリライトカード処理装置などとは別に、打刻機を購入しなければならず、店舗にとって負担が大きい、専用の場所を確保しなければならない、という問題がある。しかしながら、本実施の形態では、上述したように、リライトカードCには、出退勤印字処理以外の処理(例えば、ポイント処理)も機能として備えることができるので、そのような問題は発生しない。
【0038】
また、本実施の形態においては、リライトカードCが有する記憶部である磁気ストライプに対して情報の読み書きを行うリーダライタである磁気リーダライタ37と、第1の印字手段によるリライトカードCへの印字に伴い、リライトカードCの磁気ストライプに記憶されている次回の出退勤情報の印字位置を特定するための位置特定情報を磁気リーダライタ37によって更新する更新手段と、を備え、第1の印字手段は、挿入されたリライトカードCの磁気ストライプから磁気リーダライタ37によって読み出した位置特定情報に基づいて今回の出退勤情報をリライタブル層Rに印字することにより、第1の印字手段を容易に実現することができる。
【0039】
また、本実施の形態においては、リライトカードCが有する記憶部である磁気ストライプに対して情報の読み書きを行うリーダライタである磁気リーダライタ37と、挿入されたリライトカードCの磁気ストライプに出退勤履歴の構成要素として今回の出退勤情報を磁気リーダライタ37によって書き込む書き込み手段を備えることにより、リライタカードの磁気ストライプに常に最新の出退勤履歴が記憶される。よって、出退勤履歴のバックアップデータを取ることができる。
【0040】
また、本実施の形態においては、記憶部であるHDD23を有し商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置であるPOS端末1と、このPOS端末1にデータ通信可能に接続されたリライトカード処理装置2と、リライトカードCの記憶部である磁気ストライプから出退勤履歴をリーダライタである磁気リーダライタ37によって読み出し今回の出退勤情報とともにPOS端末1のHDD23に記憶させる記憶手段と、を備えることにより、出退勤履歴のバックアップデータをPOS端末1に記憶することができる。
【0041】
また、本実施の形態においては、レシートを印字発行するプリンタ6を有し商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置であるPOS端末1と、このPOS端末1にデータ通信可能に接続されたリライトカード処理装置2と、出退勤履歴(出退勤明細票50)をプリンタ6によって印字出力する第2の印字手段と、を備えることにより、出退勤履歴の控えを紙等に残すことができる。
【0042】
また、本実施の形態においては、第2の印字手段は、リライトカードCがリライトカード処理装置2に挿入された日が予め設定された締め日である場合に、出退勤履歴(出退勤明細票50)を印字出力することにより、締め日毎に、出退勤明細票50を取得することができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、操作者に操作される操作部32を有し、第2の印字手段は、操作部32への操作に応じて出退勤履歴(出退勤明細票50)を印字出力することにより、必要な時にその時点の出退勤履歴が記載された出退勤明細票50を印字出力させることができる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、リライトカードCの磁気ストライプの本数として、1本を例に説明したが、これに限るものではなく、必要な記憶容量に応じて、磁気ストライプの本数を増やしてよい。この場合には、磁気リーダライタ37を複数本の磁気ストライプに対して読み書きできる構成のものを採用すればよい。
【0045】
また、リライトカードCの記憶部としては、磁気ストライプに限るものではなく、例えば、ICチップであってもよい。この場合には、磁気リーダライタ37の代わりにICリーダライタを設ければよい。このように、リライトカードCの記憶部をICチップにすることにより、リライトカードCの記憶部の容量を磁気ストライプに比べて大きくすることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、指定手段として、出勤キー33a、退勤キー33bの押下により出退勤印字処理を指定する例を説明したが、これに限るものではない。例えば、リライトカードCの磁気ストライプに、予め当該リライトカードCは出退勤記録用カードである旨の出退勤記録用カード識別情報を記録しておく。そして、リライトカード処理装置2に挿入されたリライトカードCの磁気ストライプの情報を読み出し、出退勤記録用カード識別情報が有れば、出退勤印字処理を実行するようにしてもよい。この場合には、位置特定情報として、最終印字行情報のほかに、最終印字した情報が出勤時刻であるか又は退勤時刻であるかの情報を含ませることによって、今回の印字が出勤時刻なのか退勤時刻なのかを特定することができる。最終印字した情報が出勤時刻であるか又は退勤時刻であるかの情報が無い場合には、リライトカードCに対する最初の印字であるので出勤時刻として印字すればよい。
【0047】
次に、本発明の第2の実施の形態を図9に基づいて説明する。前述した実施の形態と同じ部分は、同一符号で示し説明も省略する。
【0048】
図9は本実施の形態のリライトカード処理装置2が実行する出退勤処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態は、リライトカード処理装置2が実行する出退勤処理が第1の実施の形態に対して異なる。第1の実施の形態では、リライトカードCへの出退勤情報の印字を追記方式で行ったが、本実施の形態では、リライトカードCへ出退勤情報を印字するときには、リライトカードCのリライタブル層Rに印字されている情報を全て書き換える書き換え方式が採用されている。
【0049】
具体的には、本実施の形態の出退勤処理では、図9に示すように、第1の実施の形態と同様にステップS1〜ステップS2の処理が実行された後、ステップS3の代わりにステップS31の出退勤履歴の更新印字処理が行われる。ステップS31では、まず、挿入されたリライトカードCのリライタブル層Rに印字されている情報をサーマルヘッド35によって全て消去する(消去手段)。そして、ステップS2で読み出した出退勤履歴に今回の出退勤情報を加えた最新の出退勤履歴をリライタブル層Rに印字する(第1の印字手段)。ここで、今回の出退勤情報は第1の実施の形態と同様である。また、このとき、従業員の氏名もリライタブル層Rの所定の場所に印字する。そして、ステップS4以降の処理を第1の実施の形態と同様に実行する。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態においては、挿入されたリライトカードCが有する記憶部である磁気ストライプに対して情報の読み書きを行うリーダライタである磁気リーダライタ37と、挿入されたリライトカードCの磁気ストライプに出退勤履歴の構成要素として今回の出退勤情報を磁気リーダライタ37によって書き込む書き込み手段と、挿入されたリライトカードCの印字エリアであるリライタブル層Rの情報を熱印加部であるサーマルヘッド35によって消去する消去手段と、を備え、第1の印字手段は、磁気リーダライタ37が磁気ストライプから読み取った出退勤履歴を出退勤情報とともに、消去手段による情報の消去がなされた後のリライタブル層Rに印字することにより、容易に第1の印字手段を実現することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、熱印加部をひとつのサーマルヘッド35によって構成した例を説明したが、熱印加部をサーマルヘッド35と消去機とによって構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態の出退勤管理システムを示すシステム構成図である。
【図2】POS端末が備える電装系を示すブロック図である。
【図3】リライトカードの一例を示す平面図である。
【図4】リライトカード処理装置の内部構成を示す縦断側面図である。
【図5】リライトカード処理装置が備える電装系を示すブロック図である。
【図6】リライトカード処理装置が実行する出退勤処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】POS端末が実行する出退勤明細票発行処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】出退勤明細票を示す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態のリライトカード処理装置が実行する出退勤処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1…商品販売データ処理装置、2…リライトカード処理装置、6…プリンタ、23…記憶部、32…操作部、35…熱印加部、37…リーダライタ、45…計時手段、100…出退勤管理システム、C…リライトカード、R…印字エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印加される熱エネルギーに応じて情報の印字、消去が可能な印字エリアを有するリライトカードが挿脱され、挿入されたリライトカードの前記印字エリアに熱印加部によって情報の印字、消去を行うリライトカード処理装置において、
日時を計時する計時手段と、
挿入された前記リライトカードの前記印字エリアにおいて出退勤履歴を形成する位置に現在時刻を含む出退勤情報を前記熱印加部によって印字する第1の印字手段と、
を備えることを特徴とするリライトカード処理装置。
【請求項2】
複数の処理のうち出退勤印字処理を指定する指定手段を備え、
前記第1の印字手段は、出退勤印字処理が指定された場合に、挿入された前記リライトカードの前記印字エリアにおいて出退勤履歴を形成する位置に現在時刻を含む出退勤情報を前記熱印加部によって印字することを特徴とする請求項1記載のリライトカード処理装置。
【請求項3】
前記リライトカードが有する記憶部に対して情報の読み書きを行うリーダライタと、
前記第1の印字手段による前記リライトカードへの印字に伴い、前記リライトカードの前記記憶部に記憶されている次回の前記出退勤情報の印字位置を特定するための位置特定情報を前記リーダライタによって更新する更新手段と、
を備え、
前記第1の印字手段は、挿入された前記リライトカードの前記記憶部から前記リーダライタによって読み出した前記位置特定情報に基づいて今回の前記出退勤情報を前記印字エリアに印字することを特徴とする請求項1又は2記載のリライトカード処理装置。
【請求項4】
前記リライトカードが有する記憶部に対して情報の読み書きを行うリーダライタと、
挿入された前記リライトカードの前記記憶部に前記出退勤履歴の構成要素として今回の前記出退勤情報を前記リーダライタによって書き込む書き込み手段を備えることを特徴とする請求項1、2又は3記載のリライトカード処理装置。
【請求項5】
挿入された前記リライトカードが有する記憶部に対して情報の読み書きを行うリーダライタと、
挿入された前記リライトカードの前記記憶部に出退勤履歴の構成要素として今回の前記出退勤情報を前記リーダライタによって書き込む書き込み手段と、
挿入された前記リライトカードの前記印字エリアの情報を前記熱印加部によって消去する消去手段と、
を備え、
前記第1の印字手段は、前記リーダライタが前記記憶部から読み取った出退勤履歴を前記出退勤情報とともに、前記消去手段による情報の消去がなされた後の前記印字エリアに印字することを特徴とする請求項1又は2記載のリライトカード処理装置。
【請求項6】
記憶部を有し商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置と、
この商品販売データ処理装置にデータ通信可能に接続された請求項4又は5記載のリライトカード処理装置と、
前記リライトカードの前記記憶部から前記出退勤履歴を前記リーダライタによって読み出し今回の前記出退勤情報とともに前記商品販売データ処理装置の前記記憶部に記憶させる記憶手段と、
を備えることを特徴とする出退勤管理システム。
【請求項7】
レシートを印字発行するプリンタを有し商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置と、
この商品販売データ処理装置にデータ通信可能に接続された請求項4又は5記載のリライトカード処理装置と、
前記出退勤履歴を前記プリンタによって印字出力する第2の印字手段と、
を備えることを特徴とする出退勤管理システム。
【請求項8】
前記第2の印字手段は、前記リライトカードが前記リライトカード処理装置に挿入された日が予め設定された締め日である場合に、前記出退勤履歴を印字出力することを特徴とする請求項7記載の出退勤管理システム。
【請求項9】
操作者に操作される操作部を有し、
前記第2の印字手段は、前記操作部への操作に応じて前記出退勤履歴を印字出力することを特徴とする請求項7記載の出退勤管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−155055(P2006−155055A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342571(P2004−342571)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】