説明

リング状水力マッサージ器

【課題】腕や脚に対し、四方から水圧を作用させることができ、簡便な使用ができ、製造コストを抑えられ、腕や脚の端々までを十分にマッサージすることができるリング状水力マッサージ器を提供する。
【解決手段】腕や脚11などの被マッサージ体9をリング状本体7の内側へ挿入する。このリング状本体7の内部に内部空間が形成され圧力水が導入される。圧力水は、内部空間と連通してリング状の本体の内周面に複数が形成される噴射口13から噴射される。内部空間への圧力水は、浴槽5内の温水をくみ上げる揚水ポンプ3により供給される。この揚水ポンプ3は吐出量を制御でき、よってシャワーの圧力と流量がコントロールできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動物や人の腕や脚等の身体を被マッサージ体として、圧力水のシャワーによるマッサージおよび洗浄を行なうマッサージ器の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水力による身体等のマッサージあるいは洗浄は、浴室や浴槽内に設けられるいわゆるジャグジーやシャワーによっている。これらは被マッサージ体に対して、実際にはほぼ一方向から水圧を作用させるものである。
また特許文献1には、箱状の装置内に脚を入れ、装置内に設けられた多数のノズルからシャワーが出る装置が提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-333976
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、たとえば浴槽内のジャグジーは、槽内壁の二方あるいは三方に設けられる場合でも、浴槽内の腕や脚等の身体に対して、同時に二方あるいは三方から水圧が作用することは実際には、ない。実際にはほぼ一方向から水圧を作用させるものである。
特許文献1は、同時に二方あるいは三方から水圧が作用することはあっても、箱状の装置は大がかりであり、簡便な使用ができず、製造コストが大きい。また、脚の膝下がマッサージできるだけであり、腕や脚の端々までを十分にマッサージすることができない。
この発明は、以上の問題点を解決するために、四方から水圧を作用させることができ、簡便な使用ができ、製造コストを抑えられ、腕や脚の端々までを十分にマッサージすることができるリング状水力マッサージ器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、第一発明は、被マッサージ体をリング状の内側へ挿入することができるリング状本体と、このリング状本体の内部に形成され圧力水が導入される内部空間と、この内部空間と連通して前記リング状の本体の内周面に複数が形成されることで、前記被マッサージ体へ向かって逆放射状に水のシャワーを噴射する噴射口と、を有することを特徴とするリング状水力マッサージ器である。
【0006】
第二発明は、さらに、前記内部空間へは、浴槽内の温水をくみ上げ前記圧力水として吐出する揚水ポンプが接続され、この揚水ポンプは吐出量を制御して前記シャワーの圧力と流量がコントロールできる制御手段を有することを特徴とするリング状水力マッサージ器である。
【発明の効果】
【0007】
第一、又は第二発明によれば、リング状本体の内側へ挿入した被マッサージ体に対して、複数の噴射口から逆放射状にシャワーを噴射し、四方から水圧を作用させることができる。しかも噴射しながら、被マッサージ体の長手方向へ移動させれば、マッサージ効果及び洗浄効果を大きくできる。また、圧力水を導入すればよく、簡便な使用ができる。さらに、製造コストを抑えられる。また、リング状水力マッサージ器を腕や脚の長手方向へ移動させれば、端々までを十分にマッサージすることができる。さらに、リング状本体を被マッサージ体に対して傾ける動きをすることができ、よって、四方からのシャワーの向きを、変化でき、いわば三次元的なマッサージを行える。
【0008】
第二発明によれば、さらに、浴槽内の温水を利用でき、運転コストを抑えることができる。また、揚水ポンプの吐出量を制御してシャワーの圧力と流量がコントロールでき、最適のマッサージができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の一実施形態を示す使用状態の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施形態を、図1に示す。
この実施形態にかかるリング状水力マッサージ器1は、揚水ポンプ3を備え、浴槽5中で使用する。
すなわち、リング状水力マッサージ器1は、リング状本体7を有し、そのリング状の大きさは、被マッサージ体9である人の脚11や腕をリング状の内側へ挿入することができる大きさである。リング状本体7は、プラスチック製で、内部にリング状の内部空間が形成され、圧力水が導入される。
【0011】
リング状本体7の内周面には複数の噴射口13が等間隔に形成される。各噴射口13は、円形ノズルであり、内部空間と連通しており、噴射口13の向きはリング状の中心に向かう。これにより、各噴射口13は、被マッサージ体9へ向かって逆放射状に水のシャワーを噴射することができる。
【0012】
リング状本体7には、揚水ポンプ3が接続され、浴槽5の温水14が圧力水として供給される。すなわち、揚水ポンプ3は、浴槽5の内部に据え置かれ、底部側面の揚水口15から浴槽5の温水14を揚水する。揚水された温水14は、圧力水となって、フレキシブルチューブ17を介してリング状本体7の内部空間へ供給される。
【0013】
揚水ポンプ3は、家庭用電源コンセントから防水電源コード19を経て電源を供給され、スイッチ21によりオンオフされる。また、このスイッチ21を押す回数により、内部の制御手段が働いて、吐出量を制御される。これにより、シャワーの圧力と流量がコントロールできる。
[実施形態の作用効果]
以上の実施形態によれば、リング状本体7の内側へ挿入した被マッサージ体9である脚11や腕に対して、複数の噴射口13から、逆放射状にシャワーを噴射し、四方から水圧を作用させることができる。
【0014】
しかも噴射しながら、リング状本体7を手に持って、被マッサージ体9の長手方向へ移動させれば、マッサージ効果及び洗浄効果を大きくできる。
また、揚水ポンプ3を接続して、浴槽5の温水14を利用した圧力水を導入すればよく、簡便な使用ができる。
さらに、リング状本体7はプラスチック製で、揚水ポンプ3も市販のものを使用でき、製造コストを抑えられる。
また、リング状水力マッサージ器1を腕や脚11の長手方向へ移動させれば、腕や脚11の端々までを余すことなく十分にマッサージすることができる。
さらに、リング状本体7と被マッサージ体9の間には隙間があるので、その隙間の分だけ、リング状本体7を被マッサージ体9に対して傾ける動きをすることができる。この傾ける動きにより、四方からのシャワーの向きを、さらに変化させることができ、いわば三次元的なマッサージを行える。
【0015】
さらに、浴槽5内の温水14を利用でき、加熱のための電力を必要とせず、運転コストを抑えることができる。
また、スイッチ21により揚水ポンプ3の吐出量を制御してシャワーの圧力と流量がコントロールでき、最適のマッサージができる。
【符号の説明】
【0016】
1…リング状水力マッサージ器、3…揚水ポンプ、5…浴槽、7…リング状本体、9…被マッサージ体、11…脚、13…噴射口、15…揚水口、17…フレキシブルチューブ、19…防水電源コード、21…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被マッサージ体をリング状の内側へ挿入することができるリング状本体と、このリング状本体の内部に形成され圧力水が導入される内部空間と、この内部空間と連通して前記リング状の本体の内周面に複数が形成されることで、前記被マッサージ体へ向かって逆放射状に水のシャワーを噴射する噴射口と、を有することを特徴とするリング状水力マッサージ器。
【請求項2】
前記内部空間へは、浴槽内の温水をくみ上げ前記圧力水として吐出する揚水ポンプが接続され、この揚水ポンプは吐出量を制御して前記シャワーの圧力と流量がコントロールできる制御手段を有することを特徴とする請求項1記載のリング状水力マッサージ器。


【図1】
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【公開番号】特開2011−130861(P2011−130861A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291581(P2009−291581)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(509353920)
【Fターム(参考)】