説明

リング状食品成形装置及びその成形方法

【課題】内包材を外皮材で被覆したリング状食品を成形するリング状食品成形装置及びその成形方法において、前記リング状食品から前記内包材が露出することなく前記外皮材で確実に封着することのできる成形装置及びその成形方法を提供する。
【解決手段】カットスリーブの外側に外皮材で内包材を被覆したリング状食品を分割するリング状食品成形装置1において、前記カットスリーブの外側に前記カットスリーブに対し上下動自在に嵌合する封着部材を備えると共に前記封着部材の下面を底部材の上面に当接可能に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーナツなどのリング状食品の成形装置及びその成形方法に係り、さらに詳しくは、クリームなどの内包材をケーキ生地などの外皮材で被覆したリング状食品を成形することのできる食品成形装置及びその成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内包材を外皮材で被覆したリング状食品を成形する成形装置として、下端末にノズル開口を有し、外皮材が通過する外側の室を形成するノズル体(外管部材)と、前記ノズル体の外側にノズル体に対して上下動可能に嵌合されたカッタスリーブと、前記ノズル体の内部に内包材を間欠的に押し出す環状の内包材押出機構を備えた装置がある。
【0003】
さらに、前記ノズル体の下端末の下方に前記ノズル体及び前記カッタスリーブに対し上下動可能なカッタディスク(底部材)を備え、前記カッタディスクを前記ノズル開口から離れた状態に維持することにより前記外皮材の押出口を形成する一方、前記カッタディスクを前記カッタスリーブに嵌合する位置関係をとり前記外皮材押出口を閉口することにより前記外皮材をリング状に成形分割する。
【0004】
そして、前記外皮材押出口から外皮材を押し出す際に、前記内包材押出機構の内包材押出口を開閉することにより、前記内包材を外皮材で被覆した内包材入りリング状食品を成形することができる(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、別の成形装置として、外皮材が通過する流路を形成する生地導出管(外管部材)と、前記生地導出管の中心に内包材が通過する流路を形成するフィリング導出管と、前記フィリング導出管の中心部に固着された主軸と、前記主軸の下端部にばねよって弾圧されて嵌挿される切刃円筒(底部材)と、前記生地導出管の外側に生地導出管に対して上下動可能に嵌合されたカッタスリーブとを備えた装置がある。
【0006】
前記切刃円筒は前記フィリング導出管の下端に外側に向かって円錐状に形成された切刃鍔の裏面に当接し、前記切刃鍔は前記生地導出管の下端と所定間隔を保って外皮材押出口を形成する。
【0007】
そして、外皮材を前記外皮材押出口からスカート状に押し出し、該外皮材の先端部を前記切刃円筒に附着させ、さらに、前記外皮材の押し出しと共に所定量の前記内包材を前記フィリング導出管の切刃鍔と前記切刃円筒の間で形成される内包材押出口から押し出した後に前記カッタスリーブを下降して前記外皮材押出口を閉じ、そのまま下降して前記切刃円筒より前記内包材を外皮材で被覆した内包材入りリング状食品を成形することができる(例えば、特許文献2)。
【0008】
しかしながら、前記特許文献に開示された成形装置では、前記内包材押出口を閉じることにより外皮材の内部への内包材の押し出しを停止させるよう動作させるが、押し出された前記内包材が前記内包材押出口から分離されず、前記内包材が前記外皮材の内部で薄い膜状に介在する場合があり、前記カッタスリーブにより切断成形されたリング状食品において外皮材の表面に内包材が露出してしまうという問題がある。そして、成形されたリング状食品として、例えばドーナツを油調すると前記露出部分において前記外皮材が口を開けたように割れてしまい前記内包材が流出して調理食品の品質を低下させるという問題がある。
【特許文献1】特開昭51−136880号公報
【特許文献2】特公昭47−27953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、内包材を外皮材で被覆したリング状食品を成形するリング状食品成形装置及びその成形方法において、前記リング状食品から前記内包材が露出することなく前記外皮材で確実に封着することのできる成形装置及びその成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、内包材供給部に連通され内包材が流下する外管部材と、前記外管部材の内側に配置され外皮材供給部に連通され外皮材が流下する内管部材と、前記外管部材の下端と所要の間隔を開けて下方に配置される前記内管部材の下端部のフランジと、前記内管部材のフランジの下端と所要の間隔を開けて下方に配置される底部材と、前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合するカットスリーブと、前記カットスリーブの外側に前記カットスリーブに対し上下動自在に嵌合する封着部材とを備え、前記カットスリーブは、前記外管部材の下端と前記内管部材のフランジとの間で形成される内包材押出口を開閉すると共に、前記封着部材は、前記内
管部材のフランジと前記底部材との間で形成される外皮材押出口を開閉し、さらに、前記封着部材の下端が前記底部材の上面に当接可能に備えられていることを特徴とするリング状食品成形装置である。
【0011】
また、内包材供給部に連通され内包材が流下する外管部材と、前記外管部材の内側に配置され外皮材供給部に連通され外皮材が流下する内管部材と、前記外管部材の下端と所要の間隔を開けて下方に配置される前記内管部材の下端部のフランジと、前記内管部材のフランジの下端と所要の間隔を開けて下方に配置される底部材と、前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合するカットスリーブと、前記カットスリーブの外側に前記カットスリーブに対し上下動自在に嵌合する封着部材とを備え、前記カットスリーブは、前記外管部材の下端と前記内管部材のフランジとの間で形成される内包材押出口と、その下方に配置される前記内管部材のフランジと前記底部材との間で形成される外皮材押出口とを開閉し、前記封着部材は、前記封着部材の下端が前記底部材の上面に当接可能に備えられていることを特徴とするリング状食品成形装置である。
【0012】
また、上記リング状食品成形装置において、内側から外側に向かって上方に傾斜する斜面に形成された前記内管部材のフランジの下面と、内側から外側に向かって上方に傾斜する斜面が形成された前記底部材の上面の環状の溝とを対向するように上下に配置したことを特徴とする該装置である。
【0013】
また、上記リング状食品成形装置において、前記内管部材のフランジの上面が内側から外側に向かって下方に傾斜する斜面に形成されたことを特徴とする該装置である。
【0014】
また、請求項1乃至4のいずれかに記載のリング状食品成形装置において、前記封着部材及び前記底部材の外側に上下動自在に嵌合する剥離補助リングを備えたことを特徴とする該装置である。
【0015】
また、外管部材と、前記外管部材の下端と所要の間隔を開けてその下方に配置された底部材との間に内包材が押し出される内包材押出口と外皮材押出口とを備え、前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合させたカットスリーブを前記底部材に嵌合するよう備えることにより前記カットスリーブの外側に前記外皮材で前記内包材を被覆したリング状食品を分割するリング状食品成形装置において、前記カットスリーブの外側に前記カットスリーブに対し上下動自在に嵌合する封着部材を備えると共に前記封着部材の下面が前記底部材の上面に当接可能に備えたことを特徴とする該装置である。
【0016】
また、外管部材の下端と前記外管部材の内側に配置された内管部材の下端部のフランジとの間に所要の間隔を開けて形成された内包材押出口を前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合するカットスリーブで閉口した状態で、筒部材の下端部のフランジとその下方に所要の間隔を開けて配置された底部材との間で形成される外皮材押出口から外皮材を押し出し、前記外皮材を前記カットスリーブの下端部の外周に附着させ、前記外皮材の押し出しを行いながら前記カットスリーブを上昇させて前記内包材押出口を開口し、前記内包材押出口から前記外皮材の内部に所要量の前記内包材を押し出し、その後、前記カットスリーブを下降させて前記内包材押出口を閉口して前記内包材の押し出しを停止すると共に前記内包材を切断し、そして、前記カットスリーブの外側に上下動自在に嵌合された封着部材を下降させ前記外皮材押出口を閉口して前記外皮材の押し出しを停止すると共に前記外皮材を切断して前記外皮材で前記内包材を被覆したリング状食品を切断し、前記封着部材の下端を前記底部材の上面に当接するよう下降させることにより前記カットスリーブに附着した前記外皮材と切断された前記外皮材とを前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することを特徴とするリング状食品成形方法である。
【0017】
また、外管部材の下端と前記外管部材の内側に配置された内管部材の下端部のフランジとの間に所要の間隔を開けて形成された内包材押出口を前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合するカットスリーブで閉口した状態で、筒部材の下端部のフランジとその下方に所要の間隔を開けて配置された底部材との間で形成される外皮材押出口から外皮材を押し出し、前記外皮材を前記カットスリーブの下端部の外周に附着させ、前記外皮材の押し出しを行いながら前記カットスリーブを上昇させて前記内包材押出口を開口し、前記内包材押出口から前記外皮材の内部に所要量の前記内包材を押し出し、その後、前記カットスリーブを下降させて前記内包材押出口を閉口して前記内包材の押し出しを停止すると共に前記内包材を切断し、さらに、前記カットスリーブを下降させて前記外皮材押出口を閉口して前記外皮材の押し出しを停止すると共に前記外皮材を切断して前記外皮材で前記内包材を被覆したリング状食品を切断し、前記カットスリーブの外側に上下動自在に嵌合された封着部材を下降させ前記封着部材の下端を前記底部材の上面に当接するよう下降させることにより前記カットスリーブに附着した前記外皮材と切断された前記外皮材とを前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することを特徴とするリング状食品成形方法である。
【0018】
また、外管部材の外側に上下動自在に嵌合されたカットスリーブを下降させて前記外管部材の下端と所要の間隔を開けて配置された底部材に嵌合させることにより外皮材で内包材を被覆したリング状の食品を成形する方法において、前記カットスリーブの外側に上下動自在に嵌合された封着部材の下端を前記底部材の上面に当接するよう下降させることにより前記リング状食品における前記カットスリーブにより切断された部分周辺の前記外皮材を前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することを特徴とするリング状食品成形方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、外皮材で内包材を被覆したリング状の食品を成形分割するカットスリーブの外側に上下動自在に嵌合された封着部材の下端を底部材の上面に当接するよう下降させることにより前記リング状食品における前記カットスリーブにより切断された部分周辺の前記外皮材を前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することができる。
【0020】
また、外皮材押出口から押し出された外皮材の先端部分をカットスリーブの下端部の外周に附着させ、前記外皮材の押し出しを行いながら内包材押出口から前記外皮材の内部に所要量の前記内包材を押し出し、その後、前記カットスリーブを下降させて前記内包材押出口を閉口して前記内包材の押し出しを停止すると共に前記内包材を切断し、そして、前記カットスリーブ、又は、前記カットスリーブの外側に上下動自在に嵌合された封着部材を下降させ前記外皮材押出口を閉口して前記外皮材の押し出しを停止すると共に前記外皮材を切断して前記外皮材で前記内包材を被覆したリング状食品を切断し、前記封着部材の下端を前記底部材の上面に当接するよう下降させることにより前記カットスリーブに附着した前記外皮材の先端部分と切断された前記外皮材の後端部分とを前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することができる。
【0021】
また、前記外皮材押出口を形成する内管部材の下端とその下方に所要の間隔を開けて配置された前記底部材において、内側から外側に向かって上方に傾斜する斜面に形成された前記内管部材のフランジの下面と、内側から外側に向かって上方に傾斜する斜面が形成された前記底部材の上面の環状の溝とを対向するように上下に配置することにより、前記外皮材押出口から押し出される前記外皮材を上方に向って押し出すことができ、押し出される前記外皮材の先端部分を前記外皮材押出口の上方に位置する前記カットスリーブの下端部の外周に導き、前記先端部分が前記カットスリーブの下端部の外周に附着することが促進できる。
【0022】
また、前記内管部材のフランジの上面が内側から外側に向かって下方に傾斜する斜面に形成されているので、前記内包材は、前記フランジ部材の上面に案内され前記内包材押出口から斜め下方に向かって押し出され、連続して押し出される前記外皮材に沿うように袋状の前記外皮材の内部に流入する。したがって、前記カットスリーブの外周における前記外皮材の先端部分の附着部分に対し前記内包材の流れが指向することが低減されので、前記先端部分が前記カットスリーブの外周から剥がれることが抑制され、前記内包材が前記外皮材から漏出されることなく前記内包材の押し出しを行うことができる。
【0023】
また、前記封着部材及び前記底部材の外側に上下動自在に嵌合する剥離補助リングを備えているので、前記リング状食品Pを前記封着部材及び前記底部材を備えた重合ノズル部から強制的に、かつ、定期的に離すことができ、生産性を向上させると共に安定した生産ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の第1の実施の形態に係るリング状食品成形装置1について図面を用いて説明する。図1は、リング状食品成形装置1を概略的に示した正面説明図である。図2は、リング状食品成形装置1の主要部を概略的に示した縦断面による正面説明図である。図3は、リング状食品成形装置1の主要部を概略的に示した縦断面による側面説明図である。図4は、リング状食品成形装置1の主要部を概略的に示した側面説明図である。図5乃至図11は、リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【0025】
リング状食品成形装置1には、基台6の上部に内包材7を収容し重合ノズル部3に内包材7を供給する内包材供給部13と、外皮材9を収容し前記重合ノズル部3に外皮材9を供給する外皮材供給部15が備えられている。前記内包材供給部13及び前記外皮材供給部15は、図1において左右対称に備えられている。前記内包材供給部13及び前記外皮材供給部15は、ホッパー内に水平軸のスクリューを備え、前記リング状食品成形装置1の前面側(図1において手前側、図3において左側)に、前記ホッパーに連通されたベーンポンプ機構を備えている。前記重合ノズル部3は、前記内包材7を外皮材9で被覆したリング状食品Pを成形するものであり、重合導入部11とリング成形部12とが備えられている。前記重合ノズル部3は、前記リング状食品成形装置1の前面側に前記基台6に対して着脱自在に固定されている。また、前記重合ノズル部3の下方には、前記リング状食品Pを次工程に搬送する搬送装置5が備えられている。
【0026】
前記重合導入部11には、前記内包材供給部13と連通する外筒部21と、前記外皮材供給部15に連通し、外筒部21の内側に同心状に配置された内筒部19とが備えられており、前記外筒部21と前記内筒部19によって前記内包材19が流下する環状通路17が形成されている。そして、前記環状通路17の中間位置には、前記内包材7を流動化して流下しやすくするための回転撹拌部材23が回転自在に備えられている。前記外筒部21の下部には、漏斗状の外連結部材25が前記外筒部21においてナット部材などによる固定手段により着脱交換可能に備えられている。また、前記内筒部19の下部には、前記外連結部材25の内側に同心状に配置された内連結部材27が前記内筒部19においてねじ機構などにより着脱交換可能に備えられている。
【0027】
前記リング成形部12には、前記外筒部21の外連結部材25にねじなどの連結機構により着脱交換可能に連結され前記内包材7が流下する外管部材29と、前記内筒部19の内連結部材27にねじなどの連結機構により着脱交換可能に連結され前記外皮材9が流下する内管部材31とが同心状に備えられている。さらに、前記内管部材31の下端部には、フランジ部材35がねじなどの連結機構により着脱交換可能に備えられている。前記フランジ部材35は、前記外管部材29の下端と所要の間隔を開けて配置されており、
前記内包材7が押し出される内包材押出口33が形成されている。前記フランジ部材35の上面35Aは、内側から外側に向かって下方に傾斜する斜面に形成されている。一方、前記フランジ部材35の下面35Bは、内側から外側に向かって上方に傾斜する斜面に形成されている。そして、上面35A及び下面35Bの間には周壁部35Cが形成されている(図7参照)。また、前記内管部材31の下方には、前記フランジ部材35の下端と所要の間隔を開けて底部材37が備えられており、前記外皮材9が押し出される外皮材押出口39が形成されている。なお、前記フランジ部材35は、前記内管部材31と一体的に形成されてもよく、ここでは、どちらも前記内管部材31のフランジとする。
【0028】
前記底部材37は、前記重合導入部11の上部に固定された中心軸41の下端に着脱交換可能に取り付けられている。前記底部材37は、前記中心軸41と同心状に配置されると共に、前記中心軸41は、前記内管部材31の内側に同心状に配置されている。前記底部材37には、その中心側にボス部43と、前記ボス部43の外側に一段低い段差を設けて形成されたフランジ部45が備えられている。前記ボス部43の上面には、前記底部材37の外輪側に向かって上方向に傾斜する斜面47を備えた環状溝49が前記フランジ部材35の下面35Bと対向して形成されている(図5参照)。
【0029】
また、前記外管部材29の外側には、前記内包材押出口33を開閉するカットスリーブ51が前記外管部材29に対し上下動自在に嵌合されている。前記カットスリーブ51において、その上部には後述する上下動機構部53と着脱自在に連結される連結スリット部51Sが備えられ、その下部には前記内包材7を切断するカット刃51Cが形成されている。また、前記内管部材31のフランジ部材35は、前記カットスリーブ51が上下動自在に嵌合するよう形成されている。したがって、前記カットスリーブ51がその上昇停止位置から下降して前記内管部材31のフランジ部材35に嵌合することにより前記内包材押出口33が閉口されて前記内包材7の押し出しが停止される。
【0030】
前記カットスリーブ51の上下動機構部53は、前記重合ノズル部3を支持する前記基台6に取り付けられている。板状のベース部材55が前記基台6から水平方向に取り付けられ、前記ベース部材55の下面にアクチュエータとしての流体圧シリンダ57がその作動杆としてのロッド57Rが上下方向に往復動するよう下向きに垂設される。そして、前記ロッド57Rの下端には、第1連結部材59の一端側(図2において右端側)が取り付けられている。また、前記第1連結部材59の他端側(図2において左側)にはU字状の凹部59Uが形成されており、前記凹部59Uが前記カットスリーブ51の外周から溝状に設けられた連結スリット部51Sに着脱自在に係合されている。したがって、前記流体圧シリンダ57を作動させて前記ロッド57Rを上下動させることにより前記第1連結部材59を介して前記カットスリーブ51が従動される。
【0031】
さらに、前記カットスリーブ51の外側には、封着部材61が前記カットスリーブ51とは別に上下動自在に嵌合されている。前記封着部材61には、その上部にフランジ部61Fと、下部に管状部61Pが備えられている。前記封着部61は、前記基台6の内部に備えられた上下動機構部63により上下動される。前記上下動機構部63は、例えば直動型のロッドレスシリンダや、サーボモータなどの回転制御可能なモータに連動連結された公知の往復動機構でよい。そして、前記上下動機構部63に連結された上下動ベース部材65が前記基台6の外側へ突出するよう、前記重合ノズル部3が取り付けられた前記リング状食品成形装置1の前面側に備えられている。前記封着部材61は、前記フランジ部61Fにおいて前記上下動ベース部材65に着脱可能に取り付けられた第2連結部材67に連結されている。したがって、前記上下動機構部63を作動させて前記上下動ベース部材65及び前記第2連結部材67を上下動させることにより前記封着部材61が従動される。
【0032】
また、前記封着部材61の管状部61Pは、前記カットスリーブ51の外側に嵌合すると共に、前記底部材37のボス部43の外側に嵌合可能に備えられている。さらに、前記封着部材61は、前記管状部61Pの下端面が前記底部材37のフランジ部45の上面に当接する位置まで下降可能に備えられている。したがって、前記封着部材61がその上昇端位置から下降して前記底部材37に嵌合することにより前記外皮材押出口39が閉口されて前記外皮材9の押し出しが停止され、さらに、前記封着部材61が前記底部材37に当接することによりリング状食品Pが成形される。
【0033】
さらに、前記封着部材61の管状部61Pの外側には、剥離補助リング69が前記管状部61Pに対し上下動自在に嵌合されている。前記剥離補助リング69は、前記リング状食品Pを前記リング成形部12から離すためのものであり、前記剥離補助リング69の下面には、前記リング状食品Pの粘着を抑制するための環状で凹状の溝69Gが同心状に複数設けられている。
【0034】
前記剥離補助リング69は、前記封着部材61の上下動機構部63に備えられた第2連結部材67に取り付けられた上下動機構部71により上下動される。前記上下動機構部71は、前記第2連結部材67の上面にアクチュエータとしての流体圧シリンダ73がその作動杆としてのロッド73Rを上下方向に往復動するよう下向きに垂設される。そして、前記ロッド73Rの下端には、第3連結部材75の一端側(図3において右端側)が取り付けられている。また、前記第3連結部材75の他端側(図3において左側)にはU字状の凹部75Uが形成されており、前記凹部75Uが前記剥離補助リング69の外周から溝状に設けられた連結スリット部69Sに着脱自在に係合されている。したがって、前記流体圧シリンダ73を作動させて前記ロッド73Rを上下動させることにより前記第3連結部材59を介して前記剥離補助リング69が従動される。前記剥離補助リング69は、前記封着部材61と一体的に上下動し、さらに、前記封着部材61に対し上下動可能に設けられている。
【0035】
前記重合ノズル部3の下方には、成形された前記リング状食品Pを受け取り、次工程に搬送する搬送装置5が備えられている。前記搬送装置5は、ベルトコンベアであり、複数のローラーに掛回された無端状のコンベアベルト77を備え、前記リング状食品Pを所定の距離ずつ搬送するよう駆動と停止を繰り返して間欠的に搬送駆動するものである。また、前記コンベアベルト77の内側で前記重合ノズル部3のリング成形部12の下方位置、つまり、前記リング状食品Pの受取位置には、前記コンベアベルト77の受取面を上下動させる昇降台81が設けられている。前記昇降台81は、前記リング状食品Pが前記リング成形部12から離され落下する動作と、前記コンベアベルト77の受取面を前記リング成形部12に接近させた上昇位置から下降する下降動作の途中で前記受取面に前記リング状食品Pが載置するよう前記下降動作を合わせて作動されるものであり、前記リング状食品Pが落下の衝撃などにより変形することを抑制できる。そして、前記受取面に前記リング状食品Pが載置された後、前記コンベアベルト77が駆動されて前記リング状食品Pが所要の距離、下流側へ搬送される。
【0036】
次に、リング状食品Pを成形する工程について図5乃至図11に基づき説明する。なお、図5乃至図11では、前記重合ノズル部3のリング成形部11を概略的に示している。ここでは、前記内包材供給部13及び前記外皮材供給部15を連続的に駆動し、前記内包材7及び前記外皮材9を前記重合ノズル部3に連続的に供給するものとして説明する。また、図5に示されたように前記内包材押出口33及び前記外皮材押出口39を閉口した状態を初期状態として説明する。前記内包材7は、前記重合導入部11の環状通路17を流下し、前記回転撹拌部材23により撹拌され、前記リング成形部12において前記外管部材29と前記内間部材31との間に流入している。そして、下降停止位置で停止された前記カットスリーブ51により前記内包材押出口33は閉じられ、前記内包材7はその押し出しが停止されている。
【0037】
また、前記外皮材9は、前記重合導入部11の内筒部19内を流下して前記リング成形部12の内管部材31内に流入している。そして、下降停止位置で停止された前記封着部材61により前記外皮材押出口39は閉じられ、前記外皮材9はその押し出しが停止されている。
【0038】
次に、図6に示すように、初期状態から前記封止部材61及び剥離補助リング69がそれらの上昇停止位置に向かって一体的に上昇すると、前記外皮材押出口39が開口し前記外皮材9が押し出される。前記外皮材39は前記外皮材供給部15より連続して供給されているため、前記外皮材押出口39が閉ざされていた際に前記重合ノズル部3内での圧力が高まっており、前記外皮材押出口39が開かれた際に前記外皮材押出口39から前記外皮材9が押し出される。前記外皮材9は、内側から外側に向かって上方に傾斜する前記フランジ部材35の下面35Bと前記底部材37の環状溝49に形成された内側から外側に向かって上方に傾斜する前記斜面47に案内され前記外皮材押出口39から斜め上方に向かって外側に押し出される。そして、押し出された前記外皮材9の先端部分9Aが前記外皮材押出口39の上方に露出した前記カットスリーブ51の下部の外周に附着し、さらに、前記外皮材9の押し出しが続けられる。
【0039】
そして、図7に示すように、前記カットスリーブ51が下降停止位置から上昇して前記内包材押出口33が開口されて内包材が押し出される。また、前記カットスリーブ51が上昇するのに伴って、押し出された前記外皮材9の先頭部分9Aもカットスリーブに付着したまま上昇し、前記外皮材9が前記内包材押出口33を覆うように環状に変形される。そして、前記外皮材押出口39から連続して押し出される前記外皮材9は、内包材の押し出しと相俟って環状でその内側が開口した袋状に形成される。また、前記外皮材9の押し出しと共に、前記内包材47は、内側から外側に向かって下方に傾斜する前記フランジ部材35の上面35Aに案内され前記内包材押出口33から斜め下方に向かって袋状の前記外皮材9の内部に押し出され流入する。前記内包材47は、連続して押し出される前記外皮材9に沿うように押し出されるので、前記カットスリーブ51の外周への前記外皮材9の先端部分9Aの附着部分に対し前記内包材7の流れが指向することが低減される。したがって、前記内包材7が前記外皮材9に押し出される際に、前記先端部分9Aが前記カットスリーブ51の外周から剥がれることが抑制され、前記内包材7が前記外皮材9から漏出されることなく前記内包材7の押し出しを行うことができる。
【0040】
そして、前記内包材7が所要量押し出された後、図8に示すように、前記カットスリーブ51がその下降停止位置まで下降され前記内包材押出口33が閉口される。このとき、前記カッタスリーブ51の下端部に形成されたカッタ刃51Cは、前記内包材7を環状に切断する。なお、前記カットスリーブ51は前記フランジ部材35の外周に嵌合する態様であるので、前記内包材押出口33から前記内包材7が漏出することを抑制することができる。また、前記カットスリーブ51の下降に伴って押し出された前記外皮材9の先頭部分は、前記外皮材押出口39に接近するように下方へ変形され、袋状の前記外皮材9の内部に押し出され切断された環状の前記内包材7の内側の一部を覆う態様となり、袋状の前記外皮材9の内側の開口が狭くなる。
【0041】
さらに、図9及び図10に示すように、前記封着部材61及び前記剥離補助リング69が下降停止位置まで一体的に下降する。図9に示されたように、前記封着部材61は、前記カットスリーブ51の外周を摺動しながら下降し、前記底部材37のボス部43に嵌合される。そして、前記外皮材押出口39が閉口され、前記
外皮材9の押し出しが停止されと共に、押し出された前記外皮材9が前記リング成形部12内の外皮材9から切断分離される。前記封着部材61の下降動作により、前記封着部材61の下端面が前記カットスリーブ51の外周に附着した前記先端部分9Aを袋状の前記外皮材9の内部に覆われた前記内包材7と共に押圧して押し下げ、前記先端部分9Aを前記外皮材押出口39から押し出される前記外皮材9に接近、あるいは接合させる。このとき、切断された前記外皮材9の後端部分9Bが前記先端部分9Aの下方に対峙する態様となっている。
【0042】
さらに、図10に示すように、前記封着部材61が前記底部材37に当接するまで下降して下降動作が停止され、前記リング成形部12の封着部材61及び前記底部材37の外側に、前記外皮材9で前記内包材7を被覆したリング状食品Pが成形される。この工程において、上下に対峙した前記先端部分9Aと前記後端部分9Bが下降する前記封着部材61の下端部と前記底部材37のフランジ部45の上面との間で押圧される。そして、前記内包材7を前記外皮材9から漏出することがないよう前記先端部分9Aと前記後端部分9Bとが封着される。
【0043】
その後、図11に示すように、前記剥離補助リング69が前記封着部材61の管状部61Pの外周に摺動しながら下降し、前記リング状食品Pを前記重合ノズル部3から分離する。詳述すると、成形された直後の前記リング状食品Pは、前記リング成形部12の封着部材61及び前記底部材37の外側に粘着しているので、その自重により前記重合ノズル部3から落下するには時間を要することとなる。そこで、前記剥離補助リング69により前記リング状食品Pを前記重合ノズル部3から強制的に、かつ、定期的に離し、生産性を向上させている。また、前記剥離補助リング69の下面、つまり、前記リング状食品Pとの接触面には同心状で複数の凹状の溝69が設けられているので、前記剥離補助リング69が前記リング状食品Pに粘着することが抑制され、安定した連続生産ができる。
【0044】
そして、前記リング状食品Pは、前記搬送装置5の受取面に落下載置される。この際、前記受取面は、前記リング状食品Pの落下動作にあわせて下降しながら前記リング状食品Pを受け取る態様となり、前記リング状食品Pは、落下による前記受取面との衝撃などにより変形することが抑制される。前記受取面に前記リング状食品Pが載置された後、前記コンベアベルト77が駆動されて前記リング状食品Pが所定の距離ずつ間欠的に下流側へ搬送される。
【0045】
なお、上記底部材37には、前記フランジ部45が前記ボス部43に対し段差を設けて形成され、前記フランジ部45の上面に前記封着部材61の下面を当接するよう備えていたが、前記フランジ部45を前記ボス部43の上面と同高さで形成してもよい。つまり、前記段差を設けず、全体として円盤状に設けてもよい。この場合、前記外皮材9の切断は、前記封着部材61の下面と前記底部材37の上面が当接する際に完了することとなる。このような場合であっても、前記外皮材9の先頭部分9Aとその下方に位置する前記外皮材押出口39から押し出された前記外皮材9とを前記封着部材61及び底部材37で押圧して封着することができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態に基づくリング状食品成形装置1について説明する。なお、第1の実施の形態と同様な機能を奏する構成要素には同一符号を付するとして重複した説明は省略する。図12及び図13は、リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図であり、前述した図9に示した工程に相当するものである。本発明の第2の実施の形態に基づくリング状食品成形装置1は、図12に示すように、カットスリーブ51の下降停止位置が前記外皮材押出口39を閉口できる位置まで下降可能に備えられている。また、前記カットスリーブ51が、前記底部材37のボス部43に嵌合可能に備えられている。
【0047】
前記リング状食品成形装置1によるリング状食品Pを成形する工程について説明する。前記カットスリーブ51は、図8で示した工程と同様に、その上昇停止位置から下降し始め、前記内包材押出口33を閉口して前記内包材7の押し出しを停止すると共に前記内包材7を前記外皮材の内部に環状に切断する。さらに、図12に示すように、前記カットスリーブ51は下降を続け前記外皮材押出口39を閉口して前記外皮材9を切断する。そして、前記底部材37のボス部43に嵌合してその下降を停止する。このとき、前記カットスリーブ51の外周に附着した前記外皮材9の先端部分9Aは、その下方に対峙する後端部分9Bに接近、または、接合されリング状に成形される。
【0048】
そして、図13に示すように、前記封着部材61が前記カットスリーブ51の外周に摺動しながら前記底部材37に当接するまで下降して下降動作が停止される。この工程において、上下に対峙した前記先端部分9Aと前記後端部分9Bが下降する前記封着部材61の下端部と前記底部材37のフランジ部45の上面との間で押圧される。そして、前記内包材7を前記外皮材9から漏出することがないよう前記先端部分9Aと前記後端部分9Bとが封着される。そして、図11に示すと同様に、前記剥離補助リング69が下降して、前記リング状食品9を前記重合ノズル部3から離し落下させる。このように、カッタスリーブの上下動により外皮材で内包材を被覆したリング状食品を成形する成形装置、例えば、特許文献1及び特許文献2に示された成形装置において、前記カッタスリーブの外側に、該カッタスリーブとは別に上下動可能な封着部材を備え、さらに、カッタスリーブと嵌合してリング状食品を分割成形する底部材に、前記封着部材の下面に当接するフランジ部を備えることにより、リング状食品の切断部位を内包材が漏出することなく封着することができる。
【0049】
本発明の実施の形態に係るリング状食品成形装置1は概ね上述の通りであるが、これに限定されることなく特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、特許文献1や特許文献2の従来の装置のように、外管部材と、前記外管部材の下端と所要の間隔を開けてその下方に配置された底部材との間に内包材が押し出される内包材押出口と外皮材押出口とを備え、前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合させたカットスリーブを前記底部材に嵌合するよう備えることにより前記カットスリーブの外側に前記外皮材で前記内包材を被覆したリング状食品を分割するリング状食品成形装置においても、前記カットスリーブの外側に前記カットスリーブに対し上下動自在に嵌合する封着部材を備えると共に前記封着部材の下面が前記底部材の上面に当接可能に備えることにより、前記リング状食品における前記カットスリーブにより切断された部分周辺の前記外皮材を前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することが可能である。
【0050】
また、前記リング状食品Pは、円環状の形状が一般的であるが、ここでいうリング状とは、円ばかりではなく、例えば、四角形などの多角形状のものや、四葉状などその外形部分に凹凸があるような形状でもよく、所望の形状に合わせて各部材の形状を変更することができる。また、上述した説明では、リング状食品Pを搬送する手段としてベルトコンベアを示したが、X−Yテーブルのように長手方向及び幅方向に所定の間隔で間欠的に移動する搬送装置に型天板などを載置し、前記型内に前記リング状食品Pを落下移載させて焼成工程に搬送してもよい。また、前記重合ノズル部3を油槽の上方に設けて成形したリング状食品Pをそのまま油調してもよい。なお、前記内包材や前記外皮材をクリームやケーキ生地などとして説明したが、それらの材料は任意に選択できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るリング状食品成形装置1を概略的に示した正面説明図である。
【図2】リング状食品成形装置1の主要部を概略的に示した縦断面による正面説明図である。
【図3】リング状食品成形装置1の主要部を概略的に示した縦断面による側面説明図である。
【図4】リング状食品成形装置1の主要部を概略的に示した側面説明図である。
【図5】リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【図6】リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【図7】リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【図8】リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【図9】リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【図10】リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【図11】リング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るリング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るリング状食品成形装置1がリング状食品Pを成形する工程を示した工程説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 リング状食品成形装置3 重合ノズル部7 内包材9 外皮材11 重合導入部12 リング成形部29 外管部材31 内管部材33 内包材押出口37 底部材39 外皮材押出口43 (底部材の)ボス部45 (底部材の)フランジ部51 カットスリーブ61 封着部材69 剥離補助リングP リング状食品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内包材供給部に連通され内包材が流下する外管部材と、前記外管部材の内側に配置され外皮材供給部に連通され外皮材が流下する内管部材と、前記外管部材の下端と所要の間隔を開けて下方に配置される前記内管部材の下端部のフランジと、前記内管部材のフランジの下端と所要の間隔を開けて下方に配置される底部材と、前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合するカットスリーブと、前記カットスリーブの外側に前記カットスリーブに対し上下動自在に嵌合する封着部材とを備え、前記カットスリーブは、前記外管部材の下端と前記内管部材のフランジとの間で形成される内包材押出口を開閉すると共に、前記封着部材は、前記内管部材のフランジと前記底部材との間で形成される外皮材押出口を開閉し、さらに、前記封着部材の下端が前記底部材の上面に当接可能に備えられていることを特徴とするリング状食品成形装置。
【請求項2】
内包材供給部に連通され内包材が流下する外管部材と、前記外管部材の内側に配置され外皮材供給部に連通され外皮材が流下する内管部材と、前記外管部材の下端と所要の間隔を開けて下方に配置される前記内管部材の下端部のフランジと、前記内管部材のフランジの下端と所要の間隔を開けて下方に配置される底部材と、前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合するカットスリーブと、前記カットスリーブの外側に前記カットスリーブに対し上下動自在に嵌合する封着部材とを備え、前記カットスリーブは、前記外管部材の下端と前記内管部材のフランジとの間で形成される内包材押出口と、その下方に配置される前記内管部材のフランジと前記底部材との間で形成される外皮材押出口とを開閉し、前記封着部材は、前記封着部材の下端が前記底部材の上面に当接可能に備えられていることを特徴とするリング状食品成形装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のリング状食品成形装置において、内側から外側に向かって上方に傾斜する斜面に形成された前記内管部材のフランジの下面と、内側から外側に向かって上方に傾斜する斜面が形成された前記底部材の上面の環状の溝とを対向するように上下に配置したことを特徴とする該装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のリング状食品成形装置において、前記内管部材のフランジの上面が内側から外側に向かって下方に傾斜する斜面に形成されたことを特徴とする該装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のリング状食品成形装置において、前記封着部材及び前記底部材の外側に上下動自在に嵌合する剥離補助リングを備えたことを特徴とする該装置。
【請求項6】
外管部材と、前記外管部材の下端と所要の間隔を開けてその下方に配置された底部材との間に内包材が押し出される内包材押出口と外皮材押出口とを備え、前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合させたカットスリーブを前記底部材に嵌合するよう備えることにより前記カットスリーブの外側に前記外皮材で前記内包材を被覆したリング状食品を分割するリング状食品成形装置において、前記カットスリーブの外側に前記カットスリーブに対し上下動自在に嵌合する封着部材を備えると共に前記封着部材の下面が前記底部材の上面に当接可能に備えたことを特徴とする該装置。
【請求項7】
外管部材の下端と前記外管部材の内側に配置された内管部材の下端部のフランジとの間に所要の間隔を開けて形成された内包材押出口を前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合するカットスリーブで閉口した状態で、筒部材の下端部のフランジとその下方に所要の間隔を開けて配置された底部材との間で形成される外皮材押出口から外皮材を押し出し、前記外皮材を前記カットスリーブの下端部の外周に附着させ、前記外皮材の押し出しを行いながら前記カットスリーブを上昇させて前記内包材押出口を開口し、前記内包材押出口から前記外皮材の内部に所要量の前記内包材を押し出し、その後、前記カットスリーブを下降させて前記内包材押出口を閉口して前記内包材の押し出しを停止すると共に前記内包材を切断し、そして、前記カットスリーブの外側に上下動自在に嵌合された封着部材を下降させ前記外皮材押出口を閉口して前記外皮材の押し出しを停止すると共に前記外皮材を切断して前記外皮材で前記内包材を被覆したリング状食品を切断し、前記封着部材の下端を前記底部材の上面に当接するよう下降させることにより前記カットスリーブに附着した前記外皮材と切断された前記外皮材とを前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することを特徴とするリング状食品成形方法。
【請求項8】
外管部材の下端と前記外管部材の内側に配置された内管部材の下端部のフランジとの間に所要の間隔を開けて形成された内包材押出口を前記外管部材の外側に上下動自在に嵌合するカットスリーブで閉口した状態で、筒部材の下端部のフランジとその下方に所要の間隔を開けて配置された底部材との間で形成される外皮材押出口から外皮材を押し出し、前記外皮材を前記カットスリーブの下端部の外周に附着させ、前記外皮材の押し出しを行いながら前記カットスリーブを上昇させて前記内包材押出口を開口し、前記内包材押出口から前記外皮材の内部に所要量の前記内包材を押し出し、その後、前記カットスリーブを下降させて前記内包材押出口を閉口して前記内包材の押し出しを停止すると共に前記内包材を切断し、さらに、前記カットスリーブを下降させて前記外皮材押出口を閉口して前記外皮材の押し出しを停止すると共に前記外皮材を切断して前記外皮材で前記内包材を被覆したリング状食品を切断し、前記カットスリーブの外側に上下動自在に嵌合された封着部材を下降させ前記封着部材の下端を前記底部材の上面に当接するよう下降させることにより前記カットスリーブに附着した前記外皮材と切断された前記外皮材とを前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することを特徴とするリング状食品成形方法。
【請求項9】
外管部材の外側に上下動自在に嵌合されたカットスリーブを下降させて前記外管部材の下端と所要の間隔を開けて配置された底部材に嵌合させることにより外皮材で内包材を被覆したリング状の食品を成形する方法において、前記カットスリーブの外側に上下動自在に嵌合された封着部材の下端を前記底部材の上面に当接するよう下降させることにより前記リング状食品における前記カットスリーブにより切断された部分周辺の前記外皮材を前記封着部材と前記底部材との間で押圧して前記外皮材から前記内包材が漏出しないよう前記外皮材を封着することを特徴とするリング状食品成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−55169(P2012−55169A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198422(P2010−198422)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】