説明

リラックス装置

【課題】身体の揺動動作と身体支持部材を構成する各部の傾動動作とを用い、効果的なリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供する。
【解決手段】姿勢調整手段としてのリクライニング機構33により、身体支持部材13の前方への移動中に、背もたれ部31と座部30とがなす角度が基本姿勢から大きくされて寝姿勢側へと動作される。また、リクライニング機構33により、身体支持部材13の後方への移動中に、背もたれ部31と座部30とがなす角度を寝姿勢から小さくされて基本姿勢側へと動作される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者にリラックス効果を付与することができるリラックス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、椅子型の身体支持部材に腰掛けた使用者の身体を揺動させることでリラックス効果を付与するリラックス装置が例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1のリラックス装置では、座部(特許文献1では下半身支持部)及び背もたれ部(特許文献1では上半身支持部)からなる身体支持部材と、該身体支持部材を前後方向に揺動させる揺動駆動装置(特許文献1では加振手段)とを備え、その揺動駆動装置により、身体支持部材を前後方向に揺動動作させている。
【0003】
また、このようなリラックス装置では、前後方向の揺動動作において、座部及び背もたれ部の少なくとも一方の角度を調整して、使用者の足先が頭部より上方位置とならないように制御している。そのため、常に足先が頭部より下方に位置する構成となり、頭部側が足先よりも鉛直方向下側となることが無く、頭部側からずり落ちそうな感覚を催すことを抑制し、効果的なリラックス効果を付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2697864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のリラックス装置では、常時足先が頭部より下方に位置する様に背もたれ部を適宜傾動させる動作と、身体支持部材の揺動動作とが個別に動作されているため、場合によっては相互の動作が相殺されて動作感が不十分となることがあり、効果的なリラックス効果を付与できない場合があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、身体の揺動動作と身体支持部材を構成する各部の傾動動作とを用い、効果的なリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者が着座可能な座部と該座部と連結されて使用者の身体の一部を支持する連結支持体と前記座部の前部に相対的に傾動可能に固定されるオットマンとを有する身体支持手段と、該身体支持手段を前後方向に揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御してリラックス揺動を行う制御手段とを備えたリラックス装置であって、前記身体支持手段を、基本姿勢と、該基本姿勢よりも前記座部及び前記連結支持体がなす角度が大きい寝姿勢と、前記基本姿勢よりも前記座部及び前記連結支持体がなす角度が小さい起立姿勢とに変更させる姿勢調整手段を備え、前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の前方への移動及び後方への移動の少なくとも一方への移動中に、前記基本姿勢から前記連結支持体を前記座部に対して相対的に角度変化させて前記寝姿勢若しくは前記起立姿勢へと動作させることをその要旨とする。
【0008】
この発明では、身体支持手段を、基本姿勢と、基本姿勢よりも座部及び連結支持体部がなす角度が大きい寝姿勢と、基本姿勢よりも座部及び背もたれ部がなす角度が小さい起立姿勢とに変更させる姿勢調整手段が備えられる。そして、その姿勢調整手段により、身体支持手段の前方への移動及び後方への移動の少なくとも一方への移動中に、基本姿勢から背もたれ部が座部に対して相対的に角度変化させて寝姿勢若しくは起立姿勢へと動作される。これにより、身体支持手段の揺動動作と身体支持手段を構成する座部及び背もたれ部の傾動動作を連動させて相乗的に身体にリラックス動作を作用させることが可能となるため、効果的なリラックス効果を付与することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリラックス装置において、前記連結支持体は、前記座部の後部に傾動可能に固定される背もたれ部であり、前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の前方への移動中に、前記基本姿勢から前記背もたれ部と前記座部とがなす角度を大きくして前記寝姿勢側へと動作させることをその要旨とする。
【0010】
この発明では、連結支持体は、座部の後部に傾動可能に固定される背もたれ部であり、姿勢調整手段により、身体支持手段の前方への移動中に、基本姿勢から背もたれ部と座部とがなす角度が大きくされて寝姿勢側へと動作される。この時、座部及び背もたれ部の少なくとも一方が傾動されて寝姿勢側へと動作されることで、使用者の身体が自然と寝姿勢側へと移動され、使用者の身体は直線状態に近づくこととなる。そのため、相対的に腰を中心とした浮遊感を感じやすくなる。これにより、従来のリラックス揺動によるリラックス効果と浮遊感とを使用者に付与、つまり相乗的にリラックス動作を付与することが可能となり、より効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の後方への移動中に、前記寝姿勢から前記背もたれ部と前記座部とがなす角度を小さくして前記基本姿勢側へと動作させることをその要旨とする。
【0012】
この発明では、姿勢調整手段により、身体支持手段の後方への移動中に、寝姿勢から背もたれ部と座部とがなす角度を小さくされて基本姿勢側へと動作される。これにより、身体支持手段の前方への移動中に、座部及び背もたれ部の少なくとも一方を傾動させて寝姿勢側へと近づける動作を繰り返し行うことが可能となり、請求項2に記載した効果を繰り返し付与することが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の前方への移動中に、前記基本姿勢から前記オットマンと前記座部とがなす角度を大きくして前記寝姿勢側へと動作させることをその要旨とする。
【0014】
この発明では、姿勢調整手段により、身体支持手段の前方への移動中に、基本姿勢からオットマンと座部とがなす角度を大きくされて寝姿勢側へと動作される。これにより、使用者の脚部も寝姿勢へと近づけられ、使用者は更に浮遊感を感じやすくなり、より効果的なリフレッシュ効果を付与することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の後方への移動中に、前記寝姿勢から前記オットマンと前記座部とがなす角度を小さくして前記基本姿勢側へと動作させることをその要旨とする。
【0016】
この発明では、姿勢調整手段により、身体支持手段の後方への移動中に、寝姿勢からオットマンと座部とがなす角度を小さくされて基本姿勢側へと動作される。これにより、身体支持手段の前方への移動中に、座部及びオットマンの少なくとも一方を傾動させて寝姿勢へと近づける動作を繰り返し行うことが可能となり、請求項4に記載した効果を繰り返し付与することが可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記連結支持体は、前記座部の後部に傾動可能に固定される背もたれ部であり、前記姿勢調整手段は、リラックス状態にあった前記使用者をリフレッシュさせるべく、前記身体支持手段の後方への移動中に、前記基本姿勢から前記背もたれ部と前記座部とがなす角度を小さくして前記起立姿勢へと動作させることをその要旨とする。
【0018】
この発明では、連結支持体は、座部の後部に傾動可能に固定される背もたれ部であり、姿勢調整手段により、リラックス状態にあった前記使用者をリフレッシュさせるべく、身体支持手段の後方への移動中に、基本姿勢から背もたれ部と座部とがなす角度を小さくされて起立姿勢側へと動作される。つまり、リラックス状態にあった前記使用者をリフレッシュさせるべく、身体支持手段の後方への移動中に、背もたれ部と座部とがなす角度が小さくされて起立姿勢側に動作されることで、使用者の身体が起こされた状態となり、使用者にリフレッシュ効果を付与することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記リフレッシュ動作時で、前記身体支持手段の前方への移動中に、前記起立姿勢から前記背もたれ部と前記座部とがなす角度を大きくして前記基本姿勢側へと動作させることをその要旨とする。
【0020】
この発明では、姿勢調整手段により、リフレッシュ動作時に、身体支持手段の前方への移動中に、起立姿勢から背もたれ部と座部とがなす角度を大きくされて基本姿勢側へと動作される。これにより、身体支持手段の後方への移動中に、座部及び背もたれ部の少なくとも一方を傾動させて起立姿勢側へと近づける動作を繰り返し行うことが可能となり、請求項6に記載した効果を繰り返し付与することが可能となる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記リフレッシュ動作時で、前記身体支持手段の後方への移動中に、前記基本姿勢から前記オットマンと前記座部とがなす角度を小さくして前記起立姿勢側へと動作させることをその要旨とする。
【0022】
この発明では、姿勢調整手段により、リフレッシュ動作時で、身体支持手段の後方への移動中に、基本姿勢からオットマンと座部とがなす角度を小さくして起立姿勢側へと動作される。これにより、使用者の脚部(主に膝下)が鉛直方向下側に移動されるため、使用者の身体の関節等が動かされて運動感覚が刺激されるとともに、脚部の重みを感じやすくなり、使用者を覚醒状態と導くことが可能となる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記リフレッシュ動作時で、前記身体支持手段の前方への移動中に、前記起立姿勢から前記座部と前記オットマンとがなす角度を大きくして前記基本姿勢側へと動作させることをその要旨とする。
【0024】
この発明では、姿勢調整手段により、リフレッシュ動作時で、身体支持手段の前方への移動中に、起立姿勢から座部とオットマンとがなす角度を大きくされて基本姿勢側へと動作される。これにより、身体支持手段の後方への移動中に、座部及びオットマンの少なくとも一方を傾動させて起立姿勢へと近づける動作を繰り返し行うことが可能となり、請求項7に記載した効果を繰り返し付与することが可能となる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項2〜9のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記座部に対して前記背もたれ部を動作させることをその要旨とする。
【0026】
この発明では、姿勢調整手段により、座部に対して背もたれ部が動作される。ここで、例えば基本姿勢において座部が水平である場合に、背もたれ部が座部に対して動作されることで、寝姿勢が水平状態に近づくため、使用者の自重により身体の各部が受ける力を分散でき、より効果的なリラックス効果を付与することができる。また、身体支持手段の前方への移動中に、背もたれ部を傾動(後方に移動)させて寝姿勢へと動作させる構成とした場合、使用者の頭部が前後方向に移動されにくくなり、平衡感覚を司る三半規管が前後方向に移動されるのを抑えることができ、乗り物酔い等の酔い感を軽減させることが可能となり、効果的なリラックス効果を付与することができる。また、リラックス揺動後において、例えば基本姿勢において座部が水平位置である場合に、背もたれ部を座部に対して動作させることで、使用者の上半身を起立させることができる。これにより、背もたれ部に対して座部を起立勢側へと動作させる場合に、座部が水平側から鉛直側に近づくため、使用者自身(特に下半身)の重みが腰部側にかかるため、使用者に負荷をかけすぎ、心地の良い目覚め(覚醒)を誘発できない虞がある。一方、座部に対して背もたれ部を動作させる本発明の構成においては、腰部側に使用者自身の重みがかかることが抑制されるため、心地の良い目覚め(覚醒)を誘発可能となり、より効果的なリフレッシュ効果を付与することができる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、請求項4、5、8及び9のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記座部に対して前記オットマンを動作させることをその要旨とする。
【0028】
この発明では、姿勢調整手段により、座部に対してオットマンが動作される。ここで、例えば基本姿勢において座部が水平である場合に、オットマンが座部に対して動作されることで、寝姿勢が水平状態に近づくため、使用者の自重により身体の各部が受ける力を分散でき、使用者の自重により身体の各部が受ける力を分散でき、より効果的なリラックス効果を付与することができる。また、例えば、オットマンに対して座部を動作させて寝姿勢側へと動作させた場合に、座部が水平状態から離れて水平面(床面)に対して斜めの姿勢となるため、使用者自身の姿勢は起こされた状態となり効果的なリラックス効果を付与することができないため、座部に対してオットマンを動作させる本発明の構成は効果的である。また、リフレッシュ動作時においても、基本姿勢において座部が水平に近い状態である場合に、オットマンに対して座部を動作させて起立姿勢側へと動作させた場合に、使用者自身の重みが腰部側にかかるため、使用者に負荷をかけすぎ、心地の良い目覚め(覚醒)を誘発できない虞がある。一方、座部に対してオットマンを動作させる本発明の構成においては、腰部側に使用者自身の重みがかかることが抑制されるため、心地の良い目覚め(覚醒)を誘発可能となり、より効果的なリフレッシュ効果を付与することができる。座部は一般的に使用者の臀部及び大腿部といった比較的重い部分を支持し、一方オットマンは脚部(下腿部)といった比較的軽い部分を支持することとなるため、本発明の構成の様に座部に対してオットマンを動作させることが容易となる。つまり、座部に対してオットマンを動作させる場合に、その駆動力を小さくでき、駆動機構の大型化を抑制し、延いてはリラックス装置の大型化を抑制できる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の前方への動作または後方への動作の開始に合わせてそれぞれの姿勢に変化させることをその要旨とする。
【0030】
この発明では、姿勢調整手段により、身体支持手段の前方への動作または後方への動作の開始に合わせてそれぞれの姿勢に変化される。これにより、各姿勢変化(傾動動作)と身体支持手段の揺動動作との連動感が増し、より効果的なリラックス効果及びリフレッシュ効果を付与することが可能となる。
【0031】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段は、前記連結支持体を各姿勢へ動作させる際に、その動作変化量を調整可能に構成されたことをその要旨とする。
【0032】
この発明では、姿勢調整手段は、連結支持体を各姿勢へ動作させる際に、その動作変化量を調整可能に構成されるため、動作のバリエーションを増やすことができる。また、ここで、例えば連結支持体を背もたれ部に限って説明すると、揺動動作に合わせて背もたれ部の傾動動作の変化量を調節し、揺動動作中における使用者の頭部の位置を揺動動作の回転中心近傍に設定することが可能となるため、使用者の頭部の移動を抑えることができる。そのため、平衡感覚を司る三半規管が移動されることを抑えることができ、所謂乗り物酔い等の酔い感を軽減させることが可能となり、効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0033】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載のリラックス装置において、前記姿勢調整手段による前記身体支持手段の各姿勢変化の際の往復周波数と、前記揺動駆動手段による前記身体支持手段の揺動周波数とを別々に設定可能に構成されたことをその要旨とする。
【0034】
この発明では、姿勢調整手段による身体支持手段の各姿勢変化の際の往復周波数と、揺動駆動手段による身体支持手段の揺動周波数とを別々に設定可能に構成される。これにより、本装置の動作のバリエーションを増やすことができるとともに、例えば揺動動作の周波数よりも高い周波数にて各姿勢へ移行することが可能となるため、使用者に対して揺動動作と異なる刺激として付与でき、効果的なリフレッシュ効果を付与することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、身体の揺動動作と身体支持部材を構成する各部の傾動動作とを用い、効果的なリラックス効果を付与することができるリラックス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態におけるリラックス装置の概略構成図。
【図2】同上における身体支持部材の基本姿勢について説明するための説明図。
【図3】同上における身体支持部材の寝姿勢について説明するための説明図。
【図4】同上における身体支持部材の起立姿勢について説明するための説明図。
【図5】同上における揺動動作の周波数及び振幅について説明するための説明図。
【図6】同上における揺動動作と各姿勢について説明するための説明図。
【図7】同上における揺動動作と各姿勢について説明するための説明図。
【図8】揺動駆動装置について説明するための説明図である。
【図9】背もたれ部の傾動動作と直動機構とによる動作について説明するための説明図。
【図10】背もたれ部による傾動動作について説明するための説明図。
【図11】(a)(b)は、揺動動作の回転中心と、背もたれ部の傾動動作及びエアバッグの膨縮動作について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のリラックス装置の概略構成図を示す。図1に示すように、リラックス装置10は、その基台11の底部11aが図示しない床面に載置されるとともに、基台11に設けられた揺動駆動手段としての揺動駆動装置12と該揺動駆動装置12により揺動される身体支持手段としての身体支持部材13とを備えている。
【0038】
揺動駆動装置12は、制御手段としてのコントローラ20により制御されて身体支持部材13をロッキングチェア等のように前後方向に揺動させている。
身体支持部材13は、前記基台11に揺動可能に支持される座部30と、座部30の後部に傾動可能に固定される連結支持体としての背もたれ部31と、座部30の前部に固定された連結支持体としてのオットマン32とで構成されている。
【0039】
背もたれ部31は、該背もたれ部31を傾動させる姿勢調整手段としてのリクライニング機構33がコントローラ20により制御され、座部30を水平とした場合に、座部30及び背もたれ部31がなすリクライニング角度θ1を120度から170度の範囲となるように背もたれ部31を適宜傾動させるようになっている。
【0040】
また、オットマン32は、該オットマン32を座部30に対して傾動させる姿勢調整手段としてのリフト機構34がコントローラ20により制御され、座部30及びオットマン32がなす角度θ2を130度〜170度の範囲となるようにオットマン32を適宜傾動されるようになっている。尚、座部30及びオットマン32がなす角度θ2は、座部30が水平とされた状態において設定されたものであり、座部30の角度によっては適宜変更されるものである。
【0041】
次に、上記の様に構成されたリラックス装置10の動作について図1〜図7を用いて説明する。
コントローラ20は、揺動駆動装置12を駆動して身体支持部材13のリラックス揺動を実施するモード単独、若しくはそのリラックス揺動と背もたれ部31とを連動するモード等、各種の作動モードが設定されている。その中で、リフレッシュ機能を有するリラックス揺動モードがある。この作動モードでは、先ず使用者に対してリラックス効果を付与する[リラックス揺動]が実施され、所定時間経過すると[リラックス揺動]から[リフレッシュ揺動]へと切り替わって作動モードが終了するようになっている。
【0042】
[リラックス揺動]
先ず、コントローラ20は、図5に示すように使用者を覚醒状態からリラックス状態に導くように、時間経過に伴って身体支持部材13(図1参照)の揺動動作の揺動間隔(周波数)を例えば0.35Hzから開始し、所定時間Aまでの間で0.2Hzまで0.05Hz刻みで漸減させるように揺動駆動装置12(図1参照)を制御するとともに、揺動動作の揺れ幅(振幅)にランダムなゆらぎを付与するように揺動駆動装置12を制御してリラックス揺動を行う。
【0043】
また、前述のリラックス揺動動作と合わせて、コントローラ20は、身体支持部材13を基本姿勢(図2参照)及び寝姿勢(図3参照)の範囲で、背もたれ部31及びオットマン32を繰り返し傾動動作させている。詳述すると、コントローラ20は、図6に示すように身体支持部材13が往路である前方に移動されると同時に、リクライニング角度θ1を基本姿勢の150度から寝姿勢の170度まで増加させて背もたれ部31を後方に傾動させて寝姿勢側に近づける動作となるようにリクライニング機構33を制御する。これと同時に、コントローラ20は、図6に示すようにオットマン32と座部30とがなす角度θ2を基本姿勢の160度から寝姿勢の170度まで増加させてオットマン32を傾動させ寝姿勢側に近づける動作となるようにリフト機構34を制御する。そして、コントローラ20、身体支持部材13が復路である後方に移動されると同時に、リクライニング角度θ1を寝姿勢の170度から基本姿勢の150度まで小さくさせて背もたれ部31を前方に傾動させて基本姿勢側に近づける動作となるようにリクライニング機構33を制御する。これと同時に、コントローラ20は、オットマン32と座部30とがなす角度θ2を寝姿勢の170度から基本姿勢の150度まで小さくさせてオットマン32を傾動させ基本姿勢側に近づける動作となるようにリフト機構34を制御する。
【0044】
そして、所定時間A経過後、所定時間Bまで、コントローラ20は、前記の最終動作、つまり身体支持部材13を本実施形態の周波数の下限値である周波数0.2Hzで、振幅にゆらぎが生じるように揺動駆動装置12を制御し、使用者を更にリラックス状態から睡眠状態となるように揺動を続ける。尚、所定時間A,B間では、コントローラ20は寝姿勢(リクライニング角度θ1=170度、オットマン32と座部30とがなす角度θ2=170度)の状態を維持して、揺動動作を行うようになっている。
【0045】
[リフレッシュ揺動]
所定時間B経過後、コントローラ20は、使用者を睡眠状態(リラックス状態)から覚醒状態へと誘うように、揺動動作の周波数を0.2Hzから0.3Hz、0.3Hzから0.4Hz、0.4Hzから0.6Hzとなるように段階的に変化させるべく揺動駆動装置12を制御する。この時、周波数の変化のタイミングは、身体支持部材13の揺動動作が例えば10往復した後に変化するようにコントローラ20にて制御されている。また、コントローラ20は、周波数の変化のタイミングと同期させて振幅の大きさを段階的に増加するように揺動駆動装置12を制御する。
【0046】
そして、前述のリフレッシュ揺動と合わせて、コントローラ20は、身体支持部材13を基本姿勢(図2参照)及び起立姿勢(図4参照)の範囲で、背もたれ部31及びオットマン32を繰り返し傾動動作させている。詳述すると、コントローラ20は、図7に示すように身体支持部材13が復路である後方に移動されると同時に、リクライニング角度θ1を基本姿勢の150度から起立姿勢の120度まで減少させて背もたれ部31を前方に傾動させて起立姿勢側に近づける動作となるようにリクライニング機構33を制御する。これと同時に、コントローラ20は、図7に示すようにオットマン32と座部30とがなす角度θ2を基本姿勢の160度から起立姿勢の130度まで減少させてオットマン32を傾動させ起立姿勢側に近づける動作となるようにリフト機構34を制御する。そして、コントローラ20、身体支持部材13が往路である前方に移動されると同時に、リクライニング角度θ1を起立姿勢の120度から基本姿勢の150度まで大きくさせて背もたれ部31を後方に傾動させて基本姿勢側に近づける動作となるようにリクライニング機構33を制御する。これと同時に、コントローラ20は、オットマン32と座部30とがなす角度θ2を起立姿勢の130度から基本姿勢の160度まで大きくさせてオットマン32を傾動させ基本姿勢側に近づける動作となるようにリフト機構34を制御する。
【0047】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)姿勢調整手段としてのリクライニング機構33により、身体支持部材13の前方への移動中に、背もたれ部31と座部30とがなす角度(リクライニング角度θ1)が基本姿勢(θ1=150度)から大きくされて寝姿勢側(θ1=170度)へと動作される。この時、背もたれ部31が傾動されて寝姿勢へと動作されることで、使用者の身体が自然と寝姿勢へと移動され、使用者の身体は直線状態に近づくこととなる。そのため、相対的に腰を中心とした浮遊感を感じやすくなる。これにより、従来のリラックス揺動によるリラックス効果と浮遊感とを使用者に付与、つまり相乗的にリラックス動作を付与することが可能となり、より効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0048】
(2)姿勢調整手段としてのリクライニング機構33により、身体支持部材13の後方への移動中に、背もたれ部31と座部30とがなす角度(リクライニング角度θ1)を寝姿勢(θ1=170度)から小さくされて基本姿勢側(θ1=150度)へと動作される。これにより、身体支持部材13の前方への移動中に、背もたれ部31を傾動させて寝姿勢側へと近づける動作を繰り返し行うことが可能となり、(1)に記載の効果を繰り返し付与することが可能となる。
【0049】
(3)姿勢調整手段としてのリクライニング機構33により、座部30に対して背もたれ部31が動作される。ここで、基本姿勢において座部30が水平である場合に、背もたれ部31を座部30に対して動作されることで、寝姿勢が水平状態に近づくため、使用者の自重により身体の各部が受ける力を分散でき、より効果的なリラックス効果を付与することができる。また、身体支持部材13の前方への移動中に、背もたれ部31を傾動(後方に移動)させて寝姿勢へと動作させる構成とした場合、使用者の頭部が前後方向に移動されにくくなり、平衡感覚を司る三半規管が前後方向に移動されるのを抑えることができ、乗り物酔い等の酔い感を軽減させることが可能となる。
【0050】
(4)リフト機構34により、身体支持部材13の前方への移動中に、オットマン32と座部30とがなす角度θ2を基本姿勢(θ2=160度)から大きくされて寝姿勢(θ2=170度)へと動作される。これにより、使用者の脚部も寝姿勢へと近づけられ、使用者は更に浮遊感を感じやすくなり、より効果的なリラックス効果を付与することができる。
【0051】
(5)リフト機構34により、身体支持部材13の後方への移動中に、オットマン32と座部30とがなす角度θ2を寝姿勢(θ2=170度)から小さくされて基本姿勢(θ2=160度)へと動作される。これにより、身体支持部材13の前方への移動中に、オットマン32を傾動させて寝姿勢へと近づける動作を繰り返し行うことが可能となり、(4)に記載した効果を繰り返し付与することが可能となる。
【0052】
(6)リクライニング機構33により、リフレッシュ動作時(所定時間B経過後)で、身体支持部材13の後方への移動中に、背もたれ部31と座部30とがなす角度(リクライニング角度θ1)を基本姿勢(θ1=150度)から小さくされて起立姿勢側(120度)へと動作される。つまり、リラックス揺動後において、身体支持部材13の後方への移動中に、背もたれ部31と座部30とがなす角度(θ1)が小さくされて起立姿勢側へと動作されることで、使用者の身体が起こされた状態となり、使用者にリフレッシュ効果を付与することができる。
【0053】
(7)リクライニング機構33により、リフレッシュ動作時(所定時間B経過後)で、身体支持部材13の前方への移動中に、背もたれ部31と座部30とがなす角度(θ1)を起立姿勢(θ1=120度)から大きくされて基本姿勢側(θ1=150度)へと動作される。これにより、身体支持部材13の後方への移動中に、座部30及び座部30傾動させて起立姿勢へと近づける動作を繰り返し行うことが可能となり、(6)に記載した効果を繰り返し付与することが可能となる。
【0054】
(8)リクライニング機構33により、リフレッシュ動作時(所定時間B経過後)で、座部30に対して背もたれ部31が動作される。ここで、基本姿勢において座部30が水平である場合に、背もたれ部31を座部30に対して動作させることで、使用者の上半身を起立させることができる。これにより、背もたれ部31に対して座部30を起立勢側へと動作させる場合に、座部30が水平側から鉛直側に近づくため、使用者自身(特に下半身)の重みが腰部側にかかるため、使用者に負荷をかけすぎ、心地の良い目覚め(覚醒)を誘発できない虞がある。一方、座部30に対して背もたれ部31を動作させる本実施形態の構成においては、腰部側に使用者自身の重みがかかることが抑制されるため、心地の良い目覚め(覚醒)を誘発可能となり、より効果的なリフレッシュ効果を付与することができる。
【0055】
(9)リフト機構34により、リフレッシュ動作時(所定時間B経過後)で、身体支持部材13の後方への移動中に、オットマン32と座部30とがなす角度θ2を基本姿勢(θ2=160度)から小さくして起立姿勢側(130度)へと動作される。これにより、使用者の脚部(主に膝下)が鉛直方向下側に移動されることで、使用者の身体の関節等が動かされて運動感覚が刺激されるとともに、脚部の重みを感じやすくなり、使用者を覚醒状態と導くことが可能となる。
【0056】
(10)リフト機構34により、リフレッシュ動作時(所定時間B経過後)で、身体支持部材13の前方への移動中に、座部30とオットマン32とがなす角度θ2を起立姿勢(θ2=130度)から大きくされて基本姿勢側(θ2=160度)へと動作される。これにより、身体支持部材13の後方への移動中に、オットマン32を傾動させて起立姿勢側へと近づける動作を繰り返し行うことが可能となり、(9)に記載した効果を繰り返し付与することが可能となる。
【0057】
(11)姿勢調整手段としてのリフト機構34により、座部30に対してオットマン32が動作される。ここで、例えば基本姿勢において座部が水平である場合に、オットマン32が座部30に対して動作されることで、寝姿勢が水平状態に近づくため、使用者の自重により身体の各部が受ける力を分散でき、使用者の自重により身体の各部が受ける力を分散でき、より効果的なリラックス効果を付与することができる。また、例えば、オットマン32に対して座部30を動作させて寝姿勢側へと動作させた場合に、座部30が水平状態から離れて水平面(床面)に対して斜めの姿勢となるため、使用者自身の姿勢は起こされた状態となり効果的なリラックス効果を付与することができないため、座部30に対してオットマン32を動作させる本発明の構成は効果的である。また、リフレッシュ動作時においても、基本姿勢において座部30が水平に近い状態である場合に、オットマン32に対して座部30を動作させて起立姿勢側へと動作させた場合に、使用者自身の重みが腰部側にかかるため、使用者に負荷をかけすぎ、心地の良い目覚め(覚醒)を誘発できない虞がある。一方、座部30に対してオットマン32を動作させる本発明の構成においては、腰部側に使用者自身の重みがかかることが抑制されるため、心地の良い目覚め(覚醒)を誘発可能となり、より効果的なリフレッシュ効果を付与することができる。また座部30は一般的に使用者の臀部及び大腿部といった比較的重い部分を支持し、一方オットマン32は脚部(下腿部)といった比較的軽い部分を支持することとなるため、座部30に対してオットマン32を動作させることが容易となる。つまり、座部30に対してオットマン32を動作させる場合に、その駆動力を小さくでき、駆動機構の大型化を抑制し、延いてはリラックス装置の大型化を抑制できる。
【0058】
(12)姿勢調整手段としてのリクライニング機構33及びリフト機構34により、身体支持部材13の前方への動作または後方への動作の開始に合わせてそれぞれの姿勢に変化される。これにより、各姿勢変化(傾動動作)と身体支持部材13の揺動動作との連動感が増し、より効果的なリラックス効果及びリフレッシュ効果を付与することが可能となる。
【0059】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、基本姿勢をθ1=150度、θ2=160度とし、寝姿勢をθ1=170度、θ2=170度とし、起立姿勢をθ1=120度、θ2=130度と設定したが、これに限らない。つまり、寝姿勢では基本姿勢よりも、座部30となす角度θ1及び角度θ2とが大きく、背もたれ部31及びオットマン32が座部30に対して平行に近づくように構成するとよい。また、起立姿勢では基本姿勢よりも座部30となす角度θ1及び角度θ2とが小さく、背もたれ部31及びオットマン32が座部30に対して直交する方向に近づくように構成するとよい。
【0060】
・上記実施形態では、座部30に対して、背もたれ部31及びオットマン32を傾動させる構成としたが、座部30を背もたれ部31及びオットマンの32の少なくとも一方に対して傾動させる構成を採用してもよい。
【0061】
・上記実施形態では、オットマン32を傾動させる構成としたが、オットマン32を傾動不能、つまり、図10に示すように所定角度で固定させ、背もたれ部31のみを傾動させる構成を採用してもよい。また、オットマン32を設けなくてもよい。
【0062】
・上記実施形態では、身体支持部材13の前方への動作または後方への動作の開始に合わせて(同時に)、各姿勢に変化する構成としたが、同時でなくてもよい。
・上記実施形態では、所定時間B経過後のリフレッシュ揺動時(リラックス揺動後)において、リフト機構34により、身体支持部材13の前方への移動中に、座部30とオットマン32とがなす角度θ2を起立姿勢(θ2=130度)から大きくされて基本姿勢(θ2=160度)へと動作される構成としたが、これに限らない。つまり、所定時間B経過後のリフレッシュ揺動(リフレッシュ動作)時において、リフト機構34により、身体
支持部材13の前方への移動中にオットマン32が起立姿勢から基本姿勢へと動作されず、少なくとも身体支持部材13の後方への移動中にオットマン32が基本姿勢から起立姿勢動作されればよい。また、これに加えて、身体支持部材13の後方への移動中にオットマン32が基本姿勢から起立姿勢へと動作される構成を省略してもよい。
【0063】
・上記実施形態では、所定時間B経過後のリフレッシュ揺動時(リラックス揺動後)において、リクライニング機構33により、身体支持部材13の前方への移動中に、背もたれ部31と座部30とがなす角度(θ1)を起立姿勢(θ1=120度)から大きくされて基本姿勢(θ1=150度)へと動作される構成としたが、これに限らない。つまり、所定時間B経過後のリフレッシュ揺動(リフレッシュ動作)時において、身体支持部材13の前方への移動中に背もたれ部31が起立姿勢から基本姿勢へと動作されず、少なくとも身体支持部材13の後方への移動中に背もたれ部31が基本姿勢から起立姿勢動作されればよい。また、これに加えて、身体支持部材13の後方への移動中に背もたれ部31が基本姿勢から起立姿勢へと動作される構成を省略してもよい。
【0064】
・上記実施形態では、特に言及していないが、図8に示すように揺動駆動装置12を回動可能な複数の関節40と、各関節40と接続されるアーム部材41と、各関節40を回動させるアクチュエータ(図示略)とで構成し、身体支持部材13を前後方向に揺動可能に構成してもよい。尚、揺動駆動装置12は前述した以外の構成を採用してもよく、要は身体支持部材13を前後方向に揺動可能な構成であればよい。
【0065】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図9に示すように、リクライニング機構33(図1参照)による背もたれ部31の傾動動作に加え、背もたれ部31に設けた直動機構42にて背もたれ部31の長さ方向と直交する方向に動作される頭部支持部43を動作させ、使用者の身体を動作させる構成を採用してもよい。また、直動機構42の代わりに、図11に示すようにエアバッグ44の膨縮動作にて使用者の身体を動作させる構成を採用してもよい。この他、マッサージ機等に多く用いられる施療子(図示略)にて使用者の身体を動作させる構成を採用してもよい。前述した様に、リクライニング機構33による背もたれ部31の傾動動作に加え、その他の機構42,44にて使用者の身体を動作させることで、動作のバリエーションが増えて単調な動作とならないため、本装置10使用時における使用者のモチベーション維持にも貢献できる。
【0066】
また、図11(a)に示すように、姿勢調整手段としてのリクライニング機構33による背もたれ部31の傾動動作の動作変化量と、例えばエアバッグ44の膨縮動作の膨縮量とを揺動動作の回転中心X近傍に使用者の頭部を近づけるように動作させるような構成を採用してもよい。このような構成とすることで、例えば図11(b)に示すように揺動動作の回転中心X近傍に使用者の頭部を近づけるような動作をしない場合と比較して平衡感覚を司る三半規管の移動を抑えることができ、所謂乗り物酔い等の酔い感を軽減させることが可能となり、効果的なリラックス効果を付与することができる。尚、エアバッグ44を省略し、背もたれ部31の傾動動作の動作変化量を調整可能に構成するとともに、その調整にて揺動動作の回転中心X近傍に使用者の頭部を近づけるように動作させても同様の効果を得ることができる。
【0067】
・上記実施形態では、特に言及していないが、コントローラ20は、揺動駆動装置12による身体支持部材13の揺動動作の揺動周波数と、姿勢調整手段としてのリクライニング機構33による背もたれ部31(身体支持部材13)の各姿勢変化の際の往復周波数とを別々に設定できる構成を採用してもよい。このような構成とすることで、本装置10の動作パターンのバリエーションを増やすことができ、使用者のモチベーション維持に貢献できる。また、揺動動作の周波数よりも背もたれ部31の傾動動作の往復周波数やエアバッグ44等の膨縮動作の膨縮回数を増やすことで、使用者の頭部(三半規管)に対して刺激を与えることができるため、リフレッシュ効果を期待できる。
【0068】
・上記実施形態では、リラックス揺動時において、リフト機構34により、身体支持部材13の後方への移動中に、オットマン32と座部30とがなす角度θ2を寝姿勢(θ2=170度)から小さくされて基本姿勢(θ2=160度)へと動作される構成としたが、これに限らない。つまり、リラックス揺動時において、リフト機構34により、身体支持部材13の後方への移動中に、オットマン32が寝姿勢から基本姿勢へと動作されず、少なくとも身体支持部材13の前方への移動中に、オットマン32が基本姿勢から寝姿勢へと動作されればよい。
【0069】
・上記実施形態では、リラックス揺動時に、身体支持部材13の揺動動作の周波数を0.35Hzから0.2Hzの間になるようにコントローラ20により揺動駆動装置12を制御しているが、リラックスさせるその他の周波数帯域で揺動駆動装置12を制御してもよい。
【0070】
・上記実施形態では、リフレッシュ揺動(リフレッシュ動作)時に、身体支持部材13の揺動動作の周波数を0.2Hzから段階的に0.6Hzまで変化するようにコントローラ20にて揺動駆動装置12を制御しているが、リフレッシュさせるその他の周波数帯域を利用してもよい。
【0071】
・上記実施形態では、所定時間Aや所定時間Bとでコントローラ20による各部の制御が切り替わるように構成されているが、これに限らず、例えば使用者がコントローラ20による各部の制御を切り替え可能なスイッチを設けて、使用者の所望のタイミングで切り替えをおこなってもよい。
【0072】
・上記実施形態では、リラックス揺動後にリフレッシュ揺動を行う構成としたが、リラックス揺動のみ行ってもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、リラックス揺動やリフレッシュ揺動に対応した音楽や振動を付与する構成を追加してもよい。
【符号の説明】
【0073】
10…リラックス装置、12…揺動駆動手段としての揺動駆動装置、13…身体支持手段としての身体支持部材、20…制御手段としてのコントローラ、30…座部、31…連結支持体としての背もたれ部、32…連結支持体としてのオットマン、33…姿勢調整手段としてのリクライニング機構、34…姿勢調整手段としてのリフト機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と該座部と連結されて使用者の身体の一部を支持する連結支持体と前記座部の前部に相対的に傾動可能に固定されるオットマンとを有する身体支持手段と、該身体支持手段を前後方向に揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御してリラックス揺動を行う制御手段とを備えたリラックス装置であって、
前記身体支持手段を、基本姿勢と、該基本姿勢よりも前記座部及び前記連結支持体がなす角度が大きい寝姿勢と、前記基本姿勢よりも前記座部及び前記連結支持体がなす角度が小さい起立姿勢とに変更させる姿勢調整手段を備え、
前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の前方への移動及び後方への移動の少なくとも一方への移動中に、前記基本姿勢から前記連結支持体を前記座部に対して相対的に角度変化させて前記寝姿勢若しくは前記起立姿勢へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリラックス装置において、
前記連結支持体は、前記座部の後部に傾動可能に固定される背もたれ部であり、
前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の前方への移動中に、前記基本姿勢から前記背もたれ部と前記座部とがなす角度を大きくして前記寝姿勢側へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項3】
請求項2に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の後方への移動中に、前記寝姿勢から前記背もたれ部と前記座部とがなす角度を小さくして前記基本姿勢側へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の前方への移動中に、前記基本姿勢から前記オットマンと前記座部とがなす角度を大きくして前記寝姿勢側へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項5】
請求項4に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の後方への移動中に、前記寝姿勢から前記オットマンと前記座部とがなす角度を小さくして前記基本姿勢側へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記連結支持体は、前記座部の後部に傾動可能に固定される背もたれ部であり、
前記姿勢調整手段は、リラックス状態にあった前記使用者をリフレッシュさせるべく、前記身体支持手段の後方への移動中に、前記基本姿勢から前記背もたれ部と前記座部とがなす角度を小さくして前記起立姿勢側へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項7】
請求項6に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記リフレッシュ動作時に、前記身体支持手段の前方への移動中に、前記起立姿勢から前記背もたれ部と前記座部とがなす角度を大きくして前記基本姿勢側へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記リフレッシュ動作時に、前記身体支持手段の後方への移動中に、前記基本姿勢から前記オットマンと前記座部とがなす角度を小さくして前記起立姿勢側へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項9】
請求項8に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記リフレッシュ動作時に、前記身体支持手段の前方への移動中に、前記起立姿勢から前記座部と前記オットマンとがなす角度を大きくして前記基本姿勢側へと動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項10】
請求項2〜9のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記座部に対して前記背もたれ部を動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項11】
請求項4、5、8及び9のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記座部に対して前記オットマンを動作させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記身体支持手段の前方への動作または後方への動作の開始に合わせてそれぞれの姿勢に変化させることを特徴とするリラックス装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段は、前記連結支持体を各姿勢へ動作させる際に、その動作変化量を調整可能に構成されたことを特徴とするリラックス装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載のリラックス装置において、
前記姿勢調整手段による前記身体支持手段の各姿勢変化の際の往復周波数と、前記揺動駆動手段による前記身体支持手段の揺動周波数とを別々に設定可能に構成されたことを特徴とするリラックス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−66743(P2013−66743A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−266967(P2012−266967)
【出願日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【分割の表示】特願2008−324594(P2008−324594)の分割
【原出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】