説明

リング精紡機

【課題】リング精紡機並びにリング精紡機構成部分を改善して、公知技術の欠点を排除して、高い柔軟性を達成する。
【解決手段】機械フレーム、リングフレーム4及びスピンドル台3を含んでいて、複数の精紡箇所を備えるリング精紡機であって、スピンドル台上に、各精紡箇所毎にそれぞれ1つのスピンドルユニット2及び電動式の駆動部12を配置してある形式のものにおいて、本発明に基づき駆動部12は各精紡箇所でスピンドルユニットの側方に、有利にはスピンドル台に配置され、駆動部のトルクは、該駆動部に配置された駆動車15及びスピンドルユニットの伝動車10に巻掛けられた伝動ベルト16を介してスピンドルユニットのスピンドル軸11に伝達されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の精紡箇所を備えるリング精紡機であって、機械フレーム、リングフレーム、及びスピンドル台を含んでおり、この場合にスピンドル台上には、各精紡箇所毎にそれぞれ1つのスピンドルユニットを配置してあり、該スピンドルユニットは、スピンドル軸、スピンドルシャフト、糸捕捉装置、及び伝動車を備えており、さらに前記スピンドル台上に、各精紡箇所毎にそれぞれ1つの、前記スピンドルユニットに属する電動式の駆動部(個別駆動部)を配置してある形式のものに関する。さらに本発明は、第1の構成要素、第2の構成要素、及び第3の構成要素を含むリング精紡機構成部分(リング精紡機構成部品)にも関する。
【背景技術】
【0002】
今日、1つのリング精紡機の複数のスピンドルを中央の1つの駆動モータによって駆動することが一般的である。個別のスピンドルへのトルクの分配は、精紡機の長手方向に延びていてタンブール軸とも称される中央の1つの軸を介して行われる。トルクは中央のタンブール軸から駆動ベルトを介して取り出されて、各スピンドルに導かれるようになっている。駆動ベルトは駆動車若しくは伝動車に巻き掛けられている。公知の駆動装置は4軸式ベルト駆動である。この場合には各機械側のそれぞれ2つのスピンドル、つまり全部で4つのスピンドルは、共有の1つの駆動ベルト及び駆動車を介してタンブール軸によって駆動されるようになっている。駆動ベルトは、機械長手方向に対して横方向に、例えば垂直に一方の機械側から他方の機械側へ延びている。転向車を含む緊定装置は、最適なトルク伝達のために駆動ベルトに所定の最小応力を常に生ぜしめるようになっている。
【0003】
今、例えば糸切れの解消を目的として個別の1つのスピンドルを停止るために、スピンドルにスピンドルブレーキを設けてある。スピンドルブレーキは、ブレーキ面を有しており、該ブレーキ面はスピンドルに押し付けられて、スピンドルを停止させるようになっている。これに対して、残りの3つのスピンドルを引き続き駆動している駆動ベルトは、静止されずに、停止している伝動車に沿って滑動し、ひいては発熱することになる。伝動車に向けられたベルト表面の粗さは大きすぎてはならず、それというのは大きな粗さの粗面はベルトを過度に摩耗させることになるからである。他方においてベルト表面の小さい粗さは、トルク伝達を低下させることになり、それというのは低い摩擦はスリップを生ぜしめるからである。
【0004】
リング精紡機の開発の主な目的は、駆動エネルギーの節減、摩耗の低減、効率の向上にある。エネルギーコストの節減は、エネルギー価格が上昇する場合にはますます重要なテーマである。
【0005】
上述の中央駆動式のスピンドル駆動には、エネルギー効率の点でいくつかの欠点がある。中央のスピンドル駆動部は、精紡機の長さにわたって延びるタンブール軸及び駆動ベルト用の駆動車に基づき大きな慣性質量を有している。駆動車及び転向車を介して案内される駆動ベルトの使用は、摩擦損失につながっている。ベルト表面の、スピンドルブレーキに起因して生じる不規則な粗さ値は、トルク伝達の局所的な変化を生ぜしめることになる。さらに常に最適なベルト応力を生ぜしめなければならず、それというのは精紡品質の低下及びエネルギー消費の増大が生じることになるからである。
【0006】
さらなる欠点は、スピンドル駆動部を糸切れに際して個別に停止できないことにある。簡単な1つのスピンドルブレーキにおいては、スピンドルは静止され、駆動ベルトは、停止している伝動車に沿って滑動している。この種のスピンドルブレーキは不当な摩耗及びエネルギー消費につながっている。
【0007】
エネルギー効率の別の観点は、コップカプセル化、つまりコップ包囲にある。周知のように、回転するコップによって空気を連行することに基づき大きなエネルギー損失が生じている。したがって、コップはリングフレームの下側で包囲されるようになっている。このようにしてコップによる空気連行は減少され、エネルギー消費は著しく低減される。中央駆動式の従来のリング精紡機においては、コップカプセル化はリング精紡機の新規な構成なしには用いられず、それというのはコップカプセル化は伝動車及び駆動ベルトを介しては行われ得ないからである。ドイツ連邦共和国特許出願公開第19702678号明細書には、例えばスピンドルを伝動車とスピンドルシャフトとの間で中間片によって延長することが記載されており、これによってリングフレームの下側でコップカプセル化が行われている。しかしながらスピンドルは中央の1つの駆動部によって駆動されるようになっている。
【0008】
リング精紡機において、複数の個別のスピンドル駆動部(個別スピンドル駆動部)を設ける試みがなされ、各スピンドルは電動式の固有の駆動部によって駆動されるようになっている。回転子(ロータ)はスピンドル軸に配置され、固定子(ステータ)はスピンドルのケーシング部分内に配置されている。しかしながらこのような駆動構成は費用及び手間を必要とするものである。構成部品は、リング精紡機に適合して形成さるもので少量生産であり、大量生産されるものではない。
【0009】
例えば欧州特許出願公開第1927689号明細書には、スピンドル内に組み込まれたモータからなる個別スピンドル駆動部を開示してあり、回転子はスピンドル軸に取り付けられ、固定子は、スピンドル軸の周囲のスピンドルケーシングに取り付けられている。駆動軸とスピンドル軸とは1つの構成ユニットにまとめられている。
【0010】
前記個別スピンドル駆動部は、高価であるだけではなく、別の欠点を有している。1つのスピンドルユニットの電動モータの故障若しくは該スピンドルユニットに属する制御装置の故障に際して、高い修理費用が掛かり、若しくはスピンドルユニット全体を交換しなければならない。さらに駆動部の構成及び出力にも問題がある。互いに異なる大きさのスピンドルで糸を製造して互いに異なる大きさのコップを形成する場合に、互いに異なる大きさのスピンドルは、出力能力の異なるモータを備えなければならず、このことは部品の種類及びコストを増大させることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19702678号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1927689号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、リング精紡機並びにリング精紡機構成部分を改善して、前記公知技術の欠点を排除して、高い柔軟性を達成することである。さらに製造コストを減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明では、複数の精紡箇所を備えるリング精紡機であって、リング精紡機は機械フレーム、リングフレーム、及びスピンドル台を含んでおり、前記スピンドル台上に、前記各精紡箇所毎にそれぞれ1つのスピンドルユニットを配置してあり、該スピンドルユニットは、スピンドル軸、スピンドルシャフト、ヤーン保持装置、及びは伝動車を備えており、さらに前記スピンドル台上に、前記各精紡箇所毎にそれぞれ1つの、前記スピンドルユニットに属する個別の電動式の駆動部(電動式の個別駆動部)を配置してある形式のものにおいて、前記電動式の駆動部は前記各精紡箇所で前記スピンドルユニットの近傍若しくは横に配置され、有利には前記スピンドル台に配置されており、前記電動式の駆動部のトルクは、該駆動部に配置された駆動車及び前記スピンドルユニットの前記伝動車に巻掛けられた伝動ベルトを介して前記スピンドル軸に伝達されるようになっている。電動式の駆動部の駆動軸は、有利にはスピンドル軸の回転軸線に平行に配置されている。
【0014】
付言すると、リング精紡機について述べてある構成事項は、リング精紡機構成部分にも当てはまる。
【0015】
電動式の駆動部は、機械長手方向に対して横方向で見て、相応の保持部を介してスピンドルユニットの横(側方)、前(前側)若しくは後(後側)に配置されていてよい。駆動部の、ベルト伝動要素とも称される駆動車は、駆動部の駆動軸に同軸に連結されている。
【0016】
スピンドルの構成部分である伝動車若しくはプーリーは、スピンドル台の上側に配置され、有利には下側に配置されている。駆動ベルトは有利には、駆動車と伝動車との間で水平に配置されている。駆動ベルトに限定されるものではなく、それというのはモータ軸の軸線とスピンドル軸の軸線とは互いに平行に位置しているからである。伝動車は15mmの直径を有していてよい。本発明に基づき用いられる伝動車若しくはプーリーは、案内フランジを有していないので、その直径が従来の伝動車よりも小さくなっている。
【0017】
駆動車は、ベルトを巻き掛けるベルト車若しくはベルト円板(プーリー)であり、駆動ベルトは有利には平ベルトである。駆動車は、駆動モータの駆動軸に同軸にかつ相対回動不能に配置されている。ベルト車は、ベルト車の外周領域に平らなベルト案内面を有している。力伝達は摩擦接続に基づき行われる。駆動ベルトは、タイミングベルトであってよい。これに対応してベルト車も歯列を有しており、力伝達は形状結合に基づき、つまりかみ合いに基づき行われる。
【0018】
駆動ベルトは、高い摩擦係数を有し、主軸に案内されるベルト側でも伝動車に案内されるベルト側でも、例えば0.5乃至0.9、有利には0.7の摩擦係数を有している。したがって、伝動車に案内されるベルト側は従来のベルトに比べて著しく高い摩擦係数を有している。
【0019】
駆動ベルトは、従来のベルトよりも狭い幅、有利には3乃至20mm、殊に有利には3乃至8mm、さらに有利には最大5mmの幅を有している。これは、力伝達がベルト幅と、ベルトと駆動部材との間の摩擦ファクターの関数であることによる。摩擦ファクターが高いので、ベルト幅は同一の力伝達では相応に小さくできるようになっている。
【0020】
緊定手段若しくはテンション手段により、駆動ベルトに運転中に一様な応力を与えて、一様な力伝達を行うようになっている。緊定手段は、戻し部材、例えばばね、連結された案内車である。組立に際してベルトの応力を可能にする手段を設けてある。このような手段は、例えばガイド、スライド案内若しくは長孔案内であり、該ガイド、スライド案内若しくは長孔案内に沿って駆動部、若しくは駆動車、伝動車若しくはスピンドルユニットを水平方向に所定の位置若しくは間隔に移動させて固定するようになっている。
【0021】
電動式の駆動部は、有利にはロータ及びステータからなる電動モータであり、特に交流モータであり、交流モータは、同期モータ若しくは非同期モータ、若しくはブラシレスの直流モータである。非同期モータから成る複数のスピンドルモータは、有利には共有の1つの周波数変換器を介して制御されるようになっている。別の実施態様では、1つの精紡機のすべてのモータは、区分毎に若しくは機械側毎にそれぞれ共通の1つの周波数変換器を介して制御されるようになっていてよい。トルク変速装置を用いることによって、例えば周波数200Hzの交流モータを使用することができる。
【0022】
駆動軸とスピンドル軸との相互間隔は4乃至7cm、有利には5乃至6cmである。ベルト長さは有利には8乃至20cm、特に有利には10乃至15cmである。有利な実施態様では、スピンドル駆動部の個別の接続及び遮断(オン・オフ)若しくは停止のための手段を設けてある。
【0023】
スピンドルユニットは直接若しくは間接的にスピンドル台上に不動に取り付けられ、つまり固定されている。本発明の有利な実施態様では、リングフレームに、該リングフレームの下面から下方へ延びるリングフレーム管を配置してあり、該リングフレーム管は前記リングフレームの下側でコップ若しくはスピンドルシャフトを取り囲んで、つまり包囲していて、コップ案内を成しており、スピンドルユニットは糸捕捉装置(糸固定装置)若しくは糸受容ユニットと伝動車との間に中間部材(中間区分若しくは中間構成部分)を含んでおり、該中間部材は、前記リングフレーム管が低いリングフレーム位置で該中間部材上を移動させられるように形成されており、前記リングフレーム管の下方の端部は前記低いリングフレーム位置ではボビン交換の前に糸締め付けを行う際に前記伝動車の上側に接触するようになっている。糸捕捉装置若しくは糸受容ユニットは、スピンドルシャフトの下側でかつ伝動車の上側に配置されていて、締め付け間隙若しくは受容間隙を備え、或いは受容冠状部を有している。
【0024】
本発明の実施態様では、中間部材の長さは、スピンドルシャフトの長さの少なくとも0.5倍、有利には少なくとも0.7倍乃至0.9倍であり、中間部材はスピンドル軸の、コップ用管を受容する中間区分から成っている。中間部材は例えば250乃至350mmの長さを有している。中間部材若しくはスピンドル軸は、鋼若しくはアルミニウムから成っていて、5乃至10mm、特に有利には6乃至7mmの直径を有している。スピンドル軸は、運転中の自由なスピンドル先端の変位が1mm以内であるような曲げ強度を有している。このような曲げ強度は、スピンドル軸の垂直方向の荷重を確実に受け止めてコップの精密な保持を可能にしている。
【0025】
スピンドルユニットは、上方及び下方のスピンドル軸受を含んでおり、スピンドル軸受は有利には玉軸受若しくは転がり軸受であり、互いに所定の間隔で配置され、有利には中間部材の下側に、若しくは糸捕捉装置の上側に配置され、或いは伝動車若しくはスピンドル台の上側に配置され、有利には共有の1つの閉じた支承ケーシング内に設けられており、支承ケーシングは両方のスピンドル軸受を取り囲んでいる。
【0026】
本発明の1つの実施例では、下方の軸受はスピンドル台の高さに、若しくはスピンドル台におけるスピンドルユニットの固定される高さに配置されている。上方のスピンドル軸受は、有利にはスピンドル台の上側に配置されている。
【0027】
本発明の1つの実施例では、下方の軸受はスピンドル台の上側に、若しくはスピンドル台におけるスピンドルユニットの固定される箇所の上側に配置されている。上方のスピンドル軸受は、同じくスピンドル台の上側、若しくは下方の軸受の上側に配置されている。
【0028】
スピンドルユニットは有利には支承ケーシングを介してスピンドル台に取り付けられ、中間部材は支承ケーシングから糸捕捉装置若しくはスピンドルシャフトまで延びている。
【0029】
スピンドルユニットは別の実施態様では受容スリーブを含んでおり、該受容スピンドルを介してスピンドルユニットがスピンドル台に固定されている。支承ケーシング及び中間部材は受容ケーシングによって取り囲まれている。スピンドルは支承ケーシングを介して受容スリーブに、特にその内周面に取り付けられている。固定のために受容ケーシングと支承ケーシングとの間に弾性的な固定手段を設けてあってよく、該固定手段は、スピンドル軸、軸受、支承ケーシング、スピンドルシャフト及びスピンドル伝動車から成るユニットの、受容ケーシングに対する運動を可能にしている。このような構造は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102005040902号明細書の図1b及び図1cに示してある。
【0030】
本発明に基づくリング精紡機構成部分は第1の構成要素、第2の構成要素、及び第3の構成要素を含んでおり、前記第1の構成要素は、複数の精紡箇所を有するリング精紡機本体であり、該リング精紡機本体(リング精紡機基体)は機械フレーム、リングフレーム及び、複数のスピンドルユニットの受容のためのスピンドル台を含んでおり、前記スピンドル台上に、同一の複数の電動式の駆動部を配置してあり、該各電動式の駆動部は、それぞれ前記各精紡箇所毎に配置された各スピンドルユニットに属して設けられ、つまり各スピンドルユニットに対応して配置され、各スピンドルユニットに対応配置されており、前記第2の構成要素は互いに異なる大きさの前記スピンドルユニットを含んでおり、該互いに異なる大きさのスピンドルユニットは、長さ及び/又は直径の互いに異なるスピンドルシャフトを含んでおり、前記第3の構成要素は、前記スピンドルユニットのスピンドル軸への前記駆動部のトルクの伝達のために、前記駆動部の駆動軸へ組み付けられる駆動車を含んでおり、前記第3の構成要素は、互いに異なる伝達比を得るために互いに異なる直径の駆動車を含んでおり、前記第1の各構成要素への組み付けのために選ばれた前記第2の複数の構成要素の大きさに応じて該第2の構成要素に対応して、前記伝達比に依存して前記駆動部の所定の回転数領域で前記スピンドル軸への最適なトルク伝達を可能にする所定の直径の前記駆動車を備えた前記第3の構成要素が配置されるようになっている。本明細書で、A及び/又はBなる記載は、A及びBのいずれか少なくとも一方を意味している。
【0031】
個別の駆動部の駆動軸からスピンドル軸への回転数の伝達は、駆動部の単数若しくは複数の駆動車を介して行われるようになっている。これに対応して第3の構成要素も複数の伝動車を含んでいてよく、伝動車の直径は、スピンドル軸への所定の伝達比を得るように相互に適合されている。
【0032】
本発明の別の実施態様では、リング精紡機構成部分は、第1の構成要素、第2の構成要素、及び第3の構成要素を含んでおり、前記第1の構成要素は、複数の精紡箇所を有するリング精紡機本体であり、該リング精紡機本体は機械フレーム、リングフレーム及び、複数のスピンドルユニットの受容のためのスピンドル台を含んでおり、前記スピンドル台上に、同一の複数の電動式の駆動部を配置してあり、該各電動式の駆動部は、それぞれ前記各精紡箇所毎に配置された各スピンドルユニットに対応配置されており、前記第2の構成要素は互いに異なる大きさの前記スピンドルユニットを含んでおり、該互いに異なる大きさのスピンドルユニットは、長さ及び/又は直径の互いに異なるスピンドルシャフトを含んでおり、前記第3の構成要素は、前記スピンドルユニットのスピンドル軸への前記駆動部のトルクの伝達のために、前記スピンドルユニットのスピンドル軸へ組み付けられる伝動車を含んでおり、前記第3の構成要素は、互いに異なる伝達比を得るために互いに異なる直径の伝動車を含んでおり、前記第1の各構成要素への組み付けのために選ばれた前記第2の複数の構成要素の大きさに応じて、該第2の構成要素に対応して、前記伝達比に依存して前記駆動部の所定の回転数領域で前記スピンドル軸への最適なトルク伝達を可能にする所定の直径の前記伝動車を備えた前記第3の構成要素が配置(配設)されるようになっている。
【0033】
太い糸の製造に際しては、周知のように細い糸の製造の場合よりも大きなコップを形成するようになっている。すなわちコップは、大きな直径及び/又は大きな長さを有している。スピンドルユニットもコップの寸法に合わせて寸法を規定されている。大きな質量を運動させるためには、モータも相応に大きなトルクを生ぜしめなければならない。細い糸の製造には逆のことが当てはまる。モータの出力は、モーメントと回転数の関数によって求められるものである。1つの駆動モータにおける伝達比の変更は、大きさの異なる駆動車若しくは伝動車を用いることによって行われる。例えば糸番数Ne40の糸の製造には高い出力を必要とする。高い出力は、直径の小さい駆動車若しくは伝動車を用いることによって達成されてよい。
【0034】
本発明の実施態様では、リング精紡機構成部分は、大きさの異なるそれぞれ1つの駆動ベルトを備えた第4の複数の構成要素を含んでおり、前記駆動ベルトの大きさは、前記駆動車若しくは前記伝動車の大きさに合わせられ、かつ前記駆動部の前記駆動軸とスピンドル軸との間の前記伝達比に合わせられている。
【0035】
本発明の別の実施態様では各1つのリング精紡機本体の駆動部は、第2の構成要素、及び各紡績箇所で選ばれた伝達比に、若しくは同一の機能及び出力に、有利には同一の工場設備形式に依存することなく独立して設けられている。本発明のさらに別の実施態様ではすべてのリング精紡機本体の駆動部は、選ばれた第2の構成要素、及びリング精紡機本体の各紡績箇所で選ばれた伝達比に、若しくは同一の機能及び出力に、有利には同一の工場設備形式に依存することなく独立して設けられ、経済的に有利である。
【0036】
本発明の有利な実施態様では各1つのリング精紡機本体の前記各紡績箇所に、互いに異なる大きさのスピンドルユニットを備えた前記第2の構成要素及び、互いに異なる伝達比のための伝動車若しくは互いに異なる大きさの駆動車を備えた第3の構成要素が配置されている。本発明の別の実施態様では異なるリング精紡機本体のために、互いに異なる大きさのスピンドルユニットを備えた前記第2の構成要素並びに、互いに異なる伝達比のための伝動車若しくは駆動車を備えた第3の構成要素が配置されており、各1つのリング精紡機本体の複数の精紡箇所は、同一の大きさの各スピンドルユニット及び、同一の伝達比のための同一の第3の構成要素を含んでいる。
【0037】
本発明の別の実施態様では、リング精紡機本体のリングフレームに、該リングフレームの下側から下方へ延びるリングフレーム管を配置してあり、該リングフレーム管は、前記リングフレームの下側で前記スピンドル駆動部のスピンドルシャフトを取り囲んでおり、前記スピンドルユニットは、糸捕捉装置、殊に糸クランプ装置若しくは糸受容装置を含んでおり、かつ前記スピンドルユニットは、前記糸捕捉装置と前記伝動車との間に中間部材を含んでおり、該中間部材は、前記リングフレームが低いリングフレーム位置へ該中間部材に沿ってできるように形成されており、前記リングフレーム管の下方の端部は、最も低いリングフレーム位置で前記伝動車に接近(近接)するようになっている。
【0038】
本発明の有利な実施態様のリング精紡機本体では電動式の駆動部は非同期モータを含んでおり、該非同期モータのモータ接続部U,V,Wは交流給電網の3つの相R,S,Tによって給電されるようになっており、前記非同期モータの遮断の後の駆動軸の制動のために、ステータの直流給電のための手段を設けてあり、かつ前記非同期モータの接続(I)、遮断(O)及び制動(B)のための3つの切換位置を有する回路装置を設けてあり、該回路装置は次の切換手段を含んでおり、
接続位置で前記3つの相R,S,Tと前記モータ接続部U,V,Wとの電気的な接続部は接続されるようになっており、
遮断位置で前記2つの相R及びSと前記モータ接続部U及びVとの電気的な接続部は遮断されるようになっており、
制動位置で前記2つの相R及びSと前記モータ接続部U及びVとの電気的な接続部は遮断され、前記相Tと前記モータ接続部Wとの間の電気的な接続部は接続され、かつ前記モータ接続部U及びWは、前記両方の相R及びTの電圧を受ける変圧器及びダイオードを介して直流回路を形成するようになっており、該直流回路は前記ステータへの直流給電を行うようになっている。
【0039】
スピンドルの制動を手動で行う場合には、回路装置は2つの切換位置を有しており、非同期モータの制動の切換は1つのキーを用いて行われ、BREMSEN位置の切換位置は単安定式であり、つまりキーはBREMSEN位置で安定していない。
【0040】
本発明の有利な実施態様では、糸切れ監視装置を設けてあり、糸切れ監視装置は、糸切れの検出に際して適切な制御装置を介してAUS位置若しくはBREMSEN位置を生ぜしめるようになっている。スピンドル駆動部の伝達比は、従来技術とは異なって個別にかつ極めて簡単に適合されるようになっている。
【0041】
本発明は図示の実施例に限定されることなく、各構成を単独に、若しくは種々に組み合わせて種々に実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1a】リング精紡機のスピンドルユニット及び該スピンドルユニットに属する駆動部の断面図である。
【図1b】図1aの符号Aの箇所の詳細図である。
【図2a】スピンドルモータのための電動式のモータブレーキのための回路図である。
【図2b】図2aの回路に糸切れ検出装置及び糸切れ信号に基づき制御可能な回路を備えてなる回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1a及び図1bに示すスピンドルユニット2は、スピンドルシャフト18、スピンドル軸11、閉じたスピンドル支承ケーシング21、スピンドル支承ケーシング21内に収容された上方及び下方のスピンドル軸受22,23、並びにスピンドル支承ケーシング21の下側に配置された伝動車10を含んでおり、弾み車とも称される伝動車10はスピンドル軸11と相対回動不能に結合され、つまりスピンドル軸11に固定(固着)されていてスピンドル軸11と一緒に回転するようになっている。さらにスピンドルユニット2は、弾み車若しくは上方のスピンドル軸受22と紡績糸クランプ装置8,9との間に配置された中間部材を含んでおり、該中間部材はスピンドル軸11の構成部分11aである。スピンドルシャフト18にボビン19を被せ嵌めてあり、ボビン19上に糸巻体20を形成するようになっている。スピンドルユニット2は、スピンドル支承ケーシング21を介してスピンドル台3に不動に結合され、つまり固定されており、この場合に伝動車10はスピンドル台3の下側に位置している。ここではスピンドルユニット2は、スピンドル支承ケーシング21でもってスピンドル台3の貫通孔内に挿入されている。牽伸装置(図示省略)を介して供給された糸17は、リング6及びトラベラー5から成る装置を介してコップに巻き取られるようになっている。
【0044】
リングフレーム4には、該リングフレーム4の下側から下方へ延びるリングフレーム管7を取り付けてあり、つまり、リングフレーム管7はリングフレームの下側で該リングフレームに固定されている。リングフレーム4を例えば受け止めて停止させるために下方の位置へ移す場合に、リングフレーム管7は中間部材11a上を移動し、つまり中間部材11aに沿って移動する。
【0045】
スピンドルモータ12は、スピンドル台3の垂直な背壁13に固定されている。もちろんスピンドルモータは、スピンドルユニットに類似して、スピンドル台の水平な面に配置され、かつ機械フレームの別の構成部分に取り付けられていてよいものである。
【0046】
スピンドルモータ12はモータ軸14を含んでおり、該モータ軸(駆動軸)は、プーリーとも称されるベルト車15に相対回動不能に結合されている。駆動車として用いられるベルト車15と伝動車10とは1つの駆動ベルト16によって巻き掛けられ、これによって互いに作用結合されている。モータ軸14の駆動モーメント(トルク)は、ベルト車15、駆動ベルト16及び伝動車10を介してスピンドル軸11に伝達される。
【0047】
上述の構成は、中間部材11aを含まないスピンドルユニットに用いられるものである。
【0048】
図2aには、スピンドルモータの遮断及び停止のための回路構成40を示してあり、スピンドルモータは交流非同期モータ若しくは交流誘導モータとして形成されている。スピンドルモータ44のモータ接続部U,V,Wは、運転時、つまりEIN(I)切換位置では交流給電網の3つの相R,S,Tから給電されるようになっている。回路装置43は、手動操作可能なスイッチであり、3つの切換位置(切換状態)を有し、つまり、接続(オン)のためのEIN(I)切換位置、遮断(オフ)のためのAUS(O)切換位置、及び制動のための単安定式のBREMSEN(B)切換位置を有している。AUS(O)切換位置では、モータ接続部U及びVは所定の相から切り離され、つまり遮断されるようになっている。従って電流は流れず、スピンドルモータ44には駆動モーメントはもはや生じていない。しかしながら、回転子(ロータ)ひいてはモータ軸は惰性回転し、モータはやがて摩擦力によって停止することになる。
【0049】
惰性回転を短くするため、つまり止めるために、スピンドルモータに電気ブレーキを掛けるようになっている。このために変圧器41を設けてあり、該変圧器は相R及びTからの交流電圧を低い交流電圧に下げるようになっている。変圧された電圧は、単安定のBREMSEN切換位置を介してモータ接続部Uに接続された導線45に印加される。導線45を通って流れる交流電流は、ダイオード42を介して直流電流に変換され、直流電流はスピンドルモータの固定子内を流れて、ブレーキ電流として作用するようになっている。
【0050】
停止を早期に達成するために、モータ接続UはBREMSEN(B)切換位置で線路45を介して変圧器41に接続されるようになっている。これによって直流電圧回路47は閉じられて、直流電流はダイオード42及びモータ接続部Uを介してモータ接続部Wに導かれ、モータ接続部Wから相Tを経て変圧器47へ流れ戻るようになっている。固定子(ステータ)内を流れる直流電流は、スピンドルモータに制動作用を生ぜしめる。変圧器はスーパトランス若しくはオートトランスフォーマとして形成されていてよいものである。さらに複数の精紡箇所にとって、ブレーキ電流のスピンドル毎の形成のための共有の1つの変圧器を設けることも可能である。この場合に変圧器は、同時に制動されるスピンドルの最大の数に合わせて構成されている。
【0051】
図2bには、1つのスピンドルモータの遮断及び停止のための図2aの回路構成の変化例を示してある。図2bに示す実施例は、図2aの実施例とは、糸切れ検出装置60を追加的に設けてあることによって異なっており、該糸切れ検出装置は第2の回路ユニット62を含んでいて、糸切れの発生に際して信号を発信するようになっており、信号は、組み込まれた制御装置を介して切換指令に変換される。
【0052】
図2bには回路装置143のみを示してあり、該回路装置(スイッチ装置)は、糸切れ検出装置60及び該糸切れ検出装置と接続された第2の回路ユニットによって補完されている。図2bには図示されていないほかの構成部分は、図2aに示してある構成部分と同じもの若しくは同等のものである。
【0053】
回路装置143は、手動操作可能な第1の制御ユニット61を含んでおり、該制御ユニットは3つの切換位置を有し、つまり双安定式のEIN(I)切換位置とAUS(O)切換位置、並びに単安定式のBREMSEN(B)切換位置を有している。これらの切換位置(切換状態)は手動ではなく、制御信号を介して生ぜしめられるようになっている。糸切れ検出装置60は、糸切れの発生時に若しくはほかの障害又は故障の発生時に信号を制御装置(図示省略)に送るようになっている。糸切れ信号に基づき制御装置は制御信号を形成するようになっており、該制御信号によって第2の切換ユニット62は、EIN(I)切換位置からAUS(O)切換位置に切り換わり、若しくはEIN(I)切換位置からBREMSEN(B)切換位置を経てAUS(O)切換位置に切り換わるようになっている。つまりスピンドル駆動部は、手動操作式の第1の制御ユニット61を介して、或いは第2の制御ユニット62を介して制御されて糸切れ時指令若しくは支障発生時指令の基準位置へ切り換えられるようになっている。
【0054】
図2bに回路を示してあるように、第2の制御ユニット62にはキースイッチを設けてないので、3つの切換位置を設けてある。第1の切換位置はS相にあり、S相への電気的な接続部の遮断及び接続(開閉)のために用いられるようになっている。第2の切換位置はR相にあり、R相への電気的な接続部の遮断及び接続のために用いられるようになっている。第3の切換位置は通路、つまり導線45にあり、BREMSEN(B)切換位置の形成の目的で変圧器への電気的な接続部の遮断及び接続のために用いられるようになっている。第1及び第2の切換位置(R相及びS相)でR相及びS相を接続してある場合、並びに該接続部を第3の切換位置で遮断してある場合に、第2のスイッチユニット62内にはEIN(I)切換位置が生じている。電気的な接続部を第1及び第2の切換位置(R相及びS相)で遮断してある場合には、AUS(O)切換位置が生じている。電気的な接続部を第3の切換位置で形成してある場合には、BREMSEN(B)切換位置が生じている。
【符号の説明】
【0055】
2 スピンドルユニット、 3 スピンドル台、 4 リングフレーム、 5 トラベラー、 6 リング、 8,9 紡績糸クランプ装置、 10 伝動車、 11 スピンドル軸、 11a 中間部材、 12 スピンドルモータ、 13 背壁、 14 モータ軸、 15 ベルト車、 16 駆動ベルト、 18 スピンドルシャフト、 21 スピンドル支承ケーシング、 22,23 スピンドル軸受、 40 回路構成、 41 変圧器、 43 回路装置、 44 スピンドルモータ、 45 線路、 60 糸切れ検出装置、 62 制御ユニット、 143 回路装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の精紡箇所を備えるリング精紡機であって、機械フレーム、リングフレーム(4)、及びスピンドル台(3)を含んでおり、前記スピンドル台(3)上に、前記各精紡箇所毎にそれぞれ1つのスピンドルユニット(2)を配置してあり、該スピンドルユニットは、スピンドル軸(11)、スピンドルシャフト(18)、糸捕捉装置(9)、及び伝動車(10)を備えており、さらに前記スピンドル台(3)上に、前記各精紡箇所毎にそれぞれ1つの、前記スピンドルユニット(2)に属する個別の電動式の駆動部(12)を配置してある形式のものにおいて、前記電動式の駆動部(12)は前記各精紡箇所で前記スピンドルユニット(2)の側方に配置され、有利には前記スピンドル台(3)に配置されており、前記電動式の駆動部(12)のトルクは、該駆動部(12)に配置された駆動車(15)及び前記スピンドルユニット(2)の前記伝動車(10)に巻掛けられた伝動ベルト(16)を介して前記スピンドル軸(11)に伝達されるようになっていることを特徴とするリング精紡機。
【請求項2】
前記駆動車(15)はベルト車であり、前記駆動ベルトは平ベルトである請求項1に記載のリング精紡機。
【請求項3】
前記リングフレーム(4)に、該リングフレーム(4)の下面から下方へ延びるリングフレーム管(7)を配置してあり、該リングフレーム管(7)は前記リングフレーム(4)の下側で前記スピンドルシャフト(18)を取り囲んでおり、前記スピンドルユニット(2)は前記糸捕捉装置(9)と前記伝動車(10)との間に中間部材(11a)を含んでおり、該中間部材(11a)は、前記リングフレーム管(7)が低いリングフレーム位置で該中間部材(11a)上を移動させられるように形成されており、前記リングフレーム管(7)の下方の端部は前記低いリングフレーム位置ではボビン交換の前に糸締め付けを行う際に前記伝動車(10)の上側に接触するようになっている請求項1又は2に記載のリング精紡機。
【請求項4】
前記中間部材(11a)の長さ(Z)は、前記スピンドルシャフト(18)の長さ(L)の少なくとも0.5倍、有利には少なくとも0.7倍乃至0.9倍であり、前記中間部材(11a)は前記スピンドル軸(11)の中間区分から成っている請求項3に記載のリング精紡機。
【請求項5】
前記電動式の駆動部は非同期モータ(44)を含んでおり、該非同期モータのモータ接続部U,V,Wは交流給電網の3つの相R,S,Tによって給電されるようになっており、前記非同期モータの遮断の後の駆動軸の制動のために、ステータの直流給電のための手段を設けてあり、かつ前記非同期モータの接続(I)、遮断(O)及び制動(B)のための3つの切換位置を有する回路装置(43)を設けてあり、該回路装置(43)は次の切換手段を含んでおり、
接続位置で前記3つの相R,S,Tと前記モータ接続部U,V,Wとの電気的な接続部は接続されるようになっており、
遮断位置で前記2つの相R及びSと前記モータ接続部U及びVとの電気的な接続部は遮断されるようになっており、
制動位置で前記2つの相R及びSと前記モータ接続部U及びVとの電気的な接続部は遮断され、前記相Tと前記モータ接続部Wとの間の電気的な接続部は接続され、かつ前記モータ接続部U及びWは、前記両方の相R及びTの電圧を受ける変圧器(41)及びダイオード(42)を介して直流回路を形成するようになっており、該直流回路は前記ステータへの直流給電を行うようになっている請求項1から4のいずれか1項に記載のリング精紡機。
【請求項6】
リング精紡機構成部分であって、第1の構成要素、第2の構成要素、及び第3の構成要素を含んでおり、前記第1の構成要素は、複数の精紡箇所を有するリング精紡機本体であり、該リング精紡機本体は機械フレーム、リングフレーム(4)及び、複数のスピンドルユニット(2)の受容のためのスピンドル台(3)を含んでおり、前記スピンドル台(3)上に、同一の複数の電動式の駆動部(12)を配置してあり、該各電動式の駆動部(12)は、それぞれ前記各精紡箇所毎に配置された各スピンドルユニット(2)に対応配置され、前記第2の構成要素は互いに異なる大きさの前記スピンドルユニット(2)を含んでおり、該互いに異なる大きさのスピンドルユニット(2)は、長さ及び/又は直径の互いに異なるスピンドルシャフト(18)を含んでおり、前記第3の構成要素は、前記スピンドルユニット(2)のスピンドル軸(11)への前記駆動部(12)のトルクの伝達のために、前記駆動部(12)の駆動軸(14)へ組み付けられる駆動車(15)を含んでおり、前記第3の構成要素は、互いに異なる伝達比を得るために互いに異なる直径の駆動車(15)を含んでおり、大きさに応じて、前記第1の各構成要素への組み付けのために選ばれた前記第2の複数の構成要素に対応して、前記伝達比に依存して前記駆動部(12)の所定の回転数領域で前記スピンドル軸(11)への最適なトルク伝達を可能にする所定の直径の前記駆動車(15)を備えた前記第3の構成要素が配置されるようになっていることを特徴とするリング精紡機構成部分。
【請求項7】
リング精紡機構成部分であって、第1の構成要素、第2の構成要素、及び第3の構成要素を含んでおり、前記第1の構成要素は、複数の精紡箇所を有するリング精紡機本体であり、該リング精紡機本体は機械フレーム、リングフレーム(4)及び、複数のスピンドルユニット(2)の受容のためのスピンドル台(3)を含んでおり、前記スピンドル台(3)上に、同一の複数の電動式の駆動部(12)を配置してあり、該各電動式の駆動部(12)は、それぞれ前記各精紡箇所毎に配置された各スピンドルユニット(2)に対応配置されており、前記第2の構成要素は互いに異なる大きさの前記スピンドルユニット(2)を含んでおり、該互いに異なる大きさのスピンドルユニット(2)は、長さ及び/又は直径の互いに異なるスピンドルシャフト(18)を含んでおり、前記第3の構成要素は、前記スピンドルユニット(2)のスピンドル軸(11)への前記駆動部(12)のトルクの伝達のために、前記スピンドルユニット(2)のスピンドル軸(11)へ組み付けられる伝動車(10)を含んでおり、前記第3の構成要素は、互いに異なる伝達比を得るために互いに異なる直径の伝動車(10)を含んでおり、前記第1の各構成要素への組み付けのために選ばれた前記第2の複数の構成要素の大きさに応じて、該第2の構成要素に対応して、前記伝達比に依存して前記駆動部(12)の所定の回転数領域で前記スピンドル軸(11)への最適なトルク伝達を可能にする所定の直径の前記伝動車(10)を備えた前記第3の構成要素が配置されるようになっていることを特徴とするリング精紡機構成部分。
【請求項8】
前記リング精紡機構成部分は、大きさの異なるそれぞれ1つの駆動ベルト(16)を備えた第4の複数の構成要素を含んでおり、前記駆動ベルトの大きさは、前記駆動車(15)若しくは前記伝動車(10)の大きさに合わせられ、かつ前記駆動部(12)の前記駆動軸(14)とスピンドル軸(11)との間の前記伝達比に合わせられている請求項6又は7に記載のリング精紡機構成部分。
【請求項9】
1つのリング精紡機本体の駆動部(12)は、前記第2の構成要素、及び前記各紡績箇所で選ばれた前記伝達比に、若しくは同一の機能及び出力に依存することなく独立して設けられている請求項6から8のいずれか1項に記載のリング精紡機構成部分。
【請求項10】
すべてのリング精紡機本体の駆動部(12)は、選ばれた前記第2の構成要素、及び前記リング精紡機本体の前記各紡績箇所で選ばれた前記伝達比に、若しくは同一の機能及び出力に依存することなく独立して設けられている請求項6から9のいずれか1項に記載のリング精紡機構成部分。
【請求項11】
1つのリング精紡機本体の前記各紡績箇所に、互いに異なる大きさのスピンドルユニット(2)を備えた前記第2の構成要素及び、互いに異なる伝達比のための伝動車(10)若しくは互いに異なる大きさの駆動車(15)を備えた前記第3の構成要素が配置されている請求項6から10のいずれか1項に記載のリング精紡機構成部分。
【請求項12】
異なるリング精紡機本体のために、互いに異なる大きさのスピンドルユニット(2)を備えた前記第2の構成要素並びに、互いに異なる伝達比のための伝動車(10)若しくは駆動車(15)を備えた前記第3の構成要素が配置されており、各1つのリング精紡機本体の複数の精紡箇所は、同一の大きさの前記各スピンドルユニット(2)及び、同一の伝達比のための同一の前記第3の構成要素を含んでいる請求項6から11のいずれか1項に記載のリング精紡機構成部分。
【請求項13】
前記リング精紡機本体のリングフレーム(4)に、該リングフレーム(4)の下側から下方へ延びるリングフレーム管(7)を配置してあり、該リングフレーム管は、前記リングフレーム(4)の下側で前記スピンドル駆動部のスピンドルシャフト(18)を取り囲んでおり、前記スピンドルユニット(2)は、糸捕捉装置(9)、殊に糸クランプ装置若しくは糸受容装置を含んでおり、かつ前記スピンドルユニット(2)は、前記糸捕捉装置(9)と前記伝動車(10)との間に中間部材(11a)を含んでおり、該中間部材は、前記リングフレーム(4)が低いリングフレーム位置へ該中間部材(11a)に沿ってできるように形成されており、前記リングフレーム管(7)の下方の端部は、最も低いリングフレーム位置で前記伝動車(10)に接近するようになっている請求項6から12のいずれか1項に記載のリング精紡機構成部分。
【請求項14】
前記中間部材(11a)の長さ(Z)は、前記スピンドルシャフト(18)の長さ(L)の少なくとも0.5倍、有利には少なくとも0.7倍乃至0.9倍であり、前記中間部材(11a)は前記スピンドル軸(11)の中間区分から成っている請求項13に記載のリング精紡機構成部分。
【請求項15】
前記リング精紡機構成部分は、請求項1から5のいずれか1項に記載のリング精紡機の成形のために用いられる請求項6から14のいずれか1項に記載のリング精紡機構成部分。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【公開番号】特開2010−31448(P2010−31448A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173507(P2009−173507)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(590005597)マシーネンファブリク リーター アクチェンゲゼルシャフト (93)
【氏名又は名称原語表記】Maschinenfabrik Rieter AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstrasse 20,CH−8406 Winterthur,Switzerland
【Fターム(参考)】