説明

リングバックトーン試聴システム

【課題】発呼者にリングバックトーン用のコンテンツを試聴させること。
【解決手段】発呼者が所望のリングバックトーンサービスに加入していなくても、発呼者端末と被呼者端末との通話処理後に、発呼者端末に対してアウトバウンドコールを発呼して、被呼者端末によって設定されたリングバックトーン用のコンテンツを再生するIVR装置140を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リングバックトーン試聴システムに関する。特に、本発明は、リングバックトーン用のコンテンツを試聴させるリングバックトーン試聴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信事業者は、携帯電話に掛かってきた呼に応答するまでの間、電話を掛けた側に通常の呼出中を示す音であるリングバックトーンとして、受け手が予め指定しておいた音楽又は音声等を聞かせるサービスを提供している。
【0003】
加入者は、他の加入者に電話を掛けた時に聞いたコンテンツが気に入ったがそのコンテンツ情報が分からない場合等に、気に入ったコンテンツを使用している加入者の電話番号をキーとしてその加入者が所持するコンテンツ情報一覧の参照要求を行い、その加入者がコンテンツ情報を他者に公開する設定にしている場合に閲覧することができ、そのコンテンツ情報一覧からコンテンツを指定して購入することができる。
【0004】
しかしながら、既知のリングバックトーン変更用コンテンツ提供システムは、キーとする電話番号の所有者が楽曲リストを公開しない場合には、これを他人が閲覧することができないし、また、閲覧できた場合でも、閲覧者と被閲覧者の楽曲に関する嗜好が合わなければ購入にまでは至らない可能性が高い。
【0005】
この既知の方法は、コンテンツ購入機会の増大に一定の効果は期待できるものの、購入者の嗜好に合うコンテンツの購入機会の増大という点において不十分であるという問題がある。
【0006】
特許文献1に記載の技術は、上記のような背景に鑑みて成された技術であって、加入者が他の加入者に電話を掛けたときに呼び出し中に聞いたリングバックトーンを宣伝呼中で確認し、購入する機会を作り出す技術を提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−212631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、所望のリングバックトーン用のコンテンツを利用するサービスに被呼者のみならず発呼者までもが加入していなければ、そのサービスを受けることができない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、リングバックトーン用のコンテンツを試聴させるリングバックトーン試聴システムであって、発呼者端末と被呼者端末との通話処理後に、発呼者端末に対してアウトバウンドコールを発呼して、被呼者端末によって設定されたリングバックトーン用のコンテンツを再生するIVR装置を備える。
【0010】
なおまた、上記のように発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、この発明は、所望のリングバックトーンのサービスに発呼者が加入していなくても、被呼者への発呼中に再生されていたリングバックトーン用のコンテンツを、通話後再試聴させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係るリングバックトーン試聴システム100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】リングバックトーン試聴システム100の構成の一例を示す図である。
【図3】リングバックトーン音声信号処理装置110、リングバックトーン情報管理装置120、SMS送受信装置130、IVR装置140、MSC装置200、HLR装置300、発呼者の携帯電話400、及び被呼者の携帯電話400の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図4】リングバックトーン音声信号処理装置110、リングバックトーン情報管理装置120、SMS送受信装置130、IVR装置140、MSC装置200、HLR装置300、発呼者の携帯電話400、及び被呼者の携帯電話400の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図5】リングバックトーン音声信号処理装置110、リングバックトーン情報管理装置120、SMS送受信装置130、IVR装置140、MSC装置200、HLR装置300、発呼者の携帯電話400、及び被呼者の携帯電話400の動作シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、一実施形態に係るリングバックトーン試聴システム100の利用環境の一例を示す。図2は、リングバックトーン試聴システム100の構成の一例を示す。リングバックトーン試聴システム100は、リングバックトーン用のコンテンツを試聴させるシステムである。ここで、リングバックトーンは、発呼者に回線交換作業が終了し、被呼者を呼び出し中であることを知らせるための音である。また、リングバックトーン用のコンテンツは、リングバックトーン用の音楽等のコンテンツである。
【0015】
リングバックトーン試聴システム100は、MSC(Mobile Switching Center)装置200、及び複数の携帯電話400a、b、c、・・・(以下、携帯電話400と総称する。)と、それぞれ通信回線500を介して通信接続される。
【0016】
発呼者の携帯電話400がリングバックトーンサービスの加入者である被呼者の携帯電話400に発呼する場合、リングバックトーン音声信号処理装置110は、リングバックトーン情報管理装置120に被呼者が事前に設定してあるリングバックトーン情報を検索して発呼者の携帯電話400に対し再生させる。被呼者の携帯電話400がオフフックしたら、リングバックトーンの再生が中止されるため、発呼者が通話後リングバックトーンの再試聴をしたい場合、特定のキーを押し、リングバックトーン音声信号処理装置110に対しリングバックトーンID(identifier)の送信を要求する。リングバックトーン音声信号処理装置110はDTMF(Dual−Tone Multi−Frequency)機能により、キー入力情報を検出解析し、SMS(Short Message Service)送受信装置130にリングバックトーンID及び発呼者番号等の情報を送信する。受信したSMS送受信装置130が発呼者の携帯電話400に対しSMSを送信し、リングバックトーンIDを通知する。
【0017】
発呼者はSMS受信後SMS送受信装置130に対し返信し、リングバックトーンの試聴を要求する。受信したSMS送受信装置130はSMSに含まれているリングバックトーンIDと発呼者番号を抽出、IVR(Interactive Voice Response)装置140に転送する。IVR装置140はリングバックトーンIDよりリングバックトーンの音源ファイルを検索、アウトバウンドコールで発呼者の携帯電話400に発呼してから要求されたリングバックトーンを再生する。発呼者は試聴後IVR装置140のガイダンスに従い、リングバックトーンの購入等他のIVRサービスを受けることができる。
【0018】
図3から図5は、リングバックトーン音声信号処理装置110、リングバックトーン情報管理装置120、SMS送受信装置130、IVR装置140、MSC装置200、HLR装置300、発呼者の携帯電話400、及び被呼者の携帯電話400の動作シーケンスの一例を示す。
【0019】
先ず、発呼者の携帯電話400はMSC装置200に対し発呼を要求する(S101)。そして、MSC装置200はHLR(Home Location Register)装置300にて被呼者がリングバックトーンサービス加入者であるかチェックする(S102)。そして、HLR装置300はMSC装置200に対しチェック結果を応答する(S103)。そして、MSC装置200はHLR装置300から被呼者がリングバックトーン加入者であるという結果を受けると、リングバックトーン音声信号処理装置110に対し発呼者の携帯電話400へのリングバックトーンの再生を要求する(S104)。そして、MSC装置200が被呼者の携帯電話400に着呼通知を行う(S105)。
【0020】
そして、リングバックトーン音声信号処理装置110はリングバックトーン情報管理装置120に対し被呼者が設定してあるリングバックトーン情報の抽出を要求する(S106)。そして、リングバックトーン情報管理装置120はリングバックトーン音声信号処理装置110に対し検索結果を応答する(S107)。そして、リングバックトーン音声信号処理装置110は発呼者の携帯電話400に対し被呼者が設定してあるリングバックトーンを再生する(S108)。
【0021】
そして、発呼者は通話後も当該リングバックトーンを再度試聴したいと思った場合、特定のキー操作でリングバックトーン音声信号処理装置110に対しリングバックトーンIDの送信を要求する(S109)。そして、リングバックトーン音声信号処理装置110はリングバックトーンIDと発呼者番号をSMS送受信装置130に通知し、発呼者の携帯電話400へのSMS通知を要求する(S110)。そして、SMS送受信装置130はリングバックトーンIDをSMSで発呼者の携帯電話400に送信する(S111)。
【0022】
そして、被呼者がオフフックすると(S112)、MSC装置200はリングバックトーン音声信号処理装置110に対しリングバックトーン再生の中止を要求する(S113)。そして、リングバックトーン音声信号処理装置110はリングバックトーン再生を中止する(S114)。そして、発呼者と被呼者との通話が開始される(S115)。
【0023】
そして、被呼者との通話が終了した後(S116)、発呼者は受信したSMSの返信で、SMS送受信装置130に対しリングバックトーン試聴を要求する(S117)。そして、SMS送受信装置130は受信したSMSからリングバックトーンIDと発呼者番号を抽出して、IVR装置140に転送し、発呼者の携帯電話400へのリングバックトーン再生を要求する(S118)。そして、IVR装置140はアウトバウンドコールを発呼者の携帯電話400に対し発呼し、要求されたリングバックトーンを再生する(S119)。そして、発呼者が電話を切ると、試聴が終了する。
【0024】
本発明によれば、発呼者が発呼中に簡単なキー操作を行うことで、再生中のリングバックトーン識別情報を取得でき、途中で中止されたリングバックトーンの再生を通話後にIVR装置140のアウトバウンドコールによってフル試聴することができるようになる。
【0025】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0026】
100 リングバックトーン試聴システム
110 リングバックトーン音声信号処理装置
120 リングバックトーン情報管理装置
130 SMS送受信装置
140 IVR装置
200 MSC装置
300 HLR装置
400 携帯電話
500 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リングバックトーン用のコンテンツを試聴させるリングバックトーン試聴システムであって、
発呼者端末と被呼者端末との通話処理後に、前記発呼者端末に対してアウトバウンドコールを発呼して、前記被呼者端末によって設定されたリングバックトーン用のコンテンツを再生するIVR装置
を備えるリングバックトーン試聴システム。
【請求項2】
再試聴を希望するリングバックトーン用のコンテンツの識別子を、前記発呼者端末からSMS受信した場合に、当該リングバックトーン用のコンテンツの識別子と、前記発呼者端末の電話番号とを、前記IVR装置へ送信するSMS送受信装置
を更に備え、
前記IVR装置は、前記発呼者端末が再試聴する旨を要求しているリングバックトーン用のコンテンツの識別子と、前記発呼者端末の電話番号とを、前記SMS送受信装置から受信すると、前記発呼者端末の電話番号にアウトバウンドコールを発呼して、前記識別子によって識別されるリングバックトーン用のコンテンツを再生する
請求項1に記載のリングバックトーン試聴システム。
【請求項3】
前記SMS送受信装置は、前記発呼者端末から前記被呼者端末への発呼処理中に、当該発呼処理中に再生されているリングバックトーン用のコンテンツの識別子を、前記発呼者端末へSMS送信し、当該リングバックトーン用のコンテンツの識別子を、前記発呼者端末からSMS受信した場合に、当該リングバックトーン用のコンテンツの識別子と、前記発呼者端末の電話番号とを、前記IVR装置へ送信する
請求項2に記載のリングバックトーン試聴システム。
【請求項4】
前記発呼者端末から前記被呼者端末への発呼処理中に、当該発呼処理中に再生されているリングバックトーン用のコンテンツの識別子と、前記発呼者端末の電話番号とを、前記SMS送受信装置へ送信するリングバックトーン音声信号処理装置
を更に備え、
前記SMS送受信装置は、前記リングバックトーン用のコンテンツの識別子と、前記発呼者端末の電話番号とを、前記リングバックトーン音声信号処理装置から受信すると、前記リングバックトーン用のコンテンツの識別子を、前記発呼者端末の電話番号に対してSMS送信する
請求項3に記載のリングバックトーン試聴システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−195814(P2012−195814A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58975(P2011−58975)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】